特許第5909434号(P5909434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本ヴィクトリック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5909434-伸縮継手 図000002
  • 特許5909434-伸縮継手 図000003
  • 特許5909434-伸縮継手 図000004
  • 特許5909434-伸縮継手 図000005
  • 特許5909434-伸縮継手 図000006
  • 特許5909434-伸縮継手 図000007
  • 特許5909434-伸縮継手 図000008
  • 特許5909434-伸縮継手 図000009
  • 特許5909434-伸縮継手 図000010
  • 特許5909434-伸縮継手 図000011
  • 特許5909434-伸縮継手 図000012
  • 特許5909434-伸縮継手 図000013
  • 特許5909434-伸縮継手 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909434
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】伸縮継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 27/12 20060101AFI20160412BHJP
   F16B 7/18 20060101ALI20160412BHJP
   F16B 31/04 20060101ALI20160412BHJP
   F16B 31/02 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
   F16L27/12 E
   F16B7/18 B
   F16B31/04 Z
   F16B31/02 Z
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-240839(P2012-240839)
(22)【出願日】2012年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-92167(P2014-92167A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230526
【氏名又は名称】日本ヴィクトリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100096895
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 淳平
(72)【発明者】
【氏名】池 田 信太郎
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−337570(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0215597(US,A1)
【文献】 特開平1−135996(JP,A)
【文献】 米国特許第6902140(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 27/00 − 27/12
F16B 7/18
F16B 31/02
F16B 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部と頭部を有するボルトと、
軸方向に分割された複数の分割ナットが合わされて前記軸部に螺合可能なナットと、
前記ナットの外周部に配置されたリング状の弾性体と、
前記ナットと前記弾性体を内包し前記弾性体の外周部に配置された筒体と、
を備え、
前記筒体と前記ボルトとの間に前記筒体が前記頭部から離反する軸方向へ作用する外力が所定値以上の大きさの場合に、前記筒体が前記ナットと前記弾性体とともに前記ボルトに対して軸方向に滑り移動をする
ことを特徴とするボルトナット。
【請求項2】
前記外力が前記所定値以上の大きさの場合に、前記複数の分割ナットの相互の間に隙間が生じ前記ナットの孔径が拡大するとともに前記弾性体の肉厚は半径方向に圧縮される
ことを特徴とする請求項1に記載のボルトナット。
【請求項3】
前記外力が前記所定値より小さい場合に、前記弾性体の肉厚は半径方向に回復し前記滑り移動が停止する
ことを特徴とする請求項1に記載のボルトナット。
【請求項4】
第1配管と第2配管を接続する伸縮継手であって、
前記第1配管と前記第2配管とが軸方向に所定長さを超えて離反しないように制限するためのストッパーを備え、
前記ストッパーは、
前記第1配管の外周部に設けられた第1基準部と、
前記第2配管の外周部に設けられた第2基準部と、
前記第1基準部と前記第2基準部との間に掛け渡されたボルトナットと
を備え、
前記ボルトナットは、
軸部と頭部を有するボルトと、
複数の軸方向に分割された分割ナットが合わされて前記軸部に螺合可能なナットと、
前記ナットの外周部に配置されたリング状の弾性体と、
前記ナットと前記弾性体を内包し前記弾性体の外周部に配置された筒体と、
を備え、
前記筒体と前記ボルトとの間に前記筒体が前記頭部から離反する軸方向へ作用する外力が所定値以上の大きさの場合に、前記筒体が前記ナットと前記弾性体とともに前記ボルトに対して軸方向に滑り移動をする
ことを特徴とする伸縮継手。
【請求項5】
前記頭部が前記第1基準部に支持され、
前記頭部と反対側にある前記筒体の部位が前記第2基準部に支持されている
ことを特徴とする請求項4に記載の伸縮継手。
【請求項6】
前記筒体の前記部位は、前記第2基準部に取り付けられた取付部材を介して前記第2基準部に支持されている
ことを特徴とする請求項5に記載の伸縮継手。
【請求項7】
前記ボルトの前記軸部は雄ねじの形成された軸棒であり、前記ボルトの前記頭部は前記軸棒とは別体として形成され前記軸棒に螺合する取付ナットである
ことを特徴とする請求項5に記載の伸縮継手。
【請求項8】
前記軸部の前記頭部との反対側の端部に、前記軸部が前記筒体から抜け出ないようにするストップ部材を有する
ことを特徴とする請求項5に記載の伸縮継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滑り移動可能なボルトナット及びこのボルトナットをストッパーとして備え接続する配管と配管との間の伸縮を受容可能な伸縮継手に係る。
【背景技術】
【0002】
ボルトとナットとを有するボルトナットは、通常、物同士を締結するのに用いられ、締結する状態と締結を解除する状態との間で二者択一的に機能するように用いられる。
【0003】
また、第1配管と第2配管との間の伸縮を受容可能に接続する伸縮継手においては、第1配管と第2配管との間の間隔が大きくなり過ぎて第1配管と第2配管が伸縮継手から外れることを防止するために第1配管と第2配管との間に伸びを制限するためにストッパーが用いられる。
【0004】
このストッパーとしては、種々の形態があり得るが、ボルトとナットとを利用したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−116708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のボルトナットは、物同士を締結することにおいて、締結する状態と締結を解除する状態との間で二者択一的に機能するだけであるので、用途が限られていた。
【0007】
また、従来のボルトナットを伸縮継手のストッパーとして備える伸縮継手においては、ストッパー自体が配管同士の間の伸びに応じて伸びることはできなかった。
【0008】
そこで、本件発明の目的は、上記従来技術の問題を解消し、ボルトとナットとの間で外力の大きさに依存して滑り移動を可能にするボルトナットと、このボルトナットをストッパーとして備え簡易な構造で配管同士の間隔の伸びを許容する伸縮継手とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本件発明に係るボルトナットは、軸部と頭部を有するボルトと、軸方向に分割された複数の分割ナットが合わされて前記軸部に螺合可能なナットと、前記ナットの外周部に配置されたリング状の弾性体と、前記ナットと前記弾性体を内包し前記弾性体の外周部に配置された筒体と、を備え、前記筒体と前記ボルトとの間に前記筒体が前記頭部から離反する軸方向へ作用する外力が所定値以上の大きさの場合に、前記筒体が前記ナットと前記弾性体とともに前記ボルトに対して軸方向に滑り移動をすることを特徴とする。
【0010】
また、前記外力が前記所定値以上の大きさの場合に、前記複数の分割ナットの相互の間に隙間が生じ前記ナットの孔径が拡大するとともに前記弾性体の肉厚は半径方向に圧縮されることを特徴とする。
【0011】
また、前記外力が前記所定値より小さい場合に、前記弾性体の肉厚は半径方向に回復し前記滑り移動が停止することを特徴とする。
【0012】
また、本願発明に係る伸縮継手は、第1配管と第2配管を接続する伸縮継手であって、前記第1配管と前記第2配管とが軸方向に所定長さを超えて離反しないように制限するためのストッパーを備え、前記ストッパーは、前記第1配管の外周部に設けられた第1基準部と、前記第2配管の外周部に設けられた第2基準部と、前記第1基準部と前記第2基準部との間に掛け渡されたボルトナットと
を備え、前記ボルトナットは、軸部と頭部を有するボルトと、複数の軸方向に分割された分割ナットが合わされて前記軸部に螺合可能なナットと、前記ナットの外周部に配置されたリング状の弾性体と、前記ナットと前記弾性体を内包し前記弾性体の外周部に配置された筒体と、を備え、前記筒体と前記ボルトとの間に前記筒体が前記頭部から離反する軸方向へ作用する外力が所定値以上の大きさの場合に、前記筒体が前記ナットと前記弾性体とともに前記ボルトに対して軸方向に滑り移動をすることを特徴とする伸縮継手。
【0013】
また、前記頭部が前記第1基準部に支持され、前記頭部と反対側にある前記筒体の部位が前記第2基準部に支持されていることを特徴とする。
【0014】
また、前記筒体の前記部位は、前記第2基準部に取り付けられた取付部材を介して前記第2基準部に支持されていることを特徴とする。
【0015】
また、前記ボルトの前記軸部は雄ねじの形成された軸棒であり、前記ボルトの前記頭部は前記軸棒とは別体として形成され前記軸棒に螺合する取付ナットであることを特徴とする。
【0016】
また、前記軸部の前記頭部との反対側の端部に、前記軸部が前記筒体から抜け出ないようにするストップ部材を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本願発明のボルトナットの構成によれば、筒体が頭部から離反する軸方向へ筒体とボルトとの間に作用する外力が所定値以上の大きさの場合に、筒体がナットと弾性体とともにボルトに対して軸方向に滑り移動をし、また、外力が所定値より小さくなった場合に滑り移動が停止するので、外力の大きさに依存して滑り移動を選択的に実現させることができ、また、外力が所定値以上の大きさの場合に、ボルトの頭部と筒体の端部との間隔を伸ばすことができる。
【0018】
また、伸縮継手のストッパーは上記のボルトナットを備えているので、地中に埋められて地震等の影響で所定値以上の外力を受けた場合に、伸縮継手が第1配管及び第2配管から外れることなく第1配管と第2配管との軸方向の間隔がほぼ筒体の長さだけ伸びることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願発明のボルトナットの一実施形態を示す図。
図2】筒体がボルトの頭部から離反する軸方向へ筒体とボルトとの間に作用する外力が所定値より小さい場合を示す図。
図3図2におけるA視の断面を示す図。
図4】外力が所定値以上になり始めた場合を示す図。
図5図4におけるA視の断面を示す図。
図6】外力が所定値以上になった場合を示す図。
図7図6におけるA視の断面を示す図。
図8】外力が図6に示す場合から所定値より小さい場合に戻った場合を示す図。
図9図8におけるA視の断面を示す図。
図10図4におけるBを拡大して示す図。
図11図6におけるCを拡大して示す図。
図12】筒体がボルトの頭部に近づく軸方向へ筒体とボルトとの間に力が作用する場合に、筒体がナットと弾性体に対し移動することを示す図。
図13】本願発明の伸縮継手の一実施形態を示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に図面を参照し、本件発明の実施形態について説明する。図1は本願発明に係るボルトナットと一実施形態を示す図である。
【0021】
ボルトナット1は、軸部2と頭部3を有するボルト4と、軸方向に分割された複数の分割ナット5(図3等参照)が合わされて軸部2に螺合可能なナット6と、ナット6の外周部に配置されたリング状の弾性体7と、ナット6と弾性体7を内包し弾性体7の外周部に配置された筒体8とを備えている。
【0022】
軸部2にはねじ山高さがaの雄ねじが螺旋状にに形成され、ナット6にはねじ山高さがbの雌ねじが螺旋状に形成され、ボルト4とナット6とは、例えば所定のJIS規格に符合して軸部2の雄ねじとナット6の雌ねじとが互いに螺合する関係にある。
【0023】
ボルト4は、大きい引っ張り荷重を受けた場合にも破断し難いように、好ましくは大きな耐引っ張り荷重性を有する特殊金属で作られている。また、ナット6も好ましくは大きな耐引っ張り荷重性を有する特殊金属で作られている。
【0024】
ナット6は例えば4個の分割ナット5から構成されている。分割ナット5の個数は、分割ナット5と隣接する分割ナット5との間に隙間が形成できればよく、分割ナット5の個数は2個以上であれば4個に限らず、例えば3個でも5個でもよい。
【0025】
弾性体7は例えばゴム材からなり、弾性体7は、軸方向の外力を受けない状態でナット6の外周面と筒体8の内周面との間に、半径方向にある程度の圧縮を受けた状態で隙間なく配設されており、筒体8やナット6に対して勝手に滑り移動することはない。
【0026】
筒体8は、軸方向の一方の端部には中央に軸部2が貫通する孔部10が形成され孔部10の外側にリング状の押し部11が形成されている。押し部11は筒体8の円周部と一体的に形成されており、外力を受けて押し部11がナット5の一端側を押し付けることが可能である。筒体8は軸方向の他方の端部に取付部12を有する。筒体8は、取付部12にビス等によってボルトナット1が機能するように使用される他部材に取り付けられる。
【0027】
頭部3は軸部2より大径に形成されており、孔部10を貫通することなく押し部11に座面が当接可能である。
【0028】
ボルトナット1において、筒体8とボルト4との間に筒体8が頭部3から離反する軸方向へ外力が作用し、その外力の大きさが所定値以上の大きさの場合に、次のような現象が生じる。
【0029】
すなわち、図1において、例えば筒体8が取付部12で他物体に取付固定されており、ボルト4を右方へ所定値以上の大きさの引っ張り外力で引っ張った場合に、ナット6及び弾性体7が右方へスライドしナット6の右端が押し部11に当接してナット6及び弾性体7が止まる。そして、押し部11に押し当てられたナット6に対してボルト4が強く引っ張られることによって、軸部2の雄ねじはナット6の雌ネジとの螺合関係を解きナット6は孔径が半径方向に拡大するように径拡大力を受ける。ナット6は軸方向に分割された複数の分割ナット5からなるので、複数の分割ナット5の相互の間に隙間が生じナット6の孔径が拡大する。これに伴い、ナット6と筒体8との間に挟まれた弾性体7の肉厚は半径方向に圧縮される。この状態では、複数の分割ナット5は、ナット6の雌ネジのねじ山が軸部2の雄ねじのねじ山と半径方向に重ならない程にナット6の孔径が拡大し弾性体7の肉厚が半径方向に圧縮している。ナット6の雌ネジのねじ山が軸部2の雄ねじのねじ山と半径方向に重ならない程にナット6の孔径が拡大すると、ボルト4は筒体8に対し滑り移動する。引っ張り外力が所定値以上である限り、弾性体7の肉厚が自然状態に復帰しようとする力に抗して、ナット6の孔径はそれ以上に拡大することはないが、ボルト4が筒体8に対し滑り移動可能な状態が維持される。そして、引っ張り外力が前記所定値より小さくなった時点で、弾性体7の肉厚は半径方向に回復しボルト4の筒体8に対する滑り移動が停止する。
【0030】
次に、図12を参照して、筒体8とボルト4との間に筒体8が頭部3から接近する軸方向へ外力が作用する場合について説明する。
【0031】
この場合、ナット6は押し部11に当接することないので、作用する外力の大きさに関係なく、ナット6及び弾性体7はボルト4と一体的に筒体8内を移動する。
【0032】
ここで、上述した所定値の大きさは、ボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジが螺合状態にある場合においてこの螺合状態を強制的に解消するのに要する外力の大きさをいう。所定値は、ボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジのねじ山形状やねじ高さや、弾性体7の弾性的変形のし難さの大きさや、ナット6を構成する分割ナット5の個数等によって決められる。
【0033】
次に、図2乃至図11を参照して、ボルトナット1の作用について説明する。
【0034】
ボルトナット1は互いに相対移動可能な部材である第1壁体14と第2壁体15との間に掛け渡されて配設されている。第1壁体14には貫通孔16が形成されており、ボルト4は貫通孔16と通って筒体8内に位置し、頭部3の座面は第1壁体14の第2壁体15とは反対側の面に当接している。筒体8の取付部12は第2壁体15に取り付けられ、筒体8は第2壁体15に固定されている。
【0035】
図2及び図3において、第1壁体14と第2壁体15との間に互いに離反する方向に引張荷重Fが作用し、引張荷重Fの大きさはボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジが螺合状態を強制的に解消するのに要する所定値より小さいとする。この場合、ナット6が押し部11に押し付けられて引張荷重Fが加えられても、ボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジが螺合状態は解消されず、図2のA視である図3に示すように分割ナット5の相互の間には隙間が生じない。
【0036】
次に、図4図5及び図10において、第1壁体14と第2壁体15との間に互いに離反する方向に引張荷重F+αが作用し始めた過渡的な場合を示す。図4におけるBで示す部分を拡大して図10に示す。引張荷重F+αの大きさはボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジが螺合状態を強制的に解消するのに要する所定値より大きいとする。ナット6は押し部11を介してに押し付けられて引張荷重F+αで押し付けられる。この場合、引張荷重F+αが作用開始して間もないので、図10に示すように、ボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジの螺合状態は部分的に解消されるが完全には解消されておらずボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジとの間には部分的に螺合状態が形成されている。また、分割ナット5の相互の間には隙間18が生じ初めているが十分には大きくない。第1壁体14と第2壁体15との間の間隔は変化していない。
【0037】
次に、図6図7及び図11において、第1壁体14と第2壁体15との間に互いに離反する方向に引張荷重F+αが継続的に作用する場合を示す。図6におけるCで示す部分を拡大して図11に示す。引張荷重F+αが継続的に作用し過渡的段階が終わっている。この場合、図11に示すように、ボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジの螺合状態は完全に解消されてる。また、分割ナット5の相互の間には隙間18が図5に示す場合よりも大きく形成されている。そして、図6に示すように、第1壁体14は第2壁体15に対して離反する方向に移動している。ここで、図11においては、ボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジの螺合状態が完全に解消されてる状態を、ボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジの隙間を大きくとり誇張して示したいるが、実際は、一度、螺合状態が解消されると引張荷重F+αがさらに継続してもボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジの隙間がより大きくなることはない。
【0038】
次に、図8及び図9に、第1壁体14と第2壁体15との間に互いに離反する方向に作用する外力の大きさが、図6に示す引張荷重F+αから引張荷重Fに減少した場合を示す。この場合、引張荷重Fが所定値より小さいので、ボルト4の雄ねじとナット6の雌ネジが螺合状態が戻る。また、弾性体7の肉厚は回復し分割ナット5の相互の間には形成されていた隙間18は無くなる。そして、図8に示すように、第1壁体14と第2壁体15の間隔は、図6に示す状態に継続的に維持される。
【0039】
なお、ボルト4としては、軸部2と頭部3とが一体的に形成されていることに限らず、軸部2が雄ねじを有する軸棒からなり、頭部3が軸部2とは別体として形成され雌ネジを有する取付ナットからなり、この軸棒に取付ナットを螺合させたものであってもよい。
【0040】
次に、図13を参照して、ボルトナット1の適用応用例の一つとして、伸縮継手の一実施形態について説明する。図13は中心の軸線に対して上半部を示す。
【0041】
伸縮継手20は、第1配管21と第2配管22を接続する伸縮継手20は、第1配管21と第2配管22の各々の端部との間に掛け渡されるスリーブ24と、スリーブ24の内周面と第1配管21の外周面とをシールする例えばOリング状の第1シール25と、スリーブ24の内周面と第2配管22の外周面とをシールする例えばOリング状の第2シール26を備えている。
【0042】
また、伸縮継手20は、第1配管21と第2配管22とが軸方向に所定長さLを超えて離反しないように制限するためのストッパー28を備えている。ストッパー28は、第1配管21の外周部に設けられた第1基準部29と、第2配管22の外周部に設けられた第2基準部30と、第1基準部29と第2基準部30との間に掛け渡されたボルトナット32とを備えている。伸縮継手20には、ストッパー28は軸線の回りに複数、例えば90°置きに4個設けられている。
【0043】
第1基準部29と第2基準部30は第1配管21と第2配管22の各々の外周面上に等分間隔で複数設けられており、複数の第1基準部29と第2基準部30に同等の複数のストッパー28が設けられている。
【0044】
ボルトナット32は、基本的には図1等で示したボルトナット1と同様の構成を有し、軸部33と頭部34を有するボルト35と、図1に示したものと同様に複数の軸方向に分割された分割ナットが合わされて軸部33に螺合可能なナット36と、ナット36の外周部に配置されたリング状の弾性体37と、ナット36と弾性体37を内包し弾性体37の外周部に配置された筒体38とを備えている。筒体8には、軸方向の一方の端部にリング状の押し部38aが形成されている。
【0045】
ボルト35は図1等に示したボルト4とは異なり、軸部33と頭部34とが別体で構成されており、軸部33が雄ねじの形成された軸棒からなり頭部3が雌ネジの形成された取付ナットから構成されている。軸部33が第1基準部29に形成された孔部を貫通し貫通した部位に頭部34とが螺合して、軸部33と頭部34とからなるボルト35が第1基準部29に固着されている。
【0046】
第2配管22には孔部が形成されており、この孔部に雄ねじが形成された軸棒39が取付ナット40によって固着されている。軸棒39の取付ナット40とは反対側の端部は筒体38の端部に形成された雌ネジに螺合して取付ナット41によって固着されている。この様にして、ボルトナット32は一側で取付ナットとしての頭部34と軸部33によって第1基準部29に取り付けられ、他側で軸棒39と取付ナット40によって第2基準部30に取り付けられている。
【0047】
また、軸部33の他側の端部にはストップ部材43が取り付けられており、軸部2が第1基準部29側へ最も滑り移動した場合においても、ストップ部材43が筒体38の軸部33が貫通する孔部から抜けないようになっていて軸部33が筒体38から抜けでないようになっている。
【0048】
筒体38は大まかに長さLを有し、筒体38内には、長さが約Lの軸部35の部分が収容されている。
【0049】
第1配管21と第2配管22との間に軸方向に互いに離反する方向に所定値以上の引張荷重が作用した場合に、まず軸部33が軸方向に変位することに伴ってナット36及び弾性体737が押し部38aに当接し、さらに所定値以上の引張荷重の作用に軸部33がナット36に対し滑り移動し、引張荷重が所定値より小さくなった時点で軸部33のナット36に対する滑り移動が停止する。引張荷重が所定値以上の状態がさらに続く場合には、軸部33のナット36に対する滑り移動は軸部33の端部のストップ部材43が筒体38内でナット36に当接して停止し、この状態では第1配管21と第2配管22との軸方向の間隔が長さLだけ伸びている。
【0050】
本実施の形態によれば、第1配管21、第2配管22及び伸縮継手20を備える配管装置が地中に埋められており地震等の影響で所定値以上の外力を受けた場合に、ストッパー28はボルトナット32を備えているので、伸縮継手20が第1配管21及び第2配管22から外れることなく第1配管21と第2配管22との軸方向の間隔が長さLだけ伸びることが可能になる。
【符号の説明】
【0051】
1、32 ボルトナット
2、33 軸部
3、34 頭部
4、35 ボルト
5 分割ナット
6、36 ナット
7、37 弾性体
20 伸縮継手
21 第1配管
22 第2配管
26 ストッパー
29 第1基準部
30 第2基準部
43 ストップ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13