【実施例1】
【0022】
図1乃至
図7には、本発明に係る車両室内照明灯の第1の実施例が示されている。
図1は本発明に係る車両室内照明灯が取り付けられる車両のドア室内側の概略図、
図2は本発明に係る車両室内照明灯の分解斜視図、
図3は本発明に係る保護カバーの斜視図、
図4は機能部の斜視図、
図5は意匠部の斜視図、
図6は車両室内照明灯の斜視図、
図7は
図6に図示する車両室内照明灯に係る図であり、(a)は車両室内照明灯の平面図、(b)は(a)のA―A線断面図であって第二固定部が撓み変形する前の状態を示す図、(c)は(a)のA―A線断面図であって第二固定部が撓み変形して変位防止突起に当接している状態を示す図である。
【0023】
図1において、引用符号1は、第1の実施例に係る車両室内照明灯を示している。本発明に係る車両室内照明灯1は、特に限定するものではないが、例えば、自動車等の車両のドア30室内側に取り付ける照明灯(カーテシランプ)として用いられるものである(一例であるものとする)。
【0024】
車両室内照明灯1には、
図2に示す如く、機能部2と、意匠部3とが備えられている。
機能部2は、光源4と、バスバー5と、ソケット6と、保護カバー7とを含んで構成されている。
光源4は、電力の供給によって光る電気部品である。また、バスバー5は、導電性を有する金属板を所定形状に曲げて形成され光源4とワイヤハーネス(図示せず)とを導通接続する回路部品である。また、ソケット6は、バスバー5を内部に装着し且つ光源4を収容する部材である。さらに、保護カバー7は、ソケット6に着脱可能で光源4を保護する部材である。
意匠部3は、光源4から出射する光を透過するレンズ8を含んで構成され、車両室内の内装材の一面に設ける開口(図示せず)に取り付けられるものである。
【0025】
以下、先ず、機能部2の各構成部材について詳細に説明する。
光源4には、車両の室内等を照明するランプやLEDが用いられる(一例であるものとする)。光源4は、電球部4aと、電球部4aに連続するベース部4bとからなる。光源4には、ベース部4bに後述するバスバー5の光源係合部分5aが係合されており、ワイヤハーネスからの給電が行われる。
【0026】
バスバー5には、一端側に光源4を係合可能に形成される光源係合部分5aが設けられている。また、他端側には、ワイヤハーネスの一端に取り付けられたコネクタと接続可能に形成されるコネクタ接続部分5bが設けられている。
【0027】
ソケット6は、合成樹脂材料によって成形され、光源装着部10と、一対の保護カバー被取付部11と、ワイヤハーネス接続部(図示せず)と、ソケット側固定部12とを有している。
光源装着部10は、光源4を装着する部分としてソケット6の長手方向の一端側に略正方形に開口形成されている。また、一対の保護カバー被取付部11は、保護カバー7を取り付ける部分としてソケット6の長手方向の一端側の側面に形成されている。また、ワイヤハーネス接続部は、ワイヤハーネスを接続する部分としてソケット6の長手方向の他端側に開口形成されている。さらに、ソケット側固定部12は、後述するレンズ8における第一固定部25との係合を行う部分として形成されている。
尚、ソケット側固定部12は、ソケット側係止突起12aと、一対のソケット側係止ガイド12bとによって構成されている(
図4参照)。
【0028】
保護カバー7は、合成樹脂材料によって成形され、
図3に示す如く、断面が円弧状で略蒲鉾形の形状に形成されている(形状は一例であるものとする)。
保護カバー7は、第二固定部側壁面13と、この第二固定部側壁面13に連続する左側壁面14及び右側壁面15と、これら第二固定部側壁面13と左側壁面14及び右側壁面15に連続する天井壁面16とによって構成されている。保護カバー7の内部には、光源4を収容する光源収容室19が形成されている(
図4参照)。
【0029】
保護カバー7の底面18は、保護カバー7をソケット6に取り付ける際、光源4を光源収容室19に収容可能とするため、また、光源4から出射される光を意匠部3側に照射させるため切り欠かれて形成されている(
図4参照)。
【0030】
保護カバー7の背面17は、
図4に示す如く、保護カバー7をソケット6に着脱可能とするため切り欠かれて形成されており、この切り欠かれた部分における左側壁面14及び右側壁面15の内面には一対の保護カバー取付部20が形成されている。保護カバー7のソケット6への取り付けは、保護カバー取付部20を保護カバー被取付部11に係合することによって行う(
図4参照)。
【0031】
尚、保護カバー7は、ソケット6に係合することによって、一体に形成されているが、保護カバー7は、ソケット6とは別に係合できるようにソケット6とは別体に形成してもよい。
【0032】
第二固定部側壁面13は、保護カバー7の長手方向において、背面17の反対側の端末に位置し、保護カバー7の正面に相当する部分である。第二固定部側壁面13の幅方向における両端からは、レンズ8における第二固定部側係止ガイド27と係止可能な一対の保護カバー側係止ガイド21が形成されている。
【0033】
保護カバー7の中心軸方向の第二固定部側壁面13には、
図3に示す如く、変位防止突起22が形成されている。この変位防止突起22は、後述する第二固定部26が外部からの作用により撓み変形する際の撓み変形量が一定量を超えないように制御する「撓み変形量制御部材」として形成されている。
変位防止突起22は、第二固定部側壁面13から突設されており、保護カバー7の中心軸方向から見ると、変位防止突起22は、接触部材23と、一対の補強部材24とによって略「コ」字状の形状に形成されている。
【0034】
接触部材23は、保護カバー7の中心軸方向に水平な薄板状の形状に形成されている。接触部材23は、第二固定部26が撓み変形する際に、この第二固定部26と接触可能な部分として形成されている。
また、一対の補強部材24は、接触部材23の両端から保護カバー7の底面18の方向に接触部材23に対して略直角に形成されている。
【0035】
このように構成することで、変位防止突起22は、第二固定部26が撓み変形して接触部材23に当接することにより接触部材23が押圧されても接触部材23の下部において一対の補強部材24が形成されているため、接触部材23が撓むことが防止される。
これは、一対の補強部材24が接触部材23に対して略直角方向に形成されているため、接触部材23が下方から補強部材24によって支えられるためである。
従って、略「コ」字状に形成された変位防止突起22によれば、第二固定部26に押圧されても接触部材23が撓むことなく、確実に第二固定部26の撓み変形量を制御することができる。また、接触部材23の肉厚を薄く形成しても接触部材23が撓むことなく、第二固定部26の撓み変形量を制御することができる。
【0036】
保護カバー7の中心軸方向の第二固定部側壁面13に変位防止突起22を形成すると、第二固定部26が、一定量撓み変形したときに変位防止突起22の接触部材23に当接して第二固定部26の撓み変形量が制御される。
従って、第二固定部26に過大な力が加わり撓み変形しても、撓み変形量が制御されることにより、第二固定部26が元の形状に復帰できなくなることが防止される。
【0037】
変位防止突起22の第二固定部側壁面13から保護カバー7の中心軸方向に突設する距離は、第二固定部26が変位防止突起22に当接する際に、第二固定部26に対する撓み変形させようとする作用が解除されると元の形状に復帰可能な撓み変形量となる距離を有していればよい。
【0038】
このように構成することで、第二固定部26は、一定量撓み変形したときに変位防止突起22に当接し第二固定部26の撓み変形量が制御される。このため、第二固定部26に過大な力が加わっても、第二固定部26は、過大に撓み変形しなくなる。
すなわち、第二固定部26が撓み変形しても、過大に変形することがなく、元の形状に復帰できなくなることを防止することができる。
従って、第二固定部26が撓み変形前の形状に復帰できなくなることが防止され、第二固定部26を開口に係止する際の保持力の低下や、第二固定部26の折損が生じるのを防止することができる。
【0039】
次に、意匠部3の構成部材について説明する。
レンズ8は、光源4から照射される光を透過する透明または半透明の合成樹脂材料によって成形されている(本実施例では用いていないが、例えば、ベゼル等を含んでいてもよいものとする)。レンズ8は、平面的に見ると矩形状で、且つ、側方から見ると略「く」字状の形状に曲がって構成されている。
【0040】
レンズ8の内面9には、レンズ8の長手方向の一端側(
図5においてはレンズ8の右端側)に第一固定部25が一体化して形成されている。また、レンズ8の長手方向の他端側(
図5においてはレンズ8の左端側)に第二固定部26及び第二固定部側係止ガイド27が一体化して形成されている。第一固定部25及び第二固定部26は、ともに内装材の一面に設けられた開口の周縁に係合可能な部分として形成されている。
【0041】
第一固定部25は、第一固定部側係止突起25aと、一対の第一固定部側係止ガイド25bとによって構成されている。
第一固定部側係止突起25aは、ソケット側係止突起12aと係合可能な部分として形成されている。また、第一固定部側係止ガイド25bは、ソケット側係止ガイド12bと係止可能な部分として形成されている。
【0042】
第一固定部25は、ソケット側固定部12と係合することにより、機能部2と意匠部3とを嵌合する部分として形成されている。
このような構成により、ソケット6に係合されている保護カバー7が、レンズ8の長手方向の一端側にずれることが防止される。
従って、第二固定部26が保護カバー7の第二固定部側壁面13に形成された変位防止突起22に当接する際、保護カバー7が、ソケット6とともに第一固定部25に係合され、変位防止突起22が第二固定部26の撓み変形量を制御することができる位置に固定される。
【0043】
第二固定部26は、断面略「L」字状に形成されており、可撓アーム26aと、一対の傾斜部26bと、開口係止部26cとによって構成されている。
可撓アーム26aは、第二固定部26が可撓性を備えることにより撓み変形が可能な部分として形成されている。可撓アーム26aは、可撓性を有し外部からの作用により撓み変形が可能となるよう形成されている。傾斜部26bは、可撓アーム26aの先端側に形成され、開口の周縁に摺接するように形成されている。開口係止部26cは、開口の周縁に係止可能に形成されている。
【0044】
尚、第二固定部側係止ガイド27は、第二固定部26と連続している。第二固定部側係止ガイド27は、一対の保護カバー側係止ガイド21との係止を可能とするため一対になって形成されている。
【0045】
次に、機能部2と意匠部3との嵌合について説明する。
先ず、一対の保護カバー側係止ガイド21を一対の第二固定部側係止ガイド27に係止する。そして、保護カバー側係止ガイド21を第二固定部側係止ガイド27に係止するのと同期して、一対のソケット側係止ガイド12bが一対の第一固定部側係止ガイド25bに係止され、且つソケット側係止突起12aと第一固定部側係止突起25aとを係止される。
以上により、機能部2と意匠部3との嵌合が完了し、
図6に示す如く、車両室内照明灯1が完成する。
【0046】
次に、車両室内照明灯1の開口への組み付けについて説明する。
車両室内照明灯1は、内装材の一面に設けられた開口に対して車両室内側から差し込む。車両室内照明灯1の開口への差し込みは、機能部2側から差し込む。車両室内照明灯1を開口に差し込むと、先ず、第一固定部25を開口に係合する。そして、車両室内照明灯1を開口に対して押し込むようにして第二固定部26
を開口に係合させる。
【0047】
第二固定部26の開口への係合は、先ず、車両室内照明灯1の開口に対する押し込みを開始すると傾斜部26bが開口の周縁に摺接され、第二固定部26に対して撓み変形させようとする作用が加わる。そして、可撓アーム26aが撓み変形することにより開口の周縁が傾斜部26bを乗り越えようとする。そして、車両室内照明灯1をそのまま押し込むと、開口の周縁が傾斜部26bを乗り越え、第二固定部26に対して撓み変形させようとする作用が解除される。そうすると、可撓アーム26aが撓み変形する前の形状に復帰し、開口係止部26cが開口の周縁に係止される。
以上により、第二固定部26は開口に係合され、開口への車両室内照明灯1の組み付けが完了する。
【0048】
次に、変位防止突起22による第二固定部26の撓み変形量の制御について説明する。
第二固定部26は、意匠部3を開口へ組み付ける際に、または、開口へ組み付けた後に、外部から何らかの荷重がかかると過大に撓み変形する。第二固定部26は、一定量以上の撓み変形量が加わり撓み変形すると、過大な撓み変形によって過大に撓み変形した状態のまま、元の形状に復帰することができなくなる。
そうすると、車両室内照明灯1を開口に組み付ける際、第二固定部26の開口に係止する保持力が低下し、車両室内照明灯1が車両室内側に脱落する。また、撓み変形量が大きすぎると、場合によっては第二固定部26が折損を生じてしまう。
【0049】
そこで、
図7に示す如く、保護カバー7の中心軸方向の第二固定部側壁面13に変位防止突起22を形成すると、
図7(c)に示す如く、第二固定部26は、一定量撓み変形すると変位防止突起22に当接し、それ以上変形しないよう撓み変形量が制御される。そして、第二固定部26に対する撓み変形させようとする作用が解除されると、
図7(b)に示す如く、元の形状に復帰する。
【0050】
このように、保護カバー7の第二固定部側壁面13に変位防止突起22を形成すると、第二固定部26に荷重がかかりすぎても、第二固定部26は、過大に撓み変形することなく、撓み変形前の形状に復帰できなくなることを防止することができる。
これは、第二固定部26に必要以上の荷重がかかっても、変位防止突起22に当接することにより、元の形状に復帰できなくなる撓み変形量にまで達しないように撓み変形量が制御されることによるものである。
【0051】
従って、第二固定部26に大きな荷重がかかっても、第二固定部26は、変位防止突起22、第二固定部26が変位防止突起22の接触部23に当接する際の撓み変形量を上回って過大に撓み変形することを防止することができる。このため、第二固定部26は、過大に撓み変形したまま元の形状に復帰できなくなることが防止される。
【0052】
保護カバー7は、外部からの衝撃による光源4の傷付き、割れ等の破損を防止する保護機能や、光源4から照射される光を外部に漏らさずに意匠部3の方向へ反射させるリフレクタ機能を有する。また、光源4に対する防塵、防滴等としての機能を有する。さらに、保護カバー7は、上記の如く、第二固定部側壁面13に変位防止突起22を形成することにより、第二固定部26の撓み変形量を制御する機能を有する。
【0053】
このように構成される本実施例によれば、外部からの作用により第二固定部26が一定量撓み変形したときに変位防止突起22に当接して第二固定部26の撓み変形が停止するので、第二固定部26の過大な撓み変形により、第二固定部26が元の形状に復帰できなくなることが防止され、第二固定部26を開口に係止する際の保持力の低下や、第二固定部26の折損を防止することができる。
【実施例2】
【0054】
図8には、本発明に係る車両室内照明灯の第2の実施例における保護カバーが示されている。
図8は、本発明に係る車両室内照明灯を構成する保護カバーの斜視図である。
【0055】
図8に示す如く、保護カバー40の中心軸方向の第二固定部側壁面41には、変位防止突起44が形成されている。変位防止突起44は、保護カバー40の中心軸方向に水平な薄板状に形成されている。変位防止突起44は、第二固定部側壁面41の幅方向両端から薄板状に突出している左側壁面42及び右側壁面43に連続する。
【0056】
変位防止突起44は、保護カバー40の中心軸方向の端面が接触部45として形成されている。接触部45は、第二固定部46が外部からの作用により撓み変形する際に、この第二固定部46と接触可能な部分として形成されている。
【0057】
本実施例における変位防止突起44は、第1の実施例における変位防止突起22と異なり、補強部材を設ける構成とはなっていない。
しかし、本実施例においては、変位防止突起44に対して略直角方向に左側壁面42及び右側壁面43が連続する構成となっているため、第二固定部46が撓み変形して接触部45に当接し変位防止突起44が押圧されても変位防止突起44が撓むことが防止される。
【0058】
これは、変位防止突起44に対して略直角方向に左側壁面42及び右側壁面43が形成されているため、変位防止突起44が下方から左側壁面42及び右側壁面43によって支えられるためである。
従って、このように構成される変位防止突起44によれば、第二固定部46に押圧されても撓むことなく、確実に第二固定部46の撓み変形量を制御することができる。また、変位防止突起44の肉厚を薄く形成しても、変位防止突起44が撓むことなく、第二固定部46の撓み変形量を制御することができる。
【0059】
保護カバー40の中心軸方向の第二固定部側壁面41に変位防止突起44を形成すると、第二固定部46が、一定量撓み変形したときに変位防止突起44の接触部45に当接して第二固定部46の撓み変形量が制御される。
従って、第二固定部46に過大な力が加わり撓み変形しても、撓み変形量が制御されることにより、第二固定部46が元の形状に復帰できなくなることが防止される。
【0060】
変位防止突起44の第二固定部側壁面41から保護カバー40の中心軸方向に突設する距離は、第二固定部46が変位防止突起44に当接する際に、第二固定部46に対する撓み変形させようとする作用が解除されると元の形状に復帰可能な撓み変形量となる距離を有していればよい。
【0061】
このように構成することで、第二固定部46は、一定量撓み変形したときに変位防止突起44に当接し第二固定部46の撓み変形量が制御される。このため、第二固定部46に過大な力が加わっても、第二固定部46は、過大に撓み変形しなくなる。
すなわち、第二固定部46が撓み変形しても、過大に変形することがなく、元の形状に復帰できなくなることを防止することができる。
従って、第二固定部46が撓み変形前の形状に復帰できなくなることが防止され、第二固定部46を開口に係止する際の保持力の低下や、第二固定部46の折損が生じるのを防止することができる。
【0062】
このように構成される本実施例によれば、第1の実施例と同様の効果を奏するものとなっている。
すなわち、外部からの作用により第二固定部46が一定量撓み変形したときに変位防止突起44に当接して第二固定部46の撓み変形が停止するので、第二固定部46の過大な撓み変形により、第二固定部46が元の形状に復元できなくなることが防止され、第二固定部46を開口に係止する際の保持力の低下や、第二固定部46の折損を防止することができる。
【実施例3】
【0063】
図9には、本発明に係る車両室内照明灯の第3の実施例における保護カバーが示されている。
図9は、本発明に係る車両室内照明灯を構成する保護カバー及び意匠部を示す図であり、(a)は保護カバーの拡大斜視図、(b)は意匠部の拡大斜視図である。
【0064】
保護カバー51の中心軸方向の第二固定部側壁面54には、
図9(a)に示す如く、変位防止突起55が複数(本実施例においては2個)形成されている。この複数の変位防止突起55は、後述する第二固定部58が外部からの作用により撓み変形する際の撓み変形量が一定量を超えないように制御する「撓み変形量制御部材」として形成されている。
【0065】
変位防止突起55を複数設けているのは、第二固定部58を複数(本実施例においては2個)備える意匠部50を用いる場合、この第二固定部58の数に対応するためである。
【0066】
複数の変位防止突起55は、本実施例においては、第二固定部側壁面54から2個並列に突設されており、保護カバー51の中心軸方向から見ると、変位防止突起55は、接触部材56と、一対の補強部材57とによって、略「コ」字状の形状に形成されている。
【0067】
接触部材56は、保護カバー51の中心軸方向に水平な薄板状の形状に形成されている。接触部材56は、外部からの作用により第二固定部58が撓み変形する際に、この第二固定部58と接触可能な部分として形成されている。
また、一対の補強部材57は、接触部材56の両端から接触部材56の下方に向かって接触部材56に対して略直角に形成されている。
【0068】
このように構成することで、変位防止突起55は、第二固定部58が撓み変形して接触部材56に当接することにより接触部材56が押圧されても接触部材56の下部において一対の補強部材57が形成されているため、接触部材56が撓むことが防止される。
【0069】
これは、一対の補強部材57が接触部材56に対して略直角方向に形成され、接触部材56が下方から補強部材57によって支えられるためである。
従って、略「コ」字状に形成された変位防止突起55によれば、第二固定部58に押圧されても接触部材56が撓むことなく、確実に第二固定部58の撓み変形量を制御することができる。また、接触部材56の肉厚を薄く形成しても接触部材56が撓むことなく第二固定部58の撓み変形量を制御することができる。
【0070】
保護カバー51の中心軸方向の第二固定部側壁面54に変位防止突起55を形成すると、第二固定部54が、一定量撓み変形したときに変位防止突起55の接触部材56に当接して第二固定部58の撓み変形量が制御される。
従って、第二固定部58に過大な力が加わり撓み変形しても、撓み変形量が制御されることにより、第二固定部58が元の形状に復帰できなくなることが防止される。
【0071】
変位防止突起55の第二固定部側壁面54から保護カバー51の中心軸方向に突設する距離は、変位防止突起55の接触部材56に当接する際、第二固定部54に対する撓み変形させようとする作用が解除されると元の形状に復帰可能な撓み変形量となる距離を有していればよい。
【0072】
このように構成することで、第二固定部58は、一定量撓み変形したときに変位防止突起55に当接し第二固定部58の撓み変形量が制御される。このため、第二固定部58に過大な力が加わっても、第二固定部58は、過大に撓み変形しなくなる。
すなわち、第二固定部58が撓み変形しても、過大に変形することがなく、元の形状に復帰できなくなることを防止することができる。
従って、第二固定部58が撓み変形前の形状に復帰できなくなることが防止され、第二固定部58を開口に係止する際の保持力の低下や、第二固定部58の折損が生じるのを防止することができる。
【0073】
このように構成される本実施例によれば、第1の実施例と同様の効果を奏するものとなっている。
すなわち、外部からの作用により第二固定部58が一定量撓み変形したときに変位防止突起55に当接して第二固定部58の撓み変形が停止するので、第二固定部58の過大な撓み変形により、第二固定部58が元の形状に復帰できなくなることが防止され、第二固定部58を開口に係止する際の保持力の低下や、第二固定部58の折損を防止することができる。
【0074】
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。