(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909568
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】流動層装置
(51)【国際特許分類】
B01J 8/24 20060101AFI20160412BHJP
F26B 3/084 20060101ALI20160412BHJP
B09B 3/00 20060101ALN20160412BHJP
【FI】
B01J8/24ZAB
F26B3/084
!B09B3/00 303Z
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-14424(P2015-14424)
(22)【出願日】2015年1月28日
(65)【公開番号】特開2015-166077(P2015-166077A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2015年1月28日
(31)【優先権主張番号】特願2014-27657(P2014-27657)
(32)【優先日】2014年2月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000165273
【氏名又は名称】月島機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健司
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 聡
(72)【発明者】
【氏名】小島 久史
(72)【発明者】
【氏名】関 利永
【審査官】
山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0059204(US,A1)
【文献】
特表2007−526201(JP,A)
【文献】
特開昭58−092786(JP,A)
【文献】
特開昭57−164210(JP,A)
【文献】
特表2011−512317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 6/00
B01J 8/00
C04B
F26B
F27B
B09B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物が供給される装置本体内の底部に、上記被処理物を流動させる流動ガスが噴出させられる分散板が設けられるとともに、この分散板よりも上部の上記装置本体内には、上記被処理物に伝熱する伝熱手段が備えられており、
上記伝熱手段は、上記装置本体内に間隔をあけて配設された複数の伝熱エレメントを有するとともに、これらの伝熱エレメントの間には、該伝熱エレメントに付着した上記被処理物を掻き取る掻き取り手段が移動可能に配設されていて、
さらに上記装置本体内には、上記伝熱手段に向けて圧縮ガスを噴射するガス噴射手段が備えられていることを特徴とする流動層装置。
【請求項2】
上記ガス噴射手段は、間欠的に上記圧縮ガスを噴射することを特徴とする請求項1に記載の流動層装置。
【請求項3】
上記ガス噴射手段は、上記伝熱手段に対向するように上記装置本体内の側壁に設けられたガス噴射ノズルを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流動層装置。
【請求項4】
上記ガス噴射ノズルは、上下方向において上記伝熱エレメントの中心よりも下方に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の流動層装置。
【請求項5】
上記ガス噴射手段は、上記複数の伝熱エレメントの間に下方から圧縮ガスを噴射することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流動層装置。
【請求項6】
上記掻き取り手段は、上記装置本体内に挿通された回転軸に取り付けられて上記複数の伝熱エレメントの間で回転させられる掻き取り羽根であることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の流動層装置。
【請求項7】
上記掻き取り羽根の回転方向を向く縁部は断面が回転方向に向かうに従い先細りとなる形状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の流動層装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体内に供給された被処理物を流動ガスによって流動させつつ伝熱手段によって処理する流動層装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような流動層装置として、例えば特許文献1には、被処理物が供給される横型円筒状の装置本体と、この装置本体内に設置されて流動ガスを吹き上げる分散板と、この分散板よりも上方の装置本体内に設置される複数のパネル型熱交換器とを有し、このパネル型熱交換器が、そのパネル面が横方向とされた装置本体の軸心方向と直交するように設置されたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−209422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、廃棄された石膏ボードのリサイクルにおいて廃石膏をか焼処理して再利用することが行われている。しかしながら、特許文献1に記載されたような流動層装置により、廃石膏を上記熱交換器によって伝熱してか焼処理を行うような場合、廃石膏のか焼過程において結晶形状が変化することに起因してパネル型熱交換器に廃石膏が付着、堆積してしまい、伝熱が阻害されて安定した処理を行うことができなくなるおそれがある。このため、頻繁にか焼処理を中断して洗浄作業を行い、付着、堆積した廃石膏をパネル型熱交換器から除去しなければならず、処理効率の低下を招く結果となる。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、被処理物を乾燥処理や、か焼処理するような場合でも、被処理物の付着、堆積によって伝熱が阻害されるのを抑制して効率的な処理を行うことが可能な流動層装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、被処理物が供給される装置本体内の底部に、上記被処理物を流動させる流動ガスが噴出させられる分散板が設けられるとともに、この分散板よりも上部の上記装置本体内には、上記被処理物に伝熱する伝熱手段が備えられており、上記伝熱手段は、上記装置本体内に間隔をあけて配設された複数の伝熱エレメントを有するとともに、これらの伝熱エレメントの間には、該伝熱エレメントに付着した上記被処理物を掻き取る掻き取り手段が移動可能に配設されて
いて、さらに上記装置本体内には、上記伝熱手段に向けて圧縮ガスを噴射するガス噴射手段が備えられていることを特徴とする。
【0007】
このように構成された流動層装置では、分散板よりも上部の装置本体内に備えられた伝熱手段の複数の伝熱エレメントの間に掻き取り手段が移動可能に設けられており、伝熱エレメントに被処理物が付着、堆積しても、処理中にこの掻き取り手段の移動によって被処理物を掻き取ることができる。このため、廃石膏のか焼処理などにおいても伝熱が阻害されるのを抑制することができ、処理を中断して洗浄作業を行う頻度を減らして、長期に亙って安定した効率的な処理を行うことが可能となる。
【0008】
さらに、上記流動層装置では、上記装置本体内に、上記伝熱手段に向けて圧縮ガスを噴射するガス噴射手段を備えることにより、このガス噴射手段から噴射させられる圧縮ガスによっても、伝熱手段の伝熱エレメントに付着、堆積した被処理物を除去することができる。このため、上記掻き取り手段と併せて一層確実に伝熱エレメントへの被処理物の付着、堆積を防止して効率的な処理を行うことができる。
【0009】
ここで、このようなガス噴射手段においては、間欠的に上記圧縮ガスを噴射することにより、流動ガスによる被処理物の流動への影響を最小限に抑えつつ、圧縮ガスの消費量を低減して圧縮ガスを供給する圧縮ガス源の小型化を図ることができる。
【0010】
また、このガス噴射手段は、上記伝熱手段に対向するように上記装置本体内の側壁に設けられたガス噴射ノズルを備えていてもよい。伝熱手段の伝熱エレメントが複数の伝熱管で構成されているような場合は勿論、伝熱エレメントが特許文献1に記載されているようなパネル型の熱交換器であって装置本体の側壁が延びる方向に間隔をあけて並べられている場合でも、このような伝熱エレメントの間を通して圧縮ガスを伝熱手段の内部に噴射することができる。
【0011】
なお、このような場合には、上記ガス噴射ノズルは、上下方向において上記伝熱エレメントの中心よりも下方に設けられているのが望ましい。装置本体内の側壁に設けるガス噴射ノズルを、このように伝熱エレメントの中心よりも下方に配置することにより、噴射された圧縮ガスによって除去された被処理物が装置本体内の下部に堆積するのを防いで、効率的な除去を図ることができる。
【0012】
また、このように装置本体内の側壁にガス噴射ノズルを設けるのに代えて、あるいはこれと併せて、上記ガス噴射手段は、上記複数の伝熱エレメントの間に下方から圧縮ガスを噴射するものであってもよい。この場合には、圧縮ガスは下方から噴射されるので、分散板から噴出する流動ガスによる被処理物の流動が妨げられることがない。
【0013】
一方、上記掻き取り手段としては、上記装置本体内に挿通された回転軸に取り付けられて上記複数の伝熱エレメントの間で回転させられる掻き取り羽根を用いることにより、比較的簡略な構造で伝熱エレメントに付着、堆積した被処理物を効果的に除去することができる。さらに、こうして掻き取り手段として掻き取り羽根を用いた場合には、この掻き取り羽根の回転方向を向く縁部を断面が回転方向に向かうに従い先細りとなる形状に形成することにより、掻き取り羽根が被処理物を掻き取る際の抵抗を小さくして回転駆動力の低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、被処理物を乾燥処理やか焼処理する場合において伝熱エレメントに付着、堆積しても、この被処理物を処理中に掻き取り手段によって掻き取って除去することができ、被処理物への伝熱が阻害されるのを抑制して長期に亙って安定的かつ効率的な処理を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態を示す全体側面図である。
【
図2】
図1に示す実施形態の掻き取り手段と1つの伝熱ユニットの部分拡大側面図である(ただし、下部のガス噴射手段は図示が略されている。)。
【
図3】
図1に示す実施形態の装置本体の長手方向に直交する断面図である。
【
図4】
図1に示す実施形態の掻き取り手段と1つの伝熱ユニットの部分拡大斜視図である(ただし、下部のガス噴射手段は図示が略されている。)。
【
図5】
図1に示す実施形態の掻き取り羽根の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1ないし
図5は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において装置本体1は、
図1に示すように横長の箱状をなしており、その長手方向(
図1および
図2における左右方向)の一端には被処理物の供給口1Aが設けられるとともに他端には排出口1Bが設けられ、また装置本体1内の底部には図示されない多数の分散孔が形成された分散板2が敷設されている。装置本体1内における分散板2の下部には空気等の流動ガスが高圧で供給され、上記供給口1Aから供給された廃石膏のような被処理物が上記分散孔から噴出した流動ガスによって流動させられることにより、分散板2の上部に流動層が形成される。
【0017】
この装置本体1内の分散板2の上部には、被処理物に伝熱する伝熱手段3が収容されている。本実施形態では、この伝熱手段3は、水蒸気等の高温の加熱流体が内部に流通させられる複数(多数)本の伝熱管4によって被処理物を間接的に加熱するものであり、各伝熱管4は上下方向に延びていて、その下端と上端には上記高温の流体の供給管4Aと排出管4Bがそれぞれ接続されている。上述のように流動ガスによって流動されつつ伝熱手段3によって伝熱されてか焼処理された廃石膏のような被処理物は、上記排出口1Bから排出される。
【0018】
さらに、本実施形態では、装置本体1の長手方向に並ぶ複数本(4本)の伝熱管4によって1つの伝熱エレメント5が構成されており、このような伝熱エレメント5が装置本体1の奥行き方向(
図1および
図2において図面に直交する方向。
図3における左右方向)に間隔をあけて複数列配設されて1つの伝熱ユニット6をなしている。さらにまた、本実施形態では、同数列の伝熱エレメント5が配設された伝熱ユニット6が上記長手方向に間隔をあけて
図1に示すように複数(偶数で、
図1では8つ)設けられており、これらの伝熱ユニット6によって上記伝熱手段3が構成されている。
【0019】
ここで、各伝熱エレメント5を構成する複数本の伝熱管4の間隔は等間隔とされるとともに、1つの伝熱ユニット6を構成する伝熱エレメント5の上記奥行き方向の間隔も等間隔とされ、さらに上記長手方向の各伝熱ユニット6の間隔も略等間隔とされている。さらにまた、各伝熱エレメント5を構成する伝熱管4の間隔および各伝熱ユニット6を構成する伝熱エレメント5の間隔は互いに等しくされており、このような伝熱ユニット6が各伝熱エレメント5間の間隔部分を上記奥行き方向に合わせるとともに、各伝熱管4の上下端の位置も上下方向に合わせるようにして配設されている。
【0020】
そして、このように間隔をあけた伝熱エレメント5の間には、この伝熱エレメント5に付着した被処理物を掻き取る掻き取り手段7が移動可能に配設されている。本実施形態における掻き取り手段7は、装置本体1内に挿通された回転軸8に取り付けられて上記複数の伝熱エレメント5の間で回転させられる掻き取り羽根9である。
【0021】
すなわち、本実施形態では、上記長手方向に隣接する2つずつの伝熱ユニット6の間の中央に、上記奥行き方向に延びるように上記回転軸8がその中心線回りに回転自在に支持されて挿通されている。これらの回転軸8は、上下方向においても伝熱ユニット6の中央に位置しており、装置本体1の外部に設けられた図示されない減速電動機等の駆動手段により、
図2、
図4、および
図5に符号Tで示す回転方向に回転駆動可能とされている。
【0022】
また、上記掻き取り羽根9は、各回転軸8の上記中心線に垂直に半径方向に延びるように取り付けられている。掻き取り羽根9は、
図5に示すように回転方向Tに沿った断面が回転軸8の中心線方向(上記奥行き方向。
図5における上下方向)に偏平した板状とされており、ただしその回転方向Tを向く縁部9Aは、断面が回転方向Tに向かうに従い先細りとなる形状に形成されていて、本実施形態ではこの回転方向T側に鋭角の頂部を有する断面が正三角形等の二等辺三角形状に形成されている。
【0023】
本実施形態では、このような掻き取り羽根9が、
図4に示すように回転軸8を間にする2つの伝熱ユニット6の上記奥行き方向に隣接した伝熱エレメント5の間にそれぞれ1つずつ位置するように回転軸8に取り付けられている。そして、これらの掻き取り羽根9は回転軸8の回転に伴い、その回転軌跡が
図1に示すように上記中心線を中心とした円Cをなすように回転し、隣接した伝熱エレメント5の間を僅かな間隔をあけて移動可能とされている。また、回転軸8の両端部には、上記奥行き方向の両側の伝熱エレメント5と装置本体1内の奥行き方向を向く側壁(長手方向に延びる側壁)1Cとの間にも、これらの伝熱エレメント5との間に僅かな間隔をあけて掻き取り羽根9が配設されている。
【0024】
さらに、こうして回転軸8に取り付けられた掻き取り羽根9は、回転軸8の中心線方向に向けて順に、周方向に所定角度(本実施形態では90°)ずつずらされて配設されている。なお、掻き取り羽根9の長さは互いに等しくされ、該掻き取り羽根9の上記中心線回りの回転軌跡がなす上記円Cは、上記長手方向には回転軸8を間にする2つの伝熱ユニット6の伝熱エレメント5の幅を超え、上下方向には上記高温の流体の供給管4Aと排出管4Bに干渉しない大きさとされている。
【0025】
また、本実施形態では、装置本体1内に、上記伝熱手段3に向けて圧縮ガスを噴射する第1、第2のガス噴射手段10、11が備えられている。このうち、第1のガス噴射手段10は、上記複数の伝熱エレメント5の間に下方から圧縮ガスを噴射するものであって、各伝熱ユニット6の下部に、圧縮空気等の上記圧縮ガスが供給されるガス噴射管10Aを上記奥行き方向に渡したものであり、このガス噴射管10Aには、伝熱ユニット6の上記奥行き方向に並んだ伝熱エレメント5の間の部分にそれぞれ上向きに噴射口が形成され、これらの噴射口から圧縮ガスを噴射する。
【0026】
ここで、本実施形態では、各伝熱ユニット6に複数本(2本)ずつのガス噴射管10Aが、上記奥行き方向に見て
図1に示すように上記長手方向に並ぶ1本目と2本目の伝熱管4の間と3本目と4本目の伝熱管4の間とに配設されている。また、これらのガス噴射管10Aの上部には、上記奥行き方向に並ぶ2列の上記噴射口が、2本のガス噴射管10A同士で上記奥行き方向の1つおきの伝熱エレメント5の間に開口するようにそれぞれ形成されていて、これらの噴射口から
図1に矢線で示すように上向きV字状に圧縮ガスが連続的または間欠的に伝熱エレメント5の間に噴射させられる。
【0027】
また、第2のガス噴射手段11は、伝熱手段3に対向するように装置本体1内の側壁に設けられたガス噴射ノズル11Aを備えている。本実施形態では、このガス噴射ノズル11Aは装置本体1内の奥行き方向を向く上記側壁1Cに設けられており、この長手方向においては各伝熱ユニット6の中央に位置するように、また上下方向においては、伝熱ユニット6の中央(中心)よりも僅かに下方の中央部と、伝熱ユニット6が位置する範囲内でこの中央部のガス噴射ノズル11Aの上下に略等間隔をあけた上部および下部と、この上部のガス噴射ノズル11Aから上部と下部のガス噴射ノズル11A間の間隔と略等間隔をあけた上方との4箇所に配設されており、この上方のガス噴射ノズル11Aは伝熱ユニット6よりも上方に位置している。
【0028】
さらに、本実施形態では、このようなガス噴射ノズル11Aが、装置本体1の長手方向に延びる2つの側壁1Cの双方に、この長手方向および上下方向に互いに等しい位置に設けられており、従って1つの伝熱ユニット6に対して奥行き方向の両側に複数本ずつ(4本ずつ)のガス噴射ノズル11Aが設けられることになる。
【0029】
そして、これらのガス噴射ノズル11Aは圧縮空気等の圧縮ガスを供給する図示されない圧縮ガス源に接続されており、この圧縮ガス源から供給された圧縮ガスは、ガス噴射ノズル11Aから上記長手方向と上下方向とに拡散しつつ伝熱手段3の各伝熱ユニット6に噴射させられる。ここで、圧縮ガス源はすべてのガス噴射ノズル11Aに接続されていてもよく、また被処理物の性状等によっては上下に並んだ複数本のガス噴射ノズル11Aの一部にだけ選択的に接続するようにしてもよいが、伝熱ユニット6の中心よりも下方に位置する中央部のガス噴射ノズル11Aと下部のガス噴射ノズル11Aの少なくとも一方には接続されるのが望ましい。
【0030】
また、各ガス噴射ノズル11Aには、タイマー等によって開閉するやはり図示されないバルブが取り付けられており、これにより第2のガス噴射手段11における各ガス噴射ノズル11Aからは間欠的に圧縮ガスが噴射させられる。さらに、これらのガス噴射ノズル11Aからの間欠的な圧縮ガスの噴射は、装置本体1の2つの側壁1Cのうち一方の側壁1Cに設けられたガス噴射ノズル11Aから長手方向に順次噴射した後、他方の側壁1Cに設けられたガス噴射ノズル11Aから長手方向に順次噴射するなど、両側壁1Cで長手方向に同じ位置に配設されたガス噴射ノズル11A同士で同時に圧縮ガスが噴射されないように設定されている。
【0031】
このような構成の流動層装置によれば、被処理物を乾燥処理やか焼処理する場合において、処理中に廃石膏等の被処理物が伝熱エレメント5に付着して堆積しても、伝熱手段3を構成する個々の伝熱エレメント5の間に移動可能に設けられた掻き取り手段7により、付着、堆積した被処理物を掻き取って除去することができる。このため、頻繁に処理を中断して伝熱エレメント5の洗浄処理を行わずとも、このように伝熱エレメント5に付着、堆積した被処理物によって流動する被処理物への伝熱が阻害されてしまうのを抑えることができ、安定した効率的な処理を長期に亙って行うことができる。
【0032】
また、本実施形態においては、伝熱手段3に向けて圧縮ガスを噴射する第1、第2のガス噴射手段10、11が装置本体1内に備えられており、これら第1、第2のガス噴射手段10、11によっても伝熱手段3の伝熱エレメント5に付着した被処理物を除去することができ、あるいは被処理物の付着自体を防ぐことができて、一層確実に効率的な処理を促すことが可能となる。しかも、このうち第1のガス噴射手段10の圧縮ガスは、分散板2の分散孔から噴出する流動ガスと同じく伝熱エレメント5の下方から上向きに噴射されるので、流動ガスによる被処理物の流動が妨げられることもない。
【0033】
さらに、本実施形態の第1のガス噴射手段10においては、伝熱エレメント5の下部に渡されたガス噴射管10Aから上向きV字状に圧縮ガスが噴射させられるので、より広範囲に圧縮ガスを行き渡らせて効果的な被処理物の付着防止を図ることができる。さらにまた、こうして圧縮ガスを噴射する噴射口は、1つの伝熱ユニット6における2本のガス噴射管10A同士で上記奥行き方向の1つおきの伝熱エレメント5の間に開口するように形成されているので、噴射された圧縮ガス同士が干渉するのも避けることができ、一層効率的な被処理物の除去を促すことができる。
【0034】
また、第2のガス噴射手段11においては、伝熱手段3に対向するようにガス噴射ノズル11Aが装置本体1内の側壁1Cに設けられており、特に伝熱エレメント5が本実施形態のように複数本の伝熱管4によって構成されている場合に、これらの伝熱管4の間を通して伝熱ユニット6内に圧縮ガスを噴射させることができて、伝熱ユニット6の内部に位置する伝熱エレメント5においても被処理物の付着の防止や付着した被処理物の除去を図ることができる。しかも、本実施形態では、装置本体1の長手方向に延びる両側壁1Cにガス噴射ノズル11Aが配設されているので、伝熱ユニット6の奥行き方向に満遍なく圧縮ガスを噴射することができる。
【0035】
さらに、本実施形態では、1つの伝熱ユニット6に対して上下方向に複数のガス噴射ノズル11Aが配設されており、このうち上述のように伝熱ユニット6の上下方向の中心よりも下方に位置する中央部と下部のガス噴射ノズル11Aの少なくとも一方には圧縮ガス源を接続して圧縮ガスを噴射することにより、除去した被処理物を下方から吹き上げるようにして該被処理物が装置本体1内の下部に堆積するのを防ぎ、一層効率的な除去を図ることができる。
【0036】
また、本実施形態では、この第2のガス噴射手段11においては、ガス噴射ノズル11Aから間欠的に圧縮ガスが噴射するようにされており、流動ガスによる被処理物の流動への影響を最小限に抑えることができるとともに、圧縮ガスの消費量を抑えて圧縮ガス源の設備を小型化することができる。これは、第1のガス噴射手段10において圧縮ガスを間欠的に噴射する場合でも同様である。
【0037】
さらにまた、本実施形態では、このように間欠的に圧縮ガスを噴射する第2のガス噴射手段11の各ガス噴射ノズル11Aが、装置本体1の2つの側壁1Cで長手方向に同じ位置に配設されたもの同士では同時に圧縮ガスを噴射しないように設定されているので、これらのガス噴射ノズル11A同士から噴射される圧縮ガスが干渉して効率的な被処理物の除去を妨げるような事態も防ぐことができる。
【0038】
一方、本実施形態では、上記掻き取り手段7が、装置本体1に挿通された回転軸8に取り付けられて複数の伝熱エレメント5の間を回転しながら移動する掻き取り羽根9とされている。この点、同様に掻き取り羽根を掻き取り手段として用いるにしても、例えば掻き取り羽根を複数の伝熱エレメント5の間で上下方向や水平方向(装置本体1の長手方向)に移動させて被処理物を掻き取るように構成することも可能であるが、そのような場合には掻き取り羽根を移動させるのに複雑な構造が必要となるのに対し、本実施形態では比較的簡略な構造で被処理物を効果的に除去することができる。
【0039】
また、この回転する掻き取り羽根9の回転方向Tを向く縁部9Aが、断面が回転方向Tに向かうに従い先細りとなる形状に形成されていて、本実施形態では断面三角形状に形成されているので、掻き取り羽根9が被処理物を掻き取る際の抵抗を小さくすることができ、回転駆動力の低減を図ることができる。しかも、本実施形態では、掻き取り羽根9はその先端から徐々に伝熱エレメント5の間に進入してゆくので、一層の抵抗減少を図ることができるとともに、掻き取り羽根9に衝撃的な負荷が作用するのを避けることもできる。
【0040】
なお、この縁部9Aの断面形状は、先端がR形状であったり、平らな台形状であったりしてもよい。また、断面形状は直角三角形等の不等辺三角形でもよいが、その場合には、付着、堆積した被処理物を掻き取る際に掻き取り羽根9に回転軸8の中心線方向の一方向に向けた負荷が作用して変形や損傷を生じるおそれがあるので、本実施形態のような二等辺三角形状として負荷を均等に分散するのが望ましい。また、掻き取り羽根9の側面にブラシ等を設けて伝熱管4の表面を直接擦ることにより、付着した被処理物を除去するようにしてもよい。
【0041】
さらに、本実施形態では、掻き取り羽根9が板状とされているが、例えば円柱状のバー型の掻き取り羽根を用いてもよく、また上述のように複数の伝熱エレメント5の間で掻き取り羽根を上下方向に移動させるような場合には、櫛歯状の掻き取り羽根としてもよい。さらにまた、本実施形態では複数本の伝熱管4によって伝熱手段3の伝熱エレメント5を構成しているが、例えば特許文献1に記載されたような板状のパネル型伝熱エレメントによって伝熱手段3を構成してもよく、このようなパネル型伝熱エレメントの板厚方向が装置本体1の奥行き方向を向いている場合には、第2のガス噴射手段11のガス噴射ノズル11Aは装置本体1の長手方向を向く側壁(奥行き方向に延びる側壁)1Dに配設されていてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 装置本体
1C、1D 装置本体1内の側壁
2 分散板
3 伝熱手段
4 伝熱管
5 伝熱エレメント
6 伝熱ユニット
7 掻き取り手段
8 回転軸
9 掻き取り羽根
9A 掻き取り羽根9の回転方向Tを向く縁部
10 第1のガス噴射手段
10A ガス噴射管
11 第2のガス噴射手段
11A ガス噴射ノズル
T 掻き取り羽根9の回転方向