(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
酸化亜鉛粒子又は酸化チタン粒子表面をシリカ及び/又はシリカ水和物により表面処理する工程(1)、得られたシリカ処理酸化亜鉛粒子又は酸化チタン粒子にバリウムイオンを含浸させる工程(2)、並びに、硫酸及び/又は水可溶性硫酸塩で中和し、硫酸バリウムを析出させる工程(3)からなる請求項1、2、3又は4記載の複合粉体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の複合粉体は、酸化亜鉛粒子又は酸化チタン粒子表面に、硫酸バリウム、並びに、シリカ及び/又はシリカ水和物からなる被覆層を形成してなるものである。シリカ及び/又はシリカ水和物により表面活性を抑制し、かつ、硫酸バリウムを併用することで良好な感触を付与することができる。感触の向上に硫酸バリウムという無機材料を使用しているために、有機物で感触改良を行なった他の複合粉体よりも熱安定性の高い複合粉体となっている。
【0018】
上記被覆層は、硫酸バリウム、並びに、シリカ及び/又はシリカ水和物からなる。ここで、上記被覆層の状態としては、硫酸バリウムはシリカ及び/又はシリカ水和物の表面又は細孔内に存在することが好ましい。感触改良効果に加え、より高く不活性化された複合粉体を得られることから、硫酸バリウムが細孔内に存在して細孔を埋めることによって不活性化も促進されると考えられる。
【0019】
このような硫酸バリウムの状態を図面を示して説明する。
図1は、実施例1で得られた複合粉体1の走査型電子顕微鏡写真である。
図2〜
図4は、それぞれZn、Si、及び、Baの波長分散型X線分析によるマッピングを示した画像である。
図4のBaマッピングデータより硫酸バリウムの単独粒子が存在しないことが分かる。
【0020】
次に、
図5は、実施例1で得られた複合粉体1の透過型電子顕微鏡写真である。
図6〜
図8は、それぞれZn、Si、及び、Baのエネルギー分散型X線分析によるマッピングを示した画像である。
図6のZnマッピングデータと
図7のSiマッピングデータより酸化亜鉛の外側をシリカが被覆していることが分かる。また、
図8のBaマッピングデータより硫酸バリウムが均一にシリカ処理された酸化亜鉛粒子上及び/又は粒子内部に存在することが分かる。
【0021】
上記シリカ被覆層は、公知の任意の方法によって形成されたものを使用することができる。また、シリカ表面処理酸化亜鉛粒子や酸化チタン粒子は、市販されており、これらの市販品を原料として使用したものであってもよい。
【0022】
上記硫酸バリウムの被覆層における形状としては特に限定されないが、粒子径が0.5〜20nm程度の粒子状であることが好ましい。このような形状の場合、硫酸バリウムの粒子径が小さいため、紫外線遮蔽効果に優れる微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化チタンをコア粒子とした場合にも好適に被覆することができる。
【0023】
上記複合粉体の被覆層において、シリカ及び/又はシリカ水和物の含有量は複合粉体の全重量を100重量%として2〜30重量%であることが好ましい。2重量%未満であると、シリカ自体が少ないことと含浸されるバリウムイオンが少なくなることから、不活性化や感触向上が不充分となるおそれがある。30重量%を超えると酸化亜鉛及び酸化チタンの含有量が減り紫外線遮蔽性が不十分となるため好ましくない。上記含有量は、4〜20重量%であることがより好ましい。
【0024】
上記複合粉体の被覆層において、硫酸バリウムの含有量は複合粉体の全重量を100重量%として2〜15重量%であることが好ましい。2重量%未満であると、感触向上効果が不充分となるおそれがある。15重量%を超えるとコアとなる酸化亜鉛及び酸化チタンの含有量が減り、紫外線遮蔽効果が低減してしまうおそれがある。上記含有量は、5〜10重量%であることがより好ましい。
【0025】
本発明で使用する酸化亜鉛粒子及び酸化チタン粒子の粒径には特に制限は無いが、紫外線遮蔽性を効果的に出すには10〜200nmの粒子サイズであることが好ましい。また、透明性とUV遮蔽性のバランスから15〜100nmであるとより好ましい。なお、この粒子径の測定方法は、電子顕微鏡でランダムに選択した200個の粒子の粒子径を測定し、その一次粒子径の平均を算出するという方法によって測定されたものである。
【0026】
酸化亜鉛粒子及び酸化チタン粒子の形状は特に限定されず、球状、棒状、針状、紡錘状、板状等の任意の形状のものを使用することができる。なお、棒状、針状、紡錘状粒子である場合の上記平均粒子径は短軸側の長さを、板状の場合は面の対角線長さの平均で規定する。
【0027】
上記酸化亜鉛粒子及び酸化チタン粒子は、例えばFeがドープされた酸化亜粒子鉛や酸化チタン粒子のような、マンガンやカルシウムや窒素などの異元素をドープされた酸化亜鉛粒子や酸化チタン粒子であっても良い。また、水酸化アルミニウムやシリコーンで被覆された酸化亜鉛粒子や酸化チタン粒子を用いても良い。
【0028】
上記複合粉体は、更に既知の方法で無機化合物や有機化合物による表面処理を施すことも可能である。例えば、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、シリカ、酸化セリウムなどの無機表面処理を行なうことができる。また、表面処理に用いることのできる有機表面処理剤の例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、(ジメチコン/メチコン)コポリマー、メチルフェニルシリコーン、アミノ変性シリコーン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコンといったシリコーンオイル、カプリリルシラン、デシルシラン、パーフルオロオクチルシランといったアルキルシラン、アルキルチタネート、アルキルアルミネート、ポリオレフィン、ポリエステル、ラウロイルリシンのようなアミノ酸、ポリアミド、及び、それらの塩、ステアリン酸アルミニウムやイソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛のような金属石鹸、並びに、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリル等の撥水性樹脂などが挙げられる。また、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤を使用することもできる。これらの有機化合物から選択される少なくとも1の化合物で表面処理を行なえば良い。追加で行なう無機表面処理と有機表面処理を組み合わせることも可能である。特に油や樹脂に複合粉体を馴染ませたい場合には有機表面処理を施すことは非常に有効である。
【0029】
上記複合粉体の製造方法としては特に限定されず、例えば、酸化亜鉛粒子又は酸化チタン粒子表面をシリカ及び/又はシリカ水和物により表面処理する工程(1)、得られたシリカ処理酸化亜鉛粒子又は酸化チタン粒子にバリウムイオンを含浸させる工程(2)、並びに、水可溶性硫酸塩で中和し、硫酸バリウムを析出させる工程(3)からなる製造方法をあげることができる。このような製造方法も本発明の一つである。
【0030】
上記シリカ及び/又はシリカ水和物により表面処理する工程(1)は特に限定されず、既知の方法を用いることができる。例えば、酸化亜鉛粒子又は酸化チタン粒子の水スラリーに珪酸ナトリウム水溶液を添加し、後に硫酸を添加して中和してシリカ及び/又はシリカの水和物を析出させる方法や、酸化亜鉛又は酸化チタンをアルコールや水、或いはアルコールと水の混合溶媒に分散させ、そこにテトラエトキシシランなどのアルコキシシランを添加し、酸や塩基、加熱などにより加水分解してシリカ及び/又はシリカの水和物を析出させる方法、シリコーン処理粉体を焼成してシリカを生成する方法などが挙げられる。酸化亜鉛粒子又は酸化チタンの粒子の不活性化を強めるために、できるだけ均一にシリカを被覆させることが重要である。
【0031】
上記工程(2)は、得られたシリカ処理酸化亜鉛粒子又は酸化チタン粒子にバリウムイオンを含浸させる工程である。上記シリカ処理酸化亜鉛粒子又はシリカ処理酸化チタン粒子を水に分散させ、そこに水溶性バリウム化合物を溶解させた水溶液を添加することによって、バリウムイオンをシリカ処理酸化亜鉛粒子又はシリカ処理酸化チタン粒子に含浸させることができる。含浸を促進させるために、系を加熱することが好ましい。
【0032】
上記の水溶性バリウム化合物は容易に水に溶けるものであれば特に限定されず、例えば、水酸化バリウム、硝酸バリウム、酢酸バリウム、シュウ酸バリウム、塩化バリウムなどを挙げることができる。いずれの塩でも硫酸と容易に反応して硫酸バリウムを生成するが、副生成物が水である水酸化バリウムを使用することが最も適している。
【0033】
上記水溶性バリウム化合物の添加量は、シリカ処理された酸化亜鉛粒子又はシリカ処理された酸化チタン粒子に対してBaSO
4換算で3〜30重量%であることが好ましく、最終的に得られる複合粉体100重量%に対して、2〜15重量%となるように調整することが好ましい。上記下限未満であると、感触改良効果が不充分となり、また上限を超えると含浸されないバリウムイオンが多く発生するために好ましくない。表面処理されたシリカ及びシリカ水和物の量にもよるが、過剰に水溶性バリウム塩を添加しても決まった一定の量までしか含浸しない。なお、過剰な水溶性バリウム塩は、後工程で洗浄をすることにより除去することが出来る。
【0034】
バリウムイオンの含浸が終わった後は、含浸していないバリウムイオンを除去する目的でろ過及び水洗工程を行なうことが好ましい。含浸していないバリウムイオンが存在すると単独の硫酸バリウムが生成し、用途においては好ましくない場合がある。ろ過及び水洗工程の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、フィルタープレス、オリバー型フィルター、遠心分離ろ過機などが効率の観点から好ましい。ここで得られた洗浄物は熱風などで乾燥してもよい。その際、乾燥に伴ってバリウムイオンが粒子内部から表面に析出してくるために注意が必要であるが、より少ないバリウムイオン量で粒子の表面被覆が可能になるというメリットもある。
【0035】
上記水洗工程または乾燥工程の後にリパルプし、再び水に分散させて硫酸及び/又は水可溶性硫酸塩で中和し、硫酸バリウムを析出させる工程(3)を行う。また、含浸していないバリウムイオンが存在しないか、または使用に影響を与えない程度の微量である場合はろ過・水洗工程を省略して、直接に硫酸中和工程に入ることもできる。
【0036】
中和する方法としては特に限定されず、バリウムイオンを含浸させた粒子の分散スラリーに硫酸及び/又は水可溶性硫酸塩水溶液を投入して中和する方法、硫酸及び/または水可溶性硫酸塩水溶液にバリウムイオンを含浸させた粒子の分散スラリーを投入して中和する方法、別々の容器に硫酸及び/又は水可溶性硫酸塩水溶液とバリウムイオンを含浸させた粒子の分散スラリーを用意し、それらを更に別の容器に同時に投入して中和する方法等を挙げることができる。
【0037】
上記の水可溶性硫酸塩は水に溶けやすい硫酸塩であれば何でもよい。例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、低級アミンの硫酸塩などが挙げられる。副生成物の除去の容易さの観点から、硫酸または硫酸アンモニウムの使用が好ましい。また、副生成物が水である硫酸がより好ましい。
【0038】
硫酸及び/又は水可溶性硫酸塩で中和した後のpHは、硫酸バリウムが析出するpH領域であれば特に限定されない。ただし、酸化亜鉛は酸に溶解しやすいためにpH5以上に留めることが好ましい。
【0039】
上記工程(3)の後に再び、ろ過・水洗工程を経て乾燥し、複合粉体を得ることができる。用途によっては、乾燥工程の後に粉砕工程を追加し、微粉砕してもよいし、乾燥工程を省いて湿式粉砕工程を追加して、複合粉体が分散した分散体としても良い。
【0040】
得られた複合粉体の平均粒子径は10〜250nmであることが好ましく、15〜100nmであることがより好ましい。10nmより小さい場合は紫外線遮蔽性が不十分になる恐れがあり、250nmより大きい場合は可視光透明性が不十分になる恐れがある。なお、上記平均粒子径は上述の酸化亜鉛粒子及び酸化チタン粒子と同様に測定することができる。
【0041】
また、得られた複合粉体の比表面積は10〜150m
2/gであることが好ましく、15〜110m
2/gであることがより好ましい。10m
2/gより小さい場合は紫外線遮蔽性、可視光透明性ともに不十分になる恐れがあり、150m
2/gより大きい場合は紫外線遮蔽性が不十分である恐れがある。
【0042】
本発明の複合粉体は、化粧料、インキ、塗料、樹脂組成物等に配合することもできる。また、本発明の複合粉体を水や油に分散して原材料として使用することも可能である。硫酸バリウムが粉体表面に存在するため粉体の荷電状態が変化することが予想され、分散溶媒や表面活性剤、分散剤によっては分散性が向上することが期待される。上記化粧料及びインキも本発明の一つである。
【0043】
上記化粧料としては特に限定されず、このような複合粉体に、必要に応じて化粧品原料を混合することによって、サンスクリーン剤等の紫外線防御用化粧料;ファンデーション等のベースメイク化粧料;口紅等のポイントメイク化粧料等を得ることができる。
【0044】
上記化粧料は、油性化粧料、水性化粧料、O/W型化粧料、W/O型化粧料の任意の形態とすることができる。なかでも、サンスクリーン剤において特に好適に使用することができる。また、感触の良さを活かして化粧下地に配合することも好適である。
【0045】
上記化粧料は、化粧品分野において使用することができる任意の水性成分、油性成分を併用するものであってもよい。上記水性成分及び油性成分としては特に限定されず、例えば、油剤、界面活性剤、保湿剤、高級アルコール、金属イオン封鎖剤、天然及び合成高分子、水溶性及び油溶性高分子、紫外線遮蔽剤、各種抽出液、有機染料等の色剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、各種粉体等の成分を含有するものであってもよい。
【0046】
上記油剤は特に限定はないが、例えば、天然動植物油脂(例えば、オリーブ油、ミンク油、ヒマシ油、パーム油、牛脂、月見草油、ヤシ油、ヒマシ油、カカオ油、マカデミアナッツ油等);蝋(例えば、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等);高級アルコール(例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール等);高級脂肪酸(例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸等;高級脂肪族炭化水素例えば、流動パラフィン、固形パラフィン、スクワラン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等);合成エステル油(例えば、ブチルステアレート、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテートイソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール);シリコーン誘導体(例えば、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のシリコーン油)などが例示できる。さらに、油溶性のビタミン、防腐剤、美白剤などを配合することもできる。
【0047】
上記界面活性剤としては、親油性非イオン界面活性剤、親水性非イオン界面活性剤等を挙げることができる。上記親油性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等を挙げることができる。
【0048】
親水性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)ソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPと略す)セチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等を挙げることができる。
【0049】
その他の界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン、高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体等のカチオン界面活性剤、及び、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤を安定性及び皮膚刺激性に問題のない範囲で配合してもよい。
【0050】
上記保湿剤としては特に限定されず、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物等を挙げることができる。
【0051】
上記高級アルコールとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等を挙げることができる。
【0052】
金属イオン封鎖剤としては特に限定されず、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸等を挙げることができる。
【0053】
上記天然の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子を挙げることができる。
【0054】
半合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等を挙げることができる。
【0055】
合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリグリセリン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等を挙げることができる。
【0056】
無機の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ベントナイト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等を挙げることができる。
【0057】
紫外線遮蔽剤としては特に限定されず、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、4−ビス(ポリエトキシ)PABAポリエトキシエチルエステル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等の安息香酸系紫外線遮蔽剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線遮蔽剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線遮蔽剤;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等のケイ皮酸系紫外線遮蔽剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線遮蔽剤;2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等を挙げることができる。
【0058】
その他薬剤成分としては特に限定されず、例えば、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;エストラジオール、エチニルエストラジオール等のホルモン;アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸;アラントイン、アズレン等の抗炎症剤、アルブチン等の美白剤、;タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル等の清涼剤やイオウ、塩化リゾチーム、塩化ピリドキシン等を挙げることができる。
【0059】
各種の抽出液としては特に限定されず、例えば、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグリマギクエキス、ハマメリスエキス、プラセンタエキス、胸腺抽出物、シルク抽出液、甘草エキス等を挙げることができる
【0060】
上記各種粉体としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、窒化ホウ素等の無機粉末やポリエチレン末、ポリアミド末、架橋ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、セルロースパウダー、シリコーン末等の有機粉末等を挙げることができる。好ましくは、官能特性向上、化粧持続性向上のため、粉末成分の一部又は全部をシリコーン類、フッ素化合物、金属石鹸、油剤、アシルグルタミン酸塩等の物質にて、公知の方法で疎水化処理して使用される。また、本発明に該当しない他の複合粉体を混合して使用するものであてもよい。
【0061】
本発明の複合粒子は、インキの配合成分とすることもできる。上記複合粉体は、優れた紫外線遮蔽効果と分散性を有するため、特に日焼け止めインキの配合成分として有用である。上記インキは、公知の成分を併用するものであってもよい。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛などの有色顔料、および、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料、さらに有機顔料として、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等の顔料成分;シェラック樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル−マレイン酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等のバインダー樹脂等のバインダー樹脂;水混和性有機溶剤等と併用して使用することができる。
【0062】
本発明の複合粒子を塗料組成物に配合する場合、塗料組成物中の樹脂は硬化性を有するものであっても、硬化性を有さないものであっても良い。また、上記塗料組成物は、有機溶媒を含有する溶剤系のものであっても、水中に樹脂が溶解又は分散した水系のものであっても良い。
【0063】
本発明の複合粒子を塗料組成物への添加成分として使用する場合は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の塗膜形成樹脂;着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等の各種顔料;硬化触媒、表面調整剤、消泡剤、顔料分散剤、可塑剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等と併用して使用することができる。
【0064】
本発明の複合粉体は、樹脂に混合して樹脂組成物として使用することもできる。この場合、使用する樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良く、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、液晶樹脂(LCP)、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂を挙げることができる。
【実施例】
【0065】
以下、本発明を実施例によってより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
シリカ被覆された酸化亜鉛(平均粒子径20nmの酸化亜鉛75wt%、シリカ25wt%の複合粉体)500gを純水4Lに分散させた。また、別の容器に水酸化バリウム60gを純水500mlに溶解した。次いで、酸化亜鉛の分散液に水酸化バリウム水溶液を添加し、液を80℃に加温した。その状態を2時間維持した後、室温まで冷却した。液をろ過し、ろ過ケーキを水洗した。この水洗ケーキを純水4Lに分散させ、硫酸を5ml/minで添加しながらpH7.5まで中和した。この液をろ過・水洗した後に乾燥して複合粉体1を得た。透過型電子顕微鏡で観察した平均粒子径は27nmであった。
【0066】
(実施例2)
シリカ被覆された酸化亜鉛(平均粒子径20nmの酸化亜鉛90wt%、シリカ10wt%の複合粉体)100gを純水1Lに分散させた。また、別の容器に水酸化バリウム12gを純水100mlに溶解した。次いで、酸化亜鉛の分散液に水酸化バリウム水溶液を添加し、液を80℃に加温した。その状態を2時間維持した後、室温まで冷却した。液をろ過し、ろ過ケーキを水洗した。この水洗ケーキを純水1Lに分散させ、硫酸を1ml/minで添加しながらpH8まで中和した。この液をろ過・水洗した後に乾燥して複合粉体2を得た。透過型電子顕微鏡で観察した平均粒子径は24nmであった。
【0067】
(実施例3)
シリカ被覆された酸化亜鉛(平均粒子径35nmの酸化亜鉛95wt%、シリカ5wt%の複合粉体)100gを純水1Lに分散させた。また、別の容器に水酸化バリウム12gを純水100mlに溶解した。次いで、酸化亜鉛の分散液に水酸化バリウム水溶液を添加し、液を80℃に加温した。その状態を2時間維持した後、室温まで冷却した。液をろ過し、ろ過ケーキを水洗した。この水洗ケーキを純水1Lに分散させ、硫酸を1ml/minで添加しながらpH7.5まで中和した。この液をろ過・水洗した後に乾燥して複合粉体3を得た。透過型電子顕微鏡で観察した平均粒子径は40nmであった。
【0068】
(実施例4)
シリカ被覆された酸化亜鉛(平均粒子径20nmの酸化亜鉛78wt%、シリカ22wt%の複合粉体)100gを純水1Lに分散させた。また、別の容器に水酸化バリウム3gを純水100mlに溶解した。次いで、酸化亜鉛の分散液に水酸化バリウム水溶液を添加し、液を80℃に加温した。その状態を2時間維持した後、室温まで冷却した。液をろ過し、ろ過ケーキを得た。このろ過ケーキを純水1Lに分散させ、硫酸を1ml/minで添加しながらpH7.5まで中和した。この液をろ過・水洗した後に乾燥して複合粉体4を得た。透過型電子顕微鏡で観察した平均粒子径は26nmであった。
【0069】
(実施例5)
シリカ被覆された酸化チタン(長軸100nm×短軸20nmの紡錘状酸化チタン80wt%、シリカ20wt%の複合粉体)100gを純水1Lに分散させた。また、別の容器に水酸化バリウム12gを純水100mlに溶解した。次いで、酸化チタンの分散液に水酸化バリウム水溶液を添加し、液を80℃に加温した。その状態を2時間維持した後、室温まで冷却した。液をろ過し、ろ過ケーキを水洗した。この水洗ケーキを純水1Lに分散させ、硫酸を1ml/minで添加しながらpH7まで中和した。この液をろ過・水洗した後に乾燥して複合粉体5を得た。透過型電子顕微鏡で観察した平均粒子径は23nmであった。
【0070】
(比較例1)
シリカ被覆されていない酸化亜鉛(平均粒子径20nmの酸化亜鉛)100gを純水1Lに分散させた。また、別の容器に水酸化バリウム12gを純水100mlに溶解した。次いで、酸化亜鉛の分散液に水酸化バリウム水溶液を添加し、液を80℃に加温した。その状態を2時間維持した後、室温まで冷却した。液をろ過し、ろ過ケーキを水洗した。この水洗ケーキを純水1Lに分散させ、硫酸を1ml/minで添加しながらpH8まで中和した。この液をろ過・水洗した後に乾燥し、比較粉体1を得た。
【0071】
シリカ被覆された酸化亜鉛(平均粒子径20nmの酸化亜鉛90wt%、シリカ10wt%の複合粉体)を比較粉体2、シリカ被覆された酸化チタン(長軸100nm×短軸20nmの紡錘状酸化チタン80wt%、シリカ20wt%の複合粉体)を比較粉体3とした。
【0072】
得られた粉体の比表面積と各粉体の組成を表1に示す。また、得られた粉体の感触と水に分散した時の感触を20名のパネラーによって評価した結果を表2に示す。この感触試験は粉体や分散液を肌に伸ばした時の感触(滑りの良さ)を、各パネラーで1悪い〜5良いの5段階で評価し、その平均値を記載したものである。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
表2の結果より、本発明の複合粉体は、単独で使用した場合も水分散体とした場合にも優れた感触を有するものであることが示された。
【0076】
複合粉体1(100g)にハイドロゲンジメチコン4gを添加し、ミキサーで良く混合した。その後、120℃で一晩加熱処理することによりシリコーン処理粉体を得た。このシリコーン処理粉体を用いて、表3に示す材料と部数をもって乳液を作製した。まず、油相の材料を混合後、ホモジナイザーで15分間撹拌、分散させた。その後、ホモジナイザーによる撹拌を続けたまま、あらかじめ混合していた水相の材料を添加し、15分間乳化撹拌させることにより乳液を得た。この乳液は硫酸バリウムで表面処理されていない酸化亜鉛を使用して調製された乳液よりも優れた感触を有していた。
【0077】
【表3】