特許5909804IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

インコネル(登録商標、以下同じ)で作製された、航空機部品等を切削加工で作製する場合の、刃先交換式切削チップ、エンドミル、および一般切削工具、一般耐摩耗工具、およびその素材のSi3N4系セラミックス

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】 放熱性が少なく、高温での耐摩耗性に優れたSi3N4系セラミックス、及びそれからなる刃先交換式切削チップおよびエンドミル、並びに塑性加工用ロールを提供する。
【解決手段】 Si3N4系セラミックスにおいて、原料粉末にWO3を1mass%以上7.9mass%以下配合して、カーボンケース内にセットし、カーボン断熱材、カーボンヒータを用いる真空焼結炉に充填し、窒素雰囲気下で焼結する。WO3は焼結によりW、W2C、WCに還元・炭化され、この中でW2Cが50mass%以上とし、焼結体中のW2C量が0.44mass%以上3.85mass%以下とすることにより、耐久性に優れたインコネル加工用切削工具にできる。
【選択図】 図5

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

この技術分野では、cBN焼結体に代わるものとして、Si3N4セラミックスがある。最近のSi3N4セラミックス製刃先交換式切削チップやエンドミルによるインコネルの切削加工は、切削速度を500m/min〜1100m/minという高速で加工することにより、切削温度を高くし、インコネルの引張り強さなどを低下させた状態で切削することにより、高能率の加工が狙われている。しかし、これに使用できる満足な寿命のSi3N4セラミックスは今だ得られておらず、改良が望まれている。そこで本発明者らは、インコネルの切削加工に適したSi3N4セラミックスの開発を行うこととした。 なお、Si3N4セラミックスはAl2O3、Y2O3、AlN、および/又はMgO等が添加されているものがほとんどである。さらに、通称Si3N4と呼ばれているものにはαまたはβ−サイアロン(SiAlON。但し各元素の割合は1:1:1:1ではない)となっているものも含まれ、その逆もあることから、以下、断りのない限り、αまたはβ−Si3N4と記載してもαまたはβ−サイアロンも含まれるものとする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

Si3N4セラミックスについては、古くから近年まで種々の焼結技術が開示されている。本発明者らが調べた結果、特許文献1によると、好ましい焼結温度は1700℃〜1850℃で、好ましい焼結時間は1h〜2hとされているが、実際には、ほとんどが1800℃以上で焼結されていることが分かった。また特許文献2によると、低温焼結が開示されているものの、1550℃で6h焼結してさらに1650℃で3h焼結するなど・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明の、原料粉末にWO3を1mass%以上7.9mass%以下配合したSi3N4系セラミックスは、放熱性が少なく、高温での耐摩耗性が優れるため、インコネルの切削用の刃先交換式切削チップまたはエンドミルとして用いると、優れた耐久性がある。また同様に、アルミ溶湯部品、研磨布ドレッシングプレート、高周波焼入れ治具、塑性加工用ロール、ノズル、ノズルカバー、ベアリングボール等の耐摩耗工具としても優れた特性がある。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】Si3N4−2mass%Al2O3−5mass%Y2O3−3mass%MgO−1mass%AlN組成に配合したSi3N4系セラミックスの鏡面SEM組織に及ぼす焼結温度の影響である。白矢印はポアを示す。高倍写真(上段)はポアの少ない部分を撮影したもの。

【図2】Si3N4−2mass%Al2O3−5mass%Y2O3−1mass%〜2mass%MgO−1mass%AlN組成に配合したSi3N4系セラミックスの鏡面SEM組織に及ぼすMgO添加量の影響である。白矢印はポアを示す。高倍写真(上段)はポアの少ない部分を撮影したもの。

【図3】Si3N4−5mass%Y2O3−1mass%MgO−1mass%〜6mass%AlN組成に配合したSi3N4系セラミックスのα率に及ぼすAlN添加量の影響である。

【図4】Si3N4−5mass%Y2O3−1mass%MgO−4mass%AlN組成に配合したSi3N4系セラミックスの鏡面SEM組織に及ぼすWO3添加の影響である。WO3を添加したセラミックス中の白色粒子はW2C等のWを含む相である。寸法は、最大でも約1μmで、多くの粒子は0.2μm以下であった。

【図5】図4の各セラミックスのX線回折図(ターゲット:CuKα)である。

【図6】図5の各セラミックスについて、セラミックス全体の量に対するWO3添加量と、WおよびW炭化物全体に対するW、W2C、WCの重量比率との関係である。図5の組成に加え、WO310mass%添加を追記している。

【図7】インコネル718の引張り強さに及ぼす測定温度の影響(非特許文献3にある図の一部を改変)である。982℃−1hの固溶化処理および718℃−8hの後621℃まで炉内冷却し、全時効時間の合計が18hになるように621℃に保持する時効をした、直径12.7mmのインコネル718の試験片による。

選択図 図5出願人が指定した本件の代表的な図

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