(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5909294
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】不揮発性記憶装置のための書き込み回路及び方法、並びに不揮発性記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 16/06 20060101AFI20160412BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20160412BHJP
G11C 16/02 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
G11C17/00 632C
G11C17/00 622E
G11C17/00 611A
【請求項の数】16
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-48530(P2015-48530)
(22)【出願日】2015年3月11日
【審査請求日】2015年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】599092848
【氏名又は名称】力晶科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(72)【発明者】
【氏名】小川 暁
【審査官】
塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−203965(JP,A)
【文献】
特開2013−127827(JP,A)
【文献】
特開2011−8910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/06
G11C 16/02
G11C 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルにデータを書き込むときにデータを一時的に格納するページバッファに設けられ、上記メモリセルにデータを書き込んだときに各メモリセル毎のプログラム終了の判断を行う制御回路を備えた不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、
上記制御回路は、
プログラム終了判断信号を出力する1対の信号ラインの間に設けられ、対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータに基づいてオンオフ制御される第1のスイッチ素子と、
上記1対の信号ラインの間に設けられ、プログラムベリファイの判断制御を行う判断制御用MOSトランジスタと、
上記判断制御用MOSトランジスタのゲートとソースあるいはドレインの間に接続された第2のスイッチ素子であって、所定の判断制御信号に基づいて上記判断制御用MOSトランジスタを制御する電圧を上記判断制御用MOSトランジスタのゲートに印加する第2のスイッチ素子とを備え、
上記制御回路は、上記プログラムベリファイを行う前に、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に所定の制御電圧値を加算した電圧値になるように設定したことを特徴とする不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項2】
上記制御電圧値は、0V〜0.5Vの範囲のうちの1つの電圧値であることを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項3】
上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧に対して、所定の基準電流に基づいて一定値になるように制御された制御電圧を印加する回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項4】
上記第1及び第2のスイッチ素子は、NチャンネルMOSトランジスタ又はPチャンネルMOSトランジスタであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項5】
上記第1のスイッチ素子であるMOSトランジスタのゲートは、上記ページバッファのラッチのいずれかの一端、もしくは上記ページバッファの回路においてデータを一時的に保持するキャパシタの一端に接続されたことを特徴とする請求項4記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項6】
上記1対の信号ラインの間に設けられ、所定の判断イネーブル信号に基づいて上記1対の信号ラインの間の電流パスをカットする第3のスイッチ素子をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項7】
上記制御回路は、上記対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータを反転した後、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に所定の制御電圧値を加算した電圧値になるように設定したことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項8】
上記制御回路は、上記対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータを反転することなく、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に、所定の基準電流に基づいて一定値になるように制御された制御電圧値を加算した電圧値になるように設定したことを特徴とする請求項6記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項9】
上記判断制御用MOSトランジスタは、コントロールゲート及びフローティングゲートを有するスタックゲート型MOSトランジスタで構成され、
上記フローティングゲートは上記第2のスイッチ素子の一端に接続され、
上記制御回路は、
(1)初期状態において、上記コントロールゲートに印加される所定の基準電圧を0Vとした状態で上記フローティングゲートを当該MOSトランジスタのしきい値電圧に所定の制御電圧値を加算した電圧値になるよう設定し、
(2)ベリファイ判断の制御動作状態において、上記判断制御用MOSトランジスタに流れるドレイン電流が所定の基準電流となるように上記コントロールゲートの基準電圧を制御することを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項10】
上記1対の信号ラインに接続された上記制御回路を含むプログラム終了判断部を複数個備え、複数のメモリセルのプログラムの終了を判断するプログラム終了判断回路と、
1対の別の信号ラインに接続された所定の単位基準電流をそれぞれ流す第1のMOSトランジスタをそれぞれ含む複数個の基準電流発生部を備え、上記複数のメモリセルのうちのプログラムの終了の個数を判断するためのしきい値基準電流を発生する基準電流発生回路と、
上記プログラム終了判断回路に流れる電流に対応する電圧を、上記基準電流発生回路に流れるしきい値基準電流に対応するしきい値電圧と比較して、プログラム終了の判断を示す判断信号を出力するコンパレータ手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項11】
上記各基準電流発生部の第1のMOSトランジスタを、複数の第2のMOSトランジスタを並列に接続して構成したことを特徴とする請求項10記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路。
【請求項12】
請求項1〜11のうちのいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置のための書き込み回路を備えたことを特徴とする不揮発性記憶装置。
【請求項13】
メモリセルにデータを書き込むときにデータを一時的に格納するページバッファに設けられ、上記メモリセルにデータを書き込んだときに各メモリセル毎のプログラム終了の判断を行う制御回路を備えた不揮発性記憶装置のための書き込み方法において、
上記制御回路は、
プログラム終了判断信号を出力する1対の信号ラインの間に設けられ、対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータに基づいてオンオフ制御される第1のスイッチ素子と、
上記1対の信号ラインの間に設けられ、プログラムベリファイの判断制御を行う判断制御用MOSトランジスタと、
上記判断制御用MOSトランジスタのゲートとソースあるいはドレインの間に接続された第2のスイッチ素子であって、所定の判断制御信号に基づいて上記判断制御用MOSトランジスタを制御する電圧を上記判断制御用MOSトランジスタのゲートに印加する第2のスイッチ素子とを備え、
上記プログラムベリファイを行う前に、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に、所定の基準電流に基づいて一定値になるように制御された制御電圧値を加算した電圧値になるように設定する制御ステップを含むことを特徴とする不揮発性記憶装置のための書き込み方法。
【請求項14】
上記制御ステップは、上記対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータを反転した後、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に、所定の基準電流に基づいて一定値になるように制御された制御電圧値を加算した電圧値になるように設定するステップを含むことを特徴とする請求項13記載の不揮発性記憶装置のための書き込み方法。
【請求項15】
上記制御回路は、上記1対の信号ラインの間に設けられ、所定の判断イネーブル信号に基づいて上記1対の信号ラインの間の電流パスをカットする第3のスイッチ素子をさらに備え、
上記制御ステップは、上記対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータを反転することなく、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に、所定の基準電流に基づいて一定値になるように制御された制御電圧値を加算した電圧値になるように設定するステップを含むことを特徴とする請求項13記載の不揮発性記憶装置のための書き込み方法。
【請求項16】
上記判断制御用MOSトランジスタは、コントロールゲート及びフローティングゲートを有するスタックゲート型MOSトランジスタで構成され、
上記フローティングゲートは上記第2のスイッチ素子の一端に接続され、
上記制御ステップは、
(1)初期状態において、上記コントロールゲートに印加される所定の基準電圧を0Vとした状態で上記フローティングゲートに所定のフローティングゲート基準電圧を印加するステップと、
(2)ベリファイ判断の制御動作状態において、上記判断制御用MOSトランジスタに流れるドレイン電流が所定の基準電流となるように上記フローティングゲート基準電圧を制御するステップとを含むことを特徴とする請求項13記載の不揮発性記憶装置のための書き込み方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフラッシュメモリなどの電気的書き換え可能な不揮発性半導体記憶装置(EEPROM)のための書き込み回路及び方法、並びに不揮発性記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビット線とソース線との間に複数のメモリセルトランジスタ(以下、メモリセルという)を直列に接続してNANDストリングを構成し、高集積化を実現したNAND型不揮発性半導体記憶装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図1Aは従来例に係るNAND型フラッシュEEPROMの全体構成を示すブロック図である。また、
図1Bは
図1Aのメモリセルアレイ10とその周辺回路の構成を示す回路図である。
【0004】
図1Aにおいて、従来例に係るNAND型フラッシュEEPROMは、メモリセルアレイ10と、その動作を制御する制御回路11と、ロウデコーダ12と、高電圧発生回路13と、データ書き換え及び読み出し回路を含むページバッファ回路14と、カラムデコーダ15と、コマンドレジスタ17と、アドレスレジスタ18と、動作ロジックコントローラ19と、データ入出力バッファ50と、データ入出力端子51とを備えて構成される。
【0005】
メモリセルアレイ10は、
図1Bに示すように、例えば16個のスタックト・ゲート構造の電気的書き換え可能な不揮発性メモリセルMC0〜MC15を直列接続してNANDセルユニットNU(NU0,NU1, …)が構成される。各NANDセルユニットNUは、ドレイン側が選択ゲートトランジスタSG1を介してビット線BLに接続され、ソース側が選択ゲートトランジスタSG2を介して共通ソース線CELSRCに接続される。ロウ方向に並ぶメモリセルMCの制御ゲートは共通にワード線WLに接続され、選択ゲートトランジスタSG1,SG2のゲート電極はワード線WLと平行して配設される選択ゲート線SGD,SGSに接続される。1本のワード線WLにより選択されるメモリセルの範囲が書き込み及び読み出しの単位となる1ページである。1ページ又はその整数倍の範囲の複数のNANDセルユニットNUの範囲がデータ消去の単位である1ブロックとなる。ページバッファ回路14は、ページ単位のデータ書き込み及び読み出しを行うために、ビット線毎に設けられたセンスアンプ回路(SA)及びラッチ回路(DL)を含む。
【0006】
図1Bのメモリセルアレイ10は、簡略化した構成を有し、複数のビット線でページバッファを共有してもよい。この場合は、データ書き込み又は読み出し動作時にページバッファに選択的に接続されるビット線数が1ページの単位となる。また、
図1Bは、1個の入出力端子51との間でデータの入出力が行われるセルアレイの範囲を示している。メモリセルアレイ10のワード線WL及びビット線BLの選択を行うために、それぞれロウデコーダ12及びカラムデコーダ15が設けられている。制御回路11は、データ書き込み、消去及び読み出しのシーケンス制御を行う。制御回路11により制御される高電圧発生回路13は、データ書き換え、消去、読み出しに用いられる昇圧された高電圧や中間電圧を発生する。
【0007】
入出力バッファ50は、データの入出力及びアドレス信号の入力に用いられる。すなわち、入出力バッファ50及びデータ信号線52を介して、入出力端子51とページバッファ回路14の間でデータの転送が行われる。データ入出力端子51から入力されるアドレス信号は、アドレスレジスタ18に保持され、ロウデコーダ12及びカラムデコーダ15に送られてデコードされる。データ入出力端子51からは動作制御のコマンドも入力される。入力されたコマンドはデコードされてコマンドレジスタ17に保持され、これにより制御回路11が制御される。チップイネーブル信号CEB、コマンドラッチイネーブルCLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、書き込みイネーブル信号WEB、読み出しイネーブル信号REB等の外部制御信号は動作ロジックコントロール回路19に取り込まれ、動作モードに応じて内部制御信号が発生される。内部制御信号は、入出力バッファ50でのデータラッチ、転送等の制御に用いられ、さらに制御回路11に送られて、動作制御が行われる。
【0008】
ページバッファ回路14は、2個のラッチ回路14a,14bを備え、多値動作の機能とキャッシュの機能を切り換えて実行できるように構成されている。すなわち、1つのメモリセルに1ビットの2値データを記憶する場合に、キャッシュ機能を備え、1つのメモリセルに2ビットの4値データを記憶する場合には、キャッシュ機能とするか、又はアドレスによって制限されるがキャッシュ機能を有効とすることができる。
【0009】
図1Cは
図1AのNAND型フラッシュEEPROMにおいてページバッファ回路14及びプログラム終了検出回路16の構成例を示すブロック図である。
図1Cにおいて、プログラム終了検出回路16は、ページバッファPBn(n=0,1,2,…,N)からの判断制御信号に基づいてプログラムの終了を検出する。以下、プログラム(データ書き込み)及びベリファイ判断、並びにフェイルビットの計数について以下に説明する。
【0010】
NAND型フラッシュEEPROMにおいては、1ページのデータが1回でメモリセルに書き込まれる。ここで、すべてのビットが書き込まれたか否かをチェックするためにビット毎のプログラムベリファイ処理(以下、プログラムベリファイを「ベリファイ」とも記載する)が採用されている。基本的には、すべてのビットが所定のしきい値電圧Vthを超えた後に、すべてのビットがパスしたとしてベリファイ処理が完了する。しかしながら、最近のフラッシュメモリでは、いくつかのフェイルビットが残っていてもパス状態にされる。これは「擬似パス処理」と呼ばれ、ユーザモードでパスをセットするために用いられる。これは、多数のビットが、ECC(Error Checking and Correction)機能のもとで動作しているときに用いられ、多くのビットのECC機能のために、データ書き込み時における少しのビットを擬似パスしても、全体としては問題とならない。なお、プログラム特性又はフェイル解析を行うときは擬似パスのビット数を増減するなどして評価することにより、時間短縮や効率アップを図ることができる。
【0011】
図2は
図1Cのプログラム終了検出回路16の詳細構成例を示す回路図である。また、
図3は
図2のページバッファPBnとプログラム終了判断部29−nの構成例を示す回路図である。
【0012】
図2において、電源電圧VDDはMOSトランジスタ21及び22を介して接地され、MOSトランジスタ21及び22の接続点は判断結果が出力される信号出力ラインである信号ラインA(PBPUP)及びインバータ23を介してパス状態か否かを示す状態信号STBを生成する。判断イネーブル信号JENBはMOSトランジスタ21のゲートに印加され、判断リセット信号JRSTはMOSトランジスタ22のゲートに印加される。信号ラインA(PBPUP)は、各ページバッファPBnに接続されるMOSトランジスタTJn及びベリファイ判断切り替え信号JDG_SWがゲートに印加されるMOSトランジスタTJEnを介して接地される(n=0,1,…,N)。各MOSトランジスタTJn,TJEnはプログラム終了判断部29−nを構成しており、全体でプログラム終了判断回路27を構成する。
【0013】
図3において、MOSトランジスタTjnのゲートはページバッファPBnのラッチL1のノードSLS1に接続される。また、ページバッファPBnは、2個のインバータ61,62にてなるラッチL1と、2個のインバータ63,64にてなるラッチL2と、ベリファイ用キャパシタ70と、プリチャージ用トランジスタ71と、ベリファイ用トランジスタ72〜74と、カラムゲートトランジスタ81,82と、転送スイッチトランジスタ83〜85,88,89と、ビットライン選択トランジスタ86,87と、リセットトランジスタ90とを備えて構成される。
【0014】
図3において、2本のビット線BLe,BLoがページバッファPBnに選択的に接続されるようになっている。この場合、ビット線選択信号BLSE又はBLSOによって、ビットライン選択トランジスタ86又は87を導通させ、ビット線BLe又はビット線BLoの一方を選択的にページバッファPBnに接続する。なお、一方のビット線が選択されている間、非選択状態である他方のビット線は、ビット線非選択信号YBLE又はYBLOにより固定の接地電位や電源電圧電位にすることによって、隣接ビット線間のノイズを削減する。
【0015】
図3のページバッファPBnは、第1のラッチL1と、第2のラッチL2とを有する。ページバッファPBnは所定の動作制御によって、主に読み出し、書き込み動作に寄与する。また、第2のラッチL2は、2値動作においては、キャッシュ機能を実現する二次的なラッチ回路であり、キャッシュ機能を使用しない場合には当該ページバッファPBnの動作に補助的に寄与して多値動作を実現する。
【0016】
ラッチL1は、クロックト・インバータ61,62を逆並列接続して構成されている。メモリセルアレイ10のビット線BLe,BLoは、転送スイッチトランジスタ85を介してセンスノードN1に接続され、センスノードN1はさらに転送スイッチトランジスタ83を介してラッチL1のデータ保持ノードSLR1に接続されている。センスノードN1には、プリチャージ用トランジスタ71が設けられている。ノードSLR1は、転送スイッチトランジスタ74を介してノードSLR1のデータを一時記憶するための一時記憶ノードN3に接続されている。ノードN3はトランジスタ72のゲートに接続され、トランジスタ72のドレインは電圧V2にソースはスイッチトランジスタ73を介してセンスノードN1に接続されて、スイッチトランジスタ73の信号REG及びノードN3の電圧値によりセンスノードN1と電圧V2の接続又は遮断が制御される。さらに、センスノードN1には、ビット線BLe,BLoに対して電圧V1をプリチャージするためのプリチャージ用トランジスタ71も接続されている。センスノードN1にはレベル保持のためのキャパシタ70が接続されている。キャパシタ70の他端は接地される。
【0017】
第2のラッチL2は、第1のラッチL1と同様に、クロックト・インバータ63,64を逆並列接続して構成されている。ラッチL2の2つのデータノードSLR2,SLS2は、カラム選択信号CSLにより制御されるカラムゲートトランジスタ81,82を介して、データ入出力バッファ50に接続されるデータ信号線52に接続される。ノードSLR2は、転送スイッチトランジスタ84を介して、センスノードN1に接続される。
【0018】
図1Bは、メモリセルアレイ10と、ページバッファPBnと、データ入出力バッファ50の接続関係を示す。NAND型フラッシュEEPROMの読み出し、書き込みの処理単位は、あるロウアドレスでの同時に選択される1ページ分の容量(例えば512バイト)となっている。8個のデータ入出力端子51があるため、1つのデータ入出力端子51に対しては、例えば512ビットとなっており、
図1Bではその512ビット分の構成を示している。
【0019】
データをメモリセルに書き込む場合には、データ信号線52から書き込みデータを第2のラッチL2に取り込む。書き込み動作を開始するには、書き込みデータが第1のラッチL1になければならないので、続いて、ラッチL2に保持したデータをラッチ回路L1に転送する。また、読み出し動作においては、データ入出力端子51にデータを出力するには、読み出したデータがラッチL2になければならないので、ラッチL1で読み出したデータをラッチL2に転送する必要がある。従って、転送スイッチトランジスタ83,84を導通状態にしてラッチL1とラッチL2の間でデータの転送を行うことが可能なように構成されている。このとき、転送先のラッチ回路を非活性状態にしてからデータを転送し、その後転送先のラッチ回路を活性状態に戻してデータを保持することなる。
【0020】
次いで、
図2及び
図3のプログラム終了検出回路16の動作について以下に説明する。
【0021】
まず、プログラム対象ではないメモリセルに対応するページバッファPBnのラッチL1にはデータ「1」がセットされ、ノードSLR1の電圧はハイレベルとなり、ベリファイ判断処理の対象から除外される。そして、プログラム対象のメモリセルに対して、プログラムベリファイフェイルのときは、ページバッファPBnのラッチL1にはデータ「0」がセットされたままで、ノードSLR1の電圧はローレベルとなる。プログラムベリファイパスのときは、ページバッファPBnのラッチL1にはデータ「1」がセットされ、ノードSLR1の電圧はハイレベルとなる。これらのラッチL1の状態はMOSトランジスタTJnのオンオフ状態に反映されてベリファイ判断処理に用いられる。
図2に示すように、MOSトランジスタTJn(n=0,1,…,N)はNOR演算を行う信号ラインA(PBPUP)に接続される。もし1ページのすべてのメモリセルに対してプログラムが終了して、すべてのノードSLR1がハイレベルになるならば、すべてのMOSトランジスタTJnはオフされる。そのとき、信号ラインA(PBPUP)はハイレベルとなり、状態信号STBがローレベルとなって、プログラムが終了したことを知ることができる。
【0022】
次いで、従来技術に係る「擬似パスプログラム」について以下に説明する。
【0023】
図4は
図1AのNAND型フラッシュEEPROMにおいて擬似パス判断のためのプログラム終了検出回路16Aの構成例を示す回路図である。
【0024】
図4の左側に、プログラム終了判断部29−0〜29−Nを備えた上述のプログラム終了判断回路27が設けられ、信号ラインA(PBPUP)には、電源電圧VDDからMOSトランジスタ24を介してドレイン電流Idの整数n倍のドレイン電流n×Idが流れる。整数nはまだプログラムベリファイがパスしていないメモリセルの数に相当してドレイン電流Idを流している回路29の数である。一方、
図4の右側の基準電圧発生回路28は基準電圧発生部29a−0〜29a−Jを備え、信号ラインA’(PBREF)と接地との間に接続された複数のMOSトランジスタ対(BFj,BFEj)(ここで、j=0,1,…,J)を備えて構成される。ここで、MOSトランジスタBFE1〜BFEJは回路29のドレイン電流Idと同じ値の電流Idが流れるようにトランジスタのサイズと電圧印加が全く同等に設定されるレプリカ回路である。MOSトランジスタBF0及びBFE0はドレイン電流0.5Idが流れるようにサイズ或いはゲート電圧が制御される。また、信号ラインPBREFには、電源電圧VDDからMOSトランジスタ25を介して、それぞれ各1対のMOSトランジスタ(BF0,BFE0;BF1,BFE1;BF2,BFE2;…)からなる各基準電流発生部が流す単位基準電流の和であるしきい値基準電流Irefが流れる。
【0025】
そして、プログラム終了判断回路27における各MOSトランジスタTJnのオンする個数nに応じて、MOSトランジスタ24に流れるドレイン電流n×Idに対応する電圧はコンパレータ26の反転入力端子に印加される一方、MOSトランジスタ25に流れるしきい値基準電流Irefに対応する電圧はコンパレータ26の非反転入力端子に印加され、コンパレータ26は、n×Id<Irefとなったときにローレベルの状態信号STBを出力する。すなわち、しきい値基準電流Irefを流すJ+1組のMOSトランジスタBFj、BFEj(j=0,1,…,J)に対してプログラムベリファイがパスしていないメモリセルの数NがJ≧Nとなった時に状態信号STBはローレベルとなり擬似パスと判断される。例えば、J=2ではしきい値基準電流Iref=2.5Idだから、プログラム終了判断回路27に流れるドレイン電流N×IdはN≦2で疑似パスとなる。
【0026】
また、
図5は
図1AのNAND型フラッシュEEPROMのプログラムパス判断処理を示すフローチャートである。
図5において、まず、データをロードし、ステップS2においてデータをプログラムした後、ステップS3においてベリファイする。ステップS4においてすべてのメモリセル(1ページ分)がすべて「1」であれば、ステップS5において「真実のパス」と判断して当該処理を終了する。一方、ステップS4においてNOであれば、ステップS6においてタイムアウトしたか否かが判断され、NOのときはステップS2に戻る一方、YESのときはステップS7に進む。ステップS7では、耐えうるエラーであるか否かが判断され、YESのときはステップS8に進む一方、NOのときはステップS9に進む。ステップS8では、「擬似パス」と判断して当該処理を終了する。ステップS9では、「フェイル」と判断して当該処理を終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】特開平9−147582号公報
【特許文献2】特開2006−134482号公報
【特許文献3】特開2013−127827号公報
【特許文献4】特開2008−004178号公報
【特許文献5】特開2008−198337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
昨今のNAND型フラッシュメモリは4ビット以上のECC(Error Checking and Correction)の能力を有するので、ECC能力のいくらかは、
図4に図示されたプログラム又はデータ消去のフェイルビットの救済に割り当てることができる。信号ラインA(PBPUP)の電流Id×nは基準信号ラインPBREFの基準電流Irefと比較される。このとき、MOSトランジスタBF0がオンされて基準電流Iref=0.5×Idであるとき、もしプログラムされていないメモリセルが1以上であるならば、プログラム終了通知信号STBはハイレベルとなり、フェイル状態を示す。一方、もしすべてのメモリセルがプログラムされているとき、プログラム状態はパス状態となり、プログラム終了通知信号STBはローレベルとなる。また、基準電流Irefが2.5×Idに設定されるとき、プログラムされていないメモリセルが2以下であってもパス状態と設定され、これが「擬似パス状態」である。NAND型フラッシュメモリの微細化が進むにつれて、ECCにより救済するビット数が増大し、また、擬似パスビット数が増大できる。しかしながらこのような簡単なプログラム終了検出回路16Aでは、多数ビットの擬似パス状態に対応できないという問題点があった。
【0029】
図6は
図3のページバッファPBnおよびプログラム終了判断部29−nを構成するMOSトランジスタの配置例を示す平面図であり、
図6(a)はゲートをビット線沿い方向に配置した平面図であり、
図6(b)はゲートをビット線に対して直角に配置したものの例を示す平面図である。
図6において、G1,G2はゲートであり、AR1,AR2はアクティブ領域であり、CH1,CH2はコンタクトホールである。
【0030】
例えば、NAND型フラッシュメモリの構成例において、1対のメモリセルのピッチは例えば30nm×2であり、ページバッファPBnをビット線16本分のスペースにレイアウトするとして、ページバッファPBnのピッチは0.96μmである。ここで、1レイアウト当たり、8個のPBnがスタックされる。
【0031】
図6において、例えば0.96μmの非常に狭いページバッファPBnのピッチのレイアウトにおいて上述のMOSトランジスタTJn,TJEnを形成する必要がある。もちろん、2×0.96μmのエリアを用いることも可能であるが、もしすべての部分でこのサイズを用いるとページバッファPBnの高さも2倍になり、ページバッファPBnのサイズが大幅に増大する。従って、フラッシュメモリの微細化に従ってこれらのMOSトランジスタはより小さく形成する必要があり、これらのMOSトランジスタの電気的特性のバラツキもますます増大するという問題点があった。
【0032】
また、ページサイズが今後さらに増大する可能性が高く、それに伴って1チップ内のMOSトランジスタの電気的特性のバラツキも増大する。さらに、もしこれらのMOSトランジスタの1個当たりの電気的特性のバラツキが10%であるとすると、5個のトランジスタの電気的特性全体のバラツキはトランジスタ1個当たりの電気的特性の50%にも達し、
図4のプログラム終了検出回路16Aは正しく判断することはできない。このことは3ビットの擬似パスが正しい判断の限界であることを意味する。NAND型フラッシュメモリの微細化に伴って、このようにMOSトランジスタのバラツキが擬似パス判断に対して大きな影響を与えることは必至である。
【0033】
もし、各MOSトランジスタTJn、TJEnが10%のバラツキを有している場合において、
(1)プログラム対象のメモリセルのうち4個のメモリセルがプログラムされていないとき、ドレイン電流は最悪(4±0.4)Idとなる。
(2)プログラム対象のメモリセルのうち5個のメモリセルがプログラムされていないとき、ドレイン電流は最悪(5±0.5)Idとなる。
この場合において、(4,5)判断(ここで、(パスのセル数,フェイルのセル数)で表す。)の場合、4.5Idの基準電流Irefで判断する必要があるが、上記(2)に対しては最悪センスマージンが全くないことになるので、安全な判断では、少なくとも(3,4)判断で行う必要があり、3.5Idの基準電流Irefで判断する必要がある。
【0034】
本発明の目的は、例えばNAND型フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置の微細化に伴ってメモリセルのピッチが小さくなり、それに伴って周辺回路のトランジスタサイズが小さくなっても、プログラムベリファイ判断の処理を高精度で行うことができる、不揮発性記憶装置のための書き込み回路及び方法、並びに不揮発性記憶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0035】
第1の発明に係る不揮発性記憶装置のための書き込み回路は、メモリセルにデータを書き込むときにデータを一時的に格納するページバッファに設けられ、上記メモリセルにデータを書き込んだときに各メモリセル毎のプログラム終了の判断を行う制御回路を備えた不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、
上記制御回路は、
プログラム終了判断信号を出力する1対の信号ラインの間に設けられ、対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータに基づいてオンオフ制御される第1のスイッチ素子と、
上記1対の信号ラインの間に設けられ、プログラムベリファイの判断制御を行う判断制御用MOSトランジスタと、
上記判断制御用MOSトランジスタのゲートとソースあるいはドレインの間に接続された第2のスイッチ素子であって、所定の判断制御信号に基づいて上記判断制御用MOSトランジスタを制御する電圧を上記判断制御用MOSトランジスタのゲートに印加する第2のスイッチ素子とを備え、
上記制御回路は、上記プログラムベリファイを行う前に、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に所定の制御電圧値を加算した電圧値になるように設定したことを特徴とする。
【0036】
上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、上記制御電圧値は、0V〜0.5Vの範囲のうちの1つの電圧値であることを特徴とする。
【0037】
また、上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧に対して、所定の基準電流に基づいて一定値になるように制御された制御電圧を印加する回路をさらに備えたことを特徴とする。
【0038】
さらに、上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、上記第1及び第2のスイッチ素子は、NチャンネルMOSトランジスタ又はPチャンネルMOSトランジスタであることを特徴とする。
【0039】
またさらに、上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、上記第1のスイッチ素子であるMOSトランジスタのゲートは、上記ページバッファのラッチのいずれかの一端、もしくは上記ページバッファの回路においてデータを一時的に保持するキャパシタの一端に接続されたことを特徴とする。
【0040】
また、上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、上記1対の信号ラインの間に設けられ、所定の判断イネーブル信号に基づいて上記1対の信号ラインの間の電流パスをカットする第3のスイッチ素子をさらに備えたことを特徴とする。
【0041】
さらに、上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、上記制御回路は、上記対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータを反転した後、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に所定の制御電圧値を加算した電圧値になるように設定したことを特徴とする。
【0042】
またさらに、上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、上記制御回路は、上記対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータを反転することなく、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に、所定の基準電流に基づいて一定値になるように制御された制御電圧値を加算した電圧値になるように設定したことを特徴とする。
【0043】
また、上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、
上記判断制御用MOSトランジスタは、コントロールゲート及びフローティングゲートを有するスタックゲート型MOSトランジスタで構成され、
上記フローティングゲートは上記第2のスイッチ素子の一端に接続され、
上記制御回路は、
(1)初期状態において、上記コントロールゲートに印加される所定の基準電圧を0Vとした状態で上記フローティングゲートを当該MOSトランジスタのしきい値電圧に所定の制御電圧値を加算した電圧値になるよう設定し、
(2)ベリファイ判断の制御動作状態において、上記判断制御用MOSトランジスタに流れるドレイン電流が所定の基準電流となるように上記コントロールゲートの基準電圧を制御することを特徴とする。
【0044】
さらに、上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、
上記1対の信号ラインに接続された上記制御回路を含むプログラム終了判断部を複数個備え、複数のメモリセルのプログラムの終了を判断するプログラム終了判断回路と、
1対の別の信号ラインに接続された所定の単位基準電流をそれぞれ流す第1のMOSトランジスタをそれぞれ含む複数個の基準電流発生部を備え、上記複数のメモリセルのうちのプログラムの終了の個数を判断するためのしきい値基準電流を発生する基準電流発生回路と、
上記プログラム終了判断回路に流れる電流に対応する電圧を、上記基準電流発生回路に流れるしきい値基準電流に対応するしきい値電圧と比較して、プログラム終了の判断を示す判断信号を出力するコンパレータ手段とを備えたことを特徴とする。
【0045】
またさらに、上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路において、上記各基準電流発生部の第1のMOSトランジスタを、複数の第2のMOSトランジスタを並列に接続して構成したことを特徴とする。
【0046】
第2の発明に係る不揮発性記憶装置は、上記不揮発性記憶装置のための書き込み回路を備えたことを特徴とする。
【0047】
第3の発明に係る不揮発性記憶装置のための書き込み方法は、メモリセルにデータを書き込むときにデータを一時的に格納するページバッファに設けられ、上記メモリセルにデータを書き込んだときに各メモリセル毎のプログラム終了の判断を行う制御回路を備えた不揮発性記憶装置のための書き込み方法において、
上記制御回路は、
プログラム終了判断信号を出力する1対の信号ラインの間に設けられ、対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータに基づいてオンオフ制御される第1のスイッチ素子と、
上記1対の信号ラインの間に設けられ、プログラムベリファイの判断制御を行う判断制御用MOSトランジスタと、
上記判断制御用MOSトランジスタのゲートとソースあるいはドレインの間に接続された第2のスイッチ素子であって、所定の判断制御信号に基づいて上記判断制御用MOSトランジスタを制御する電圧を上記判断制御用MOSトランジスタのゲートに印加する第2のスイッチ素子とを備え、
上記プログラムベリファイを行う前に、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に、所定の基準電流に基づいて一定値になるように制御された制御電圧値を加算した電圧値になるように設定する制御ステップを含むことを特徴とする。
【0048】
上記不揮発性記憶装置のための書き込み方法において、上記制御ステップは、上記対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータを反転した後、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に、所定の基準電流に基づいて一定値になるように制御された制御電圧値を加算した電圧値になるように設定するステップを含むことを特徴とする。
【0049】
また、上記不揮発性記憶装置のための書き込み方法において、上記制御回路は、上記1対の信号ラインの間に設けられ、所定の判断イネーブル信号に基づいて上記1対の信号ラインの間の電流パスをカットする第3のスイッチ素子をさらに備え、
上記制御ステップは、上記対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータを反転することなく、上記判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧が当該MOSトランジスタのしきい値電圧に、所定の基準電流に基づいて一定値になるように制御された制御電圧値を加算した電圧値になるように設定するステップを含むことを特徴とする。
【0050】
さらに、上記不揮発性記憶装置のための書き込み方法において、上記判断制御用MOSトランジスタは、コントロールゲート及びフローティングゲートを有するスタックゲート型MOSトランジスタで構成され、
上記フローティングゲートは上記第2のスイッチ素子の一端に接続され、
上記制御ステップは、
(1)初期状態において、上記コントロールゲートに印加される所定の基準電圧を0Vとした状態で上記フローティングゲートに所定のフローティングゲート基準電圧を印加するステップと、
(2)ベリファイ判断の制御動作状態において、上記判断制御用MOSトランジスタに流れるドレイン電流が所定の基準電流となるように上記フローティングゲート基準電圧を制御するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0051】
本発明に係る不揮発性記憶装置のための書き込み回路及び方法によれば、例えばNAND型フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置の微細化に伴ってメモリセルのピッチが小さくなり、それに伴って周辺回路のトランジスタサイズが小さくなっても、プログラムベリファイ判断の処理を高精度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1A】従来例に係るNAND型フラッシュEEPROMの全体構成を示すブロック図である。
【
図1B】
図1Aのメモリセルアレイ10とその周辺回路の構成を示す回路図である。
【
図1C】
図1AのNAND型フラッシュEEPROMにおいてページバッファ回路14及びプログラム終了検出回路16の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図1Cのプログラム終了検出回路16の詳細構成例を示す回路図である。
【
図3】
図2のページバッファPBnとプログラム終了判断部29−nの構成例を示す回路図である。
【
図4】
図1AのNAND型フラッシュEEPROMにおいて擬似パス判断のためのプログラム終了検出回路16Aの構成例を示す回路図である。
【
図5】
図1AのNAND型フラッシュEEPROMのプログラムパス判断処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図3のページバッファPBnおよびプログラム終了判断部29−nを構成するMOSトランジスタの配置例を示す平面図であり、(a)はゲートをビット線沿い方向に配置した平面図であり、(b)はゲートをビット線に対して直角に配置したものの例を示す平面図である。
【
図7】実施形態1に係るプログラム終了判断部30nの構成を示す回路図である。
【
図8】
図7のプログラム終了判断部30nの動作を示す各信号のフローチャートである。
【
図9】
図3の従来例に係るプログラム終了判断部29−nのMOSトランジスタTJEのゲート電圧V(JDG_SW)に対するドレイン電流Idの特性を示すグラフにおいて、ゲート電圧を固定値JDGとしたときのドレイン電流Idのバラツキを示す図である。
【
図10】
図7の実施形態1に係るプログラム終了判断部30nのMOSトランジスタTJDGのゲート電圧JDG_Gに対するドレイン電流Idの特性を示すグラフにおいて、ゲート電圧をVth+固定値としたときのドレイン電流Idのバラツキを示す図である。
【
図11】従来例及び実施例1,2におけるドレイン電流Idの最大値及び最小値を示すテーブルである。
【
図12】実施形態1に係るNAND型フラッシュEEPROMにおいて擬似パス判断のためのプログラム終了検出回路16AAの構成例を示す回路図である。
【
図13】実施形態1の変形例に係るプログラム終了判断部30Anの構成を示す回路図である。
【
図14】実施形態1の別の変形例に係るプログラム終了判断部30Bnの構成を示す回路図である。
【
図15】実施形態2に係るプログラム終了判断部30Cnの構成を示す回路図である。
【
図16】実施形態2の変形例に係るプログラム終了判断部30Dnの構成を示す回路図である。
【
図17】実施形態2の別の変形例に係るプログラム終了判断部30Enの構成を示す回路図である。
【
図18】実施形態3に係るプログラム終了判断部30Fn及びページバッファPBnの構成を示す回路図である。
【
図19】実施形態4に係るプログラム終了判断部30Gn及びページバッファPBnの構成を示す回路図である。
【
図20A】実施形態5に係る基準電流発生回路31及びプログラム終了判断部30nfの構成例を示す回路図である。
【
図20B】従来例及び
図20Aのプログラム終了判断部30nfのドレイン電流偏差を示すテーブルである。
【
図21】実施形態5に係るNAND型フラッシュEEPROMにおいて擬似パス判断のためのプログラム終了検出回路16Bの構成例を示す回路図である。
【
図22A】本発明の実施形態6に係るメモリセルアレイ10とその周辺回路の構成を示す回路図である。
【
図22B】
図22Aの実施形態6のためのプログラム終了判断回路27及び基準電流発生回路28Mを含むプログラム終了検出回路16Cの構成を示す回路図である。
【
図23】実施形態7に係るプログラム終了検出回路16Dの構成を示す回路図である。
【
図24】実施形態8に係るプログラム終了検出回路16Eの構成を示す回路図である。
【
図25】実施形態9に係る、
図24のプログラム終了検出回路16Eのための基準電流発生回路31Aの構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0054】
実施形態1.
図7は実施形態1に係る、例えばNAND型フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置のためのプログラム終了判断部30nの構成を示す回路図である。
図7において、実施形態1に係るプログラム終了判断部30nは各ページバッファPBn毎に設けられ、かつ複数のプログラム終了判断部30n(n=0,1,…,N)が判断制御信号JDG_SW及び信号ラインA(PBPUP)、信号ラインBに対して並列に設けられ、ラッチL1に対するNチャンネルMOSトランジスタTJnに加えて、NチャンネルMOSトランジスタTGC,TJDGをさらに備えたことを特徴とする。ここで、信号ラインA,Bはプログラム終了判断信号を出力するための1対の信号ラインである。また、TJDGはプログラム終了の判断を制御するための判断制御用MOSトランジスタであり、TGCは判断制御信号JDG_SWに基づいてMOSトランジスタTJDGを制御するスイッチ素子である。
【0055】
図7において、判断制御信号JDG_SWはプログラムベリファイ動作開始のときに従来例のようにローレベルからハイレベルに変化させるが、プログラムベリファイのパス判断をするときにハイレベルからローレベルに変化する制御信号であって、MOSトランジスタTGCのゲートに印加される。ページバッファPBnのラッチL1はページバッファPBnに対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を記憶する一時記憶素子であって、ページバッファPBnのラッチL1のノードSLS1はMOSトランジスタTJnのゲートに接続され、信号ラインA(PBPUP)はベリファイ判断をするためにページバッファ回路14において設けられる論理和演算のための信号ラインであって、MOSトランジスタTJn及びMOSトランジスタTJDGを介して信号ラインBに接続される。MOSトランジスタTJDGのドレインはまたMOSトランジスタTGCを介してMOSトランジスタTJDGのゲートに接続される。ここで、MOSトランジスタTJDGのドレインの信号電圧をJDG_Dで記述し、MOSトランジスタTJDGのゲート電圧をJDG_Gで記述する。
【0056】
ところで、プログラムベリファイ判断用MOSトランジスタTJDGの飽和領域におけるドレイン電流Idは次式で表される。
【0057】
Id=(1/2)β(Vgs−Vth)
2 (1)
【0058】
ここで、VgsはMOSトランジスタTJDGのゲート・ソース間電圧であり、VthはMOSトランジスタTJDGのしきい値電圧である。なお、以下、NチャンネルMOSトランジスタのしきい値電圧をVtnで表し、PチャンネルMOSトランジスタのしきい値電圧をVtpで表す。
【0059】
上記式(1)に示すように、ドレイン電流Idは、電圧差(Vgs−Vth)とβの2つのファクタを有する。本実施形態では、例えば電圧差(Vgs−Vth)=0.1Vに固定することで電圧差(Vgs−Vth)のファクタのバラツキを除去することを特徴としている。このバラツキは2乗で効くため、この除去の効果は大きい。これを実現するために、MOSトランジスタTGC,TJnをさらに備える。この制御シーケンスについて、
図8を参照して以下に説明する。なお、電圧差(Vgs−Vth)は好ましくは0.1Vであるが、0〜0.5Vの範囲で設定しうる。
【0060】
図8は
図7のプログラム終了判断部30nの動作を示す各信号のタイミング図である。
図8において、時刻t1から時刻t5までは、ゲート電圧JDG_Gの設定期間であり、時刻t6以降は擬似パス判断期間である。また、第1の制御電圧値VB1は例えば0.1Vなどの0V近傍の正電圧であって、オーバードライブの値が所定値になるように設定される。さらに、第2の制御電圧値VB2は例えば0V又は0V近傍の制御電圧VB1より低い電圧であって、好ましくはVB1−VB2=0.1Vと設定される。時刻t7に信号ラインA(PBPUP)が電圧VA1に上げられると、信号ラインBの電圧VB2との間にドレイン電流Idが流れ、プログラムベリファイの判断が行われるが、電圧VA1−VB2>VB1−VB2であればMOSトランジスタTJDGは飽和領域で動作し、そのドレイン電流Idは上記のようにVgs−Vth=VB1−VB2で決まるので、電圧差VB1−VB2でドレイン電流Idを適当な値になるように設定できる。
【0061】
図8において、MOSトランジスタTGCがオンである時刻t2〜t4間は信号ラインAにはVtn+VB1よりも高い電圧が印加されている。ベリファイをパスしていないメモリセルのページバッファPBnのノードSLS1はハイレベルであり、MOSトランジスタTJnはオンしているので、MOSトランジスタTJDGのゲート電圧JDG_Gは当該レベルになる。時刻t2において、信号ラインAの電圧VAが変化したとき、それに伴ってドレイン電圧JDG_D及びゲート電圧JDG_Gが第1の制御電圧値VB1から電圧Vtn+VB1+Vaに変化する。(正確には、MOSトランジスタTGCに電流が流れるのでドレイン・ソース間の電圧降下Vdsが発生するのでVtn+VB1+Va−Vdsとなる。)ここで、Vtn+VaはMOSトランジスタTJDGがダイオード接続時(MOSトランジスタTGCがオン時)の電圧降下分である。次いで、時刻t3においてラッチL1のデータが反転すると、パスしていないページバッファPBnのMOSトランジスタTJnはオフとなって遮断する。このとき、MOSトランジスタTJDGのゲート電圧JDG_Gは電圧(Vtn+VB1)となり、その後、時刻t4で判断制御信号JDG_SWがローレベルになったときにフローティング状態となるが、ゲート電圧JDG_Gは電圧(Vtn+VB1)を保持する。さらに、時刻t5でラッチL1のデータが反転するとMOSトランジスタTJDGのドレイン電圧JDG_DはMOSトランジスタTJnが再びオンとなるため電圧VB2になる。そして時刻t7に信号ラインA(PBPUP)が電圧VA1に上げられ、プログラムベリファイの判断が行われる。
【0062】
次いで、本発明者は、上述の実施形態の効果を評価するために、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)モデルを用いてファースト、ティピカル、スローの条件のもとでシミュレーションを行いドレイン電流Idを計算した。その結果を
図9〜
図11に示す。
【0063】
図9は
図3の従来例に係るプログラム終了判断部29−nのMOSトランジスタTJEのゲート電圧V(JDG_SW)に対するドレイン電流Idの特性を示すグラフにおいて、ゲート電圧を固定値JDGとしたときのドレイン電流Idのバラツキを示す図である。また、
図10は
図7の実施形態1に係るプログラム終了判断部30nのMOSトランジスタTJDGのゲート電圧JDG_Gに対するドレイン電流Idの特性を示すグラフにおいて、ゲート電圧をVth+固定値としたときのドレイン電流Idのバラツキを示す図である。さらに、
図11は従来例及び実施形態1の実施例1,2におけるドレイン電流Idの最大値及び最小値を示すテーブルである。なお、シミュレーション条件は以下の通りである。
(1)MOSトランジスタのサイズ:W/L=0.5/0.3;
(2)Vd=2.2V;
(3)T=25°C;
(4)SPICEモデル、ファースト/ティピカル/スロー;及び
(5)Vth(1μA)=0.66VTyp。
【0064】
なお、SPICEモデル間のバラつきが大きいため、
図11において従来例の回路のバラツキは非常に大きいが、MOSトランジスタの実際のバラツキは、SPICEモデルに比較して非常に小さい。SPICEモデルの条件はロット間、ウェハ間、チップ間およびチップ内すべてのMOSトランジスタのバラツキに対応しているが、本回路(プログラムベリファイのプログラム終了判断部)で問題となるバラツキはチップ内のみに限られるからである。
【0065】
図9〜
図11から明らかなように、本実施形態の実施例1,2では、従来例に比較して、ドレイン電流Idのバラツキはファースト/ティピカル/スローのモデルの違いに対して非常に減少している。本出願人が製造するフラッシュメモリの従来例における安全なレベルは(3,4)判断のレベルであり、トランジスタ1個当たりの平均的なドレイン電流Idのバラツキは10〜15%程度であると計算できる。その結果、本実施形態によれば、1つの半導体チップにおいて、ドレイン電流Idのバラツキは従来例に比較して1/10に改善しているとみて、1〜1.5%程度のバラツキに改善することができる。このレベルは10ビット以上の擬似パスビットに対して擬似パス判断を高精度で行うことができることを示している。
【0066】
図12は実施形態1に係るNAND型フラッシュEEPROMにおいて擬似パス判断のためのプログラム終了検出回路16AAの構成例を示す回路図である。
図12のプログラム終了検出回路16AAは、
図4のプログラム終了検出回路16Aに比較して、以下の点が異なることを特徴としている。
(1)
図4のプログラム終了判断回路27のプログラム終了判断部29−nに代えて、プログラム終了判断回路27Aにおいてプログラム終了判断部30n(
図7)を備えた。
(2)
図4の基準電圧発生回路28の基準電圧発生部29a−n(プログラム終了判断部29−nのレプリカ回路である)に代えて、基準電圧発生回路28Aにおいて基準電圧発生部30na(基準電圧発生部30nのレプリカ回路である)を備えた。
【0067】
図12の左側に、複数N+1個のプログラム終了判断部30nを備えたプログラム終了判断回路27Aが設けられ、信号ラインA(PBPUP)には、電源電圧VDDからMOSトランジスタ24を介してドレイン電流Idの整数n倍のドレイン電流n×Idが流れる。整数nはまだプログラムベリファイがパスしていないメモリセルの数に相当してドレイン電流Idを流している回路30nの数である。一方、
図12の右側の基準電圧発生回路28Aは複数J+1個の基準電圧発生部30naを備え、信号ラインA’(PBREF)と接地との間に接続された複数のMOSトランジスタの組(BFj及びそれに接続されるTGC,TJDG)(ここで、j=0,1,…,J)を備えて構成される。ここで、MOSトランジスタBF0以外のMOSトランジスタBF1,BF2,…に接続されるMOSトランジスタTJDGは回路29のドレイン電流Idと同じ値の電流Idが流れるようにトランジスタのサイズと電圧印加が全く同等に設定されるレプリカ回路である。MOSトランジスタBF0及びそれに接続されるMOSトランジスタTGC,TJDGはドレイン電流0.5Idが流れるようにサイズ或いはゲート電圧が制御される。また、信号ラインPBREFには、電源電圧VDDからMOSトランジスタ25を介して、それぞれ各1組のMOSトランジスタ(BF0及びそれに接続されるTGC,TJDG;BF1及びそれに接続されるTGC,TJDG;BF2及びそれに接続されるTGC,TJDG;…)からなる各基準電流発生部が流す単位基準電流の和であるしきい値基準電流Irefが流れる。
【0068】
そして、プログラム終了判断回路27Aにおける各MOSトランジスタTJnのオンする個数nに応じて、MOSトランジスタ24に流れるドレイン電流n×Idに対応する電圧はコンパレータ26の反転入力端子に印加される一方、MOSトランジスタ25に流れるしきい値基準電流Irefに対応する電圧はコンパレータ26の非反転入力端子に印加され、コンパレータ26は、n×Id<Irefとなったときにローレベルの状態信号STBを出力する。すなわち、しきい値基準電流Irefを流すJ+1組のMOSトランジスタBFj及びそれに接続されるTGC,TJDG(j=0,1,…,J)に対してプログラムベリファイがパスしていないメモリセルの数NがJ≧Nとなった時に状態信号STBはローレベルとなり擬似パスと判断される。例えば、J=2ではしきい値基準電流Iref=2.5Idだから、プログラム終了判断回路27Aに流れるドレイン電流N×IdはN≦2で疑似パスとなる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、例えばNAND型フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置の微細化に伴ってメモリセルのピッチが小さくなり、それに伴ってページバッファなどの周辺回路のトランジスタが小さくなっても、プログラムベリファイ判断の処理を高精度で行うことができる。
【0070】
図13は実施形態1の変形例に係るプログラム終了判断部30Anの構成を示す回路図である。
図13において、プログラム終了判断部30Anは、
図7の実施形態1のプログラム終了判断部30nに比較して信号ラインA,Bの間でのMOSトランジスタTJn,TGC,TJDGの接続順を、逆の順序で、すなわち、TJDG,TGC,TJnの順序で接続したことを特徴とする。その作用効果は、
図8に記載のJDG_G設定期間において信号ラインA,Bでの各電圧の関係が逆転することを除いて同様に動作し、同様の効果を有する。
【0071】
以上の実施形態1及びその変形例において、NチャンネルMOSトランジスタTJnを、PチャンネルMOSトランジスタTJnに変更してもよい。また、以上の実施形態1及びその変形例において、NチャンネルMOSトランジスタTGCを、PチャンネルMOSトランジスタTGC又は伝送ゲートに変更してもよい。ただし、判断制御信号JDG_SWはハイイネーブルからローイネーブルに変更になる。以上を「他の変形例」という。
【0072】
図14は実施形態1の別の変形例に係るプログラム終了判断部30Bnの構成を示す回路図である。
図14において、当該別の変形例に係るプログラム終了判断部30Bnは、
図7の実施形態1のプログラム終了判断部30nに比較して、MOSトランジスタTJDGのゲートにカップリングキャパシタCcを介して制御電圧Vcを印加したことを特徴としている。ここで、制御電圧Vcは疑似パス判断期間に印加し、カップリングによるゲート電圧JDG_Gの電圧上昇によりドレイン電流Idを調整することができる。なお、当該別の変形例の発明特定事項は、実施形態1とその変形例1にも適用できる。
【0073】
なお、以上の実施形態1とその変形例において、以下のように変形してもよい。NチャンネルMOSトランジスタをPチャンネルMOSトランジスタとしてもよい。
【0074】
実施形態2.
図15は実施形態2に係るプログラム終了判断部30Cnの構成を示す回路図である。実施形態2に係るプログラム終了判断部30Cnは、
図7の実施形態1に係るプログラム終了判断部30nに比較して以下の点が異なる。
(1)MOSトランジスタTJnとMOSトランジスタTJDGとの間に、プログラムベリファイ時の電圧JDG_G設定期間にローレベルとなる判断制御信号JDG_ENがゲートに印加される判断動作イネーブル制御スイッチ用MOSトランジスタTJNを挿入したことを特徴とする。
図8のL1反転期間t3〜t5の間をローレベルとする。
【0075】
図15において、ドレイン電流Idのパスをカットすることができるので、実施形態1の作用効果に加えて、L1反転の必要がなくなり、シーケンスの構成が簡単になる。
【0076】
なお、判断動作イネーブル制御スイッチ用MOSトランジスタTJNは、信号ラインAとMOSトランジスタTJnとの間に挿入してもよい。また、当該判断動作イネーブル制御スイッチ用MOSトランジスタTJNは、NチャンネルMOSトランジスタに限らず、PチャンネルMOSトランジスタであってもよい。
【0077】
図16は実施形態2の変形例に係るプログラム終了判断部30Dnの構成を示す回路図である。
図16において、当該変形例に係るプログラム終了判断部30Dnは、
図7の実施形態1に係るプログラム終了判断部30nに比較して、信号ラインA,B間でのMOSトランジスタTJn,TGC,TJDGの接続順序を、MOSトランジスタTGC,TJDG,TJnの接続順序に変更したことを特徴とする。ただし、信号ラインAと、MOSトランジスタTJDGとの間に、判断イネーブル信号JDG_ENにより制御されるMOSトランジスタTJDGENが挿入されて接続される。以上のように構成されたプログラム終了判断部30Dnはドレイン電流Idのパスをカットすることができるので、実施形態1の作用効果に加えて、L1反転の必要がなくなり、シーケンスの構成が簡単になる。
【0078】
図17は実施形態2の別の変形例に係るプログラム終了判断部30Enの構成を示す回路図である。
図17において、当該別の変形例に係るプログラム終了判断部30Enは、
図13の実施形態1の変形例に係るプログラム終了判断部30Anに比較して、信号ラインA,Bの間のMOSトランジスタTJDG,TGC,TJnの接続順序を、MOSトランジスタTJn,TJDG,TGCの接続順序に変更したことを特徴とする。ただし、信号ラインBと、MOSトランジスタTJDGとの間に、判断イネーブル信号JDG_ENにより制御されるMOSトランジスタTJDGENが挿入されて接続される。以上のように構成されたプログラム終了判断部30Enはドレイン電流Idのパスをカットすることができるので、プログラム終了判断部30Anと同様の作用効果に加えて、L1反転の必要がなくなり、シーケンスの構成が簡単になる。
【0079】
実施形態3.
図18は実施形態3に係るプログラム終了判断部30Fn及びページバッファPBnの構成を示す回路図である。実施形態1に係るプログラム終了判断部30nのMOSトランジスタTJnのゲートは
図3のページバッファPBnのラッチL1のノードSLS1に接続している。これに対して、実施形態3では、
図18に示すように、プログラム終了判断部30FnのMOSトランジスタTJnのゲートをページバッファPBnのノードN1に接続してもよい。
【0080】
本実施形態では、特にMOSトランジスタを追加することなく、
図8のJDG_G設定期間におけるL1反転の動作を除去することができる。ここで、まずノードN1に接続されたノードキャパシタCnは電源電圧V1からVddにチャージされる。そして、MOSトランジスタ74のゲート制御電圧DTGがハイになることによりラッチL1のノードSLR1のデータはノードN3に反映され、V2=0V及びMOSトランジスタ73のゲート制御電圧REGがハイでMOSトランジスタ73がオンのとき、ノードN1の電圧はノードSLS1の電圧と同じになる。従って、ラッチL1の反転動作を除き、実施形態1の制御シーケンスと同様に動作する。そして、ラッチL1のデータ反転の代わりに、ノードN1がV1=0V及びビットラインプリチャージ制御電圧BLPREがハイとなりMOSトランジスタ71がオンとなることでノードキャパシタCnが放電し、N1が0VとなってMOSトランジスタTJnがオフとなって遮断する。
【0081】
以上説明したように、
図18のようにMOSトランジスタTJnのゲートの接続先を変更することで、ラッチL1の反転動作を除去することを除き、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0082】
実施形態4.
図19は実施形態4に係るプログラム終了判断部30Gn及びページバッファPBnの構成を示す回路図である。
図19において、実施形態4は
図18の実施形態3に比較して以下の点が異なる。
(1)NチャンネルMOSトランジスタTJnに代えて、PチャンネルMOSトランジスタTJnを用いた。
(2)MOSトランジスタTJnのゲートをラッチL1のノードSLR1に接続した。
なお、本実施形態の制御動作は、これを除き実施形態1と同様に動作する。
【0083】
実施形態5.
図20Aは実施形態5に係る基準電流発生回路31及びプログラム終了判断部30nfの構成例を示す回路図である。実施形態5に係るプログラム終了判断部30nfは、
図7の実施形態1に比較して以下の点が異なる。
(1)MOSトランジスタTJDGのゲートを、コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとを有するスタックゲート型MOSトランジスタとしたこと。
(2)MOSトランジスタTJDGのフローティングゲートFG(その電圧をJDG_FGとする)をMOSトランジスタTGCのソースに接続したこと。
(3)MOSトランジスタTJDGのコントロールゲートCGに、基準電流発生回路31からの制御信号JDG_CGを印加したこと。
【0084】
図20Aにおいて、基準電流発生回路31は公知の基準電流発生回路と同様の回路であって、MOSトランジスタ41〜45、差動増幅器32、抵抗RL,Riref、電流源33を備えて構成される。ここで、抵抗RLは基準ドレイン電流Id_refを流し、電流源33は基準電流Iref0を流す。また、MOSトランジスタ44はプログラム終了判断部30nfのスタックゲートMOSトランジスタTJDGと、MOSトランジスタ42はMOSトランジスタTJnと、MOSトランジスタ43はMOSトランジスタTGCと同じものが使用される。
【0085】
以上説明したように、スタックゲートMOSトランジスタTJDGを用いることによりドレイン電流Idを高精度にコントロールし、ドレイン電流Idのバラツキが小さくなるように改善できる。例えばNAND型フラッシュメモリは基本的にスタックゲートMOSトランジスタの構造を有しているので、形成することは容易である。実施形態5における制御シーケンスは以下の通りである。
(1)初期状態において、MOSトランジスタTJDGのコントロールゲート電圧JDG_CG=0Vのもと(差動増幅器32非動作、MOSトランジスタ45オン)でMOSトランジスタのフローティングゲートTJDG_FGを所定の基準電圧値TJDG_FG_0に設定する。例えば基準電圧値TJDG_FG_0=Vtn+0.1Vで、実施形態1と同様の操作で設定する。また、同時に基準電流発生回路31のMOSトランジスタTJDGのフローティングゲートTJDG_FG_REFも、信号SLS1_REFおよびJDG_SW_REFを実施形態1と同様に操作することにより、同じ電圧値TJDG_FG_0に設定する。なお、信号ラインAに相当するのは電源電圧VDDとなるが、
図8においてVA=Vth+VB1+Va=VDDと置き換えれば問題ないことがわかる。
(2)ベリファイ判断の制御動作状態において、基準電流発生回路31はId_ref=Iref0となるように制御ゲート電圧JDG_CGを発生し、プログラム終了判断部30nのドレイン電流Idは、同じくId=Iref0(しきい値基準電流)となるように制御される。
【0086】
図20Bは従来例及び実施形態5に係る
図20Aのプログラム終了判断部30nfのドレイン電流偏差を示すテーブルである。なお、ドレイン電流Id=10μAのときに、たとえば上述と同様に第1の制御電圧値VB1=0.1VおよびVB2=0Vに設定される。
図20Bから明らかなように、ドレイン電流Idを所定値に、従来技術に比較して高精度で調整することができる。これにより、例えばNAND型フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置の微細化に伴ってメモリセルのピッチが小さくなり、それに伴ってページバッファなどの周辺回路のトランジスタが小さくなっても、プログラムベリファイ判断の処理を高精度で行うことができる。
【0087】
図21は実施形態5に係るNAND型フラッシュEEPROMにおいて擬似パス判断のためのプログラム終了検出回路16Bの構成例を示す回路図である。
図21において、プログラム終了検出回路16Bは、複数N+1個のプログラム終了判断部30nfを備えたプログラム終了判断回路27Bと、複数J+1個の基準電流発生部30nfaを備えた基準電流発生回路28Bを備え、基準電圧発生回路31からの制御ゲート電圧JDG_CGに基づいて動作する。ここで、プログラム終了判断部30nf及び基準電流発生部30nfaの動作以外は実施形態1と同様である。
【0088】
なお、実施形態5において、プログラム終了判断部30nfは
図20Aの構成に限定されず、実施形態1の変形例、実施形態2とその変形例、他の実施形態3〜4等に適用することができる。
【0089】
実施形態6.
図22Aは実施形態6に係るメモリセルアレイ10とその周辺回路の構成を示す回路図である。また、
図22Bは
図22Aの実施形態6のためのプログラム終了判断回路27及び基準電流発生回路28Mを含むプログラム終了検出回路16Cの構成を示す回路図である。
図22Bにおいて、mは各MOSトランジスタの並列接続個数を表す。
図22Aにおいて、各ページバッファPBnにおいて、基準電流Irefを流すための基準電流発生回路28Mを備えたことを特徴とする。
【0090】
実施形態1および実施形態5に係る基準電流Irefを発生するためには、MOSトランジスタの電気的特性のバラツキを考慮する必要がある。ここで、基準電流Irefとベリファイパス又はフェイルとなるドレイン電流n×Idの電流差は0.5×Idであり、その電流差が小さいためにマージンが少なく問題が発生する場合がある。そこで、本実施形態では、MOSトランジスタの電気的特性のバラツキをキャンセルするために、
図22Bに示すように、多数2M個のMOSトランジスタを用いることで基準電流Irefを発生する。
【0091】
図22Bのプログラム終了判断回路27において、電源電圧VDDは電流Iref/2Mを流す1個のMOSトランジスタ24Aを備えて、信号ラインA(PBPUP)はドレイン電流n×Idを流すことを特徴としている。
【0092】
一方、基準電流発生回路28Mにおいて、MOSトランジスタ回路25AはMOSトランジスタ24Aとカレントミラー回路を構成し、MOSトランジスタ回路25Aは複数2M個のMOSトランジスタが並列接続されて構成され、しきい値基準電流Irefを流して基準電圧Vrefを発生する。なお、状態信号STBを発生するコンパレータ26の構成は実施形態1と同様である。ここで、信号ラインA’(PBREF)には以下の回路が接続される。
(1)信号ラインA’(PBREF)は、複数M個のMOSトランジスタが並列接続されたMOSトランジスタ回路BF0と、複数M個のMOSトランジスタが並列接続されたMOSトランジスタ回路BFE0とを介して接地され、各MOSトランジスタ回路BF0,BFE0がオンされるとき、単位基準電流(2M×0.5×Id)を流す。
(2)信号ラインA’(PBREF)は、複数2M個のMOSトランジスタが並列接続されたMOSトランジスタ回路BF1と、複数2M個のMOSトランジスタが並列接続されたMOSトランジスタ回路BFE1とを介して接地され、各MOSトランジスタ回路BF1,BFE1がオンされるとき、単位基準電流(2M×Id)を流す。
(3)信号ラインA’(PBREF)は、複数2M個のMOSトランジスタが並列接続されたMOSトランジスタ回路BF2と、複数2M個のMOSトランジスタが並列接続されたMOSトランジスタ回路BFE2とを介して接地され、各MOSトランジスタ回路BF2,BFE2がオンされるとき、単位基準電流(2M×Id)を流す。
(4)信号ラインA’(PBREF)は、複数2M個のMOSトランジスタが並列接続されたMOSトランジスタ回路BF3と、複数2M個のMOSトランジスタが並列接続されたMOSトランジスタ回路BFE3とを介して接地され、各MOSトランジスタ回路BF3,BFE3がオンされるとき、単位基準電流(2M×Id)を流す。
以下同様に、MOSトランジスタ回路BFJ,BFEJまで形成される。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、MOSトランジスタ回路BF0,BFE0を除いて各MOSトランジスタ回路は2M個のMOSトランジスタを用いて構成されているが、基準電圧Vrefの発生は実施形態5と同様である。1個のMOSトランジスタを2M個のMOSトランジスタに置き換えることで、各MOSトランジスタの電気的特性のバラツキを平均化することで当該バラツキをさらに減少させることができる。
【0094】
実施形態7.
図23は実施形態7に係るプログラム終了検出回路16Dの構成を示す回路図である。
図23において、実施形態7に係るプログラム終了検出回路16Dは、
図22Bの実施形態6に係るプログラム終了検出回路16Cに比較して以下の点が異なる。
(1)プログラム終了判断回路27に代えて、複数N+1個のプログラム終了判断部30nを備えたプログラム終了判断回路27Aを備えた。
(2)基準電流発生回路28Mに代えて、複数J+1個の基準電流発生部30naAを備えた基準電流発生回路28AMを備えた。ここで、基準電流発生部30naAは、実施形態6と同様に、含まれる各MOSトランジスタを、複数M個(MOSトランジスタBF0及びそれに接続されるMOSトランジスタTGC,TJDG)、もしくは複数2M個(MOSトランジスタBF0以外のMOSトランジスタBF1,BF2,…及びそれに接続されるMOSトランジスタTGC,TJDG)のMOSトランジスタを並列接続した回路に置き換えて構成される。
【0095】
以上のように構成された実施形態7によれば、実施形態1及び実施形態6の作用効果を有する。
【0096】
実施形態8.
図24は実施形態8に係るプログラム終了検出回路16Eの構成を示す回路図である。
図24において、実施形態8に係るプログラム終了検出回路16Eは、
図23の実施形態7に係るプログラム終了検出回路16Dに比較して以下の点が異なる。
(1)プログラム終了判断部30nに代えて、
図20Aのプログラム終了判断部30nfを備えたプログラム終了判断回路27Bを備えた。
(2)基準電流発生部30naAに代えて、基準電流発生部30nfaAを備えた基準電流発生回路28BMを備えた。ここで、基準電流発生部30nfaAは、実施形態6と同様に、含まれる各MOSトランジスタを、複数M個(MOSトランジスタBF0及びそれに接続されるMOSトランジスタTGC,TJDG)、もしくは複数2M個(MOSトランジスタBF0以外のMOSトランジスタBF1,BF2,…及びそれに接続されるMOSトランジスタTGC,TJDG)のMOSトランジスタを並列接続した回路に置き換えて構成される。
【0097】
以上のように構成された実施形態8によれば、実施形態8及び実施形態5の作用効果を有する。
【0098】
実施形態9.
図25は実施形態9に係る、
図24のプログラム終了検出回路16Eのための基準電流発生回路31Aの構成を示す回路図である。
図25において、基準電流発生回路31Aは、
図24の実施形態8に係る基準電流発生回路31に比較して以下の点が異なる。
(1)抵抗RL及びMOSトランジスタ42,43,44を含む基準電流発生部46nを複数K個並列に接続した。
(2)抵抗Rirefの抵抗値を1/Kにした。
(3)電流源Iref0の電流値をK倍にした。
【0099】
以上のように構成された実施形態9によれば、基準電流発生部46nの数の多いほど基準電流発生回路31AにおけるMOSトランジスタ42〜44のバラツキの程度がプログラム終了判断部30nのMOSトランジスタのバラツキの程度をトレースできる。すなわち、MOSトランジスタ42〜44のバラツキがあっても平均化することができ、信号発生の精度を向上できる。
【0100】
変形例.
以上の実施形態においては、NAND型フラッシュEEPROMなどのフラッシュメモリについて説明しているが、本発明はこれに限らず、NOR型フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置に適用できる。
【0101】
さらに、以上の実施形態において、TJn,TGCをMOSトランジスタで構成しているが、本発明はこれに限らず、外部制御信号からオンオフ制御されるスイッチ素子であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上詳述したように、本発明に係る不揮発性記憶装置のための書き込み回路及び方法によれば、例えばNAND型フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置の微細化に伴ってメモリセルのピッチが小さくなり、それに伴ってページバッファなどの周辺回路のトランジスタが小さくなっても、プログラムベリファイ判断の処理を高精度で行うことができ、疑似パスにおけるビット数を大幅に上げることができる。
【符号の説明】
【0103】
10…メモリセルアレイ、
11…制御回路、
12…ロウデコーダ、
13…高電圧発生回路、
14…データ書き換え及び読み出し回路(ページバッファ)、
14a,14b…ラッチ回路、
15…カラムデコーダ、
16,16A,16AA,16B〜16E…プログラム終了検出回路、
17…コマンドレジスタ、
18…アドレスレジスタ、
19…動作ロジックコントローラ、
21,22…MOSトランジスタ、
23…インバータ、
24,25,24A…MOSトランジスタ、
25A…MOSトランジスタ回路、
26…コンパレータ、
27,27A,27B…プログラム終了判断回路、
28,28A,28AM,28B,28BM,28M…基準電流発生回路、
29−n,30n,30nf,30An,30Bn,30Cn,30Dn,30En,30Fn,30Gn…プログラム終了判断部、
30na,30nfa,30nfaA…基準電流発生部、
31,31A…基準電流発生回路、
32…差動増幅器、
33…電流源、
41〜45…MOSトランジスタ、
46n…基準電圧発生部、
50…データ入出力バッファ、
51…データ入出力端子、
52…データ信号線、
61〜64…インバータ、
70…ベリファイ用キャパシタ、
71〜90…MOSトランジスタ、
A,B…出力ライン、
Cc…カップリングキャパシタ、
Cn…ノードキャパシタ、
L1,L2…ラッチ、
PBn…ページバッファ、
TJn,TJE,TJEn,TGC,TJDG,TJN…MOSトランジスタ。
【要約】 (修正有)
【課題】微細化に伴ってメモリセルのピッチが小さくなり、それに伴ってページバッファなどの周辺回路のトランジスタが小さくなっても、プログラムベリファイ判断の処理を高精度で行う。
【解決手段】データの書き込み時にメモリセル毎のプログラム終了の判断を行う制御回路を備えた不揮発性記憶装置の為の書き込み回路において、対応するメモリセルのプログラムベリファイの状態を格納する記憶素子に格納されたデータに基づいてオンオフ制御する第1のスイッチ素子TJnと、プログラムベリファイの判断制御を行う判断制御用MOSトランジスタTJDGと、判断制御信号に基づいて判断制御用MOSトランジスタを制御する電圧をそのゲートに印加する第2のスイッチ素子TGCとを備える。プログラムベリファイを行う前に、判断制御用MOSトランジスタのゲート電圧がMOSトランジスタのしきい値電圧に所定の制御電圧値を加算した電圧値になるように設定する。
【選択図】
図7