特許第5909497号(P5909497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909497
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】無煙タバコ製品およびプロセス
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/00 20060101AFI20160412BHJP
【FI】
   A24B13/00
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-536810(P2013-536810)
(86)(22)【出願日】2011年10月27日
(65)【公表番号】特表2013-541962(P2013-541962A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】US2011058015
(87)【国際公開番号】WO2012061192
(87)【国際公開日】20120510
【審査請求日】2014年10月24日
(31)【優先権主張番号】12/917,171
(32)【優先日】2010年11月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505191869
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セバステイアン,アンドリーズ・デイー
(72)【発明者】
【氏名】レデイツク,イー・マシユー
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/014506(WO,A2)
【文献】 特開2000−034672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00 − 15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの口中に挿入されるように構成されたタバコ製品であって、
タバコ製剤を収容する液体透過性フリース材パウチを含み、タバコ製剤は粒状タバコ組成物を含み、フリースパウチを形成する繊維材料は吸上性繊維を含み、各吸上性繊維は溝付きであり、親水性表面被膜をさらに含む、タバコ製品。
【請求項2】
親水性表面の親水性が食品等級界面活性剤によって付与される、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項3】
フリースパウチの繊維が4DG(商標)断面を含む、請求項1または2に記載のタバコ製品。
【請求項4】
フリースパウチが風味強化剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタバコ製品。
【請求項5】
フリースパウチの繊維が、下層ポリマーを被覆する上層の食品等級低融点生分解ポリマーを含み、下層ポリマーは上層ポリマーよりも高い融点を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタバコ製品。
【請求項6】
フリースパウチの繊維が、再生セルロース、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ乳酸、可塑化酢酸セルロース、およびポリカプロラクトンのうちの1つ以上を含む二成分材料を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のタバコ製品。
【請求項7】
フリースパウチが、少なくとも1つの生分解ポリマーを含んで構成され、生分解ポリマーは、再生セルロース、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタバコ製品。
【請求項8】
少なくとも1つの風味剤をさらに含み、風味剤はフリースに組み込まれ、風味剤は、フリース上の被膜、その繊維、またはその両方として提供される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタバコ製品。
【請求項9】
吸上性繊維が4DG(商標)ポリ乳酸繊維を含む、請求項3に記載のタバコ製品。
【請求項10】
吸上性繊維が、デンプンを組み込んでいるかまたは組み込んでいない4DG(商標)ポリヒドロキシアルカノエートを含む、請求項3に記載のタバコ製品。
【請求項11】
吸上性繊維が、
ポリ乳酸コアおよびコアよりも低い融点を有するポリ乳酸鞘と、
ポリヒドロキシアルカノエートコアおよびコアよりも低い融点を有するポリヒドロキシアルカノエート鞘と、
ポリヒドロキシアルカノエートコアおよびコアよりも低い融点を有するポリ乳酸鞘と、
ポリ乳酸コアおよびコアよりも低い融点を有するポリヒドロキシアルカノエート鞘と、
レーヨンコアおよび生分解ポリマー鞘と、
から選択された二成分4DG(商標)繊維を含む、請求項3に記載のタバコ製品。
【請求項12】
吸上性繊維がレーヨン繊維を含む、請求項1または2に記載のタバコ製品。
【請求項13】
吸上性繊維がレーヨン繊維を含み、フリース材は、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、およびポリカプロラクトン+デンプンのうちの1つ以上から選択される生分解物質を含む、請求項1または2に記載のタバコ製品。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載のタバコ製品を製造する方法であって、
フリース材を作るための繊維を提供するステップと、
食品等級界面活性剤を含む水溶液を繊維に塗布するステップと、
フリース材の弾性を改善するように構成されたリング・ロール・ステップを含む、フリース材を形成するステップと、
フリース材を請求項1に記載のパウチに成形するステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコから作られた、またはこれに由来する製品、もしくはタバコを組み込んだ製品に関し、ヒトによる消費を目的とする。より具体的には本発明は、「スヌース」として位置づけられるような無煙タバコ製品を含む、タバコ製品、および無煙形態のタバコ製品の包装に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコは、いわゆる「無煙」形態で楽しむことができる。特に人気のある無煙タバコ製品は、ユーザの口中に加工タバコまたはタバコ含有製剤を何らかの形で挿入することによって、利用される。
【0003】
様々なタイプの無煙タバコ製品は、参照により本明細書に組み込まれる、Schwartzの米国特許第1,376,586号明細書、Pittmanらの米国特許第4,513,756号明細書、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,528,993号明細書、Storyらの米国特許第4,624,269号明細書、Townsendの米国特許第4,987,907号明細書、Sprinkle,IIIらの米国特許第5,092,352号明細書、Whiteらの米国特許第5,387,416号明細書、Atchleyらの米国特許第7,694,686号明細書、Howardの米国意匠特許第335.934号明細書、Stricklandらの米国特許出願公開第2005/0244521号明細書、Winnらの米国特許出願公開第2006/0162732号明細書、Stricklandらの米国特許出願公開第2006/0191548号明細書、Wintersonらの米国特許出願公開第2007/0261707号明細書、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0062549号明細書、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0186941号明細書、Roushの米国特許出願公開第2008/0166395号明細書、Arnarpらの国際公開第04/095959号、Engstromの国際公開第06/004480号、Quinterらの国際公開第05/041699号、およびWrennらの国際公開第07/138484号パフレットに記載されている。無煙タバコ製品の1つのタイプは「嗅ぎタバコ」と称される。嗅ぎタバコは通常、「湿潤」または「乾燥」形態で製剤化される。
【0004】
代表的な無煙タバコ製品は、House of Oliver Twist A/SのOliver Twist;U.S.Smokeless Tobacco Co.のCopenhagen、Skoal、SkoalDry、Rooster、Red Seal、Husky、およびRevel;Philip Morris USAの「taboka」;Conwood Sales Co.,L.P.のLevi Garrett、Peachy、Taylor’s Pride、Kodiak、Hawken Wintergreen、Grizzly、Dental、Kentucky King、Mammoth Cave;Brown&Williamson Tobacco Corp.のInterval;ならびにStar Scientific,Inc.のArivaおよびStonewallの商標名で販売されてきた。
【0005】
通常「スヌース」と称される代表的なタイプの嗅ぎタバコは、ヨーロッパ、特にスウェーデンで、Swedish Match AB、Fiedler & Lundgren AB、Gustavus AB、Skandinavisk Tobakskompagni A/S、およびRocker Production AB.などの会社によってまたはこれらを通じて、製造されている。米国内で入手可能なスヌース製品は、R.J.Reynolds Tobacco CompanyのCamel Snus Frost、Camel Snus Original、およびCamel Snus Spiceの商品名で販売されている。
【0006】
Camel Snus Originalなどのスヌース製品は通常、小さなティーバッグ状のパウチで供給される。パウチは通常、不織フリース材であり、約0.4から1.5グラムの低温殺菌タバコを収容している。これらの製品は通常、約10〜30分にわたってユーザの口の中にとどまる。特定のその他の無煙タバコ製品とは異なり、スヌースはユーザによる喀出を必要としない。
【0007】
消費者は、スヌースのフリースパウチに入ったタバコの風味および感覚がバラのタバコとは異なることに、気がつくだろう。これらフリース布の繊維は一般的に、タバコ粒子を保持するように構成されており、その多くは主に、不織布の繊維結合剤の役割を果たしてスヌースパウチの熱接合/封止を提供するアクリルポリマーの被膜を備える、ビスコース(レーヨンとも称される、再生セルロース)で作られている。風味は、その他の噛みタバコ製品とは質的に異なっているかも知れない。風味は、パウチを形成するフリース材によって変化する可能性がある。バラのタバコ製剤風味との類似点、風味を付与する能力をスヌースパウチに提供すること(与えられた時間において異なる可能性があり、その他の製品と比較して風味の強さにばらつきがあるかも知れない)、および生分解性であってもよいパウチを提供することが、望ましいだろう。
【0008】
スヌースに使用されるフリースは、長期間保存された後に色も変化する可能性がある。この色変化は、フリース材の黄変を含むかも知れない。一部の消費者は、特定の色を保持する、または使用および/または時間の経過とともに特定の色変化を呈するパウチを、好むかも知れない。色は、スヌースパウチの風味を示すために使用されてもよい。スヌースは一般的に、Camel Snus FrostおよびCamel Snus Spiceなどの様々な風味で供給される。スヌースは、タバコに香料を混ぜ込むこと、タバコにマイクロカプセルなどを添加すること、またはタバコに風味片を加えることによって、風味付けされてもよい。Dubeらの米国特許第7,810,507号明細書は、これを実現する多くの方法を記載しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第1376586号明細書
【特許文献2】米国特許第4513756号明細書
【特許文献3】米国特許第4528993号明細書
【特許文献4】米国特許第4624269号明細書
【特許文献5】米国特許第4987907号明細書
【特許文献6】米国特許第5092352号明細書
【特許文献7】米国特許第5387416号明細書
【特許文献8】米国特許第7694686号明細書
【特許文献9】米国意匠特許第335934号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0244521号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0162732号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2007/0261707号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2008/0166395号明細書
【特許文献17】国際公開第2004/095959号
【特許文献18】国際公開第2006/004480号
【特許文献19】国際公開第2005/041699号
【特許文献20】国際公開第2007/138484号
【特許文献20】米国特許第7810507号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
使用中の望ましいパウチ完全性および感覚プロファイル(たとえば風味、口内感覚)を提供しながら、たとえば生分解特性などを含む、異なる分解性プロファイルを有するパウチを提供することが、望ましいだろう。
【0011】
その無煙タバコ製品のユーザによって利用されたときに楽しみおよび満足を提供する製品の効率的な生産にすべて関連づけられた、望ましい成分を有するスヌースまたはその他の無煙製剤、製造法、および包装を提供することが、望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、「スヌース」として位置づけられるような無煙タバコ製品を含む、無煙形態のタバコ製品の包装に関する。製品は、無煙タバコ組成物または製剤を含む。たとえば、無煙タバコ製剤は、タバコの粒子またはピースを含んでもよく、塩、甘味料、結合剤、着色料、pH調整剤、充填剤、着香料、分解助剤、酸化防止剤、保湿剤、および防腐剤などのその他の原料を含んでもよい。タバコの粒子の含水量は異なってもよい。
【0013】
タバコ製剤は、スヌースタイプの製品の製造に一般的に使用されるタイプなどの、パウチまたはバッグなどの容器に収容されることが可能である(たとえば、「ポーション」と称される場合もある、封止された透湿性のパウチ)。代表的な液体透過性パウチは、「フリース」タイプの材料で構成されることが可能である。そしてタバコ製剤はパッケージに収容される。パッケージは強固に封止されており、この封止パッケージ内の雰囲気条件が改善および/または制御されるように、適切な材料で構成される;すなわち、封止パッケージは、水分および酸素などの組成物の通過を阻害する、良好な障壁を提供することができる;加えて、封止パッケージ内の雰囲気は、封止に先立ってパッケージ内に選択されたガス種(たとえば窒素、アルゴン、またはこれらの混合物など)を導入することによって、または内部を真空引きすることによって(真空封止)、さらに改善されることが可能である。このように、タバコ組成物が曝される雰囲気条件は、調製、充填、保管、および取り扱いの間、制御される。
【0014】
本発明の実施形態の理解を提供するために添付図面が参照され、図中の参照番号は、記載される本発明の例示的実施形態の構成要素を指す。図面は例示に過ぎず、本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】除去可能シールの一部が切り取られた、無煙タバコ用開放容器の斜視図である。
図2】上部を透視して除去可能シールが所定位置にある、無煙タバコ用開放容器の斜視図である。
図3】除去可能シールが部分的に除去された、無煙タバコ用開放容器の斜視図である。
図4】無煙タバコ用の閉鎖容器の斜視図である。
図5】外パッケージに個別に包まれたスヌースタイプの製品の形態のタバコ製品の拡大断面図である。
図6】いくつかのスヌースタイプ製品が外パッケージに包まれており、この外パッケージは略円筒形のプラスチックまたは金属缶に収容されている、スヌースタイプの製品の形態のタバコ製品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで本発明は、添付図面を参照して、以下により詳細に記載される。本発明は、多くの異なる形態で実現されてもよく、本明細書に明記される実施形態に限定されるように解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように、提供される。類似の番号は、全体を通じて類似の要素を示している。本明細書および請求項で使用される際に、単数形の「a」、「an」、「the」は、文脈が別途明確に指定していない限り、複数の指示対象を含む。
【0017】
図1から図4を参照すると、Patelらの関連する米国意匠特許第594.154号明細書および米国特許出願第29/297,517号明細書に開示されるものなどの、スヌース缶10の第一の実施形態が示される。典型的な缶10は、プラスチックまたは金属の上部12および底部16のピースからなる。図1から図3は、上部12がすでに除去された缶10を示し、図4は閉鎖された缶10を示す。
【0018】
缶10は、スヌース製品の販売に使用される、背が低く、角が丸みを帯び、全体的に円筒形の容器である。たとえば、Bjorkholmの国際公開第05/016036号に明記されたデザインの代表的な嗅ぎタバコボックスタイプを参照されたい。適切に修正可能なその他のタイプの容器は、Hensonらの米国特許第7,014,039号明細書に明記されている、プラスチックまたは金属タイプの容器である。また、R.J.Reynolds Tobacco CompanyのCamel Snus;U.S.Smokeless Tobacco CorporationのRevel Mint Tobacco Packsタイプの無煙タバコ製品;Smokeless Tobacco Co.のSkoalDry;およびPhilip Morris USAの「taboka」の商品流通に使用されたタイプの硬質容器も、参照されたい。望ましければ、「taboka」製品に使用されたタイプの容器は、容器が開閉され得るように摺動可能蓋(たとえば、容器の長手軸とほぼ並行に摺動するもの)を有するのに適合し得る。望ましければ、容器は、製造中に無煙タバコ製品の充填のために容器が伸長して開放し、その後容器の充填が完了した後に収縮できるように、アコーディオンまたは蛇腹式のデザインを有することができる。望ましければ、容器は、開放容器が再閉鎖して良好な封止が提供されるように、適切なシールまたはグロメットを備えることができる。
【0019】
図5および図6を参照すると、個別のパウチ封止タバコポーション18が、缶10に収容されている。缶10の中のタバコポーションの数は異なってもよく、10、12、15、20、25、または30などの数であってもよい。そして缶10は、外パッケージ内、および缶10内の雰囲気22が制御されるように、各末端で強固に封止され、適切な材料で構成された、封止外パッケージ内に包装される。たとえば、パッケージ内の雰囲気は、雰囲気が高純度窒素ガス、または二酸化炭素などのその他適切なガス種からなるように、制御可能である。このような方法は、Robinsonらの米国特許出願公開第2008/0173317号明細書に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。使用時、外パッケージが開かれ、缶10が開かれ、個々のタバコポーション18は望み通りに缶10から取り出される。
【0020】
図1から図3を参照すると、一実施形態には、4つの分離した区画24が設けられている。各区画24は、異なる風味の嗅ぎタバコまたはスヌースパウチを収容してもよい。あるいは、全ての区画24が同じタイプの無煙タバコを収容することもでき、分離した区画の提供により、ユーザは一度に1つの区画24を開くことができる。他の区画24は気密のまま残り、封止されている区画24の無煙タバコの鮮度は損なわれない。
【0021】
図3に示される実施形態において、単一の除去可能フラップ26が4つの区画24のすべてを覆い、ユーザは1つ以上の区画24を開くためにフラップ26をはぎ取る。あるいは、各区画24は図1に示されるように個別のフラップ28を有し、1つ以上の区画24を開くためにユーザが1つ以上のフラップを除去できるようにする。フラップ26、28はまた、再封止可能であってもよい。区画24はいくつの形状を取ることもできるだろう。あるものはほかのものより大きく、異なる量または風味の無煙タバコを収容することができるだろう。
【0022】
フラップ26、28は、気密および湿密性の封止を維持することが可能な、当該技術分野において周知の様々な材料から構成されることが可能である。たとえば、金属箔/紙積層体、金属化紙、プラスチックラッパー、金属化ポリマー膜または低透過性透明ポリマーシートが、有効である。例示的な材料は、いずれもその全体が本明細書に組み込まれる、Faggらの米国特許出願公開第2004/0217023号明細書およびThomasらの米国特許第7,124,883号明細書に開示されている。区画24の間に浸透する風味または芳香をさらに減少させるために、缶10および内部区画仕切り30の構造に低透過性材料を利用することが、好ましい。このような材料は、通常は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはポリエチレンビニルアルコールなどの、熱可塑性または熱硬化性ポリマーなど、押出成形可能なポリマー材料であってもよい。缶10および/または区画仕切り30に利用され得るその他の例示的な押出成形可能材料は、アクリルニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、およびポリスチレンである。缶10の材料への風味の浸透およびその逆をさらに減少させるために、缶10の内側表面32にアルミニウム層ができるように、成形品がアルミニウム箔で裏打ちされることが可能である。
【0023】
低透過性材料はまた金属製であってもよく、蓋12および本体12に使用される材料は内部仕切り30に使用される材料とは異なってもよい。さらに、蓋12、本体16、および内部仕切り30は、すべて異なる材料を含むことができる。
【0024】
フラップ26、28はまた、その他の特徴を組み込むことも可能である。各区画24のタバコのタイプを指定するために、フラップ26、28の上に単語、色、または絵が刻印または印刷されることが可能である。色を刻印する代わりに、材料自体が着色されることも可能である。フラップ26、28を所定位置に封止して、一旦開封された後にこれらを再封止するために、当該技術分野において周知の接着材が使用されることが可能である。フラップ26、28を閉鎖して封止するために利用可能な例示的材料は、低、中、および高粘度再閉鎖可能接着材であろう。これらの接着材は、天然ゴム、ホットメルトゴム(合成)、アクリル、またはシリコーンをベースとすることができる。
【0025】
図1を参照すると、無煙タバコ製品18の実施形態が示されている。タバコ製品18は、透湿性パウチ78を含む。図示されるパウチ78は重複領域82においてその長さに沿って封止閉鎖されている。重複領域は、(たとえばヒートシール、適切な接着材、またはその他の適切な手段によって)パウチの対向する縁の上部にわたってパウチ78の1つの縁の底部を封止することによって、形成されてもよい。固形タバコ材料80は、パウチ82内に設けられる。
【0026】
無煙タバコ製品の製造に使用されるタイプの適切なパケットまたはパウチまたは容器は、「taboka」、CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、GrovSnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf、TreAnkrare、Camel Snus Original、Camel Snus Frost、およびCamel Snus Spiceの商品名で入手可能である。タバコ製剤は、ある方法で、従来のスヌース製品の製造に使用されるタイプの成分を用いて、パウチに収容されて包装されてもよい。パウチまたはフリースは、ティーバッグの構造に使用されるメッシュ状のタイプの材料と特性が似ていると思われるタイプの、液体透過性容器を提供する。緩く配置された粒状のタバコ製剤の成分は、パウチ78を通じてユーザの口中に容易に拡散する。
【0027】
特定の実施形態において、例示的なパウチ78は、ユーザによる使用中に、パウチ78が制御された分散または溶解を受けるような材料から、およびそのような方式で、製造されてもよい。このようなパウチ材料は、メッシュ、スクリーン、有孔紙、透過性布、などの形態を有してもよい。たとえば、ライスペーパのメッシュ状形態、または有孔ライスペーパから製造されたパウチ材料は、ユーザの口中で溶解するだろう。その結果、パウチ78およびタバコ製剤は各々、通常使用条件の間にユーザの口中で完全な分散を受けてもよく、したがってパウチ78およびタバコ製剤はいずれもユーザによって摂取されてもよい。その他の例示的なパウチ材料は、水分散性成膜材料(たとえば、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース、キサンタンゴム、プルランなどのような結合剤)、ならびに粉末セルロース誘導体(たとえば微粒子サイズの木材パルプ)などの材料と組み合わせたこれらの材料を用いて、製造されてもよい。水分散性または溶解性であっても、好適なパウチ材料は、通常使用の条件の下で、パウチがその物理的完全性の喪失を被る前に、大量のタバコ製剤含有物がパウチ材料を透過するように、設計および製造されてもよい。望ましければ、風味付け原料、分解助剤、およびその他の望ましい成分が、パウチ材料に組み込まれるか、または塗布される。
【0028】
特定の実施形態において、スヌースまたはその他の無煙タバコ製品の容器はフリース布材料で作られたパウチとして構成されてもよく、フリース布材料は、従来のパウチ材料と比較して改善された特性を有するように構成されている。以下の実施形態およびプロセスは、本発明の範囲に含まれたままで、単独で、または互いにおよび/またはその他のプロセスと組み合わせて、使用されてもよい。以下の実施形態の各々において、タバコ製剤を収容するように構成されたフリースパウチを形成する材料は、風味強化剤を含むように構成される。風味強化剤は、風味剤/風味調整剤を放出することによって能動的/直接的に、および/または内部に主要されているタバコからの風味の伝達を許容するようにパウチの表面化学構造を改良することによって受動的/間接的に、風味を強化してもよく、この風味は、風味強化剤を含まないパウチを透過した風味とは質的に異なってもよい。
【0029】
一実施形態において、伝統的なフリース布(たとえば、ビスコース/再生セルロース製)またはその他のパウチ材料は、これに親水性を付与するために、湿式化学溶液を用いて処理されてもよい。このようなプロセスの1つにおいて、フリース材が提供され、その後食品等級界面活性剤を含む水性アルコール溶液を用いて処理される。界面活性剤は、たとえばソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、またはショ糖脂肪酸エステルのうちの1つ以上などを含んでもよい(たとえば、参照により本明細書に組み込まれるIwasakiらの米国特許第7,498,281号明細書参照)。別のプロセスにおいて、その繊維の紡績の間にフリースを作るために使用されるポリマーに対して親水性繊維仕上げが適用されてもよい。別のプロセスにおいて、パウチ材料に親水性布被膜が適用されてもよい。類似の処理がティーバッグに対して使用されてきたが、フリース自体によって付与される可能性のあるいかなる風味も減少させることになり、および/または内部に収容されたタバコの風味伝達の際のフリースの潜在的な干渉を減少させることになる。適用される処理溶液またはその他の材料は、1つ以上の風味剤および/または風味強化剤(それ自体は風味を付与しないが、風味に対するプラスの影響を与える)も含んでよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、繊維被膜は、親水性被膜に加えて、および/またはこれに含まれる、風味剤を含んでもよく、風味剤は所望の風味プロファイルを提供または補完するように構成されてもよい。たとえば、パウチを形成するフリース材に適用される風味剤を含まないパウチと比較したときに、タバコ材料のパウチの使用中に異なる風味を提供する風味剤が、含まれてもよい。与えられた実施形態および実施例の各々において、親水性材料は、風味剤を含んでもよく、および/または風味剤が適用されてもよい。前記風味剤は、所望の風味を付与するいずれの材料も含む。
【0031】
別の実施形態において、伝統的なフリース布(たとえばビスコース/再生セルロースまたはその他のポリマー製)またはその他のパウチ材料は、たとえばポリカプロラクトンなどの食品等級低融点生分解ポリマーで被覆されてもよい。低融点生分解ポリマーは、好ましくはパウチ収容無煙タバコのユーザによって望ましいように選択された、1つ以上の風味剤/風味調整剤の組み込みによって変更されてもよい。ポリカプロラクトンポリマーは、この用途にとって理想的な60℃の融解温度を有するが、しかし当業者は、本提示の範囲内においてその他の食品等級ポリマーが使用されてもよいことを、理解するだろう。当業者が理解するであろうように、アクリルを使用しない熱接合およびパウチ封止を提供するので、(たとえばレーヨンおよび/またはその他のセルロース材料と比較して)この、およびその他のポリマーのより低温の溶融特性は、望ましい。具体的には、以下に記載される生分解繊維および/または被膜/鞘は、熱の印加が、その材料の融点を上回るがその他の繊維(たとえばレーヨン)および/または二成分コア材料の融点を下回る温度範囲で実行されるように、フリースに使用される二成分繊維コアおよび/またはその他の繊維よりも低温の溶融挙動を好ましくは含むことになる。このようにして、より低温で溶融する材料は、パウチを形成および/または封止するためのパウチフリース同士の熱接合を提供するだろう。
【0032】
別の実施形態において、フリース製造の伝統的なプロセスを用いてフリース布を形成するために、たとえばポリヒドロキシアルカノエートおよび/またはポリ乳酸などの少なくとも1つの生分解ポリマーが使用されてもよい。伝統的パウチにおいて周知の再生セルロース(レーヨン)もまた、使用するのに望ましい特徴を付与しながら、その生分解性を阻害する可能性のあるアクリルまたはその他の物質によって処理されなければ、生分解性であると見なされてよい。望ましければ、生分解ポリマーの親水性は、たとえば、デンプンおよび/または食品等級界面活性剤の適用によって、変更されてもよい。フリースおよび/またはこれに適用される材料は、好ましくはパウチ収容無煙タバコのユーザによって望ましいように選択された、1つ以上の風味剤/風味調整剤の添加によって変更されてもよい。たとえば、少なくとも1つの風味剤/風味調整剤は、マイクロカプセル化物、吸着剤として、および/またはフリースを作るために使用されるポリマー繊維紡績プロセスの間に組み込まれる風味付きポリマーの形態で、組み込まれてもよい。たとえば、風味剤/風味調整剤は、マイクロカプセル化物、吸着剤として、および/またはフリースおよび/または形成済みパウチに適用される1つ以上の表面被膜またはその他の材料に組み込まれる風味付きポリマーの形態で、組み込まれてもよい。
【0033】
別の実施形態において、風味伝達の改善は、たとえば4DG(TM)溝付き繊維などの吸上性繊維を用いて実現されてもよい。この繊維の溝は、標準的フリースと比較すると、優れた吸上性を提供する。ある実験において、4DG(TM)フリース材は、標準的フリース材の2.8倍の吸上性を呈した。この比較は、フリースを通る着色液が通過した距離によって測定されたものである。標準的フリースおよび4DG(TM)フリースは各々、同じ時間(約450分)にわたって約50mLの液体を吸収した。しかしながら、4DG(TM)フリースの方が、標準的フリースのほぼ3倍の距離だけ着色液が通過した。スヌースパウチ用途において、この効率的な液体の伝達は、パウチ中のスヌースからユーザの口腔への風味伝達の量と質において改善された効果に対応すると期待される。これらおよびその他の実施形態において、溝付き布(たとえば、以下「P&Gリング・ロール・プロセス」と称される、Procter and Gamble所有の、伸縮性不織材料向けのリング・ロール・プロセスによって製造されるものなど)は、類似の結果、ならびに改善された弾性を提供するだろう。リング・ロール・プロセスは不織材料を徐々に伸長し、2つの溝付きローラは通常、たとえば参照により本明細書に組み込まれる、Dobrinらの米国特許第6,383,431号明細書に記載されるように、室温条件の下で高速で、材料の流れに対して横断する方向に、材料を引っ張る。不織フリース向けのP&Gリング・ロール・プロセスによって与えられる弾性改善は重要であろう。たとえば、典型的な不織フリースは、比較的高い強度を呈するが、しかし低い延性および低い靱性を呈し(100%の引張に曝されたときに約900g/inの負荷で破損する)、その一方でリングロールされた不織フリースは、高い延性および高い靱性を備えて適度に高い強度を呈するだろう(300%の引張に曝されたときに約600g/inの負荷で破損する)。
【0034】
生分解性は、フリース構造に使用される特定のポリマータイプに関連する。たとえば、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)(たとえば、ポリヒドロキシプロピオネート、ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシブチレート、およびポリヒドロキシオクタノエート)は、好気性および嫌気性微生物の両方によって分解可能であると知られており、これらの微生物は幅広い環境においてこれらを生分解させられるようになる。PHAは一般的に単体で繊維として押し出されるのは難しいと考えられているものの、これらは異なるPHAポリマーを混合することによって、またはPHAをたとえばPLA(ポリ乳酸)などのその他のポリマーと混合することによって、許容可能な強度の繊維に成形されてもよい。PLAは、環境およびポリマーに対して実行される修飾に応じて、加水分解、生分解、熱分解、および/または光分解を通じて分解することができる、生分解ポリマーとして有用である。別の例として、ポリカプロラクトン(PCL)が生分解性であり、その特性は、デンプンと混合されたときに向上するだろう。PLAは、たとえばPHAおよび/またはPCLとの二成分繊維として形成されてもよく、これは生分解性を提供し、そこから作られるパウチを熱封止することが可能な、アクリルまたはその他の被膜を必要としないだろう。PHAは、たとえばPCLおよび/またはPLAとの二成分繊維として形成されてもよく、これは広範な生分解性を提供し、そこから作られるパウチを熱封止することが可能な、アクリルまたはその他の被膜を必要としないだろう。
【0035】
可塑化酢酸セルロース(PCA)ポリマーは、風味伝達を最小限にしか干渉しない繊維および/または皮膜を形成するのにも、使用することができる。有用な特徴の1つとして、クエン酸ベースの可塑剤(たとえばクエン酸トリエチル)で処理されたPCAは、170〜180℃の温度範囲の溶融加工性を提供するが、これはPCAとともに使用されてよいレーヨンおよび/またはその他の繊維(たとえばPHA、PLA)との熱封止およびパウチ形成にとって望ましい。
【0036】
本発明の原理を踏まえたこのタイプの構造は、アクリル被膜レーヨン繊維とは異なる特徴を提供するだろう。現在のレーヨン繊維は、繊維結合剤ならびにパウチ封止助剤として機能する、アクリル皮膜を含む。熱接合およびパウチ封止のために生分解結合剤繊維を用いて、レーヨン布の自然な生分解性を活用する者もいるかも知れない。このような繊維の例は、PLAおよびPHA繊維であるが、これらはいずれもバイナリ(二成分)繊維混合物に含まれる微量成分として使用されることが可能である。あるいは、PCL、PLA、またはPHAの水分散液が、レーヨン繊維を被覆するために使用されてもよい。これらの分散液に含まれるポリマーは、繊維結合剤および/またはパウチ封止剤の役割を果たすことができる。
【0037】
以下の実施例は、本発明をさらに解説するために提供されるが、しかしその範囲を限定すると解釈されるべきではない。実施例に記載される実施形態は様々な形態を包含するが、そのすべてが必ずしも構築および試験されたわけではなく、しかし、本開示に鑑みて当該技術分野の範囲内で一般的に実用可能であると考えられる。
【0038】
実施例1:ポリ乳酸フリース
一実施形態において、PLAコアが紡績され、その間に親水性繊維仕上げが適用されてもよい。PLAコアは、略円形繊維断面を備えて形成されてもよい。PLA繊維はその後、標準的なプロセスを用いて不織フリース布に仕上げられてもよい。その後、布はP&Gリング・ロール・プロセスによって処理されてもよい。結果的に得られたフリースは、好ましくは望ましい風味伝達特性を含むように構成された、所望の親水性を提供することができる。これは望ましくは弾性であってもよく、スヌースパウチに仕上げられたときのパウチ完全性の維持を促進することができる。このフリースで作られたパウチは生分解性であってもよい。
【0039】
実施例2:ポリ乳酸4DG(TM)フリース
別の実施形態において、PLAコアは4DG(TM)断面を有する繊維として形成されてもよく、その間に親水性繊維仕上げが適用されてもよい。PLA繊維はその後、標準的なプロセスを用いて不織フリース布に仕上げられてもよい。その後、布はP&Gリング・ロール・プロセスによって処理されてもよい。結果的に得られたフリースは、好ましくは望ましい風味伝達特性を含むように構成された、所望の親水性を提供することができる。フリースの吸上性は円形断面繊維よりも優れており、改善された風味伝達を提供するだろう。これもまた弾性であってもよく、スヌースパウチに仕上げられたときのパウチ完全性の維持を促進するだろう。このフリースで作られたパウチは生分解性であってもよい。
【0040】
実施例3:ポリヒドロキシアルカノエート4DG(TM)フリース
別の実施形態において、PHAコアは4DG(TM)断面を有する繊維として形成されてもよく、その間に親水性繊維仕上げが適用されてもよい。PHA繊維はその後、標準的なプロセスを用いて不織フリース布に仕上げられてもよい。その後、布はP&Gリング・ロール・プロセスによって処理されてもよい。結果的に得られたフリースは、好ましくは望ましい風味伝達特性を含むように構成された、所望の親水性を提供することができる。フリースの吸上性は円形断面繊維よりも優れており、改善された風味伝達を提供するだろう。これもまた弾性であってもよく、スヌースパウチに仕上げられたときのパウチ完全性の維持を促進するだろう。このフリースで作られたパウチは広く生分解性であってもよく、この生分解性はPHA繊維にデンプンが含まれる場合に改善されるだろう。
【0041】
実施例4:二成分PLA/PLA4DG(TM)フリース
別の実施形態において、最も好ましくは4DG(TM)断面を有する、二成分PLA繊維が形成されてもよい。繊維は、約170℃の融点を有するPLAコア、および約130℃の融点を有するPLA外鞘を含んでもよい。繊維形成の間、親水性繊維被膜が塗布されてもよい。あるいは、または加えて繊維が不織フリース布に仕上げられている間、またはその後に、親水性繊維被膜が塗布されてもよい。あるいは、または加えて、布被膜が塗布されてもよい。その後、布はP&Gリング・ロール・プロセスによって処理されてもよい。結果的に得られたフリースは、好ましくは望ましい風味伝達特性を含むように構成された、所望の親水性を提供することができる。フリースの吸上性は円形断面繊維よりも優れており、改善された風味伝達を提供するだろう。これもまた弾性であってもよく、スヌースパウチに仕上げられたときのパウチ完全性の維持を促進するだろう。このフリースで作られたパウチは生分解性であってもよい。これはまた、現在使用されているその他の材料よりも低い温度での熱接合(たとえばパウチを封止するため)を提供するだろう。
【0042】
実施例5:二成分PHA/PHA4DG(TM)フリース
別の実施形態において、最も好ましくは4DG(TM)断面を有する、二成分PHA繊維が形成されてもよい。繊維はPHAコアおよびPHA外鞘を含んでもよく、これはコアよりも低い融点を有してもよい。繊維形成の間、親水性繊維被膜が塗布されてもよい。あるいは、または加えて、繊維が不織フリース布に仕上げられている間、またはその後に、親水性繊維被膜が塗布されてもよい。あるいは、または加えて、布被膜が塗布されてもよい。その後、布はP&Gリング・ロール・プロセスによって処理されてもよい。
【0043】
実施例6:二成分PHA/PLA4DG(TM)フリース
別の実施形態において、最も好ましくは4DG(TM)断面を有する、二成分PHA/PLA繊維が形成されてもよい。繊維はPHAコアおよびPLA外鞘を含んでもよく、これはコアよりも低い融点を有してもよい。繊維形成の間、親水性繊維被膜が塗布されてもよい。あるいは、または加えて、繊維が不織フリース布に仕上げられている間、またはその後に、親水性繊維被膜が塗布されてもよい。あるいは、または加えて、布被膜が塗布されてもよい。その後、布はP&Gリング・ロール・プロセスによって処理されてもよい。
【0044】
実施例7:二成分PLA/PHA4DG(TM)フリース
別の実施形態において、最も好ましくは4DG(TM)断面を有する、二成分PLA/PHA繊維が形成されてもよい。繊維はPLAコアおよびPHA外鞘を含んでもよく、これはコアよりも低い融点を有してもよい。繊維形成の間、親水性繊維被膜が塗布されてもよい。あるいは、または加えて、繊維が不織フリース布に仕上げられている間、またはその後に、親水性繊維被膜が塗布されてもよい。あるいは、または加えて、布被膜が塗布されてもよい。その後、布はP&Gリング・ロール・プロセスによって処理されてもよい。
【0045】
実施例8:二成分レーヨン4DG(TM)フリース
別の実施形態において、最も好ましくは4DG(TM)断面を有する、二成分繊維が形成されてもよい。繊維はレーヨンコアおよび生分解性の外鞘(たとえば繊維結合剤およびパウチシーラーの役割を果たすように構成された、PHA、PLA、および/またはその他の生分解ポリマーのうちの1つ以上を含む)を含んでもよく、この外鞘材料はコアよりも低い融点を有してもよい。繊維形成の間、親水性繊維被膜が塗布されてもよい。あるいは、または加えて、繊維が不織フリース布に仕上げられている間、またはその後に、親水性繊維被膜が塗布されてもよい。あるいは、または加えて、布被膜が塗布されてもよい。その後、布はP&Gリング・ロール・プロセスによって処理されてもよい。
【0046】
実施例9:生分解レーヨンフリース
別の実施形態において、レーヨン繊維が形成されて不織フリース布に仕上げられてもよい。フリース布への仕上げの最中に、より生分解性の高いポリマー繊維(たとえば所望の融解温度範囲に基づいて繊維結合剤および/またはパウチシーラーの役割を果たすように構成された、PHA、PLA、および/またはその他の生分解ポリマーのうちの1つ以上を含む)にレーヨンが組み込まれてもよい。他の実施例のように親水性被膜および/または布被膜が材料に塗布されてもよい。繊維をフリース布にする処理の後、布はP&Gリング・ロール・プロセスによって処理されてもよい。
【0047】
実施例10:生分解被膜レーヨンフリース
別の実施形態において、伝統的な方法を用いてレーヨンフリース材が形成されてもよい。たとえば繊維結合剤およびパウチシーラーの役割を果たすように構成された、PHA、PLA、PCL、PCL+デンプン、および/または生分解ポリマーのうちの1つ以上を含む親水性被膜を形成するために、生分解外被膜が塗布されてもよい。外被膜材料は、コアよりも低い融点を有するように構成されてもよい。その後、布はP&Gリング・ロール・プロセスによって処理されてもよい。
【0048】
スヌース製品およびその構成要素の様々な成分の記載は、参照により本明細書に組み込まれる、Lundinらの米国特許出願公開第2004/0118422号明細書にも明記されている。たとえば、各々が参照により本明細書に組み込まれる。Lindenの米国特許第4,607,479号明細書、Nielsenの米国特許第4,631,899号明細書、Wydickらの米国特許第5,346,734号明細書、およびDerrの米国特許第6,162,516号明細書、ならびにHanssonらの米国特許出願公開第2005/0061339号明細書も参照されたい。参照により本明細書に組み込まれる、Kjerstadの米国特許第5,167,244号明細書に記載の代表的なタイプのパウチ、およびパウチ材料またはフリースも、参照されたい。スヌース製品は、Merz Verpackungmaschinen GmBHよりSB 51−1/T、SBL 50、およびSB 53−2/Tとして入手可能なものなどの設備を用いて製造されることが可能である。イタリアのG.D SpAもまたタバコ袋詰め設備を供給する。スヌースパウチは、個別のパウチとして、または複数のパウチ(たとえば2、4、5、10、12、15、20、25、または30個のパウチ)として供給されることが可能であり、単一のパウチまたは個別のポーションが使用のためにパウチの一体型ストランドまたはマトリックスから容易に取り外され得るように、互いに接続または結合(たとえば両端同士で)されることが可能である。
【0049】
本発明はまた、パウチのフリース材に対する様々な追加および変更も包含する。パウチに使用されるフリース材は、通常は不織材料である。挿入時にユーザの口中で生じるpHを制御すること、風味付け、またはフリースの着色など、多くの異なる目的を達成するために、その製造中の様々な時点でこれらの不織材料に液体、カプセル化製品、または粉末などの材料が組み込まれることが可能である。
【0050】
タバコ収容フリースパウチに使用されるものなどの不織布は、織られても編まれてもいない布である。これらは一般的に、ポリマー材料を連続フィラメントに押し出し成形し、その後メルトブローン、スパンボンド、またはスパンレイドなどのタイプの接合を提供することによって、作られる。不織布の製造に用いられる典型的な合成ポリマーは、ポリプロピレンおよびポリエステルである。その他のタイプの不織材料は通常、ステープル材料を形成するために押し出し成形されたフィラメントを小さい繊維に切り刻み、その後様々な方法で接合されることになるネットまたはウェブを形成するためにこれらを組み合わせることによって、製造される。たとえば、繊維は接着材を用いて、または結合剤材料を利用して、機械的に接合されることが可能である。一般的な2つの不織布は、ステープル不織布およびスパンレイド不織布である。
【0051】
ステープル不織布は2つのステップにおいて作られる。押出成形繊維が紡績され、数センチメートルの長さに切断され、束ねられる。束はコンベヤベルト上に散布され、ウェットレイド、ドライレイド、またはエアレイドプロセスによって、あるいはカーディングによって、繊維は均一なウェブ状に分散される。ステープル不織布はその後、通常は樹脂または熱接合を用いて、固着される。
【0052】
スパンレイド不織布は、1つの連続プロセスにおいて作られる。繊維が紡績されてからそらせ板によって直接ウェブ状に散布されるか、または空気流で方向付けられることが可能である。スパンレイド不織布は、樹脂によってまたは熱的に、接合される。
【0053】
膜および小繊維から開始してパターン化された孔を有するようにこれらを鋸歯化または真空成形するなど、不織布を製造するその他の方法もある。これらの方法は、当該技術分野において公知である。
【0054】
製造される不織布のタイプに応じて、いくつかの接合方法が使用されることも可能である。熱接合は不織布への熱の印加を含み、水流交絡はジェット水流によって繊維を機械的に絡ませることを含む。超音波パターン接合もまた利用可能であり、ニードルフェルトは針によって繊維を機械的に絡ませることを含む。繊維を化学的に接合させるためにラテックス乳剤または溶液ポリマーなどの結合剤を使用する、化学接合もまた可能である。化学接合はまた、他の非溶解性繊維を結びつけるために、軟化して溶解する結合剤繊維または粉末とともに使用されることも、可能である。あるタイプの綿ステープル不織布は、セルロースベースの繊維を丸めて互いの周囲で収縮させることによってマットを収縮接合させるために、水酸化ナトリウムで処理される。最後に、メルトブローンは、ウェブ成形中に互いに絡まり合う、空気によって軽減された繊維、ならびにこれらが成形されるときの一時的な粘性から、不織布が弱く接合されることを、意味する。
【0055】
特に濡れたときに芳香および/または風味を発することができる不織基材物質が製造可能であることは、知られている。このような不織基材およびこれを形成する方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Tharreauの米国特許出願公開第2004/0048532号明細書に明記されている。Tharreauの不織基材は、不織基材へのシクロデキストリン粒子の熱付着の段階を含むプロセスを通じて、形成されてもよい。結果的に得られた製品は、後に水で濡らされたときに、またはユーザの口中に配置されたときに、芳香および/または風味を発することができる。
【0056】
上述のように、多くの異なる添加物が、製造中の不織布に添加されることが可能である。たとえば、Robinsonらの米国特許出願公開第2008/0173317号明細書に明記されるように、冷蔵の必要性を伴わずに出荷および保管の間のpHレベルを維持するために、スヌース製剤において緩衝剤が一般的に使用される。これらの緩衝剤は通常、スヌースタバコ製剤自体に添加されるが、しかし本発明の本実施形態では、緩衝液は製造中の不織パウチ材料にも直接添加される。本方法の一実施形態において、緩衝液は、繊維からフィラメントへの押出成形の前にポリマー材料に添加される。代替実施形態において、押出成形された繊維は、押出成形後に緩衝液に浸漬される。これは通常、スヌース製剤の乾燥重量の約3〜12%の量だけスヌース製剤に添加される。Robinsonらの米国特許出願公開第2008/0173317号明細書に開示されるように、時間をかけて改善された緩衝特性は、約1:75から約1:80の割合で炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムを使用することによって得られるが、しかし1:20から最大1:99までの割合もまた有効である。
【0057】
口内感覚もまた、パウチによって成分がパウチからユーザの口中に吸い出される方法を変更することによって影響を受けるだろう。パウチは、パウチの特定の領域のみが透過性であり、そうして口腔からの吸収率を制御するように、構成されることが可能である。スヌースタバコ製品において口内感覚を制御する別の方法は、たとえば参照により本明細書に組み込まれるDoolittleらの米国特許出願公開第2010/0018540号明細書に記載されるように、ある形態の発泡性をタバコ自体またはスヌースのフリースパウチのいずれかに組み込むことである。
【0058】
いくつかのフリースのスヌースパウチは、時間とともに色が変化するかも知れない。特定の色(たとえば白色)を保持したいと望まれるパウチについては、エチルセルロースまたはニトロセルロースなどの添加剤が、不織材料に組み込まれてもよい。あるいは方法は、タバコと接触するパウチの面への輪転グラビア印刷を包含することができる。パウチはまた、アルキルケテンダイマー(CAS#144245−85−2)で被覆されることも可能である。タバコとパウチとの接触による色の変化を遅らせる別の方法は、2層の個別のフリースを使用することである。内側層は、タバコから外側層への着色料の繊維を遅延させるだろう。内側層は、タバコと外層との接触を防止するスペーサーの役割を果たすように構成された、より軽量な材料で作られることが可能であろう。内側層はまた、軽量な多孔紙、またはファインメッシュなどの異なる材料で作られることも可能である。
【0059】
スヌースパウチはまた、お茶タイプの飲料を作るために使用されることも可能である。たとえば、上述のもののようなスヌースパウチは、8オンスグラスのお湯または水に浸漬されることが可能である。パウチは、タバコ風味が水中に染み出せるように、一定時間だけ、水に浸漬または含浸させられる。すると、タバコ風味の飲料を楽しむことができる。
【0060】
本発明の別の実施形態は、艶または光沢を追加するため、ならびに風味を識別するために、染料およびインクなどの着色料を不織パウチ材料に添加することを、包含する。たとえば、シナモン風味のスヌースは赤い色合いのパウチを有することができ、ミント風味のスヌースは緑の色合いのパウチで供給されることが可能である。その他の風味および対応する色も考えられる。フリースはまた、「Camel」などのスヌースのタイプ、または「ミント」などの風味を識別するために、溶解性材料で印刷されることも可能である。加えて、インクおよび染料が、付加的な風味またはその他の物質を担持することも可能であろう。さらにポリマーは、可溶性および分解性などの特定の特性を提供するように変更されることが可能である。
【0061】
本明細書の実施形態にしたがったタバコ製品の製造に使用されるタバコは、様々である。タバコは、黄色種タバコ、バーレー種タバコ、オリエンタル種タバコ、メリーランドタバコ、ダークタバコ、ダーク・ファイヤード・タバコ、およびルスチカタバコ、ならびにその他の希少なまたは特殊なタバコなどのタイプのタバコを含む。様々なタイプのタバコ、栽培実例、収穫実例、および乾燥実例の記載は、参照により本明細書に組み込まれる、Davisら編集のTobacco Production,Chemistry and Technology(1999)に明記されている。また、各々が参照により本明細書に組み込まれる、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号明細書、Whiteらの米国特許第5,387,416号明細書、Dominguezらの米国特許第6,730,832号明細書、Lawsonらの米国特許第7,025,066号明細書、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0062549号明細書、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0186941号明細書、およびHumphreyの米国特許出願公開第2009/0025738号明細書に明記されるタバコのタイプも参照されたい。最も好ましくは、タバコ材料は、適切に乾燥および熟成されたものである。黄色種タバコを乾燥させるのに特に好ましい技術および条件は、参照により本明細書に組み込まれる、NestorらのBeitrage Tabakforsch.Int.,20(2003)467−475およびPeeleの米国特許第6,895,974号明細書に明記されている。タバコを空気乾燥するための代表的な技術および条件は、参照により本明細書に組み込まれる、RotonらのBeitrage Tabakforsch.Int.,21(2005)305−320およびStaafらのBeitrage Tabakforsch.Int.,21(2005)321−330に明記されている。また、Williamsの米国特許第6,834,654号明細書も参照されたい。
【0062】
R.J.Reynolds Tobacco CompanyのCamel Snus Frost、Camel Snus Original、およびCamel Snus Spiceの商品名で販売されているスヌースに使用されるものなどのタバコも使用可能である。通常、1%または1%未満のニコチン含有量を有するタイプのタバコがこれらの製剤に使用され、タバコ配合物の総ニコチン含有量は、タバコの乾燥重量の約2%近く、しばしばタバコの乾燥重量の1.5%未満、多くの場合はタバコの乾燥重量の0.5%から1.25%、そしてしばしばタバコの乾燥重量の1%以下である。
【0063】
タバコ製品の製造に使用されるタバコは、好ましくは刻み、挽き、粒状、微粒子状、または粉末形態で供給される。タバコ製品の製造に使用されるタバコはまた、その他の材料または原料とともに、加工、配合、調合、組み合わせ、または混合されることも可能である。たとえば、タバコ組成物は、塩、甘味料、結合剤、着色料、pH調整剤または緩衝剤、充填剤、着香料、分解助剤、酸化防止剤、保湿剤、および防腐剤を組み込むことができる。たとえば、各々が参照によって本明細書に組み込まれる、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0062549号明細書、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0186941号明細書、およびDubeらの米国特許出願公開第2008/0029110号明細書に明記されている、これら代表的な成分、成分の組み合わせ、これらの成分および原料のタバコに対する相対量、およびこれらの成分を利用する方式および方法を、参照されたい。たとえば、タバコ製品は、タバコ組成物および風味付けされたストリップまたは膜を含むパウチの形態;タバコ組成物、および微細に分割されたタバコの粒子および/またはタバコ抽出物(たとえば、タバコの噴霧乾燥水性抽出物の成分など)を組み込んだ風味付けストリップまたは膜を含むパウチの形態;あるいは微細に分割されたタバコの粒子および/またはタバコ抽出物を組み込んだ、高度に処理された溶解性膜の形態を、有することができる。通常、特定の実施形態について、無煙タバコの個別ポーションの1ポーションに含まれるタバコ材料の量は、乾燥重量を基準として、少なくとも約30mg、しばしば少なくとも約40mg、および多くの場合には少なくとも約45mgであってもよい;その一方で、この量は通常、約200mg未満、しばしば約150mg未満、および多くの場合には約100mg未満である。タバコ材料は、加工タバコパーツまたはピース、乾燥および熟成された本質的に天然の葉または茎形態のタバコ、タバコ抽出物、抽出済みタバコパルプ(たとえば溶剤として水を用いる)、または上記の混合物(たとえば、抽出済みタバコパルプと粒状化されて乾燥および熟成された天然タバコ葉とを組み合わせた混合物)の形態を有することができる。
【0064】
異なるタイプのタバコの配合物も使用されることが可能である。たとえば混合物は、黄色種タバコ75%と、バーレー、トルコ、ダーク空気乾燥、または希少な特殊タバコなど、その他のタイプのタバコ25%との配合物を含むことができる。もしくは、配合物は、黄色種など、1種類のタバコが100%であってもよい。
【0065】
製剤の消費者による使用の前のタバコ製剤の含水量は、様々であってもよい。通常、ユーザの口中に挿入される前のパウチに含まれた状態で、タバコ製剤の含水量は、約55重量%未満、一般的には約50重量%未満、およびしばしば約45重量%未満である。特定のタイプのタバコ製剤は、使用前に、約15重量%未満、多くの場合には約10重量%未満、およびしばしば5重量%未満の含水量を有する。スヌースタイプのタバコ組成物を組み込むものなど、特定のタバコ製品について、含水量は20重量%を超えてもよく、しばしば30重量%を超えてもよい。たとえば、代表的なスヌースタイプ製品は、約25重量%から約50重量%、好ましくは約30重量%から約40重量%の含水量を呈するタバコ組成物を保有してもよい。
【0066】
製剤の含水量が制御される方式は、様々であってもよい。たとえば製剤は、熱的または対流加熱に曝されてもよい。具体的な例として、製剤は、約40℃から約95℃、好ましくは約60℃から約80℃の温度範囲の暖められた空気で、所望の含水量を実現するために適切な時間だけ、オーブン乾燥されてもよい。あるいは、タバコ製剤は、ケーシングドラム、調整シリンダまたはドラム、液体噴霧装置、リボンブレンダ、Littleford Day,Inc.よりFKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000、およびFKM3000として入手可能なミキサ、犂先タイプのミキサシリンダなどを用いて、濡らされてもよい。最も好ましくは、スヌース製品内で利用されるタイプのタバコ製剤など、湿潤タバコ製剤は、低温殺菌または発酵を受ける。スヌースタイプのタバコ製品を低温殺菌または発酵する技術は、スヌース製品の設計および製造の分野の当業者にとって自明であろう。
【0067】
タバコ製剤の酸または塩基含有量は、これに特定のpHを付与する。本願において、「タバコのpH」とは、特定のpHレベルを提供するタバコの能力を指す。タバコ製剤のpHは様々である。通常、この製剤のpHは少なくとも約6.5、および好ましくは少なくとも約7.5である。通常、この製剤のpHは約9を超えず、しばしば約8.5を超えない。代表的なタバコ製剤は、約6.8から約8.2のpHを呈する。タバコ製剤のpHを判定する代表的な技術は、10mlの高性能液体クロマトグラフィ水に2gのこの製剤を分散し、結果的に得られた懸濁液/溶液を(たとえばpH計を用いて)測定することを、包含する。
【0068】
望ましければ、冷蔵の必要性を伴わずに出荷および保管の間のpHレベルを維持するために、スヌース製剤に緩衝剤が添加されることが可能である。過去には緩衝剤として炭酸ナトリウムのみが使用されてきた。これは通常、スヌース製剤の乾燥重量の約3〜12%の量だけスヌース製剤に添加される。成分の新しい組み合わせは時間をかけて改善される緩衝特性を提供し、後に記載される調整雰囲気包装と組み合わせられると、組み合わせは従来の冷蔵の必要性を伴わずに経時的なスヌース製剤のpHのいかなる大きな変化もほぼ排除することが、見いだされた。好適な緩衝製剤は、約1:75から約1:80の割合の炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムであるが、1:20から最大1:99の割合もまた有効である。
【0069】
このような緩衝剤が望ましい場合、製剤の含水量を約35〜36%にするために、スヌースタバコ配合物に水が添加される。たとえばスヌース製剤の乾燥重量の1.5%など、望ましいレベルの塩が添加されることも可能である。混合物は約212°F(100℃)で1時間低温殺菌される。混合物はその後、先に詳述された割合の炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムで作られた緩衝剤の溶液において、50%から55%の間の含水量にされる。緩衝剤は、スヌース製剤の乾燥重量の約7〜15%の量だけスヌース製剤に添加され、pHを約9〜9.5にする。スヌースはその後、pHが約8.0から8.3に下がるまで、約175〜185°Fで加熱される。
【0070】
二酸化炭素調整雰囲気包装と併用して炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝剤が呈するのと同じ相乗効果を呈することはないかも知れないが、その他の緩衝剤処方もまた考えられる。その他の緩衝剤処方は、2:3の割合の炭酸ナトリウムおよび炭酸水素アンモニウム、1:75の割合の水酸化カリウムおよび炭酸水素ナトリウム、1:75の割合の水酸化ナトリウムおよび炭酸水素カリウム、ならびに2:5:3の割合の水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウムを含む。これらの緩衝剤処方は、スヌース製剤の乾燥重量の約7〜15%の量だけ、上述のようなスヌース製剤に添加されることが可能である。
【0071】
望ましければ、タバコ製剤の調合に先立って、タバコパーツまたはピースは放射線照射されてもよく、あるいはこれらのパーツおよびピースは低温殺菌されてもよく、あるいは別途制御された熱処理を受けてもよい。加えて、望ましければ、製剤のすべてまたは一部の調合の後に、成分材料が放射線照射されてもよく、あるいはこれらの成分材料は低温殺菌されてもよく、あるいは別途制御された熱処理を受けてもよい。たとえば、製剤が調合された後、放射線照射または低温殺菌が続き、その後(1つまたは複数の)風味付け原料が製剤に適用されてもよい。あるいは、(たとえばスヌースタイプの無煙タバコ製品の個別容器を提供するように)タバコ製剤が透湿性パケットまたはパウチ内に組み込まれた後に、タバコ製剤が放射線照射または低温殺菌されることも可能である。
【0072】
通常、各個別ポーション中の(たとえば各スヌース・タイプ・パウチ中の)タバコ製剤の量は、少なくとも約50mg、しばしば少なくとも約150mg、および多くの場合には少なくとも約250mgの乾燥重量タバコ;ならびに約700mg未満、しばしば500mg未満、および多くの場合には約300mg未満の乾燥重量タバコが存在するようになっている。たとえば、スヌースタイプの無煙タバコ製品は、いわゆる「ポーションスヌース」の形態を有することができる。
【0073】
1つの例示的なスヌースタイプ製品は、約35重量%の含水量を有するタバコ製剤を約1g保有する;このタバコ製剤は、全長約30mm、幅約16mm、および高さ約5mmの封止されたフリースパウチに収容されており、このパウチの区画領域の長さは、このパウチの各末端における約2mmの封止のため、約26mmとなっている。別の例示的なスヌースタイプ製品は、約35重量%の含水量を有するタバコ製剤を約0.5g保有する;このタバコ製剤は、全長約26mm、幅約12mm、および高さ約5mmの封止されたフリースパウチに収容されており、このパウチの区画領域の長さは、このパウチの各末端における約2mmの封止のため、約22mmとなっている。
【0074】
本発明の請求範囲を逸脱することなく、本実施形態に広範な変更がなされ得ることは、特筆すべきである。したがって、上記の詳細な説明は、限定的ではなくむしろ例示的であると見なされること、ならびに本発明の精神および範囲を定義するように意図されるのは、全ての同等物を含む、以下の請求項であることが、意図される。
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