【実施例】
【0080】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0081】
<ポリエステルアミド、ポリエステルの製造>
まず、ポリマーの製造例を以下に示す。また、製造した各ポリマーのモノマー組成(モル%)及び融点を表1及び2に示す。
【0082】
(実施例1:液晶ポリエステルアミド(A)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1325.95g(9.6モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)120.94g(0.80モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)446.90g(2.40モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)186.07g(1.12モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)79.74g(0.48モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1629.36g(15.96モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0083】
アセチル化終了後、酢酸留出状態にした重合槽を0.5℃/分で昇温して、リアクター温度が305℃になったところで重合物をリアクター下部の抜き出し口から取り出し、冷却固化した。得られた重合物をホソカワミクロン株式会社製の粉砕機により目開き2.0mmの篩を通過する大きさに粉砕してプレポリマーを得た。
【0084】
次に、上記で得られたプレポリマー1000gを入江商会製固相重合装置に充填し、窒素を0.1Nm
3/hrの流速にて流通し、回転速度5rpmでヒーター温度を室温から150℃まで45分かけて昇温した後、250℃まで4時間かけて昇温し、更に終了温度である300℃まで3時間かけて昇温したのちに300℃で1時間保持し、固相重縮合を行った。こうして、粉末状のサーモトロピック液晶ポリエステルアミド(A)約970gを得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルアミド(A)の融点は325℃であった。
【0085】
(実施例2:液晶ポリエステルアミド(B)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1325.95g(9.60モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)193.50g(1.28モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)357.52g(1.92モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)132.90g(0.80モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)132.90g(0.80モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1577.90g(15.46モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0086】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は300℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は300℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステルアミド(B)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルアミドの融点は335℃であった。
【0087】
(実施例3:液晶ポリエステルアミド(C)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)441.98g(3.20モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)193.50g(1.28モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)297.94g(1.60モル)、ヒドロキノン(宇部興産株式会社製)387.59g(3.52モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)584.78g(3.52モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)212.65g(1.28モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.32g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.96gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1622.99g(15.90モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0088】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は310℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は320℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステルアミド(C)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルアミドの融点は360℃であった。
【0089】
(実施例4:液晶ポリエステルアミド(D)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1325.95g(9.60モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)120.94g(0.80モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)446.90g(2.40モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)137.74g(0.80モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)265.81g(1.60モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)132.90g(0.80モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.32gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1629.36g(15.96モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0090】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は310℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は310℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステルアミド(D)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルアミドの融点は340℃であった。
【0091】
(実施例5:液晶ポリエステルアミド(E)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1436.45g(10.40モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)120.94g(0.80モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)372.42g(2.00モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)119.61g(0.72モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)79.74g(0.48モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1629.36g(15.96モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0092】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は305℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は300℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステルアミド(E)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルアミドの融点は325℃であった。
【0093】
(実施例6:液晶ポリエステルアミド(F)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)220.99g(1.60モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)193.50g(1.28モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)297.94g(1.60モル)、ヒドロキノン(宇部興産株式会社製)475.68g(4.32モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)664.52g(4.00モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)265.81g(1.60モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.32g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.96gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1622.99g(15.90モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0094】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は310℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は320℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステルアミド(F)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルアミドの融点は350℃であった。
【0095】
(実施例7:液晶ポリエステルアミド(G)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1104.96g(8.00モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)423.28g(2.80モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)223.45g(1.20モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)550.98g(3.20モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)132.90g(0.80モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.32gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1414.97g(13.86モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0096】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は290℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は295℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステルアミド(G)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルアミドの融点は350℃であった。
【0097】
(比較例1:液晶ポリエステル(H)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1325.95g(9.60モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)595.87g(3.20モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)398.71g(2.40モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)132.90g(0.80モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1715.11g(16.80モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0098】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は310℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は320℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(H)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は355℃であった。
【0099】
(比較例2:液晶ポリエステル(I)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)441.98g(3.20モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)297.94g(1.60モル)、ヒドロキノン(宇部興産株式会社製)528.53g(4.80モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)717.68g(4.32モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)345.55g(2.08モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.32g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.96gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1764.12g(17.28モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0100】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は310℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は310℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(I)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は340℃であった。
【0101】
(比較例3:液晶ポリエステル(J)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1325.95g(9.60モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)595.87g(3.20モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)550.98g(3.20モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1715.11g(16.80モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0102】
次に製造例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は310℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は300℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(J)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は345℃であった。
【0103】
(比較例4:液晶ポリエステル(K)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1325.95g(9.60モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)595.87g(3.20モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)186.07g(1.12モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)79.74g(0.48モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1577.90g(15.46モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0104】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は310℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は295℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(K)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は335℃であった。
【0105】
(比較例5:液晶ポリエステル(L)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)441.98g(3.20モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)1191.74g(6.40モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)398.71g(2.40モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)398.71g(2.40モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.32g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.96gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1764.12g(17.28モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0106】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は310℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は300℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(L)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は325℃であった。
【0107】
(比較例6:液晶ポリエステルアミド(M)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1325.95g(9.60モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)48.37g(0.32モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)536.28g(2.88モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)186.07g(1.12モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)79.74g(0.48モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1680.81g(16.46モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0108】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は310℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は295℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステルアミド(M)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルアミドの融点は330℃であった。
【0109】
(比較例7:液晶ポリエステルアミド(N)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1325.95g(9.60モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)120.94g(0.80モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)446.90g(2.40モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)55.10g(0.32モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)345.55g(2.08モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)132.90g(0.80モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1629.36g(15.96モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0110】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は310℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は315℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステルアミド(N)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルアミドの融点は355℃であった。
【0111】
(比較例8:液晶ポリエステルアミド(O)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1325.95g(9.60モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)241.87g(1.60モル)、2,6−ナフタレンジオール(東京化成工業株式会社製)256.27g(1.60モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)265.81g(1.60モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1543.60g(15.12モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0112】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は300℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は295℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(O)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は320℃であった。
【0113】
(比較例9:液晶ポリエステルアミド(P)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1546.94g(11.20モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)120.94g(0.80モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)297.94g(1.60モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)132.90g(0.80モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1629.36g(15.96モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0114】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は300℃)プレポリマーを得た後、固相重合(終了温度は290℃)を行って、サーモトロピック液晶ポリエステルアミド(P)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルアミドの融点は330℃であった。
【0115】
(比較例10:液晶ポリエステルアミド(Q)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)110.50g(0.8モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)193.50g(1.28モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)297.94g(1.60モル)、ヒドロキノン(宇部興産株式会社製)519.72g(4.72モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)275.49g(1.60モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)677.81g(4.08モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)318.97g(1.92モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.32g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.96gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1622.99g(15.90モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0116】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は305℃)プレポリマーを得た後、偏光顕微鏡にて光学異方性を確認したが、400℃にて不融結晶が残り、均一液晶が得られなかった。
【0117】
(比較例11:液晶ポリエステルアミド(R)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1104.96g(8.00モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)193.50g(3.20モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)297.94g(1.60モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)550.98g(3.20モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)132.90g(0.80モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.16g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.48gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1372.09g(13.44モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0118】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は290℃)プレポリマーを得た後、偏光顕微鏡にて光学異方性を確認したが、400℃にて不融結晶が残り、均一液晶が得られなかった。
【0119】
(比較例12:液晶ポリエステルアミド(S)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)441.98g(3.20モル)、アセトアミノフェン(マリンクロッド社製)193.50g(1.28モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)297.94g(1.60モル)、ヒドロキノン(宇部興産株式会社製)387.59g(3.52モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)688.72g(4.00モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)132.90g(0.80モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル社製)265.81g(1.60モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.32g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.96gを仕込み、重合槽の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1622.99g(15.90モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
【0120】
次に実施例1と同様にして(取り出し時のリアクター温度は305℃)プレポリマーを得た後、固相重合を行ったが、途中で壁面に付着したため、液晶ポリエステルアミド(S)を得ることが出来なかった。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
表1及び2中、HBAはp−ヒドロキシ安息香酸、AAPは、アセトアミノフェノン、CHDAは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、BPは4,4’−ジヒドロキシビフェニル、HQはヒドロキノン、TPAはテレフタル酸、IPAはイソフタル酸を示す。
【0124】
ポリエステルアミド及びポリエステルの融点は、次の方法で測定した。
(融点の測定)
ポリエステルアミド及びポリエステルの融点は、セイコー電子工業(株)製の示差走査熱量計(DSC)により、リファレンスとしてα−アルミナを用いて測定した。このとき、昇温速度20℃/分で室温から420℃まで昇温してポリマーを完全に融解させた後、速度10℃/分で80℃まで降温し、更に20℃/分の速度で420℃まで昇温するときに得られる吸熱ピークの頂点を融点とした。
【0125】
ポリエステルアミド及びポリエステルの光学異方性については、次の方法で確認した。
(光学異方性の確認)
ジャパンハイテック(株)製の顕微鏡用冷却加熱ステージ10002型を備えたオリンパス(株)社製の偏光顕微鏡BH−2を用い、ポリエステル試料を顕微鏡加熱ステージ上にて加熱溶融させ、溶融時に100倍、200倍の倍率にて観察して光学異方性の有無を確認した。
【0126】
<樹脂組成物の製造>
(実施例8)
上記で得られた液晶ポリエステルアミド(A)100質量部に対して、ガラス繊維(オーウェンスコーニング(株)製、PX−1)50質量部、タルク(日本タルク(株)製、MSKY)15質量部、カーボンブラック(キャボット社製、REGAL 99)1.67質量部の割合で予め混合し、その混合物をエアーオーブン中で150℃にて2時間乾燥した。この乾燥した混合物を、シリンダー最高温度370℃に設定した二軸押出機(池貝鋼鉄(株)製、PCM−30)のホッパーに供給し、15kg/hrにて、溶融混錬して、液晶ポリエステルアミド樹脂組成物のペレットを得た。
【0127】
(実施例9〜14)
液晶ポリエステルアミド(A)に代えて液晶ポリエステルアミド(B)〜(G)をそれぞれ用いたこと以外は実施例8と同様の設備、操作方法により、液晶ポリエステルアミド樹脂組成物のペレットをそれぞれ得た。
【0128】
(比較例13〜17)
液晶ポリエステルアミド(A)に代えて液晶ポリエステル(H)〜(L)をそれぞれ用いたこと以外は実施例8と同様の設備、操作方法により、液晶ポリエステル樹脂組成物のペレットをそれぞれ得た。
【0129】
(比較例18〜21)
液晶ポリエステルアミド(A)に代えて液晶ポリエステルアミド(M)〜(P)をそれぞれ用いたこと以外は実施例8と同様の設備、操作方法により、液晶ポリエステルアミド樹脂組成物のペレットをそれぞれ得た。なお、液晶ポリエステルアミド(Q)〜(S)については、均一なポリマーが得られなかったので樹脂組成物のペレットを製造しなかった。
【0130】
【表3】
【0131】
<射出成形法による試験片の作製>
上記の実施例及び比較例で得られた樹脂組成物のペレットを、射出成形機(住友重機械工業(株)製、SG−25)を用いて、シリンダー最高温度360℃、射出速度100mm/sec、金型温度80℃で射出成形して、ASTM D638に準じた引張試験片を作製した。これを引張強さ、引張弾性率、及び引張伸びの測定用試験片とした。また、上記と同様の条件で射出成形を行って、ASTM D790に準じた曲げ試験片を作成し、曲げ強さ、曲げ弾性率、荷重たわみ温度(DTUL)及びアイゾット衝撃強度の測定用試験片とした。
【0132】
上記で得られた各試験片について、下記の方法により、引張強さ、引張弾性率、引張伸び、曲げ強さ、曲げ弾性率、荷重たわみ温度(DTUL)及びアイゾット衝撃強度を測定した。結果を表3に示す。
【0133】
(引張強さ、引張弾性率、及び引張伸びの測定)
上記で作製した引張試験片を用い、ASTM D638に従い、引張強さ、引張弾性率及び引張伸びの測定を行った。
【0134】
(曲げ強さ、及び曲げ弾性率の測定)
上記で作製した曲げ試験の試験片を用い、ASTM D790に従い、曲げ強さ及び曲げ弾性率の測定を行った。
【0135】
(荷重たわみ温度の測定)
上記で作製した曲げ試験の試験片を用い、ASTM D648に従い、荷重たわみ温度(DTUL)の測定を行った。
【0136】
(アイゾット衝撃強度の測定)
上記で作製した曲げ試験片を用い、ASTM D256に従い、アイゾット衝撃強度(ノッチなし)の測定を行った。
【0137】
実施例8〜14及び比較例13〜21で得られた樹脂組成物を用いて射出成形した成形体のアイゾット衝撃強度と引張伸びとの関係を
図1に示す。また、実施例8〜14及び比較例13〜21で得られた成形体のアイゾット衝撃強度と引張強さとの関係を
図2に示す。
図1のエリアaは、アイゾット衝撃強度が60kJ/m
2以上、且つ、引張伸びが3.0%以上となる範囲を示す。また、
図2のエリアbは、アイゾット衝撃強度が60kJ/m
2以上、且つ、引張強さが110MPa以上となる範囲を示す。
【0138】
実施例8〜14の樹脂組成物は、上記エリアa及びエリアbの条件を満たすものであることが確認され、しなやかさ、靭性および強度がいずれも優れていることがわかった。また表3に示すようにDTULが240℃を超えており、耐熱性も十分である。
【0139】
一方、本発明に係る構成を有していない比較例13〜21の樹脂組成物は、しなやかさ、靭性および強度のバランスがとれないことがわかる。比較例13、14、19、20、21の樹脂組成物はアイゾット衝撃強度と引張伸びの両方が低く、靭性及びしなやかさがともに悪い。また、比較例15、16、18の樹脂組成物は、アイゾット衝撃強度と引張伸びはある程度高いが、引張強さが低く、靭性は有するが強度不足である。比較例17は、伸びはある程度あるが、アイゾット衝撃強度及び引張強さがともに低く、靭性も強度も不足している。
【0140】
<射出成形法による0.5mm厚曲げ強さ・曲げ変位試験片の作製>
上記の実施例及び比較例で得られた樹脂組成物のペレットを、射出成形機(住友重機械工業(株)製、SE30DU)を用いて、シリンダー最高温度360℃、射出速度100mm/sec、金型温度80℃で射出成形して、長さ40mm、幅13mm、厚み0.5mmの短冊状の試験片を成形した。これを0.5mm厚曲げ強さ・曲げ変位測定用試験片とした。
【0141】
<曲げ強さ、曲げ変位の測定>
上記で作製した0.5mm厚曲げ強さ・曲げ変位測定用試験片を用い、ASTM D790で規格されているような3点曲げ試験を実施した。ただし、ASTM D790からの変更点として、支点間の距離を25mm、試験速度を1.27mm/minとした。また、試験片破断までの最大曲げ強さを「曲げ強度」と定義し、破断までの圧子の動作幅を「曲げ変位」と定義した。結果を表4及び
図3に示す。
【0142】
【表4】
【0143】
表4及び
図3に示す結果から、本発明に係る液晶ポリエステルアミドを含む厚さ0.5mmの射出成形体は、破壊までの「曲げ変位」が大きく、また、破壊前の「曲げ強度」が大きく、靱性と強度を併せ持つことが分かる。