特許第5909280号(P5909280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909280
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】内圧を受ける孔のための閉鎖要素
(51)【国際特許分類】
   F16J 13/14 20060101AFI20160412BHJP
【FI】
   F16J13/14
【請求項の数】17
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-526389(P2014-526389)
(86)(22)【出願日】2011年8月23日
(65)【公表番号】特表2014-534379(P2014-534379A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】EP2011004225
(87)【国際公開番号】WO2013026458
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2014年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】513104240
【氏名又は名称】ケーブイティー−ケーニッヒ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】クラウアー,ユルク
(72)【発明者】
【氏名】ヴュスト,ベアト
【審査官】 杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭42−008833(JP,B1)
【文献】 特開2001−271930(JP,A)
【文献】 特開2004−116709(JP,A)
【文献】 特開2010−090991(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0151533(US,A1)
【文献】 米国特許第03279643(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 13/00 − 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内圧を受ける孔、エンジンブロック若しくは弁体の孔又は容器を閉鎖するための閉鎖要素であって、
前記孔に挿入できるスリーブ形状の本体(1)を備え、
前記本体(1)の外周は、固定状態において前記孔(3)の内側表面(2)に対して圧接されて密閉を形成し、
前記本体(1)、及び前記本体(1)の壁部(1a)下端部に形成された遷移領域(8)によって前記本体(1)に接続された膨張体(4)が設けられ
前記膨張体(4)は、基本姿勢において実質的に上部が前記孔の外側にある部分(7a)に下部が前記孔の内側にある部分(7b)に分けられた壁部(7)を備えて形成され、
前記孔に圧入された前記膨張体(4)は、前記本体(1)の壁部(1a)に対して径方向外側に作用する押圧力を印加し、前記孔の前記内側表面(2)に対して前記本体(1)を押圧して密閉することを特徴とする閉鎖要素。
【請求項2】
前記本体(1)及び前記膨張体(4)は一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の閉鎖要素。
【請求項3】
前記本体(1)に、径方向外側に突出する支持フランジ(5)が更に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の閉鎖要素。
【請求項4】
前記本体(1)の壁部(1a)の厚さは、前記支持フランジ(5)から前記孔(3)の内側(I)に向かって連続的に又は段階的に増大させていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の閉鎖要素。
【請求項5】
前記膨張体(4)は、カップ状に形成され、基部(6)及びこの基部(6)上に形成された前記壁部(7)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の閉鎖要素。
【請求項6】
前記固定状態において、前記膨張体(4)は前記本体(1)内に到達していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の閉鎖要素。
【請求項7】
前記膨張体(4)の前記壁部(7)は、スリーブ状の前記本体(1)上に一体に成形され、前記遷移領域(8)は塑性変形可能に作製されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の閉鎖要素。
【請求項8】
前記設置状態において、スリーブ形状の前記本体(1)の、前記孔(3)の前記内側(I)を向いた端部(1a)は、鋭角に屈曲していること、及び
前記膨張体(4)の前記壁部(7)は屈曲した前記端部(1a)に一体に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の閉鎖要素。
【請求項9】
固定以前の状態において、前記膨張体(4)の前記壁部(7)に移行部(9)が形成され、
前記移行部(9)は、前記壁部(7)を前記外側部分(7a)及び前記内側部分(7b)に分かれ、
前記外側部分(7a)の外径(ra2)は、前記内側部分(7b)の外径(ra1)より大きいことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の閉鎖要素。
【請求項10】
前記外側部分(7a)の前記外径(ra2)は、スリーブ状の前記本体(1)の内径(Ri1)よりわずかに大きいことを特徴とする請求項9に記載の閉鎖要素。
【請求項11】
前記固定以前の状態において、前記膨張体(4)の前記内側部分(7b)のみが前記本体(1)内に到達することを特徴とする請求項9又は10に記載の閉鎖要素。
【請求項12】
前記閉鎖要素には、切り欠き部、スロット、窓のいずれかを備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の閉鎖要素。
【請求項13】
前記本体(1)の外側表面は、少なくとも部分的に、摩擦増大コーティング及び/又は歯部、ローレットの隆起部を備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の閉鎖要素。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の閉鎖要素によって、内圧を受ける孔(3)を密閉するための方法であって、
まず前記閉鎖要素を前記孔(3)に挿入し、次に膨張体(4)に圧力を印加することによって前記閉鎖要素を前記孔(3)に圧入し、
前記閉鎖要素を前記孔(3)に圧入することにより、前記膨張体(4)は変形によって前記本体(1)内に圧入され、これにより、前記本体(1)を前記孔(3)の内側表面(2)に向かって径方向に押圧していることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記閉鎖要素を前記孔(3)に圧入することにより、前記膨張体(4)の内側部分(7b)は変形によって、前記孔(3)の内側(I)に向かって軸方向に及び/又は前記孔(3)の軸線方向(A)に向かって径方向に押圧されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記閉鎖要素を前記孔(3)に圧入することにより、前記膨張体(4)の外側部分(7a)はその形状を維持したまま、前記孔(3)の前記内側(I)に向かって軸方向に押圧され、これにより、前記膨張体(4)の前記外側部分(7a)は、前記本体(1)上で径方向外向きに作用する接触圧を発生させることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記膨張体(4)を前記本体(1)に圧入することにより、前記本体(1)と前記膨張体(4)との間が一体となっての接続が、破損することなく弾性又は塑性変形することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の、内圧を受ける孔のための閉鎖要素に関する。
【背景技術】
【0002】
このような閉鎖要素は、エキスパンダとも呼ばれ、例えば、エンジンブロック若しくは弁体の孔又は化学薬品容器の開口部を閉鎖するために、例えば密閉するために使用できる。エンジンブロック又は弁体の内部には最大1000barもの高圧がかかるため、このようなエンジンブロック又は弁体の孔を閉鎖するために、例えば密閉するための閉鎖要素の製造品質及び材料特性には厳しい要件が設定されている。
【0003】
内圧を受ける孔を閉鎖するため、例えば密閉するための閉鎖要素は、特許文献1から公知である。この閉鎖要素は、閉鎖される孔に挿入するために設けられた円筒形の本体を有し、この本体には外方向に突出する支持フランジを有する。円筒形本体内には膨張体が配置され、この膨張体は孔のカバーを形成するとともに、孔内に挿入された本体を、孔の内側表面に対して径方向に押圧する。密閉前の状態において、膨張体は所定の破断点で本体と接続される。孔の密閉閉鎖のために、まず、所定の破断点で固定された膨張体を有する本体を孔内に位置決めし、続いて所定の破断点を剪断するため等の圧力を印加することによって膨張体を本体内へと圧入し、これによって膨張体は本体の内壁に径方向の圧力を印加した状態で、閉鎖される孔の壁部に対して本体を拡張及び押圧して、密閉を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開特許第2009/000317A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上より、本発明の目的は、更に高い内圧に耐えられ、容易に製造できるとともに、閉鎖する孔に容易に挿入できる、この種の閉鎖要素を更に改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、この目的は、請求項1の特徴を有する閉鎖要素、及び内圧を受ける孔を密閉するための請求項14に記載の密閉するための方法によって達成される。
【0007】
閉鎖要素及び密閉するための方法の好ましい実施形態は、従属請求項に見ることができる。
【0008】
本発明による閉鎖要素は、閉鎖要素を孔内に挿入する以前及び固定状態の両方において、膨張体を本体と一体として成形することを特徴とする。膨張体と本体との接続は、閉鎖される孔に閉鎖要素を挿入する際に、膨張体と本体との間において、接続領域の塑性変形によって、膨張体と本体との間の接続を破損することなく膨張体を本体に圧入できるように作製される。使用する材料の弾性によっては、本発明による閉鎖要素は孔から再び引き抜いて再使用できる。
【0009】
有利には、膨張体はカップ状に形成され、閉鎖要素の固定状態において孔のカバーを形成する基部、及び基部上に形成された円筒形壁部を備えている。本体は、円筒形壁部を有するスリーブ状に作製され、有利にはこの円筒形壁部上に、径方向外側に突出する支持フランジを形成し、これを用いて閉鎖する孔を取り囲む壁部上に閉鎖要素を支持できる。
【0010】
本発明による閉鎖要素を使用して、内圧を受ける孔を閉鎖するために、まず閉鎖要素を孔に挿入し、次に、膨張体に圧力を印加することによって閉鎖要素を孔に圧入する。この圧力は手動で印加でき、又は打撃工具若しくは押圧工具を用いて印加できる。膨張体はこれによって本体に圧入され、特に、膨張体が本体上に形成される領域である遷移領域及び/又は膨張帯の部分領域において塑性変形が発生する。この位置では、膨張体は本体を孔の内側表面に対して径方向に押圧し、これによって閉鎖要素を孔内に保持されて密閉状態を形成する。
【0011】
膨張要素を本体に圧入すると、本体と膨張要素との間の一体接続は破損することなく塑性変形し、閉鎖される孔に閉鎖要素を挿入する以前及び挿入後の両方において、膨張要素は本体上に一体として成形されており、その状態を維持する。
【0012】
本発明の例示的実施形態及び更なる利点について、図面を用いて以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1a図1aは、本発明による閉鎖要素の第1の例示的実施形態の、固定以前の状態を示す断面図である。
図1b図1bは、膨張体が本体要素上に形成された遷移領域の拡大図である。
図1c図1cは、閉鎖要素を2つの異なる方向から見た斜視図である。
図2a図2aは、嵌合中の図1による閉鎖要素の断面図である。
図2b図2bは、固定状態にある図1による閉鎖要素の断面図である。
図3a図3aは、本発明による閉鎖要素の第2の例示的実施形態の、固定以前の状態を示す断面図である。
図3b図3bは、膨張体が本体要素上に形成された遷移領域の拡大図である。
図3c図3cは、閉鎖要素を2つの異なる方向から見た斜視図である。
図4a図4aは、嵌合中の図3による閉鎖要素の断面図である。
図4b図4bは、固定状態にある図3による閉鎖要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示す、本発明による閉鎖要素の第1の例示的実施形態では、本体壁部1aを有するスリーブ状の本体1を備えている。径方向外側に突出する支持フランジ5は、本体1の軸方向の中間部に、その壁部と一体となるように形成されている。図1bの詳細図からわかるように、壁部1aの径方向外側周辺表面と、支持フランジ5の下側又は上記下側と平行になっている上側との間の角度αが90°よりわずかに小さい角度となるように、具体的には例えばα=85°となるように、支持フランジ5を若干下向きに屈曲させている。
【0015】
図1bからわかるように、本体1の壁部1aの厚さは、支持フランジ5から下方向へ段階的に増大している。本体1の壁部1aの厚さの増大は連続的に(例えば円錐状に)形成してもよい。壁部1aの厚さの増大を用いて、本体1の内径Riを、上部領域における大きな値Ri2から、下部領域における小さな値Ri1へと減少させている。ここでは、本体の外径Raは、高さH全体にわたって一定である。
【0016】
本体1の壁部1aの下端は径方向内側に屈曲させており、この屈曲領域において遷移領域8を形成する。壁部7はこの遷移領域8において、本体1の壁部1a上にこれと一体として形成されている。ここで遷移領域8は、この形成された壁部7が壁部1aに対して180°屈曲しており、壁部1aに対して平行に上向きに延伸するように形成されている。円筒形に形成された壁部7は膨張体4の構成部品であり、この膨張体4は、壁部7と並んで、壁部7の上に一体として形成された基部6を備えている。従って、膨張体4は実質的にカップ状に作製され、上部領域に基部6を有し、また基部6に対して下向きに隣接する円筒形の壁部7を有する。壁部7は移行部9によって、2つの部分、具体的には上部外側部分7a及び下部内側部分7bに分けられる。壁部7の厚さは、外側部分7aと内側部分7bでほぼ同一である。内側部分7bの内径ri1は外側部分7aの内径ri2より小さく、従って下部内側部分7bの外径ra1は外側部分7aの外径ra2より小さい。膨張体4の下部内側部分7bの外径ra1は本体1の壁部1aの内径Ri1よりわずかに小さい。従って、膨張体4の下部内側部分7bは本体1に達する。膨張体4の上部外側部分7aの外径ra2は、本体1の壁部1aの最大内径Ri1よりわずかに大きくなるように形成されている。
【0017】
図2aに示すように、閉鎖される孔3に図1に示す閉鎖要素を挿入するために、閉鎖要素をまず孔に(緩く)挿入し、支持フランジ5は孔を取り囲む壁部10上に支持される。本体1の外周(外径Ra)はその内側に近接して、好ましくは孔3の内側表面2に対していずれの遊びも有することなく存在する。本体1の外径Raは、孔3の直径Dよりわずかに小さくなるように選択すると有利である。例えばD=22mmの直径を有する孔3を用いると、本体1の外径Raは例えば21.9mmである。
【0018】
孔3内で閉鎖要素を圧着するように押圧するために、膨張体4を本体1に圧入することによって閉鎖要素を図2bに示す位置に移動させる。膨張体4の基部6に、孔3の内側の方向Iに印加される力の影響により、遷移領域8は、まず膨張体4の壁部7の下部内側部分7bを径方向内側に屈曲する本体の壁部1a上に成形することによって変形する。
【0019】
図2bに示す変形して嵌合した状態において、膨張体4は本体1に完全に圧入され、これによって基部6の表面はフランジ5の上側と同一平面となる。壁部7の下部内側部分7bは、塑性変形により屈曲し、孔3の内側の方向Iに下向きに押圧される。膨張体4を本体1に圧入することにより、膨張体4の上部外側部分7aは、圧入状態(図2b)において、本体1の最小内径Riを形成する本体1の壁部1aの下部の内側表面(即ち内径Ri1)と圧接する。膨張体4の上部7aの外径ra2は本体1の内径Ri1より大きく。この位置では膨張要素4は本体1の壁部1aを、孔3の内側表面2に対して径方向外側に押圧し、これによって閉鎖要素を孔3内に固定した状態で保持され、密閉を完成する。
【0020】
膨張体4を本体1に圧入すると、膨張体の上部外側部分7aの形状は安定しているものの、膨張体の下部内側部分7bと、膨張体4の壁部7が本体1の壁部1aに固定される遷移領域8とは塑性変形する。しかしながら、本体1上の膨張体4の一体となっての接続は、特許文献1の閉鎖要素の場合と同様、このような様式で分離されることはない。
【0021】
図3の例示的実施形態の閉鎖要素は、膨張体4が本体1上に成形される遷移領域8の形状のみが図1による閉鎖要素とは異なる。これ以外については、同一の参照番号を使用する。
【0022】
図1による閉鎖要素とは異なり、この例示的実施形態の遷移領域8は、図3bに示すように三角形の断面形状を有する。本体1の壁部1aの下端は鋭角であり、径方向内側を向くよう屈曲して遷移領域8を形成する。しかしながら、この例示的実施形態では、壁部1aの下端は(図1の例示的実施形態のように)180°屈曲せず、180°未満の鋭角だけ屈曲させるのみである。図3に示す例示的実施形態では、壁部1aの下端が径方向内側に屈曲する角度は約115°である。90°〜180°の範囲の他の屈曲角度も可能である。
【0023】
屈曲した遷移領域8において、膨張体4の下部内側部分7bは壁部1aの屈曲した端部と一体に隣接している。図1の例示的実施形態とは異なり、図3に示す例示的実施形態では、膨張体4のこの下部内側部分7bは、下側アーム7b’及び上側アーム7b’’を用いて角度を有して形成されている。2つのアーム7b’、7b’’は約115°の鈍角βを有する。そして膨張体4の外側部分7aは上側アーム7b’’の上端に隣接している。図1の例示的実施形態と同様、膨張体4及び本体1を有する閉鎖要素全体は一体に形成されている。膨張体4が本体1上に形成される遷移領域、及び膨張体4の下部内側部分7bは塑性変形可能に作製されている。
【0024】
図1の例示的実施形態と同様、図3の例示的実施形態でも、膨張体4の上部外側部分7aの外径ra2は本体1の内径Ri1より(わずかに)大きい。
【0025】
図1の閉鎖要素と同様に、図3の閉鎖要素は孔3に圧入される。図4に、圧入プロセスを2つのステップで示す。第1のステップにおいて、閉鎖要素をまず孔3に(緩く)挿入し、支持フランジ5がは孔3を取り囲む壁部10に支持される。続いて第2のステップ(図4b)において、基部6の上面が支持フランジ5の上面と同一平面となるまで圧力を印加することにより、膨張体4を本体1に圧入する。膨張体4を本体1に圧入すると、遷移領域8及び膨張体4の(アーム7b’、7b’’を有する)角度付き下部7bは変形する。同時に、膨張体4の外側部分7aは本体1の壁部1aの内側表面に対して載置される。膨張体の上部外側部分7aの外径ra2が、本体の壁部1aの小さな内径Ri1に比べて大きいことにより、圧入された膨張体4は、本体1の壁部1aに対して径方向外側に作用する押圧力を印加し、孔の内側表面2に対して本体1を押圧して、密閉を完成する。
【0026】
膨張体4を本体1に圧入すると、膨張体4の下側アーム7b’と上側アーム7b’’との間の角度付き接続領域は変形して、図4bに示す最終位置をとる。この最終位置では、内側部分7bの2つのアーム7b’、7b’’は、図4bに示すように一方が他方の上にあり、180°屈曲している。続いて、孔3の軸方向の軸線Aに対して実質的に平行に延在する上部外側部分7aは、上側アーム7b’’とほぼ直角形状を形成する。膨張体4の内側部分7bの2つのアーム7b’、7b’’を屈曲させることにより、膨張体4が本体1aに印加する径方向押圧力は更に強くなる。
【0027】
本発明の両例示的実施形態では、閉鎖要素の構成部品は、深絞りプロセスによって金属板から、又は射出成形部品として好ましくはプラスチックから、一体として製造できる。有利には、本発明による閉鎖要素は例えばステンレス鋼又はアルミニウム等の金属製であり、コーティングが施されている。閉鎖要素をプラスチックから製造する場合、グラスファイバによる補強が可能である。閉鎖要素の材料の弾性に応じて、変形は弾性かつ塑性、又は純粋に弾性のみのものとすることもできる。本発明による閉鎖要素は、圧力を受ける孔を閉鎖するために使用でき、この孔は15〜60mmの直径及び5〜100barの標準動作圧力を有する。
【0028】
上述の例示的実施形態により、本発明は十分に示されている。例えば、孔内での固定を改善するために、本体1の円筒形の壁部1aの外側に切り欠き部、スロット又は窓をいずれの位置に設けることができる。更にこの目的のために、本体の外側表面に、摩擦増大コーティング又は歯部、ローレット等の隆起部を設けることができる。
【0029】
閉鎖要素の断面形状は、本明細書で説明した円形形状と異なってもよい。例えば、正方形又は長方形の断面形状も考えられる。
【0030】
原則として、閉鎖要素は多数の部品からなってもよく、ここで基部6をより安定な又は低級な材料で作製することもできる。
【0031】
更に原則として、閉鎖要素に1つ又は多数のフィルタ状の開口を設けてもよく、これによって空気又は液体透過性をもたらしながら、例えば固体粒子を保持する。
図1a)】
図1b)】
図1c)】
図2a)】
図2b)】
図3a)】
図3b)】
図3c)】
図4a)】
図4b)】