特許第5909364号(P5909364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5909364-粉粒体の密度拡散装置 図000002
  • 特許5909364-粉粒体の密度拡散装置 図000003
  • 特許5909364-粉粒体の密度拡散装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909364
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】粉粒体の密度拡散装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/40 20060101AFI20160412BHJP
   B65G 65/44 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
   B65G65/40 B
   B65G65/44 C
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-410(P2012-410)
(22)【出願日】2012年1月5日
(65)【公開番号】特開2013-139321(P2013-139321A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2014年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】508038806
【氏名又は名称】株式会社アイシンナノテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100081570
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰芳
(72)【発明者】
【氏名】月原 信夫
(72)【発明者】
【氏名】高久 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山根 穣
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴將
(72)【発明者】
【氏名】谷岡 研
【審査官】 葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−126440(JP,U)
【文献】 実開昭59−040226(JP,U)
【文献】 実開昭62−181181(JP,U)
【文献】 実開平07−009819(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 11/00−11/20
B65G 65/30−65/48
B65G 69/00−69/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定量を搬送する粉粒体フィーダの排出シュートの下方に配設される粉粒体の受容器である振動フィーダのトラフと、前記排出シュートの間に、少なくとも排出落下される粉粒体を当てる上面を先端方向に向かって徐々に径を小さくした曲面で形成した粉粒体の密度拡散部材を備えている粉粒体の密度拡散装置であって、前記した密度拡散部材は直円錐形もしくは直円錐台形としてあることとし、前記した密度拡散部材のセンターラインは前記受容器のセンターラインを合わせてあることとし、前記した密度拡散部材はその下側となる母線を前記受容器の上面と平行に設置してあることとし、前記した密度拡散部材は左右方向、前後方向、上下方向に位置調整を可能としてあることとし、前記粉粒体フィーダは天秤上に高さ位置調整可能に据えられている粉粒体の密度拡散装置において、前記した天秤を載置する筐体(11)の下面に取付板(12)が備えられ、この取付板(12)の下面にアングル板(13)が取付板(12)とともに筐体(11)の下面に固定され、このアングル板(13)の下方に垂下された部分の前面に前記した密度拡散部材の支持フランジ(16)を一対備えた取付部材が後方からねじによって装着され、かつ、密度拡散部材の底面には支持軸(7a)が一体的に突設され、この支持軸(7a)には取付バー(15)が支持軸(7a)の中心軸線に対して直角方向に設けられ、この取付バー(15)の左右部分が前記支持フランジ(16)に形成された長孔あるいはスリットに嵌められ、上下、前後、左右の位置を選択してねじで締め付け固定されていることを特徴とする粉粒体の密度拡散装置。
【請求項2】
前記した密度拡散部材は外表面にカバーを施してあることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体の密度拡散装置。
【請求項3】
前記した密度拡散部材には振動あるいは回転力が付与されることを特徴とする請求項1または2に記載の粉粒体の密度拡散装置。
【請求項4】
前記した密度拡散部材は直円錐状とし、その下側となる母線はトラフの受面と平行とすることで、密度拡散部材の中心軸線はトラフ方向に向けてやや下向きの斜方向としてあることを特徴とする請求項1から3のうち1項に記載の粉粒体の密度拡散装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉粒体を定量づつ搬送して排出シュートから排出するフィーダの前記排出シュートから排出落下される粉粒体を受ける、例えばトラフやトレイ等の受容器上に、前記した粉粒体の質量を均一にまんべんなく拡げるための粉粒体の密度拡散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉粒体の定量フィーダの排出シュートから落下排出される粉粒体は次工程としての振動フィーダのトラフによって受けられることがある。この場合、粉粒体は排出シュートの上面開口の一次側の開口縁部分から滝のように流れ落ち、トラフ上へ落下するが、その落下を受けた状態は、排出シュートの直下部分では質量が多く密度が高くなってしまい、そこから周域へ広がっていく状態となる。この現象は排出シュートの径が小さくなるほど顕著となる。
【0003】
上記した粉粒体の密度が偏った状態では、後処理が非常に面倒で精巧性が損なわれることとなってしまい、前段階で、粉粒体を精密に定量づつ搬送した意味合いが薄れてしまうことともなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
出願人は本願発明に関し、先行する技術文献を調査したが、格別に本願発明と関連し類似すると思われる文献は発見できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、従来、フィーダで搬送されてきた粉粒体を受容器に落下排出する際、その落下排出された粉粒体が排出シュートの直下部分で密度が高くなり、受容器内にあって均一に拡散することは非常に困難であったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した問題点を解決するために、本発明に係る粉粒体の密度拡散装置は、定量を搬送する粉粒体フィーダの排出シュートの下方に配設される粉粒体の受容器である振動フィーダのトラフと、前記排出シュートの間に、少なくとも排出落下される粉粒体を当てる上面を先端方向に向かって徐々に径を小さくした曲面で形成した粉粒体の密度拡散部材を備えている粉粒体の密度拡散装置であって、前記した密度拡散部材は直円錐形もしくは直円錐台形としてあることとし、前記した密度拡散部材のセンターラインは前記受容器のセンターラインを合わせてあることとし、前記した密度拡散部材はその下側となる母線を前記受容器の上面と平行に設置してあることとし、前記した密度拡散部材は左右方向、前後方向、上下方向に位置調整を可能としてあることとし、前記粉粒体フィーダは天秤上に高さ位置調整可能に据えられている粉粒体の密度拡散装置において、前記した天秤を載置する筐体(11)の下面に取付板(12)が備えられ、この取付板(12)の下面にアングル板(13)が取付板(12)とともに筐体(11)の下面に固定され、このアングル板(13)の下方に垂下された部分の前面に前記した密度拡散部材の支持フランジ(16)を一対備えた取付部材が後方からねじによって装着され、かつ、密度拡散部材の底面には支持軸(7a)が一体的に突設され、この支持軸(7a)には取付バー(15)が支持軸(7a)の中心軸線に対して直角方向に設けられ、この取付バー(15)の左右部分が前記支持フランジ(16)に形成された長孔あるいはスリットに嵌められ、上下、前後、左右の位置を選択してねじで締め付け固定されていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係る粉粒体の密度拡散装置は、前記した密度拡散部材は外表面にカバーを施してあることを特徴とし、前記した密度拡散部材には振動あるいは回転力が付与されることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明に係る粉粒体の密度拡散装置は、前記した密度拡散部材は直円錐状とし、その下側となる母線はトラフの受面と平行とすることで、密度拡散部材の中心軸線はトラフ方向に向けてやや下向きの斜方向としてあることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る粉粒体の密度拡散装置は上記のように構成されている。そのため、排出シュートと受容器の間に備えられた粉粒体の密度拡散部材の上面に粉粒体が排出落下されることで、粉粒体はその密度拡散部材に当たり、受容器にまんべんなく密度を略均一として拡散されることとなる。このため、次工程となる振動フィーダによる搬送等も精巧に実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明を実施した粉粒体の密度拡散装置を備えたフィーダ全体の正面図である。
図2】右側面図である。
図3】平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例1】
【0012】
次に、本発明の好ましい実施の一例を図面を参照して説明する。これらの図にあって1はホッパー2に投入された粉粒体を一定量づつ搬送する定量フィーダを示している。このフィーダ1は最終段階で下方に向けて配設した排出シュート8を備えており、この排出シュート8から下方に配設された振動フィーダ4の受容器としてのトラフ9に目的とする粉粒体を排出する。
【0013】
また、図中10は定量フィーダ1を駆動させるための減速機モータを示し、この定量フィーダ1は中量級天秤3上に高さ位置を調整可能として据えられている。また、6は装置のベースを示し、前記した中量級天秤3は複数本の支柱5、5‥を介して支持されており、振動フィーダ4はその支柱5、5‥間に一部を挿し入れる形態で設置されている。
【0014】
前記した中量級天秤3を載置する筐体11の下面には取付板12が備えられ、この取付板12の下面にアングル板13が蝶ねじ14によって取付板12とともに筐体11の下面に固定されている。このアングル板13は下方に垂下された部分の前面に粉粒体の密度拡散部材7の支持フランジ16を一対備えた取付部材が後方からの蝶ねじ14によって装着されている。
【0015】
本実施例における密度拡散部材7は直円錐状に成形されており、その底面に支持軸7aが一体的に突設されている。この支持軸7aの端部には取付バー15が支持軸7aの中心軸線に対して直角方向に設けられており、この取付バー15の左右部分が、前記した支持フランジ16、16に形成された長孔あるいはスリットに嵌められ上下、前後、左右の位置を選択して取り付けられる。この取り付け位置は支持フランジ16、16の前方側から蝶ねじ14を締め付けることで固定される。
【0016】
この密度拡散部材7の取り付け位置は、トラフ9の搬送方向に沿った中心線を排出シュート8の直下に合わせた場合、そのトラフ9と排出シュート8の間となり、密度拡散部材7の中心軸線はトラフ9の前記した中心線と一致させる。また、直円錐形とした密度拡散部材7の下側となる母線はトラフ9の受面と平行状態とする。即ち、密度拡散部材7の中心軸線はトラフ9方向に向けてやや下向きの斜方向となる。
【0017】
この位置設定は、密度拡散部材7の中心軸線をトラフ9の受面と平行とした場合、その密度拡散部材7の直下位置で、粉粒体の密度が逆に薄くなってしまうためで、前記のように位置設定することでまんべんなく均一な散布状態が得られる。
【0018】
また、前記した密度拡散部材7は直円錐状とした場合、径の大きい部分では粉粒体の拡散度合は大きくなり、小さくなれば拡散度合も小さくなる。さらに、対象となる粉粒体の特性にもよるが、落下してこの密度拡散部材7に衝突した時の跳ね返り現象も生じる。この跳ね返りは密度拡散部材7の素材の硬度にも影響を受ける。従って、この密度拡散部材7の素材、高さ位置、左右、前後の位置関係は前記の取付構造によって調整が可能とされている。
【0019】
さらに、粉粒体の特性によって、密度拡散部材7への付着が生じる場合もあり得るので、かかる場合、表面に付着性、腐蝕性の少ない材料によるカバーを装着することも可能となる。加えて、この密度拡散部材7自体に振動を与えたり、必要に応じて回転を与えたりする構造とすることもでき、さらには、この密度拡散部材7自体をメッシュ材で成形して、振動や回転を付与するようにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本実施例に係る粉粒体の密度拡散装置は上記のように構成されている。ここでは、密度拡散部材7として直円錐状のものを用いているが、これは直円錐台状のものでもよく、さらには粉粒体が当たる上面が条件を満たす曲面であればよい。その材質も、鋼等の硬質のものから、プラスチックやセラミック、合成ゴム等最適のものを採択することができる。また、受容器としても振動フィーダ4のトラフに限らず、一般的なトレイやベルトコンベア等でも対応することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 定量フィーダ
2 ホッパー
3 中量級天秤
4 振動フィーダ
5 支柱
6 ベース
7 密度拡散部材
7a 支持軸
8 排出シュート
9 トラフ
10 駆動モータ
11 筐体
12 取付板
13 アングル板
14 蝶ねじ
15 取付バー
16 支持フランジ
図1
図2
図3