(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態に係る、印字用器具10について説明する。最初に、印字用器具10の基本構成について説明するものとし、その後に、印字用器具10の基本構成を適用した印字用器具10Aについて説明する。
【0016】
なお、以下の構成においては、通信路50の長手方向をX方向とし、
図3における右側をX1側、それとは逆側をX2側とする。また、
図3において、X方向に直交する方向をY方向とし、
図3において奥側をY1側とし、それとは逆の手前側をY2側とする。ただし、これらを用いずに説明する場合もある。
【0017】
<1−1.印字用器具の基本構成について>
図1は、本実施の形態の印字用器具10の基本構成を示すブロック図である。この印字用器具10は、たとえば、検査用のスタンプなどであり、信号中継部11と、印字部20とを有していて、信号中継部11は、タグ検出部30と、アンテナ部40と、通信路50とを備えている。
【0018】
印字部20は、検査印スペース100に対して印字をする部分である。たとえば、後述する
図13等に示す印字用器具10Aでは、印字用対象物100に押印する部分が印字部20に対応する。なお、検査印スペース100としては、ICタグ110が取り付けられているシートまたはプレートあるいは、検査される側の例えば装置表面の牽引を押す場所が該当する。
【0019】
タグ検出部30は、巻数の少ないコイル状部分(ループアンテナ)であり、1ターンから2〜3ターン程度の巻数に設けられている。なお、
図8他では1ターンの場合を示しているが、1ターンに限定されるものではなく、巻数は、ループアンテナの感度にあわせた巻き数が望ましく、幾つであっても良いが良好な感度を得る場合、コイル径が小さいほどターン数は多くなる。このタグ検出部30は、検査印スペース100に取り付けられているICタグ110と近接して通信を行う部分であり、いわば磁界アンテナに相当する。
【0020】
また、アンテナ部40は、電界アンテナである放射アンテナに対応する部分であり、タグ検出部30の部分に多くの高周波電流を誘起させて送り込む役割がある。この役割がリーダ装置200から放射される電磁波によって、アンテナ部40を含めた導体部分により多くの高周波電流が流れ、その高周波電流によってより大きな定在波が発生し、その定在波に基づいて、リーダ装置200との間で通信が可能となる。
【0021】
ここで、リーダ装置200から放射される電磁波の波長をλとすると、アンテナ部40は、λ/4程度の長さを有しているアンテナ部分であり、その一端側でタグ検出部30に電気的に接続されている。なお、通常は、タグ検出部30とアンテナ部40とは、同一の線材を用いて構成されている。しかしながら、タグ検出部30とアンテナ部40とは、別体的な線材であっても良く、それら別体的な線材を電気的に接続して構成されても良い。なお、λ/4程度とは、正確にλ/4の長さを有しているものも該当するが、概ねλ/4程度の長さであっても良い。すなわち、λ/4から長さがずれると、高周波電流の誘起が減少し最終的にタグ検出部30の感度を低下させる方向に影響を与える。この感度低下が実用限度内であれば多少のずれた長さであっても良い。
【0022】
また、通信路50は、リーダ装置200から放射される電磁波によって高周波電流が流れる部分である。かかる通信路50を流れる高周波電流により、上記のタグ検出部30およびアンテナ部40を含めた導体部分に、定在波を形成する。そして、所定の位置、例えば半波長の位置ごとに、定在波のヌル点(節目となる点;高周波電流の大きさが0または最小となる点)を形成する。
【0023】
リーダ装置200は、たとえば920MHzといった所定の周波数の電磁波を送受信する装置である。検査印スペース100に移動を伴って検査印を押して回るような場合など、このリーダ装置200は、ハンディタイプであることが好ましい。また、リーダ装置200は、インターネットのようなコンピュータネットワークに接続可能なものが望ましい。そして、リーダ装置200で読み取った情報を、リーダ装置200とは異なる外部のデータベースに保存可能としていることが好ましい。いわば、リーダ装置200は、モノのインターネット(Internet of Things;IoT)の構成要素であることが好ましい。
【0024】
ところで、上述した
図1に示す印字用器具10の信号中継部11を、より具体的に示すと、
図2から
図5に示すようなイメージとなる。
図2は、信号中継部11のアンテナ部40がストレート形状に設けられ、かつ通信路50に対してアンテナ部40が直交するように設けられている構成例を示す図である。
図3は、信号中継部11のアンテナ部40がストレート形状に設けられ、かつ通信路50に対してアンテナ部40が平行に設けられている構成例を示す図である。また、
図4は、信号中継部11のアンテナ部40が九十九折(つづら折)形状に設けられている構成例を示す図である。
【0025】
図2に示す構成においては、アンテナ部40は、ストレート形状に設けられていて、その線長は、λ/4となるように設けられている。かかる
図2に示す構成では、アンテナ部40は、モノポールアンテナに相当するものであり、アンテナ部40は、通信路50の長手方向(X方向)に対して直交するY方向に延伸する配置となっている。
【0026】
また、
図3に示す構成も、
図2に示す構成と同様に、アンテナ部40は、ストレート形状に設けられていて、その線長は、λ/4となるように設けられている。また、アンテナ部40は、通信路50に対しては電気的に直接接触しない構成とすることが必要である。ただし、
図3に示す構成では、アンテナ部40は、通信路50に対して平行に設けられていて、しかも互いに近接対向するように設けられている。このようにすることで、
図3に示す構成では、
図2に示す構成と比較して、幅方向に突出する部位が存在しない構成とすることが可能となっている。
【0027】
かかる
図3に示す構成においては、アンテナ部40と通信路50とが対向している部分では、その電流が必ず平行で逆向きとなる。しかも、
図3に示す構成では、ヌル点T(0)とヌル点T(1)とは、近接した位置に位置していて、アンテナ部40および通信路50の長手方向では、概ね同じ位置に位置している。そのため、アンテナ部40に流れる電流は、このアンテナ部40と近接対向する通信路50を流れる逆方向の電流で打ち消され、アンテナ部40の放射アンテナとしての機能(より遠くまで感度を維持する機能)がなくなる、という問題がある。
【0028】
図4に示す構成においては、アンテナ部40が九十九折形状に曲げられている。この場合も、アンテナ部40の線長は、λ/4となるように設けられている。この
図4に示す構成のように、アンテナ部40が九十九折形状に曲げられていることにより、全体的にコンパクトな構成とすることが可能となっている。しかも、九十九折形状のように、アンテナ部40の折り曲げ部位を多くすると、ヌル点T(0)とヌル点T(1)とは離れる。そのため、アンテナ部40側に流れる高周波電流と、通信路50に流れる高周波電流の位相が、
図3に示す場合から変化し、上記したような電流の打ち消し効果が減じられる。
【0029】
また、
図5に示す構成では、アンテナ部40を九十九折形状とすることで多少アンテナ感度が損なわれるもの、一層のコンパクト化が可能であることを示している。さらに、
図6は、高周波電流が流れる方向が、通信路50に対して直交する部分を長くすることができる。ここで、電磁気学においては、直交関係の電流では、相互干渉がなくなるので、アンテナ部40のアンテナ機能がさほど弱くならずにタグ検出部30周辺の構造を出っ張りの少ないコンパクト構造にまとめることができる。
【0030】
ここで、アンテナ部40は、通信路50に対しては電気的に直接接触しない構成とすることが必要である。そのような構成とするために、アンテナ部40と通信路50の間に、樹脂等のような絶縁部材を配置する構成としても良い。また、アンテナ部40と通信路50を構成する線材のうち少なくとも一方を、エナメル線のような絶縁被膜で覆われた線材によって構成しても良い。
【0031】
<1−2.基本構成に関する効果>
以上のような構成の信号中継部11を備えた印字用器具10およびこの印字用器具10の印字検出動作によると、信号中継部11は、通信路50と、タグ検出部30と、アンテナ部40とを備えているが、通信路50では、外部のリーダ装置200からの電磁波に基づいて高周波電流を生じさせる。この高周波電流の効果的な発生の方法は、リーダ装置200を通信路50に近接させ、さらにリーダ装置200からの放射電磁波方向が通信路50の長手方向(X方向)に向くように配置する。また、タグ検出部30は、通信路50に対して電気的に接続されていると共に、ICタグ110を高周波電流に基づく電磁誘導に基づいて検出するコイル状の部分である。また、アンテナ部40は、タグ検出部30に対して電気的に接続されると共に通信路50に対して電気的に非接触であり、外部空間に向けて、高周波電流に基づいて電磁波を放射している。また、印字用器具10は、印字部20を備えていて、その印字部20は、ICタグ110を備える検査印スペース100に対して印字をする部分である。また、アンテナ部40は、複数回折り返された九十九折形状に設けられていると共に、通信路50は、複数回折り返された九十九折形状に設けられている。これにより、通信路50が、印字用器具10の寸法よりも大きな1/4波長サイズとなる場合には通信路50を九十九折形状とすることで手の平に収まるような印字用器具10となり、小型化させることができる。
【0032】
このような構成および印字検出動作を採用することにより、通信路50は、外部のリーダ装置200から放射される電磁波に基づいて、高周波電流を導通させることができ、この状態で印字部20が印字動作を行うと、検査印スペース100のICタグ110が検出され、その検知された情報を外部に送信することが可能となる。これにより、ICタグ110から読み取った情報からどの検査印スペース100に対して印字したのかを特定することができる。
【0033】
なお、
図4に示すように、アンテナ部40は、複数回折り返された九十九折形状に設けることも可能である。この場合には、九十九折の分だけアンテナ部40を全体的にコンパクトな構成とすることが可能となる。しかも、九十九折形状のように、アンテナ部40がコンパクトになると、アンテナ部40側のヌル点T(0)と通信路50側のヌル点T(1)とは離れるので、それらの間での電流の打ち消し効果が減じられる。また、アンテナ部40を九十九折形状とすると、アンテナ部40には通信路50に対して直交する成分が多くなるので、アンテナ部40のアンテナ機能がさほど弱くならずに済む。しかしながらアンテナ部40は、コンパクトになるほどアンテナ感度が低い方向に向かうので、印字部20の邪魔にならない程度とするのが好ましい。
【0034】
また、
図3に示すように、アンテナ部40は、ストレート形状に設けられていて、かつ通信路50に対向するように設けることも可能である。この場合には、
図2に示すような構成と比較して、幅方向に突出する部位が存在しない構成とすることが可能となる。そのため、狭い場所でもICタグ110を検出することが可能となる。なお、この場合は、アンテナ部40のまわりの外部空間に対するアンテナ機能が無くなるので、ICタグ110を検出する領域が減少する。
【0035】
<2−1.九十九折形状のアンテナ部の応用例について>
続いて、
図5で説明した信号中継部11における九十九折形状のアンテナ部40の応用例を以下に説明する。
図6は、信号中継部11におけるアンテナ部40の九十九折形状の別の構成例を示す図である。なお、
図6に示す構成では、アンテナ部40を90度倒すことによって、
図5に示す構成となる。ただし、九十九折部分のアンテナ部40が、
図5に示す構成よりも、Y方向に突出する長さが短い場合には、
図6に示すような九十九折部分のアンテナ部40を採用するのが有利な場合がある。
【0036】
また、
図6は、信号中継部11の保護カバー60で保護する構成例を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面断面図を示している。この
図6に示す構成では、通信路50は、λ/4の長さかそれ以上の長さを有している。また、少なくともアンテナ部40は、樹脂等のような電気的な絶縁性を有する材質で形成された保護カバー60で覆われていて、通信路50の一部も、その保護カバー60で覆われている。
【0037】
通信路50の長さが、λ/4といった短い長さであっても、アンテナ部40と通信路50とで共振を生じ、タグ検出部30におけるICタグ110の検出と、アンテナ部40における放射アンテナとしての機能を発揮させることができる。
【0038】
また、
図7は、信号中継部11において、通信路50が、タグ検出部30およびアンテナ部40とは電気的な導通が取れる状態で直接接続されていない構成を示す図である。この構成では、タグ検出部30から更にX1側に向かい、延長導体部70が延伸している。延長導体部70は、通信路50に対して、互いに近接対向するように設けられている。そのため、延長導体部70と通信路50は、電磁結合によって、電気的に接続された状態となっている。このとき、コンデンサと同様に、延長導体部70と通信路50の間が狭いほど、電磁結合が強くなる。このように、延長導体部70と通信路が物理的に別体とすることで、タグ検出部30とこれに続くアンテナ部40を1つの部品化ができ、故障時などの部品交換をし易くすることができる。
【0039】
かかる
図7に示すような構成を採用する場合には、タグ検出部30と通信路50との接続を、たとえばはんだ接合や、接点を設けた接合とする場合と比べて、電気的な接続のための手間を省略することが可能となる。
【0040】
なお、上述した九十九折形状のアンテナ部40と同様に、延長導体部70と通信路50とは、電気的に直接接触しない構成とすることが必要である。そのような構成とするために、延長導体部70と通信路50の間に、樹脂等のような絶縁部材を配置する構成としても良く、延長導体部70と通信路50を構成する線材のうち少なくとも一方を、エナメル線のような絶縁被膜で覆われた線材によって構成しても良い。
【0041】
ここで、
図7に示すような構成の感度パターンの一例を
図8に示す。
図8に示すように、タグ検出部30の感度領域S1は、この部分が磁界アンテナであるため、非常に狭い領域となっている。一方、遠くまで感度を維持した通信が可能な放射電磁波で動作するアンテナ部40と通信路50と延長導体部70のそれぞれの感度領域は重ね合わされて、感度領域S1と比較して非常に広い領域を有する感度領域S2が形成される。
【0042】
なお、上述した各構成のうち、
図8に示す構成では、タグ検出部30に連続するように延長導体部70が設けられていると共に、この延長導体部70は、通信路50に対して非接触の状態で対向して対向部位を形成し、高周波電流が流れる場合には、この対向部位で電磁結合を生じさせている。このため、タグ検出部30と通信路50との接続を、たとえばはんだ接合や、接点を設けた接合とする場合と比べて、電気的な接続のための手間を省略することが可能となる。また、延長導体部70と通信路50の間が機械的に接続されていないので、たとえば伸縮可能な印字用器具10への適用が容易となる。
【0043】
<2−2.ストレート形状のアンテナ部の応用例について>
続いて、
図3で説明したストレート形状のアンテナ部40の応用例を以下に説明する。
図9は、
図3に示すような信号中継部11において、ストレート形状のアンテナ部40の角度配置を示す図である。
図9のようなストレート形状のアンテナ部40を有する印字用器具10においては、通信路50をグランドアースと見た場合に、X方向に対して90度をなすようにアンテナ部40が配置されている場合に、モノポールアンテナとして最大の能力を発揮する。この90度の角度配置の場合が、
図9において破線で示されている。
【0044】
これに対して、
図10において実線で示すように、X方向に対してなす角度が0度となる位置までアンテナ部40を倒すと、アンテナ部40はY方向に突出しなくなるので、印字用器具10は、突出部分の存在しない、スマートな構成とすることが可能となる。
【0045】
しかしながら、この場合には、上述したように、アンテナ部40と通信路50とが対向している部分では、同じ大きさの電流が平行で逆向きとなっている。そのため、この対向部分では、電磁波を放射する能力が大きく減じられ、モノポールアンテナとしての機能を発揮できなくなってしまう。そのため、Y方向においてアンテナ部40から離れると、ほとんど通信不能となる。すなわち、アンテナ部40付近での通信は困難になる。しかしながら、通信路50は、電磁波の波長よりも長く設けることができ、その電磁波によって通信路50の軸方向(X方向)で表面を伝達する高周波電流が生じ、その高周波電流により定在波が形成され、通信路50の一端に接続点Pで接続されるタグ検出部30と、λ/4の長さのアンテナ部40が配置されることで、電磁気学で知れるように、その根元にあたる検出部30で最大の高周波電流となる。そのためタグ検出部30の直近のICタグ110と最良の通信を確保することが可能になる。
【0046】
アンテナ部40と通信路50が平行に対向している部分では、アンテナ機能を失っているのでもはやアンテナという呼び方よりも平行二線式の伝送線と呼ぶほうがふさわしく、この平行部分は、損失の少ない状態で電磁波の伝送を行うことができる。また、この平行二線式のX2側の終端には、タグ検出部30が設けられているので、タグ検出部30がICタグ110の情報を検出することで、平行二線式の伝送線となる部分(対向している部分)を介して通信路50を伝わって、リーダ装置200側へと読み取った情報を伝えることができる。
【0047】
なお、
図11は、
図10に示すストレート形状のアンテナ部40と通信路50を有する信号中継部11の最小構成例を示す図である。
図11に示す構成では、アンテナ部40は、λ/4の長さを有していると共に、通信路50は、アンテナ部40と対向している部分の長さがλ/4であり、さらにその対向部分からX1側に向かってλ/4の長さを有している。
【0048】
また、
図12は、
図10に示すストレート形状のアンテナ部40を有する信号中継部11において、通信路50が、タグ検出部30およびアンテナ部40とは電気的な導通が取れる状態で直接接続されていない構成を示す図である。この構成でも、
図7に示す構成と同様に、タグ検出部30から更にX1側に向かい、延長導体部70が延伸していて、この延長導体部70は、通信路50に対して近接対向するように設けられ、これらの間で電磁結合を生じさせ、それによって、電気的に接続された状態となっている。
【0049】
なお、この
図12に示す構成においても、アンテナ部40と延長導体部70と通信路50とは、電気的には、互いに直接接触しない構成とすることが必要である。そのために、アンテナ部40と延長導体部70の間、および延長導体部70と通信路50の間に、樹脂等のような絶縁部材を配置する構成としても良く、アンテナ部40と延長導体部70のうち少なくとも一方、および延長導体部70と通信路50を構成する線材のうち少なくとも一方を、エナメル線のような絶縁被膜で覆われた線材によって構成しても良い。
【0050】
かかる
図12に示す構成においても、タグ検出部30と通信路50との接続を、たとえばはんだ接合や、接続点Pを設けた接合とする場合と比べて、電気的な接続のための手間を省略することが可能となる。
【0051】
なお、
図10から
図12に示す構成では、アンテナ部40に代わり、通信路50によって種々の方向に位置可能なリーダ装置200との間の通信が可能であるが、上述したように感度領域S4の幅が狭く、X2方向とX1方向に長く分布している。
【0052】
<3.印字用器具の具体例について>
次に、上述したような各構成を適用した印字用器具10の具体例について、図面に基づいて説明する。なお、以下の
図13から
図15に示す構成においては、印字用器具10Aの押印方向をX方向とし、
図13における下側をX1側、それとは逆側(上側)をX2側とする。また、
図13において、X軸に直交し、かつ検査印スペース100Aの長手方向と平行となる方向をY方向とし、
図13において奥側をY1側とし、それとは逆の手前側をY2側とする。また、
図13においてX−Y軸の平面と90度直交する方向をZ方向とし、奥側をZ1側とし、それとは逆の手前側をZ2側とする。ただし、これらを用いずに説明する場合もある。
【0053】
図13は、
図1における印字用器具10の具体的な構成例である印字用器具10Aを示す斜視図である。
図14は、
図13のX1側から印字用器具10Aの底面を示した図で、(a)は検出部30Aが印字面を取り囲んでいる図であり、(b)はタグ検出部30Aが小型のICタグ110の寸法にあわせて小さく対応させた図である。
図15は、筒状部133のみの外観を示す図であり、(A)は、
図13のZ2方向から筒状部133のみを示した図であり、(B)は、
図13のZ1方向から筒状部133のみを示した図であり、(C)は、(B)に示す筒状部133の変形例を示す図である。
【0054】
図13に示すように、印字用器具10Aは、胴部132と、胴部132より直径が小さい筒状部133とから構成されている。また、この印字用器具10Aは、
図14に示すようにこの筒状部133の内側に設けられた印字部134から構成されている。また、
図13、
図14、および
図15に示すように、この印字用器具10Aには、タグ検出部30Aと、アンテナ部40Aと、通信路50Aとを有している。
【0055】
タグ検出部30Aは、
図14(a)に示すように、筒状部133の底面の縁の形状に沿うようにリング状に配置されている。(b)はタグ検出部30Bが小型のICタグ110の寸法にあわせて小さく対応させた図である。なお、タグ検出部30Aは、筒状部133に露出していても良いが、筒状部133の底面の近傍に埋め込まれている構成を採用しても良く、また別途のカバー部材で覆われた構成を採用しても良い。また、アンテナ部40Aは、
図15の(b)に示すように、筒状部133の外壁面に設けられており、接続点142を介してタグ検出部30Aと接続されている。なお、接続点142を形成する場合、切欠部を設ける構成を採用しても良い。その場合には、接続点142が下方に突出してしまうのを抑えられるからである。また、
図15の(a)に示すように、通信路50Aは、このアンテナ部40Aに直接接触しない状態で、筒状部133の外壁面に設けられている。なお、アンテナ部40Aは、
図15の(c)に示すアンテナ部40Bのように、X軸方向に蛇行した九十九折形状としてもよい。
【0056】
図16は、
図13とは異なる印字用器具10の他の実施形態を示す図である。
図17は、
図16に示す筒状部161と胴部133Bについて示した図であり、(a)は筒状部161の正面図(Z2方向から示した図)、(b)は胴部133Bの正面図(Z2方向から示した図)、(c)は、胴部133Bの背面図(Z1方向から示した図)である。
図18は、
図16のX1側から胴部133Bの底面を示した図で、(a)は検出部30Bが印字面を取り囲んでいる図であり、(b)はタグ検出部30Bが小型のICタグ110の寸法にあわせて小さく対応させた図である
図19は、押印動作時の通信路50Bと導体延長部70Bとの配置関係と電磁結合の状態を説明するための図である。
【0057】
図17の(a)に示すように通信路50Bが押印部161の外周壁に設けられている。また、
図17の(b)に示すように、筒状部133Bの外周壁には延長導体部70Bが設けられている。また、
図17の(c)に示すように、アンテナ部40Bには、筒状部133Bの外壁面に延長導体部70Bと直接接触しない位置に設けられている。さらに筒状部133の外壁面には、タグ検出部30Bに連続しつつも中途でアンテナ部40Bと電気的に接触しない状態で延長導体部70Bが設けられている。そして、高周波電流が流れる場合には、
図19の(a)に示すように、印字部20で検査印スペース100へ押印する動作の前は、延長導体部70Bと通信路50Bとが離間していることで、電磁結合が解消されている状態である。一方、印字部20が印字用対象物100に押印する際には、
図19の(b)に示すように、延長導体部70Bは、通信路50Bに対して非接触の状態で対向する。これにより、印字動作に応じて、延長導体部70Bと通信路50Bとで電磁結合領域191が生じるため、ICタグ110が検出されるようになる。
【0058】
<4.変形例>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0059】
上述の実施の形態では、
図8に示すように、延長導体部70は、通信路50に対して、互いに近接対向することで、コンデンサと同様な電磁結合を生じさせている。しかしながら、電磁結合は、たとえばコンデンサ方式ではなくトランス方式で実現するようにしても良い。なお、トランス方式やコンデンサ方式においては、必要に応じて、位相を調整する位相調整用の回路を用いるようにしても良い。
【0060】
また、上述の実施の形態においては、RFID通信にて用いられるUHF帯の周波数として920MHzが挙げられている。しかしながら、RFID通信にて用いられるUHF帯の周波数としては、たとえば860MHzから960MHzの帯域であれば、どのような周波数であっても良い。また、RFID通信にて用いられる周波数としては、UHF帯の周波数には限られず、2.45GHzを中心とする周波数であっても良く、433MHzを中心とする周波数であっても良く、その他の周波数であっても良い。
【0061】
また、
図19に示す構成においては、導体延長部70Bは、導線がストレート形状に設けられているものを示している。しかしながら、通信路50Bとの間で、電磁結合を生じ難い場合には、この導体延長部70Bを九十九折に形成しても良い。また、導体延長部70Bは、面積の広い箔状に設けても良い。
【解決手段】 印字用対象物100に対して印字を行う印字部20、外部のリーダ装置200からの電磁波に基づいて高周波電流を生じさせる通信路50、通信路50に対して導体間の接続または電磁結合によって接続されていると共に、ICタグ110を高周波電流に基づく電磁誘導に基づいて検出するコイル状のタグ検出部30、タグ検出部30に対して電気的に接続されると共に通信路50に対して電気的に非接触であり、高周波電流に基づいて外部に電磁波を放射するアンテナ部40を備え、印字部20は、筒状体の内部に配置されていて、この筒状体から出没自在に設けられていて、タグ検出部30は、筒状体のうち印字部20が出没する端面側に設ける。