特許第5909608号(P5909608)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909608
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】光誘導式LED装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20160414BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20160414BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20160414BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160414BHJP
【FI】
   F21S8/08 200
   H01L33/00 430
   F21V5/04 100
   F21Y101:02
【請求項の数】38
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-502112(P2010-502112)
(86)(22)【出願日】2008年3月25日
(65)【公表番号】特表2010-524175(P2010-524175A)
(43)【公表日】2010年7月15日
(86)【国際出願番号】US2008004189
(87)【国際公開番号】WO2008123960
(87)【国際公開日】20081016
【審査請求日】2011年3月9日
(31)【優先権主張番号】11/695,483
(32)【優先日】2007年4月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509275046
【氏名又は名称】ルード ライティング,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100085176
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 伸晃
(74)【代理人】
【識別番号】100104352
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日 伸光
(74)【代理人】
【識別番号】100128657
【弁理士】
【氏名又は名称】三山 勝巳
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(72)【発明者】
【氏名】ウィルコックス,カート,エス.
【審査官】 栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−277979(JP,A)
【文献】 特開2005−123557(JP,A)
【文献】 特表2004−526222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/08
F21V 5/04
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
優先側に向かって照明するためのLED装置であって、
基部上に少なくとも1つのLEDを有する発光体と、
前記発光体上に位置決めされ、中心軸を有する主レンズと、
内側表面が前記主レンズを囲んで配置される二次レンズであって、前記中心軸にほぼ垂直な主平面を画定する前記二次レンズのタブ面と、前記中心軸と平行な基準軸を画定する中央領域基準点をもつ複合外側レンズ表面とを有する二次レンズと、
を備えるLED装置において、
前記複合外側レンズ表面は、
前記主平面の法線方向に前記主平面より張り出し前記中心軸のまわりの任意の角度の領域内において稜線に至るよう形成される主要周囲表面であって、前記稜線は、前記中央領域基準点から離間していて前記主平面の法線方向に前記主平面からの距離が最も大きくなるよう前記複合外側レンズ表面上の点の集合として画定され、前記主要周囲表面は、前記主平面の法線方向に前記主平面より張り出す距離が大きくなるにしたがって前記主平面に平行な方向の前記主要周囲表面前記稜線との間の距離が徐々に小さくなるように形成される部分を有する前記主要周囲表面と、
前記稜線より前記中心軸の側にあり、前記中央領域基準点を含んで、前記中央領域基準点のまわりに凹面を有するように前記主要周囲表面と滑らかに結合するように延在する中央領域と、
前記優先側と反対である非優先側に中心があり、前記中央領域および前記主要周囲表面に隣接して滑らかに結合し前記タブ面まで延在する非主要周囲表面と、
を具備するLED装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED装置であって、
前記基準軸が前記中心軸から前記非優先側の方にオフセットしているLED装置
【請求項3】
請求項1に記載のLED装置であって、
前記任意の角度は、180°よりも大きい角度であるLED装置。
【請求項4】
請求項3に記載のLED装置であって、
前記基準軸が前記中心軸から前記非優先側の方にオフセットされるLED装置。
【請求項5】
請求項1に記載のLED装置であって、
前記主要周囲表面と交差する基準軸半平面ごとに単一の稜線点だけがあるLED装置。
【請求項6】
請求項1に記載のLED装置であって、
前記主要周囲表面は線対称であるLED装置。
【請求項7】
請求項1に記載のLED装置であって、
前記非主要周囲表面は線対称であるLED装置。
【請求項8】
請求項1に記載のLED装置であって、
前記複合外側レンズ表面は線対称であるLED装置。
【請求項9】
請求項1に記載のLED装置であって、
前記主レンズと前記二次レンズとの間に空間があり、前記空間が光学グレードのゲルで充填されるLED装置。
【請求項10】
請求項1に記載のLED装置であって、
前記主レンズが前記中心軸のまわりで実質的に回転対称である照明パターンを有するLED装置。
【請求項11】
請求項1に記載のLED装置であって、
前記主レンズが実質的に半球であるLED装置。
【請求項12】
請求項1に記載のLED装置であって、
前記中央領域基準点を通り前記主平面に垂直な複数の面における前記複合外側レンズ表面のそれぞれの断面は、前記中央領域基準点および前記タブ面で終端する複数の目標レンズ設計曲線を構成し、
前記複合外側レンズ表面は、前記複数の目標レンズ設計曲線を滑らかに結合することによって形成されるLED装置。
【請求項13】
請求項12に記載のLED装置であって、
前記基準軸が前記中心軸から前記非優先側の方にオフセットしたLED装置。
【請求項14】
請求項12に記載のLED装置であって、
前記任意の角度は、180°よりも大きい角度であるLED装置。
【請求項15】
請求項14に記載のLED装置であって、
前記基準軸が前記中心軸から前記非優先側の方にオフセットされるLED装置。
【請求項16】
請求項12に記載のLED装置であって、
前記主要周囲表面と交差する基準軸半平面ごとに単一の稜線点だけがあるLED装置。
【請求項17】
請求項12に記載のLED装置であって、
前記主要周囲表面は線対称であるLED装置。
【請求項18】
請求項12に記載のLED装置であって、
前記非主要周囲表面は線対称であるLED装置。
【請求項19】
請求項12に記載のLED装置であって、
前記複合外側レンズ表面は線対称であるLED装置。
【請求項20】
請求項12に記載のLED装置であって、
前記主レンズと前記二次レンズとの間に空間があり、前記空間が光学グレードのゲルで充填されていることを特徴とするLED装置。
【請求項21】
請求項12に記載のLED装置であって、
前記主レンズが前記中心軸のまわりで実質的に回転対称である照明パターンを有するLED装置。
【請求項22】
請求項12に記載のLED装置であって、
前記主レンズが実質的に半球であることを特徴とするLED装置。
【請求項23】
優先側に向かって照明するためのLED装置であって、
基部上に少なくとも1つのLEDを有する発光体と、
前記発光体上に位置決めされるレンズであって、中心軸と、前記中心軸にほぼ垂直な主平面を画定する前記レンズのタブ面と、前記中心軸と平行な基準軸を画定する中央領域基準点をもつ複合外側レンズ表面とを有するレンズと
を含むLED装置において、
前記複合外側レンズ表面は、
前記主平面の法線方向に前記主平面より張り出し前記中心軸のまわりの任意の角度の領域内において稜線に至るよう形成される主要周囲表面であって、前記稜線は、前記中央領域基準点から離間していて前記主平面の法線方向に前記主平面からの距離が最も大きくなるよう前記複合外側レンズ表面上の点の集合として画定され、前記主要周囲表面は、前記主平面の法線方向に前記主平面より張り出す距離が大きくなるにしたがって前記主平面に平行な方向の前記主要周囲表面前記稜線との間の距離が徐々に小さくなるように形成される部分を有する前記主要周囲表面と、
前記稜線より前記中心軸の側にあり、前記中央領域基準点を含んで、前記中央領域基準点のまわりに凹面を有するように前記主要周囲表面と滑らかに結合するように延在する中央領域と、
前記優先側と反対である非優先側に中心があり、前記中央領域および前記主要周囲表面に隣接して滑らかに結合し前記タブ面まで延在する非主要周囲表面と
を具備するLED装置。
【請求項24】
請求項23に記載のLED装置であって、
前記基準軸が前記中心軸から前記非優先側の方にオフセットされるLED装置。
【請求項25】
請求項23に載のLED装置であって、
前記任意の角度は、180°よりも大きい角度であるLED装置。
【請求項26】
請求項25に記載のLED装置であって、
前記基準軸が前記中心軸から前記非優先側の方にオフセットされるLED装置。
【請求項27】
請求項23に記載のLED装置であって、
前記主要周囲表面と交差する基準軸半平面ごとに単一の稜線点だけがあるLED装置。
【請求項28】
請求項23に記載のLED装置であって、
前記主要周囲表面は線対称であるLED装置。
【請求項29】
請求項23に記載のLED装置であって、
前記非主要周囲表面は線対称であるLED装置。
【請求項30】
請求項23に記載のLED装置であって、
前記複合外側レンズ表面は線対称であるLED装置。
【請求項31】
請求項23に記載のLED装置であって、
前記中央領域基準点を通り前記主平面に垂直な複数の面における前記複合外側レンズ表面のそれぞれの断面は、前記中央領域基準点および前記タブ面で終端する複数の目標レンズ設計曲線を構成し、
前記複合外側レンズ表面は、前記複数の目標レンズ設計曲線を滑らかに結合することによって形成されるLED装置。
【請求項32】
請求項31に記載のLED装置であって、
前記基準軸が前記中心軸から前記非優先側の方にオフセットされるLED装置。
【請求項33】
請求項31に載のLED装置であって、
前記任意の角度は、180°よりも大きい角度であるLED装置。
【請求項34】
請求項33に載のLED装置であって、
前記基準軸が前記中心軸から前記非優先側の方にオフセットされるLED装置。
【請求項35】
請求項23に載のLED装置であって、
前記主要周囲表面と交差する基準軸半平面ごとに単一の稜線点だけがあるLED装置。
【請求項36】
請求項31に載のLED装置であって、
前記主要周囲表面は線対称であるLED装置。
【請求項37】
請求項31に載のLED装置であって、
前記非主要周囲表面は線対称であるLED装置。
【請求項38】
請求項31に載のLED装置であって、
前記複合外側レンズ表面は線対称であるLED装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に照明システムの分野に関し、より詳細には、所定のパターンの光強度で区域を照明するためにLED光源を利用するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低コストでエネルギー効率のよい照明装置が必要である。LED(発光ダイオード)はエネルギー効率のよい光源を提供し、LED技術の進歩によりそのような効率は次第により高いものになっている。さらに、LEDを光源として使用する1つの利点は、疑いなく、そのような光源のパッケージが小さくなるとそのような光源を含む取付具内での材料使用量が非常に少なくなり、それにより付随する高い費用効率がもたらされることである。技術が進歩し、LEDパッケージのコストが低下するにつれて、そのような材料使用量の費用便益はより重要になるであろう。
【0003】
照明システムの典型的な用途は道路および駐車場の照明であり、照明されるべき区域には光が一様に分配され、一方、隣接する領域には光の漏れがあるべきでないという性能要求がある。したがって、道路に沿っておよび駐車場において、例えば、道路または駐車場に一様な光を与えながら隣接の住宅へのいわゆる迷惑照明を避けるために横に偏った方向に光を誘導できることが必要である。
【0004】
様々なLEDパッケージは様々な目的のために光の優先的な横方向誘導に関連しないレンズを有しており、あるものは二次レンズを含む。さらに、小さいLED発光体パッケージに対して小さいレンズを使用し、放出された光のある量を一方の側に優先的に再誘導する目的のレンズを利用する光誘導式LED装置を開発することにある限定的な取り組みがなされてきた。しかし、1つまたは複数の突き出た要素および不連続の広い領域を有するレンズ表面を利用するそのようなレンズは、迷惑照明を避けるための要求にはほど遠い。迷惑照明の評価基準はただ単に非優先側の方に入る光エネルギーの量だけを含むのではなく、非優先側の区域中に光がどれくらいの距離だけ入るかも含む。
【0005】
迷惑照明を避けるための要求は、用途によっては、光が非優先側の区域に放出されるのを容認するのではなく光を吸収することが好ましいことを示すことさえもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、照明システムの分野において、装置から横に偏った方向に光を誘導し、従来技術の問題および欠点のいくつかを克服するLED照明装置を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、非優先(反対)側の方に光をほとんど誘導しないようにしながら優先側の方に光を誘導するLED光誘導装置を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、優先側の方に誘導される光を最大化し、非優先側の方に誘導される光を最小化するLED光誘導装置を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、光が誘導される非優先側の区域への距離を最小化することによって迷惑照明を最小化するLED光誘導装置を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、照明されるべき区域上に取り付けられるとき優先側の区域に一様に光を分配するLED光誘導装置を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、誘導される光の制御改善を達成するために単一の屈折だけで最大量の光を誘導するLED光誘導装置を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる別の目的は、より大きい区域を照明するために他のそのような装置と共に使用されるとき、複数のそのような装置の優先側の区域に光を一様に分配するLED光誘導装置を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる別の目的は、コスト効率のよい方法で上述のように光を誘導するLED光誘導装置を提供することである。
【0014】
本発明のこれらの目的および他の目的は以下の説明および図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
「下向きに」という用語が本発明およびその態様を説明する際に便宜のために本明細書で使用されるが、いかなる方位での装置の使用も決して指定していない。言い換えれば、「下向きに」は重力の方向によって限定されない。したがって、本明細書に開示される本発明の光誘導式LED装置を組み込む光取付具が下向きではなく「上向きに」またはほぼ横向きの方向に向けられる場合、「下向きに」という用語はそのような意味を包含する。本発明の装置の1つの重要な用途が垂直な照明柱からの地面の照明であるので、「下向きに」という用語が使用されている。図は、大部分で、そのような「下向きの」方向を概して上向きで示しているが、それは、斜視画法で二次レンズの複合外側レンズ表面を視覚化するには、見やすさのためにはそのような方位で最もよく観察されるからであることに留意されたい。そのような方向が図の状況のなかで参照されるとき注意書きがなされる。
【0016】
「基準軸半平面(reference−axis half−plane)」という用語は、基準軸が半平面の縁部にあるように基準から一方向に延びる無限の数の平面の各々を指す。
【0017】
本明細書で使用されるとき、「〜のまわりの実質的な角度に対して境界をなす」という句は、約150°よりも大きい角度が多数の照明用途でより有用であるが、境界をなす角度は少なくとも約90°であることを意味する。特に道路照明などの用途では、約180°の角度がさらにより好ましく、180°より多少大きい角度が最も好ましい。
【0018】
本明細書で使用されるとき、「稜線」という用語は、1組の点が本明細書で定義されるような稜線の定義を満たしている限り、単に1列の点ではなく領域中の1組の点も含むことができる。そのような状況が生じるのは、半径方向で複合外側レンズ表面に沿って基準軸へのまたはそれからの傾斜が、単にそのような曲線に沿った単一の点ではなく表面に沿ったそのような曲線の区間内で本明細書で定義されるような主平面と平行である場合である。言い換えれば、そのような領域の点はすべて複合外側レンズ表面のそのような領域内で主平面と平行な平面内にある。
【0019】
本発明は下向き方向および外向き方向に優先側に向かって照明するためのLED装置である。本発明の装置は、(1)基部上に少なくとも1つのLEDを有する発光体と、(2)発光体上に位置決めされ、中心軸を有する主レンズと、(3)内側表面が主レンズを囲んだ状態で配置された二次レンズとを含む。二次レンズは、中心軸に実質的に垂直な主平面を画定する基部隣接の下端部と、中心軸に平行な基準軸を画定する中央領域基準点をもつ複合外側レンズ表面とを有する。複合外側レンズ表面は優先側に中心がある主要周囲表面を含み、主要周囲表面は、(a)下端部から下向きで内向きに、主平面から最も遠くかつ基準点から離間している各基準軸半平面の外側レンズ表面の点の組によって画定され、中心軸のまわりの実質的な角度に対して境界をなす稜線まで張り出しており、(b)稜線で内向きに終了する。複合外側レンズ表面は中央領域を含み、中央領域は稜線の内部にあり、中央領域基準点を含み、中央領域基準点のまわりに凹面を有する。非優先側に中心があり、中央領域および主要周囲表面と隣り合う非主要周囲表面を複合外側レンズ表面はさらに含む。
【0020】
好ましい実施形態では、基準軸は中心軸から非優先側の方にオフセットされる。(基準軸は中心軸と一致することもできるし、優先側の方にオフセットすることもできるが、基準軸は中心軸から非優先側にオフセットされることが好ましい。)
【0021】
いくつかの好ましい実施形態では、稜線は中心軸のまわりの180°よりも大きい角度に対して境界をなす。
【0022】
実施形態によっては、主要周囲表面と交差する基準軸半平面ごとに単一の稜線点だけがある。
【0023】
本発明の装置のいくつかの好ましい実施形態では、主要周囲表面は左右対称であり、いくつかの実施形態では、非主要周囲表面は左右対称である。さらに、いくつかの好ましい実施形態では、複合外側レンズ表面は左右対称である。
【0024】
いくつかの好ましい実施形態では、主レンズと二次レンズとの間に空間があり、その空間は光学グレードのゲルで充填される。
【0025】
いくつかの実施形態では、主レンズは中心軸のまわりで実質的に回転対称である照明パターンを有し、いくつかの実施形態では、主レンズは実質的に半球である。
【0026】
非常に好ましい実施形態では、複合外側レンズ表面は、(a)複数の基準軸半平面における複数の個別に離間した目標レンズ設計曲線と、(b)その曲線間で複数の目標レンズ設計曲線と滑らかに整合する表面とによって形成される。目標レンズ設計曲線は中央領域基準点および下端部で終了する。
【0027】
いくつかの実施形態では、本発明の装置は、基部上に少なくとも1つのLEDを有する発光体と、発光体上に位置決めされ、中心軸と、中心軸に実質的に垂直な主平面を画定する基部隣接の下端部と、中心軸と平行な基準軸を画定する中央領域基準点をもつ複合外側レンズ表面とを有するレンズとを含む。複合外側レンズ表面は優先側に中心がある主要周囲表面を含み、主要周囲表面は、(a)下端部から下向きで内向きに、主平面から最も遠くかつ基準点から離間している各基準軸半平面の外側レンズ表面の点の組によって画定され、中心軸のまわりの実質的な角度に対して境界をなす稜線まで張り出しており、(b)稜線で内向きに終了する。複合外側レンズ表面は中央領域も含み、中央領域は稜線の内部にあり、中央領域基準点を含み、中央領域基準点のまわりに凹面を有する。非優先側に中心があり、中央領域および主要周囲表面と隣り合う非主要周囲表面を複合外側レンズ表面はさらに含む。
【0028】
本発明の装置は、最も典型的には、多数のそのようなデバイスがLEDモジュールと呼ばれるものに配置される用途で使用され、1つまたは複数のそのようなデバイスが所望の照明を達成するために照明取付具内で使用される。道路および駐車場の照明はそのような用途であるが、そのようなデバイスに対して非常に多くの他の用途がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の光誘導式LED装置の一実施形態の透視図である。
図2図1の装置の3つの異なる図であり、図2C〜4Cにそれぞれの断面図を伴う。
図3図1の装置の3つの異なる図であり、図2C〜4Cにそれぞれの断面図を伴う。
図4図1の装置の3つの異なる図であり、図2C〜4Cにそれぞれの断面図を伴う。
図5図1の本発明の装置の主レンズの斜視図である。
図6図1の装置の主レンズの照明パターンのグラフ図である。
図7】照明柱の概略図であり、本発明の装置はその上に取り付けられ、この柱は図1の本発明の装置の典型的な用途として斜視図において道路の側に沿って位置決めされる。
図8】二次レンズの複合外側レンズ表面を主として示す図1の装置の二次レンズの斜視図の線画である。
図9】二次レンズの複合外側レンズ表面と反対の側を主として示す図1の装置の二次レンズの斜視図の線画である。
図10図1の装置の二次レンズの底部正面図(図9に関連する「底部」)である。
図11】様々な視野角からの図1の装置の二次レンズのCAD生成されたソリッドモデルの斜視図である。
図12】様々な視野角からの図1の装置の二次レンズのCAD生成されたソリッドモデルの斜視図である。
図13】様々な視野角からの図1の装置の二次レンズのCAD生成されたソリッドモデルの斜視図である。
図14図1の装置の二次レンズのCAD生成されたワイヤフレームモデルの斜視図である。
図15】発光体が取り付けられている基部が二次レンズ内に位置決めされていることを示す図1の装置のCAD生成されたソリッドモデルの斜視図である。
図16】二次レンズの外側表面を生成するために使用される5つの目標レンズ設計曲線を示す図1の装置の二次レンズのCAD生成されたソリッドモデルの斜視図である。
図17図1の装置の二次レンズの3つ図であり、各々は、その形状が多くの目標レンズ設計曲線のうちの1つによって決定される曲線に沿って二次レンズの複合外側レンズ表面を横切る断面平面を示す。
図17C】それぞれ図17〜19で画定された断面図(二次レンズの複合外側レンズ表面に関する背景部のない)であり、図1の装置の二次レンズの外側表面の5つの目標レンズ設計曲線をさらに示す。
図18図1の装置の二次レンズの3つ図であり、各々は、その形状が多くの目標レンズ設計曲線のうちの1つによって決定される曲線に沿って二次レンズの複合外側レンズ表面を横切る断面平面を示す。
図18C】それぞれ図17〜19で画定された断面図(二次レンズの複合外側レンズ表面に関する背景部のない)であり、図1の装置の二次レンズの外側表面の5つの目標レンズ設計曲線をさらに示す。
図19図1の装置の二次レンズの3つ図であり、各々は、その形状が多くの目標レンズ設計曲線のうちの1つによって決定される曲線に沿って二次レンズの複合外側レンズ表面を横切る断面平面を示す。
図19C】それぞれ図17〜19で画定された断面図(二次レンズの複合外側レンズ表面に関する背景部のない)であり、図1の装置の二次レンズの外側表面の5つの目標レンズ設計曲線をさらに示す。
図20図1の本発明の装置の2次元照明強度分布を示す図である。
図21A】本発明の光誘導式LED装置の第2の実施形態の対の図を示す。第2の実施形態は一体型レンズを組み込んでいる。各対の図は断面平面を画定し、断面平面は対で示されており、図は本発明の装置の第1の実施形態の図17〜19Cの図と等価である。
図21B】本発明の光誘導式LED装置の第2の実施形態の対の図を示す。第2の実施形態は一体型レンズを組み込んでいる。各対の図は断面平面を画定し、断面平面は対で示されており、図は本発明の装置の第1の実施形態の図17〜19Cの図と等価である。
図21C】本発明の光誘導式LED装置の第2の実施形態の対の図を示す。第2の実施形態は一体型レンズを組み込んでいる。各対の図は断面平面を画定し、断面平面は対で示されており、図は本発明の装置の第1の実施形態の図17〜19Cの図と等価である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の光誘導式LED装置の一実施形態が装置10として図に示される。図1〜5を参照すると、装置10は基部22に取り付けられたLED発光体18を含む。発光体18は多くのLEDのうちの1つを含むことができる。発光体18からの光は発光体18上に位置決めされた主レンズ16を通って出て行く。装置10において、レンズ16は半球であり、1.4と1.6との間の屈折率をもつガラスで製作される。主レンズ16は、限定はしないが光学グレードのシリコーンなどの他の好適な材料で製作することもできる。主レンズ16は基部22に対して一般に垂直な中心軸26を有し、その結果、発光体18からレンズ16を通って出て行く光は、中心軸26のまわりに実質的に回転対称である照明パターン28(図6に示される典型的な断面)を生成する。装置10は、基部22上の主レンズ10のまわりに好ましくはアルミニウムで製作されたリング30をさらに含み、このリング30はレンズ16を位置決めし、発光体18からのある程度の光を反射して照明パターン28の生成を支援するのに役立つ。
【0031】
次に、図7を参照すると、道路11が概略的に示され、装置10が道路11に沿って設置された照明柱15の上部に取り付けられる。そのような用途は、限定はしないが、本発明の装置10の使われ方の典型である。参照番号14で表された方向矢印は優先側(道路側)を示し、参照番号14Nで表された方向矢印は反対の非優先側(住宅側)の方を示す。そのような用途が典型的であるので、「道路側」という用語は優先側にも関連しており、「住宅側」という用語は非優先側に関連している。「道路側」および「住宅側」という用語は限定するものと解釈されるべきではない。
【0032】
再度、図7を参照すると、装置10は道路11と平行である縁石線17の直上に位置決めされる。縁石線17は短い点線によって表される。本明細書で使用されるとき「縁石線」という用語は縁石の実際の位置を指すのではなく、上述で定義したように、道路11と平行で、優先側と非優先側とを分割する平面(図示せず)内の線を指す。
【0033】
装置10は、主レンズ16を囲む内側表面32を有する二次レンズ20をさらに含む。実施形態によっては、主レンズと二次レンズとの間に小さい空間がある場合がある。装置10において、主レンズ16と内側表面32との間のそのような空間19(図2を参照)は光学屈折率整合ゲル(図示せず)で充填され、主レンズ16と二次レンズ20との間の界面の全体にわたる屈折損失が最小化される。装置10において、二次レンズ20は1.51の屈折率をもつ紫外線安定化光学グレードアクリルを使用して成型される。光学グレードのゲルの目的は、主レンズ16の材料および二次レンズ20の材料の屈折率にほぼ整合させるためである。1つの好適なゲルは、米国、マサチューセッツ州、フェアヘブンのNye Optical ProductsからのSmartGel(商標)Nye Nyogel(登録商標)OC431Aである。このゲルは、402nm(ナノメートル)の波長で1.4995の屈折率をもつ光学的に透明な屈折率整合ゲルである。これらの材料はすべて光学装置および光学システムの当業者には周知である。
【0034】
好適なLED発光体18は、米国、ノースカロライナ州、ダーラムのCREE,Inc.によって製造されたXLamp7090である。そのような発光体は基部22上にパッケージの一部としての主レンズ16と共に与えられる。主レンズ10は0.17インチの直径をもつ半球である。
【0035】
装置10において、二次レンズ20は基部22に隣接する下端部34を含む。下端部34は、下端部34と平行な主平面34Pを画定し、主平面34Pは図3、4、10、18、および19においてページの平面と平行である。二次レンズ20は主平面34Pと平行なフランジ34Fをさらに含む。(主平面34Pは、図中に1回だけ、図16において、その参照番号で表されている。)図1、2C、3、4、4C、8、および14に示されるように、二次レンズ20は参照番号14によって示される優先側を画定する。レンズ20のフランジ34Fは欠けた角12aおよび12bを含み、それらはレンズ20の優先側をさらに示す。図1は、参照番号14Nによって反対の非優先側(住宅側)の方への方向も示す。これらの定義に基づいて、使用時に、装置10は、図7に示されているように装置10の優先側が用途の優先側の方に向けられるように位置合わせされる。
【0036】
二次レンズ20は複合外側レンズ表面24を有する。図8〜15は、様々な角度から観察したときの二次レンズ20および特に複合外側レンズ表面24の形状を一般的な方法で示す。複合外側レンズ表面24は装置10の所望の光誘導光学性能を達成するために複雑な形状を含んでいるので、図8〜15に様々な図が明確にするために含まれている。いくつかの図は複合外側レンズ表面24のCAD生成されたソリッドモデル図であり、これらの図により複合外側レンズ表面24をより容易に思い描くことができるようになる。これらの図は同じ要素の様々な図であるので、少数の参照番号だけが図8〜15に適用されている。
【0037】
図16〜19Cは、複合外側レンズ表面24のより詳細な描写を与える。図16は、複合外側レンズ表面24の追加のCAD生成されたソリッドモデル図である。複合外側レンズ表面24は、中心軸26と平行な基準軸44を画定する中央領域基準点48(本明細書では簡単のために基準点48としばしば呼ばれる)と共に主要周囲表面38を有する。複合外側レンズ表面24は、方向矢印14によって示される優先側に中心がある主要周囲表面38を含む。主要周囲表面38は、下端部34から下向き(上記のように図では上向き)で内向きに、主平面34Pから最も遠くかつ基準点48から離間している各基準軸半平面の外側レンズ表面の点(複合外側レンズ表面24上の点)の組によって画定された稜線42まで張り出す。稜線42は180°よりも大きい中心軸44のまわりの角度に対して境界をなしており、そのような角度は方向矢印14によって示される優先側の方向に関して線セグメント26aと26bとの間で測定される。(図18を参照。)主要周囲表面38は稜線42で内向きに終了する。
【0038】
複合外側レンズ表面24は稜線42の内側に中央領域50をさらに含み、中央領域基準点48を含む。中央領域50は基準点48のまわりに凹面46を有する。複合外側レンズ表面24は、方向矢印14Nによって示される非優先側に中心がある非主要周囲表面39をさらに含む。非主要周囲表面39は中央領域50および主要周囲表面38に隣接する。
【0039】
図16〜19Cは、複合外側レンズ表面24の上述の描写を示す。複合外側レンズ表面24は、図16に示されるような5つの目標レンズ設計曲線40A〜40Eを利用することによって構成される。複合外側レンズ表面は中心線CLのまわりで左右対称である。図17〜19およびそれらに対応して定義された図17C〜19Cの断面は5つの目標レンズ設計曲線40A〜40Eの詳細をさらに示す。
【0040】
この実施形態では、基準軸44(基準点48を含む)および中心線CLの両方が存在し、主平面34Pに垂直な平面をセクションA−Aは画定する。主平面34Pに垂直であり、セクションA−Aに垂直であり、基準軸44および基準点48を含む平面をセクションB−Bは画定する。主平面34Pに垂直であり、セクションB−Bの平面に対して約38.7度(選ばれた仕様に応じたtan−1(0.8))の角度θで向けられており、基準軸44および基準点48を含む平面をセクションC−Cは画定する。5つの目標レンズ設計曲線40A〜40Eはすべて基準点48に1つの端点を有する。
【0041】
主平面34Pに垂直で、基準軸44を画定し、中心線CLに沿って中心軸26から距離Δだけ変位された線上に基準点48は配置される。この特定の実施形態では、Δは約0.040インチの値を有し、主平面34Pでの二次レンズ20の外径は0.5インチである。図17C、18、19、および19Cにおいて、距離Δは、文字Δからの参照線の端部で線セグメントの短い部分によって表される。距離Δは図4にも示される。
【0042】
参照矢印aからhは、5つの目標レンズ設計曲線を定義するのに役立ち、曲線40Aは端点aおよびbを有し、曲線40Bは端点fおよびgを有し、曲線40Cは端点dおよびeを有し、曲線40Dは端点gおよびhを有し、曲線40Eは端点bおよびcを有する。端点b、d、およびgは基準点48に一致し、そこに配置され、端点a、c、e、f、およびhは下端部34の主平面3Pに配置される。5つの目標レンズ設計曲線40A〜40Eの各々は、上述のようにセクションA−A、B−B、およびC−Cによって画定された方向に沿って、光の所望の誘導が達成されるように形成される。言い換えれば、各目標レンズ設計曲線は、単一の方向に沿って単一のまたは簡単な1組のレンズ性能基準が満たされるように形成され、それにより、光学技術者は非常に複雑なレンズを1組のより容易に定義された基準として規定することができる。
【0043】
5つの曲線40A〜40Eは基準点48で出会う。次に、複合外側レンズ表面24は、CADシステムサーフェイシング用途および他のコンピュータグラフィックス用途で使用され、CADおよびコンピュータグラフィックス技術の当業者に周知のNURBS(非一様有理B−スプライン)や数学的平滑化手法を使用して、5つの目標設計曲線40A〜40Eの間に滑らかな表面を生成することによって完成される。複合外側レンズ表面24が主要周囲表面38、中央領域50、および基準軸44のまわりの凹面46を有する表面をもたらすように、複合外側レンズ表面24は5つの目標レンズ設計曲線40A〜40E、左右対称の要件(この実施形態では)、および主平面34Pによって適切に画定される。
【0044】
本発明の光誘導式LED装置の他の実施形態は、様々な指定のレンズ設計要件に応じて複合外側レンズ表面を生成するためにNURBSの力(power)を利用して、5つよりも多いまたはそれよりも少ない目標レンズ設計曲線を使用することによって構成することができる。
【0045】
目標レンズ設計曲線の特定の形状に応じて(または、二次レンズの本発明の複合外側レンズ表面を生成するためにいかなる他の方法が使用されても)、凹面46は、複合外側レンズ表面内で相対的なサイズおよび形状が変化することができる。さらに、二次レンズを製作するために使用される技術に応じて、基準点のまわりの凹面の領域をかなり小さくすることができる。
【0046】
図20は、単一の発光体18、単一の主レンズ16、および単一の二次レンズ20を含む実施形態の2次元照明強度分布52を示す。パターン52は、本発明の装置10から発する照明強度をシミュレートするために光線追跡ソフトウェアを使用して生成された。「Local Y」軸は、縁石線がY=4の位置で「Local X」軸と平行に配置される状態で、縁石線の後ろおよびその前の距離を表す。4よりも大きいYの値はパターン52の優先側(道路側)の領域を表し、4よりも小さいYの値はパターン52の非優先側(住宅側)の領域を表す。シミュレーションでの装置10の直下の位置は、縁石線17と線54の交差によって示されるY=4およびX=4に位置決めされる。XおよびYの単位は柱の長さであると見なすことができ、すなわち、柱が高さ20フィートである場合、X軸およびY軸のフルスパンは8×20フィート、すなわち160フィートである。
【0047】
図20の照明パターン52の輝度は相対強度分布を示し、装置10から発する大部分の光が装置10の二次レンズ20によって優先側の方に再誘導され、わずかな量の迷惑照明だけが非優先側に再誘導されることを例示している。
【0048】
図21A〜21Cは、主レンズが合体されている二次レンズの第2の実施形態を示す。図21A〜21Cは、主レンズおよび二次レンズが一体型レンズ60であることを除いて、すべての点で図17〜19Cと関連している。一体型レンズ60は、主レンズと二次レンズとの間の光学整合ゲルの必要性、およびこれらの2つのレンズ間の界面に付随する光学的欠点を排除する。図21A〜21Cは一体型レンズ60の3つの図を示し、画定された断面は背景を伴っていない。
【0049】
図21A〜21Cに示された第2の実施形態では、一体型レンズ60はリング30のまわりに形成される。好ましくはアルミニウムなどの反射材料で製作され、レンズ60内に形成されるリング30を用いて一体型レンズ60を製造することができ、あるいはレンズ60はリング30のまわりに適合するように形成することができる。
【0050】
本発明の原理が特定の実施形態に関連して説明されたが、これらの説明は単に例としてなされ、本発明の範囲を限定するものではないことが明確に理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図17C
図18
図18C
図19
図19C
図20
図21A
図21B
図21C