(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の電極用パッドの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
<電極用パッド>
図1及び
図2の電極用パッド1は、第一の導電性粘着シート2と、第二の導電性粘着シート4と、前記第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4に積層され、前記第一の導電性粘着シート2と前記第二の導電性粘着シート4とを支持する基材10とを備える。
【0012】
第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4は、基材10の一方の面に貼着されている。
電極用パッド1は、一方を長手とする平面視略長方形とされている。略長方形は、4つの角部の全て又は一部に、曲線もしくは直線の隅切が形成された形状、及び4辺のうちの1辺以上が曲線で形成された形状を含む概念である。
電極用パッド1の大きさは、特に限定されないが、例えば、長辺が50〜110mm、短辺が30〜70mmとされる。
電極用パッド1の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.5〜2.0mmとされる。上記下限値未満では、電極用パッド1が軟弱になりすぎて、取り扱いにくくなるおそれがある。上記上限値超では、電極用パッド1の可撓性が損なわれて、取り扱いにくくなるおそれがある。
【0013】
基材10は、一方を長手とする平面視略長方形の平板状とされている。
基材10には、平面視略長方形の開口部12が形成され、枠状とされている。
第一の導電性粘着シート2は、平面視略長方形の平板状であり、その平面視面積が基材10の平面視面積よりも小さいものとされている。第一の導電性粘着シート2は、基材10の開口部12の一部を覆うように設けられ、第一の導電性粘着シート2の3辺は、基材10の一方の短手を形成する辺と、この辺に隣接する2辺とに重なっている。平面視において、第一の導電性粘着シート2は、その一部が開口部12から露出し、底面視において、第一の導電性粘着シート2は、全体が露出している。即ち、第一の導電性粘着シート2は、両面が露出している。
【0014】
第二の導電性粘着シート4は、第一の導電性粘着シート2と同形とされている。
第二の導電性粘着シート4は、基材10の長手方向に第一の導電性粘着シート2と離間して位置し、開口部12の一部を覆うように設けられている。即ち、第一の導電性粘着シート2と第二の導電性粘着シート4とは、第一の導電性粘着シート2の面方向で離間している。
本実施形態において、第二の導電性粘着シート4の3辺は、基材10の他方の短手を形成する辺と、この辺に隣接する2辺とに重なっている。平面視において、第二の導電性粘着シート4は、その一部が開口部12から露出し、底面視において、第二の導電性粘着シート4は、全体が露出している。即ち、第二の導電性粘着シート4は、両面が露出している。
【0015】
第一の導電性粘着シート2と第二の導電性粘着シート4との間には、電極用パッド1の厚さ方向に貫通する窓部20が形成されている。窓部20は、平面視において、第一の導電性粘着シート2と第二の導電性粘着シート4との離間方向を短手とする長方形とされている。
第一の導電性粘着シート2と第二の導電性粘着シート4との離間距離Dは、第一及び第二の導電性粘着シートに接続された電極が短絡しない距離とされ、例えば、5〜20mmとされる。
【0016】
電極用パッド1において、前記第一の導電性粘着シート2の一部及び基材10が重なって形成されたU字状の領域の透湿度は、1000g/m
2・24h以上であり、2000g/m
2・24h以上が好ましく、3000g/m
2・24h以上がより好ましい。
前記透湿度が1000g/m
2・24h未満であると、ムレやかぶれを充分に抑制できなくなる。前記透湿度は、例えば第一の導電性粘着シート2の厚みや単位面積当たりの質量を調整したり、基材10の透湿度を調整することで容易に調整される。
第二の導電性粘着シート4の一部及び基材10が重なって形成されたU字状の領域の透湿度は、前記第一の導電性粘着シート2及び基材10が積層されて形成された領域の透湿度と同様である。
【0017】
なお、本発明において第一の導電性粘着シート2の一部と基材10が重なった領域の透湿度は、以下のように測定される。
[透湿度の測定方法]
本発明における透湿度は、JIS Z0208:1976の透湿度試験方法に準拠して測定される値である。具体的には、透湿度は、次の手順により測定される。
第一の導電性粘着シート2と基材10を重ねた積層体を作製し、これをφ70mmに切り取り試験片とする。
透湿カップ(JIS規格品φ60mm)に15gの無水塩化カルシウムを入れ、上記試験片で透湿カップの開口部を覆い(試験片の第一の導電性粘着シート側が開口部に接する)、試験片の第一の導電性粘着シートと透湿カップの接着面に溶かしたパラフィンを塗り付け密封する。密封した透湿カップを、密封した面が上になるようにして40±0.5℃、相対湿度90±2%の環境下に24時間放置し、前記密封した透湿カップの質量を秤量する。そして、下記式により透湿度を算出する。
透湿度(g/m
2・24h)=u/s
ただし、sは、透湿面積(m
2)、uは、増加質量の絶対値の合計(g)である。
第二の導電性粘着シート4の一部と基材10が重なった領域の透湿度の測定方法は、第一の導電性粘着シート2の一部と基材10が重なった領域の透湿度の測定方法と同様である。
【0018】
<導電性粘着シート>
第一の導電性粘着シート2は、厚み圧縮率が10%以下であり、かつ、厚み回復率が95%以上である。また、第一の導電性粘着シート2としては、通常、測定対象からの電気信号を導通できる程度の導電性と電極及び測定対象に貼付可能な粘着性を有するものが用いられる。
以上のような要件を満たす第一の導電性粘着シート2は以下のようにして得ることができる。
第一の導電性粘着シート2は、ハイドロゲル、オルガノゲル等のゲルから構成されるが、生体適合性に優れる点などから、ハイドロゲルから構成されるものが好ましい。
【0019】
ハイドロゲルとしては、重合性単量体と架橋性単量体を共重合させた高分子マトリックス内に、湿潤剤と電解質塩と水が含まれる導電性高分子ハイドロゲルが挙げられる。
【0020】
上記重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。これら単量体以外にも、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリン(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド誘導体等が挙げられる。これらの重合性単量体は、いずれか1種が単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。なお、上記例示において、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味する。
【0021】
これらの重合性単量体の中でも、耐水性を向上させる点から、非イオン性の重合性単量体が好ましい。特に、非イオン性の重合性単量体は、遊離の酸又は塩基の状態の単量体の1質量%水溶液が4〜9のpHを示すものが好ましく、6〜8のpHを示すものがより好ましい。このような重合性単量体としては、例えば、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリン(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド誘導体等が挙げられる。これらの重合性単量体は、いずれか1種が単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
【0022】
ここで、イオン性の重合性単量体を用いて製造した高分子マトリックスは、高分子ハイドロゲル中で側鎖のイオン基が電離しており、高分子マトリックスはプラスかマイナスの何れかに帯電した状態にある。このため、高分子マトリックスの直鎖同士は常に反発する性質を有しており、ここに、大量の水が接触すると、短時間で高分子マトリックスの網目が開き、より大きな吸水力を発揮することとなる。これに対して、非イオン性の重合性単量体を用いれば、そのような変化が少ない。また、高分子マトリックス内にイオン基が存在しないと、電気的な測定や治療を行う際、高分子マトリックスが電気による影響を受けない。そのため、電極素子等と高分子ハイドロゲルの界面での電気的な反発が生じにくくなると同時に、導電性付与のための電解質の添加によるゲル収縮が発生しにくい。よって、非イオン性の重合体単量体を用いると、より高性能な導電性高分子ハイドロゲルを得ることができる。また、薬効成分や各種添加剤を含む高分子ハイドロゲルを製造する場合、例えば薬効成分等が電解質の場合でも重合性単量体中のイオン基と薬剤等の相互作用が生じることがなく、添加が容易であるという利点もある。
【0023】
さらに、非イオン性の重合性単量体として、疎水部と親水部の比率[(分子量−親水部の原子量の和)/親水部の原子量の和]が0.8〜2.0である非イオン性の重合性単量体を用いることが好ましい。ここで、親水部とは親水性を示す最小の単位(例えば、水酸基(−OH)、エーテル基(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)等)を意味し、疎水部はそれ以外の部分を意味する。このような非イオン性の重合性単量体を、重合性単量体中、25質量%以上使用することにより、高分子マトリックス中にバランスよく疎水部が存在した状態となり、湿潤剤の疎水的部分との静電気的相互作用が高くなり、導電性高分子ハイドロゲル内部からの湿潤剤の溶出をより低減することができる。更に、多価アルコール単量体を重合してなる重合体を湿潤剤として配合した場合、高分子マトリックスの疎水部と湿潤剤の疎水部との静電気的相互作用によりゲル内部からの湿潤剤の溶出を一層低減することができる。
なお、ここにいう高分子マトリックスとは、重合性単量体と架橋性単量体を重合架橋したマトリックスを指す。
【0024】
上記重合性単量体の含有量は、高分子マトリックス総量に対して、90〜99.95質量%が好ましい。90質量%未満の場合、硬く脆いゲルになるおそれがある。また、99.95質量%超の場合、架橋密度が低く、形状安定性が乏しくなるとともに、網目の橋架けの間隔が大きくなり、吸水時の網目の膨張が大きくなり、吸水倍率が増加するおそれがある。
【0025】
上記架橋性単量体としては、分子内に重合性を有する二重結合を2以上有している単量体を使用することが好ましい。架橋性単量体としては、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリレート、テトラアリロキシエタン、ジアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらの架橋性単量体は、いずれか1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、架橋性単量体は、非イオン性の重合性単量体に対して少量でよいので、イオン性及び非イオン性の単量体のいずれも使用できるが、非イオン性の単量体が好ましい。なお、上記分子内に重合性を有する二重結合を2以上有する架橋性単量体として、特許第2803886号公報に記載された2個以上の(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有し且つ分子量が400以上の多官能化合物であるポリグリセリン誘導体を使用することもできる。
【0026】
架橋性単量体の含有量は、高分子マトリックス総量に対して、0.05〜10質量%が好ましい。0.05質量%未満の場合、架橋密度が低く、形状安定性が乏しくなるとともに、網目の橋架けの間隔が大きくなり、吸水時の網目の膨張が大きくなり、吸水倍率が増加する可能性がある。また、10質量%を超えると、硬く脆いゲルになる可能性がある。
さらに、架橋性単量体の総量は、導電性高分子ハイドロゲル全体の5質量%以下であることが好ましい。
【0027】
導電性高分子ハイドロゲルに含まれる高分子マトリックスの濃度は、5〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。5質量%未満ではゲル中の高分子マトリックス濃度が低すぎるため、溶媒をかかえきれずにブリードしやすく、腰強度の弱いゲルとなるおそれがある。一方、50質量%を超えると、重合時の発熱が大きくなりすぎるため、溶媒が沸騰して気泡がゲル中に混入し、良好なゲルが得られにくくなるおそれがある。
【0028】
上記湿潤剤としては、多価アルコール単量体や、多価アルコール単量体を重合させた重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。
上記湿潤剤としては、例えば、多価アルコール単量体を重合させた重合体を50質量%以上含むとともに、多価アルコール単量体として、3価以上の多価アルコール単量体を含み、前記重合体の平均分子量が150〜4000であり、水溶性を示し、かつ((重合体中に存在するエーテル基の数+重合体中に存在するヒドロキシル基の数)/重合体中に存在する炭素原子の数))≧1/3の条件を満たすものが好ましい。
【0029】
上記多価アルコール単量体を重合させた重合体の平均分子量は、150〜4000が好ましく、300〜4000がより好ましい。なお、前記平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定した数平均分子量を意味する。
また、上記多価アルコール単量体を重合してなる重合体は、水溶性である。水溶性とは25℃の水100gに10g以上溶解することを意味する。更に、多価アルコール単量体を重合してなる重合体としては、((重合体中に存在するエーテル基の数+重合体中に存在するヒドロキシル基の数)/重合体中に存在する炭素原子の数)≧1/3の条件を満たす重合体が好ましい。また、重合体の繰返し単位内に3価以上の多価アルコール単量体由来の単位を配することにより、湿潤剤としての湿潤機能が向上すると共に、高分子マトリックスや溶媒との静電気的相互作用が高くなり、ゲル内部からの湿潤剤の溶出をより低減することができる。
【0030】
上記多価アルコール単量体を重合してなる重合体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、又は糖類等の1種又は2種以上の単量体を重合してなる水溶性の重合体が挙げられる。当該重合体は、導電性高分子ハイドロゲルの粘弾性特性と、製造時のハンドリング性の点から、常温で液状であることが好ましい。
【0031】
上記多価アルコール単量体を重合してなる重合体としては、3価以上の多価アルコール単量体を含む多価アルコール単量体を重合させた重合体が好ましい。このような重合体としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、糖類等の3価以上の多価アルコールを少なくとも含む多価アルコール単量体を重合させた重合体が挙げられる。前記3価以上の多価アルコール単量体は、上記重合体中に、50〜100質量%含まれることが好ましい。なお、3価以上の多価アルコール単量体ユニットには、未反応のヒドロキシル基が残留していてもよい。3価以上の多価アルコール単量体由来の単位が存在する場合、重合体に未反応のヒドロキシル基が残留しうるため、湿潤性能を向上させることができる。
【0032】
これら3価以上の多価アルコール単量体を含む多価アルコール単量体を重合してなる重合体も、常温で液状であることが好ましい。例えば、常温で液状のグリセリンを単独重合して得られるポリグリセリンは、常温で液状であるため、ハンドリング性にも優れる。また、ソルビトールや糖類のような常温で固体の単量体は、異なった種類の単量体を組み合せて共重合したり、ポリグリセリン等の液状の重合体をグラフトしたりすることにより液状にすることができる。
【0033】
導電性高分子ハイドロゲル中の湿潤剤の含有量は、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。10質量%未満では、ゲルの湿潤力が乏しく、水分の蒸散が著しくなり、ゲルの経時安定性に欠けると共に、柔軟性に欠け、粘着性が不充分となるおそれがある。また、80質量%を超えると、重合性単量体と架橋性単量体、湿潤剤、水を含むモノマー混合物を作製する際、粘度が高くなりすぎ、ハンドリングが悪くなると共に、導電性高分子ハイドロゲルを製造する際に気泡が混入するおそれがある。
【0034】
上記電解質塩としては、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化カルシウム等のハロゲン化アルカリ金属又はハロゲン化アルカリ土類金属、その他の金属ハロゲン化物、各種金属の次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、アンモニウム塩、各種錯塩等の無機塩類、酢酸、安息香酸、乳酸等の一価有機カルボン酸塩、フタル酸、コハク酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸等の多価カルボン酸の一価又は二価以上の塩、スルホン酸、アミノ酸等の有機酸の金属塩又は有機アンモニウム塩、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリターシャルブチルアクリルアミドスルホン酸、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等の高分子電解質の塩等が挙げられる。また、珪酸塩、アルミン酸塩、金属の酸化物や水酸化物等を用いることもできる。
【0035】
導電性高分子ハイドロゲル中の電解質塩の含有量は、13質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。13質量%を超えると塩の溶解が困難になり、ゲル内部で結晶の析出が生じたり、他の成分の溶解を阻害したりするおそれがある。また、13質量%を超えて配合しても導電性能は頭打ちとなり、コストの観点から好ましくない。
【0036】
また、導電性高分子ハイドロゲルに含まれる水の含有量は、5〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。5質量%未満ではゲルの平衡水分量に対する含水量が少ないため、吸湿性が高くなりすぎるおそれがある。また、50質量%を超えるとゲルの平衡水分量との差が大きくなるため、乾燥によるゲルの収縮や、物性の変化が大きくなるおそれがある。
【0037】
上記導電性高分子ハイドロゲルの中でも、重合性単量体として、(メタ)アクリルアミド、N置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアミド誘導体等を用いて得られたアクリルアミド系ハイドロゲルが好ましい。
アクリルアミド系ハイドロゲルは、生体適合性、耐腐食性に優れる基材であり、また、上記重合性単量体は、反応性に優れるため、当該ゲル中の残存モノマーが少なく、皮膚刺激性も低い。
【0038】
第二の導電性粘着シート4の材質は、上記第一の導電性粘着シート2と同様である。なお、第二の導電性粘着シート4の材質は、第一の導電性粘着シート2と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0039】
第一の導電性粘着シート2の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.3〜1.2mmとされる。0.3mm未満では、シートが軟弱となるおそれがある。また、1.2mm超では、シートが厚くなりすぎ、電極用パッド1をコンパクトに形成できず、取り扱い性が損なわれるおそれがある。
第二の導電性粘着シート4の厚みは、第一の導電性粘着シート2の厚みと同様である。
第一の導電性粘着シート2の厚みと、第二の導電性粘着シート4の厚みは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0040】
第一の導電性粘着シート2の粘着力は、特に限定されないが、例えば、550〜1350g/20mmとされる。550g/20mm未満では、電極及び測定対象に対するシートの貼着性が損なわれるおそれがある。また、1350g/20mm超では、電極及び測定対象からシートを剥がしにくくなり、シートを剥がす際に余分な力がかかりシートの変形を生じるおそれがある。また、剥がす際に皮膚への刺激も大きくなるおそれがある。
なお、ここで言う「粘着力」の試験方法は、第一の導電性粘着シート2を20mm×100mmに切断したものを測定サンプルとし、ベークライト板に測定サンプルを貼り付け、23℃、50%RH条件下で30分間経過後、直ちにJIS Z0237に準拠して測定した粘着力である。
第二の導電性粘着シート4の粘着力は、第一の導電性粘着シート2の粘着力と同様である。第一の導電性粘着シート2の粘着力と、第二の導電性粘着シート4の粘着力は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0041】
第一の導電性粘着シート2は、下記測定方法で測定される厚み圧縮率が10%以下である。
[厚み圧縮率の測定方法]
第一の導電性粘着シートを切断等により20mm×20mmとした測定サンプル(以下、「初期シート」ともいう。)を用意する。前記初期シートの厚みを測定し、これを「初期シート厚み」とする。次に、前記初期シートに底面90mm×140mmの5kgの重りを載置し、10秒間放置した後、直ちに前記シートから重りを取り除いたシート(以下、「圧縮シート」ともいう。)を作製する。前記圧縮シートの厚みを測定し、これを「圧縮シート厚み」とする。そして、下記(1)式から厚み圧縮率を求める。
厚み圧縮率(%)=100×(初期シート厚み−圧縮シート厚み)/初期シート厚み・・・(1)
【0042】
第一の導電性粘着シート2の厚み圧縮率は、7.5%以下が好ましく、6.5%以下がさらに好ましい。
第一の導電性粘着シート2の厚み圧縮率が10%を超えると、第一の導電性粘着シート2が変形しやすくなる。これにより、電極用パッドの抵抗が変動し、測定対象からの電気信号を正確に電極に伝えられなくなり、安定な測定ができなくなる。
第二の導電性粘着シート4の厚み圧縮率の測定方法は、第一の導電性粘着シート2の厚み圧縮率の測定方法と同様である。
第二の導電性粘着シート4の厚み圧縮率は、第一の導電性粘着シート2の厚み圧縮率と同様である。第一の導電性粘着シート2の厚み圧縮率と、第二の導電性粘着シート4の厚み圧縮率は同じでもよいし、異なってもよい。
【0043】
第一の導電性粘着シート2は、下記測定方法で測定される厚み回復率が95%以上である。
[厚み回復率の測定方法]
上記厚み圧縮率の測定方法において、5kgの重りを取り除いてから5分間放置した測定サンプル(以下、「回復シート」ともいう。)を作製する。前記回復シートの厚みを測定し、これを「回復シート厚み」とする。そして、下記(2)式から厚み回復率を求める。
厚み回復率(%)=100×回復シート厚み/初期シート厚み・・・(2)
【0044】
第一の導電性粘着シート2の厚み回復率は、96%以上が好ましく、98%以上がさらに好ましい。
第一の導電性粘着シート2の厚み回復率が95%未満であると、第一の導電性粘着シート2の保形性が悪化し、経時とともに、第一の導電性粘着シート2の変形の度合いが大きくなる。これにより、第一の導電性粘着シート2の抵抗の変動が大きくなり、安定した測定ができなくなる。
第二の導電性粘着シート4の厚み回復率の測定方法は、第一の導電性粘着シート2の厚み回復率の測定方法と同様である。
第二の導電性粘着シート4の厚み回復率は、第一の導電性粘着シート2の厚み回復率と同様である。第一の導電性粘着シート2の厚み回復率と、第二の導電性粘着シート4の厚み回復率は同じでもよいし、異なってもよい。
なお、上記厚み圧縮率及び厚み回復率の測定は、いずれも大気中(例えば温度20〜27℃、相対湿度40〜60%)で行われる。また、上記初期シート、圧縮シート及び回復シートの厚みの測定は、厚みゲージ(株式会社ミツトヨ製「シックネスゲージ」)を用い1/100mmまで行われる。
【0045】
さらに、第一の導電性粘着シート2には、その層中に、中間基材を設けてもよい。中間基材を設けることで、第一の導電性粘着シート2の強度が高められ、当該シートのハンドリングや加工性が向上でき、また、電極用パッド1をより一体的に扱いやすくなる。上記中間層としては、開口率の大きな材料が好ましく、例えば、ナイロン、ポリエステル等の織布又は不織布からなるものが好ましい。
第二の導電性粘着シート4にも、第一の導電性粘着シート2と同様の中間基材を設けることができる。第一の導電性粘着シート2の中間基材と、第二の導電性粘着シート4の中間基材は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第一の導電性粘着シート2又は第二の導電性粘着シート4の一方にだけ中間基材を設けてもよいし、両方に中間基材を設けてもよい。
【0046】
第一の導電性粘着シート2は、例えば次のように製造できる。
上記重合性単量体と、架橋性単量体と、湿潤剤と、電解質塩と、水とを混合し、これに光重合開始剤を添加した配合液を調製する。次に、前記配合液をポリエチレンテレフタレートフィルム等のフィルム上に任意の厚さで展開し、これにUV照射して重合架橋反応を行いシート状のゲルを形成する。得られたシート状のゲルを所望の形状に切断して、第一の導電性粘着シート2とする。
なお、必要に応じて、上記配合液をフィルム上に任意の厚さで展開した後に、当該展開した配合液の層中に上記中間基材を配置し、これにUV照射して重合架橋反応を行い、中間基材が設けられたシート状のゲルとしてもよい。これを所望の形状に切断すれば、中間基材が設けられた第一の導電性粘着シート2が得られる。
第二の導電性粘着シート4の製造方法は、第一の導電性粘着シート2と同様である。
【0047】
<基材10>
本発明の基材10は、吸水倍率が1〜1.5倍である非導電性の基材である。
本発明の基材の吸水倍率は、以下の測定方法で測定される値である。
[吸水倍率の測定方法]
基材を切断等により50mm×50mmとした測定サンプルを用意し、これを23℃、相対湿度50%RHの恒温恒湿槽内で24時間保管した測定サンプル(以下、「浸漬前基材」ともいう。)を作製する。前記浸漬前基材を前記恒温恒湿槽から取り出し、直ちにその質量を測定し、これを「浸漬前基材質量」とする。その後、浸漬前基材を20℃の水(イオン交換水)に24時間浸漬し、浸漬後に水中から取り出し表面に付着した水滴をガーゼで軽くふき取った測定サンプル(以下、「浸漬後基材」ともいう。)を作製する。前記浸漬後基材の質量を測定し、これを「浸漬後基材質量」とする。そして、下記式(3)から基材の吸水倍率を求める。
吸水倍率(倍)=浸漬後基材質量/浸漬前基材質量・・・(3)
【0048】
基材10の吸水倍率が1.5倍超であると、基材10に汗等の水分が吸収されやすくなり、基材10の抵抗が低下して、安定した測定ができなくなったり、第一の導電性粘着シート及び第二の導電性粘着シートに接続された電極を短絡させることがある。基材10の吸収倍率は、1.3倍以下が好ましく、1.2倍以下がより好ましく、1.1倍以下がさらに好ましい。
【0049】
本発明において非導電性の基材とは、以下の測定方法で抵抗を測定した際に、浸漬前基材及び浸漬後基材の両方について、抵抗が高く測定できない状態(絶縁状態)である基材を意味する。
[抵抗の測定方法]
上記[吸水倍率の測定方法]における浸漬前基材及び浸漬後基材のそれぞれについて電気抵抗の測定を行う。前記電気抵抗の測定は、三和電気計器株式会社製のDIGITAL MULTIMETER CD771装置を用いて、浸漬前基材及び浸漬後基材のそれぞれの表面に、前記装置の2つのリードを先端の距離が20mmとなるように載置して行う。電気抵抗の測定は、大気中(例えば温度20〜27℃、相対湿度40〜60%)で行われる。
【0050】
基材10としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、パルプ、レーヨン、ナイロン等の公知の非導電性材料から製造されたフィルム、シート、織布、不織布等が挙げられる。
上記の中でも、加工性、透湿性に優れ、導電性粘着シートとの貼着性も良好であることから、織布又は不織布が好ましい。これらの中でも、スパンボンド法により製造されたポリオレフィン製の不織布が特に好ましい。
【0051】
基材10の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.2〜1.2mmとされる。0.2mm未満では、基材10が軟弱となり、電極用パッド1の保形性が損なわれるおそれがある。また、1.2mm超では、基材10が厚くなりすぎ、電極用パッド1をコンパクトに形成できず、取り扱い性が損なわれるおそれがある。
【0052】
基材10の目付けは、特に限定されないが、例えば、50〜110g/m
2とされる。50g/m
2未満では、基材10が軟弱となり、電極用パッド1の保形性が損なわれるおそれがある。また、110g/m
2超では、基材10の可撓性が損なわれ、電極用パッド1の取り扱い性が損なわれるおそれがある。
【0053】
<電極用パッドの製造方法>
本発明の電極用パッドの製造方法は、特に限定されない。電極用パッド1の製造方法の一例について、
図3を用いて説明する。
最初に、上記のように製造した第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4を、同一平面上に所望の間隔Dをもって配置する。その後、あらかじめ枠状に加工しておいた基材10を、前記第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4と対向させて配置する。そして、基材10と、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4とを貼り合わせて、これらを一体とすることにより、電極用パッド1を容易に製造できる。
なお、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4と、基材10との貼り合わせ面には、必要に応じて接着剤を塗布してもよい。
【0054】
<使用方法>
電極用パッド1の使用方法について、電極用パッド1をウエアラブルなセンサに用いた場合を例にして説明する。
図4に示すように、本例のセンサは、2つの電極30、32が間隔をおいて配置され、この2つの電極の間に、光学センサ34及び画像センサ36が配置されたものである。
【0055】
電極用パッド1と、センサとを対向させて配置する。このとき、電極用パッド1の基材10を備える面、即ち、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4の全体が露出していない面と、センサの電極面とが対向するように配置する。
次いで、電極用パッド1を、センサの電極に貼着する。このとき、電極用パッド1の開口部12から露出した第一の導電性粘着シート2に、センサの一方の電極30が貼着され、開口部12から露出した第二の導電性粘着シート4に、センサの他方の電極32が貼着されるようにする。加えて、電極用パッド1の窓部20に、光学センサ34及び画像センサ36を位置させる。
【0056】
そして、電極用パッド1のセンサの電極が貼着されていない面、即ち、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4の全体が露出している面と、測定対象とを貼着する。
これにより、センサの電極30、32と、測定対象とが、電極用パッド1を介して固定される。
【0057】
電極用パッド1に貼着された電極30、32は、測定対象から発せられた電気信号を、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4を介して検知し、センサに伝える。このとき、第一の導電性粘着シート2と、第二の導電性粘着シート4とは、離間して配置されており、かつ、基材10により支持されているため、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4に接続された電極30、32の短絡を生じることがない。
また、光学センサ34及び画像センサ36は、電極用パッド1を貫通する窓部20に位置するため、導電性粘着シートの影響を受けずに、正確なデータを取得できる。
【0058】
<作用機構>
以上説明した電極用パッド1は、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4が導電性を有しているので、これらのシートに接続された電極30、32は、これらのシートを介して測定対象から発せられた電気信号を検知できる。
また、電極用パッド1は、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4が粘着性を有するため、測定対象に、センサの電極を良好に固定できる。
【0059】
電極用パッド1において、第一の導電性粘着シート2と、第二の導電性粘着シート4とは、離間して配置されており、かつ、非導電性の基材10により支持されている。このため、電極用パッド1は、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4にそれぞれ接続された電極30及び電極32の短絡を容易に防止できる。加えて、電極用パッド1を一体的に取り扱えるため、取扱い性に優れ、利便性が高い。
【0060】
電極用パッド1において、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4は、それぞれ基材10の開口部12から露出しているので、この露出部にウエアラブルな生体センサ等の電極を貼着できる。そのため、例えば
図4に示すように、電極用パッド1に、ウエアラブルなセンサの電極を貼着し、電極用パッド1を介して、センサの電極を測定対象に貼着した場合には、センサの電極が、測定対象の測定部位からずれたり、センサが測定対象から落下したりすることを良好に防止できる。
【0061】
第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4は、厚み圧縮率が10%以下である。そのため、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4の変形が抑制される。これにより、電極用パッドの抵抗の変動が抑制され、測定対象からの電気信号を正確に電極に伝えられ安定した測定を行える。
第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4は、厚み回復率が95%以上である。そのため、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4は保形性に優れ、経時による変形が抑制される。これにより、測定対象からの電気信号を長期にわたり正確に電極に伝えられ安定した測定を行える。
【0062】
基材10は、吸水倍率が1〜1.5倍である非導電性の基材である。そのため、基材10に汗等の水分が吸収されて基材10の抵抗が低下し、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4に接続された電極が短絡することを抑制できる。
【0063】
電極用パッド1は、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4と基材10が積層された領域の透湿度が1000g/m
2・24h以上である。そのため、貼着時のムレやかぶれを抑制できる。
【0064】
電極用パッド1は、両面に貫通する窓部20が形成されているため、この窓部20に、光学センサや画像センサ等の、測定対象表面から直接データを取得するためのセンサを位置することができる。このため、電極及び複数のセンサを備える装置の電極用パッドとしても好適に使用できる。
【0065】
基材10は、枠状とされているので、電極用パッド1の保形性が良好であり、電極用パッド1をより一体的に取り扱うことができる。このため、例えば電極用パッド1を測定対象に貼着する際や、該対象から取り外す際の取り扱い性がより良好となる。
【0066】
第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4の双方もしくは一方は、高分子ハイドロゲル、特にアクリルアミド系ハイドロゲルから構成されると、より粘着性が良好となり、また、生体適合性にも優れ、皮膚刺激性も低くできる。さらに耐腐食性もより良好となる。このため、これらの導電性粘着シートを用いた電極用パッド1は、生体センサや工業用センサ等の幅広い分野で好適に用いることができる。
さらにまた、アクリルアミド系ハイドロゲルは、水分の吸収性にも優れる。このため、これらの導電性粘着シートを用いた電極用パッド1は、例えば皮膚に粘着された場合に、汗等の吸収性に優れており、電極用パッド1を長時間使用しても不快感が軽減され、良好な使用感が得られる。
【0067】
電極用パッド1は、基材10として織布又は不織布を用いると、柔軟性を損なうことなく、測定対象の表面や生体センサ等の装置の形状により追従しやすくなる。このため、測定対象の表面や装置に凹凸があるような場合でも、電極用パッド1は、これらの形状に追従し良好に貼着できる。さらに、織布又は不織布は、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4との貼着性にも優れるため、電極用パッド1の一体性がより向上する。
加えて、織布又は不織布は透湿性に優れるため、これらを表面に備える電極用パッド1は、例えば皮膚に粘着した場合に、汗等の蒸散性に優れており、電極用パッド1を長時間使用しても不快感が軽減され、良好な使用感が得られる。
【0068】
<他の実施形態>
本発明の電極用パッドは、上述の実施形態に限定されない。
上述の実施形態では、電極用パッドの形状は、平面視略長方形とされたが、平面視形状はこれに限定されない。例えば、楕円形、真円形、正方形、菱形、瓢箪形、五角形以上の多角形等の任意の形状とされてもよい。
【0069】
上述の実施形態では、第一の導電性粘着シートの形状は、平面視略長方形とされたが、平面視形状はこれに限定されない。例えば、略半円形、真円形、楕円形、正方形、菱形、瓢箪形、五角形以上の多角形等の任意の形状とされてもよい。
第二の導電性粘着シートについても同様である。
【0070】
上述の実施形態では、基材の形状は、平面視略長方形とされたが、平面視形状はこれに限定されない。平面視形状は、第一の導電性粘着シート及び第二の導電性粘着シートを支持できる限り、任意の形状とされてよく、例えば、楕円形、真円形、正方形、菱形、瓢箪形、五角形以上の多角形等の形状とされてもよい。
【0071】
上述の実施形態では、基材の開口部の形状は、平面視略長方形とされたが、平面視形状はこれに限定されない。例えば、楕円形、真円形、正方形、菱形、瓢箪形、五角形以上の多角形等の任意の形状とされてもよい。
【0072】
また、上述の実施形態では、基材が枠状とされたが、これに限定されない。例えば、細長い長方形状の基材で、第一の導電性粘着シートと第二の導電性粘着シートとを支持してもよい。前記細長い長方形状の基材は、1本だけ設けられても、2本以上設けられてもよい。
ただし、電極用パッドの一体性を高め、取り扱い性をより良好にする点からは、基材が枠状とされることが好ましい。
【0073】
また、例えば、基材10を、電極用パッドの長手方向の一方に延ばして延設部を設け、この延設部に把持部が設けられてもよい。把持部が設けられることで、電極用パッドを測定対象やセンサの電極から剥離しやすくできる。
なお、基材10を、電極用パッドの両長手方向に延ばすように形成したり、一方又は両方の短手方向に延ばすように形成することも任意である。
【0074】
また、上記のように設けられた延設部に開口部を形成してもよい。この開口部は、センサの光学センサや画像センサが位置する窓部とできる。また、この開口部は、電極用パッドの把持部とされてもよい。
さらに、基材10を、電極用パッドの両長手方向に延ばすように形成したり、一方又は両方の短手方向に延ばすように形成し、この延ばした部分に開口部を適宜設けることも任意である。
なお、電極用パッドには、窓部があってもよいし、なくてもよい。
【0075】
第一及び第二の導電性粘着シートの表面には、剥離シートが設けられていてもよい。剥離シートが設けられていれば、第一及び第二の導電性粘着シートの表面に、異物等が付着することを防止できる。この剥離シートは、電極用パッドの使用時に、第一及び第二の導電性粘着シートの表面から剥がされる。
当該剥離シートは、特に限定されないが、第一及び第二の導電性粘着シートから容易に剥離できる材質や表面を備えることが好ましい。当該剥離シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂からなるシートやフィルムが好ましく、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。また、剥離シートは、第一及び第二の導電性粘着シートと接する面に、シリコーン等により剥離処理が施されていてもよい。
なお、電極用パッドに、把持部が設けられると、電極用パッドの使用時に、上記剥離シートを剥がしやすくできるので好ましい。
【0076】
電極用パッドの第一及び第二の導電性粘着シートと、センサとの貼着が充分でない場合には、これらの間に両面テープ等で形成された接着層を設けることもできる。この接着層は、皮膚貼付に用いられるような生体適合性を有する材料で形成されることが好ましい。
【0077】
本発明の電極用パッドは、生体センサのみではなく、工業センサに用いられてもよい。
工業センサとしては、例えば、測定対象の表面抵抗値を検知するセンサ、温度センサ、加速度センサ、表面抵抗値と表面温度等の複数の情報を同時に検知するセンサ、超音波センサ、画像センサ等が挙げられる。
【実施例】
【0078】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例において使用した材料は下記の通りである。
【0079】
<粘着シート>
A−1:積水化成品工業株式会社製の商品名「AG」。初期シート厚み:0.80mm。
A−2:積水化成品工業株式会社製の商品名「AG」。初期シート厚み:0.40mm。
A−3:積水化成品工業株式会社製の商品名「SR−A」。初期シート厚み:0.75mm。
A−4:共同技研化学株式会社製の商品名「メークリンゲルMGCS50」。初期シート厚み:0.50mm。
A−1〜A−3は、導電性の粘着シートであり、A−4は、非導電性の粘着シートである。なお、非導電性の粘着シートとは、粘着シートを50mm×50mmに裁断し、これを23℃、相対湿度50%RHの恒温恒湿槽内で24時間保管した測定サンプルを作製し、前記測定サンプルについて抵抗の測定を行った際に、抵抗が高く測定できない状態(絶縁状態)である粘着シートを意味する。前記抵抗の測定は、測定対象を前記測定サンプルとすること以外は上述の[抵抗の測定方法]と同様にして行われる。
【0080】
<基材>
B−1:シンワ株式会社製の商品名「6670−1A」。厚み:0.49mm。
B−2:ダイワボウポリテック株式会社製の商品名「TT−70」。厚み:0.67mm。
B−3:商品名「カーボンシートNH−3」。厚み:0.05mm。
B−4:シンワ株式会社製の商品名「9825−8F」。厚み:0.10mm。
B−5:三井化学株式会社製の商品名「シンテックスMY R004」。厚み:0.10mm。
B−6:井上ニット株式会社製の商品名「トリコットハーフ」。厚み:0.20mm。
B−7:クラレトレーディング株式会社製の商品名「FM070」。厚み:0.18mm。
【0081】
上述した[厚み圧縮率の測定方法]、[厚み回復率の測定方法]に従って、各粘着シートの厚み圧縮率及び厚み回復率を測定した。結果を表1に示す。
上述した[吸水倍率の測定方法]に従って、各基材の吸水倍率を測定した。結果を表1に示す。また、各基材について、上述した[抵抗の測定方法]に従って、浸漬前基材及び浸漬後基材の抵抗を測定した。抵抗を測定できなかった場合(絶縁状態)を「○」、測定できた場合を「×」とした。結果を表1に示す。
上述した[透湿度の測定方法]に従って、各粘着シートと各基材とを表1に示す組合せで重ねた積層体を作製し、その透湿度を測定した。結果を表1に示す。
【0082】
<実施例1〜7、比較例1〜7>
各粘着シート及び基材を、表1に示すように組み合わせて、
図1に示す形態の電極用パッドを製造した。
各例の電極用パッドを用いた際、電極用パッドの抵抗の変動が抑制され安定した測定ができるか(測定安定性)、ムレ・かぶれを抑制できるか(ムレ・かぶれの抑制性)を、以下のように評価した。
それぞれの評価結果を表1に示す。
【0083】
[測定安定性の評価方法]
各例の電極用パッドを、
図4に示すようにして市販の生体センサの電極に貼着し、該電極用パッドの生体センサの電極が貼着されていない面を、被験者の胸部に貼着した。この状態で心電測定を1時間行った。測定開始から30分経過時に、生体センサの上面を指で2分間押さえつけて電極用パッドに外力をかけ電極の短絡の有無を確認した。さらに測定開始から40分経過時に、発汗を想定して、20mLの水を霧吹きで電極用パッドが中心となるように噴霧し、その際の電極の短絡の有無を確認した。そして、下記判断基準により測定安定性を評価し、「○」を合格とした。
(測定安定性の判断基準)
○:電極用パッドの抵抗の変動が抑制され、被験者からの電気信号を正確に電極に伝えられ安定した測定が行えた。
×:電極用パッドの抵抗の変動が大きく、被験者からの電気信号を正確に電極に伝えられず安定した測定ができなかった。または、電極用パッドに接続された電極を短絡させた。
【0084】
[ムレ・かぶれの抑制性の評価方法]
各例の電極用パッドを、エタノールで脱脂した胸部の皮膚に1日当たり12時間連続して貼着する操作を、3日間連続して行った。貼着前の皮膚の状態、3日間連続して貼着した後の皮膚の状態、及び貼着中に感じるムレの状態を観察し、下記判断基準によりムレ・かぶれの抑制性を評価した。「○」を合格とした。
(ムレ・かぶれの抑制性の判断基準)
○:3日間貼着した後の皮膚の状態が、貼着前と変わらない。
×:3日間貼着した後の皮膚にかぶれが観察される。または、3日間の貼着中にムレを感じる。
【0085】
【表1】
【0086】
表1に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜7の電極用パッドは、抵抗の変動が抑制され測定安定性に優れることが確認できた。また、実施例1〜7の電極用パッドは、ムレ・かぶれを生じなかった。
一方、本発明の吸水倍率を満たさない基材が用いられた電極用パッド(比較例1、3、5)では、測定開始から40分経過前までは安定した測定が行えたが、40分経過時に発汗を想定して水を噴霧した際に、電極用パッドに接続された電極が短絡してしまい良好な測定安定性が得られなかった。導電性の基材が用いられ、かつ、本発明の透湿度を満たさない電極用パッド(比較例2、4、6)では、電極用パッドに接続された電極を短絡させ心電測定ができず、さらに、ムレ・かぶれを抑制できなかった。非導電性の粘着シートを用い、かつ、本発明の透湿度を満たさない電極用パッド(比較例7)では、心電測定ができず、さらに、ムレ・かぶれを抑制できなかった。
以上の結果から、本発明を適用した電極用パッドによれば、短絡等を生じるおそれがなく安定した測定ができ、ムレやかぶれを生じにくいことが確認できた。また、実施例1〜7の電極用パッドは、一体的に取り扱えるため、取扱い性に優れていた。
任意の電極と接続するための第一の導電性粘着シート(2)と、該第一の導電性粘着シート(2)の面方向に離間して位置し、他の電極と接続するための第二の導電性粘着シート(4)と、前記第一の導電性粘着シート(2)と前記第二の導電性粘着シート(4)とを支持する基材(10)と、を備え、前記第一の導電性粘着シート(2)及び前記第二の導電性粘着シート(4)は、それぞれ少なくとも一方の面が露出しており、前記第一の導電性粘着シート(2)及び第二の導電性粘着シート(4)は、厚み圧縮率が10%以下であり、かつ、厚み回復率が95%以上であり、前記基材(10)は、吸水倍率が1〜1.5倍である非導電性の基材であり、さらに、透湿度が1000g/m