(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1から
図7を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
(センサネットワークシステム)
以下、
図1を参照して、本発明を用いたセンサネットワークシステム100について説明する。
図1は、センサネットワークシステム100の概略構成図である。
【0017】
図1に示すように、センサネットワークシステム100は、加速度センサ付きカトラリ110と、通信機能付端末120と、WAN130と、センターサーバー140と、ブラウザー機能付端末150と、を含む。
【0018】
加速度センサ付きカトラリ110は、
図3に示すように摂食動作測定装置200が柄51に取り付けられたカトラリ50である。加速度センサ付きカトラリ110は、加速度の測定機能およびデータの記憶機能を備える。
【0019】
なお、本明細書中で「カトラリ」とは、食物を保持または切断する際に用いる、柄を備えた器具を意味する。カトラリは、例えば、箸、スプーン、フォーク、ナイフである。
【0020】
加速度センサ付きカトラリ110は、ユーザがカトラリを用いて食事を行う間、カトラリの加速度を測定し、測定した加速度のデータ系列を記憶する。
【0021】
なお、本明細書中で「データ」とは、ある日時において測定されたある測定量(例えば、加速度)の値を意味する。「日時」は、日付や時間のみならず、年、月、分、および秒などで表される時刻を含んでよい。「データ」は、例えばある1方向の加速度のように、1成分でもよい。「データ」は、例えば複数の方向の加速度のように、多成分でもよい。本明細書中で「データ系列」とは、所定の時間間隔をおいて測定された複数のデータの配列を意味する。また、本明細書中では、ある測定日時において測定されたデータと測定日時の情報とが統合されて形成される1組の数値を、「日時付きデータ」と称することがある。また、本明細書中では、データ系列を構成する個々のデータに対応して測定された日時が統合されて形成される、複数組の数値の配列を、「時系列データ」と称することがある。
【0022】
図1に戻って、通信機能付端末120は、WAN130と接続可能な通信機能を備える。通信機能付端末120は、例えば、LTEや3Gを利用可能なスマートフォンや携帯電話、宅内ブロードバンドルーターを経由してインターネットに接続可能なパソコン、セットトップボックスなどの端末機器である。通信機能付端末120は、無線または有線を経由して、加速度センサ付きカトラリ110に接続する。通信機能付端末120は、加速度センサ付きカトラリ110が記憶する加速度のデータ系列を収集する。通信機能付端末120は、収集した加速度のデータ系列を、WAN130を経由して、センターサーバー140に送信する。
【0023】
WAN130は、通信機能付端末120、センターサーバー140、ブラウザー機能付端末150に接続可能な、広域ネットワークである。これにより、様々な地域で生活する複数のユーザから取得したデータ系列を、センターサーバー140に集約することができる。
【0024】
センターサーバー140は、ウェブサーバー機能を備える。センターサーバー140は、通信機能付端末120から送信された加速度のデータ系列を蓄積する。センターサーバー140は、加速度のデータ系列を摂食動作の情報へ変換する。センターサーバー140は、摂食動作情報に基づき、ユーザの健康状態を推定する。センターサーバー140は、ブラウザー機能付端末150からの要求に応じて、ユーザの摂食動作や健康状態の情報を、ブラウザー機能付端末150に送信する。
【0025】
ブラウザー機能付端末150は、ブラウザーを備える。ブラウザー機能付端末150は、WAN130を経由して、センターサーバー140にデータ送信の要求を行う。ブラウザー機能付端末150は、センターサーバー140からWAN130を経由して送信されたユーザの摂食動作や健康状態の情報を、ブラウザーに表示する。
【0026】
なお、本発明を用いたセンサネットワークシステムは、上述の例に限られない。例えば、配食事業者がユーザに食事を提供する場合は、センサネットワークシステム100のWAN130に、さらに配食事業者用サーバーが接続されていてもよい。配食事業者用サーバーは、例えば、食事のメニュー情報をセンターサーバー140へ送信する。これにより、メニュー情報を参照しながら加速度のデータ系列を分析できる。その結果、食事のメニュー毎に固有の摂食動作を、より正確に同定することができる。
【0027】
(摂食動作測定装置)
以下、
図2から
図6を参照して、本実施形態に係る摂食動作測定装置200の構成について説明する。
図2は、摂食動作測定装置200の構成を示す模式図である。
図3は、摂食動作測定装置200をカトラリ50に取り付けた状態を示す図である。
図4および
図5は、摂食動作測定装置200の変形例を示す模式図である。
図6は、摂食動作測定装置200のセンサ部210の構成を示す模式図である。
【0028】
図2に示すように、摂食動作測定装置200は、センサ部210と、取付け部220と、を含む。
【0029】
センサ部210は、取付け部220により、カトラリ50(
図3参照)に着脱自在に取り付けられる。
図3では、センサ部210を箸の柄に取り付けた例を示しているが、センサ部210が取り付けられるカトラリは箸に限定されない。カトラリ50は、例えば、スプーン、フォーク、ナイフであってもよい。
【0030】
センサ部210は、カトラリ50に対して着脱自在に取り付けられるため、摂食動作を測定する際に、ユーザが使い慣れたカトラリを用いることができる。その結果、ユーザにデータの採取を意識させることなく、自然な摂食動作に基づくデータ系列を取得することができる。また、センサ部210は、食事が終了した後、カトラリ50から取り外すことができるので、カトラリを水洗いする際に、センサ部210が破損するおそれがない。
【0031】
取付け部220は、柔軟な材料、例えばシリコーンゴムで形成されるキャップである。キャップは、カトラリの柄の形状に合わせて柔軟に変形させながら、柄の後端部にかぶせることが可能である。これにより、用いるカトラリの種類を変えても、同一の摂食動作測定装置200を用いて測定が行える。その結果、カトラリ毎に個別にセンサ部210を用意する必要がなくなり、測定のためのコストを低減できる。
【0032】
取付け部220の内側の面は、取付け部220とカトラリの柄との間の静止摩擦が大きくなるような素材でコーティングすることが好ましい。これにより、食事中にカトラリから摂食動作測定装置200が外れてしまい、データ測定が中断することを防げる。取付け部220の内側の面の一部、例えば取付け部220の縁の近傍の部分に限っては、取付け部220とカトラリの柄との間の動摩擦が小さくなるような素材でコーティングしてもよい。これにより、カトラリに摂食動作測定装置200を取り付ける際に、取付け部220の内部に柄の後端部をスムーズに挿入することができる。
【0033】
以下、カトラリ50に対する相対座標を、次のようにとる。まず、
図3に示すように、Y軸を、カトラリ50の柄51の長手方向に平行に、柄の後端部から先端部へと向かう向きに設定する。次に、Y軸に直交する方向に、X軸およびZ軸を設定する。X軸およびZ軸の向きは、Y軸周りの回転自由度を反映して、任意に設定可能である。例えば、センサ部210で用いる加速度センサ211(
図6参照)が、Y軸と平行に設けられた平板状のチップである場合には、チップの面に垂直にZ軸を、Y軸およびZ軸と直交する方向にX軸をとる。これにより、加速度センサ211が測定した加速度のデータを、カトラリ50の動きの方向と簡明に関連付けることができる。
【0034】
なお、取付け部220は、上述の形態に限られない。取付け部220は、例えば、
図4に示すように、カトラリの柄を挟んで把持することができるクリップであってもよい。
【0035】
取付け部220は、例えば、
図5に示すように、筒であってもよい。筒の内径は、カトラリの柄の太さよりも若干小さく設定される。筒は、一定の硬さを有する材料、例えばプラスチックで形成される。筒の側面には、例えば、筒の軸方向に平行な切れ目221が設けられている。摂食動作測定装置200をカトラリの後端部に取り付けるときは、取付け部220の内部にカトラリの柄を通す。カトラリの柄を通す際に、切れ目221が押し広げられるため、取付け部220の内径はカトラリの柄の太さにフィットするよう拡大する。その結果、摂食動作測定装置200は取付け部220によってカトラリの柄に取り付けられる。より強固に摂食動作測定装置200を固定するために、筒の外周に沿って綿ファスナー(マジックテープ(登録商標))222が設けられていてもよい。
【0036】
(センサ部)
図6に示すように、センサ部210は、加速度センサ211と、記憶部212と、時計部213と、通信部214と、電源部215と、ON/OFFスイッチ216と、制御部217と、を含む。
【0037】
加速度センサ211は、少なくとも2方向の加速度を測定可能な加速度センサである。加速度センサ211は、例えば、Y軸方向(第一の方向。
図3参照)の加速度と、X軸方向(第二の方向。
図3参照)の加速度と、の2方向の加速度を測定可能である。
【0038】
この構成によれば、Y軸方向の加速度を測定することにより、カトラリを柄の長手方向に移動させる第一の動作を検出することができる。また、X軸方向の加速度を測定する事により、カトラリを柄の長手方向と直交する方向に移動させる第二の動作を検出することができる。
【0039】
カトラリで食物を保持するとき、例えば、箸で食物を挟んだり、スプーンで食物を掬ったり、フォークで食物を突き刺したりするときは、カトラリを柄の長手方向に移動させる第一の動作が必要となる。また、カトラリで保持した食物を口に運ぶときは、カトラリを柄の長手方向と直交する方向に移動させる第二の動作が必要となる。
【0040】
加速度センサ211を用いて測定したY軸方向の加速度のデータ系列とX軸方向の加速度のデータ系列とを併せて分析することにより、第一の動作と第二の動作を検知できる。その結果、ユーザの摂食動作に関する情報(ユーザがいつカトラリで食物を保持したか、ユーザがいつ食物を口に運んだか)を得ることができる。
【0041】
なお、Y軸方向については、カトラリの持ち方によって加速度センサ211の向きが変わることはない。このため、ユーザがカトラリの持ち方を変えても、Y軸方向の加速度の正負の符号が変わることはない。X軸方向については、カトラリの持ち方によって加速度センサ211の向きが変わる。このため、ユーザがカトラリの持ち方を変えると、X軸方向の加速度の正負の符号が変わる。したがって、X軸方向の加速度のデータは、データの値そのものではなく、データの変動量を用いて分析することが好ましい。
【0042】
加速度センサ211のレンジは、第一の動作と第二の動作とを検知するのに十分な範囲、例えば、±2gである(gは重力加速度)。加速度センサ211のデータのサンプリングは、個々の摂食動作が行われる時間のスケールに比べて十分短い時間間隔、例えば、100ms毎に行われる。
【0043】
なお、上述の例では、Y軸に直交する方向の加速度として、X軸方向の加速度を測定したが、測定する方向はこれに限られない。例えば、3軸センサを用いて、X軸方向の加速度とZ軸方向の加速度とを同時に測定してもよい。これにより、第二の動作が行われた方向をより正確に知ることができるため、ユーザが食物を口に運ぶ動作を、より正確に同定することができる。
【0044】
また、X軸方向の加速度とZ軸方向の加速度の両方のデータを記録するかわりに、XZ面内方向の加速度の大きさを算出して記録してもよい。第二の動作が最も大きな加速度で行われるのは、ユーザが食物を口に運ぶときであると想定できるため、XZ面内方向の加速度の大きさのみからでも、食物を口に運ぶ動作を同定しうる。したがって、摂食動作のより正確な同定に必要なデータを残しつつ、記録するデータ量を圧縮することができる。
【0045】
なお、用いるセンサの種類は、上述の例に限られない。例えば、加速度センサ211とともに、ジャイロセンサを用いてもよい。これにより、加速度のみならず回転角速度も測定可能となる。その結果、カトラリの運動をより詳細に分析することが可能となる。また、加速度センサ211とともに、地磁気センサを用いてもよい。これにより、方位の情報を同時に得ることができる。その結果、カトラリの地面に対する配向を検出することが可能となる。
【0046】
時計部213は、摂食時間中の日時を常時監視する。加速度センサ211で測定された加速度のデータ系列と、時計部213で得られる測定日時の情報とを統合すれば、食事の速度や、食事が1日のうちのどの時間帯に行われたかなどの情報が得られる。その結果、ユーザの食習慣の分析が容易になる。
【0047】
なお、時計部213は、センサ部210に設けなくてもよく、別の装置が時計部213を備えてもよい。この場合、日時の情報は、センサ部210の外部の装置、例えば、通信機能付端末120により取得され、通信機能付端末120からセンサ部210へと送信される。そして、制御部217は、通信機能付端末120から取得した日時の情報を後述する時系列データの作成に用いてもよい。
【0048】
制御部217は、データの処理を行う。制御部217は、加速度センサ211で測定された加速度のデータ系列と、時計部213で得られる測定日時の情報とを統合して、時系列データを作成する。制御部217は、作成した時系列データを、記憶部212に記憶させる。制御部217は、通信部214からの要求に応じて、記憶部212に記憶した時系列データを送信する。制御部217は、通信部214からの要求に応じて、記憶部212に記憶された時系列データを削除する。
【0049】
記憶部212は、時系列データを記憶する。記憶部212としては、内蔵型フラッシュメモリーやメモリーカード等、公知の構成を用いることができる。
【0050】
通信部214は、通信機能付端末120との通信を行う。通信部214としては、Bluetooth(登録商標)モジュールや、有線LANアダプタ等、公知の構成を用いることができる。
【0051】
通信部214があるため、ユーザが摂食動作を行う間または摂食動作を終えた後、自動的に前記データ系列を外部の装置に送信して蓄積することができる。そのため、ユーザにデータの記録を意識させることなく、自然な摂食動作に基づくデータ系列を取得することができる。また、ユーザ(特に高齢者)に、煩わしいデータの操作をさせなくて済む。
【0052】
なお、通信部214を設けず、センサ部210に挿入可能なメモリーカードを用いて、センサ部210と外部の装置との間でデータのやり取りを行ってもよい。
【0053】
ON/OFFスイッチ216は、センサ部210のON状態(電源部215が通電している状態)とOFF状態(電源部215が通電していない状態)とを切り替えるスイッチである。ON/OFFスイッチ216としては、例えば、スライドスイッチや光センサスイッチ等、公知の構成を用いることができる。
【0054】
なお、ON/OFFスイッチ216を設けずに、電源部215から常時電源が供給されていてもよい。
【0055】
電源部215は、ON状態のとき、センサ部210が含む部材のうち電源により駆動される部材、例えば加速度センサ211に、電源を供給する。電源部215としては、ボタン形電池、太陽電池、リチウムイオン二次電池といった、公知の構成を用いることができる。
【0056】
なお、本実施形態に係るセンサ部210は、上述の例に限定されない。例えば、データ系列をモニターし、所定の時間データに変動がない場合に、自動的にOFF状態にする構成であってもよい。また、データを削除するための消去スイッチを備えていてもよい。
【0057】
(データを処理するフロー)
以下、
図6および
図7を参照して、摂食動作測定装置200で測定したデータを処理するフローについて説明する。
図7は、フローを示す図である。
【0058】
センサ部210と通信機能付端末120とが通信接続されていない場合は、まず、制御部217は、所定の周期で加速度センサ211から加速度のデータDを収集する。次に、制御部217は、加速度のデータDを日時の情報Tと統合して、日時付きデータDTを作成する。次に、制御部217は、日時付きデータDTを記憶部212に記憶させる。
【0059】
センサ部210と通信機能付端末120とが通信接続されている場合は、制御部217は、データ転送またはデータ削除の要求に従って、データを処理する。
【0060】
(フロー開始)
まず、電源がON状態になり、フローが開始する。
【0061】
(ステップ1110)
次に、ステップ1110において、制御部217は、加速度のデータDを取得したか否かを判定する。
【0062】
ステップ1110において、加速度のデータDを取得したと判定した場合は、ステップ1120に進む。加速度のデータDを取得していないと判定した場合は、ステップ1210に進む。
【0063】
(ステップ1120)
次に、ステップ1120において、制御部217は、時計部213から、日時の情報Tを取得する。
【0064】
(ステップ1130)
次に、ステップ1130において、制御部217は、加速度のデータDと日時の情報Tとを統合し、日時付きデータDTを作成する。制御部217は、日時付きデータDTを、記憶部212に記憶する。すなわち、制御部217は、加速度のデータDと日時のデータDとを対応付けて記憶部212に記憶する。日時付きデータDTは、記憶部212に、時系列順に順次記憶される。個々の日時付きデータDTが、時系列順に配列される結果、時系列データが形成される。
【0065】
(ステップ1140)
次に、ステップ1140において、制御部217は、電源がOFF状態になっているか否かを判定する。
【0066】
ステップ1140において、OFF状態になっていないと判定された場合は、ステップ1110に戻る。OFF状態になっていると判定された場合は、データ処理を終了する。
【0067】
(ステップ1210)
ステップ1210において、制御部217は、通信部214が外部の通信機能付端末120と通信接続しているか否かを判定する。
【0068】
ステップ1210において、通信接続していると判定された場合は、ステップ1220に進む。通信接続していないと判定された場合は、ステップ1140に進む。
【0069】
(ステップ1220)
ステップ1220において、制御部217は、通信部214と外部の通信機能付端末120との通信接続処理を行う。
【0070】
(ステップ1230)
次に、ステップ1230において、制御部217は、通信部214から日時付きデータDTの転送要求がされているか否かを判定する。通信部214は、外部の通信機能付端末120でユーザが入力した転送要求を受信し、制御部217に送信する。
【0071】
ステップ1230において、転送要求がされていると判定された場合は、ステップ1240に進む。転送要求がされていないと判定された場合は、ステップ1231に進む。
【0072】
(ステップ1240)
次に、ステップ1240において、制御部217は、記憶部212に記憶された時系列データを、先頭から終了まですべて通信部214に転送する。通信部214は、転送された時系列データを、外部の通信機能付端末120へ送信する。
【0073】
(ステップ1250)
次に、ステップ1250において、制御部217は、通信部214から通信接続の切断要求がされているか否かを判定する。通信部214は、外部の通信機能付端末120でユーザが入力した切断要求を受信し、制御部217に送信する。
【0074】
ステップ1250において、切断要求がされていると判定された場合は、ステップ1260に進む。切断要求がされていないと判定された場合は、ステップ1230に戻る。
【0075】
(ステップ1260)
次に、ステップ1260において、制御部217は、通信接続の切断処理を行う。切断処理が行われた後、ステップ1140へ進む。
【0076】
(ステップ1231)
ステップ1231において、制御部217は、通信部214から日時付きデータDTの削除要求がされているか否かを判定する。通信部214は、外部の通信機能付端末120でユーザが入力した削除要求を受信し、制御部217に送信する。
【0077】
ステップ1231において、削除要求がされていると判定された場合は、ステップ1232に進む。切断要求がされていないと判定された場合は、ステップ1250に進む。
【0078】
(ステップ1232)
次に、ステップ1232において、制御部217は、記憶部212に記憶された時系列データをすべて削除する。時系列データを削除した後、ステップ1250へ進む。
【0079】
以上、データを処理するフローを説明した。なお、上述の例では、時系列データの転送要求があった場合、時系列データの先頭から終了まですべてを転送する例を説明したが、この例に限られない。例えば、時系列データの一部分を特定するパラメータを指定して転送要求できるようにしてもよい。これにより、指定した期間の時系列データのみを切り出して転送することができる。
【0080】
また、日時の情報Tは毎回取得せず、所定の間隔をおいて定期的に取得するようにしてもよい。これにより、転送するデータ量を圧縮することができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明した。本実施形態では、加速度センサ211を用いて食事中のカトラリ50の加速度を測定し、測定した加速度のデータに基づいて摂食動作を分析する。これにより、従来提案されていた電気的な検知手法と異なり、カトラリ50の動きを直接反映したデータを分析できる。その結果、摂食動作をより正確に同定することができる。
【0082】
また、加速度センサ211は、少なくともX方向とY方向の加速度を測定可能であるため、カトラリを柄の長手方向に移動させる第一の動作と、カトラリを柄の長手方向と直交する方向に移動させる第二の動作とを検出できる。その結果、ユーザの摂食動作に関する情報(ユーザがいつカトラリで食物を保持したか、ユーザがいつ食物を口に運んだか)を得ることができる。
【0083】
なお、本実施形態では、カトラリの柄にセンサ部を取り付けてカトラリの加速度のデータを収集したが、あらかじめセンサ部をカトラリの内部に内蔵させた加速度センサ内蔵型カトラリを用いてカトラリの加速度のデータを収集してもよい。加速度センサ内蔵型カトラリは、例えば、加速度センサと、前記加速度センサの測定値のデータ系列を記憶する記憶部と、を含むセンサ部を内蔵する。センサ部は、時計部と、通信部と、電源部と、ON/OFFスイッチと、を含んでいてもよい。
【0084】
加速度センサ内蔵型カトラリを収納するケースを用いて、加速度センサ内蔵型カトラリのON状態とOFF状態とが自動的に切り替わるようにしてもよい。すなわち、ケースに加速度センサ内蔵型カトラリを収納すると自動的にOFF状態に、ケースから加速度センサ内蔵型カトラリを取り出すと自動的にON状態になるようにすることができる。
【0085】
例えば、ON/OFFスイッチ216として、スライドスイッチを用いる。ケースの内部に、ON/OFFスイッチ216に引っ掛かることのできる突起を設ける。これにより、加速度センサ内蔵カトラリがケースに収納される際に、突起がON/OFFスイッチ216をスライドして、OFF状態になるようにできる。また、加速度センサ内蔵カトラリがケースから取り出される際に、突起がON/OFFスイッチ216をスライドして、ON状態になるようにできる。また、例えば、ON/OFFスイッチ216として、光センサスイッチを用いる。これにより、ケースの外部と内部との明暗の差を利用して、ON状態とOFF状態の切り替えを行うこともできる。
【0086】
この構成によれば、高齢者のように、微小なスイッチを操作することが困難なユーザが、スイッチ操作を自ら行う必要がなくなる。その結果、加速度を測定する際に、ユーザはストレスなく摂食動作を行うことができる。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。