(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の吸収性物品では、ホットメルト接着剤が広範囲に亘って一様に塗布されるため、ホットメルト接着剤の使用量が多くなり、吸収性物品の製造コストが増大してしまう。また、吸収性物品の柔軟性向上に限界がある。
【0008】
一方、特許文献2ないし特許文献5の使い捨ておむつでは、粘着剤を塗布する際に、ノズルから短時間だけ粘着剤を吐出した後に吐出を停止し、再び、短時間だけ粘着剤を吐出することが繰り返される。このため、粘着剤の塗布制御が複雑化してしまう。また、吐出開始直後の粘着剤は安定して吐出することが困難であるため、螺旋状粘着剤の開始端に粘着剤の塊が落ちる等して粘着剤のムラが生じてしまう。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ムラの少ない接着剤層を有するシート部材を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、吸収性物品の製造に使用されるシート部材であって、シートと、前記シート上において第1の方向に伸びる接着剤層とを備え、前記接着剤層が、
糸状の接着剤が前記第1の方向に垂直な第2の方向に所定の振幅を有した状態で前記第1の方向に伸びる幅広部と、
糸状の接着剤が前記第2の方向に所定の振幅を有した状態、または、振幅を有しない状態で前記第1の方向に伸び、前記幅広部よりも前記第2の方向の幅が小さい幅狭部と、を連続して備え、前記接着剤層の幅が、糸状の前記接着剤の前記第2の方向における振幅の頂点間の距離であり、前記接着剤層の前記幅は、前記幅広部の端部において前記幅狭部に近づくに従って漸次減少する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシート部材であって、前記幅狭部が、前記第1の方向に伸びる直線状である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のシート部材であって、前記接着剤層が、複数の幅広部と複数の幅狭部とを前記第1の方向に連続して交互に備える。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のシート部材であって、前記複数の幅広部および前記複数の幅狭部の幅が前記第1の方向において漸次変化し、前記接着剤層において、複数の菱形のパターンが前記第1の方向に配列される。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載のシート部材であって、前記接着剤層と同様の構造を有するとともに前記接着剤層に隣接して前記第1の方向に伸びるもう1つの接着剤層をさらに備える。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のシート部材であって、前記接着剤層の前記複数の幅広部と前記もう1つの接着剤層の複数の幅狭部とがそれぞれ前記第2の方向に隣接し、前記接着剤層の前記複数の幅狭部と前記もう1つの接着剤層の複数の幅広部とがそれぞれ前記第2の方向に隣接する。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載のシート部材であって、前記接着剤層と同様の構造を有するとともに前記接着剤層に隣接して前記第1の方向に伸びるもう1つの接着剤層をさらに備え、前記接着剤層の前記複数の幅広部と前記もう1つの接着剤層の複数の幅広部とがそれぞれ前記第2の方向に隣接し、前記接着剤層の前記複数の幅狭部と前記もう1つの接着剤層の複数の幅狭部とがそれぞれ前記第2の方向に隣接する。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のシート部材であって、前記接着剤層により前記シートに接合されるもう1つのシートをさらに備える。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のシート部材であって、前記シートと前記もう1つのシートとの間に配置され、前記接着剤層により前記シートおよび前記もう1つのシートに接合される弾性部材をさらに備える。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のシート部材であって、前記接着剤層の前記幅広部が前記弾性部材が存在する領域に設けられ、前記幅狭部が前記弾性部材が存在しない領域に設けられる。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載のシート部材であって、前記シートと前記もう1つのシートとの間に配置され、前記接着剤層により前記弾性部材と共に前記シートに接合されるもう1つの弾性部材をさらに備える。
【0022】
請求項
12に記載の発明は、請求項1ないし
11のいずれかに記載のシート部材であって、前記幅広部における前記第1の方向の単位長さ当たりの前記接着剤の塗布量が、前記幅狭部における前記単位長さ当たりの塗布量よりも多い。
【0023】
請求項
13に記載の発明は、吸収性物品の製造に使用されるシート部材の製造方法であって、a)シートを準備する工程と、b)前記シート上において第1の方向に伸びる接着剤層を形成する工程とを備え、前記b)工程が、b1)接着剤を糸状にて前記第1の方向に垂直な第2の方向に振動させつつ前記第1の方向に向かって塗布することにより幅広部を形成する工程と、b2)前記接着剤を糸状にて前記第2の方向に振動させつつ前記第1の方向に向かって塗布する、または、前記第2の方向に振動させることなく前記第1の方向に向かって塗布することにより、前記幅広部に連続するとともに前記幅広部よりも前記第2の方向の幅が小さい幅狭部を形成する工程とを備え、前記接着剤層の幅が、糸状の前記接着剤の前記第2の方向における振幅の頂点間の距離であり、前記接着剤層の前記幅は、前記幅広部の端部において前記幅狭部に近づくに従って漸次減少する。
【0024】
請求項
14に記載の発明は、請求項
13に記載のシート部材の製造方法であって、前記b)工程において、前記b1)工程と前記b2)工程とが連続して交互に行われる。
【0025】
請求項
15に記載の発明は、請求項
14に記載のシート部材の製造方法であって、c)前記b)工程と並行して、または、前記b)工程よりも後に、前記接着剤層と同様の構造を有するとともに前記接着剤層に隣接して前記第1の方向に伸びるもう1つの接着剤層を形成する工程をさらに備える。
【0026】
請求項
16に記載の発明は、請求項
13ないし
15のいずれかに記載のシート部材の製造方法であって、f)前記接着剤層により弾性部材を前記シートに接合する工程と、g)前記f)工程と並行して、または、前記f)工程よりも後に、前記接着剤層により前記シートにもう1つのシートを接合する工程とをさらに備える。
【0027】
請求項
17に記載の発明は、請求項
13ないし
16のいずれかに記載のシート部材の製造方法であって、前記b1)工程および前記b2)工程における接着剤の塗布量が制御されることにより、前記幅広部における前記第1の方向の単位長さ当たりの前記接着剤の塗布量が、前記幅狭部における前記単位長さ当たりの塗布量よりも多くされる。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、ムラの少ない接着剤層を有するシート部材を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート部材である外装シートを備える吸収性物品1の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、吸収性物品1は、
図1中の上側の端部である上端に胴部開口11を有し、下部に一対の脚部開口12を有するパンツタイプの使い捨ておむつであり、着用者からの排泄物を受ける。
【0031】
図2は、吸収性物品1を展開した状態で着用者側から見た平面図である。
図2に示すように、吸収性物品1は、外装シート4、外装シート4上(すなわち、外装シート4の着用者側)に取り付けられて着用者からの排泄物を吸収する略シート状の吸収体20、および、吸収体20の長手方向(すなわち、
図2中における上下方向)の両側にて外装シート4上に接合されるとともに外装シート4との間に吸収体20の長手方向の端部を挟んで固定する2つのエンドシート5を備える。
【0032】
吸収性物品1では、
図2中の上側の部位が着用者の腹側の肌に位置し、
図2中の下側の部位が着用者の背側の肌に位置する。以下の説明では、吸収性物品の着用者の腹側および背側の肌に接する部位をそれぞれ、「前方部」および「後方部」と呼び、前方部と後方部との間で着用者の股間部に対向する部位を「中間部」と呼ぶ。
【0033】
図1に示すように、吸収性物品1では、外装シート4が吸収体20と共に中間部にて折り曲げられ、中間部を下側に向けた際の前方部の左右両側の部位(すなわち、長手方向に垂直な左右方向の両側の部位)が、後方部の左右両側の部位にそれぞれ接合されることにより、前方部および後方部の上端に胴部開口11が形成され、前方部および後方部の下側において中間部の左右に一対の脚部開口12が形成される。これにより、吸収性物品1がパンツ型に形成される。
【0034】
図3は、吸収性物品1を
図2中に示すA−Aの位置(すなわち、中間部)で切断した断面図である。
図3では、図示の都合上、吸収性物品1の各構成を離して描いている(
図4においても同様)。吸収体20は、略シート状の本体部2、および、本体部2の両側部上(すなわち、左右方向の両側)に配置されて本体部2の長手方向のおよそ全長に亘る一対のサイドシート3を備える。本体部2は、トップシート21、バックシート23、および、トップシート21とバックシート23との間に配置された吸収コア22を備える。
図2では、図の理解を容易にするために、吸収コア22の輪郭を太破線にて描いている。
図2に示すように、吸収コア22の長手方向の両端部における幅は、吸収コア22の長手方向の中央部における幅よりも大きくされる。換言すれば、吸収コア22は、いわゆる砂時計型とされる。
【0035】
図3に示すように、各サイドシート3は、サイドシート本体31、並びに、サイドシート本体31にホットメルト接着剤等により接合される弾性部材35を備える。弾性部材35は、サイドシート本体31の自由端に沿って接合される。
【0036】
図3に示すように、一対のサイドシート3はそれぞれ、長手方向の全長に亘って設けられた折り曲げ線39の一方側の部位である帯状の接合部33、および、折り曲げ線39の他方側の部位である側壁部34を備える。一対の接合部33は、本体部2の側方エッジ近傍において長手方向のおよそ全長に亘って本体部2の上側(すなわち、着用者側)にホットメルト接着剤を用いて接合される。一対の側壁部34は、折り曲げ線39である接合部33の左右方向の外側のエッジにて一対の接合部33から連続する部位であり、本体部2の両側部上において本体部2の長手方向のおよそ全長に亘って伸びる。
【0037】
一対の側壁部34はそれぞれ、長手方向における両端部において接合部33上に重ねられて熱融着接合または超音波接合により接合部33上に固定される。以下の説明では、側壁部34の接合部33上に固定される部位を「側壁端部341」といい、
図2では、図の理解を容易にするために、サイドシート3の側壁端部341に平行斜線を付している。また、一対の側壁部34はそれぞれ、
図2および
図3に示すように、長手方向における中央において2つの側壁端部341から連続するとともに本体部2から上側へと起立する起立部342を備える。側壁部34では、
図3に示す弾性部材35が収縮することにより起立部342にギャザーが形成される。
【0038】
図4は、吸収性物品1を
図2中に示すB−Bの位置で切断した断面図である。
図3および
図4に示すように、外装シート4は、第1外装シート41、および、第1外装シート41の下側(すなわち、着用者とは反対側)にて第1外装シート41に積層される第2外装シート42を備え、
図4に示すように、第2外装シート42の長手方向の両端部は上側(すなわち、着用者側)に折り返されて第1外装シート41上に接合されたエンドシート5上に接合される。
【0039】
外装シート4は、第1外装シート41と第2外装シート42との間、または、長手方向の両端部で折り返されて2層構造となっている第2外装シート42の間に配置される複数の(本実施の形態では、6本)脚部弾性部材43、および、複数の(本実施の形態では、26本)胴部弾性部材44を備える。
図2および
図4に示す脚部弾性部材43および胴部弾性部材44は、第2外装シート42上において左右方向に伸びる接着剤層(後述)により、伸張状態にて第1外装シート41および第2外装シート42に接合される。当該接着剤層は、ホットメルト接着剤により形成される。
【0040】
吸収性物品1では、脚部弾性部材43が収縮することにより第1外装シート41および第2外装シート42が収縮されてレッグギャザーが形成される。また、胴部弾性部材44が収縮することにより胴部ギャザーが形成される。第2外装シート42上には、エンドシート5および吸収体20のバックシート23がホットメルト接着剤等により接合される。
図4では、脚部弾性部材43や胴部弾性部材44の接合に利用されるホットメルト接着剤の図示を省略している。
【0041】
図3および
図4に示すトップシート21は、透液性のシート材料、例えば、親水性繊維により形成された不織布であり、着用者からの排泄物の水分を速やかに捕捉して吸収コア22へと移動させる。トップシート21として利用される不織布は、例えば、ポイントボンド不織布やエアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布であり、これらの不織布を形成する親水性繊維としては通常、セルロースやレーヨン、コットン等が用いられる。なお、トップシート21として、表面を界面活性剤により親水処理した疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン)にて形成された透液性の不織布が利用されてもよい。
【0042】
吸収コア22は、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維に粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))や高吸収性ファイバー等の高吸収性材料を混合したものをティッシュペーパーや透液性不織布等により包み込んで形成され、トップシート21を透過した水分を吸収して迅速に固定する。親水性繊維を包むティッシュペーパーや透液性不織布等は、親水性繊維および吸水性材料とホットメルト接着剤により接合されて、親水性繊維の型崩れ、および、吸水性材料の脱落(特に、吸水後における脱落)を防止する。本実施の形態では、吸収コア22はパルプ繊維およびSAPを含む。
【0043】
バックシート23としては、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルムが利用され、バックシート23に到達した排泄物の水分等が、本体部2の外側にしみ出すのを防止する。バックシート23にプラスチックフィルムが利用される場合、吸収性物品1のムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
【0044】
サイドシート本体31としては、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS不織布)が利用される。弾性部材35としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状または帯状の天然ゴム等が利用され、本実施の形態では、ポリウレタン糸が弾性部材35として利用される。また、エンドシート5としては、トップシート21と同様の素材やサイドシート本体31と同様の素材が利用される。
【0045】
外装シート4の第1外装シート41および第2外装シート42としては、バックシート23と同様に、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布やプラスチックフィルムが利用され、あるいは、これらの不織布とプラスチックフィルムとが積層された積層シートが利用される。プラスチックフィルムとしては、透湿性(通気性)を有するものが利用されることが好ましい。また、第1外装シート41および第2外装シート42として、トップシート21と同様に、親水性繊維により形成された不織布や親水処理した疎水性繊維にて形成された透液性の不織布が利用されてもよい。脚部弾性部材43および胴部弾性部材44としては、サイドシート3の弾性部材35と同様に、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状または帯状の天然ゴム等が利用され、本実施の形態では、ポリウレタン糸が脚部弾性部材43および胴部弾性部材44として利用される。
【0046】
次に、吸収性物品1の製造に使用されるシート部材の1つである外装シート4の製造について説明する。
図5および
図6は、外装シート4の製造の流れを示す図であり、
図7および
図8は、製造途上の外装シート4を示す平面図である。外装シート4が製造される際には、まず、
図7に示す第2外装シート42が準備される(ステップS11)。実際の外装シート4の製造では、複数の第2外装シート42が左右方向(すなわち、
図7中の左右方向)に連続した連続シート体が準備される。
【0047】
続いて、吸収性物品1の製造装置において、第2外装シート42を左右方向に移動しつつ第2外装シート42の上方にて左右方向に垂直な長手方向(すなわち、
図7中の縦方向であり、以下、「縦方向」ともいう。)に配列された複数のノズルから糸状のホットメルト接着剤が吐出されることにより、
図7に示すように、第2外装シート42の上面(着用者側の面)上において左右方向に伸びる複数の接着剤層45,46,47が形成される(ステップS12)。接着剤層45,46,47の形成に利用されるホットメルト接着剤としては、オレフィン系、ゴム系、EVA(Ethylene-Vinyl Acetate)系等のホットメルト接着剤が利用される。本実施の形態では、柔軟性が高いゴム系のホットメルト接着剤により接着剤層45,46,47が形成される。
なお、図7および図8に示す接着剤層45,46,47の形状は、本発明に関連する技術に係る。
【0048】
以下の説明では、接着剤層45,46,47を区別するために、それぞれ「第1接着剤層45」、「第2接着剤層46」および「第3接着剤層47」という。また、第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47を区別する必要がない場合は、まとめて接着剤層ともいう。なお、本実施の形態に係る吸収性物品1の製造装置では、複数の接着剤層がおよそ並行して形成されるが、複数の接着剤層の形成は必ずしも並行して行われる必要はなく、複数の接着剤層のうち一の接着剤層が形成された後、他の接着剤層が形成されてもよい。
【0049】
外装シート4は、縦方向(すなわち、第2外装シート42の長手方向)の両端部に配置される2個の第1接着剤層45、第2外装シート42の中間部(すなわち、縦方向の中央部)にて互いに隣接しつつ縦方向に配列される15個の第3接着剤層47、並びに、一方の第1接着剤層45と当該第1接着剤層45に最も近接して配置される第3接着剤層47との間の領域にて互いに隣接しつつ縦方向に配列される3個の第2接着剤層46、および、他方の第1接着剤層45と当該第1接着剤層45に最も近接して配置される第3接着剤層47との間の領域にて互いに隣接しつつ縦方向に配列される3個の第2接着剤層46を備える。換言すれば、第2外装シート42の前方部および後方部には、それぞれ3個の第2接着剤層46が配置される。
【0050】
各第1接着剤層45は、スパイラルスプレー塗工により形成され、糸状のホットメルト接着剤が左右方向に伸びる螺旋状に塗布されることにより形成された幅広部451、および、糸状のホットメルト接着剤が左右方向に伸びる直線状に塗布されることにより形成されるとともに幅広部451よりも縦方向の幅が小さい幅狭部452を備える。第1接着剤層45は、複数の幅広部451と複数の幅狭部452とを左右方向に連続して交互に備え、各幅広部451の左右方向の長さ、および、各幅狭部452の左右方向の長さはおよそ等しくされる。
【0051】
図6は、ステップS12における第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47の形成の詳細な流れを示す図である。第1接着剤層45の形成では、幅広部451は、左右方向の一方側から他方側へと移動する第2外装シート42に向けてノズルから糸状のホットメルト接着剤を吐出し、ノズルの吐出口の周囲に配置されたガス噴出口からホットメルト接着剤に向けて噴出されるガスの方向を制御して、ホットメルト接着剤を平面視においておよそ円を描くように左右方向および縦方向に振動させることにより形成される(ステップS121)。
【0052】
幅狭部452は、上記と同様に移動する第2外装シート42に向けてノズルから糸状のホットメルト接着剤を吐出し、ガス噴出口からのガスの噴出を停止することにより(あるいは、ホットメルト接着剤の吐出には影響のない方向へガスを噴出させることにより)、ホットメルト接着剤の左右方向および縦方向における振動を停止させて形成される(ステップS122)。
【0053】
そして、第1接着剤層45の幅広部451の形成(ステップS121)と幅狭部452の形成(ステップS122)とが、所定の回数だけ連続して交互に行われる(ステップS123)ことにより、第1接着剤層45が形成される。ここで、吸収性物品1の左右方向および縦方向をそれぞれ「第1の方向」および「第2の方向」と呼ぶと、幅広部451は、ホットメルト接着剤を糸状にて第1の方向および第2の方向に振動させつつ第2外装シート42上にて第1の方向に向かって塗布することにより形成される。また、幅狭部452は、ホットメルト接着剤を糸状にて第2の方向に振動させることなく第2外装シート42上にて第1の方向に向かって塗布することにより、幅広部451に連続して形成される。
【0054】
吸収性物品1の製造装置では、ステップS121およびステップS122におけるホットメルト接着剤の塗布量が制御されることにより、第1接着剤層45の形成において、幅広部451における左右方向の単位長さ当たりのホットメルト接着剤の塗布量が、幅狭部452における単位長さ当たりのホットメルト接着剤の塗布量よりも多くなるように制御される。より具体的には、幅広部451における単位長さ当たりの塗布量と幅狭部452における単位長さ当たりの塗布量との比が、幅狭部452における単位長さ当たりの塗布距離(すなわち、直線状のホットメルト接着剤の軌跡の長さであり、単位長さに等しい。)と幅広部451における単位長さ当たりの塗布距離(すなわち、螺旋状のホットメルト接着剤の軌跡の長さ)との比に等しくなるように制御が行われる。これにより、幅広部451および幅狭部452のいずれの位置においても、ホットメルト接着剤の線の太さがおよそ等しくなる。
【0055】
各第2接着剤層46は、第1接着剤層45と同様に、スパイラルスプレー塗工により形成され、糸状のホットメルト接着剤が左右方向に伸びる螺旋状に塗布されることにより形成された幅広部461、および、糸状のホットメルト接着剤が左右方向に伸びる直線状に塗布されることにより形成されるとともに幅広部461よりも縦方向の幅が小さい幅狭部462を備える。第2接着剤層46も、ステップS121〜S123に示す工程により形成された複数の幅広部461と複数の幅狭部462とを左右方向に連続して交互に備えており、幅広部461および幅狭部462の形成、並びに、幅広部461および幅狭部462の形成時におけるホットメルト接着剤の塗布量の制御は、上述の第1接着剤層45の形成と同様である。
【0056】
各第2接着剤層46では、各幅広部461の長さ、および、各幅狭部462の長さはおよそ等しくされる。縦方向に配列された3個の第2接着剤層46では、一の第2接着剤層46の複数の幅広部461と、当該一の第2接着剤層46に隣接する他の第2接着剤層46の複数の幅狭部462とがそれぞれ縦方向に隣接する。また、上記一の第2接着剤層46の複数の幅狭部462と、上記他の第2接着剤層46の複数の幅広部461とがそれぞれ縦方向に隣接する。換言すれば、複数の第2接着剤層46の幅広部461および幅狭部462が、いわゆる千鳥状に配置される。
【0057】
各第3接着剤層47は、第1接着剤層45および第2接着剤層46と同様に、スパイラルスプレー塗工により形成され、糸状のホットメルト接着剤が左右方向に伸びる螺旋状に塗布されることにより形成された幅広部471、および、糸状のホットメルト接着剤が左右方向に伸びる直線状に塗布されることにより形成されるとともに幅広部471よりも縦方向の幅が小さい幅狭部472を備える。第3接着剤層47も、ステップS121〜S123に示す工程により形成された複数の幅広部471および幅狭部472を左右方向に連続して交互に備えており、幅広部471および幅狭部472の形成、並びに、幅広部471および幅狭部472の形成時におけるホットメルト接着剤の塗布量の制御は、上述の第1接着剤層45の形成と同様である。
【0058】
図7中の最も上側および最も下側の第3接着剤層47では、左右方向の両端に幅広部461が設けられ、2つの幅広部461の間に比較的長い1つの幅狭部462が設けられる。また、
図7中の上側から6番目および7番目の第3接着剤層47ではそれぞれ、左右方向のおよそ中央に比較的長い1つの幅広部461が設けられ、1つの幅広部461の左右両側に幅狭部462が設けられる。その他の第3接着剤層47では、左右方向の両端近傍に幅広部461が設けられ、2つの幅広部461の間に比較的長い1つの幅狭部462が設けられるとともに、各幅広部461の左右方向の外側に1つの幅狭部462が設けられる。
【0059】
第2外装シート42上に第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47が形成されると、
図8に示すように、6本の脚部弾性部材43、および、26本の胴部弾性部材44が、伸張状態にて第2外装シート42上に配置され、第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47により接合される(ステップS13)。3本の脚部弾性部材43は、
図8中の上側の6個の第3接着剤層47のそれぞれの幅広部471に重なるように脚部開口のエッジに沿って配置され、3本の脚部弾性部材43に跨る幅広部471により第2外装シート42に接合される。
【0060】
また、他の3本の脚部弾性部材43は、
図8中の下側の9個の第3接着剤層47のそれぞれの幅広部471に重なるように脚部開口のエッジに沿って配置され、3本の脚部弾性部材43に跨る幅広部471により第2外装シート42に接合される。換言すれば、吸収性物品1では、第3接着剤層47の幅広部471は脚部弾性部材43が存在する領域(本実施の形態では、脚部弾性部材43が存在する領域のみ)に設けられ、幅狭部472は脚部弾性部材43が存在しない領域(本実施の形態では、脚部弾性部材43が存在しない領域のみ)に設けられる。
【0061】
第2外装シート42の前方部では、4本の胴部弾性部材44が第2外装シート42の上側のエッジに沿って配置され、第1接着剤層45により第2外装シート42に接合される。第1接着剤層45の複数の幅広部451はそれぞれ、4本の胴部弾性部材44を縦方向に横切っている。また、9本の胴部弾性部材44が左右方向に略平行に配置され、3個の第2接着剤層46により第2外装シート42に接合される。各第2接着剤層46の複数の幅広部461はそれぞれ、隣接する3本の胴部弾性部材44を縦方向に横切っている。
【0062】
第2外装シート42の後方部でも、前方部と同様に、4本の胴部弾性部材44が第2外装シート42の下側のエッジに沿って配置され、第1接着剤層45により第2外装シート42に接合される。第1接着剤層45の複数の幅広部451はそれぞれ、4本の胴部弾性部材44を縦方向に横切っている。また、9本の胴部弾性部材44が左右方向に略平行に配置され、3個の第2接着剤層46により第2外装シート42に接合される。各第2接着剤層46の複数の幅広部461はそれぞれ、隣接する3本の胴部弾性部材44を縦方向に横切っている。
【0063】
脚部弾性部材43および胴部弾性部材44が第2外装シート42に接合されると、脚部弾性部材43および胴部弾性部材44を間に挟んで、
図3および
図4に示す第1外装シート41(実際には、複数の第1外装シート41が左右方向に連続した連続シート体)が第2外装シート42の上面上に積層され、第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47により、第1外装シート41が第2外装シート42に接合されて外装シート4が形成される(ステップS14)。ステップS14は、第1外装シート41と第2外装シート42との間に配置された脚部弾性部材43および胴部弾性部材44が、第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47により第1外装シート41および第2外装シート42に接合される工程と捉えることもできる。
【0064】
なお、本実施の形態に係る吸収性物品1の製造装置では、第1外装シート41の第2外装シート42に対する接合(ステップS13)が、脚部弾性部材43および胴部弾性部材44の第2外装シート42に対する接合(ステップS14)よりも後に行われるが、第2外装シート42の上面上に対する脚部弾性部材43および胴部弾性部材44の配置と第1外装シート41の積層とがおよそ並行して行われることにより、ステップS13とステップS14とが並行して行われてもよい。
【0065】
以上に説明したように、吸収性物品1の外装シート4では、第2外装シート42上において左右方向に伸びる第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47がそれぞれ、幅広部451,461,471と幅狭部452,462,472とを連続して備えることにより、幅広部のみを断続的に形成する場合と異なり、各接着剤層の全長に亘ってホットメルト接着剤を安定的に吐出することができる。これにより、ムラの少ない所望の形状の接着剤層を有するシート部材である外装シート4を得ることができる。そして、当該シート部材を使用して製造される吸収性物品1において、接着剤層の厚さ等のムラによる着用感の低下を防止することができる。
【0066】
外装シート4では、第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47に幅狭部452,462,472が設けられることにより、接着剤層の全体が幅広部とされる場合に比べて、外装シート4の通気性および柔軟性を向上することができる。その結果、吸収性物品1の通気性および柔軟性を向上することができ、吸収性物品1の着用感を向上することができる。また、各接着剤層の幅狭部を左右方向に伸びる直線状とすることにより、幅広部と幅狭部との幅の差を大きくすることができる。これにより、外装シート4および吸収性物品1の通気性および柔軟性をより向上することができる。さらに、接着剤層では、複数の幅広部と複数の幅狭部とが左右方向に連続して交互に設けられる。これにより、第2外装シート42上において接着剤層が形成されない領域がおよそ均等に配置され、その結果、外装シート4において、外装シート4の通気性および柔軟性がおよそ均一に向上される。
【0067】
上述のように、外装シート4では、複数の接着剤層を縦方向に隣接させることにより、第2外装シート42上の広範囲に亘って接着剤層を設けることができる。これにより、第2外装シート42上に脚部弾性部材43、胴部弾性部材44および第1外装シート41を接合する場合に、広範囲に亘って強固に接合することができる。また、隣接する2つの接着剤層において、一方の接着剤層の幅広部が他方の接着剤層の幅狭部と縦方向に隣接し、一方の接着剤層の幅狭部が他方の接着剤層の幅広部と縦方向に隣接することにより、外装シート4の通気性および柔軟性の向上がより均一に行われる。
【0068】
外装シート4は、第2外装シート42上に接合される第1外装シート41を備える。これにより、外装シート4の引張強度等が向上され、吸収性物品1の装着時等における外装シート4の引っ張りによる破損等が抑制される。また、第1外装シート41と第2外装シート42との間に脚部弾性部材43および胴部弾性部材44が接合されることにより、外装シート4に伸縮性を容易に付与することができる。さらに、第3接着剤層47の幅広部471が脚部弾性部材43の存在する領域に設けられ、幅狭部452が脚部弾性部材43の存在しない領域(すなわち、非存在領域)に設けられることにより、脚部弾性部材43を第1外装シート41および第2外装シート42に強固に接合することができるとともに、脚部弾性部材43の接着が不要である領域(すなわち、略U字型の脚部弾性部材43の左右両側の部位に挟まれる領域)の通気性および柔軟性を向上することができる。外装シート4では、複数の脚部弾性部材43に跨って配置される幅広部471により、複数の脚部弾性部材43を第1外装シート41および第2外装シート42に容易に接合することができる。
【0069】
吸収性物品1の製造装置では、ホットメルト接着剤を糸状にて左右方向および縦方向に振動させつつ左右方向に向かって第2外装シート42に塗布することにより、幅広部を容易に形成することができる。また、接着剤層がスパイラルスプレー塗工により形成され、幅広部が螺旋状のホットメルト接着剤の線により形成されることにより、幅広部においてホットメルト接着剤の線を密に配置することができ、その結果、脚部弾性部材43や胴部弾性部材44を強固に接合することができる。さらに、ノズルからのホットメルト接着剤の吐出量が制御されて、幅広部における左右方向の単位長さ当たりのホットメルト接着剤の塗布量が、幅狭部における当該単位長さ当たりのホットメルト接着剤の塗布量よりも多くされることにより、幅広部と幅狭部とでホットメルト接着剤の線の太さのバラツキを低減することができる。
【0070】
図9は、
本発明に係る接着剤層の
形状の好ましい例を示す図である。
図9では、第2外装シート42の上端近傍の部位を拡大して描いており、第2外装シート42の上端には、
図7および
図8に示す第1接着剤層45とは形状が異なる第1接着剤層45aが設けられる。
図9に示すように、第1接着剤層45aの幅は、幅広部451の端部において幅狭部452へと近づくに従って漸次減少し、幅狭部452の端部において幅広部451へと近づくに従って漸次増大する。第1接着剤層45
aにおいて、幅が漸次減少(または漸次増大)する部位が形成される際には、ノズルから吐出されたホットメルト接着剤に向けて噴出されるガスの流量が徐々に小さく(または、大きく)される。このように、幅広部471と幅狭部472との境界は明瞭でなくてもよく、幅がおよそ広い部位を幅広部471、幅がおよそ狭い部位を幅狭部472と呼ぶ。
【0071】
吸収性物品1では、接着剤層の幅広部における外装シート4の厚さが幅狭部における外装シート4の厚さよりも僅かながら大きくなるが、上述のように、幅広部451と幅狭部452との間において第1接着剤層45aの幅を漸次変化させることにより、第1接着剤層45aにより生じる外装シート4の固さの変化を滑らかにすることができる。その結果、吸収性物品1の肌触りを良くすることができ、また、吸収性物品1の外観を良くすることもできる。
【0072】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るシート部材について説明する。
図10は、第2の実施の形態に係るシート部材であるポリマーシート4aを示す平面図である。ポリマーシート4aは、例えば、第1の実施の形態に係る吸収性物品1であるパンツタイプの使い捨ておむつを製造する際に、吸収体20の吸収コアとして、
図2に示す吸収コア22に代えて使用される。ポリマーシート4aは、また、着用者の腹側に当接する部位と背側に当接する部位とを腰回りで止着して着用するテープタイプの使い捨ておむつや補助吸収具等の吸収性物品の吸収コアとして使用されてもよく、あるいは、使い捨ておむつの交換時等に被介護者の身体の下に敷く吸収性物品である介護シートのシート本体として使用されてもよい。
【0073】
図11は、ポリマーシート4aを
図10中のC−Cの位置にて切断した断面図である。
図11に示すように、ポリマーシート4aは、透液性の不織布やプラスチックフィルム等により形成された第1シート41aおよび第2シート42a、第1シート41aと第2シート42aとを接合する複数(本実施の形態では、4個)の接着剤層48、並びに、第1シート41aと第2シート42aとの間において複数の接着剤層48の間の領域に配置される高吸収性材料49を備える。高吸収性材料49としては、粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))や高吸収性ファイバー等が利用され、本実施の形態では、粒状の高吸収性ポリマーが利用される。
図11では、図示の都合上、高吸収性材料49を実際よりも大きく描いている。また、
図10では、接着剤層48を細い実線にて描いている(
図13および
図17においても同様)。
【0074】
複数の接着剤層48はそれぞれ、
図10中の縦方向にて互いに隣接しつつ左右方向に伸びるとともに、糸状のホットメルト接着剤が左右方向に伸びる螺旋状に塗布されることにより形成された複数の幅広部481および複数の幅狭部482を備える。各接着剤層48では、複数の幅広部481および複数の幅狭部482が
図10中の左右方向において交互に、かつ、互いに連続して配置されている。
【0075】
接着剤層48の幅(すなわち、
図10中の縦方向の幅)は、幅広部481の左右方向の中心から幅狭部482へと近づくに従って漸次減少し、幅狭部482の左右方向の中心から幅広部481へと近づくに従って漸次増大する。このように、各接着剤層48において、複数の幅広部481および複数の幅狭部482の幅が左右方向において漸次変化することにより、複数の略菱形のパターンが左右方向に配列される。
【0076】
図10中の縦方向に配列された4個の接着剤層48では、一の接着剤層48の複数の幅広部481と、当該一の接着剤層48に隣接する他の接着剤層48の複数の幅広部481とがそれぞれ縦方向に隣接する。また、上記一の接着剤層48の複数の幅狭部482と、上記他の接着剤層48の複数の幅狭部482とがそれぞれ縦方向に隣接する。
【0077】
図12は、ポリマーシート4aの製造の流れを示す図である。ポリマーシート4aが製造される際には、まず、
図11に示す第2シート42aが準備され(ステップS21)、第2シート42a上に複数の接着剤層48が形成される(ステップS22)。接着剤層48の幅広部481および幅狭部482が形成される際には、ノズルから吐出されたホットメルト接着剤に向けて噴出されるガスの流量を連続的に徐々に大きくする、また、徐々に小さくすることが繰り返される。
【0078】
これにより、ホットメルト接着剤が糸状にて
図10中の左右方向および縦方向に振動しつつ第2シート42a上にて左右方向に向かって塗布されるとともに縦方向の振幅が変化し(左右方向の振幅も変化させてよい。)、左右方向に連続する複数の幅広部481および複数の幅狭部482が第2シート42a上に形成される。なお、本実施の形態では、複数の接着剤層48がおよそ並行して形成されるが、複数の接着剤層48の形成は必ずしも並行して行われる必要はなく、複数の接着剤層48のうち一の接着剤層48が形成された後、他の接着剤層48が形成されてもよい。
【0079】
接着剤層48の形成では、第1の実施の形態と同様に、幅広部481における左右方向の単位長さ当たりのホットメルト接着剤の塗布量が、幅狭部482における単位長さ当たりのホットメルト接着剤の塗布量よりも多くなるように制御される。これにより、幅広部481および幅狭部482のいずれの位置においても、ホットメルト接着剤の線の太さがおよそ等しくなる。
【0080】
接着剤層48の形成が終了すると、
図11に示すように、隣接する各2つの接着剤層48の間の領域に高吸収性材料49が配置された後(ステップS23)、4個の接着剤層48により第2シート42aに第1シート41aが接合される(ステップS24)。
【0081】
以上に説明したように、ポリマーシート4aでは、接着剤層48が幅広部481と幅狭部482とを連続して備えることにより、第1の実施の形態と同様に、接着剤層48の全長に亘ってホットメルト接着剤を安定的に吐出することができる。その結果、ムラの少ない所望の形状の接着剤層48を有するシート部材であるポリマーシート4aを得ることができる。
【0082】
接着剤層48では、複数の幅広部481と複数の幅狭部482とが
図10中の左右方向に連続して交互に配置されることにより、第1の実施の形態と同様に、接着剤層48により生じるポリマーシート4aの固さの変化を滑らかにすることができる。また、複数の幅広部481および複数の幅狭部482の幅が
図10中の左右方向において漸次変化し、複数の略菱形のパターンが左右方向に配列されることにより、接着剤層48により生じるポリマーシート4aの厚さの差をさらに緩和することができる。その結果、吸収性物品1の肌触りおよび外観をより良くすることができる。
【0083】
ポリマーシート4aでは、
図10中の縦方向に隣接する複数の接着剤層48が設けられ、隣接する2つの接着剤層48において、一方の接着剤層48の幅広部481が他方の接着剤層48の幅広部481と縦方向に隣接し、一方の接着剤層48の幅狭部482が他方の接着剤層48の幅狭部482と縦方向に隣接する。これにより、ポリマーシート4aにおいて、略菱形のホットメルト接着剤のパターンと、ホットメルト接着剤が塗布されていない略菱形の領域(すなわち、接着剤非存在領域)とがおよそ均等に配置される。その結果、ポリマーシート4aの通気性および柔軟性がおよそ均一に向上される。
【0084】
ポリマーシート4aでは、また、第1シート41aと第2シート42aとの間において、隣接する各2つの接着剤層48の間の領域(すなわち、上述の接着剤非存在領域)に高吸収性材料49が配置されることにより、接着剤非存在領域内にて高吸収性材料49が移動可能とされる。このため、ポリマーシート4aが使用される吸収性物品が着用者に装着される際に、ポリマーシート4aが着用者の身体に沿うように高吸収性材料49が接着剤非存在領域内において移動する。その結果、ポリマーシート4aが使用される吸収性物品を、着用者の身体に沿うように容易に変形することができる。
【0085】
図13は、ポリマーシートの他の例を示す平面図である。
図13に示すポリマーシート4bは、それぞれが
図10に示すポリマーシート4aの接着剤層48と同様の構造を有する4個の接着剤層48を備え、これらの接着剤層48は
図13中の縦方向に配列される。ポリマーシート4bでは、一の接着剤層48の複数の幅広部481と、当該一の接着剤層48に隣接する他の接着剤層48の複数の幅狭部482とがそれぞれ縦方向に隣接する。また、上記一の接着剤層48の複数の幅狭部482と、上記他の接着剤層48の複数の幅広部481とがそれぞれ縦方向に隣接する。
【0086】
ポリマーシート4bでは、複数の接着剤層48の間の領域に高吸収性ポリマーや高吸収性ファイバー等の高吸収性材料が配置されることにより、ポリマーシート4aと同様に、ポリマーシート4bが使用される吸収性物品を、着用者の身体に沿うように容易に変形することができる。また、ポリマーシート4bの通気性および柔軟性がおよそ均一に向上される。
【0087】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0088】
例えば、第1の実施の形態に係る吸収性物品1の製造では、
図8に示す第2外装シート42の中間部において、
図8中の上半分および下半分にそれぞれ3本の脚部弾性部材43が接合されるが、1本若しくは2本、または、4本以上の脚部弾性部材43がそれぞれ、中間部の上半分および下半分に接合されてもよい。
【0089】
また、吸収性物品1の製造では、
図7に示す第3接着剤層47の2つの幅広部471の間の長い幅狭部482の形成中に、ホットメルト接着剤の吐出が一旦停止され、当該幅狭部482の中央部にホットメルト接着剤が塗布されない領域が設けられてもよい。この場合、当該領域の左右両側の部位がそれぞれ、2つの幅狭部482、および、その間に配置された1つの幅広部481を備える接着剤層となる。
【0090】
吸収性物品1では、第1外装シート41にもホットメルト接着剤が塗布されてよい。例えば、第1外装シート41の下面(すなわち、第2外装シート42と対向する面)全体にスリットコート法等により塗布されたホットメルト接着剤と、第2外装シート42上の第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47とにより、第1外装シート41と第2外装シート42との接合が行われてもよい。また、第2外装シート42上では、第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47以外にも接着剤が塗布されてよく、例えば、第1接着剤層45、第2接着剤層46および第3接着剤層47の間の非塗布領域やこれらの接着剤層と重なる位置に他の接着剤が一様に塗布される。
【0091】
第2の実施の形態に係るポリマーシート4aでも同様に、第1シート41aの下面(すなわち、第2シート42aと対向する面)にホットメルト接着剤が塗布され、当該ホットメルト接着剤と第2シート42a上の接着剤層48とにより、第1シート41aと第2シート42aとの接合が行われてもよい。また、第2シート42a上では、接着剤層48以外にも接着剤が塗布されてよく、例えば、接着剤層48が形成されていない非塗布領域や接着剤層48と重なる位置に接着剤が一様に塗布される。
【0092】
ポリマーシート4aでは、高吸収性材料49は必ずしも全ての接着剤非存在領域に配置される必要はなく、少なくとも2つの接着剤層48の間の領域に配置されていればよい。また、高吸収性材料49は、接着剤層48上に配置されてもよく、例えば、第2シート42a上のおよそ全面に高吸収性材料49が均等に配置される。
【0093】
吸収性物品1やポリマーシート4aの各接着剤層は必ずしもスパイラルスプレー塗工により形成される必要はなく、他の塗工方法にて形成されてもよい。例えば、接着剤層48aの伸びる方向を第1の方向とし、第1の方向に垂直な方向を第2の方向とした場合、ホットメルト接着剤を糸状にて第1の方向および第2の方向に振動させつつ第1の方向に向かって塗布することにより、
図14に示すように、ホットメルト接着剤がΩ状に塗布されて幅広部481aが形成される。
なお、図14に示す接着剤層48aの形状は、本発明に関連する技術に係る。
【0094】
図15および
図16にそれぞれ示す接着剤層48b,48cでは、ホットメルト接着剤を糸状にて第2の方向に振動させつつ第1の方向に向かって塗布することにより、ホットメルト接着剤が正弦波状およびジグザグに塗布されて幅広部481b,481cが形成される。このように、接着剤層の形成では、ホットメルト接着剤を糸状にて少なくとも第2の方向に振動させつつ第1の方向に向かって塗布することにより幅広部が形成される。また、
図17に示す接着剤層48dでは、幅広部481dよりも第2の方向の幅が小さい幅狭部482dも、幅広部481dと同様に、ホットメルト接着剤を糸状にて第1の方向および第2の方向に振動させつつ第1の方向に向かって塗布することにより形成される。
なお、図15ないし図17に示す接着剤層48a〜48dの形状は、本発明に関連する技術に係る。
【0095】
吸収性物品1およびポリマーシート4aの各接着剤層が製造される際には、必ずしも、幅広部における単位長さ当たりのホットメルト接着剤の塗布量が、幅狭部における単位長さ当たりのホットメルト接着剤の塗布量よりも多くなるように制御される必要はなく、例えば、接着剤層の全長に亘って単位長さ当たりのホットメルト接着剤の塗布量が等しくされてもよい。また、各接着剤層を形成する接着剤は、必ずしもホットメルト接着剤には限定されず、他の種類の接着剤により上記接着剤層が形成されてもよい。
【0096】
上記実施の形態では、本発明に係るシート部材の例として第1外装シート41および第2外装シート42を備える2層構造の外装シート4、および、第1シート41aおよび第2シート42aを備える2層構造のポリマーシート4aを挙げているが、シート部材は必ずしも2層構造とされる必要はなく、また、外装シート4およびポリマーシート4a以外の様々な部材として様々な吸収性物品の製造に使用されてよい。
【0097】
例えば、シート部材は、
図18に示すように、第1の実施の形態に係る吸収性物品1の製造において、本体部2の両側部に接合されてサイドシート3となる。
図18に示すように、サイドシート3の側壁端部341には、本体部2の長手方向に連続する幅広部481および幅狭部482を有するとともに長手方向に伸びる接着剤層48eがホットメルト接着剤により形成され、当該接着剤層48eによりサイドシート3の側壁端部341が本体部2上に接合される。これにより、側壁端部341においてサイドシート3の一部を着用者側に起立させることができるとともに、当該起立した部位の高さを本体部2の長手方向の端部に向けて徐々に小さくすることができる。
【0098】
第1の実施の形態に係る吸収性物品1の製造装置では、幅広部と幅狭部とを有する接着剤層が、吸収体20と外装シート4との接合に利用されてもよい。当該接着剤層が外装シート4上に形成される場合、外装シート4または第1外装シート41が、本発明に係るシート部材のシートと捉えられる。一方、接着剤層が吸収体20の下面に形成される場合、吸収体20または本体部2のバックシート23がシート部材のシートと捉えられる。また、上記接着剤層は、エンドシート5と外装シート4との接合に利用されてもよく、この場合、外装シート4若しくは第1外装シート41、または、エンドシート5がシート部材のシートと捉えられる。