特許第5909350号(P5909350)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アマダの特許一覧

<>
  • 特許5909350-フイラーワイヤ案内装置 図000002
  • 特許5909350-フイラーワイヤ案内装置 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909350
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】フイラーワイヤ案内装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/70 20140101AFI20160412BHJP
   B23K 9/12 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
   B23K26/70
   B23K9/12 301J
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2011-268785(P2011-268785)
(22)【出願日】2011年12月8日
(65)【公開番号】特開2013-119107(P2013-119107A)
(43)【公開日】2013年6月17日
【審査請求日】2014年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】小野 育康
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和隆
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−347774(JP,A)
【文献】 特開平09−314331(JP,A)
【文献】 特開平10−328836(JP,A)
【文献】 特開2008−178895(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0151957(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/70
B23K 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ溶接ノズルの先端部に対応した位置へフイラーワイヤを案内するフイラーワイヤ案内装置であって、冷却水の流路を備えた冷却ブロックに、フイラーガイドパイプを埋設するための埋設溝を備え、この埋設溝は、前記フイラーガイドパイプの先端部に備えたガイドチップが前記レーザ溶接ノズルの先端部に対応した位置を指向するように湾曲してあり、前記フイラーガイドパイプを前記埋設溝に埋設した状態に固定するための固定板を、前記冷却ブロックに着脱可能に固定してあることを特徴とするフイラーワイヤ案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフイラーワイヤ案内装置において、前記フイラーガイドパイプは、前記固定板に備えた複数の固定具によって前記冷却ブロックに対して押圧接触してあることを特徴とするフイラーワイヤ案内装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフイラーワイヤ案内装置において、前記ガイドチップは前記冷却ブロックから突出してあり、かつ前記フイラーガイドパイプの先端部に着脱交換可能に備えられていることを特徴とするフイラーワイヤ案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ溶接を行うレーザ溶接ノズルの先端部に対応した位置へフイラーワイヤを案内するフイラーワイヤ案内装置に係り、さらに詳細には、前記フイラーワイヤを案内するガイドチップを冷却する機能を備えたフイラーワイヤ案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、多関節ロボットにおけるロボットアームの先端部にレーザ溶接加工ヘッドを装着してワークのレーザ溶接を行うとき、上記レーザ溶接加工ヘッドに備えたレーザ溶接ノズルの先端部に対応した位置へフイラーワイヤを案内供給することが行われている(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−323183号公報
【特許文献2】特開平11−347774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザ溶接加工ヘッドに備えたレーザ溶接ノズルの先端部に対応した位置へフイラーワイヤを案内供給してレーザ溶接を行うとき、前記フイラーワイヤを案内するガイドチップが前記レーザ溶接位置に近接してあるので、溶接位置からのレーザ光の反射光が前記ガイドチップに照射されて、ガイドチップが溶融することがある。
【0005】
前記特許文献1に記載の構成においてはフイラー送給ノズルが前記ガイドチップに相当し、レーザ溶接位置からの反射光によって前記フイラー送給ノズルが溶融されることがある。前記特許文献2に記載の構成においては、レーザ加工ヘッドの本体にウォータージャケットを備えて、本体内の光学系の冷却を行う構成が記載されている。しかし、フイラーワイヤをノズルの先端部に対応した位置へ案内するフイラーノズルは冷却されていないので、前記フイラーノズルの先端部が、レーザ溶接位置からのレーザ光の反射光によって溶融することがあるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述したごとき問題に鑑みてなされたもので、レーザ溶接ノズルの先端部に対応した位置へフイラーワイヤを案内するフイラーワイヤ案内装置であって、冷却水の流路を備えた冷却ブロックに、フイラーガイドパイプを埋設するための埋設溝を備え、この埋設溝は、前記フイラーガイドパイプの先端部に備えたガイドチップが前記レーザ溶接ノズルの先端部に対応した位置を指向するように湾曲してあり、前記フイラーガイドパイプを前記埋設溝に埋設した状態に固定するための固定板を、前記冷却ブロックに着脱可能に固定してあることを特徴とするものである。
【0007】
また、前記フイラーワイヤ案内装置において、前記フイラーガイドパイプは、前記固定板に備えた複数の固定具によって前記冷却ブロックに対して押圧接触してあることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記フイラーワイヤ案内装置において、前記ガイドチップは前記冷却ブロックから突出してあり、かつ前記フイラーガイドパイプの先端部に着脱交換可能に備えられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フイラーワイヤ案内装置においてフイラーワイヤを案内するガイドチップを冷却することができ、レーザ溶接位置からのレーザ光の反射光が前記ガイドチップに照射されたとき、ガイドチップが溶融されることを抑制することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るフイラーワイヤ案内装置の正面説明図である。
図2】フイラーワイヤ案内装置の構成を示す分解斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1、2を参照するに、本発明の実施形態に係るフイラーワイヤ案内装置1は、レーザ溶接ノズル3の先端部に対応した位置へフイラーワイヤ5を案内供給する作用をなすものであって、前記特許文献1に記載の構成と同様に、適宜構成のリンク機構(図示省略)を介して、前記レーザ溶接ノズル3に対して接近離反する方向へ移動可能に備えられている。
【0012】
前記フイラーワイヤ案内装置1は、冷却ブロック7を備えている。前記冷却ブロック7には、冷媒としての冷却水の流路9が形成してある。この流路9の一端側には、継手11Aを介して冷却水の供給パイプ13が接続してあり、流路9の他端側には継手11Bを介して排出パイプ15が接続してある。したがって、供給パイプ13から冷却水を供給して排出パイプ15から排出することにより、前記冷却ブロック7の冷却を行うことができるものである。
【0013】
前記冷却ブロック7には、埋設溝17が形成してある。この埋設溝17は、前記フイラーワイヤ5を案内するフイラーガイドパイプ19を埋設するためのものであって、前記冷却ブロック7の上面から下端部に亘って湾曲して形成してある。より詳細には、前記フイラーガイドパイプ19の先端部(下端部)に着脱交換可能に螺着して備えられたガイドチップ21が前記レーザ溶接ノズル3の先端部に対応した位置を指向するように、前記埋設溝17は湾曲してある。
【0014】
したがって、前記フイラーガイドパイプ19は、先端部が前記レーザ溶接ノズル3の先端部に対応した位置を指向するように湾曲して埋設されるものである。よって、前記冷却ブロック7とフイラーガイドパイプ19との接触長は長くなるものであって、フイラーガイドパイプ19の冷却をより効果的に行うことができるものである。そして、前記フイラーガイドパイプ19を埋設溝17に埋設した状態に固定するために、前記冷却ブロック7には、止めネジなどのごとき複数の固定具23を介して固定板25が着脱可能に固定してある。
【0015】
前記冷却ブロック7に対して前記フイラーガイドパイプ19を押圧接触させるために、前記固定板25には、例えば押しねじなどのごとき複数の押圧具27が備えられている。したがって、冷却ブロック7に対するフイラーガイドパイプ19の接触が効果的に行われ、フイラーガイドパイプ19を介してのガイドチップ21の冷却が効果的に行われるものである。
【0016】
なお、前記埋設溝17は、前記冷却ブロック7のみに限ることなく、前記固定板25に設けることも可能である。すなわち、埋設溝17は、冷却ブロック7又は固定板25の一方又は両方に設けることも可能なものである。
【0017】
以上のごとき構成において、レーザ溶接ノズル3からワーク(図示省略)のレーザ溶接部へレーザ光を照射してレーザ溶接を行うとき、フイラーワイヤ案内装置1におけるフイラーガイドパイプ19、ガイドチップ21を介して、レーザ溶接位置へフイラーワイヤ5を供給(送給)することができるものである。この際、フイラーワイヤ案内装置1における冷却ブロック7は、供給パイプ13から供給される冷媒(冷却水)によって冷却されている。
【0018】
したがって、冷却ブロック7における埋設溝17に埋設されたフイラーガイドパイプ19も冷却された状態にあり、このフイラーガイドパイプ19の先端部に備えられたガイドチップ21は、前記フイラーガイドパイプ19を介して冷却された状態にある。よって、レーザ溶接位置から反射されたレーザ光が前記ガイドチップ21に照射された場合、ガイドチップ21の温度上昇を抑制することができ、ガイドチップ21の溶融を抑制することができるものである。なお、長時間の使用によって前記ガイドチップ21が損傷したような場合には、新しいガイドチップ21に着脱交換することができるものである。
【符号の説明】
【0019】
1 フイラーワイヤ案内装置
3 レーザ溶接ノズル
5 フイラーワイヤ
7 冷却ブロック
9 流路
13 供給パイプ
15 排出パイプ
17 埋設溝
19 フイラーガイドパイプ
21 ガイドチップ
25 固定板
図1
図2