【氏名又は名称】ワイドミュラー インターフェース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
a.第1のプラグコネクタ部品および第2のプラグコネクタ部品であって、前記第1のプラグコネクタ部品がプラグ部品の形態を成し、前記第2のプラグコネクタ部品がソケット部品の形態を成し、前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品のそれぞれがハウジングを有し、前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品が互いに接続されるようになっている電気接点及び/又は光導波路接点を有する第1のプラグコネクタ部品および第2のプラグコネクタ部品と、
b.2つの対応する第1のコーディング要素および第2のコーディング要素を有するコーディングデバイスと、を備え、
c.前記第1のコーディング要素が前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品のうちの一方のプラグコネクタ部品に配置されるようになっており、前記第2のコーディング要素が前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品のうちの他方のプラグコネクタ部品に配置されるようになっているプラグコネクタにおいて、
d.前記コーディングデバイスは、事前に装着可能なユニットとして、前記一方のプラグコネクタ部品に事前に装着することができ、さらに
e.前記他方のプラグコネクタ部品は、最初に単に前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品を互いに軸方向に差し込む際に前記第2のコーディング要素が前記他方のプラグコネクタ部品に固定されるように構成され、前記第2のコーディング要素は、最初に互いに差し込まれた前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品を最初に軸方向に引き離すだけで分離した後、前記他方のプラグコネクタ部品上に配置されたままであり、
f.前記第1のコーディング要素は、当該第1のコーディング要素が前記一方のプラグコネクタ部品の収容輪郭部内で回転可能に且つ異なる複数の回転位置に係合できるように構成された突起を有するバネ荷重脚部材を有し、
g.前記第2のコーディング要素が有するヘッドは、ディスク形状であり、前記ヘッドの一方側に装着輪郭部を有し、該装着輪郭部がロッド状または、杭状の部材であり、該装着輪郭部は、前記他方のプラグコネクタ部品の凹部である装着構造内に係合できるように構成されることを特徴とする、プラグコネクタ。
前記収容輪郭部内に差し込まれるようになっている前記第1のコーディング要素は、前記バネ荷重脚部材が取り付けられるフランジ状ヘッドを有し、前記バネ荷重脚部材は、前記フランジ状ヘッドから離れたその先端に前記突起を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラグコネクタ。
前記第2のコーディング要素の前記コーディング輪郭部は、僅かな圧縮係合をもたらすように、前記第1のコーディング要素の前記コーディング輪郭部内に差し込むことができる形状の矢印形状断面を有するロッドの形態を成すことを特徴とする、請求項8に記載のプラグコネクタ。
前記一方のプラグコネクタ部品において前記第1のコーディング要素の4つの係合可能な方向のそれぞれに対して、前記第2のコーディング要素の前記装着輪郭部が前記凹部と係合するように、4つの前記凹部が前記他方のプラグコネクタ部品に配置されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプラグコネクタ。
前記ヘッドは、それ自体、前記他方のプラグコネクタ部品の捕捉手段または圧縮手段により前記装着構造内に係合可能なプラグ輪郭部として構成されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプラグコネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
プラグコネクタは、第1のプラグコネクタ部品と、対応する第2のプラグコネクタ部品とから構成される。これらのプラグコネクタ部品は、ハウジング上に装着するように構成されていてもよく、あるいは、フリーケーブルを備えていてもよい。
【0017】
図1は、第1のプラグコネクタ部品としての機能を果たすプラグ部品1を示しており、プラグ部品1は、内部プラグ接点
である接点3(ここでは、ピンの形態を成す)を支持するプラグハウジング
であるハウジング2を有する。ハウジングは、対応するラインを受けるようになっている先端開口27を有する。このプラグ部品は「ピンコンタクトストリップ」と称されてもよい。
【0018】
図2は、第2のプラグコネクタ部品としての機能を果たすソケット部品4を示しており、ソケット部品4はソケットハウジング
であるハウジング5を有し、
該ハウジング
5上/内にはソケット接点
である接点6(図示せず)が配置される。
接点6を収容するコレット構造体28を見ることができる。ハウジングは、対応するラインを受けるようになっている開口(図示せず)を有していてもよい。
【0019】
ハウジング2,5および電気接点(
接点3および
接点6)は、それらの互いに対向する側に、いわゆる「プラグフェース」を形成しており、接点3,6およびハウジング2,5をそれぞれ互いに差し込んで電気接点
として接点3,6の導電接続をもたらすことができるように形成される(
図7および
図16参照)。
【0020】
ここで、一例として、プラグ部品1およびソケット部品4はそれぞれ2つの電気接点を有している。しかしながら、本発明は特定数の接点に限定されず、プラグコネクタ部品が1つの接点を有していてもよく或いは3つ以上の接点を有していてもよい。
【0021】
機械的なコーディング機能を実現するため、プラグコネクタ部品のハウジング2,5は、それぞれが少なくとも1つの機械的なコーディング要素7,8(
図3および
図4参照)を配置でき且つ固定できるように形成される。この場合、対応するそのよう
なコーディング要素は、それらを互いに差し込むことができるようにする対応する形状を成し、それぞれのコーディングデバイス9を形成する(
図5)。
【0022】
プラグ部品1においては、これらのコーディング要素を収容するために
プラグ部品1の輪郭に対応する調整を行って、複数のコーディング要素7(1つしか図示せず)が設けられてもよい。
プラグ部品1上の各電気接点毎に1つのコーディング要素7を設けることも実施可能となり得る。同様の考えがソケット部品
4にも当てはまる。
【0023】
2つ
の接点3,6を有する前述のプラグ部品
1およびソケット部品
4はそれぞれ2つのコーディング要素7,8も有し、それにより、2つの対応するコーディングデバイス9a,9bが形成される(例えば、
図6および
図7参照)。
【0024】
それに対応して、プラグ部品
1のハウジング2は、ここでは、
接点3に隣接してコーディング要素7a,7bを受けるために、ハウジングの延出部材10に収容輪郭部11を有する(
図1)。
【0025】
これらの収容輪郭部11は、それらが、プラグフェースから見たときに、円筒状セグメント12を最初に有し、回転対称ではない、好ましくは多角形
断面の収容
セグメント13(本明細書に図示されているのは、一例として、僅かに湾曲される角部領域および側部領域を有する略正方形の幾何学的形状を成す)へと移行するように工夫されている。
【0026】
これらの収容輪郭部11内に差し込まれるようになっているコーディング要素7(
図3)はそれぞれ、シュラウド接点を有するソケットに類似する構造を有するフランジ状ヘッド14を備える。ここで、
フランジ状ヘッド14には2つのバネ荷重脚部材15,16が付設されており、各バネ荷重脚部材
15,16は径方向外側に向けられた突起17,18をその先端に支持しており、該突起
17,18はそれらの端部へ向けて次第にテーパが付けられていることが好ましい。
【0027】
バネ荷重脚部材15,16および突起17,18は、
収容輪郭部11の円筒状セグメント12(
図1)内への挿入を容易にするために、それらを僅かにある程度互いの方へと径方向に押圧することができるように構成される。収容輪郭部11内へのこれらの
バネ荷重脚部材15,16の挿入が更に続くと、バネ荷重脚部材15,16の元に戻る径方向の離間移動を伴って、突起17,18が最終的に(一般的には)正方形の収容
セグメント13内にスナップ係合し、それにより、突起17,18が収容
セグメント13の所定位置に形状インターロック(アンダーカット)して保持される。このとき、
フランジ状ヘッド14がハウジング2に当接する。したがって、ここで、コーディング要素
7が収容輪郭部11内にしっかりと保持される(
図8)。あるいは、突起
17,18が内側に向けられ、それにより、突起
17,18が、対応して異なって構成された
収容輪郭部11(図示せず)の輪郭部と係合してもよい。
【0028】
フランジ状ヘッド14(
図3および
図8)は、簡単な工具を用いて容易に回転できるように構成されることが好ましい非回転対称なコーディング輪郭部19を有する。
【0029】
コーディング輪郭部19は、例えば非対称な内部多角形または(図示のように)矢印(方向指示器)形状のスロットであってもよい。コーディング要素7は、収容輪郭部11内でその長手方向軸を中心に回転できてもよい。この場合、収容
セグメント13は、例えば、上記
収容セグメント13の4つの角部のうちの2つに突起17,18を確実に係合させることができるように構成される。
【0030】
このように、コーディング要素7は、矢印形状の
コーディング輪郭部19(特に、
図4および
図5の
作動輪郭部24参照)のため、視覚的(光学的)に容易に区別できる4つの位置のいずれかにセットすることができる。
【0031】
位置の上記の数(4)は、有利であるが、必須ではない。2個、3個、または、それ以上の係合領域を伴う形態が収容
セグメント13に設けられてもよい。同様に、突起17,18およびバネ荷重脚部材15,16の数(すなわち、2つ)も有利であるが必須ではない。
【0032】
図4における類似のコーディング要素8もヘッド20を有しており、該ヘッド
20は、ソケット部品
4のハウジング5の延出部材21に配置されるように形成される。
【0033】
ヘッド20は、ディスク形状であり、装着輪郭部22を一方側に有する。ここで、これらの装着輪郭部22は、プラグ輪郭部でもあり、すなわち、(この場合では)ロッド部材である。該
ロッド部材は、ここでは、好ましくは多角形(特に、長方形または正方形)のヘッド20の対向する角部領域において、
延出部材21の方へ向けられるヘッド
20の側に有利に配置することができる(
図7)。
【0034】
装着輪郭部22から離れた方を向くヘッド20の側には、コーディング輪郭部19の形状に対応する形状のコーディング輪郭部23がある。
【0035】
特に、コーディング輪郭部23は、ここでは、好ましくは僅かな圧縮係合をもたらすよう
にコーディング要素
7の
コーディング輪郭部19内に差し込むことができる形状の「矢印形状」断面を有するロッドである。このため、
コーディング輪郭部23が1つ以上のリブ29を有していてもよい。
【0036】
コーディングデバイス9の最初の装着の状況において、プラグ部品1およびソケット部品4の2つの
コーディング輪郭部19,23の方向は同じでなければならない。
【0037】
コーディング要素7,8が正しい方向(配向)でプラグ部品1およびソケット部品4のそれぞれに容易に装着されるようにするため、ここでは、各コーディングデバイス9の2つのコーディング要素7,8は、それらを予め2つのプラグコネクタ部品のうちの一方に一緒に装着できるように構成される。
【0038】
これが
図6および
図15に示されている。
【0039】
2つのコーディング要素7,8は、上記コーディング要素
7,8が互いに差し込まれた状態で、事前に装着されたコーディングデバイス9を形成するように、製作時に装着されることが好ましい(
図5)。この位置で、コーディング輪郭部19,23が互いに係合し、また、好ましくはヘッド14,20が互いに当接する。
【0040】
第1のコーディング要素7に対する第2のコーディング要素8のこの事前装着された状態で、
図5の事前に装着されたコーディングデバイス9をプラグコネクタ部品(
図6の
プラグ部品1)に事前に装着することができる(
図6c)。すなわち、ソケットコネクタ部
品上に事前に装着することができ、または、プラグコネクタ部品(
図7aの
プラグ部品1)上に事前に装着することができる。
【0041】
位置合わせを容易にするため、コーディング輪郭部
23から離れて面する第2のコーディング要素8のヘッド20の側に作動輪郭部24が設けられる(
図4)。この作動輪郭部
24は、同様に矢印形状を有するスロットの形態を成している。この
作動輪郭部24の矢印形状
スロットの方向は、コーディング輪郭部
23の方向と一致している。この作動輪郭部24は、プラグ部品1に対するその事前装着位置でコーディングデバイス9を回転させるために利用できる。
【0042】
事前装着状態において、
装着輪郭部22はヘッド20から延びている(
図5c,6c)。ソケット部品4には対応する装着輪郭部が設けられ、該装着輪郭部には凹部(例えば止まり穴)25が設けられ、該凹部
25は、コーディングデバイス
9の任意の方向((ここでは4つ設けられる)可能なコーディング位置のいずれか)においてロッド
部材(装着輪郭部22)が形状インターロック及び/又は強制的態様(
図2)で凹部25と係合するように形成されて配置される。ここでは、仮想正方形の角部に4つの凹部25が設けられ、そのため、プラグ部品
1上のコーディング要素7の4つの可能な方向のそれぞれにおいて、対応する装着輪郭パターン、ここでは凹部
25のパターンがソケット部品
4に設けられる。この構成は、特に有利であり、簡単な形態を成す。凹部25は、ここでは、任意の特徴である矩形突起26上に配置される。
矩形突起26は、コーディング要素8のヘッド20のための当接面を有する(
図2)。
【0043】
また、ヘッド20は、ハウジング5に形成される好ましくは回転対称ではない対応する凹部
(装着構造)と係合してもよく、該凹部は特にインターロックする輪郭部(図示しないが、同様の形態が
図10〜18に係る典型的な実施形態に示されている)であってもよい。
【0044】
コーディングデバイス9の装着を伴うコーディング(特に、初期コーディング)をもたらすために、必要なことは、対応するプラグコネクタ部品(
図7のソケット部品
4)を第1のプラグコネクタ部品(
図7のプラグ部品1)上に配置することだけである。このようにして、第2のコーディング要素8が第2のプラグコネクタ部品(
図7のソケット部品
4)のハウジング5に対して(例えば、捕捉係合によって)取り付けられ、それにより、2つのプラグコネクタ部品
であるプラグ部品1
およびソケット部品4が互いに引き離されると、第2のコーディング要素8が第2のプラグコネクタ部品(
図7cのソケット部品
4)に留まる。
【0045】
したがって、第2のプラグコネクタ部
品(すなわち、ソケット部品4)からコーディング要素8を分離するために必要とされる力は、2つのコーディング要素7,8を互いに分離するために必要とされる力よりも大きくなければならない。
【0046】
この構成を用いると、コーディングプロセスを容易に且つ迅速に達成できる。
【0047】
図7の2つのコーディングデバイス9
a,9
bを使用すると、コンパクトな空間内で16個のコーディングを実現できる。より多くの接点(例えば、3つ或いは4つ)を有するピン接点ストリップを使用する場合には、コーディングシステムを基本的に更に複雑にすることなく、(依然として)コンパクトな空間内で実現できるコーディングの数を容易に増大することができる。
【0048】
図10〜18は、他のタイプの変形例を示している。この場合、そのコーディング要素107,108を有する各コーディングデバイス109がユニットとしてソケット部品104に事前に装着される。また、プラグ部品101は、それが最初にソケット部品104に差し込まれるときにソケット部品104からそのコーディング要素
108を拾い上げるように構成される。その他の点では、プラグ部品
101およびソケット部品
104は、
図1〜9に係る典型的な実施形態と同じ機能および要素を有している。
【0049】
ここで、ソケット部品104(
図11)は、事前装着されたコーディングデバイス109を差し込み挿入できる収容輪郭部111を有する。
【0050】
コーディングデバイス109がこの
収容輪郭部111内に差し込まれ、また、ここでは、コーディング要素7と機能的に類似するコーディング要素107を(その収容
セグメント112,113を有する)収容輪郭部111内に挿入でき且つ捕捉手段によって様々な位置でロックできる。
【0051】
収容輪郭部111は
図1〜9の
収容輪郭部11よりも軸方向(
図11のx方向)に長く、その結果、突起117,118を有するバネ荷重脚部材115,116の構造(形状)は
図1〜9の場合と異なる。それら(すなわち、
バネ荷重脚部材115,116自体)は、ヘッド114に隣接する部分的に中空の円筒部材130上に形成されるため、短くなっている(
図12)。
【0052】
コーディング要素108は
図1〜9のコーディング要素8に機能的に類似するが、ソケット部品104上でコーディング要素107と事前装着した後、このコーディング要素108は、ソケット部品104内への(プラグ部品101の)最初の差し込みの際にプラグ部品101上に拾い上げられる(
図16C)。
【0053】
ここで示されるヘッド120(
図13)は、段付き形態(フランジが端部に無いフランジ付き形態)を有する(ここでは、ロッド部
材を有さない)ものであるが、非回転対称な収容輪郭部125(
図10)内に少なくとも部分的に挿入できる。ここで、収容輪郭部125は、特にそれ(ヘッド120)が
装着輪郭部122としての機能も果たすように、捕捉手段を有する輪郭部であってもよい。ヘッド
120は、上記捕捉手段を用いて収容輪郭部125の4つの位置のいずれかにロックされることができる。