(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、衣服用の編物生地やレザーシート等のシート状生地をロール状に巻回した原反から引き出して延反する延反機が知られている(例えば、特許文献1)。このような延反機としては、例えば、
図8に示すように、ロール状の原反Zを支持した本体101の近傍に、一対のローラ102,102を設け、各ローラ102で原反Zから引き出されたシート状生地Z1を挟み込み、ローラ102を回転させることにより、シート状生地Z1を引き出すようにしたものや、或いは、
図9に示すように、延反機本体105の所定個所に、ロール状の原反Zから引き出されたシート状生地Z1の弛みを検出するセンサー106,106を設け、このセンサー106,106からの信号に基づいてロール状の原反Zの軸Z2をモータ(図示せず)などで駆動し、常に一定の状態で生地Z1がロール状の原反Zから引き出されるようにしたものが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の延反機においては、シート状生地に皴が残ったまま延反される場合があった。このように延反されたシート状生地に皴が残っていると、裁断装置等によって所望のパターンで裁断しようとした際に、裁断ミスとなり不良品を生じる。このような事態を回避するため、裁断装置を操作する者は、シート状生地の状態を常に確認し、皴が残っているような場合には、その皴を延ばす作業を行わねばならず、効率良く迅速に裁断することが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであって、効率良く皴取りを行いながらシート状生地を延反することができる延反機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、シート状生地を引き出して延反する延反機であって、
一対のローラ間で前記シート状生地を挟み込むと共に前記ローラを回転させることによって前記シート状生地を引き出す移送手段と、引き出される前記シート状生地を傾斜面上に摺接させながら上方側へと案内する傾斜板と、前記傾斜板上の前記シート状生地に向けてガスを噴射するガス噴射装置とを備え、
前記一対のローラを挟んだ両側に、前記シート状生地に向けてガスを噴射するガス噴射装置を更に備えるように構成される延反機により達成される。
【0007】
このような構成の延反機においては、シート状生地は、傾斜板上を垂れ下がった状態となっているため、傾斜板上において、下方側に引き延ばそうとする重力作用を受けることとなる。また、シート状生地は、傾斜板上を摺接しながら移動するため、傾斜板との間で、引き出し方向に沿う方向の摩擦抵抗を受けることとなる。これら重力の作用と摩擦抵抗の作用によって、シート状生地の幅方向に沿う向きに生じる波打ち状の皴や弛み皴等を引き延ばして除去することが可能となる。また、ガス噴射装置によってシート状生地に吹き付けられたガスは、シート状生地に衝突した後、該シート状生地の表面に沿って両側縁側(幅方向側)に流れることとなる。このガスの流れ(風圧)によって、シート状生地は両側縁側(幅方向側)に押し延ばされて、シート状生地の引き出し方向に沿う向きに生じる皴を除去することが可能となる。
また、一対のローラ間で前記シート状生地を挟み込むと共に前記ローラを回転させることによって前記シート状生地を引き出す移送手段を備えており、前記一対のローラを挟んだ両側に、前記シート状生地に向けてガスを噴射するガス噴射装置を更に備えるように構成されていることから、一対のローラによるシート状生地の挟み込みに起因する皴が、シート状生地に発生することを効果的に抑制することができる。
【0008】
この延反機において、前記傾斜面は、平滑面であることが好ましい。このように傾斜面を平滑面となるように構成することにより、ガス噴射装置から吹き付けられるガスの流れによって押し延ばされるシート状生地を、円滑に両側縁側(幅方向側)に移動させて押し延ばすことが可能となり、シート状生地の引き出し方向に沿う向きに生じる皴をより一層効率的に除去することが可能となる。
【0009】
また、シート状生地が、例えば、衣服用の編物生地のように、一方面側から他方面側に向けてガスが流通可能な生地であるような場合には、シート状生地に吹き付けられたガスの一部は、シート状生地を通過して、傾斜面とシート状生地との対向面間に進入し、シート状生地の両側縁側(幅方向側)に向けて流れることとなり、シート状生地の両側縁側(幅方向側)に向けて流れるガスの流れをシート状生地の両面側に形成されることとなる。傾斜面を平滑面となるように構成することにより、傾斜面とシート状生地との対向面間を流れるガスの流れを、渦などの乱れが少ない状態に形成することができるため、シート状生地を両側縁側(幅方向側)に迅速に且つ綺麗に押し延ばして、シート状生地の引き出し方向に沿う向きに生じる皴を除去することが可能となる。
【0010】
また、
前記傾斜板上の前記シート状生地に向けてガスを噴射する前記ガス噴射装置は、前記傾斜板の上端部近傍の前記シート状生地に向けてガスを噴射することが好ましい。ガス噴射装置によるガス噴射位置をこのように設定した場合、傾斜板上において下方側に引き延ばそうとする重力作用等を受けて皴の度合いが緩和されたシート状生地に対してガスを噴射できることとなり、噴射されるガス流量を少なく設定したとしても、皴を効率良く除去することが可能となる。
【0011】
また、
前記傾斜板上の前記シート状生地に向けてガスを噴射する前記ガス噴射装置は、前記傾斜板の上端部近傍の前記シート状生地に向けてガスを噴射することが好ましい。ガス噴射装置によるガス噴射位置をこのように設定した場合、傾斜板上において下方側に引き延ばそうとする重力作用等を受けて皴の度合いが緩和されたシート状生地に対してガスを噴射できることとなり、噴射されるガス流量を少なく設定したとしても、皴を効率良く除去することが可能となる。
【0012】
また、
前記傾斜板上の前記シート状生地に向けてガスを噴射する前記ガス噴射装置は、前記シート状生地の幅方向に沿って位置変更可能に構成されていることが好ましい。このようにガス噴射装置を、シート状生地の幅方向に沿ってスライド可能とすることにより、シート状生地に対するガス噴射位置を適宜変更することが可能となり、皴が多く発生している箇所に対して集中的にガスを吹き付けて、皴を効率良く除去することが可能となる。また、延反されるシート状生地が変更され、その幅寸法が異なるものとなった場合であっても、皴除去を効果的に行うことができる位置にガス噴射装置を設置することが可能となる。
【0013】
また、
前記傾斜板上の前記シート状生地に向けてガスを噴射する前記ガス噴射装置を複数備えており、一のガス噴射装置が、前記シート状生地の一方の側縁側に流れるガスの流れを形成すると共に、他のガス噴射装置が、前記シート状生地の他方の側縁側に流れるガスの流れを形成するように構成されることが好ましい。このようにガス噴射装置を複数備えることにより、シート状生地を両側縁側(幅方向側)に効率良く押し延ばすことが可能となり、皴除去を迅速に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、効率良く皴取りを行いながらシート状生地を延反することができる延反機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態にかかる延反機について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる延反機1の概略構成側面図であり、
図2は、
図1の矢視A方向から見た概略平面図である。また、
図3は、
図1の矢視B方向から見た延反機1を構成する傾斜板3の概略構成正面図である。本発明に係る延反機1は、例えば、シート状生地Z1をロール状の原反Zの状態から引き出して延反する装置であって、
図1から
図3に示すように、原反保持手段2と、傾斜板3と、ガス噴射装置4と、速度・張力調整装置5と、フィードロール装置6と、延反台7とを備えている。ここで、延反機1によって延反されるシート状生地Z1は、種々の生地を例示することができる。例えば、衣服用の編物生地や、レザーシート等を挙げることができる。
【0018】
原反保持手段2は、ロール状の原反Zをその軸心周りに回転自在に保持する機能を有する手段である。この原反保持手段2の構成としては、種々の構成を採用することができる。例えば、ロール状の原反Zが、軸部材の周りにシート状生地Z1が巻回されているような形態を有する場合には、
図1及び
図2に示すように、軸部材Z2の両端部を回転自在に支持する支持部21を備えるように構成することができる。また、中心に軸部材Z2を備えていないロール状の原反Zの場合には、例えば、複数のローラ部材を半円弧上に配し、この上にロール状の原反Zを載置するようにして、ロール状の原反Zが回転自在となるように、或いは、帯状の2本のベルトをV字状に配し、この上にロール状の原反Zを載置して、ロール状の原反Zが回転自在となるように構成することもできる。なお、本発明に係る延反機1は、シート状生地Z1をロール状の形態に構成したものの他、ロール状から解反されて所定幅で折り返されて重ねられた形態のものに対しても適用可能であり、このような形態のシート状生地Z1を延反する場合、例えば、所定幅で折り返されて重ねられたシート状生地Z1の原反を平置き可能な載置台により原反保持手段2を構成する。
【0019】
傾斜板3は、ロール状の原反Zから引き出されるシート状生地Z1をその傾斜面31上に摺接させながら上方側へと案内するプレート体である。この傾斜板3は、その幅方向が、ロール状の原反Zから引き出されるシート状生地Z1の幅方向と平行となるように設置されている。傾斜板3の幅寸法は、シート状生地Z1の幅寸法よりも大きくなるように形成されており、傾斜板3の傾斜面31は、滑らかな平滑面となるように形成されている。なお、傾斜板3は、傾斜角度θを適宜変更できるように構成してもよい。
【0020】
ガス噴射装置4は、傾斜板3上のシート状生地Z1に向けてガスを噴射する装置であり、先端からガスを噴射する噴射ノズル41を備えている。噴射ノズル41は、接続配管を介してガス供給装置(共に図示せず)に接続されている。このガス噴射装置4から噴射されたガスは、傾斜板3上のシート状生地Z1に衝突した後、シート状生地Z1の表面に沿って、シート状生地Z1の側縁側に向けて流れることとなる。ガス噴射装置4が噴射するガスとしては、例えば、圧縮空気や圧縮窒素ガス等を挙げることができる。また、ガス噴射装置4は、傾斜板3上を摺動するシート状生地Z1に対するガスの吹き出し角度を適宜変更できるように構成されている。
【0021】
本実施形態においては、
図2及び
図3に示すように、複数のガス噴射装置4(2つのガス噴射装置4)を設けるように構成しており、各ガス噴射装置4は、シート状生地Z1の幅方向に沿う方向に並べて、図示しない固定具に設置されて配置されている。一のガス噴射装置4は、シート状生地Z1に衝突したガスが、シート状生地Z1の一方の側縁側Z1aに流れるガス流を形成するように配置されている。他のガス噴射装置4は、シート状生地Z1に衝突したガスが、シート状生地Z1の他方の側縁側Z1bに流れるガス流を形成するように配置されている。具体的には、各ガス噴射装置4が有する噴射ノズル41の各先端を、傾斜板3上のシート状生地Z1に向けつつ、各噴射ノズル41の軸線を所定の方向に傾けるようにして配置している。
【0022】
また、各ガス噴射装置4は、
図3の矢印で示すように、シート状生地Z1に衝突したガスが、シート状生地Z1の進行方向(引き出し方向)とは逆向きに流れつつシート状生地Z1の側縁側Z1a,Z1bに向かって流れるように設置されている。また、傾斜板3の上端部3a近傍のシート状生地Z1に向けてガスを噴射するように各ガス噴射装置4は設置されている。
【0023】
速度・張力調整装置5は、傾斜板3とフィードロール装置6との間に配置されており、シート状生地Z1に対して一定の張力を加えるように制御するために設けられる装置である。具体的には、フィードロール装置6によって引き出されるシート状生地Z1の張力が一定になるように制御している。
【0024】
フィードロール装置6は、一対のローラ61,61でシート状生地Z1を挟み込み、ローラ61を回転させることによってシート状生地Z1を延反台7へと導くための移送手段であり、速度・張力調整装置5と延反台7との間に配置されている。
【0025】
延反台7は、引き出されたシート状生地Z1を広げた状態で載置するための台であり、本実施形態においては搬送コンベア71により構成している。この搬送コンベア71は、無端状の搬送面上に載置されるシート状生地Z1を一端部71a側から他端部71b側に搬送可能に構成されており、
図1に示すように、搬送コンベア71の一端部71a及び他端部71bを構成する一対のプーリ72,72と、当該一対のプーリ72,72に巻回される無端状の搬送ベルト73と、図示しない駆動部とを備えている。搬送ベルト73は、シート状生地Z1を広げた状態で載置可能な大きさに構成されている。駆動部はプーリ72,72を回転させる装置であり、このプーリ72,72の回転に伴って、無端状の搬送ベルト73が回転し、搬送ベルト73上(搬送面上)に載置されるシート状生地Z1を搬送コンベア71の一端部71a側から他端部71b側に搬送することが可能となる。また、フィードロール装置6によって引き出されて搬送ベルト73上に受け渡されるシート状生地Z1に皴が発生しないようにするために、フィードロール装置6の生地引き出し速度は、搬送ベルト73の回転速度と同期するように構成されている。
【0026】
このように構成された延反機1は、速度・張力調整装置5及びフィードロール装置6の作動によって、ロール状の原反Zからシート状生地Z1を引き出し、傾斜面31上を摺接させながら傾斜板3の上方側へと導くと共に、シート状生地Z1に対してガス噴射を施し、搬送コンベア71(延反台7)の搬送ベルト73上に導く。搬送ベルト上に導かれたシート状生地Z1は、搬送ベルトの回転に伴って、他端部71b側へと送られる。
【0027】
上記実施形態に係る延反機1は、引き出されるシート状生地Z1を傾斜面31上に摺接させながら上方側へと案内する傾斜板3を備えているため、引き出されたシート状生地Z1は、傾斜板3上を垂れ下がった状態となっており、傾斜板3上において、下方側に引き延ばそうとする重力を受けることとなる。また、シート状生地Z1は、傾斜板3上を摺接しながら移動するため、傾斜板3との間で、引き出し方向に沿う方向の摩擦抵抗を受けることとなる。これら重力の作用と摩擦抵抗の作用によって、シート状生地Z1の幅方向に沿う向きに生じる波打ち状の皴や弛み皴等を引き延ばして除去することが可能となる。
【0028】
また、傾斜板3上のシート状生地Z1に向けてガスを噴射するガス噴射装置4を備えているため、このガス噴射装置4によってシート状生地Z1に吹き付けられたガスは、シート状生地Z1に衝突した後、該シート状生地Z1の表面に沿って両側縁側に流れることとなる。このガスの流れ(風圧)によって、シート状生地Z1は両側縁側(幅方向側)に押し延ばされて、シート状生地Z1の引き出し方向に沿う向きに生じる皴を除去することが可能となる。
【0029】
また、本実施形態においては、
図3の矢印で示すように、シート状生地Z1に衝突したガスが、シート状生地Z1の進行方向(引き出し方向)とは逆向きに流れつつシート状生地Z1の側縁側Z1a,Z1bに向かって流れるように構成されている。つまり、シート状生地は、フィードロール装置6によって進行方向に引っ張られる力と、進行方向とは逆向きであり、かつ、シート状生地Z1の幅を広げようとするガスの流れ(風圧)による力とを受けることになる。この結果、シート状生地Z1は効果的に引っ張られて、皴がより確実に除去されることとなる。
【0030】
また、傾斜板3の傾斜面31は、平滑面となるように構成されているため、ガス噴射装置4から吹き付けられるガスの流れによって押し延ばされるシート状生地Z1を、円滑に両側縁側(幅方向側)に移動させて押し延ばすことが可能となり、シート状生地Z1の引き出し方向に沿う向きに生じる皴をより一層効率良く除去することが可能となる。特に、シート状生地Z1が、例えば、衣服用の編物生地のように、一方面側から他方面側に向けてガスが流通可能な生地であるような場合には、シート状生地Z1に吹き付けられたガスの一部は、シート状生地Z1を通過して、傾斜面31とシート状生地Z1との対向面間に進入し、シート状生地Z1の両側縁側(幅方向側)に向けて流れることとなり、シート状生地Z1の両側縁側(幅方向側)に向けて流れるガスの流れをシート状生地Z1の両面側に形成されることとなるが、傾斜面31を平滑面となるように構成することにより、傾斜面31とシート状生地Z1との対向面間を流れるガスの流れを、渦などの乱れが少ない流れに形成することができる。これにより、シート状生地Z1を両側縁側(幅方向側)に迅速に且つ綺麗に押し延ばして、シート状生地Z1の引き出し方向に沿う向きに生じる皴を除去することが可能となる。
【0031】
また、本実施形態においては、ガス噴射装置4は、傾斜板3上を摺動するシート状生地に対するガス噴射角度を変更可能に構成されているため、より効果的に皴除去を行うことができるガス噴射方向を選択することが可能となり、皴除去の効率化を図ることができる。
【0032】
また、本実施形態においては、傾斜板3の上端部近傍のシート状生地Z1に向けてガスを噴射するように各ガス噴射装置4を設置しているため、傾斜板3上において下方側に引き延ばそうとする重力作用等を受けて皴の度合いが緩和されたシート状生地Z1に対してガスを噴射できることとなり、噴射されるガス流量を少なく設定したとしても、皴を効率良く除去することが可能となる。
【0033】
また、本実施形態においては、ガス噴射装置4を複数備えるように延反機1を構成し、一のガス噴射装置4が、シート状生地Z1の一方の側縁側Z1aに流れるガスの流れを形成すると共に、他のガス噴射装置4が、前記シート状生地Z1の他方の側縁側Z1bに流れるガスの流れを形成するように構成している。このような構成を採用することにより、シート状生地Z1を両側縁側(幅方向側)に効率良く押し延ばすことが可能となり、皴除去を迅速に行うことが可能となる。
【0034】
以上、本発明に係る延反機1について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、ガス噴射装置4が、シート状生地Z1の幅方向に沿って位置変更可能に構成してもよい。具体的には、例えば、傾斜板3の上端部よりも上方の位置において、シート状生地Z1の幅方向に沿って伸びるレール部材を設け、当該レール部材に沿って摺動する固定具にガス噴射装置4を設置する。このようなレール部材にガス噴射装置4を設置することにより、ガス噴射装置4は、シート状生地Z1の幅方向に沿ったスライド移動が可能となり、シート状生地Z1に対するガス噴射位置を適宜変更することができる。この結果、皴が多く発生している箇所に対して集中的にガスを吹き付けて、皴を効率良く除去することが可能となる。また、延反されるシート状生地Z1が変更され、その幅寸法が異なるものとなった場合であっても、皴除去を効果的に行うことができる位置にガス噴射装置4を設置することが可能となる。
【0035】
また、上記実施形態においては、傾斜板3の上端部3a近傍のシート状生地Z1に向けてガスを噴射するように各ガス噴射装置4は設置されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、傾斜板3の下端部近傍のシート状生地Z1に向けてガスを噴射するようにガス噴射装置4を設置してもよく、或いは、傾斜板3の高さ方向中央部近傍のシート状生地Z1に向けてガスを噴射するようにガス噴射装置4を設置してもよい。
【0036】
また、上記実施形態においては、シート状生地Z1の幅方向に沿う方向に2つのガス噴射装置4を並べて配置するように構成しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、単一のガス噴射装置4を備えるように構成してもよく、或いは、3つ以上のガス噴射装置4をシート状生地Z1の幅方向に沿う方向に並べて構成してもよい。単一のガス噴射装置4を備える構成であっても、ガスの噴射方向を適宜設定することにより、シート状生地Z1に衝突させたガスが、シート状生地Z1の側縁側に流れるように設定することができるため、シート状生地Z1に生じている皴を押し延ばして除去することが可能となる。また、3つ以上のガス噴射装置4をシート状生地Z1の幅方向に沿う方向に並べて構成した場合、各ガス噴射装置4の設置間隔を適宜調節して、皴が多く発生しているシート状生地Z1の領域に多くのガス流を衝突させることが可能となり、効率良く皴を除去することが可能となる。
【0037】
また、例えば、
図4及び
図5に示すように、シート状生地Z1の幅方向に沿う方向に並べて配置される複数のガス噴射装置4を、複数組備えるようにして、各組を傾斜板3の高さ方向の異なる位置においてそれぞれ設置するように構成してもよい。
図4及び
図5においては、4つのガス噴射装置4を2つずつの2組に分け、各組を構成する一対のガス噴射装置4を、傾斜板3の高さ方向の異なる位置に設置している。なお、各組における一方のガス噴射装置4は、シート状生地Z1に衝突したガスが、シート状生地Z1の一方の側縁側Z1aに流れるガス流を形成するように設置されており、他のガス噴射装置4は、シート状生地Z1に衝突したガスが、シート状生地Z1の他方の側縁側Z1bに流れるガス流を形成するように設置されている。このような構成を採用した場合、シート状生地Z1の一方の側縁側Z1a(他方の側縁側Z1b)に流れるガス流を複数形成することが可能となり、複数のガス流間で挟まれるシート状生地Z1の領域を効果的に側縁方向に押し延ばすことができる。その結果、極めて効率良く且つ確実にシート状生地Z1に発生している皴を除去することが可能となる。
【0038】
また、
図6に示すように、フィードロール装置6を構成する一対のローラ61,61を挟んだ両側に、ガス噴射装置4a,4bを更に設け、ローラ61,61間を通過する前及び通過した後のシート状生地Z1に向けてガスを吹き付けて、シート状生地Z1を両側縁側(幅方向側)に押し延ばすようにしてもよい。このような構成を採用することにより、ローラ61,61によるシート状生地Z1の挟み込みに起因する皴が、シート状生地Z1に発生することを効果的に抑制することができる。なお、一対のローラ61,61の一方側に配設されるガス噴射装置4aの個数は、単数であっても複数であってもよい。同様に、一対のローラ61,61の他方側に配設されるガス噴射装置4bの個数についても、単数であっても複数であってもよい。
【0039】
また、上記実施形態において、
図7に示すように、傾斜板3と速度・張力調整装置5との間に、更にフィードロール装置を設けるように構成してもよい。以下、傾斜板3と速度・張力調整装置5との間に配置されるフィードロール装置を第2フィードロール装置8と称し、速度・張力調整装置5と延反台7との間に配置されるフィードロール装置6を第1フィードロール装置6と称して説明する。第2フィードロール装置8は、第1フィードロール装置6によって引き出されたシート状生地Z1を引き戻す機能を有するものであり、一対のローラ81,81でシート状生地Z1を挟み込み、ローラ81を回転させることによってシート状生地Z1を傾斜板3側に引き戻すように構成されている。各ローラ81,81は、シート状生地Z1を挟持する状態と、挟持しない状態とを変更可能に構成されており、第1フィードロール装置6によってシート状生地Z1が引き出されている際には、各ローラ81,81間に隙間を形成してシート状生地Z1を挟み込まないように構成されている。なお、第1フィードロール装置6における各ロール61,61も、シート状生地Z1を挟持する状態と、挟持しない状態とを変更可能に構成されており、第2フィードロール装置8によってシート状生地Z1が引き戻されている際には、各ローラ61,61間に隙間を形成してシート状生地Z1を挟み込まないように構成されている。
【0040】
このように構成された延反機1は、シート状生地Z1を延反台7側に引き出すと共に、傾斜板3側に引き戻すことができるため、延反機1の利便性を向上させることが可能となる。例えば、延反台7の搬送ベルト73上にシート状生地Z1を導いた後、シート状生地Z1の位置決めを行って複数種類の裁断パターンに応じて当該シート状生地Z1を裁断する場合、あるパターンでの裁断が終了した後、裁断済の生地を搬送ベルト73にて次工程へ搬送し、その後、次に裁断する生地Z1を所定の裁断位置へ生地を戻す場合があるが、このような場合であっても、一旦、搬送ベルト73上に引き出したシート状生地Z1を皴の無い状態で傾斜板3側に送った後、再度、シート状生地Z1を繰り出して再び位置決めを行うことが可能となり、延反機1の汎用性を高めることができる。
【0041】
上述のように第2フィードロール装置8を備えるような構成を採用する場合には、
図7に示すように、第2フィードロール装置8を構成する一対のローラ81,81を挟んだ両側に、ガス噴射装置4c,4dを更に設け、ローラ81,81間を通過する前及び通過した後のシート状生地Z1に向けてガスを吹き付けて、シート状生地Z1を両側縁側(幅方向側)に押し延ばすようにしてもよい。このような構成を採用することにより、ローラ81,81によるシート状生地Z1の挟み込みに起因する皴が、シート状生地Z1に発生することを効果的に抑制することができる。なお、一対のローラ81,81の一方側に配設されるガス噴射装置4cの個数は、単数であっても複数であってもよい。同様に、一対のローラ81,81の他方側に配設されるガス噴射装置4dの個数についても、単数であっても複数であってもよい。