(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回収される前記記録紙の搬送路を前記第1のローラと前記第4のローラとの間、又は、前記第2のローラと前記第4のローラとの間のいずれかに切替えることができる搬送路切替え部材を有するものであることを特徴とする請求項2に記載のプリンタ装置。
前記第1のローラを一方の回転方向に回転させた場合には、前記第2のローラは、前記第1のローラの外周を前記一方の方向に移動し、前記第1のローラを前記一方の回転方向とは逆方向となる他方の方向に回転させた場合には、前記第2のローラは、前記第1のローラの外周を前記他方の方向に移動するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプリンタ装置。
前記第2のローラを所定の位置で回転させることができるように、前記接続アームまたは前記第2のローラの位置を固定するためのロック部が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプリンタ装置。
記録紙に印字をする印字部と、前記印字部において印字がなされた前記記録紙を搬送するプラテンローラと、前記印字がなされた記録紙を切断するカッター部と、前記カッター部から前記記録紙が排出される側に設けられた第1のローラと、前記第1のローラと接しており、前記第1のローラが回転することにより回転する第2のローラと、前記第1のローラと接しており、前記第1のローラが回転することにより回転する第3のローラと、前記第1のローラの中心と前記第2のローラの中心とを接続する接続アームと、前記第2のローラに設けられた記録紙ガイドと、を有するプリンタ装置の制御方法において、
前記印字された記録紙を前記第1のローラを一方の回転方向に回転させることにより、前記第1のローラと前記第2のローラとの間に挟み込む第1の挟み込み工程と、
前記第1のローラを前記一方の回転方向とは逆の他方の回転方向に回転させることにより、前記記録紙が前記第1のローラと前記第2のローラとの間に挟み込まれた状態で、前記第1のローラの外周において、前記第2のローラを前記他方の回転方向に移動させ、前記記録紙ガイドが前記第3のローラに接触する第1の移動工程と、
前記記録紙をカッター部において所定の長さで切断する切断工程と、
前記第1のローラを前記他方の回転方向に回転させることにより、前記第1のローラと前記第2のローラとの間に挟み込まれていた記録紙を前記第1のローラと前記第3のローラとの間に挟み込み、更に、前記記録紙を前記第1のローラと前記第3のローラにより排出される方向に搬送する搬送工程と、
を有することを特徴とするプリンタ装置の制御方法。
前記記録紙を回収する際には、前記第1のローラを前記一方の回転方向に回転させることにより、前記第2のローラを前記他方の回転方向に回転させ、第2のローラに接して回転する第4のローラを前記一方の回転方向に回転させるものであって、前記記録紙は前記第2のローラと前記第4のローラにより回収されることを特徴とする請求項7に記載のプリンタ装置の制御方法。
前記第2の挟み込み工程は、前記第2のローラの位置が固定された状態で、前記第1のローラを前記一方の回転方向に回転させることにより、前記第2のローラを前記他方の回転方向に回転させ、前記第1のローラと前記第3のローラとの間に挟み込まれていた前記記録紙を前記第1のローラと前記第2のローラとの間に挟み込ませることを特徴とする請求項7または8に記載のプリンタ装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】
〔第1の実施の形態〕
(プリンタ装置の構造)
最初に、
図1に基づき、本実施の形態におけるプリンタ装置の構造について説明する。本実施の形態におけるプリンタ装置は、ロール状に巻かれた記録紙10に文字等を印字するサーマルヘッド20と、サーマルヘッド20において印字された記録紙10を所定の長さで切断するカッター部30とを有している。記録紙10は感熱紙等であり、サーマルヘッド20とプラテンローラ21との間に挟み込まれた状態で、サーマルヘッド20により印字がなされる。カッター部30では、固定刃31と可動刃32を有しており、固定刃31に対して可動刃32が可動することにより、印字等のなされた記録紙10を所定の長さで切断することができる。
【0016】
本実施の形態におけるプリンタ装置では、カッター部30の外側には、印字等のなされた記録紙10を排出等するための第1のローラ41、第2のローラ42、第3のローラ43、第4のローラ44が設けられている。第1のローラ41は、不図示の駆動部により回転させることができる。第2のローラ42は、第1のローラ41と接しており、第1のローラ41が回転することにより、第2のローラ42が回転する。また、第3のローラ43は、第1のローラ41と接しており、第1のローラ41が回転することにより、第3のローラ43が回転する。尚、第2のローラ42の中心と第1のローラ41の中心とは、接続アーム51の一方の端と他方の端において各々接続されている。
【0017】
また、第2のローラ42には、記録紙10を円滑に第2のローラ42等に導くことができるように記録紙ガイド61が設けられており、更に、所定の位置において、記録紙10の有無を検出するためのセンサ71及び72が設けられている。
【0018】
本実施の形態におけるプリンタ装置では、第1のローラ41、第2のローラ42、第3のローラ43、第4のローラ44、接続アーム51、記録紙ガイド61、センサ71及び72等により、プレゼンタ及びリトラクタとしての機能をさせることができるものである。
【0019】
(プリンタ装置の動作)
次に、本実施の形態におけるプリンタ装置の動作について説明する。最初に、本実施の形態におけるプリンタ装置において、プレゼンタとしての機能を発揮させることなく、記録紙10を排出させる場合について説明する。この場合には、
図2に示されるように、サーマルヘッド20により印字された記録紙10は、カッター部30を介し、第1のローラ41と第2のローラ42に挟まれた状態で排出される。
【0020】
具体的には、サーマルヘッド20により記録紙10に印字を行う際に、プラテンローラ21が矢印Bに示すように反時計回りに回転し、カッター部30を介し、記録紙10が第1のローラ41等が設けられている側に搬送される。第2のローラ42には記録紙ガイド61が設けられており、記録紙ガイド61に沿って記録紙10が搬送され、第1のローラ41と第2のローラ42との間に記録紙10が入り込む。即ち、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させることにより、第2のローラ42は矢印B2に示すように反時計回りに回転させることができる。これにより、記録紙10を第1のローラ41と第2のローラ42により挟み込むことができ、更には、記録紙10を第1のローラ41と第2のローラ42により排出される方向に搬送させることができる。尚、この際、第3のローラ43は矢印B3に示すように反時計回りに回転している。記録紙10の排出が開始されたか否か、また、記録紙10の排出が終了したか否かについては、センサ72により検出することができる。本実施の形態においては、一方の回転方向を時計回りの回転方向と、他方の回転方向を反時計回りの回転方向と記載する場合がある。尚、一方の回転方向と他方の回転方向とは、相互に逆の回転方向であり、どちらを時計回りの回転方向としてもよい。また、
図2においては、第4のローラ44は省略されているものとする。
【0021】
次に、本実施の形態におけるプリンタ装置において、プレゼンタを機能させて、記録紙10を排出する場合について、
図3〜
図6に基づき説明する。尚、各々の工程において必要のない部材等については、図面において省略されている場合がある。
【0022】
最初に、
図3(a)に示すように、サーマルヘッド20により記録紙10に印字を行う際に、プラテンローラ21が矢印Bに示すように反時計回りに回転し、カッター部30を介し、記録紙10が第1のローラ41等が設けられている側に搬送される。第2のローラ42には記録紙ガイド61が設けられており、記録紙ガイド61に沿って記録紙10が搬送され、第1のローラ41と第2のローラ42との間に、記録紙10が入り込む。即ち、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させることにより、第2のローラ42は矢印B2に示すように反時計回りに回転し、記録紙10を第1のローラ41と第2のローラ42により挟み込むことができる。尚、この際、第2のローラ42は、不図示の第4のローラ44等と接触、または、接続アーム51の位置が、これよりも時計回りに回転しないように形成されており、第2のローラ42は、この位置において回転している。
【0023】
次に、
図3(b)に示すように、第1のローラ41を矢印B1に示すように反時計回りに回転させる。これにより、接続アーム51により第1のローラ41と中心同士が接続されている第2のローラ42は、第1のローラ41との間に記録紙10の先端部分を挟み込んだ状態で、第1のローラ41の外周を反時計回りに移動する。具体的には、第2のローラ42が、第2のローラ42に設けられた記録紙ガイド61が記録紙10を介し、第3のローラ43と接触するまで移動する。
【0024】
次に、
図4(a)に示すように、更に、第1のローラ41を矢印B1に示すように反時計回りに回転させる。第1のローラ41を矢印B1に示すように反時計回りに回転させることにより、第3のローラ43は矢印A3に示すように時計回りに回転するため、記録紙ガイド61を介して接触している記録紙10は、第3のローラ43の回転により、第1のローラ41と第3のローラ43との間に挟み込まれる。この際、第2のローラ42は、これよりも反時計回りに移動することができないため、この位置において、矢印A2に示されるように時計回りで回転する。
【0025】
次に、
図4(b)に示すように、サーマルプリンタ20により記録紙10に印字を続ける。この際、第1のローラ41の回転を停止させると、プラテンローラ21は矢印Bに示すように反時計回りに回転しているため、印字された記録紙10は、カッター部30と第1のローラ41等との間に溜まる。また、第1のローラ41を停止させることなく反時計回りに回転させると、印字された記録紙10は第1のローラ41と第3のローラ43により、排紙される方向に搬送される。
【0026】
次に、
図5(a)に示すように、記録紙10に所定の印字が終了した後、記録紙10をカッター部30においてカットし、記録紙10を抜き取ることができる位置まで、第1のローラ41を矢印B1に示されるように反時計回りに回転させて、記録紙10を搬送する。この状態においては、印字された記録紙10は抜き取ることができる状態にあり、この状態を所定の時間維持するため、第1のローラ41の回転を停止する。この状態において、印字された記録紙10が抜き取られれば、印字及び排出の工程は終了する。一方、所定の時間が経過しても、記録紙10が抜き取られない場合には、記録紙10を回収する動作を行なう。
【0027】
具体的には、
図5(b)に示すように、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させる。この際、接続アーム51はロック部52により所定の位置にロックされた状態となっており、第2のローラ42の位置は固定されるため、第2のローラ42は、この位置において回転する。即ち、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させることにより、第2のローラ42は矢印B2に示すように反時計回りに回転し、第1のローラ41と第3のローラ43との間に挟み込まれている印字された記録紙10は、第1のローラ41と第3のローラ43等により搬送され、第1のローラ41と第2のローラ42との間に挟み込まれる。ロック部52により接続アーム51を所定の位置にロックした状態は、記録紙10が第1のローラ41と第2のローラ42との間に挟み込まれるまで続けられる。この後、ロック部52における接続アーム51のロックを解除することにより、第1のローラ41が矢印A1に示されるよう時計回りに回転しているため、接続アーム51により第1のローラ41と中心同士が接続された第2のローラ42は、第1のローラ41の外周を時計回りに移動する。尚、ロック部52以外にも、同様の機能を有するもの、例えば、第2のローラ42を所定の位置で固定し、固定された位置で回転させることができる機構のものであれば、どのようなものであってもよい。
【0028】
次に、
図6に示すように、更に、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させることにより、第2のローラ42を第4のローラ44と接触する位置まで移動させる。この状態では、第1のローラ41が矢印A1に示すように時計回りに回転しているため、第2のローラ42は矢印B2に示されるように反時計回りに回転している。また、第4のローラ44は第2のローラと接して回転するローラであり、第2のローラ42が矢印B2に示されるように反時計回りに回転することにより、第4のローラ44は矢印A4に示されるように時計回りに回転し、記録紙10は、第2のローラ42と第4のローラ44との間に挟み込まれる。この後、第2のローラ42と第4のローラ44に挟み込まれた記録紙10は、第2のローラ42が矢印B2に示すように反時計回りに回転し、第4のローラ44が矢印A4に示すように反時計回りに回転することにより、リトラクタボックス81に搬送され回収される。
【0029】
尚、本実施の形態におけるプリンタ装置においては、
図7に示すように記録紙10の排出方向を変えることのできる搬送路切替え部材となる記録紙切替えガイド82が設けられているものであってもよい。具体的には、
図7(a)に示すように、記録紙切替えガイド82をカッター部30が設けられている側とは反対側に移動させた状態では、記録紙10を第1のローラ41と第2のローラ42の間及び、第1のローラ41と第4のローラ44との間を介し排出させることができる。また、
図7(b)に示すように、記録紙切替えガイド82をカッター部30が設けられている側に移動させた状態では、記録紙10を第1のローラ41と第2のローラ42の間及び、第2のローラ42と第4のローラ44との間を介し排出させることができる。このように、記録紙切替えガイド82の位置を移動させることにより、回収される記録紙10の排出される方向を選択することができる。
【0030】
本実施の形態におけるプリンタ装置は、第1のローラ41、第2のローラ42、第3のローラ43及び第4のローラ44により、プレゼンタ及びリトラクタとしての機能が発揮されるものであるため、プレゼンタ機能を有するプリンタ装置を小型にすることができる。
【0031】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は第1の実施の形態におけるプリンタ装置の制御方法である。本実施の形態におけるプリンタ装置の制御方法を説明するため、本実施の形態におけるプリンタ装置の構造を
図8に基づき説明する。このプリンタ装置は、記録紙10がカッター部30より入ったか否か等を検出する第1のセンサS1及び第2のセンサS2を有している。尚、第1のセンサS1は反射型センサであり、第2のセンサS2は透過光を検出するセンサであり、第1のセンサS1と第2のセンサS2により、記録紙10の有無や記録紙10の紙質等の状態を知ることができる。また、記録紙10が排出口1より排出されているか否かを検出するための第3のセンサS3、記録紙10が排出口2より排出されているか否かを検出するための第4のセンサS4、記録紙10が排出口3より排出されているか否かを検出するための第5のセンサS5、記録紙10がリトラクトされているか否かを検出するための第6のセンサS6を有している。更に、第1のローラ41と第2のローラ42とを接続する接続アーム51の位置を検出するための第7のセンサS7及び第8のセンサS8を有している。尚、本実施の形態における第4のセンサS4は、第1の実施の形態におけるセンサ71に相当するものであり、本実施の形態における第3のセンサS3は、第1の実施の形態におけるセンサ72に相当するものである。また、このプリンタ装置には、第1のローラ41、第2のローラ42、第3のローラ43、第4のローラ44の他に、第3のローラ43に接して回転する第5のローラ45が設けられている。
【0032】
図9に基づき本実施の形態におけるプリンタ装置の制御方法について説明する。このプリンタ装置の制御方法は、排出口2において、記録紙10のプレゼンタとして機能させる場合の制御方法であり、プレゼンタとして機能させない場合には、第1の実施の形態において示される場合と同様に、
図8に示される排出口1から記録紙10が排出される。
【0033】
最初に、ステップ102(S102)において、接続アーム51が、所定の初期位置にあるか否かが判断される。接続アーム51が所定の初期位置にある場合とは、例えば、
図8に示されるように、第2のローラ42が第1のローラ41よりも下側となるように接続アーム51が位置している場合をいう。接続アーム51が初期位置にあるか否かは、第8のセンサS8により、接続アーム51が検出されているか否かにより判断することができる。第8のセンサS8により接続アーム51が検出され、接続アーム51が初期位置にあるものと判断された場合には、ステップ106に移行する。一方、第8のセンサS8により接続アーム51が検出されず、接続アーム51が初期位置にないものと判断された場合には、ステップ104に移行する。
【0034】
次に、ステップ104(S104)において、接続アーム51を所定の初期位置、即ち、第8のセンサS8により検出される位置に移動させる。具体的には、第1のローラ41を時計回りに回転させることにより、第1のローラ41の外周に接している第2のローラ42を時計回りに移動させ、接続アーム51を所定の初期位置に移動させる。尚、何度か繰り返しても、第8のセンサS8により接続アーム51が検出されない場合には、エラー処理がなされる。
【0035】
次に、ステップ106(S106)において、記録紙10に印字がなされる。この際、プラテンローラ21は反時計回りに回転するため、記録紙10は、カッター部30を介し、プレゼンタとして機能する第1のローラ41等が設けられている側に搬送される。
【0036】
次に、ステップ108(S108)において、記録紙10に所定量の印字を行ないながら搬送し、更に、第1のローラ41を時計回りに回転させる。記録紙10に印字を行なうことにより、プラテンローラ21は反時計回りに回転するため、印字のなされた記録紙10は搬送され、時計回りに回転している第1のローラ41と反時計回りに回転している第2のローラ42との間に記録紙10が挟み込まれる。
【0037】
次に、ステップ110(S110)において、第3のセンサS3により記録紙10の有無が判断される。
図3(a)に示すように、第3のセンサS3により記録紙10が検出された場合には、ステップ112に移行する。一方、第3のセンサS3により記録紙10が検出されなかった場合には、ステップ106に移行する。
【0038】
次に、ステップ112(S112)において、記録紙の頭出しの動作を行なう。即ち、第1のローラ41を反時計回りに回転させることにより、第2のローラ42を第1のローラ41の外周を反時計回りに移動させる。この際、記録紙10は第1のローラ41と第2のローラ42との間に挟まれた状態のまま、第2のローラ42は第1のローラ41の外周を移動する。第2のローラ42は、
図10に示されるように、第1のローラ41の上側に、第2のローラ42が位置している状態となるまで移動し、これに伴い接続アーム51も移動する。尚、この状態における接続アーム51の位置は、第7のセンサS7により検出することができる。この状態において、第1のローラ41を反時計回りに回転させることにより、第3のローラ43は時計回りに回転する。これにより、記録紙10を第1のローラ41と第3のローラ43との間に挟み込ませることができる。この状態においてサーマルヘッド20による記録紙10への印字は続けられている。具体的には、
図3(b)から
図4(a)に示す状態にすることができる。
【0039】
次に、ステップ114(S114)において、第4のセンサS4により記録紙10の有無が判断される。第4のセンサS4により記録紙10が検出された場合には、ステップ116に移行する。一方、第4のセンサS4により記録紙10が検出されなかった場合には、頭出しエラーとなり頭出しエラー処理がなされる。
【0040】
次に、ステップ116(S116)において、サーマルヘッド20による記録紙10への印字を停止し、カッター部30において、記録紙10を所定の長さでカットする。具体的には、
図4(b)に示す状態となった後、所定の長さで記録紙10をカットする。
【0041】
次に、ステップ118(S118)において、記録紙10のプレゼンスを行なう。具体的には、第1のローラ41を反時計回りに回転させることにより、第3のローラ43を時計回りに回転させ、第1のローラ41と第3のローラ43により、印字がなされた記録紙10を排出口2における所定の位置まで搬送する。具体的には、
図5(a)に示す状態にする。
【0042】
次に、ステップ120(S120)において、排出口2における印字がなされた記録紙10が抜き取られたか否かが判断される。記録紙10が抜き取られた場合には、そのまま終了する。一方、記録紙10が抜き取られていない場合には、ステップ122に移行する。記録紙10が抜き取られたか否かについては、第4のセンサS4において記録紙10が検出されたか否かにより判断することができる。
【0043】
次に、ステップ122(S122)において、所定の時間が経過したか否かが判断される。所定の時間が経過したものと判断された場合には、ステップ124に移行する。一方、所定の時間が経過していないものと判断された場合には、ステップ120に移行する。
【0044】
次に、ステップ124(S124)において、記録紙10の回収設定がなされているか否かが判断される。具体的には、最初の設定時において、所定の時間内に記録紙10が抜き取られていない場合には、印字された記録紙10を回収する旨のフラグが立てられているか否かが判断される。印字された記録紙10を回収する旨のフラグが立てられている場合には、記録紙10の回収設定がなされているものと判断されステップ128に移行する。一方、印字された記録紙10を回収する旨のフラグが立てられていない場合には、記録紙10の回収設定がなされていないものと判断されステップ126に移行する。
【0045】
次に、ステップ126(S126)において、記録紙10の排出設定がなされているか否かが判断される。具体的には、最初の設定時において、所定の時間内に記録紙10が抜き取られていない場合には、印字された記録紙10を排出する旨のフラグが立てられているか否かが判断される。印字された記録紙10を排出する旨のフラグが立てられている場合には、記録紙10の排出設定がなされているものと判断され印字されている記録紙10が排出される排出処理がなされる。一方、印字された記録紙10を排出する旨のフラグが立てられていない場合には、記録紙10の排出設定がなされていないものと判断され抜取りエラーとなり、表示等がなされる。
【0046】
次に、ステップ128(S128)において、接続アーム51をロックさせた状態で、第1のローラ41を時計回りに回転させる。このように接続アーム51をロックさせた状態で、第1のローラ41を時計回りに回転させることにより、第2のローラ42は反時計方向に回転し、第1のローラ41と第3のローラ43との間に挟み込まれていた記録紙10を第1のローラ41と第2のローラ42との間に、挟み込ませることができる。具体的には、
図5(b)に示す状態にすることができる。このようにロック部52等により接続アーム51がロックされている状態は、第1のローラ41と第3のローラ43との間に挟み込まれていた記録紙10が、第1のローラ41と第2のローラ42との間に挟み込まれるまで保たれる。
【0047】
次に、ステップ130(S130)において、接続アーム51のロックを解除する。これにより、接続アーム51は動くことができる状態となり、第2のローラ42も第1のローラ41の外周を動くことができる状態となる。
【0048】
次に、ステップ132(S132)において、接続アーム51を所定の位置に移動させる動作を行なう。即ち、第1のローラ41を時計回りに回転させることにより、第1のローラ41の外周において、第2のローラ42を時計回りに移動させる。この際、記録紙10は第1のローラ41と第2のローラ42との間に挟まれた状態のまま、第2のローラ42は第1のローラ41の外周を時計回りに移動する。これにより、第2のローラ42を所定の初期位置に移動させることができる。尚、移動した後の接続アーム51の位置は、第8のセンサS8により検出することができる。具体的には、
図6に示す状態となる。この際、第2のローラ42は第4のローラ44と接触している。
【0049】
次に、ステップ134(S134)において、リトラクタ検出、即ち、第6のセンサS6において記録紙10が検出されたか否かが判断される。第6のセンサS6により記録紙10が検出された場合には、リトラクト動作が可能な状態となるため、ステップ136に移行する。一方、第6のセンサS6により記録紙10が検出されていない場合には、回収エラーとなり表示等がなされる。
【0050】
次に、ステップ136(S136)において、リトラクトがなされる。即ち、第1のローラ41が時計回りに回転し、これにより第2のローラ42が反時計回りに回転し、第4のローラ44が時計回りに回転することにより、印字がなされた記録紙10は、第2のローラ42と第4のローラ44との間に挟まれ、この後、記録紙10は、第1のローラ41と第2のローラ42との間から、第2のローラ42と第4のローラ44を経て、リトラクタボックス81に搬送される。
【0051】
次に、ステップ138(S138)において、リトラクト動作が終了したか否かが判断される。具体的には、第6のセンサS6により記録紙10が検出された場合には、回収エラーとなり表示等がなされる。一方、第6のセンサS6により記録紙10が検出されない場合には、リトラクト動作は正常に終了したものと判断され、本実施の形態におけるプリンタ装置の制御方法は終了する。
【0052】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態と同様のプリンタ装置であって、裏面にノリ等の粘着物が付着しているラベルに印字を行なうものである。このようなラベルは、裏面にノリ等の粘着物が付着しているため、ライナー等に貼り付けられた状態で印字がなされる。尚、本実施の形態におけるプリンタ装置は、通常の記録紙に印字する場合とラベルに印字する場合とを、プリンタ装置に設けられたスイッチ等により切換えることが可能である。また、本実施の形態におけるプリンタ装置は、第3のローラ43に接して回転する補助ローラ143が設けられている。
【0053】
図11〜
図14に基づき、本実施の形態におけるプリンタ装置において、印字がなされたラベル110を排出する場合について説明する。尚、ラベル110は、初期の状態においては、ライナー111に貼り付けられている。
【0054】
最初に、
図11(a)に示すように、サーマルヘッド20によりライナー111に貼られているラベル110に印字を行う。この際、プラテンローラ21は矢印Bに示すように反時計回りに回転し、ラベル110の貼られたライナー111は、カッター部30を介し、第1のローラ41等が設けられている側に搬送される。第2のローラ42には記録紙ガイド61が設けられており、記録紙ガイド61に沿ってラベル110の貼られたライナー111が搬送され、第1のローラ41と第2のローラ42との間に、ラベル110の貼られたライナー111が入り込む。即ち、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させることにより、第2のローラ42は矢印B2に示すように反時計回りに回転し、ラベル110の貼られたライナー111の先端部分を第1のローラ41と第2のローラ42により挟み込むことができる。尚、この際、第2のローラ42は、不図示の第4のローラ44等と接触、または、接続アーム51の位置が、これよりも時計回りに回転しないように形成されており、第2のローラ42は、この位置において回転している。
【0055】
次に、
図11(b)に示すように、第1のローラ41を矢印B1に示すように反時計回りに回転させる。これにより、接続アーム51により第1のローラ41と中心同士が接続されている第2のローラ42は、第1のローラ41との間にラベル110の貼られたライナー111の先端部分を挟み込んだ状態で、第1のローラ41の外周を反時計回りに移動する。具体的には、第2のローラ42は、用紙ガイド61と第3のローラ43とが接触しない状態となるように、第3のローラ43の近傍まで移動する。
【0056】
次に、
図12(a)に示すように、接続アーム51をロック部52により固定し、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させる。第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させることにより、第2のローラ42は矢印B2に示すように反時計回りに回転し、第3のローラ43は矢印B3に示すように反時計回りに回転する。この際、用紙ガイド61により、印字されているラベル110はライナー111から剥がされ、ラベル110は第3のローラ43と補助ローラ143との間に挟み込まれた状態となる。一方、ライナー111は、用紙ガイド61を介し、第2のローラ42と第3のローラ43との間を通った後、第1のローラ41と第2のローラ42との間に挟み込まれる。この後、ラベル110の貼られたライナー111は、所定の長さでカッター部30において切断される。尚、補助ローラ143は、第3のローラ43の回転方向とは逆方向に回転するものであり、この場合には、時計回りに回転する。
【0057】
次に、
図12(b)に示すように、更に、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させることにより、ラベル110をライナー111より剥がしながら、第3のローラ43と補助ローラ143によりラベル110を搬送し、第1のローラ41と第2のローラ42によりライナー111を搬送する。
【0058】
次に、
図13(a)に示すように、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させた状態で、ロック部52における接続アーム51のロックを解除する。これにより、第2のローラ42は第1のローラ41の外周を時計回りに移動する。この際、ライナー111よりラベル110を剥がしながら移動する。尚、ライナー111から剥がされたラベル110は、第3のローラ43と補助ローラ143により、ラベル110が排出される方向に搬送される。
【0059】
次に、
図13(b)に示すように、更に、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させて、第2のローラ42と第4のローラ44とを接触させる。これにより、ライナー111は第2のローラ42と第4のローラ44との間に挟まれる。この状態において、更に、第1のローラ41を矢印A1に示すように時計回りに回転させることにより、第2のローラ42は矢印B2に示すように反時計回りに回転し、第2のローラ42と接して回転する第4のローラ44は矢印A4に示すように時計回りに回転する。このようにしてライナー111は、第2のローラ42と第4のローラ44により、搬送され排出される。
【0060】
この後、再び、
図14に示すように、次のラベル110にサーマルヘッド20により印字がなされ、次のラベル110が貼られたライナー111は、プラテンローラ21が矢印Bに示すように反時計方向に回転することにより、カッター部30を介して、第1のローラ41等が設けられている側に搬送される。この後、上述した場合と同様に、ラベル110が貼られたライナー111は第1のローラ41と第2のローラ42との間に挟み込まれ、上述した動作と同様の動作が繰り返される。
【0061】
本実施の形態では、第1のローラ41、第2のローラ42、第3のローラ43、第4のローラ44及び補助ローラ143により、ライナー111より印字等のなされたラベル110を剥がして供給することができるため、ラベル110に印字することのできるプリンタ装置を小型化することができる。
【0062】
また、第1の実施の形態と組み合わせた場合には、通常の記録紙10は、第1のローラ41と第3のローラ43との間より排出され、ラベル110は、第3のローラ43と補助ローラ143との間より排出される。よって、記録紙10とラベル110とを異なる位置から排出することができる。
【0063】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0064】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は第3の実施の形態におけるプリンタ装置の制御方法である。本実施の形態におけるプリンタ装置の制御方法を説明するためのプリンタ装置の構造は、第2の実施の形態において、
図8で説明したものと同様の構造のものである。尚、本実施の形態において、第5のローラ45は、第3の実施の形態における補助ローラ143と同様の機能を有するものである。
【0065】
図15に基づき本実施の形態におけるプリンタ装置の制御方法について説明する。
【0066】
最初に、ステップ202(S202)において、接続アーム51が、所定の初期位置にあるか否かが判断される。接続アーム51が所定の初期位置にある場合とは、例えば、
図8に示されるように、第2のローラ42が第1のローラ41よりも下側となるように接続アーム51が位置している場合をいう。接続アーム51が初期位置にあるか否かは、第8のセンサS8により、接続アーム51が検出されているか否かにより判断することができる。第8のセンサS8により接続アーム51が検出され、接続アーム51が初期位置にあるものと判断された場合には、ステップ206に移行する。一方、第8のセンサS8により接続アーム51が検出されず、接続アーム51が初期位置にないものと判断された場合には、ステップ204に移行する。
【0067】
次に、ステップ204(S204)において、接続アーム51を所定の初期位置、即ち、第8のセンサS8により検出される位置に移動させる。具体的には、第1のローラ41を時計回りに回転させることにより、第1のローラ41の外周に接している第2のローラ42を時計回りに移動させ、接続アーム51を所定の初期位置に移動させる。尚、何度か繰り返しても、第8のセンサS8により接続アーム51が検出されない場合には、エラー処理がなされる。
【0068】
次に、ステップ206(S206)において、ラベル検出処理がなされる。具体的には、ライナー111に貼り付けられたラベル110は、ライナー111の部分とラベル110の部分とで光の反射率や透過率が異なる。よって、第1のセンサS1及び第2のセンサS2により、ライナー111の位置及びライナー111においてラベル110の貼られている位置等を検出することができる。
【0069】
次に、ステップ208(S208)において、ラベル110に印字がなされる。この際、プラテンローラ21が反時計回りに回転するため、ラベル110が貼られているライナー111は、カッター部30を介し、第1のローラ41等が設けられている方向に搬送される。
【0070】
次に、ステップ210(S210)において、更に、ラベル110に印字を行ないながらライナー111を搬送し、第1のローラ41を時計回りに回転させる。即ち、ラベル110に印字を行なうことにより、プラテンローラ21は反時計回りに回転するため、印字のなされたラベル110の貼られているライナー111は搬送され、時計回りに回転している第1のローラ41と反時計回りに回転している第2のローラ42との間にライナー111が挟み込まれる。具体的には、
図11(a)に示す状態にする。
【0071】
次に、ステップ212(S212)において、ラベル110の頭出しの動作を行なう。即ち、第1のローラ41を反時計回りに回転させることにより、第2のローラ42を第1のローラ41の外周を反時計回りに移動させる。この際、ライナー111は第1のローラ41と第2のローラ42との間に挟まれた状態のまま、第2のローラ42は第1のローラ41の外周を移動する。第2のローラ42は、
図10に示されるように、第1のローラ41の上に、第2のローラ42が位置している状態まで移動し、これに伴い接続アーム51も移動する。よって、この状態における接続アーム51の位置は、第7のセンサS7により検出することができる。具体的には、
図11(b)に示す状態にする。この状態において、第1のローラ41を反時計回りに回転させることにより、第3のローラ43は時計回りに回転するため、ライナー111を第1のローラ41と第3のローラ43との間に挟み込むことができる。
【0072】
次に、ステップ214(S214)において、ロック部52により接続アーム51を固定し、第1のローラ41を時計回りに回転させる。これにより、第2のローラ42は反時計回りに回転し、第3のローラ43は反時計回りに回転する。また、第3のローラ43と接している第5のローラ45は時計回りに回転する。これにより、ラベル110はライナー111より剥がされ、ラベル110は第3のローラ43と第5のローラ45により排出口3に向けて搬送される。尚、ライナー111は、第1のローラ41と第2のローラ42との間に挟まれており、この状態で第1のローラ41と第2のローラ42により搬送される。具体的には、
図12(a)〜
図12(b)に示す状態となる。尚、ライナー111は所定の長さで、カッター部30において切断されるものとする。
【0073】
次に、ステップ216(S216)において、ライナー111が排出される。具体的には、第1のローラ41を時計回りに回転させた状態で、ロック部52による接続アーム51の固定を解除する。これにより、第2のローラ42は第1のローラ41の外周を時計回りに移動し、
図8に示される所定の初期位置まで移動する。この後、更に、第1のローラ41を時計回りに回転させることにより、ライナー111は、第1のローラ41と第2のローラ42により排出される。具体的には、
図13(a)〜
図13(b)に示す状態となる。
【0074】
以上により、本実施の形態におけるプリンタ装置におけるラベルの印字等の処理は終了する。尚、上記以外の内容については、第2の実施の形態と同様である。
【0075】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。また、上述した実施の形態におけるプリンタ装置は、図面に示されている構造のものを上下反対にしたものであってもよく、更には、第1のローラ41等のローラについて回転方向を逆にしたもの、即ち、時計回りを反時計回りに、反時計回りを時計回りにした構造のものであってもよい。