特許第5909432号(P5909432)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909432
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/04 20060101AFI20160412BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20160412BHJP
   F24C 1/00 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
   F24C7/04 301Z
   F24C7/02 360A
   F24C7/02 355D
   F24C1/00 370U
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-229409(P2012-229409)
(22)【出願日】2012年10月17日
(65)【公開番号】特開2014-81151(P2014-81151A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅博
(72)【発明者】
【氏名】内田 民也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 功記
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−055853(JP,A)
【文献】 特開昭63−225492(JP,A)
【文献】 特開平02−217721(JP,A)
【文献】 特開平04−295237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/04
F24C 1/00
F24C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を入れる加熱室と、
該加熱室に前記被調理物を出し入れするために開閉するドアと、
該ドアの開閉を検出して接点間を開閉するドアスイッチと、
前記加熱室に入れた前記被調理物を加熱する複数の加熱源と、
調理内容を表示する操作表示部と、
前記加熱源の加熱を開始する時に入力するスタートキーと、
該スタートキーの入力によって特定の出力を保持するラッチ回路を設けた安全保護回路と、
前記ドアスイッチの開成信号から前記ラッチ回路の出力の保持を解除する信号を前記安全保護回路に出力するドアスイッチ回路と、
前記スタートキーが入力された後に前記ラッチ回路の出力の保持状態を検出して前記加熱源を制御するマイコンと、
停電時に前記安全保護回路に電源を供給するコンデンサと、
前記マイコンに電源を供給する電池と、
を備え
前記ラッチ回路のラッチ状態が解除された場合、前記マイコンは前記ラッチ回路のラッチ状態が解除されたことを認識し、前記停電から商用電源が復帰した後に調理の予約の解除、もしくは調理の中止を行ない、前記操作表示部に調理の予約の解除、もしくは調理の中止を表示する
ことを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電時のバックアップ回路を備えた加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、特許文献1に示すように、バックアップ用に電池とバックアップ用の前記電池に回路を切替える時のタイムラグを考慮したバックアップコンデンサを設けた加熱調理器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−96518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バックアップ中に多くの機能を動作すると搭載した電池の寿命が短くなる課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、被調理物を入れる加熱室と、該加熱室に前記被調理物を出し入れするために開閉するドアと、該ドアの開閉を検出して接点間を開閉するドアスイッチと、前記加熱室に入れた前記被調理物を加熱する複数の加熱源と、調理内容を表示する操作表示部と、前記加熱源の加熱を開始する時に入力するスタートキーと、該スタートキーの入力によって特定の出力を保持するラッチ回路を設けた安全保護回路と、前記ドアスイッチの開成信号から前記ラッチ回路の出力の保持を解除する信号を前記安全保護回路に出力するドアスイッチ回路と、前記スタートキーが入力された後に前記ラッチ回路の出力の保持状態を検出して前記加熱源を制御するマイコンと、停電時に前記安全保護回路に電源を供給するコンデンサと、前記マイコンに電源を供給する電池と、を備え、前記ラッチ回路のラッチ状態が解除された場合、前記マイコンは前記ラッチ回路のラッチ状態が解除されたことを認識し、前記停電から商用電源が復帰した後に調理の予約の解除、もしくは調理の中止を行ない、前記操作表示部に調理の予約の解除、もしくは調理の中止を表示するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、バックアップ用の電池の寿命を長期間維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施例の加熱調理器の斜視図。
図2】同加熱調理器の側面図。
図3】同加熱調理器のパン容器を加熱室に設置した加熱調理器の斜視図。
図4図3のCC断面図。
図5】一実施例の加熱調理器の制御回路構成を示すブロック図。
図6】同加熱調理器の回路構成(ドアを開いた状態)を説明する説明図。
図7】同加熱調理器の電源バックアップ手段の回路構成を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1図7を参照して、本発明の実施例を説明する。
【0009】
図1図5に示すように、本実施例の加熱調理器は、加熱調理する食品等を収容する加熱室2と、加熱室2の前方に設けられた前記食品を出し入れする開閉自在なドア3と、加熱室2の底面には前記食品を載置する回転しないテーブル4とを備えている。また、テーブル4を支える重量センサー5a、5b、5cを備えており、この重量センサー5a、5b、5cで前記食品の重量に検出し、後述する制御手段9によって前記食品の重量に応じた調理時間を決定することができる。
【0010】
加熱室2には温度センサー40や赤外線センサー(図示せず)などの温度センサーが設けられており、この温度センサーが検出する温度に応じて調理出力、調理時間等を決定することもできる。
【0011】
また、ドア3の中央部には窓部23を備えており、調理中の加熱室2内を覗き見ることができる。さらにドア3の下側には操作表示部6が設けられている。25は加熱調理器の両側面と上面を覆うカバーである。605、606はドアスイッチで、ドア3の開閉に伴って接点の開閉が動作するものである。
【0012】
そして、本実施例の加熱調理器は、電子レンジ調理、グリル調理、オーブン調理、スチーム調理の4種類の加熱源を備え、調理方法に応じて単独もしくは組み合わせて行うことにより多様な調理を行うことができる。さらには、ベーカリー用のパン容器50を加熱室2に設置し、ベーカリー機能にて粉を捏ねて発酵から焼成することもできる。調理方法は特にこれらに限定されることはなく、例えば過熱水蒸気による調理等の調理方法を含めても良い。
【0013】
電子レンジ調理は、図2に示すように加熱源であるマイクロ波を発振するマグネトロン7と、マグネトロン7から発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源8と、マグネトロン7から発振したマイクロ波を加熱室2に導く導波管10と、加熱室2にマイクロ波を攪拌しながら照射する回転アンテナ11と、回転アンテナ11を回転させるアンテナモータ12とを備えて、回転アンテナ11を回転させてマイクロ波が一部に集中するのを防ぎ、後述する制御手段9によってインバータ電源8を制御して調理を行う。
【0014】
次に、グリル調理は、加熱室2の上壁面の外側に電熱ヒータ14を備え、後述する制御手段9によって電熱ヒータ14は制御される。
【0015】
次に、オーブン調理について説明する。オーブン調理は、加熱室2の背面壁に電熱ヒータ17とモータ18で回転する熱風ファン16を有した熱風ユニット15を備え、加熱室2と熱風ユニット15との間で電熱ヒータ17によって加熱した空気を循環して加熱室2を加熱するもので、後述する制御手段9によって電熱ヒータ17とモータ18を制御して調理を行う。
【0016】
次に、スチーム調理について説明する。スチーム調理は、テーブル4に載置した食品にスチームを与えて加熱する調理方法である。スチーム調理を行うためには、加熱室2の下に水を供給する給水手段19を備え、加熱室側面2cに給水手段19から供給された水を加熱してスチームを発生させる蒸気発生手段20を備えている。この給水手段19と蒸気発生手段20は制御手段9により制御され、蒸気発生手段20のスチームを出す噴出口7aを加熱室2に出して加熱室2にスチームを供給している。
【0017】
次に、ドア3の下側に設けられた操作表示部6について説明する。操作表示部6は、手動調理の調理方法を表示するLCD表示器604と、調理出力設定や調理温度設定や調理時間設定や調理仕上り設定やオーブン調理の予熱の有無設定等を選択するキーと、押して調理動作を開始するスタートキー602と調理動作を停止する取消しキー601を設けている。LCD表示器604には、調理に必要な食材や調味料などの使用量を表示し、使用者は表示内容に従い調理準備を行なう。なお、オート調理メニューとは重量センサー5a、5b、5cや温度センサー40の検知入力とマイコン21の制御により自動的に調理するもので、調理方法や加熱時間や温度、分量等を設定する必要が無いものである。
【0018】
次に図2図5によりベーカリー機能の動作について説明する。加熱室2の下部には攪拌モータ54に繋がる減速手段55を備え、加熱室底面2aに駆動連結部52を備えている。パン容器50は、加熱室底面2aに設置する装着ガイド56を介して駆動連結部52と連結して設置する。パン容器50内に材料のパンの粉等と適した水を予め入れておく。パン材料を発酵させるイースト菌はパン容器50の上部に設けた具材容器94に設けられたイースト投入手段95に入れて、パン作りの工程の中で材料に混ぜられる。
【0019】
操作表示部6からベーカリー機能のパン類から選択し、スタートキー602を操作することで、攪拌モータ54やオーブン調理で使用する熱風ユニット15で調理する。また、温度を保つために電熱ヒータ14や乾燥を防ぐためにスチーム機能を使用することもある。
【0020】
次に、図5図6を用いて概略的な回路構成を説明する。100は商用電源で、制御装置用電源回路101で必要とする直流電圧に整流降圧回路101dを用いて制御手段9(マイコン21など)に電源を供給するものである。供給する電源の種類は、マイコン21に供給される電源101aと安全保護回路106に供給される電源101bとその他(LED表示器24など)に供給される電源101cの三種類である。
【0021】
電源バックアップ手段607は、制御装置用電源回路101に組み込まれ、停電時に商用電源100に変わって電源を供給するものである。停電時に商用電源100に変わって供給する電源は、マイコン21に供給される電源101aと安全保護回路106に供給される電源101bの二種類を保護している。そして、それぞれの電源は、電源101a用として電池201、電源101b用としてコンデンサから成る大容量コンデンサ200を備えている。また、電源101cには電力の供給を切断できる切断回路101eを設け、バックアップ時に動作の必要としない回路や商用電源100が復旧した後にマイコン21の動作によって停電前の状態に回復できる回路への電力を切断して無駄な電力を消費しないようにしている。この切断は商用電源100からの供給が途絶えたことをマイコン21が検出(検出方法は図示なし)することで信号21aによって切断回路101eを切断動作する。
【0022】
ドアスイッチ605とドアスイッチ606について説明する。ドアスイッチ605は、ドア3が開いている時に負荷である電熱ヒータ14、17とインバータ電源8に電力の供給を停止するものである。構成はドア3が開いている時は、コモン端子605cは接点605b側に接続される。ドア3が閉じた時は、コモン端子605cは接点605a側に接続されて電熱ヒータ14、17とインバータ電源8に電力の供給できる回路が接続される。
【0023】
ドアスイッチ606は、ドア3の開閉状態をドアスイッチ回路109よりマイコン21に信号109aによって知らせものである。また、ドア3が開いている時に後述するメインリレー回路107の開閉手段107aがON動作しないようにドア3の開閉状態をドアスイッチ回路109から出力するもので、ドアスイッチ606がドア3の閉じているのを検出している間、メインリレー回路107への出力109bがON要求を行なう。さらに、ドア3が開いている時にはドアスイッチ回路109より後述する安全保護回路106に設けられているラッチ回路106cのラッチ状態が保持できない信号109cを出力する。ドアスイッチ606の接点は、ドア3が開いた時は接点606cと接点606aとは開放し、ドア3が閉じたときは接点606cと接点606aとは接続される。
【0024】
次に、スタートキー602と取消しキー601について説明する。スタートキー602は、調理を開始するための入力キーで、入力すると信号602bによってマイコン21は調理開始のためのプログラムを開始する。また、同時に信号602aによって後述する安全保護回路106へも信号が入力される。
【0025】
取消しキー601は、調理を停止するための入力キーで、入力すると信号602bによってマイコン21は調理停止のためのプログラムを開始する。
【0026】
モータ駆動回路108は、負荷となるモータ300(アンテナモータ12、モータ18と攪拌モータ54)への電力の供給をON/OFFする開閉手段108aを設けた回路で、必要に応じてマイコン21からの信号21cによって開閉手段108aをON/OFF動作し、必要に応じて負荷の数に応じて開閉手段108aを備える。
【0027】
負荷駆動回路105は、負荷となるインバータ電源8や電熱ヒータ301(電熱ヒータ14、17)への電力の供給をON/OFFする開閉手段105aを設けた回路で、調理中は必要に応じてマイコン21からの信号21dによって開閉手段105a、105bをON/OFF動作する。但し、開閉手段105a、105bをONできる条件は、後述する安全保護回路106からの出力106aがON要求の状態で、マイコン21からの信号21dがONの要求が出された時のみ可能で、どちらか一方の出力要求ではON動作しないようになっている。
【0028】
メインリレー回路107は、負荷となるインバータ電源8や電熱ヒータ301(電熱ヒータ14、17)への電力の供給をON/OFFする開閉手段107aを設けた回路で、調理開始時にマイコン21からの信号21fによって開閉手段107aをONし、調理終了時や調理中止時にマイコン21からの信号21fによって開閉手段107aをOFFする。但し、開閉手段107aをONできる条件は、ドアスイッチ606がドア3の閉じているのを検出し出力109aがON要求の状態で、マイコン21からの信号21fがONの要求が出された時のみ可能で、どちらか一方の出力要求ではON動作しないようになっている。
【0029】
安全保護回路106は、ドア3が閉じられ調理開始条件が整ったことをマイコン21が認識すると、マイコン21から信号21bにより安全保護回路106の設けている後述するラッチ回路106cをラッチ可能な状態とする。ドア3が開いている時や調理開始条件が整っていない時は、このラッチ回路106cをラッチ不可状態としている。ラッチ回路106cは、前記ラッチ状態の可能な時に、スタートキー602の入力キーが入力されて送られてくる信号602aによって負荷駆動回路105にON要求の出力106bを出した状態で保持される。そして、ON要求の出力106bを出した状態で保持されると信号106aをマイコン21に出力して、マイコン21が負荷駆動回路105にON要求の出力106bが出たことを確認できる。また、信号106aによってラッチ状態が解除されたことをマイコン21は知ることができる。
【0030】
前記ラッチ状態を解除するのには、例えば取消しキー601の入力によるマイコン21からの信号21bによ解除と、ドア3が開放されてドアスイッチ606の接点が開放したとき解除可能で、一度解除されるとマイコン21の信号のみではラッチ回路106cをラッチ状態にすることは不可能となり、必ずスタートキー602の入力が必要になる。そのため、停電によりラッチ回路106cに供給されていた電力が切断されると、マイコン21からの信号21bにより解除されたのと同様にラッチ状態が解除され、その後電力が復旧しても必ずスタートキー602の入力が必要になる。そのため、電源のバックアップはマイコン21とこの安全保護回路106の両方に必要となる。
【0031】
また、ラッチ回路106cはコンデンサの充電されている状態で保持となり、ラッチ状態の解除はこのコンデンサに充電されている電荷を放電することで解除される。そのため、ラッチ状態を保持するのに電源101bからの電力の供給は極少ない。また、充電してラッチ状態を保持する時は商用電源100からの電力が供給されている時に限られる。
【0032】
マイコン21から出力される信号21gは、インバータ電源8の出力を変更してマグネトロン7の高周波出力を変更するものである。
【0033】
また、マイコン21が商用電源100の停電を検出したときは、商用電源100の復帰検出と内部タイマーの動作のみを継続して、マイコン21への全ての入力、マイコン21からの全ての出力を停止して、マイコン21の電源をバックアップしている電池201の消費を抑えて寿命を延ばしている。
【0034】
本実施例の加熱調理器において、商用電源100が停電した場合の電源の供給について説明する。
【0035】
商用電源100が通常に電源を供給するときには、商用電源100から制御装置用電源回路101を介して大容量コンデンサ200に定量の電力が蓄えられている。そして、電源101aと電源101bに電力が供給され、マイコン21も商用電源100から電源が供給されていることを確認すると信号21aによって切断回路101eを接続動作して電源101cの供給を行なう。そのため、大容量コンデンサ200と電池201からの電力消費は無い。
【0036】
次に本実施例によれば、ベーカリー調理を行い朝に焼きたてを食べるために前夜に予約を完了し、明けがたベーカリー調理が動作する間の予約待機中で停電が発生した場合について説明する。
【0037】
予約前の準備として、パン容器50にパンの材料である強力粉と水などの被調理物57を入れてイースト菌をイースト投入手段95に入れて、加熱室2の中に設置してドア3を閉める。
【0038】
操作表示部6で調理するパンのメニューを設定し、予約調理完了時刻を設定する。例えば朝6時に焼き上がるように設定してスタートキー602を入力することで予約待機中となる。
【0039】
この時点では、マイコン21に供給される電源101aと安全保護回路106に供給される電源101bとその他(LED表示器24など)に供給される電源101cは商用電源100から供給される電力によって供給されている。
【0040】
また、安全保護回路106のラッチ回路106cもラッチが保持され負荷駆動回路105にON要求の出力106bを出した状態である。
【0041】
そして、停電が発生することが無ければ、予約調理完了時刻にパンが焼き上がる。
【0042】
また、調理を開始する以前の予約待機中(夜中から早朝)に商用電源100が数分間の停電が起きた場合にも、電源バックアップ手段607によってマイコン21と安全保護回路106への電力の供給が継続されるため、負荷駆動回路105にON要求の出力106bを出し続けることが可能となり、商用電源100が復旧した後も予約待機を継続して、予約調理完了時刻にパンが焼き上げることができる。
【0043】
また、商用電源100の停電が想定時間より長くなった場合は、大容量コンデンサ200に貯えられた電力も長く消費するため安全保護回路106に電力を供給している電源101bの電圧が低下して、ラッチ回路106cのラッチ状態が解除され、負荷駆動回路105へ出力しているON要求の出力106bがOFFする。マイコン21は電池201によって電力を供給されているので長時間(例えば年単位)の停電でも停電前の状態を記憶し、停電が復帰した後には停電前の状態を継続できる。
【0044】
しかし、停電が長時間に及ぶ場合は、例えば調理開始直前は予約調理完了時刻にパンが焼き上がらない課題や、調理中の場合は停電が復帰して継続して調理してもパンが希望通りの美味しいパンが焼けない課題がある。
【0045】
そのため、大容量コンデンサ200に貯えられる電力は前記課題が問題にならない程度にラッチ回路106cのラッチ状態を保持ができるようにしている。
【0046】
そして、もしラッチ回路106cのラッチ状態が解除された場合は、信号106aの情報によりマイコン21はラッチ回路106cのラッチ状態が解除されたことを知り、商用電源100が復帰した後に予約の解除、もしくは調理の中止を行ない、操作表示部6のLCD表示器604には予約の解除、もしくは調理の中止を表示して、使用者に長時間の停電があったことを知らせる。
【0047】
また、停電中にドア3が開けられるとラッチ回路106cのラッチ状態を解除される。そして前記同様にマイコン21は、商用電源100が復帰した後に予約の解除、もしくは調理の中止を行ない、操作表示部6のLCD表示器604には予約の解除、もしくは調理の中止を表示して、使用者に知らせる。これは、停電中にドア3が開けられ、加熱室2から被調理物57が取り出されている可能性があり、被調理物57が無い状態で動作すると事を防止するためである。
【0048】
上記した本実施例によれば、バックアップ用の電池の寿命を長期間維持できる。
【符号の説明】
【0049】
2 加熱室
3 ドア
6 操作表示部
9 制御手段
21 マイコン
57 被調理物
100 商用電源
106 安全保護回路
106c ラッチ回路
109 ドアスイッチ回路
200 大容量コンデンサ
201 電池
602 スタートキー
605、606 ドアスイッチ
607 電源バックアップ手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7