(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、電離平衡装置でイオン平衡を測定し、制御するために使用されることができる回路及び技術を記載する。記載される回路は、2つの導体を含むコンデンサ(即ち、第1のコンデンサ)を備え、該導体のうちの第1の導体が、電離装置の出力にさらされ、該導体のうちの第2の導体が、電離装置の出力から遮蔽される。第1の導体は、電離平衡装置の出力を定量化するように電荷を蓄積してもよい。スイッチは、第1の導体で蓄積電荷を測定するために、周期的間隔で第1の導体を放電するように使用されてもよく、イオン源の出力を制御し、調整するように使用され得るフィードバックを生成するために、この放電測定に信号処理が実行されてもよい。該回路はまた、第1のコンデンサと末端端子を共有する別のコンデンサ(即ち、第2のコンデンサ)を含んでもよく、この第2のコンデンサはまた、導体の1つとして、第1のコンデンサの第2の導体を使用してもよい。該回路はまた、第2のコンデンサと並列に位置付けられた抵抗器を含んでもよく、抵抗器が、従来のイオン平衡測定回路の類似の型の抵抗器に対してほぼ低減された抵抗を有してもよい。
【0014】
図1は、本開示と一致する、例示の電離平衡装置10のブロック図である。
図1に示されるように、電離平衡装置10は、電離平衡装置10からイオンを放出するイオン源12を含む。放出イオン11は、電子機器の製造又は組立と関連付けられている作業区域等、ターゲットとされる区域で、静電荷蓄積を取り除き、又は最小化することができる。電離平衡装置10は、静電荷蓄積を取り除き、又は最小化するように、多種多様な設定又は環境で使用されてもよい。
【0015】
イオン源12は、イオン11を生成する多様な要素又はユニットを含んでもよい。一実施例としては、イオン源12が、陽イオンユニット14、陰イオンユニット15、及びブロア13を含んでもよい。ブロア13は、陽イオンユニット14及び陰イオンユニット15を通り過ぎて空気を送る、1つ以上のファンを備えてもよい。本実施例において、電離平衡装置10は、所望のターゲット区域にイオンを向ける電離ブロアと呼ばれることもある。
【0016】
イオンユニット14及び15は、いわゆるコロナ法に従って生成してもよい。コロナ法によれば、高電圧(例えば、5〜20kV)は、1組の尖端(しばしば、針状の構造)に印加され、強烈な電界が、これらの尖端付近に形成される。電界は、遊離電子が衝突する分子を電離させることを可能とするために、遊離電子を十分高いエネルギーに加速する。陽イオンユニット14は、陽イオンを生成するために、針状の構造体に高い正電圧の電位を供給してもよく、陰イオンユニット15は、陰イオンを生成するために、針状の構造体に高い負電圧の電位を供給してもよい。イオン11は、(陽イオン及び陰イオンを含む)直接電離された空気をターゲット区域に供給するように、ブロア13で周囲に跳ねかえされる。あるいは、イオン源12は、イオンを生成するために、(例えば、いわゆるアルファ電離器法を使用して)電離放射又は他の技術を使用し得るであろう。
【0017】
電離平衡装置10から放出されるイオン11は、まず、イオン測定回路16にさらされてもよい。イオン測定回路16は、放出イオン11中のイオン平衡を判定するように構成されてもよく、放出イオンと関連付けられている、任意の過剰な陽電荷又は過剰な陰電荷を表示する信号を生成してもよい。信号状態調節ユニット17は、イオン測定回路16からの出力信号を厳密に調節するために、1つ以上の増幅器、ピーク/保持ユニット(例えば、積分器)、ローパスフィルタ、又は他のユニット若しくは要素を含んでもよい。信号状態調節ユニット17の出力は、制御ユニット18に供給されてもよく、これは、マイクロプロセッサ又はイオンユニット14、15への入力信号を制御するために使用されるコントローラを備えてもよい。制御ユニット18は、また、以下により詳細に説明されるように、イオン測定回路16の周期的開閉交換を成業することによって等、イオン測定回路16の動作を制御することもできる。イオン測定回路16が過剰な陽電荷を検知すると、制御ユニット18が、陰イオンユニット15により多くの陰イオンを生成させ、及び/又は陽イオンユニット14により少ない陽イオンを生成させることができ成る。同様に、イオン測定回路16が過剰な陰電荷を検知すると、制御ユニット18が、陰イオンユニット15により少ない陰イオンを生成させ、及び/又は陽イオンユニット14により多くの陽イオンを生成させることができる。このようにして、イオン測定回路16、信号状態調節ユニット17、制御ユニット18及びイオンユニット14、15は、電離平衡装置10からの出力である放出イオン11中のイオン平衡を測定し、制御するための閉ループフィードバックシステムを形成することができる。
【0018】
信号状態調節ユニット17は、イオン測定回路16に連結されてもよく、イオン平衡を表示する信号を出力するように構成されてもよい。特に、信号状態調節ユニット17は、イオン測定回路16のコンデンサで蓄積する陽電荷に比例する第1の信号を生成し、コンデンサで陰電荷に比例する第2の信号を生成するように構成されてもよい。信号状態調節ユニット17は、第1の信号と第2の信号との間の差を生成し、差がイオン平衡の測定を含むように更に構成されてもよい。制御ユニット18は、イオン平衡を変更するために、イオン平衡の測定を受け取り、イオン源12のための制御信号を生成してもよい。
【0019】
以下により詳細に記載されるように、イオン測定回路16は、第1の導体と第2の導体とを備えるコンデンサを備える。第1の導体は、イオン源12によって放出イオン11にさらされてもよく、第2の導体は、イオン源12によって放出イオン11から遮蔽されてもよい。一実施例としては、コンデンサ(
図1に図示せず)は、外側導体が誘電体によって内側導体ワイヤから分離される円筒コンデンサを備える。この場合、外側導体は、内側導体が、例えば、外側導体近くのイオン源12によって放出イオン11から遮蔽されることができる一方で、イオン源12によって放出イオン11にさらされ得る。しかし、コンデンサは、導体のうちの1つがイオン11にさらされ、他の導体がイオン11から遮蔽される限り、多くの他の形態を想定することが可能である。
【0020】
イオン測定回路16は、以下により詳細に記載されるように、スイッチを更に含んでもよい。第1の導体は、スイッチが開いていると、放出イオンを蓄積し、コンデンサは、スイッチが閉じられると、蓄積電荷を放電する。スイッチは、イオン平衡を表示する信号を生成するために周期的間隔で開閉することが可能である。この場合、以下により詳細に記載されるコンデンサは、スイッチが閉じられると、パルスを出力し、パルスは、第1の導体で蓄積される過剰電荷に比例する大きさと、過剰電荷が陽電荷であるか陰電荷であるか定める方向と、を規定する。
【0021】
電離平衡制御のいくつかの実施例は、高い値の抵抗器を介して接地電圧に接続されている、金属グリッド又は平面の形状のアンテナ型センサを使用する場合がある。この場合、イオン源からの陽及び陰イオン流動は、アンテナ型センサと衝突し、抵抗器を介して2つの反対の電流を生成することができる。この場合、抵抗器上の電圧は、陽イオンの量と陰イオンの量との差に比例し、かつ電離装置が平衡である場合にゼロに等しくあってもよく、これは、装置が時間単位当りおよそ同じ量の陽及び陰イオンを出力することを意味する。抵抗器上の電圧は、電離器の平衡のための負のフィードバックシステムにおいて、制御信号として使用され得るであろう。
【0022】
しかし、大きな値の抵抗器を有するアンテナ型センサへの取り組みは、重大な欠点を有する。1つの欠点は、システムが静電圧によって影響され得るということである。結果的に、この取り組みは、電離と静電圧とを分離する試みを必要とする場合があり、難しいことがあり得る。例えば、電離と静電圧とを分離するために、技術が、イオンの流れによって誘導される構成要素及びセンサ出力信号中の外部静電界によってもたらされる構成要素のスペクトルの差の判定を必要とする場合がある。電離器の平衡ドリフトが非常に遅く、すべての速い電圧変更が拒否されてしまうことが想定され得る。しかし、この方法には限界があり、帯電している物体がアンテナに向かってゆっくり動いていると機能しない。その理由は、この場合、静電界変化によるドリフトがイオンの流入によって誘起される情報構成要素と同様に現れ得るからである。
【0023】
アンテナ型センサへの取り組みの別の欠点は、外部電磁場(静的及び非静的)が、入力センサのコンデンサを帯電させ、測定回路を飽和させ得ることである。アンテナのインピーダンスが非常に高いとき、入力コンデンサが放電するために長い時間が必要とされ、この時間中、センサは、大幅なイオンの不均衡に対応して、誤って出力信号を提供する場合がある。更に、この場合、アンテナに単に触れても、入力コンデンサが放電するまで、長い時間の間、コントローラの動作不良を引き起こし得るであろう。
【0024】
加えて、アンテナ系センサは非常に高いインピーダンスを通常有し、非常に低い入力電流及び低い盤漏れを伴う前端測定回路を必要とする場合がある。この漏れは、初期回路平衡によって除去されることが可能であるが、温度及び時間のドリフトを有する場合もあり、付加的システム誤差を発生させ、周期的なコントローラの試験及び平衡を必要とし得る。
【0025】
別の解決法は、静電圧及び外部電磁場からセンサを保護することである場合もある。この場合、電離された空気の一部は、外部電界によって保護されている、遮蔽測定チャネルに供給されてもよい。しかし、この取り組みは、より複雑な機械的設計を必要とする場合がある。圧搾空気電離器、又はいわゆる「塊状電離装置」に対するこの取り組みは特に実現しにくい場合がある。なぜならば、この場合、周囲の空間に対して低圧の区域が存在しない場合があるからである。
【0026】
電離装置が、静電荷を生成する可能性もあり得る、余分の陰又は陽のイオンを放出しないことを確実にするために、大きな表面上又はいくつかの閉じた隙間内(チャンバ又は全クリーンルーム等)でイオン平衡を制御することが時折好ましいこともあり得る。アンテナ系への取り組みは、制御区域がアンテナの寸法によって制限されるので、この型のサービスにはあまり適さない。結果的に、アンテナ系への取り組みは、配置地点でイオン平衡を測定、又は制御できるだけである可能性がある。アンテナ寸法を増大させることは、外部電磁場及び漏れの影響を強化させる場合がある。
【0027】
本明細書に記載されるイオン測定回路は、アンテナ系イオン平衡への取り組みに伴う問題に対処する解決法を提供することができる。本明細書に記載されるイオン測定回路は、外部電磁場から十分に保護されることができ、比較的低いインピーダンスを有することができ、クリーンルーム等、大きな区域で機能し得る場合もある。イオン平衡のために使用される制御信号(例えば、フィードバック信号)は、陽イオン及び陰イオンの比にのみ基づいてもよく、他の要素に従属しなくてもよい。
【0028】
本開示の技術は、センサ(即ち、イオン測定回路)に基づいており、イオンレシーバとして使用される覆いのない外側プレート(円筒)を有する円筒コンデンサ(等)の形態をとる場合がある。コンデンサの導体のうちの1つが遮蔽されている限り、他の構成も可能である。円筒状の実施例については、コンデンサの内側プレートは、接地平面への比較的小さい値の抵抗器を介して接続されている、ワイヤ又は探針を備えてもよい。探針は、閉じた金属表面に配置され得るが、外部場からなお遮蔽され得る。コンデンサの覆いのない円筒プレートは、放出イオンから電荷を蓄積し、スイッチが、抵抗器を介してコンデンサを周期的に放電するために使用されてもよい。抵抗器を通した電圧スパイクの振幅は、電離器不均衡に正比例してもよく、任意の外部電磁場ではなく、コンデンサ電荷のみに従属してもよい。
【0029】
比較的単純な信号状態調節が、直流型電離装置用の高電圧の正又は負の電力供給の精密な矯正的調整のために、又はパルス型電離装置用のパルス占有円の精密な矯正的調整のために使用される場合があるが、その後に、信号を取得することができる。技術は、交流型電離装置とうまく機能することもできる。この場合に、プレート上に余分な電荷が生成されると、この余分な電荷が、交流電離装置の監視のために使用されることができる。
【0030】
集団電離電荷のために使用されるコンデンサは、本明細書に記載されるように、ファンブロアの電離装置用の円筒状のリング、又は圧搾空気の塊状電離装置用の円筒状ワイヤを介して等、多種多様な機械的形状で実装されてよい。コンデンサは、矩形コンデンサ、楕円形コンデンサ、又は内側導体を遮蔽する外側導体を有する任意のコンデンサにもなり得るであろう。更に、他の構成も、コンデンサの1つの導体が適切に遮蔽され、コンデンサの別の導体が放出イオンにさらされる限り、機能するであろう。回路は、また、より大きな電離システム全体(クリーンルーム内等)のための平均平衡を測定するように、いくつかの電離発生器と組み合わせて使用されることもでき、比較的大きなゼロイオン平衡の作業区域を支援する利点を提供することができる。
【0031】
図2は、イオン測定回路20の一実施例を例示する概念的側面図及び回路図であり、
図1のイオン測定回路16に対応する場合もある。
図2の実施例において、イオン測定回路20は、イオン21を放出するイオン源のイオン平衡を測定するように構成されてもよい。回路20は、(概念的には、コンデンサ22として例示される)第1のコンデンサを備えてもよい。コンデンサ22は、第1の導体23と第2の導体24とを含み、第1の導体23は、イオン源によって放出されたイオン21にさらされ、第2の導体24は、イオン源によって放出されたイオン21から遮蔽される。誘電性材料25は、第2の導体24から第1の導体23を分離することができる。
【0032】
回路20は、(概念的には、コンデンサ26として例示される)第2のコンデンサを備えてもよい。第2のコンデンサ26は、第1のコンデンサ22と末端端子を共有する。第2のコンデンサ26は、第1のコンデンサ22の第2の導体24を含み、また第3の導体27も備える。導体27及び24は、導体23及び24との一体型構造で例示されているが、これは必要ない。あるいは、例えば、導体27は、プリント回路基板(即ち、離散的ユニットとして)上に形成されてもよく、導体24は、コンデンサ22に対して導体23によって遮蔽されるが、コンデンサ26に対して(例えば、プリント回路基板を収容するための)外被によって遮蔽されるワイヤを備えてもよい。
【0033】
回路20はまた、末端端子を第1のコンデンサ22と共有し、かつ第2のコンデンサ26と並列に位置付けられている抵抗器28を備えてもよい。この場合、抵抗器28と第2のコンデンサ26との並列な組み合わせが第1のコンデンサ22と直列である。アンテナ系センサの設計における放電抵抗器に対して、抵抗器28は、低い抵抗(例えば、1メガオーム未満又は100キロオーム未満等、10メガオーム未満)を有してもよく、これは抵抗器28を通した電圧降下によって生成される電流が、比較的単純な信号状態調節を見込むのに十分大きいことを確実にするのと同様に好ましい。回路20はまた、第1の導体23に連結されるスイッチ29を含んでもよい。第1の導体23は、スイッチ29が開いていると、イオン源からの放出イオン21を蓄積し、第1のコンデンサ22はスイッチが閉じられると、蓄積電荷を放電し、抵抗器28を通した電圧降下を引き起こす。例示されるように、スイッチ29、第3の導体27、コンデンサ26、及び抵抗器28は、すべて大地電位と結合され、これらのコンポーネンツすべてを接地するために使用される共通の接地要素となることができる。
【0034】
一実施例において、第1の導体23は、ファンブロアからの放出イオン21の流動にさらされる、覆いのない金属製円筒を備えてもよい。本実施例において、覆いのない金属製円筒は、スイッチ29を介して接地平面に接続される。第2の導体24は、覆いのない金属製円筒内に位置付けられた金属製探針を備えてもよい。誘電性材料25は、第2の導体24から第1の導体23を分離してもよい。このように、本開示は、コンデンサ22について、いずれの円筒状の構成にも、必ずしも限定されないが、第1の導体23、第2の導体24、及び誘電性材料25は、円筒コンデンサを形成してもよい。
【0035】
第2の導体24は、第3の導体27の近傍に配置されてもよく、第2のコンデンサ26を形成するように接地されてもよい。第2の導体24は、次いで、抵抗器28を介して接地に連結されてもよい。抵抗器28の抵抗は、10メガオーム未満でもよく、100キロオーム〜10メガオームの値を有していてもよい。抵抗器28は、抵抗器回路、若しくは、できれば、トランジスタ回路又は所望の抵抗を達成する別の回路を備えてもよい。第2のコンデンサ26は、第1の導体23及び第3の導体27によって形成される。第2のコンデンサ26は、信号状態調節回路(
図1のユニット17等)に接続するために使用されてもよい。
【0036】
イオン測定回路20が陽イオン不均衡(例えば、陽イオンが陰イオンより多い)を測定する状況が考慮されるであろうが、これが、
図2が要素21で陽イオンを示す理由である。
図3及び
図6は、スイッチ29を開けた(
図3)、スイッチ29を閉じた(
図6)状態のイオン測定回路20に対応する回路図である。
図3は、イオン不均衡電流30が、第1の導体23をイオン21にさらすことによって第1のコンデンサ22を帯電させている場合のシナリオを例示する。
図3において、(通常、1つ以上のトランジスタを介して実装される電気スイッチである)スイッチ29は、開いており、放出イオンの平衡にされない性質は、接続される回路の電流が任意の負荷値に従属しないように、無限に大きい内部インピーダンスを有する直流電圧源31として表される。このようにして、放出イオンは、電流30を回路20を通じて流させる一定のイオン不均衡によって第1のコンデンサ22を帯電させ得る。第1のコンデンサ22に蓄積される電圧は、次式:
U(Δt)=I
ion+*Δt/C1 等式(1)
で表わすことができる。(ここに、I
ion+は、等価のイオン流動電流であり、Δtは、スイッチ29が開いており、かつC1が第1のコンデンサ22のキャパシタンス値であるときの帯電期間である。
図4は、等式1を示し、数式1と一致する線41に応じた時間(t)の関数として、電圧の蓄積(U
C1)を図解によって例示する。
図5は、抵抗器28について抵抗Rの関数として、抵抗器28を通した対応する電圧(U
R)を示す等式を含む。接地電圧は、
図3及び6において部品32として標識される。
【0037】
イオン不均衡電流I
ion+(
図3に要素30として示される)は、単位時間当りのイオン源によって生成された余分の陽イオンの数に比例してもよい。この電流によって生成される抵抗器28を通した電圧は、コンデンサ22で得られた電荷電圧より一層小さくてもよく、考慮から除外され得る。例えば、20ミリ秒の時間間隔で1ナノアンペアの不均衡電流は、コンデンサを0.1ボルトで200ピコファラッドpFまで帯電させることができ、抵抗器が100キロオームの抵抗値を有するとき、抵抗器28で丁度0.1ミリボルトの一定のオフセット電圧を生成することができる。
図4及び
図5は、コンデンサ22(
図4の線41を参照)及び抵抗器28(
図5の線43を参照)での電圧変化の比較グラフとして見ることができる。
【0038】
図6は、スイッチ29が閉じられるときのイオン測定回路20の回路図である。この場合、コンデンサ22は、イオン不均衡電流30によって予め帯電していた可能性がある。スイッチ29が閉じられると、コンデンサ22は、スイッチ29及び抵抗器28を介して放電する。放電電流40は、
図6において点線の丸囲み矢印として示される。放電電流40は、接地電圧に対して抵抗器28を通して負の電圧スパイクを生成する。このスパイクの最大振幅は、次式:
U
Rmax=−I
ion+*Δt/(C1+C2) 等式(2)
で計算することができる。
図7は、等式2を示し、時間の関数(要素45を参照)として、抵抗器28を通した電圧スパイクを図解によって例示する。電圧スパイク後に、絶対電圧は、時定数について指数関数的にゼロまで下がる場合がある:
τ=R
*(C1+C2) 等式(3)(式中、Rが抵抗器28の抵抗であり、C1は、コンデンサ22のキャパシタンスであり、かつC2は、コンデンサ26のキャパシタンスである(すべて国際単位系に従ってSI単位)。
【0039】
時定数(τ)は、コンデンサ22のための電荷区間より著しく小さくてもよい。図解的で非限定的実施例において、電荷区間は、およそ16ミリ秒程度であってもよく、この場合に、時定数(τ)は、16ミリ秒より著しく小さくなる場合がある。抵抗器28の抵抗のために使用される値は、究極的に、所望の電荷区間及び時定数(τ)に影響する場合がある。
【0040】
電圧スパイクの振幅は、一旦スイッチ29が閉じられると、コンデンサ22の全電荷がコンデンサ22及び28の両方の間で瞬時に再分布することができるので、放出イオンにさらされることによってコンデンサ22に蓄積された初充電電圧よりも小さい場合がある。等式(2)から分かるように、抵抗器28での電圧スパイクの最大振幅は、(
図3に要素30として示される)電離器の等価不均衡電流I
ion+に直接比例することができる。
【0041】
イオン平衡の監視及び制御については、コンデンサ22は、(第1の導体23をさらすことを介して)電離器の不均衡電流30によって常に帯電しており、イオン源によるイオン不均衡出力に比例するパルスの振幅でパルスのシーケンスを生成するように、抵抗器28及びスイッチ29を介して周期的に放電する。スイッチ29は、(電子的に)開閉されて、コンデンサ22を充電し、コンデンサ22を放電する周期的サイクルを生成する。パルスの極性は、イオン源が余分な正電荷を生成しているときに、負であり、パルスの極性は、イオン源が余分な陰電荷を生成しているときに、陽である。パルスの振幅は、第2の導体24が閉じられた第1の導体23の金属表面によって等、遮蔽されているので、いずれの外部静電圧又は電磁界からも独立していることができる。更に、第1の導体23をユーザが触わる場合(或いはさもなければ不注意に接地される)においてさえも、これは単に1回の放電を発生させ、パルス列から1つのパルスのみが影響されるであろう。
【0042】
図8及び
図9は、
図2、
図3、及び
図6等に例示されるイオン測定回路20によって生成されたパルスの2つの異なるシーケンスを例示するグラフである。これらの実施例において、いかなるフィードバック又は調整も、電荷コンデンサ22にイオンを放出するイオン源に供給されない。
図8は、陽イオンの不均衡の場合に生成されるパルス801を例示し、
図9は、陰イオンの不均衡の場合に生成されるパルス901を例示する。これらのパルス801又は901は、イオン源の出力を調整(例えば、
図1の陽イオンユニット14及び陰イオンユニット15の相対的出力を調整する)可能な制御信号を生成するために使用することができる(かつ、信号調節される可能性がある)。
図8及び
図9において、パルス801及び901は変化しない。フィードバックが、これらの実施例において、イオン源の出力を変更するために使用されないからである。
【0043】
図14は、電離平衡装置100の一実施例を例示するブロック図である。電離平衡装置150は、
図1の電離平衡10の一実施例であってもよい。
図14において、イオン源40は、
図1のイオン源12に対応してもよい。
図14において、要素44は、
図1の信号状態調節ユニット17の一実施例を表してもよい。
図14において、ユニット62は、
図1の制御ユニット18を表してもよい。ユニット63は、ディスプレイ又はネットワークへのインターフェース等、インターフェースユニットを備えてもよい。
【0044】
図14の実施例において、ユニット42は、コンデンサのセンサユニットを備え、構造体48は、本明細書に記載されるように、第1及び第2のコンデンサを備える。第1及び第2のコンデンサは、イオン源40によって放出されるイオンから遮蔽される導体を共有してもよい。第1のコンデンサは、イオン源40によって放出されるイオンにさらされる導体を有してもよい。第2のコンデンサの両方の導体は、イオンから遮蔽されてもよい。2つのコンデンサの共有される導体は、抵抗器50に充填されてもよく、次いで、接地に連結される。第1のコンデンサの導体は、イオン源40によって放出されるイオンにさらされるが、電子スイッチ49を介して接地と連結されてもよい。コントローラ62からの線64は、スイッチ49を周期的にオン及びオフにするために使用されてもよく、結果として、パルス列が抵抗器50を通して生成される。
【0045】
ユニットゲイン非反転増幅器51は、出力センサインピーダンスを整合するために使用されてもよい。ユニットゲイン非反転増幅器51の出力部から、パルス列は、第1のピーク/保持検電器53の入力部を通過してもよい。この第1のピーク/保持検電器53は、例えば、電離器の不均衡が負であるときに、負のパルスで動作するように構成されてもよい。また、ユニットゲイン非反転増幅器51の出力部は、第2のユニットゲイン反転増幅器52を通って第2のピーク/保持検電器55の入力部も通過してもよい。この第2のピーク/保持検電器55は、例えば、電離器の不均衡が正であるときに、負のパルスで動作することができる。コントローラ62は、マイクロコントローラ(又は他の型のプロセッサ)を備えてもよく、信号59及び60それぞれを介して、ピーク/保持検電器53及び55の両方を周期的にリセットしてもよい。
【0046】
図8及び
図9に戻って参照すると、正の不均衡についてピーク/保持検電器53及び55の出力に関連付けられている時間は、要素802及び803としてそれぞれ示されることができる。類似して、負の不均衡についてピーク/保持検電器53及び55の出力に関連付けられている同様の時間は、(ピーク/保持検電器53について)要素902(ピーク/保持検電器55について)及び903として示すことができる。
【0047】
コントローラ62は、ユニット42のコンデンサを放電する前に、ピーク/保持検電器53及び54の両方をゼロにリセットすることができる。これは、ピーク/保持検電器53及び55の出力部における短絡の負のスパイクが存在する場合がある理由である。しかし、そのようなスパイクは、ピーク/保持検電器53及び55について、2つのローパスフィルタ54及び56によってそれぞれ除去され得る。ローパスフィルタ54及び56の両方の出力部は、陽イオンの不均衡が余分な陽イオン電流に比例する負電圧を生成し、かつ負の不均衡が陰イオン電流に比例する負電圧を生成するように、差動増幅器58の入力部に接続されてもよい。差動増幅器58の出力61は、
図8の要素804又は
図9の要素904として表わすことができる。出力61に関連付けられた電圧は、負のフィードバックのループシステムでの電離器の平衡調整のために使用されてもよい。付加的なブロック57は、初期システム平衡のために使用されてもよい。出力61は、概ね、制御信号を含むことができ、アナログ/ディジタル変換器(図示せず)を通過して、コントローラ62の出力を生成してもよい。ブロック63は、概ね、回路状態、又は装置を別のユニット又は装置にネットワーク接続し得るブロックを表現するためのインターフェース又はディスプレイを表すことができる。
図8及び
図9に示される点線は、様々なオシロスコープのチャネルについてのゼロの電圧水準を表す場合がある。
【0048】
図10は、電離制御における例示のタイミングの可能性を図示するグラフである。グラフの要素1001は、
図14の構造体42の出力(構造体42は、コンデンサのセンサユニットとも呼ばれる)を表すことができる。グラフの要素1002及び1003は、それぞれ、負の不均衡についての第1のピーク/保持検電器53及び正の不均衡についての第2のピーク/保持検電器55の出力である場合がある。グラフの要素1004は、負の不均衡の場合における制御信号61に対応することができる。
【0049】
図10は、平衡調整の抵抗器によって事前設定された最大の可能な負の初期不均衡を有する、例示の電離ブロアに関連付けられる実際のオシログラムを表す。点線1005は、出力制御信号61がイオン源40への入力部から切断されたときの時間モーメントt1を表示する。点線1006が、フィードバックループが回復され、かつ制御信号61がイオン源40への入力部に再接続されたときの時間モーメントt2に割り当てられる。点線1007は、イオン平衡が達成されたときの時間モーメントt3を表す。モーメントt1に見られるであろうように、制御信号が切断されると、電離平衡装置は、余分な陰イオンを生成することを開始し、正のパルスは、(グラフの要素1001によって例示されるような)コンデンサのセンサユニット42の出力においてシーケンス化を開始する。これは、第1のピーク/保持検電器53の出力を増大させ(グラフの要素1002を参照)、出力制御電圧61(グラフの要素1004)を減少させる。ある時点で、出力制御電圧は、最大の負の値(この実施例においては−5.0V)に到達し、この水準で飽和してもよい。
【0050】
モーメントt2で、制御信号は、イオン源40の入力部に再接続される。この時点で、大きな負の制御電圧は、イオン源40をより多くの陽イオンに調整するように、制御信号61によって供給され、この処理は、コンデンサのセンサユニット42上の極性中のスパイクによって、正から負に概ね反射される。この場合に、第2のピーク/保持検電器55の出力電圧は、突然増大する場合があり、第2のピーク/保持検電器53の出力電圧は下降する場合がある。この後、制御信号61は減少する振幅と2以上のインクリメントで再びイオン平衡を振動させる。最後に、
図10のモーメントt3で、イオン平衡装置150は再度平衡する。
【0051】
図11は、本明細書に記載されるような例示の電離平衡装置の実際の動的性能を示す別のグラフである。初期には、電離平衡装置は、平衡している。(点線1101として示される)時間モーメントt1で、およそ90ボルトの正の不均衡が生成され、(点線1102として示される)時間モーメントt2で、コントローラのフィードバックは接続された。(点線1103として示される)時間モーメントt3で、電離平衡装置は、再び平衡し、およそ8秒のみを要した。
【0052】
図12は、本明細書に記載される技術と一致するコントローラによる、正(要素1201)及び負(要素1202)の電離器の不均衡調整の状況を表す、別のグラフである。
図12に示されるように、電離平衡は、正(要素1201)及び負(要素1202)の電離器の不均衡調整後に迅速かつ正確に回復される。
図13は、本明細書に記載されるイオン測定回路及びフィードバックを使用して電離平衡装置での(信号1301として)測定されたイオン不均衡を例示するグラフである。
図13に示すように、本明細書に記載される回路及び技術は、この特定の場合について、±1ボルトより良好なイオン平衡精度を達成した。
【0053】
図15は、電離平衡装置200の一実施例を例示する更なる概略図である。電離平衡装置200は、
図1の電離平衡10の一実施例であってもよい。
図15において、イオン源210は、
図1のイオン源12に対応してもよい。
図15において、要素230は、
図1の信号状態調節ユニット17の一実施例を表してもよい。
図15において、ユニット70は、
図1の制御ユニット18を表してもよい。ユニット69は、ディスプレイ又はネットワークへのインターフェース等、インターフェースユニットを備えてもよい。
【0054】
本明細書に記載されるように、ユニット220は、コンデンサのセンサユニットを備え、構造体65は、第1及び第の2コンデンサを備える。第1及び第2のコンデンサは、イオン源210によって放出されるイオンから遮蔽される導体を共有してもよい。構造体65内の第1のコンデンサは、イオン源210によって放出されるイオンにさらされる導体を有してもよい。構造物65内の第2のコンデンサの両方の導体は、イオンから遮蔽されてもよい。構造体65内の2つのコンデンサの共有される導体は、抵抗器67に充填されてもよく、次いで、接地と連結される。第1のコンデンサの導体は、イオン源210によって放出されるイオンにさらされ、電子スイッチ66を介して接地と連結されてもよい。コントローラ70からの信号は、スイッチ66を周期的にオン及びオフにするために使用されてもよく、結果として、パルス列が抵抗器67を通して生成される。
【0055】
更に、構造体65は、電子スイッチ66を介して接地と接続され、抵抗器67に充填される。抵抗器67からの電圧は、ユニットゲイン非反転増幅器68を通過して、演算増幅器77及び83、抵抗器78、81、及び82、ダイオード79及びコンデンサ80を介して実現した第1のピーク/保持検電器に達する。負のパルスは、抵抗器75及びダイオード76を介して実装されるダイオードリミタを通過し、電離器の不均衡が正であるとき、負の極性のパルスを拒絶する。ユニット利得増幅器68からの出力信号は、演算増幅器74、抵抗器72及び73を介して実現したユニットゲイン反転増幅器も通過する。第2の負のパルスは、抵抗器88及びダイオード89の底部のダイオードリミタを通過して第2のピーク/保持検電器に達する。この第2のピーク/保持検電器は、演算増幅器90及び96、抵抗器91、94及び95、ダイオード92、及びコンデンサ93を介して実装されてもよい。
【0056】
第1のピーク/保持検電器は、陰イオンの不均衡に比例する出力電圧を生成し、不均衡が正であるとき、出力をゼロに保つ。第2のピーク/保持検電器の出力電圧は、正の不均衡に比例し、不均衡が負のとき、ゼロに等しい。両方のピーク/保持検電器の出力部は、第1のオーダのローパスフィルタを介して差動増幅器に接続される。第1のオーダのローパスフィルタは、抵抗器84、コンデンサ85、演算増幅器86を介して、かつ抵抗器97、コンデンサ98、及び演算増幅器99を介して実装されてもよい。差動増幅器は、演算増幅器107、抵抗器104、106、108、及び109の基底部に実現してもよい。接続は、差動増幅器の出力電圧の標識がイオン不均衡の標識と同じになるように提供されてもよい。回路はまた、正及び負の電源供給に接続されている可変抵抗器103を含んでよく、抵抗器105は、初期のゼロ平衡のために、例えば、任意のオフセット電圧及び部品のパラメーター精度を補正するために、回路に付加されてもよい。差動増幅器110の出力部は、イオン源210の調整のために使用される制御信号を含んでもよい。
【0057】
加えて、両方のピーク/保持検電器の出力部は、イオン不均衡及び制御信号状態の表示のための、又はネットワークインターフェース69を介してこの情報を別の装置又はディスプレイへ伝達するための、(信号線100、102、及び71として示される)コントローラ70への入力を生成するように、アナログ/ディジタル変換器(図示せず)に接続されてもよい。加えて、コントローラ70は、ピーク/保持検電器のリセットを制御するために2つの信号100及び102を提供してもよい。コントローラ70はまた、制御スイッチ66を操縦してもよく、例えば、本明細書に記載されるように、オン及びオフにする。
【0058】
図16は、本開示に一致する電離平衡装置1500の例示の一実施例である。本実施例において、記載されるコンデンサSUは、ケーブル1503を介してコントローラボードに接続されるリング1502として実装されてもよく、ハウジング1506内に位置する。リング1502は、ハウジング1506内に位置する様々な電離器の針に対称的に位置付けられてもよく、ハウジング1006内のファンと共通の軸を有してもよい。なお、他の実施例では、リング1502(又は別の型の遮蔽される導体を有するコンデンサ構造体)は、ハウジング1506に収容され得るであろう。また、記載される回路は、ファンを使用しない電離平衡装置、又はクリーンルーム等のより大きな区域にイオン平衡された空気を提供する、複数の電離装置のための測定回路等、他の型の電離平衡装置と使用され得るであろう。
【0059】
以下は、本発明の態様による、イオン平衡の測定及び調整のための遮蔽されたコンデンサ回路を有する電離平衡装置の例示の実施形態である。
【0060】
実施形態1は、イオンを放出するイオン源と、第1の導体と第2の導体とを含むコンデンサであって、第1の導体が、イオン源によって放出されるイオンにさらされ、第2の導体が、イオン源によって放出されるイオンから遮蔽される、コンデンサと、を備える、電離平衡装置である。
【0061】
実施形態2は、第1の導体が放出イオンから第2の導体を遮蔽する、実施形態1に記載の電離平衡装置である。
【0062】
実施形態3は、コンデンサが、第1の導体を含む外側導体と、第2の導体を含む内側導体と、を備える、実施形態1に記載の電離平衡装置である。
【0063】
実施形態4は、コンデンサが外側導体と内側導体との間に誘電体を含む、実施形態3に記載の電離平衡装置である。
【0064】
実施形態5は、コンデンサが円筒コンデンサ、矩形コンデンサ、及び楕円形コンデンサのうちの1つを備える、実施形態3に記載の電離平衡装置である。
【0065】
実施形態6は、コンデンサに連結される信号状態調節回路を更に含み、信号状態調節回路が、イオン平衡を表示する信号を出力するように構成される、実施形態1に記載の電離平衡装置である。
【0066】
実施形態7は、信号状態調節回路が、コンデンサ上の陽電荷に比例する第1の信号と、コンデンサ上の陰電荷に比例する第2の信号と、を生成するように構成される、実施形態6に記載の電離平衡装置である。
【0067】
実施形態8は、信号状態調節回路が、増幅器、ピーク/保持ユニット、及びローパスフィルタのうちの少なくとも1つを備える、実施形態6に記載の電離平衡装置である。
【0068】
実施形態9は、信号状態調節回路が、第1の信号と第2の信号との間の差を生成するように構成され、この差がイオン平衡の測定を含む、実施形態7に記載の電離平衡装置である。
【0069】
実施形態10は、イオン平衡の測定を受け取り、イオン平衡を変更するためにイオン源のための制御信号を生成する制御ユニットを更に備える、実施形態9に記載の電離平衡装置である。
【0070】
実施形態11は、スイッチを更に備え、第1の導体が、スイッチが開いていると、放出イオンを蓄積し、コンデンサが、スイッチが閉じられると、蓄積電荷を放電する、実施形態1に記載の電離平衡装置である。
【0071】
実施形態12は、スイッチが、イオン平衡を表示する信号を生成するために、周期的間隔で開閉される、実施形態11に記載の電離平衡装置である。
【0072】
実施形態13は、コンデンサが、スイッチが閉じられると、パルスを出力し、パルスが、第1の導体で蓄積された過剰電荷に比例する大きさと、過剰電荷が陽電荷であるか陰電荷であるか定める方向と、を規定する、実施形態11に記載の電離平衡装置である。
【0073】
実施形態14は、末端端子をコンデンサと共有する抵抗器を更に含み、スイッチが閉じられると、コンデンサが抵抗器を介して放電する、実施形態11に記載の電離平衡装置である。
【0074】
実施形態15は、抵抗器がおよそ10メガオーム未満の抵抗を規定する、実施形態14に記載の電離平衡装置である。
【0075】
実施形態16は、コンデンサが、第1のコンデンサを備え、電離平衡装置が、抵抗器と並列に位置付けられた第2のコンデンサを更に備え、抵抗器と第2のコンデンサとの並列な組み合わせが、第1のコンデンサと直列である、実施形態14に記載の電離平衡装置である。
【0076】
実施形態17は、第2のコンデンサが、第1のコンデンサの第2の導体、及び第3の導体を備える、実施形態16に記載の電離平衡装置である。
【0077】
実施形態18は、第2の導体及び第3の導体が、放出イオンから遮蔽される、実施形態17に記載の電離平衡装置である。
【0078】
実施形態19は、イオン源のイオン平衡を測定するように構成される回路であって、第1の導体と第2の導体とを含み、第1の導体がイオン源によって放出されるイオンにさらされ、第2の導体がイオン源によって放出されるイオンから遮蔽される、第1のコンデンサと、第1のコンデンサの第2の導体、及び第3の導体を備える、第2のコンデンサと、第2のコンデンサと並列に位置付けられた抵抗器であって、抵抗器と第2のコンデンサとの並列な組み合わせが、第1のコンデンサと直列である、抵抗器と、スイッチが開いていると、第1の導体がイオン源からの放出イオンを蓄積し、スイッチが閉じられると、第1のコンデンサが蓄積電荷を放電する、スイッチと、を備える、回路である。
【0079】
実施形態20は、第1の導体が放出イオンから第2の導体を遮蔽する、実施形態19に記載の回路である。
【0080】
実施形態21は、第1のコンデンサが、第1の導体を備える外側導体と、第2の導体を備える内側導体と、を備える、実施形態19に記載の回路である。
【0081】
実施形態22は、第1のコンデンサが、外側導体と内側導体との間に誘電体を含む、実施形態21に記載の回路である。
【0082】
実施形態23は、第1のコンデンサが、円筒コンデンサ、矩形コンデンサ、及び楕円形コンデンサのうちの1つを備える、実施形態21に記載の回路である。
【0083】
実施形態24は、信号状態調節ユニットを更に備え、信号状態調節回路が、第1のコンデンサによって放電される蓄積電荷に基づいて、イオン平衡を表示する信号を出力するように構成される、実施形態19に記載の回路である。
【0084】
実施形態25は、信号状態調節ユニットが、第1のコンデンサ上の陽電荷に比例する第1の信号と、第1のコンデンサ上の陰電荷に比例する第2の信号と、を生成するように構成される、実施形態24に記載の回路である。
【0085】
実施形態26は、信号状態調節ユニットが、増幅器、ピーク/保持ユニット、及びローパスフィルタのうちの少なくとも1つを備える、実施形態24に記載の回路である。
【0086】
実施形態27は、信号状態調節ユニットが、第1の信号と第2の信号との間で差を生成するように構成され、この差が、イオン平衡の測定を含む、実施形態25に記載の回路である。
【0087】
実施形態28は、イオン平衡の測定を受け取り、イオン平衡を変更するためにイオン源への制御信号を生成する、制御ユニットを更に備える、実施形態25に記載の回路である。
【0088】
実施形態29は、スイッチが、イオン平衡を表示する信号を生成するために周期的間隔で開閉される、実施形態21に記載の回路である。
【0089】
実施形態30は、回路が、スイッチが開いているとき、パルスを出力し、パルスが、第1の導体上に蓄積される過剰電荷に比例する大きさと、過剰電荷が陽電荷であるか陰電荷であるかを定める方向と、を規定する、実施形態21に記載の回路である。
【0090】
実施形態31は、抵抗器が、およそ10メガオーム未満の抵抗を規定する、実施形態21に記載の回路である。
【0091】
実施形態32は、第2の導体及び第3の導体が、放出イオンから遮蔽される、実施形態21に記載の回路である。
【0092】
実施形態33は、イオン源のイオン平衡を測定するように構成される回路であって、第1の導体と第2の導体とを含む、第1のコンデンサと、第1のコンデンサの第2の導体、及び第3の導体を備える、第2のコンデンサと、第2のコンデンサと並列に位置付けられた抵抗器であって、抵抗器と第2のコンデンサとの並列な組み合わせが、第1のコンデンサと直列であり、抵抗器がおよそ10メガオーム未満の抵抗を規定する、抵抗器と、を備える、回路である。
【0093】
実施形態34は、抵抗が、100キロオーム〜10メガオームである、実施形態33に記載の回路である。
【0094】
実施形態35は、スイッチを更に備え、スイッチが開いていると、第1の導体がイオン源からの放出イオンを蓄積し、スイッチが閉じられると、コンデンサが蓄積電荷を放電する、実施形態33に記載の回路である。
【0095】
実施形態36は、第1の導体が、イオン源からの放出イオンにさらされ、第2の導体が、放出イオンから遮蔽される、実施形態33に記載の回路である。
【0096】
実施形態37は、イオンを放出するイオン源と、イオン源からの放出イオンを受け取り、イオン源のイオン平衡を表示する信号を出力するように構成され、信号が放出イオンによって生成されない外部電磁場に対してほぼ非感受性である、回路と、を備える、装置である。
【0097】
実施形態38は、回路が、第1の導体と第2の導体とを含み、第1の導体が、イオン源によって放出されるイオンにさらされ、第2の導体が、イオン源によって放出されるイオンから遮蔽される、第1のコンデンサと、第1のコンデンサの第2の導体、及び第3の導体を備える、第2のコンデンサと、第2のコンデンサと並列に位置付けられた抵抗器であって、抵抗器と第2のコンデンサとの並列な組み合わせが、第1のコンデンサと直列である、抵抗器と、スイッチが開いていると、第1の導体がイオン源からの放出イオンを蓄積し、スイッチが閉じられると、第1のコンデンサが蓄積電荷を放電する、スイッチと、を備える、実施形態37に記載の装置である。
【0098】
若干の実施例及び実施形態が記載された。具体的には、電離平衡装置でイオン平衡を測定するために使用することができる、回路及び技術が記載された。記載された回路は、イオン源からの放出イオンを受け取り、イオン源のイオン平衡を表示する信号を出力するように構成され、信号が、放出イオンによって生成されない外部電磁場に対してほぼ非感受性であってもよい。例えば、外部電磁場に対してほぼ非感受性である信号は、およそ1ボルト未満で、外部場によって影響されることができ、イオン平衡は、およそ1ボルト未満の正又は負の変動で達成されることができる。
【0099】
これら及び他の実施例並びに実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。