特許第5909758号(P5909758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5909758コーディングデバイスを有するプラグコネクタ、および、プラグコネクタに対するコーディングデバイスの装着方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909758
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】コーディングデバイスを有するプラグコネクタ、および、プラグコネクタに対するコーディングデバイスの装着方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20160414BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2009-767(P2009-767)
(22)【出願日】2009年1月6日
(65)【公開番号】特開2009-283440(P2009-283440A)
(43)【公開日】2009年12月3日
【審査請求日】2011年10月11日
【審判番号】不服2014-4788(P2014-4788/J1)
【審判請求日】2014年3月12日
(31)【優先権主張番号】102008009350.5
(32)【優先日】2008年2月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505422464
【氏名又は名称】ワイドミュラー インターフェース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Weidmueller Interface GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100094318
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 行一
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100139000
【弁理士】
【氏名又は名称】城戸 博兒
(74)【代理人】
【識別番号】100152191
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 正人
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ヘッゲマン
(72)【発明者】
【氏名】イェンス オエステルハウス
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ボンシュ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ニッゲマン
(72)【発明者】
【氏名】ミハエル レンシェン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン フェーリング
(72)【発明者】
【氏名】トルステン ディークマン
【合議体】
【審判長】 島田 信一
【審判官】 小柳 健悟
【審判官】 冨岡 和人
(56)【参考文献】
【文献】 特表平4−504026(JP,A)
【文献】 特開昭61−124074(JP,A)
【文献】 米国特許第6302745(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/645
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.第1のプラグコネクタ部品および第2のプラグコネクタ部品であって、前記第1のプラグコネクタ部品がプラグ部品の形態を成し、前記第2のプラグコネクタ部品がソケット部品の形態を成し、前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品のそれぞれがハウジングを有し、前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品が互いに接続されるようになっている電気接点及び/又は光導波路接点を有する第1のプラグコネクタ部品および第2のプラグコネクタ部品と、
b.2つの対応する第1のコーディング要素および第2のコーディング要素を有するコーディングデバイスと、を備え、
c.前記第1のコーディング要素が前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品のうちの一方のプラグコネクタ部品に配置されるようになっており、前記第2のコーディング要素が前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品のうちの他方のプラグコネクタ部品に配置されるようになっているプラグコネクタにおいて、
d.前記コーディングデバイスは、事前に装着可能なユニットとして、前記一方のプラグコネクタ部品に事前に装着することができ、さらに
e.前記他方のプラグコネクタ部品は、最初に単に前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品を互いに軸方向に差し込む際に前記第2のコーディング要素が前記他方のプラグコネクタ部品に固定されるように構成され、前記第2のコーディング要素は、最初に互いに差し込まれた前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品を最初に軸方向に引き離すだけで分離した後、前記他方のプラグコネクタ部品上に配置されたままであり、
f.前記第1のコーディング要素は、当該第1のコーディング要素が前記一方のプラグコネクタ部品の収容輪郭部内で回転可能に且つ異なる複数の回転位置に係合できるように構成された突起を有するバネ荷重脚部材を有し、
g.前記第2のコーディング要素が有するヘッドは、ディスク形状であり、前記ヘッドの一方側に装着輪郭部を有し、該装着輪郭部がロッド状または、杭状の部材であり、該装着輪郭部は、前記他方のプラグコネクタ部品の凹部である装着構造内に係合できるように構成されることを特徴とする、プラグコネクタ。
【請求項2】
前記コーディングデバイスが前記第1のプラグコネクタ部品に事前に装着できることを特徴とする、請求項1に記載のプラグコネクタ。
【請求項3】
前記コーディングデバイスが前記第2のプラグコネクタ部品に事前に装着できることを特徴とする、請求項1に記載のプラグコネクタ。
【請求項4】
前記第1のコーディング要素を収容するために1つ以上の前記収容輪郭部が前記一方のプラグコネクタ部品のハウジングに設けられることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のプラグコネクタ。
【請求項5】
前記収容輪郭部が略正方形または長方形の形状を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のプラグコネクタ。
【請求項6】
前記収容輪郭部内に差し込まれるようになっている前記第1のコーディング要素は、前記バネ荷重脚部材が取り付けられるフランジ状ヘッドを有し、前記バネ荷重脚部材は、前記フランジ状ヘッドから離れたその先端に前記突起を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のプラグコネクタ。
【請求項7】
前記フランジ状ヘッドが非回転対称なコーディング輪郭部を有することを特徴とする、請求項に記載のプラグコネクタ。
【請求項8】
前記第2のコーディング要素の前記ヘッドは、前記第1のコーディング要素の前記コーディング輪郭部に対応するコーディング輪郭部を備えることを特徴とする、請求項に記載のプラグコネクタ。
【請求項9】
前記第2のコーディング要素の前記コーディング輪郭部は、僅かな圧縮係合をもたらすように、前記第1のコーディング要素の前記コーディング輪郭部内に差し込むことができる形状の矢印形状断面を有するロッドの形態を成すことを特徴とする、請求項に記載のプラグコネクタ。
【請求項10】
前記一方のプラグコネクタ部品において前記第1のコーディング要素の4つの係合可能な方向のそれぞれに対して、前記第2のコーディング要素の前記装着輪郭部が前記凹部と係合するように、4つの前記凹部が前記他方のプラグコネクタ部品に配置されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のプラグコネクタ。
【請求項11】
前記ヘッドは、それ自体、前記他方のプラグコネクタ部品の捕捉手段または圧縮手段により前記装着構造内に係合可能なプラグ輪郭部として構成されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプラグコネクタ。
【請求項12】
1つ以上のリブが前記第2のコーディング要素の前記コーディング輪郭部に設けられることを特徴とする、請求項またはに記載のプラグコネクタ。
【請求項13】
前記第2のコーディング要素の前記コーディング輪郭部の方向を示す作動輪郭部が、前記ヘッドの前記一方側に配置されることを特徴とする、請求項または12に記載のプラグコネクタ。
【請求項14】
前記作動輪郭部が矢印形状スロットの形態を成すことを特徴とする、請求項13に記載のプラグコネクタ。
【請求項15】
前記矢印形状スロットの方向が前記第2のコーディング要素の前記コーディング輪郭部の方向に対応することを特徴とする、請求項14に記載のプラグコネクタ。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載されたプラグコネクタのコーディング方法において、
a.前記コーディングデバイスが事前に装着可能なユニットとして、前記一方のプラグコネクタ部品に事前に装着され、
b.前記他方のプラグコネクタ部品は、最初に単に前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品を互いに軸方向に差し込む際に前記コーディングデバイスの前記第2のコーディング要素が前記他方のプラグコネクタ部品に固定され、前記第2のコーディング要素は、最初に互いに差し込まれた前記第1のプラグコネクタ部品および前記第2のプラグコネクタ部品を最初に軸方向に引き離すだけで分離した後、前記他方のプラグコネクタ部品上に配置されたままであるように構成されている、
ことを特徴とする、コーディング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブル文に係るプラグコネクタ、および、プラグコネクタに対するコーディングデバイスの装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラグコネクタは第1のプラグコネクタ部品と第2のプラグコネクタ部品とから構成され、上記部品の一方がプラグ部品であり、他方がソケット部品である。
【0003】
考えられる一般的なタイプのプラグコネクタがUS3491330に開示されている。コーディングデバイスの装着およびセットが比較的厄介である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第3491330号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の内在する課題は、取り付け、取り扱い、操作が容易で且つ比較的コンパクトなコーディングデバイスを加えることによって公知の一般的なタイプのプラグコネクタを改良することであった。また、プラグコネクタにコーディングデバイスを装着するための簡単な方法を案出することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの課題は、請求項1および請求項19の請求内容によって本発明にしたがって解決される。
【0007】
本発明の有利な改良点が従属請求項に示されている。
【0008】
請求項1の特徴によれば、コーディング要素がユニットとしてプラグコネクタ部品のうちの少なくとも一方に事前に装着できるように構成され、他方のプラグコネクタ部品は、最初に単に2つのプラグコネクタ部品を互いに軸方向に差し込む際にコーディングデバイスの2つの事前装着されたコーディング要素のうちの一方がそれ(上記他方のプラグコネクタ部品)に固定されるように構成され、このコーディング要素は、最初に互いに差し込まれたプラグコネクタ部品を最初に軸方向に引き離すだけで分離した後、上記他方のプラグコネクタ部品上に配置されたままであり、コーディング要素を他方のプラグコネクタ部品から離間させるために必要とされる力は、2つのコーディング要素を互いに離間させるために必要とされる力よりも大きい。
【0009】
本明細書で使用される用語「軸方向」は、プラグコネクタ部品の一方を互いの差し込む(あるいは、引き離す)方向に対して垂直な方向に並進移動させる必要なく、部品を互いに近づける(または、引き離す)直線状の移動を意味するものと理解されなければならない。
【0010】
前述のプラグコネクタは、コーディング手段の取り付け及び取り扱いに関して有利である。コーディングデバイスは非常に容易に取り付けることができる。また、コーディングデバイスは非常にコンパクトな構造であり、多数のコーディング要素を設けることなく比較的少ない数のコーディング要素を回転させることで異なるコーディングを得ることができる。
【0011】
この構成は、特に、EP 1119229 A1を超える利点を与える。EP 1119229 A1は、2つの部品を有するコーディングデバイスであって、事前装着ユニットとして電子ハウジングに取り付けられるコーディングデバイスを開示する。この場合、電子ハウジングがマルチ端子構造体(例えば、プラグイン端子ストリップ)の様態のベース支持部に適用された後、コーディング要素のうちの一方が電子ハウジングに留まり、他方のコーディング要素がベース支持部に残される。しかしながら、この解決策は一般的なタイプのプラグコネクタに適していない。なぜなら、この解決策は、2つの部品(電子ハウジングおよび端子)が互いに差し込まれるときに2つの部品の差し込み方向での移動を必要とするだけでなく、前述した一般的なタイプのプラグコネクタを用いて一般に達成することができない差し込み方向と垂直な方向での移動も必要とするからである。この問題は本発明によって解決される。なぜなら、本発明によれば、コーディングデバイスが、差し込み方向と垂直な任意の更なる移動を要することなく、軸方向の差し込み(および、引き抜き)のみによって装着されるからである。
【0012】
プラグコネクタは、電気ライン及び/又は光導波ライン及び/又は流体ラインの接続に適している。
【0013】
(例えば)プラグ部品およびソケット部品に対するコーディング要素の配置の説明(請求)は基本的に逆の場合を許容する。この場合、以下に描かれる図において、プラグ部品上に配置されるコーディング要素は、必要な変更を加えて、ハウジング上に配置されてもよく或いはソケット部品上に配置されてもよく、逆もまた同様である。したがって、この点で、図示して説明する特定の関連性は、任意の限定的な含意を有するものと解釈されるべきではない。同様に、図面および関連説明における「上」、「下」、「右」、「左」などの用語の使用も限定的に解釈されるべきではない。
【0014】
以下、添付図面を参照して、典型的な実施形態を用いて本発明を更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1のプラグコネクタのプラグ部品の斜視図である。
図2】第1のプラグコネクタのソケット部品の斜視図である。
図3】コーディングデバイスの第1のコーディング要素の図である。
図4ーディングデバイスの第2のコーディング要素の図である。
図5】組立状態の図3および図4のコーディング要素を示している。
図6】(a,b)2つのコーディングデバイスが配置された図1に係るプラグ部品を示す。(c)1つのコーディングデバイスが装着され且つ第2のコーディングデバイスが装着される前の状態の図1に係るプラグ部品を示している。
図7】プラグ部品を、最初にソケット部品および関連するコーディングデバイスに差し込んで、引き抜く状態を示している。
図8図1に係るプラグ部品および該プラグ部品上に装着されたコーディング要素の図である。
図9図2に係るソケット部品および該ソケット部品上に装着されたコーディング要素の図である。
図10】第2のプラグコネクタのプラグ部品の斜視図である。
図11】第2のプラグコネクタのソケット部品の斜視図である。
図12】第2のプラグコネクタの第1のコーディング要素の図である。
図13】第2のプラグコネクタの第2のコーディング要素の図である。
図14】(a)非組立状態の図12および図13のコーディング要素を示している。(b)組立状態(互いに差し込まれる)の図12および図13のコーディング要素を示している。
図15】(a,b)2つのコーディングデバイスが装着された状態の図11に係るソケット部品を示す。(c)1つのコーディングデバイスが装着され且つ第2のコーディングデバイスが装着される前の状態の図11に係るソケット部品を示している。
図16A】プラグ部品を、最初にソケット部品および関連する図14のタイプのコーディングデバイスに差し込む前の状態を示している。
図16B】プラグ部品を、最初にソケット部品および関連する図14のタイプのコーディングデバイスに差し込ん状態を示している。
図16C】プラグ部品を、最初にソケット部品および関連する図14のタイプのコーディングデバイスに差し込んで、引き抜いた状態を示している。
図17A】(a,b)コーディング要素が装着された図10に係るプラグ部品の図である。
図17B】(c,d)コーディング要素が装着された図10に係るプラグ部品の図である。
図18】コーディング要素が装着された図11に係るソケット部品の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
プラグコネクタは、第1のプラグコネクタ部品と、対応する第2のプラグコネクタ部品とから構成される。これらのプラグコネクタ部品は、ハウジング上に装着するように構成されていてもよく、あるいは、フリーケーブルを備えていてもよい。
【0017】
図1は、第1のプラグコネクタ部品としての機能を果たすプラグ部品1を示しており、プラグ部品1は、内部プラグ接点である接点3(ここでは、ピンの形態を成す)を支持するプラグハウジングであるハウジング2を有する。ハウジングは、対応するラインを受けるようになっている先端開口27を有する。このプラグ部品は「ピンコンタクトストリップ」と称されてもよい。
【0018】
図2は、第2のプラグコネクタ部品としての機能を果たすソケット部品4を示しており、ソケット部品4はソケットハウジングであるハウジング5を有し、該ハウジング上/内にはソケット接点である接点6(図示せず)が配置される。接点6を収容するコレット構造体28を見ることができる。ハウジングは、対応するラインを受けるようになっている開口(図示せず)を有していてもよい。
【0019】
ハウジング2,5および電気接点(接点3および接点6)は、それらの互いに対向する側に、いわゆる「プラグフェース」を形成しており、接点3,6およびハウジング2,5をそれぞれ互いに差し込んで電気接点として接点3,6の導電接続をもたらすことができるように形成される(図7および図16参照)。
【0020】
ここで、一例として、プラグ部品1およびソケット部品4はそれぞれ2つの電気接点を有している。しかしながら、本発明は特定数の接点に限定されず、プラグコネクタ部品が1つの接点を有していてもよく或いは3つ以上の接点を有していてもよい。
【0021】
機械的なコーディング機能を実現するため、プラグコネクタ部品のハウジング2,5は、それぞれが少なくとも1つの機械的なコーディング要素7,8(図3および図4参照)を配置でき且つ固定できるように形成される。この場合、対応するそのようコーディング要素は、それらを互いに差し込むことができるようにする対応する形状を成し、それぞれのコーディングデバイス9を形成する(図5)。
【0022】
プラグ部品1においては、これらのコーディング要素を収容するためにプラグ部品1の輪郭に対応する調整を行って、複数のコーディング要素7(1つしか図示せず)が設けられてもよい。プラグ部品1上の各電気接点毎に1つのコーディング要素7を設けることも実施可能となり得る。同様の考えがソケット部品にも当てはまる。
【0023】
2つの接点3,6を有する前述のプラグ部品およびソケット部品はそれぞれ2つのコーディング要素7,8も有し、それにより、2つの対応するコーディングデバイス9a,9bが形成される(例えば、図6および図7参照)。
【0024】
それに対応して、プラグ部品のハウジング2は、ここでは、接点3に隣接してコーディング要素7a,7bを受けるために、ハウジングの延出部材10に収容輪郭部11を有する(図1)。
【0025】
これらの収容輪郭部11は、それらが、プラグフェースから見たときに、円筒状セグメント12を最初に有し、回転対称ではない、好ましくは多角形断面の収容セグメント13(本明細書に図示されているのは、一例として、僅かに湾曲される角部領域および側部領域を有する略正方形の幾何学的形状を成す)へと移行するように工夫されている。
【0026】
これらの収容輪郭部11内に差し込まれるようになっているコーディング要素7(図3)はそれぞれ、シュラウド接点を有するソケットに類似する構造を有するフランジ状ヘッド14を備える。ここで、フランジ状ヘッド14には2つのバネ荷重脚部材15,16が付設されており、各バネ荷重脚部材15,16は径方向外側に向けられた突起17,18をその先端に支持しており、該突起17,18はそれらの端部へ向けて次第にテーパが付けられていることが好ましい。
【0027】
バネ荷重脚部材15,16および突起17,18は、収容輪郭部11の円筒状セグメント12図1)内への挿入を容易にするために、それらを僅かにある程度互いの方へと径方向に押圧することができるように構成される。収容輪郭部11内へのこれらのバネ荷重脚部材15,16の挿入が更に続くと、バネ荷重脚部材15,16の元に戻る径方向の離間移動を伴って、突起17,18が最終的に(一般的には)正方形の収容セグメント13内にスナップ係合し、それにより、突起17,18が収容セグメント13の所定位置に形状インターロック(アンダーカット)して保持される。このとき、フランジ状ヘッド14がハウジング2に当接する。したがって、ここで、コーディング要素が収容輪郭部11内にしっかりと保持される(図8)。あるいは、突起17,18が内側に向けられ、それにより、突起17,18が、対応して異なって構成された収容輪郭部11(図示せず)の輪郭部と係合してもよい。
【0028】
フランジ状ヘッド14(図3および図8)は、簡単な工具を用いて容易に回転できるように構成されることが好ましい非回転対称なコーディング輪郭部19を有する。
【0029】
コーディング輪郭部19は、例えば非対称な内部多角形または(図示のように)矢印(方向指示器)形状のスロットであってもよい。コーディング要素7は、収容輪郭部11内でその長手方向軸を中心に回転できてもよい。この場合、収容セグメント13は、例えば、上記収容セグメント13の4つの角部のうちの2つに突起17,18を確実に係合させることができるように構成される。
【0030】
このように、コーディング要素7は、矢印形状のコーディング輪郭部19(特に、図4および図5作動輪郭部24参照)のため、視覚的(光学的)に容易に区別できる4つの位置のいずれかにセットすることができる。
【0031】
位置の上記の数(4)は、有利であるが、必須ではない。2個、3個、または、それ以上の係合領域を伴う形態が収容セグメント13に設けられてもよい。同様に、突起17,18およびバネ荷重脚部材15,16の数(すなわち、2つ)も有利であるが必須ではない。
【0032】
図4における類似のコーディング要素8もヘッド20を有しており、該ヘッド20は、ソケット部品のハウジング5の延出部材21に配置されるように形成される。
【0033】
ヘッド20は、ディスク形状であり、装着輪郭部22を一方側に有する。ここで、これらの装着輪郭部22は、プラグ輪郭部でもあり、すなわち、(この場合では)ロッド部材である。該ロッド部材は、ここでは、好ましくは多角形(特に、長方形または正方形)のヘッド20の対向する角部領域において、延出部材21の方へ向けられるヘッド20の側に有利に配置することができる(図7)。
【0034】
装着輪郭部22から離れた方を向くヘッド20の側には、コーディング輪郭部19の形状に対応する形状のコーディング輪郭部23がある。
【0035】
特に、コーディング輪郭部23は、ここでは、好ましくは僅かな圧縮係合をもたらすようにコーディング要素コーディング輪郭部19内に差し込むことができる形状の「矢印形状」断面を有するロッドである。このため、コーディング輪郭部23が1つ以上のリブ29を有していてもよい。
【0036】
コーディングデバイス9の最初の装着の状況において、プラグ部品1およびソケット部品4の2つのコーディング輪郭部19,23の方向は同じでなければならない。
【0037】
コーディング要素7,8が正しい方向(配向)でプラグ部品1およびソケット部品4のそれぞれに容易に装着されるようにするため、ここでは、各コーディングデバイス9の2つのコーディング要素7,8は、それらを予め2つのプラグコネクタ部品のうちの一方に一緒に装着できるように構成される。
【0038】
これが図6および図15に示されている。
【0039】
2つのコーディング要素7,8は、上記コーディング要素7,8が互いに差し込まれた状態で、事前に装着されたコーディングデバイス9を形成するように、製作時に装着されることが好ましい(図5)。この位置で、コーディング輪郭部19,23が互いに係合し、また、好ましくはヘッド14,20が互いに当接する。
【0040】
第1のコーディング要素7に対する第2のコーディング要素8のこの事前装着された状態で、図5の事前に装着されたコーディングデバイス9をプラグコネクタ部品(図6プラグ部品1)に事前に装着することができる(図6c)。すなわち、ソケットコネクタ部品上に事前に装着することができ、または、プラグコネクタ部品(図7aのプラグ部品1)上に事前に装着することができる。
【0041】
位置合わせを容易にするため、コーディング輪郭部23から離れて面する第2のコーディング要素8のヘッド20の側に作動輪郭部24が設けられる(図4)。この作動輪郭部24は、同様に矢印形状を有するスロットの形態を成している。この作動輪郭部24の矢印形状スロットの方向は、コーディング輪郭部23の方向と一致している。この作動輪郭部24は、プラグ部品1に対するその事前装着位置でコーディングデバイス9を回転させるために利用できる。
【0042】
事前装着状態において、装着輪郭部22はヘッド20から延びている(図5c,6c)。ソケット部品4には対応する装着輪郭部が設けられ、該装着輪郭部には凹部(例えば止まり穴)25が設けられ、該凹部25は、コーディングデバイスの任意の方向((ここでは4つ設けられる)可能なコーディング位置のいずれか)においてロッド部材(装着輪郭部22)が形状インターロック及び/又は強制的態様(図2)で凹部25と係合するように形成されて配置される。ここでは、仮想正方形の角部に4つの凹部25が設けられ、そのため、プラグ部品上のコーディング要素7の4つの可能な方向のそれぞれにおいて、対応する装着輪郭パターン、ここでは凹部25のパターンがソケット部品に設けられる。この構成は、特に有利であり、簡単な形態を成す。凹部25は、ここでは、任意の特徴である矩形突起26上に配置される。矩形突起26は、コーディング要素8のヘッド20のための当接面を有する(図2)。
【0043】
また、ヘッド20は、ハウジング5に形成される好ましくは回転対称ではない対応する凹部(装着構造)と係合してもよく、該凹部は特にインターロックする輪郭部(図示しないが、同様の形態が図10〜18に係る典型的な実施形態に示されている)であってもよい。
【0044】
コーディングデバイス9の装着を伴うコーディング(特に、初期コーディング)をもたらすために、必要なことは、対応するプラグコネクタ部品(図7のソケット部品)を第1のプラグコネクタ部品(図7のプラグ部品1)上に配置することだけである。このようにして、第2のコーディング要素8が第2のプラグコネクタ部品(図7のソケット部品)のハウジング5に対して(例えば、捕捉係合によって)取り付けられ、それにより、2つのプラグコネクタ部品であるプラグ部品およびソケット部品4が互いに引き離されると、第2のコーディング要素8が第2のプラグコネクタ部品(図7cのソケット部品)に留まる。
【0045】
したがって、第2のプラグコネクタ部品(すなわち、ソケット部品4)からコーディング要素8を分離するために必要とされる力は、2つのコーディング要素7,8を互いに分離するために必要とされる力よりも大きくなければならない。
【0046】
この構成を用いると、コーディングプロセスを容易に且つ迅速に達成できる。
【0047】
図7の2つのコーディングデバイス9,9を使用すると、コンパクトな空間内で16個のコーディングを実現できる。より多くの接点(例えば、3つ或いは4つ)を有するピン接点ストリップを使用する場合には、コーディングシステムを基本的に更に複雑にすることなく、(依然として)コンパクトな空間内で実現できるコーディングの数を容易に増大することができる。
【0048】
図10〜18は、他のタイプの変形例を示している。この場合、そのコーディング要素107,108を有する各コーディングデバイス109がユニットとしてソケット部品104に事前に装着される。また、プラグ部品101は、それが最初にソケット部品104に差し込まれるときにソケット部品104からそのコーディング要素108を拾い上げるように構成される。その他の点では、プラグ部品101およびソケット部品104は、図1〜9に係る典型的な実施形態と同じ機能および要素を有している。
【0049】
ここで、ソケット部品104(図11)は、事前装着されたコーディングデバイス109を差し込み挿入できる収容輪郭部111を有する。
【0050】
コーディングデバイス109がこの収容輪郭部111内に差し込まれ、また、ここでは、コーディング要素7と機能的に類似するコーディング要素107を(その収容セグメント112,113を有する)収容輪郭部111内に挿入でき且つ捕捉手段によって様々な位置でロックできる。
【0051】
収容輪郭部111は図1〜9の収容輪郭部11よりも軸方向(図11のx方向)に長く、その結果、突起117,118を有するバネ荷重脚部材115,116の構造(形状)は図1〜9の場合と異なる。それら(すなわち、バネ荷重脚部材115,116自体)は、ヘッド114に隣接する部分的に中空の円筒部材130上に形成されるため、短くなっている(図12)。
【0052】
コーディング要素108は図1〜9のコーディング要素8に機能的に類似するが、ソケット部品104上でコーディング要素107と事前装着した後、このコーディング要素108は、ソケット部品104内への(プラグ部品101の)最初の差し込みの際にプラグ部品101上に拾い上げられる(図16C)。
【0053】
ここで示されるヘッド120(図13)は、段付き形態(フランジが端部に無いフランジ付き形態)を有する(ここでは、ロッド部材を有さない)ものであるが、非回転対称な収容輪郭部125(図10)内に少なくとも部分的に挿入できる。ここで、収容輪郭部125は、特にそれ(ヘッド120)が装着輪郭部122としての機能も果たすように、捕捉手段を有する輪郭部であってもよい。ヘッド120は、上記捕捉手段を用いて収容輪郭部125の4つの位置のいずれかにロックされることができる。
【符号の説明】
【0054】
1…プラグ部品、2…ハウジング、3…接点、4…ソケット部品、5…ハウジング、6…接点、7,8…コーディング要素、9,9a,9b…コーディングデバイス、10…延出部材、11…収容輪郭部、12…円筒状セグメント,13…収容セグメント、14…[コーディング要素の]フランジ状ヘッド、15,16…バネ荷重脚部材、17,18…突起、19…コーディング輪郭部、20…[コーディング要素の]ヘッド、21…延出部材、22…装着輪郭部、23…コーディング輪郭部、24…作動輪郭部、25…凹部、26…矩形突起、27…[ハウジングの]先端開口、28…[接点6のための]コレット構造体、29…リブ、101…プラグ部品、104…ソケット部品、107,108…コーディング要素、109…コーディングデバイス、111…収容輪郭部、112,113…収容セグメント、114…[コーディング要素107の]ヘッド、115,116…バネ荷重脚部材、117,118…突起、120…[コーディング要素108の]ヘッド、122…装着輪郭部、125…収容輪郭部、130…円筒部材
図1
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図17B
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