(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の血流信号及び前記第1の低解像度組織構造画像信号を、前記複数の半径方向走査線の付加的な半径方向走査線から受信された前記複数の第2の血流信号と共に処理して、前記血流速度画像を生成する段階は、前記複数の半径方向走査線のうちの第1の半径方向走査線の該第1の血流信号と、該複数の半径方向走査線のうちの該第1の半径方向走査線に隣接する少なくとも1つの半径方向走査線の該複数の第2の血流信号のうちの少なくとも1つと、の間の位相差に基づいて、該血流速度画像を形成する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
前記第1の血流信号及び前記第1の低解像度組織構造画像信号を、前記複数の半径方向走査線の付加的な半径方向走査線から受信された前記複数の第2の血流信号と共に処理して、前記血流エネルギ画像及び前記低解像度構造エネルギ画像を生成する段階は、計算された相互相関係数の振幅に少なくとも部分的に基づいて該血流エネルギ画像及び該低解像度構造エネルギ画像を生成する段階を含むことを特徴とする請求項3に記載のコンピュータ可読媒体。
前記合成画像ピクセルを生成するために、前記高解像度組織構造画像の対応するピクセル又は前記血流画像の対応するピクセルを使用するかを判断する段階は、血流が該血流画像の該対応するピクセルに検出される時に、該血流画像の該対応するピクセルを用いて該合成画像ピクセルを生成する段階を含むことを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、患者の中に挿入可能な撮像システム、並びに撮像システムを製造及び使用する方法の分野に関する。本発明はまた、患者組織及び血流の両方を同時に撮像し、画像を組み合わせて合成画像を形成するように構成かつ配置された回転変換器を有する撮像システム、並びに回転変換器及び撮像システムを製造及び使用する方法に関する。
【0013】
本明細書に説明する方法、システム、及びデバイスは、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に説明する実施形態に限定されるように解釈すべきではない。従って、本明細書に説明する方法、システム、及びデバイスは、完全ハードウエア実施形態、完全ソフトウエア実施形態、又はソフトウエア及びハードウエア態様を組み合わせた実施形態の形態を取ることができる。本発明に説明する方法は、プロセッサを含むコンピュータのようなあらゆるタイプのコンピュータデバイス又は各デバイスが処理の少なくとも一部を実施するあらゆる組合せのコンピュータデバイスを使用して実施することができる。
【0014】
好ましいコンピュータデバイスは、典型的に大容量メモリを含み、典型的にデバイス間の通信を含む。大容量メモリは、ある一定のタイプのコンピュータ可読媒体、つまりコンピュータストレージ媒体を含む。コンピュータストレージ媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータのような情報を格納するためのあらゆる方法又は技術に実施される揮発性、不揮発性、取外し可能、及び取り外し不能媒体を含むことができる。コンピュータストレージ媒体の例は、望ましい情報を格納するのに使用することができてコンピュータデバイスによってアクセス可能なRAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学式メモリ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク格納又は他の磁気格納デバイス、又はいずれかの他の媒体を含む。
【0015】
システムのデバイス又は構成要素間の通信の方法は、有線及び無線(例えば、RF、光学式、又は赤外線)通信方法の両方を含むことができ、このような方法は、別のタイプのコンピュータ可読媒体、つまり通信媒体を提供する。通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを搬送波、データ信号、又は他の輸送機構のような変調データ信号に具現化し、かつあらゆる情報送出媒体を含む。用語「変調データ信号」及び「搬送波信号」は、情報、命令、及びデータなどを信号で符号化するような方式で設定又は変化させたその特性の1つ又はそれよりも多くを有する信号を含む。一例として、通信媒体は、ツイストペア、同軸ケーブル、光ファイバ、導波管、及び他の有線媒体のような有線媒体、並びに音響、RF、赤外線、及び他の無線媒体のような無線媒体を含む。
【0016】
好ましい血管内超音波(「IVUS」)撮像システムは、以下に限定されるものではないが、患者に経皮挿入するように構成かつ配置されたカテーテルの遠位端に配置された1つ又はそれよりも多くの変換器を含む。カテーテルを有するIVUS撮像システムの例は、例えば、米国特許第7,246,959号明細書、米国特許第7,306,561号明細書、及び米国特許第6,945,938号明細書、並びに米国特許出願公開第2006/0100522号明細書、米国特許出願公開第2006/0106320号明細書、米国特許出願公開第2006/0173350号明細書、米国特許出願公開第2006/0253028号明細書、米国特許出願公開第2007/0016054号明細書、及び米国特許出願公開第2007/0038111号明細書に見出され、それらの特許の全ては本明細書において引用により組み込まれている。
【0017】
図1は、IVUS撮像システム100の一実施形態を概略的に示している。IVUS撮像システム100は、制御モジュール104に結合可能なカテーテル102を含む。制御モジュール104は、例えば、プロセッサ106、パルス発生器108、駆動ユニット110、及び1つ又はそれよりも多くのディスプレイ112を含むことができる。少なくとも一部の実施形態において、パルス発生器108は、カテーテル102に配置された1つ又はそれよりも多くの変換器(
図3の312)に入力することができる電気パルスを形成する。
【0018】
少なくとも一部の実施形態において、駆動ユニット110からの機械的エネルギは、カテーテル102に配置された撮像コア(
図3の306)を駆動するのに使用することができる。少なくとも一部の実施形態において、1つ又はそれよりも多くの変換器(
図3の312)から送信された電気信号は、処理するためにプロセッサ106に入力することができる。一部の実施形態において、1つ又はそれよりも多くの変換器(
図3の312)からの処理電気信号は、1つ又はそれよりも多くのディスプレイ112上に1つ又はそれよりも多くの画像として表示することができる。例えば、スキャンコンバータを使用して、1つ又はそれよりも多くの画像を1つ又はそれよりも多くのディスプレイ112上に表示するように走査線サンプル(例えば、半径方向走査線サンプルなど)を2次元直交格子にマップすることができる。
【0019】
少なくとも一部の実施形態において、プロセッサ106はまた、制御モジュール104の他の構成要素の1つ又はそれよりも多くの機能を制御するのに使用することができる。例えば、プロセッサ106を使用して、パルス発生器108から送信された電気パルスの周波数又は持続期間のうちの1つ又はそれよりも多く、駆動ユニット110による撮像コア(
図3の306)の回転速度、駆動ユニット110による撮像コア(
図3の306)の引き戻しの速度又は長さ、又は1つ又はそれよりも多くのディスプレイ112上に形成された1つ又はそれよりも多くの画像の1つ又はそれよりも多くの特性を制御することができる。
【0020】
図2は、IVUS撮像システム(
図1の100)のカテーテル102の一実施形態の概略側面図である。カテーテル102は、細長い部材202及びハブ204を含む。細長い部材202は、近位端206及び遠位端208を含む。
図2では、細長い部材202の近位端206は、カテーテルハブ204に結合され、細長い部材の遠位端208は、患者への経皮挿入に対して構成かつ配置される。任意的に、カテーテル102は、洗浄ポート210のような少なくとも1つの洗浄ポートを形成することができる。洗浄ポート210は、ハブ204に形成することができる。ハブ204は、制御モジュール(
図1の104)に結合するように構成かつ配置することができる。一部の実施形態において、細長い部材202及びハブ204は、単一本体として形成される。他の実施形態において、細長い部材202及びカテーテルハブ204は、別々に形成され、その後互いに組み付けられる。
【0021】
図3は、カテーテル102の細長い部材202の遠位端208の一実施形態の概略斜視図である。細長い部材202は、縦軸線303及び内腔304を有するシース302を含む。撮像コア306は、内腔304に配置される。撮像コア306は、手動又は電気的のいずれかで回転可能なドライブシャフト310の遠位端に結合された撮像デバイス308を含む。1つ又はそれよりも多くの変換器312は、撮像デバイス308に装着されて音響信号を送信して受信するように使用することができる。シース302は、患者の中に挿入するのに適するあらゆる可撓性の生体適合性材料から形成することができる。好ましい材料の例は、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、プラスチック、螺旋状にカットしたステンレス鋼、及びニチノールハイポチューブなど、又はそれらの組合せを含む。
【0022】
好ましい実施形態(
図3に示すような)では、変換器312のアレイは、撮像デバイス308に装着される。代替的な実施形態において、単一変換器を使用することができる。あらゆる好ましい数の変換器312を使用することができる。例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、16、20、25、50、100、500、1000、又はそれよりも多くの変換器がある可能性がある。認識されるように、他の数の変換器を使用することもできる。複数の変換器312を使用する時に、変換器312は、例えば、環状配置又は矩形配置などを含むあらゆる好ましい配置に構成することができる。
【0023】
1つ又はそれよりも多くの変換器312は、印加された電気パルスを1つ又はそれよりも多くの変換器312の表面に及ぼす圧力歪みに変形することができる1つ又はそれよりも多くの公知の材料から形成することができ、逆も同じである。好ましい材料の例は、圧電セラミック材料、圧電複合材料、圧電プラスチック、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、メタニオブ酸鉛、及びフッ化ポリビニリデンなどを含む。他の変換器技術は、複合材料、単一結晶複合材、及び半導体素子(例えば、容量性マイクロマシン超音波変換器(「cMUT」)、又は圧電マイクロマシン超音波変換器(「pMUT」)など)を含む。
【0024】
1つ又はそれよりも多くの変換器312の表面に及ぼす圧力歪は、1つ又はそれよりも多くの変換器312の共振周波数に基づいて周波数の音響パルスを形成する。1つ又はそれよりも多くの変換器312の共振周波数は、1つ又はそれよりも多くの変換器312を形成するのに使用するサイズ、形状、及び材料の影響を受ける場合がある。1つ又はそれよりも多くの変換器312は、カテーテル102内で位置決めするのにかつ1つ又はそれよりも多くの選択方向に望ましい周波数の音響パルスを伝播するのに適するあらゆる形状で形成することができる。例えば、変換器は、円板状、ブロック形、矩形、及び長円形などとすることができる。1つ又はそれよりも多くの変換器は、例えば、方形切断、ダイス加工、及び充填、機械加工、及び微細加工などを含むあらゆる工程によって望ましい形状に形成することができる。
【0025】
例として、1つ又はそれよりも多くの変換器312の各々は、導電性音響レンズと音響的吸収性材料(例えば、タングステン粒子を有するエポキシ基板)から形成された導電性裏当て材料との間に挟まれた圧電材料の層を含むことができる。作動中に、圧電層は、裏当て材料及び音響レンズの両方によって電気的に励起され、音響パルスの放出を引き起こすことができる。
【0026】
1つ又はそれよりも多くの変換器312を使用して、周囲の空間の半径方向断面画像を形成することができる。次に、例えば、1つ又はそれよりも多くの変換器312がカテーテル102に配置され、患者の血管の中に挿入されると、1つ又はそれよりも多くの変換器312を使用して、血管及び血管を取り囲む組織の壁の画像を形成することができる。
【0027】
撮像コア306は、任意的に、カテーテル102の縦軸線303の周りで回転することができる。撮像コア306が回転すると、1つ又はそれよりも多くの変換器312は、異なる半径方向に(すなわち、異なる半径方向走査線に沿って)音響信号を放出する。例えば、1つ又はそれよりも多くの変換器312は、1回転当たり256半径方向走査線などのような規則的(又は不規則)な区分で音響信号を放出することができる。1回転当たりの他の数の半径方向走査線を代わりに放出することができることは理解されるであろう。
【0028】
十分なエネルギを有する放出音響パルスが、1つ又はそれよりも多くの組織境界のような1つ又はそれよりも多くの媒体境界に遭遇すると、放出音響パルスの一部分は、エコーパルスとして放出変換器に反射される。検出される十分なエネルギを有する変換器に達する各エコーパルスは、受信変換器において電気信号に変形される。1つ又はそれよりも多くの変形された電気信号は、プロセッサ106が、電気信号特性を処理し、送信された音響パルス及び受信されたエコーパルスの各々からの情報の集合に少なくとも部分的に基づいて撮像領域の表示可能画像を形成する制御モジュール(
図1の104)に送信される。少なくとも一部の実施形態において、撮像コア306の回転は、制御モジュール(
図1の104)に配置された駆動ユニット110によって駆動される。代替的な実施形態において、1つ又はそれよりも多くの変換器312は、所定位置に固定されて回転しない。その場合には、ドライブシャフト310は、代わりに、固定された1つ又はそれよりも多くの変換器312へ出入りする音響信号を反射する鏡を回転させることができる。
【0029】
1つ又はそれよりも多くの変換器312が、音響パルスを放出するカテーテル102の縦軸線303の周りで回転する時に、問題の血管及び血管を取り囲む組織の壁のような1つ又はそれよりも多くの変換器312を取り囲む領域の一部分の半径方向断面画像(例えば、断層撮影画像)を全体として形成する複数の画像を形成することができる。半径方向断面画像は、任意的に1つ又はそれよりも多くのディスプレイ112上に表示することができる。撮像コア306の少なくとも1つは、電気的又は手動のいずれかで回転させることができる。
【0030】
撮像コア306はまた、複数の断面画像を血管の縦方向長さに沿って形成することができるように、カテーテル102を挿入する血管に沿って縦方向に移動することができる。撮像手順中に、1つ又はそれよりも多くの変換器312は、カテーテル102の縦方向長さに沿って後退する(すなわち、引き戻す)ことができる。カテーテル102は、1つ又はそれよりも多くの変換器312の引き戻し中に後退することができる少なくとも1つの伸縮性部分を含むことができる。少なくとも一部の実施形態において、駆動ユニット110は、カテーテル102内の撮像コア306の引き戻しを駆動する。撮像コアの駆動ユニット110引き戻し距離は、例えば、少なくとも5cm、10cm、15cm、20cm、25cm、又はそれよりも長い距離を含むあらゆる好ましい距離とすることができる。カテーテル102全体は、カテーテル102とは独立して縦方向に移動する撮像コア306の有無に関わらず、撮像手順中に後退することができる。
【0031】
撮像コア306が回転しながら後退する時に、画像は、全体として血管に沿って連続螺旋形を形成する。ステッパモータを任意的に使用して、撮像コア306を引き戻すことができる。ステッパモータは、撮像コア306を短い距離で引き戻し、回転している状態又は回転していない状態のいずれでも、撮像コア306を別の短い距離で引き戻し、更に別の画像を捕捉する等々の前に、1つ又はそれよりも多くの変換器306が画像を捕捉するのに十分に長く停止することができる。
【0032】
1つ又はそれよりも多くの変換器312から異なる深さで生成された画像の品質は、例えば、帯域幅、変換器焦点、ビームパターン、並びに音響パルスの周波数を含む1つ又はそれよりも多くのファクタの影響を受ける場合がある。1つ又はそれよりも多くの変換器312から出力された音響パルスの周波数も、1つ又はそれよりも多くの変換器312から出力された音響パルスの浸透深さに影響を与える場合がある。一般的に、音響パルスの周波数が低下すると、患者組織内の音響パルスの浸透の深さは増大する。少なくとも一部の実施形態において、IVUS撮像システム100は、5MHzから100MHzの周波数範囲で作動する。
【0033】
1つ又はそれよりも多くの導体314は、変換器312を制御モジュール104(例えば、
図1参照)に電気的に接続することができる。その場合には、1つ又はそれよりも多くの導体314は、回転可能ドライブシャフト310の縦方向長さに沿って延びることができる。
【0034】
撮像コア308の遠位端208に装着された1つ又はそれよりも多くの変換器312を有するカテーテル102は、撮像される血管のような選択領域の選択部分から離れた部位において大腿動脈、大腿静脈、又は頸静脈のようなアクセス可能血管を通じて患者内に経皮的に挿入することができる。カテーテル102は、次に、患者の血管を通して選択血管の一部分のような選択撮像部位に進むことができる。
【0035】
血管壁及び周囲の組織、並びに構造体のような患者組織を撮像する時に、1つ又はそれよりも多くの変換器312がシース302の縦軸線303にほぼ垂直な方向に音響信号を向けるように撮像デバイス308を形成することが有利な場合がある。
図4は、次に、血管402に配置されるシース302に配置された撮像コア306の遠位端の一実施形態の概略側面図である。血管402は、シース302及び撮像コア306が配置される壁404及び内腔406を含む。血管402の内腔406内の血流は、一般的に矢印408によって示す方向にある。場合によっては、血流は、一般的に矢印408の方向と反対の方向にある可能性がある。
【0036】
シース302の縦軸線303は、血内腔406とほぼ平行である。ドライブシャフト310は、矢印410によって示すように、シース302の縦軸線303の周りで回転するように構成かつ配置される。
図4に示すように、1つ又はそれよりも多くの変換器312は、側方向きである。言い換えると、1つ又はそれよりも多くの変換器312の面は、面の法線がシース302の縦軸線303にほぼ垂直な方向414になる方向412にあるように向けられる。従って、1つ又はそれよりも多くの変換器312は、多くの場合、血管402の内腔406内からの血管壁404のような患者組織の撮像を助ける角度に配置される。1つ又はそれよりも多くの変換器312は、複数の半径方向走査線に沿って音響信号を送信及び受信しながら矢印410によって示すようにシース302の縦軸線303の周りで回転することができる。
【0037】
患者組織の撮像に加えて又はこの代わりに、IVUSシステム100は、血管402内で血流を測定する診断ツールとして使用することができる。1つ又はそれよりも多くの変換器312からの音響信号が、血管402の内腔406に沿って流れる赤血球のような移動する物体から反射される時に、静止物体(例えば、血管壁404、血管402の外部の組織、又は血液又はプラークのような血管402内の静止構造体など)と区別することができるドップラー周波数シフトが起こる場合がある。
【0038】
少なくとも一部の従来型のIVUSシステムは、固定位置及び向きに沿って(すなわち、単一半径方向走査線に沿って)連続又は反復音響信号送信により血流を視覚化する。例えば、変換器は、音響信号がシースの縦軸線と平行状態にある角度に沿って伝播するように、シースの遠位先端から前方に向けることができる。ドップラー周波数又は位相シフトは、固定半径方向走査線に沿って対応する受信されたエコー信号から導出することができる。単一半径方向走査線が連続撮像される時に、得られるドップラーシフトは、半径方向走査線に沿った速度トレースとして表示することができる。この撮像処理を繰り返すと、得られる2次元血流速度(又は血流エネルギ)を表示することができる。
【0039】
側方向き変換器(
図4を参照)は、典型的には、血流が側方向き変換器から音響信号送信の方向にほぼ垂直であるので血流の視覚化には使用されない。しかし、少なくとも一部の従来型のIVUSシステムは、組織(例えば、血管壁など)の撮像のために1つ又はそれよりも多くの前方向きドップラー変換器及び1つ又はそれよりも多くの別々の側方向き変換器を含むことにより、患者組織を撮像して血流を視覚化する。1つ又はそれよりも多くの前方向きドップラー変換器及び1つ又はそれよりも多くの側方向き変換器の両方を使用することは、両方の組の撮像器からの情報を組み合わせる合成画像を形成することを可能にする。例えば、前方向き変換器からの受信信号を使用して、側方向き変換器によって取得した2次元構造濃淡画像と共に同時に表示することができるドップラーストリップを形成することができる。場合によっては、血流撮像及び組織撮像は、同じ変換器を使用して別々に実施することができる。
【0040】
回転変換器は、通常、血流を視覚化するのには使用されない。変換器が撮像手順中に耐えず回転している時には、音響信号送信は、音響信号送信の正確に同じ半径方向走査線に沿って一貫しない可能性が大きい。一貫性なく位置決めされた半径方向走査線からの撮像により、望ましくない移動アーチファクトの形成を引き起こす場合がある。従って、1つ又はそれよりも多くの回転変換器を使用してドップラー撮像中に発生する移動アーチファクトを低減するような処理方法を開発することが有利であると考えられる。
【0041】
本明細書に説明するように、1つ又はそれよりも多くの回転可能変換器312を有するIVUS撮像システム100は、患者の構造体(例えば、血管壁404など)の断面画像を提供し、かつ血内腔406内の血流を視覚化するのに同時に使用することができる。任意的に、合成画像(例えば、断面又は縦方向など)は、構造画像及び視覚化血流(例えば、血流画像)から形成することができる。更に、処理方法は、IVUS撮像システム100と共に使用して、場合によっては血流を視覚化するように1つ又はそれよりも多くの回転変換器の使用から発生する移動アーチファクトを低減することができる。少なくとも一部の実施形態において、処理方法は、個々の半径方向走査線に沿った1つ又はそれよりも多くの回転可能変換器312からの複数の音響信号の送信を含むことができる。少なくとも一部の実施形態において、変換器の回転の速度は、隣接する半径方向走査線の重なりの量を増加させるように減少する。少なくとも一部の実施形態において、変換器から送信された音響信号の周波数が低減され、音響信号の順次送信間の時間量がより遅い流れに対して増加することを可能にする。
【0042】
少なくとも一部の実施形態において、受信されたエコー信号は、信号処理チャンネルを通過し、異なる情報を抽出する。異なる信号処理チャンネルの各々からの出力信号を使用して、流れる血液の存在を示す高解像度構造画像又は血流画像を生成することができる。血流画像は、1つ又はそれよりも多くの血流エネルギ画像又は1つ又はそれよりも多くの血流速度画像、又はその両方を含むことができる。少なくとも一部の実施形態において、血流マスクは、随伴低解像度構造エネルギ画像を含む。血流画像は、高解像度構造画像と組み合わせて合成画像を形成することができる。
【0043】
血流及び組織情報の両方を検出するために、音響信号が血管壁404又は全体的な血流408の方向のいずれにも垂直でない方向に送信されるように、シース302に対して1つ又はそれよりも多くの変換器312を傾けることが有益である場合がある。
図5は、次に、血管402に配置されるシース302に配置された撮像コア306の遠位端の一実施形態の概略側面図である。1つ又はそれよりも多くの変換器312は、1つ又はそれよりも多くの変換器312の面が、面の法線452がシース302の縦軸線303と角度Θ444をなす方向にあるように向けられるように、シース302の縦軸線303に対して傾斜し、ここで、角度Θ444は、ゼロ度よりも大きく、99度よりも小さい。角度Θ444は、例えば、5°から85°、10°から80°、15°から75°、20°から70°、25°から65°、30°から60°、35°から55°、40°から50°とすることができる。
【0044】
図5では、法線452は、側部方向/前方方向に示されている。代替的な実施形態において、法線452は、角度Θ444がシース302の縦軸線に対して90度よりも大きく180度よりも小さいように側部方向/後方方向に向けることができる。その場合には、角度Θ454は、例えば、95°から175°、100°から170°、105°から165°、110°から160°、115°から155°、120°から150°、125°から145°、130°から140°とすることができる。
【0045】
血流速度νが、シース302の縦軸線303に平行である時に、周波数f
0を有する純音の音響波は、音シフトΔf=f
0νcosθ/cを有する血流から反射することができ、式中cは、血液中の音の速度である。中心周波数f
0及びf
0の一部である帯域幅を有する2つの同一の音響信号が、時間分離Δtを有する1つ又はそれよりも多くの変換器312から送信される時に、対応する受信されたエコー信号は、位相差Δφ=2π・f
0Δt・νcosθ/cを有する。従って、位相シフトは、送信された音響信号の周波数及び音響信号の送信の間の時間分離の両方の関数である。従って、送信された音響信号の周波数及び音響信号の送信の間の時間分離の1つ又はそれよりも多くは、2πを超えない位相シフトの変動を有する画像を形成するように調節することができる。位相シフトと速度の間の1対1の補正を維持するために位相シフトが2πを超えるのを阻止することが有利である。
【0046】
典型的には、回転可能変換器312が撮像構造体(例えば、血管壁404)のために使用される時に、複数の送信/受信音響信号は、1つ又はそれよりも多くの変換器312がシース302の縦軸線303の周りで回転する時に、異なる方向に(例えば、異なる半径方向走査線に沿って)変換器312を出入りして伝播している。場合によっては、複数の送信/受信音響信号を異なる方向に位置決めすることができても、隣接送信/受信音響信号は、有意な量の重なりを有する可能性がある。上述のように、重なりの量は、変換器312の回転速度又は変換器312によって出力される音響信号の周波数などを調節することによって制御可能にすることができる。従って、血流撮像は、連続半径方向信号線送信の間の時間間隔及び隣接する半径方向走査線の間の音響信号空間重なりの適切な組合せを使用することにより、回転可能変換器312を使用して達成することができる。
【0047】
流れる血液を撮像する時に、第1の半径方向走査線に沿った第1の音響信号送信と隣接する半径方向走査線に沿った第2の音響信号送信との間の時間間隔は、典型的には、第1の音響信号が変換器から送信されるのにかかる時間よりも遥かに長く、赤血球から反射し、変換器によってエコー信号として受信される。従って、少なくとも一部の実施形態において、複数の第1の音響信号送信は、第1の半径方向走査線に沿って組み合わされて単一ベクトルを形成することができ、位相シフトは、第2の半径方向走査線に沿ってΔt時間後に得られる1つ又はそれよりも多くの第2の音響信号送信を用いて計算することができる。
【0048】
半径方向走査線に沿って受信されたエコー信号は、複数の異なる信号処理チャンネルに沿って通過することができる。エコー信号の群は、所定の半径方向走査線に沿って単一音響信号送信の結果として受信することができる。代替的に、エコー信号の群は、所定の半径方向走査線に沿った別々の音響信号送信の結果として受信することができる。複数の異なる信号処理チャンネルを各々使用して、半径方向走査線に沿って得られるエコー信号から異なる情報を抽出することができる。抽出情報を使用して、1つ又はそれよりも多くの表示可能画像を形成することができる。例えば、複数の異なる信号処理チャンネルを各々使用してエコー信号から別々に情報を抽出し、高解像度構造画像と高解像度構造画像と組み合わせて合成画像を形成することができる血流画像とを生成するのに使用する信号を形成することができる。血流画像は、血流エネルギ情報、血流速度情報、又は低解像度構造情報のうちの1つ又はそれよりも多くを含む信号を使用して形成することができる。
【0049】
受信されたエコー信号からの抽出情報を組み合わせて、あらゆる好ましい組合せの1つ又はそれよりも多くの画像にすることができる。血流画像は、任意的に、合成画像において、血流画像の個々のピクセルが、それらのピクセルが1つ又はそれよりも多くの閾値エネルギを超える時にのみ表示されるように限定することができる。1つ又はそれよりも多くの閾値エネルギレベルは、所定の値、又はユーザ定義の値、又はその両方とすることができる。
【0050】
図6は、半径方向走査線に沿って受信された入力エコー信号606から異なる情報を抽出するのに使用することができる3つの異なる信号処理チャンネル601−603の一実施形態の概略図である。受信されたエコー信号606は、半径方向走査線に沿って同時に又は順次送信された音響信号からのものとすることができる。受信されたエコー信号606が信号処理チャンネル601−603に沿って送信される時に、エコー信号606は、帯域通過フィルタ608を通過し、復調され610、かつローパスフィルタ612を通過する。
【0051】
図6では、信号処理チャンネル601は、エコー信号606を広帯域帯域通過フィルタ608a及び広帯域ローパスフィルタ612aを通過させることによって高解像度構造情報を抽出する。従って、信号処理チャンネル601の出力信号は、他の半径方向走査線から同様に処理された高解像度構造信号と組み合わせて高解像度構造画像を形成することができる。
【0052】
信号処理チャンネル602は、エコー信号606bを高周波狭帯域帯域通過フィルタ608b及び狭帯域ローパスフィルタ612bを通過させることによって血流情報を抽出する。従って、信号処理チャンネル602の出力信号を更に処理して使用し、血流画像を形成することができる。信号処理チャンネル603は、エコー信号606cを低周波狭帯域帯域通過フィルタ608c及び狭帯域ローパスフィルタ612cを通過させることによって低解像度構造組織情報を抽出する。従って、信号処理チャンネル603の出力信号を更に処理して使用し、信号処理チャンネル602の信号出力の片方として血流画像で使用することができる低解像度構造画像を形成することができる。
【0053】
図7に移ると、信号処理チャンネル602及び603から出力された信号は、他の半径方向走査線から出力された信号と組み合わされ、更に処理されて血流画像にすることができる。
図7は、血流エネルギ画像710、血流速度画像714、及び低解像度構造エネルギ画像716のような血流画像を生成するために信号プロセッサ700に入力される信号602及び603の一実施形態の概略図である。入力信号602及び603は、様々な組合せで他の半径方向走査線から同様に処理された信号と組み合わされて血流画像を形成し、これは、次に、高解像度構造画像と共に合成画像を形成するのに使用することができる。
【0054】
図7では、ハイパスフィルタ702を信号602に適用して静止構造の視覚化を低下させ、ローパスフィルタ704を信号603に適用して血流の視覚化を低下させる。任意的に、フィルタ702及び704は、半径方向深さに依存する可能性がある。少なくとも一部の実施形態において、フィルタ702及び704は、同じ深さのサンプルに対して半径方向走査線を横切っている。フィルタ702及び704はまた、回転による音響ビーム変動を補償するように設計することができる。相互相関係数706は、隣接する半径方向走査線に沿って得られ、望ましい時間間隔Δtによって分離された情報に基づいている。相互相関係数706は、部分的に、それらの対応する複素共役とのデータ点の点毎の乗算により計算することができる。少なくとも一部の実施形態において、ノイズ低減アルゴリズムを実施することができる(例えば、2次元平滑化など)。相互相関係数706の振幅708を使用して、血流エネルギ画像710を生成し、一方、隣接する半径方向走査線に沿って得られる情報の間の相変化(適切な換算係数による)712を使用して、血流速度画像714を生成する。随伴低解像度構造エネルギ画像716は、半径方向解像度及び角度位置に適合させるために同じ振幅処理ブロック708から生成することができる。
【0055】
図8に移ると、高解像度構造画像及び血流画像の両方が得られた状態で、画像を使用して合成画像を生成する。合成画像の各ピクセルセルに対して、高解像度構造画像の対応するピクセル又は血流画像の対応するピクセルを使用するか否かを判断する。
【0056】
少なくとも一部の実施形態において、血流マスクは、入力血流エネルギ画像及び随伴低解像度構造エネルギ画像に基づいて生成される。血流画像の各ピクセルに対して、血流が存在するか否かを判断する。少なくとも一部の実施形態において、血流マスクは、2値画像と考えることができ、ここで各ピクセルは、血流の存在を示す「1」値、又は血流が存在しないことを示す「0」値を有する。従って、合成画像の各ピクセルに対して、血流マスクは、ピクセルにおける血流の存在を示す「1」値、又はピクセルに血流が存在しないことを示す「0」値のいずれかを有することになる。血流マスクにおいて「0」値を有する全てのピクセルに対して、合成画像は、高解像度構造画像ピクセルのみを含むが、他のピクセルは、血流画像ピクセルのみ、又は高解像度構造画像ピクセル及び血流画像ピクセルの両方を含む合成画像ピクセルを含む。
【0057】
図8は、入力血流エネルギ画像及び随伴低解像度構造画像信号に基づいて血流マスクを生成し、血流マスク及び高解像度構造画像を使用して合成画像を生成するための技術の一実施形態の概略図である。
図8では、合成画像の所定のピクセルに対して、画像601、710、及び714の対応するピクセルに関連付けられた信号は、ピクセルセレクタ802に入力される。
【0058】
ピクセルセレクタ802は、組織リジェクタ806を使用して、血流が所定のピクセルに存在するか否かを判断する。血流が検出される時(例えば、「1」値)、入力血流画像ピクセルが出力される。そうでなければ、高解像度構造画像のピクセルが出力される。少なくとも一部の実施形態において、血流が検出される時に、出力画像は、血流画像ピクセル及び対応する高解像度構造画像ピクセルの組合せである。
【0059】
少なくとも一部の実施形態において、血流マスクの所定のピクセルに血流が存在するか否かの判断は、所定の閾値を超える信号710、714のレベル(例えば、エネルギレベル又は速度レベルなど)に基づいている。例えば、入力血流エネルギ画像信号710は、所定の閾値を超えるエネルギレベルを有し、又は入力血流速度画像信号714は、所定の閾値を超える速度レベルを有する。
【0060】
血流画像のピクセルが閾値レベルを超えるレベルを有する時に、血流画像(例えば、血流エネルギ信号、血流速度信号、又は低解像度構造画像のうちの1つ又はそれよりも多く)のピクセルは、合成画像上に表示されており、高解像度構造信号601は拒絶される。そうでなければ、高解像度構造信号601に対応するピクセルが表示されている。少なくとも一部の実施形態において、ピクセルセレクタ802は、利得セレクタ808を含む。利得セレクタ808は、所定の閾値を調節するのにユーザが使用することができる。
【0061】
少なくとも一部の実施形態において、構造画像は、グレースケールで形成される。一部の実施形態において、異なる色を使用して、構造画像の上に重ねるために異なる血流速度又はエネルギレベルを区別することができる。好ましい実施形態において、異なる色マップは、速度及びエネルギ表示に使用され、構造画像は、比較的広帯域の信号の振幅に対応する階調レベルで表示される。あらゆる好ましい色分けを血流画像と共に使用することができる。例えば、色速度画像は、血流速度を色で塗り分けることができ、色エネルギ画像は、血流エネルギを色で塗り分けることができ、色速度エネルギ画像は、血流速度又は血流エネルギ又は両方を色で塗り分けることができる。
【0062】
少なくとも一部の実施形態において、異なる透明度レベルは、血流マスクが「1」値を有する時に、血流画像のピクセルに割り当てることができる。例えば、血流マスクが特定のピクセルに対して「1」値(血流の存在を示す)を有する時に、ピクセルは、血流画像からの色及び灰色を組み合わせて合成画像上に表示することができる。少なくとも一部の実施形態において、透明度レベルは、ユーザによって選択される。
【0063】
合成画像の多くの異なる変形が達成可能である。少なくとも一部の実施形態において、合成画像の角度解像度は、開口合成を実施することによって改善することができる。少なくとも一部の実施形態において、高速及び低速血流は、複数の時間間隔速度及びエネルギ撮像からの結果を組み合わせることによって計算することができる。少なくとも一部の実施形態において、A線ドップラースペクトルトレースを表示することができる。少なくとも一部の実施形態において、流量計算を実施することができる。少なくとも一部の実施形態において、1つ又はそれよりも多くの強調(例えば、内腔強調など)を構造画像に適用することができる。
【0064】
図9A〜
図10Bは、異なる合成画像を形成するのに使用する高解像度構造画像及び血流画像のいくつかの例示的な実施形態を示している。同じデータセットを使用して、
図9A〜
図10Bの画像の各々を形成する。
図9Aは、左側に高解像度構造画像900及び右側に合成画像902の一実施形態の概略図である。高解像度構造画像900は、グレースケールで生成される。合成画像902は、血流速度信号から形成された血流画像904を含む。血流画像904は、色付きで生成され、高解像度構造画像900と組み合わされる。キー906は、血流の相対速度を異なる色として示している。合成画像902は、ピクセルセレクタ802の組織リジェクタ806を使用することなく形成される。
【0065】
図9Bは、左側に高解像度構造画像900及び右側に合成画像902’の一実施形態の概略図である。合成画像902’も、高解像度構造画像900と組み合わせた血流画像904を含む。しかし、
図9Bでは、合成画像902’は、血流マスクにおいて「0」値を有する血流画像904のピクセルを取り除くためにピクセルセレクタ802の組織リジェクタ806を使用して形成される。
【0066】
図10Aは、左側に血流エネルギ信号から形成された画像1002及び右側に低解像度構造エネルギ信号から形成された画像1004の一実施形態の概略図である。キー1006は、相対エネルギ強度を異なる色として示している。画像1002及び1004は、ピクセルセレクタ802の組織リジェクタ806を使用することなく形成される。
【0067】
図10Bは、左側に高解像度構造画像900及び右側に合成画像1008の一実施形態の概略図である。合成画像1008は、高解像度構造画像900と組み合わされた画像1002及び1004を含む血流画像を含む。
図10Bでは、合成画像1008は、血流マスクにおいて「0」値を有する血流画像のピクセルを取り除くためにピクセルセレクタ802の組織リジェクタ806を使用して形成される。
【0068】
図11は、血管内に配置された回転可能変換器を使用して受信された同じエコー信号から形成された高解像度構造画像と組み合わされた血流画像を含む合成画像を生成するための信号処理技術の一例示的実施形態の流れ図である。血流画像は、血流速度画像、血流エネルギ画像、及び低解像度構造画像のうちの1つ又はそれよりも多くを含む。段階1102では、エコー信号は、半径方向走査線から受信される。段階1104では、受信されたエコー信号は、エコー信号が濾過されて高解像度構造信号、血流信号、及び低解像度構造信号を形成する複数の信号処理チャンネルを通過する。段階1106では、高解像度構造信号は、他の半径方向走査線からの高解像度構造信号と組み合わされ、処理されて高解像度構造画像を形成する。段階1108では、血流信号及び低解像度構造信号は、更に処理されて血流画像を形成する。段階1110では、合成画像の各ピクセルに対して、血流が血流画像のピクセルに検出されるか否かに基づいて、高解像度構造画像の対応するピクセル又は血流画像の対応するピクセルを使用するか否かを判断する。任意的に、合成画像は、1つ又はそれよりも多くのディスプレイ(
図1の112)上に表示することができる。
【0069】
本明細書に開示した流れ図の各ブロック及び流れ図におけるブロックの組合せ、並びに組織分類器、撮像変換器、制御モジュール、システム、及び方法のいずれの部分も、コンピュータプログラム命令によって実施することができることは理解されるであろう。これらのプログラム命令は、本明細書に開示したプロセッサ上で実行される命令が流れ図の1つのブロック又は複数のブロックで指定され、又は組織分類器、撮像器、制御モジュール、システム及び方法に関して説明するアクションを実行するための手段を作成するように、機械を生成するためにプロセッサに提供することができる。コンピュータプログラム命令は、一連の作動段階がプロセッサによって実施されてコンピュータ実施処理を生成するように、プロセッサによって実行することができる。コンピュータプログラム命令はまた、作動段階の少なくとも一部を並行して実施させることができる。更に、段階の一部はまた、マルチプロセッサコンピュータシステムにおいて起こる場合があるように、1つよりも多いプロセッサにわたって実施することができる。更に、1つ又はそれよりも多くの処理は、他の処理と同時に又は本発明の範囲又は精神から逸脱することなく例示したものと異なる順序でも同じく実施することができる。
【0070】
コンピュータプログラム命令は、以下に限定されるものではないが、望ましい情報を格納するのに使用することができてコンピュータデバイスによってアクセス可能なRAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学式メモリ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクメモリ又は他の磁気格納デバイス、又はいずれかの他の媒体を含むあらゆる好ましいコンピュータ可読媒体に格納することができる。
【0071】
以上の仕様、実施例、及びデータは、本発明の構成物の製造及び用途の説明を提供するものである。本発明の多くの実施形態は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができるので、本発明はまた、以下に添付する特許請求の範囲に属するものである。