特許第5909594号(P5909594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909594
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】強磁性体微粒子製造装置
(51)【国際特許分類】
   C01G 49/08 20060101AFI20160412BHJP
【FI】
   C01G49/08 A
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-500698(P2015-500698)
(86)(22)【出願日】2014年10月6日
(86)【国際出願番号】JP2014076727
(87)【国際公開番号】WO2015053234
(87)【国際公開日】20150416
【審査請求日】2015年1月6日
(31)【優先権主張番号】特願2013-210407(P2013-210407)
(32)【優先日】2013年10月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000208695
【氏名又は名称】第一高周波工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】平 山 鋼太郎
(72)【発明者】
【氏名】田 上 祥 太
【審査官】 壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−186849(JP,A)
【文献】 特開2002−173327(JP,A)
【文献】 特開2005−159065(JP,A)
【文献】 特開2006−027994(JP,A)
【文献】 特開2008−110889(JP,A)
【文献】 特表2011−502088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01G49/00−49/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の波長のマイクロ波に対して共振するシングルモードキャビティと、
前記シングルモードキャビティに電気的に接続され、当該シングルモードキャビティの内部に前記所定の波長のマイクロ波を導入するマイクロ波発振器と、
前記シングルモードキャビティの内部を貫通して設けられた誘電体からなるパイプと、
強磁性体の金属の金属イオンと水酸化物イオンとが溶解しているアルカリ性の反応液を前記パイプの一端から導入させるポンプと、
を備え、
前記反応液を反応させることにより強磁性体微粒子を製造することを特徴とする強磁性体微粒子製造装置。
【請求項2】
前記シングルモードキャビティのインピーダンスを測定するインピーダンス測定器と、
前記インピーダンス測定器による測定結果に基づいて、前記シングルモードキャビティのインピーダンスが所定値以上となるようなポンプ流量を決定するポンプ流量決定部と、
を更に備え、
前記ポンプは、前記ポンプ流量決定部が決定したポンプ流量に従って前記反応液を導入させるようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の強磁性体微粒子製造装置。
【請求項3】
前記パイプの軸方向の長さは、20mm〜200mmである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の強磁性体微粒子製造装置。
【請求項4】
誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイルに電気的に接続され、当該誘導加熱コイルの内部に交番磁界を形成する高周波電源と、
前記誘導加熱コイルの内部を貫通して設けられ、軸方向の少なくとも一部の領域が誘電体からなり、当該誘電体からなる領域より一端側の領域が導体からなるパイプと、
強磁性体の金属の金属イオンと水酸化物イオンとが溶解しているアルカリ性の反応液を前記パイプの前記一端から導入させるポンプと、
を備え、
前記反応液を反応させることにより強磁性体微粒子を製造することを特徴とする強磁性体微粒子製造装置。
【請求項5】
前記誘導加熱コイルのインピーダンスを測定するインピーダンス測定器と、
前記インピーダンス測定器による測定結果に基づいて、前記誘導加熱コイルのインピーダンスが所定値以上となるようなポンプ流量を決定するポンプ流量決定部と、
を更に備え、
前記ポンプは、前記ポンプ流量決定部が決定したポンプ流量に従って前記反応液を導入させるようになっている
ことを特徴とする請求項4に記載の強磁性体微粒子製造装置。
【請求項6】
前記パイプの導体から成る領域の軸方向の長さは、20mm〜200mmである
ことを特徴とする請求項4または5に記載の強磁性体微粒子製造装置。
【請求項7】
前記強磁性体の金属の金属イオンは、鉄イオンまたはニッケルイオンのうちいずれか一方または両方である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の強磁性体微粒子製造装置。
【請求項8】
前記反応液には、水酸化ナトリウムが溶解されている
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の強磁性体微粒子製造装置。
【請求項9】
前記パイプの内径は、0.3mm〜5.0mmである
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の強磁性体微粒子製造装置。
【請求項10】
前記パイプの内面は、防食被覆されている
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の強磁性体微粒子製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強磁性体微粒子製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、強磁性体の微粒子(ナノ粒子)が、その磁気特性を利用して、核磁気共鳴画像法(MRI)、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、局部温熱療法(ハイパーサーミア)等における医療用原薬として用いられている。
【0003】
特開2006−28032号には、そのような強磁性体微粒子の1つであるマグネタイトの微粒子を、共沈反応を利用して生成する方法が開示されている。この方法では、具体的には、所定量の塩化第一鉄(FeCl)水溶液と所定量の塩化第二鉄(FeCl)水溶液とが反応容器に投入され、反応容器内にて加熱及び撹拌されながら、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を添加される。これにより、第一鉄イオン(Fe2+)と第二鉄イオン(Fe3+)との共沈反応が生起されて、マグネタイト(Fe)の微粒子が生成される。
【0004】
ところで、このような従来の方法では、マグネタイトの微粒子を工業的に大量生産する場合、反応容器内で大量の反応液が撹拌されることになるが、この場合、反応液の温度や混じり具合にバラツキが生じやすく、マグネタイト微粒子の生成効率を上げることが難しい。また、生成されるマグネタイト微粒子の組成や寸法のバラツキが大きくなるという問題もある。
【0005】
また、一般に、医療用原薬を製造する際には、医薬品・医療用具などの製造管理及び品質管理に関する規則、すなわちGMP(Good Manufacturing Practice)に対応することが要請されている。具体的には、例えば、反応液を外気と反応させずに無菌状態に維持することが求められている。しかしながら、反応容器内で反応液が撹拌される従来の方法では、GMPに対応することが困難である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、強磁性体微粒子を効率的に製造することができる強磁性体微粒子製造装置を提供することにある。
【0007】
本発明は、所定の波長のマイクロ波に対して共振するシングルモードキャビティと、前記シングルモードキャビティに電気的に接続され、当該シングルモードキャビティの内部に前記所定の波長のマイクロ波を導入するマイクロ波発振器と、前記シングルモードキャビティの内部を貫通して設けられた誘電体からなるパイプと、強磁性体の金属の金属イオンと水酸化物イオンとが溶解しているアルカリ性の反応液を前記パイプの一端から導入させるポンプと、を備え、前記反応液を反応させることにより強磁性体微粒子を製造することを特徴とする強磁性体微粒子製造装置である。
【0008】
本発明によれば、パイプの一端から導入される反応液がシングルモードキャビティ内のマイクロ波によって加熱されることで、反応液の反応が促進されて強磁性体微粒子が生成される。そして、パイプ内で強磁性体微粒子が生成されると、生成された強磁性体微粒子とマイクロ波との磁気的な結合(カップリング)が生じるため、マイクロ波の入射波に対する反射波の比率が低下し、その結果、シングルモードキャビティのインピーダンスが上昇する。この場合、シングルモードキャビティのインピーダンスが測定されることで、パイプ内における強磁性体微粒子の生産効率が外部から容易に推定され得る。また、本発明によれば、反応容器内で反応液を撹拌させる必要なく、パイプ内で連続的に強磁性体微粒子が生成されるため、反応液の温度や混じり具合にバラツキが生じにくく、生成される強磁性体微粒子の組成や寸法のバラツキも小さくなる。また、GMPに対応することも容易である。
【0009】
好ましくは、前記シングルモードキャビティのインピーダンスを測定するインピーダンス測定器と、前記インピーダンス測定器による測定結果に基づいて、前記シングルモードキャビティのインピーダンスが所定値以上となるようなポンプ流量を決定するポンプ流量決定部と、を更に備え、前記ポンプは、前記ポンプ流量決定部が決定したポンプ流量に従って前記反応液を導入させるようになっている。このような態様では、前述のインピーダンスが上昇する原理を応用することで、強磁性体微粒子の生産効率を向上させている。すなわち、ある閾値までは、ポンプ流量が上がるにつれて強磁性体微粒子の生成効率も上がる。これに伴って、インピーダンスも上昇する。ところが、ある閾値を超えたポンプ流量では、未反応の反応液がパイプの他端から流出してしまい、強磁性体微粒子の生成効率が却って低下する。これに伴って、インピーダンスも低下する。そのため、このような態様においては、インピーダンスが所定値以上となるようなポンプ流量がポンプ流量決定部により決定され、当該ポンプ流量決定部が決定した流量に従って反応液がパイプの一端から導入されることにより、強磁性体微粒子の製造効率を所望のレベル以上に維持することができる。
【0010】
具体的には、例えば、前記パイプの軸方向の長さは、20mm〜200mmである。
【0011】
また、本発明は、誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに電気的に接続され、当該誘導加熱コイルの内部に交番磁界を形成する高周波電源と、前記誘導加熱コイルの内部を貫通して設けられ、軸方向の少なくとも一部の領域が誘電体からなり、当該誘電体からなる領域より一端側の領域が導体からなるパイプと、強磁性体の金属の金属イオンと水酸化物イオンとが溶解しているアルカリ性の反応液を前記パイプの前記一端から導入させるポンプと、を備え、前記反応液を反応させることにより強磁性体微粒子を製造することを特徴とする強磁性体微粒子製造装置である。
【0012】
本発明によれば、パイプの導体からなる領域が誘導加熱コイルの内部の交番磁界によって誘導加熱され、パイプの一端から導入される反応液が当該導体からなる領域の発熱によって加熱されることで、反応液の反応が促進されて強磁性体微粒子が生成される。そして、パイプ内で強磁性体微粒子が生成されると、生成された強磁性体微粒子がパイプの誘電体からなる領域においてコア(磁心)として機能するため、誘導加熱コイルのインダクタンスが増加し、その結果、誘導加熱コイルのインピーダンスが上昇する。この場合、誘導加熱コイルのインピーダンスが測定されることで、パイプ内における強磁性体微粒子の生産効率が外部から容易に推定され得る。また、本発明によれば、反応容器内で反応液を撹拌させる必要なく、パイプ内で連続的に強磁性体微粒子が生成されるため、反応液の温度や混じり具合にバラツキが生じにくく、生成される強磁性体微粒子の組成や寸法のバラツキも小さくなる。また、GMPに対応することも容易である。
【0013】
好ましくは、前記誘導加熱コイルのインピーダンスを測定するインピーダンス測定器と、前記インピーダンス測定器による測定結果に基づいて、前記誘導加熱コイルのインピーダンスが所定値以上となるようなポンプ流量を決定するポンプ流量決定部と、を更に備え、前記ポンプは、前記ポンプ流量決定部が決定したポンプ流量に従って前記反応液を導入させるようになっている。このような態様では、前述のインピーダンスが上昇する原理を応用することで、強磁性体微粒子の生産効率を向上させている。すなわち、ある閾値までは、ポンプ流量が上がるにつれて強磁性体微粒子の生成効率も上がる。これに伴って、インピーダンスも上昇する。ところが、ある閾値を超えたポンプ流量では、未反応の反応液がパイプの他端から流出してしまい、強磁性体微粒子の生成効率が却って低下する。これに伴って、インピーダンスも低下する。そのため、このような態様においては、インピーダンスが所定値以上となるようなポンプ流量がポンプ流量決定部により決定され、当該ポンプ流量決定部が決定した流量に従って反応液がパイプの一端から導入されることにより、強磁性体微粒子の製造効率を所望のレベル以上に維持することができる。
【0014】
具体的には、例えば、前記パイプの導体から成る領域の軸方向の長さは、20mm〜200mmである。
【0015】
また、具体的には、例えば、前記強磁性体の金属の金属イオンは、鉄イオンまたはニッケルイオンのうちいずれか一方または両方である。例えば、第一鉄イオンと第二鉄イオンとが溶解しているアルカリ性の反応液からは、第一鉄イオンと第二鉄イオンとの共沈反応により、強磁性体微粒子であるマグネタイトの微粒子が生成される。また、第二鉄イオンとニッケルイオンとが溶解しているアルカリ性の反応液からは、第二鉄イオンとニッケルイオンとの共沈反応により、強磁性体微粒子であるニッケルフェライトの微粒子が生成される。
【0016】
また、具体的には、例えば、前記反応液には、水酸化ナトリウムが溶解されている。
【0017】
また、具体的には、例えば、前記パイプの内径は、0.3mm〜5.0mmである。
【0018】
好ましくは、前記パイプの内面は、防食被覆されている。被覆素材としては、ガラスや各種合成樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂などが挙げられるが、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。このような態様によれば、パイプ内を流れる反応液に対する円滑性を常時維持することができる。
【0019】
前記ポンプ流量決定部あるいは当該ポンプ流量決定部の各要素手段は、コンピュータシステムによって実現され得る。
【0020】
また、コンピュータシステムにそれらを実現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本件の保護対象である。
【0021】
ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク等の単体として認識できるものの他、各種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態による強磁性体微粒子製造装置を示す概略構成図である。
図2図2は、本発明の第2の実施の形態による強磁性体微粒子製造装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態による強磁性体微粒子製造装置を示す概略構成図である。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態による強磁性体微粒子製造装置10は、所定の波長のマイクロ波に対して共振するシングルモードキャビティ11と、シングルモードキャビティ11に電気的に接続され、当該シングルモードキャビティ11の内部に前記所定の波長のマイクロ波を導入するマイクロ波発振器12と、シングルモードキャビティ11の内部を貫通して設けられた誘電体からなるパイプ13と、強磁性体の金属の金属イオンと水酸化物イオンとが溶解しているアルカリ性の反応液をパイプ13の一端から導入させるポンプ14a、14bと、を備えている。
【0026】
シングルモードキャビティ11は、金属などの導体壁で構成された中空容器であり、空洞共振器とも呼ばれる。シングルモードキャビティ11は、その大きさ、形、モードに応じて規定される所定の波長のマイクロ波に対して共振するようになっており、すなわち、シングルモードキャビティ11の内部では、当該所定の波長のマイクロ波のみが定在波として存在できるようになっている。具体的には、例えば、シングルモードキャビティ11は、図1における左右方向(z方向)の長さ150mm、上下方向(y方向)の長さ109.2mm、紙面に対して直角な方向(x方向)の長さ54.5mmの直方体形状を有しており、マイクロ波がz方向に伝播されるTE10モードでは、波長120mmのマイクロ波に対して共振するようになっている。
【0027】
マイクロ波発振器12は、同軸ケーブル17を介して、シングルモードキャビティ11に電気的に接続されており、シングルモードキャビティ11の内部に前記所定の波長のマイクロ波を導入できるようになっている。
【0028】
本実施の形態のパイプ13は、円筒形状を有する樹脂製パイプである。具体的には、例えば、パイプ13の内径は、0.3mm〜5.0mmであり、軸方向の長さは、20mm〜200mmである。パイプ13の材質は、例えば、ポリ塩化ビニルである。
【0029】
図1に示すように、パイプ13は、当該パイプ13の軸線がシングルモードキャビティ11のz方向と平行に向けられた状態で、当該シングルモードキャビティ11の内部を同軸に貫通して設けられている。パイプ13の内面は、防食被覆されており、パイプ13内を流れる液体に対する円滑性が常時維持されるようになっている。被覆素材としては、ガラスや各種合成樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂などが挙げられるが、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。
【0030】
本実施の形態では、図1に示すように、パイプ13の一端には、第1液体収容部31と第2液体収容部32とが、それぞれ、互いに異なるポンプ14a、14bを介して液密に接続されている。
【0031】
第1液体収容部31には、強磁性体の金属の金属イオンを含有する金属塩水溶液が収容されている。具体的には、例えば、強磁性体の金属の金属イオンは、鉄イオンまたはニッケルイオンのうちいずれか一方または両方である。本実施の形態では、第一塩化鉄(FeCl)と第二塩化鉄(FeCl)とが1:2のモル比で溶解された鉄塩水溶液が、第1液体収容部31に収容されている。なお、第一硫酸鉄(FeSO)と第二硫酸鉄(Fe(SO)とが1:1のモル比で溶解された鉄塩水溶液が、第1液体収容部31に収容されていてもよい。
【0032】
一方、第2液体収容部32には、水酸化物イオンを含有するアルカリ性水溶液が収容されている。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)が溶解されたアルカリ性水溶液が、第2液体収容部32に収容されている。
【0033】
本実施の形態のポンプ14a、14bは、第1液体収容部31に収容された鉄塩水溶液と第2液体収容部32に収容されたアルカリ性水溶液との混合液(以下、反応液という)を、第一鉄イオン(Fe2+)と第二鉄イオン(Fe3+)と水酸化物イオン(OH)とが1:2:8のモル比になるような流量比で、パイプ13の一端から導入させるようになっている。
【0034】
本実施の形態による強磁性体微粒子製造装置10は、シングルモードキャビティ11のインピーダンスを測定するインピーダンス測定器15と、インピーダンス測定器15による測定結果に基づいて、シングルモードキャビティ11のインピーダンスが所定値以上となるようなポンプ流量を決定するポンプ流量決定部16と、を更に備えている。
【0035】
本実施の形態では、図1に示すように、インピーダンス測定器15は、同軸ケーブル17に電気的に接続されており、シングルモードキャビティ11のインピーダンスを同軸ケーブル17を介して測定するようになっている。
【0036】
ポンプ流量決定部16は、具体的には、例えば、制御プログラム等を記憶した記憶部を含むコンピュータシステムによって構成されている。ポンプ流量決定部16の記憶部には、シングルモードキャビティ11のインピーダンスの目標値が予め記憶されるようになっている。この目標値は、例えば、後述するように、ポンプ流量の変化に対するインピーダンス測定器15による測定結果の変化に基づいて決定され得る。
【0037】
また、ポンプ流量決定部16は、インピーダンス測定器15による測定結果に基づいて、シングルモードキャビティ11のインピーダンスが予め記憶された目標値以上となるようなポンプ流量(ポンプ流量設定値)を決定するようになっており、ポンプ14a、14bは、ポンプ流量決定部16が決定したポンプ流量(ポンプ流量設定値)に従って反応液をパイプ13の一端から導入させるようになっている。
【0038】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0039】
まず、ポンプ14a、14bによって、第一鉄イオン(Fe2+)と第二鉄イオン(Fe3+)と水酸化物イオン(OH)とが1:2:8のモル比で溶解しているアルカリ性の反応液が、パイプ13の一端から導入される。また、マイクロ波発振器12からシングルモードキャビティ11の内部に所定の波長(例えば120mm)のマイクロ波が導入される。
【0040】
パイプ13内を流れる反応液は、シングルモードキャビティ11内に導入されたマイクロ波によって加熱されて、反応温度(例えば40℃〜80℃)まで昇温する。これにより、反応液の反応が促進されて、第一鉄イオン(Fe2+)と第二鉄イオン(Fe3+)との共沈反応が生起され、マグネタイト(Fe)の微粒子が生成される。生成されたマグネタイトの微粒子は、パイプ13内を流れる反応液の圧力により押し流されて、パイプ13の他端から取り出される。
【0041】
パイプ13内でマグネタイトの微粒子が生成されると、マグネタイトの微粒子とマイクロ波との磁気的な結合(カップリング)が生じるため、マイクロ波の入射波に対する反射波の比率が低下し、その結果、シングルモードキャビティ11のインピーダンスが上昇する。シングルモードキャビティ11のインピーダンスは、インピーダンス測定器15により測定される。
【0042】
ポンプ流量決定部16は、インピーダンス測定器15から測定結果を読み出して、測定結果を予め記憶された目標値と比較する。
【0043】
測定結果が目標値以上である場合には、その時点のポンプ14a、14bの流量を、前述のポンプ流量設定値として決定する。
【0044】
一方、測定結果が目標値より小さい場合には、当該測定結果がポンプ流量決定部16に記憶されると共に、ポンプ14a、14bが制御され、パイプ13の一端に導入される反応液の流量が増加される。
【0045】
原理的に、ある閾値までは、ポンプ流量が上がるにつれて、マグネタイトの微粒子の生成効率も上がる。これに伴って、シングルモードキャビティ11のインピーダンスも上昇する(ケース1)。ところが、ある閾値を超えると、ポンプ流量が上がるにつれて、未反応の反応液がパイプ13の他端から流出してしまい、マグネタイトの微粒子の生成効率が却って低下する。これに伴って、シングルモードキャビティ11のインピーダンスも低下する(ケース2)。
【0046】
ポンプ流量決定部16は、インピーダンス測定器15から測定結果を読み出して、測定結果を記憶された前回の測定結果と比較する。
【0047】
測定結果が記憶された前回の測定結果より大きい場合は、ケース1であると判断して、ポンプ14a、14bが制御され、パイプ13の一端に導入される反応液の流量が徐々に増加される。その間に、ポンプ流量決定部16は、インピーダンス測定器15から測定結果を逐次読み出して、測定結果を予め記憶された目標値と比較し、測定結果が目標値以上となる時に、その時点のポンプ14a、14bの流量を、前述のポンプ流量設定値として決定する。
【0048】
一方、測定結果が記憶された前回の測定結果より小さい場合は、ケース2であると判断して、ポンプ14a、14bが制御され、パイプ13の一端に導入される反応液の流量が徐々に減少される。その間に、ポンプ流量決定部16は、インピーダンス測定器15から測定結果を逐次読み出して、測定結果を予め記憶された目標値と比較し、測定結果が目標値以上となる時に、その時点のポンプ14a、14bの流量を、前述のポンプ流量設定値として決定する。
【0049】
次に、ポンプ14a、14bは、ポンプ流量決定部16が決定したポンプ流量(ポンプ流量設定値)に従って反応液をパイプ13の一端から導入させるように設定される。これにより、以後、パイプ13内では、ポンプ流量決定部16に予め記憶されていたインピーダンスの目標値に対応する所望の生成効率以上の生成効率で、マグネタイトの微粒子が生成される。
【0050】
以上のような本実施の形態によれば、パイプ13の一端から導入される反応液がシングルモードキャビティ11内のマイクロ波によって加熱されることで、反応液の反応が促進されて強磁性体微粒子が生成される。そして、パイプ13内で強磁性体微粒子が生成されると、生成された強磁性体微粒子とマイクロ波との磁気的な結合(カップリング)が生じるため、マイクロ波の入射波に対する反射波の比率が低下し、その結果、シングルモードキャビティ11のインピーダンスが上昇する。この場合、シングルモードキャビティ11のインピーダンスが測定されることで、パイプ13内における強磁性体微粒子の生産効率が外部から容易に推定され得る。
【0051】
また、本実施の形態によれば、反応容器内で反応液を撹拌させる必要なく、パイプ13内で連続的に強磁性体微粒子が生成されるため、反応液の温度や混じり具合にバラツキが生じにくく、生成される強磁性体微粒子の組成や寸法のバラツキも小さくなる。また、GMPに対応することも容易である。
【0052】
また、本実施の形態では、前述のインピーダンスが上昇する原理を応用することで、強磁性体微粒子の生産効率を向上させている。すなわち、ある閾値までは、ポンプ流量が上がるにつれて強磁性体微粒子の生成効率も上がる。これに伴って、インピーダンスも上昇する。ところが、ある閾値を超えたポンプ流量では、未反応の反応液がパイプの他端から流出してしまい、強磁性体微粒子の生成効率が却って低下する。これに伴って、インピーダンスも低下する。そのため、本実施の形態においては、インピーダンスが所定値以上となるようなポンプ流量がポンプ流量決定部16により決定され、当該ポンプ流量決定部16が決定した流量に従って反応液がパイプ13の一端から導入されることにより、強磁性体微粒子の製造効率を所望のレベル以上に維持することができる。
【0053】
次に、図2を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0054】
図2は、本発明の第2の実施の形態による強磁性体微粒子製造装置を示す概略構成図である。
【0055】
図2に示すように、第2の実施の形態による強磁性体微粒子製造装置20は、第1の実施の形態による強磁性体微粒子製造装置10のシングルモードキャビティ11とマイクロ波発振器12と誘電体からなるパイプ13との代わりに、誘導加熱コイル21と、誘導加熱コイル21に電気的に接続され、当該誘導加熱コイル21の内部に交番磁界を形成する高周波電源22と、誘導加熱コイル21の内部を貫通して設けられ、軸方向の少なくとも一部の領域23aが誘電体からなり、当該誘電体からなる領域23aより一端側の領域23bが導体からなるパイプ23と、を備えている。
【0056】
誘導加熱コイル21は、円筒形状を有するソレノイドコイルである。例えば、誘導加熱コイル21の直径は20mmであり、軸方向の長さは150mmである。
【0057】
高周波電源22は、高周波ケーブル27を介して誘導加熱コイル21に電気的に接続されており、誘導加熱コイル21に所定の周波数(例えば20kHz)で交流電流を供給して、誘導加熱コイル21の内部に交番磁界を形成できるようになっている。
【0058】
本実施の形態のパイプ23は、円筒形状を有する樹脂製パイプ23aと、当該樹脂製パイプ23aと同じ内径の円筒形状を有する金属製パイプ23bとが、同軸に連結されて形成されている。具体的には、例えば、樹脂製パイプ23aの軸方向の長さは20mm〜200mmであり、金属製パイプ23bの軸方向の長さは20mm〜200mmである。樹脂製パイプ23aと金属製パイプ23bの内径は、いずれも、0.3mm〜5.0mmである。樹脂製パイプ23aの材質は、例えば、ポリ塩化ビニルであり、金属製パイプ23bの材質は、例えば、ステンレスである。
【0059】
図2に示すように、パイプ23は、当該パイプ23の軸線が誘導加熱コイル21の軸線と平行に向けられた状態で、当該誘導加熱コイル21の内部を同軸に貫通して設けられている。パイプ23のうち金属製パイプ23b側の一端部には、第1液体収容部31と第2液体収容部32とが、それぞれ、互いに異なるポンプ14a、14bを介して、液密に接続されている。パイプ23の内面は、防食被覆されており、パイプ23内を流れる液体に対する円滑性が常時維持されるようになっている。
【0060】
本実施の形態では、図2に示すように、インピーダンス測定器15は、高周波電源22に内蔵されており、誘導加熱コイル21のインピーダンスを測定するようになっている。なお、市販品の高周波電源22には、通常、インピーダンス測定器15が内蔵されているが、インピーダンス測定器15が内蔵されていないタイプの高周波電源22が用いられる場合には、インピーダンス測定器15が高周波電源22の外側に設置されていてもよい。
【0061】
本実施の形態のポンプ流量決定部16には、誘導加熱コイル21のインピーダンスの目標値(所定値)が予め記憶されるようになっている。
【0062】
その他の構成は図1に示す第1の実施の形態と略同様である。図2において、図1に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0063】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0064】
まず、ポンプ14a、14bによって、第一鉄イオン(Fe2+)と第二鉄イオン(Fe3+)と水酸化物イオン(OH)とが1:2:8のモル比で溶解しているアルカリ性の反応液が、パイプ23のうち金属製パイプ23b側の一端部から導入される。また、高周波電源22から誘導加熱コイル21に所定の周波数(例えば20kHz)で交流電流が供給され、誘導加熱コイル21の内部に交番磁界が形成される。
【0065】
パイプ23の導体からなる領域(金属製パイプ)23bは、誘導加熱コイル21の内部に形成された交番磁界によって誘導加熱されて発熱し、パイプ23内を流れる反応液は、当該導体からなる領域23bの発熱によって加熱されて、反応温度(例えば40℃〜80℃)まで昇温する。これにより、反応液の反応が促進されて、第一鉄イオン(Fe2+)と第二鉄イオン(Fe3+)との共沈反応が生起され、マグネタイト(Fe)の微粒子が生成される。生成されたマグネタイトの微粒子は、パイプ23内を流れる反応液の圧力により押し流され、誘電体からなる領域(樹脂製パイプ)23aを通過して、パイプ23の他端から取り出される。
【0066】
パイプ23内でマグネタイトの微粒子が生成されると、マグネタイトの微粒子が誘電体からなる領域(樹脂製パイプ)23aにおいてコア(磁心)として機能するため、誘導加熱コイル21のインダクタンスが増加し、その結果、誘導加熱コイル21のインピーダンスが上昇する。誘導加熱コイル21のインピーダンスは、インピーダンス測定器15により測定される。
【0067】
ポンプ流量決定部16は、インピーダンス測定器15から測定結果を読み出して、測定結果を予め記憶された目標値と比較する。
【0068】
測定結果が目標値以上である場合には、その時点のポンプ14a、14bの流量を、前述のポンプ流量設定値として決定する。
【0069】
一方、測定結果が目標値より小さい場合には、当該測定結果がポンプ流量決定部16に記憶されると共に、ポンプ14a、14bが制御され、パイプ23の一端に導入される反応液の流量が増加される。
【0070】
原理的に、ある閾値までは、ポンプ流量が上がるにつれて、マグネタイトの微粒子の生成効率も上がる。これに伴って、誘導加熱コイル21のインピーダンスも上昇する(ケース1)。ところが、ある閾値を超えると、ポンプ流量が上がるにつれて、未反応の反応液がパイプ23の他端から流出してしまい、マグネタイトの微粒子の生成効率が却って低下する。これに伴って、誘導加熱コイル21のインピーダンスも低下する(ケース2)。
【0071】
ポンプ流量決定部16は、インピーダンス測定器15から測定結果を読み出して、測定結果を記憶された前回の測定結果と比較する。
【0072】
測定結果が記憶された前回の測定結果より大きい場合は、ケース1であると判断して、ポンプ14a、14bが制御され、パイプ23の一端に導入される反応液の流量が徐々に増加される。その間に、ポンプ流量決定部16は、インピーダンス測定器15から測定結果を逐次読み出して、測定結果を予め記憶された目標値と比較し、測定結果が目標値以上となる時に、その時点のポンプ14a、14bの流量を、前述のポンプ流量設定値として決定する。
【0073】
一方、測定結果が記憶された前回の測定結果より小さい場合は、ケース2であると判断して、ポンプ14a、14bが制御され、パイプ23の一端に導入される反応液の流量が徐々に減少される。その間に、ポンプ流量決定部16は、インピーダンス測定器15から測定結果を逐次読み出して、測定結果を予め記憶された目標値と比較し、測定結果が目標値以上となる時に、その時点のポンプ14a、14bの流量を、前述のポンプ流量設定値として決定する。
【0074】
次に、ポンプ14a、14bは、ポンプ流量決定部16が決定したポンプ流量(ポンプ流量設定値)に従って反応液をパイプ23の一端から導入させるように設定される。これにより、以後、パイプ23内では、ポンプ流量決定部16に予め記憶されていたインピーダンスの目標値に対応する所望の生成効率以上の生成効率で、マグネタイトの微粒子が生成される。
【0075】
以上のような本実施の形態によれば、パイプ23の導体からなる領域23bが誘導加熱コイル21の内部の交番磁界によって誘導加熱され、パイプ23の一端から導入される反応液が当該導体からなる領域23bの発熱によって加熱されることで、反応液の反応が促進されて強磁性体微粒子が生成される。そして、パイプ23内で強磁性体微粒子が生成されると、生成された強磁性体微粒子がパイプ23の誘電体からなる領域23aにおいてコア(磁心)として機能するため、誘導加熱コイル21のインダクタンスが増加し、その結果、誘導加熱コイル21のインピーダンスが上昇する。この場合、誘導加熱コイル21のインピーダンスが測定されることで、パイプ23内における強磁性体微粒子の生産効率が外部から容易に推定され得る。
【0076】
また、本実施の形態によれば、反応容器内で反応液を撹拌させる必要なく、パイプ23内で連続的に強磁性体微粒子が生成されるため、反応液の温度や混じり具合にバラツキが生じにくく、生成される強磁性体微粒子の組成や寸法のバラツキも小さくなる。また、GMPに対応することも容易である。
【0077】
また、本実施の形態では、前述のインピーダンスが上昇する原理を応用することで、強磁性体微粒子の生産効率を向上させている。すなわち、ある閾値までは、ポンプ流量が上がるにつれて強磁性体微粒子の生成効率も上がる。これに伴って、インピーダンスも上昇する。ところが、ある閾値を超えたポンプ流量では、未反応の反応液がパイプの他端から流出してしまい、強磁性体微粒子の生成効率が却って低下する。これに伴って、インピーダンスも低下する。そのため、本実施の形態においては、インピーダンスが所定値以上となるようなポンプ流量がポンプ流量決定部16により決定され、当該ポンプ流量決定部16が決定した流量に従って反応液がパイプ23の一端から導入されることにより、強磁性体微粒子の製造効率を所望のレベル以上に維持することができる。
【0078】
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、いずれも、第一鉄イオンと第二鉄イオンとを含むアルカリ性の反応液から、第一鉄イオンと第二鉄イオンとの共沈反応により、強磁性体微粒子であるマグネタイトの微粒子が生成されたが、これに限定されず、例えば、第二鉄イオンとニッケルイオンとを含むアルカリ性の反応液から、第二鉄イオンとニッケルイオンとの共沈反応により、強磁性体微粒子であるニッケルフェライトの微粒子が生成されてもよい。
【0079】
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、いずれも、ポンプ流量決定部16は、インピーダンス測定器15による測定結果に基づいて、シングルモードキャビティ11または誘導加熱コイル21のインピーダンスが予め記憶された目標値以上となるようなポンプ流量をポンプ流量設定値として決定したが、これに限定されず、ポンプ流量の変化に対するインピーダンス測定器15による測定結果の変化に基づいて、シングルモードキャビティ11または誘導加熱コイル21のインピーダンスが最大値となるようなポンプ流量をポンプ流量設定値として決定してもよい。更には、ポンプ流量の変化に対するインピーダンス測定器15による測定結果の変化に基づいて、シングルモードキャビティ11または誘導加熱コイル21のインピーダンスが所定値以上(例えば、最大値の90%以上)となるようなポンプ流量をポンプ流量設定値として決定してもよい。
【0080】
なお、前述のように、ポンプ流量決定部16はコンピュータシステムによって構成され得るが、コンピュータシステムにポンプ流量決定部16を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本件の保護対象である。
【0081】
さらに、ポンプ流量決定部16が、コンピュータシステム上で動作するOS等のプログラム(第2のプログラム)によって実現される場合、当該OS等のプログラムを制御する各種命令を含むプログラム及び当該プログラムを記録した記録媒体も、本件の保護対象である。
【0082】
ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク等の単体として認識できるものの他、各種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【符号の説明】
【0083】
10 強磁性体微粒子製造装置
11 シングルモードキャビティ
12 マイクロ波発振器
13 パイプ
14a ポンプ
14b ポンプ
15 インピーダンス測定器
16 ポンプ流量決定部
17 同軸ケーブル
20 強磁性体微粒子製造装置
21 誘導加熱コイル
22 高周波電源
23 パイプ
23a 誘電体からなる領域
23b 導体からなる領域
24a ポンプ
24b ポンプ
25 インピーダンス測定器
26 ポンプ流量決定部
27 高周波ケーブル
31 第1液体収容部
32 第2液体収容部
図1
図2