(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両が走行する道路の位置情報と、前記道路の種別を示す道路種別情報とを走行情報として収集すると共に、前記車両のエネルギー消費率を収集する第1の情報収集手段と、
収集された前記走行情報と収集された前記エネルギー消費率とを対応付けて情報提供データベースに蓄積する蓄積手段と、
収集された最新の前記走行情報と同一のまたは類似する前記走行情報に対応する過去の前記エネルギー消費率を前記情報提供データベースから特定する特定手段と、
特定された過去の前記エネルギー消費率と収集された最新の前記エネルギー消費率との比較結果に基づいて最新の前記エネルギー消費率を評価する評価手段と、
前記エネルギー消費率の評価結果を通知する通知手段と、を備え、
当該通知手段は、最新の前記エネルギー消費率が、過去の前記エネルギー消費率よりも第1所定値以上悪いとき、及び最新の前記エネルギー消費率が過去の前記エネルギー消費率よりも第2所定値以上良いときに前記エネルギー消費率の評価結果を通知するものである
ことを特徴とする車両用情報提供装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態では、本発明に係る車両用情報提供装置がエンジンによる駆動力によって走行する車両に搭載された場合について説明する。
したがって、本実施の形態では、エネルギー消費率は、単位燃料の走行距離で規定される燃費(km/L)である。
また、本発明は、モータを駆動源とする電気自動車についても無論適用可能であり、その場合は、エネルギー消費率は、単位走行距離当たりの消費電力で規定される電力消費率(wh/km)である。
また、本発明は、エンジン及びモータの双方を駆動源とするハイブリッド車についても無論適用であり、その場合は、エネルギー消費率は、単位燃料の走行距離で規定される燃費(km/L)である。
なお、エネルギー消費率を表す具体的な指標は、燃費や電力消費率に限定されるものではなく、従来公知の様々な指標を用いることができる。
【0009】
図1は本発明の実施の形態に係る車両用情報提供装置10の構成を示すブロック図である。
車両用情報提供装置10は、車両2に搭載され、エンジンECU12、アクセルペダルセンサ14、ブレーキペダルセンサ16、シフトポジションセンサ18、車速センサ20、GPS受信部22、地図データベース24、情報提供データベース26、通信部28、表示部30、音声部32、情報提供ECU34を含んで構成されている。
【0010】
エンジンECU12は、不図示のエンジンの駆動制御を司るものである。
エンジンECU12は、燃料噴射量と、不図示の走行距離センサで検出される走行距離とに基づいて算出した燃費情報を情報提供ECU34に供給するものである。
【0011】
アクセルペダルセンサ14は、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度を検出し、その検出結果であるアクセル開度情報を情報提供ECU34に供給するものである。
ブレーキペダルセンサ16は、ブレーキペダルの操作量であるブレーキ操作量を検出し、その検出結果であるブレーキ操作量情報を情報提供ECU34に供給するものである。
シフトポジションセンサ18は、シフトレンジの位置を検出し、その検出結果であるシフト位置情報を情報提供ECU34に供給するものである。
車速センサ20は、車両2の走行速度を検出し、その検出結果である車速情報を情報提供ECU34に供給するものである。
本実施の形態では、アクセル開度情報、ブレーキ操作量情報、シフト位置情報、車速情報が燃費に影響を与える車両2の運転操作に関する操作情報を構成する。
【0012】
GPS受信部22は、複数のGPS衛星から送信される電波を受信することにより、車両2の位置を示す位置情報、すなわち、車両2が走行する道路の位置情報と、時刻情報とを検出し、位置情報および時刻情報を情報提供ECU34に供給するものである。
【0013】
地図データベース24は、地図データを格納するものであり、地図データは、地球上における位置情報と、この位置情報に対応付けられた道路の種別を表す道路種別情報とを含む。したがって、車両の位置情報に基づいて地図データベース24からその車両が走行中の道路の道路種別情報を特定することができる。
本実施の形態では、説明の簡素化を図るため、道路の種別が市街地道路、高速道路、山間道路(上り坂)、山間道路(下り坂)の4種類である場合について説明する。なお、道路の種別は、3種類以下であっても、あるいは、5種類以上であってもよい。
地図データベース24は、情報提供ECU34と別体に構成されたハードディスクや半導体メモリで構成されていても、あるいは、情報提供ECU34に含まれる記録媒体で構成されていてもよい。
【0014】
情報提供データベース26は、情報収集データテーブル26Aと、最新データテーブル26Bと、過去データテーブル26Cとを含んで構成され、これら3つのデータベースは、情報提供ECU34によって生成され更新される。
図2に示すように、情報収集データテーブル26Aは、情報提供ECU34が、走行中に収集した走行情報と、前記の燃費情報と、前記の操作情報とを対応付けて格納するものである。
1)GPS受信部22によって検出された車両2が走行する時刻を示す時刻情報
2)GPS受信部22によって検出された車両2の位置情報
3)前記の位置情報に基づいて地図データベース24から特定された車両2が走行する道路の道路種別情報
【0015】
最新データテーブル26Bおよび過去データテーブル26Cは、情報提供ECU34が、情報収集データテーブル26Aに格納されている情報を統計処理することで生成した情報によって生成、更新されるものである。
最新データテーブル26Bは、最新のデータを格納するものであり、過去データテーブル26Cは、過去のデータを累積して格納するものである。
【0016】
具体的に説明すると、
図3(A)〜(D)に示すように、最新データテーブル26Bおよび過去データテーブル26Cは、以下の情報を対応付けて格納する。
1)車両2が走行する時間帯を示す時間帯情報:
情報収集データテーブル26Aに格納されている時刻情報から以下の4つの時間帯の何れに該当するかを示す。
本実施の形態では、0〜6時(0時以降6時未満)、6〜12時(6時以降12時未満)、12〜18時(12時以降18時未満)、18〜24時(18時以降24時未満)の4つの時間帯としている。
なお、時間帯の実施形態は例示した形態に限定されるものではなく、より細かい時間帯としてもよい。
【0017】
2)車両2が走行する経路を示す経路情報:
経路情報は、いったん情報収集データテーブル26Aに格納されている車両の位置情報から地図データベース24に基づいて特定される情報であり、車両2が走行する経路を示す情報である。
図4に例示するように、車両2が地点Aと地点Dとを結ぶ経路を走行する場合、この経路を示す経路情報をA−Dとする。
本実施の形態では、経路情報は、特許請求の範囲における「車両が走行する道路の位置情報」に含まれる。
【0018】
3)経路を構成する区間を示す区間情報:
1つの経路は1以上の区間から構成されており、各区間は、道路種別が互いに異なっている。区間情報は、これら各区間を示す情報であり、いったん情報収集データテーブル26Aに格納されている車両の位置情報から地図データベース24に基づいて特定される。
図5に例示するように、経路A−Dは、区間A−B、区間B−C、区間C−Dで構成されている。
区間A−Bは、地点Aから地点Bを結ぶ道路である。
区間B−Cは、地点Bから地点Cを結ぶ道路である。
区間C−Dは、地点Cから地点Dを結ぶ道路である。
本実施の形態では、区間情報は、特許請求の範囲における「車両が走行する道路の位置情報」に含まれる。
【0019】
4)道路種別情報:
区間ごとの道路種別情報である。
区間A−Bは、市街地道路である。
区間B−Cは、高速道路である。
区間C−Dは、山間道路(例えば上り坂)である。
【0020】
5)平均燃費:
経路情報で特定される経路における燃費の平均値、区間情報で特定される各区間における燃費の平均値であり、情報収集データテーブル26Aに格納されている燃費情報から算出される。
【0021】
6)最良燃費:
経路情報で特定される経路における燃費の最良値、区間情報で特定される各区間における燃費の最良値であり、情報収集データテーブル26Aに格納されている燃費情報から算出される。
【0022】
7)平均操作情報:
経路情報で特定される経路における運転操作の回数の平均値、区間情報で特定される各区間における運転操作の回数の平均値であり、情報収集データテーブル26Aに格納されている操作情報から算出される。
本実施の形態では、運転操作の回数とは、アクセル開度情報から求められるアクセル操作回数、ブレーキ操作量情報から求められるブレーキ操作回数、シフト位置情報から求められるシフト操作回数、車速情報から求められる減速回数および加速回数である。
【0023】
図3(A)〜(D)から明らかなように、最新データテーブル26Bおよび過去データテーブル26Cは、同一の経路かつ同一時間帯毎に生成され、格納されるデータの種類は同一である。
ただし、最新データテーブル26Bは、最新のデータが格納され、過去データテーブル26Cは、過去のデータが累積されて格納される点が相違している。
また、最新データテーブル26Bは、車両2が走行する毎に情報提供ECU34によって新たに生成される。
最新データテーブル26Bと同一の経路かつ同一時間帯の過去データテーブル26Cが無ければ、最新データテーブル26Bは過去データテーブル26Cとされる。
最新データテーブル26Bと同一の経路かつ同一時間帯の過去データテーブル26Cが有れば、最新データテーブル26Bの情報が過去データテーブル26Cに蓄積され更新される。
【0024】
なお、情報提供データベース26は、情報提供ECU34と別体に構成されたハードディスクや半導体メモリで構成されていても、あるいは、情報提供ECU34に含まれる記録媒体で構成されていてもよい。
この場合は、外部との通信が不要となるため、動作速度を確保する上で有利となる。
あるいは、情報提供データベース26は、車両2の外部の管理センターなどに設置されていてもよく、この場合、情報提供データベース26は情報提供ECU34と通信部28を介して通信可能に構成される。
この場合は、車両用情報提供装置10に情報提供データベース26が不要となるため、車両用情報提供装置10の構成の簡素化を図る上で有利となる。
【0025】
通信部28は、情報提供データベース26が外部に設けられている場合に、情報提供データベース26と情報の授受を行うものであり、情報提供ECU34によって制御される。
したがって、情報提供データベース26が車両2に設けられている場合、通信部28を省略することができる。
【0026】
表示部30は、情報提供ECU34によって生成されたエネルギー消費率の評価結果を視認可能な形態で運転手に通知する通知手段として機能する。
表示部30は、ナビゲーション装置のディスプレイ、あるいは、インストルメントパネルに設けられた専用のディスプレイによって構成することができる。
【0027】
音声部32は、情報提供ECU34によって生成されたエネルギー消費率の評価結果を音声の形態で運転手に通知する通知手段として機能する。
音声部32は、ナビゲーション装置のスピーカー、あるいは、インストルメントパネルに設けられた専用のスピーカーによって構成することができる。
【0028】
情報提供ECU34は、エンジンECU12、アクセルペダルセンサ14、ブレーキペダルセンサ16、シフトポジションセンサ18、車速センサ20、GPS受信部22からの検出結果を受け付けると共に、通信部28、表示部30、音声部32の動作を制御する。
また、情報提供ECU34は、地図データベース24からの情報の読み出し、情報提供データベース26の更新を行う。
情報提供ECU34は、CPU、制御プログラム等を格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
そして、
図1に示すように、CPUが前記の制御プログラムを実行することにより、第1の情報収集手段34Aと、第2の情報収集手段34Bと、蓄積手段34Cと、特定手段34Dと、評価手段34Eと、通知手段34Fとして機能する。
【0029】
第1の情報収集手段34Aは、走行情報として、1)GPS受信部22から車両2が走行する時刻を示す時刻情報を収集し、2)GPS受信部22から車両2の位置情報を収集し、3)収集した位置情報から地図データベース24に基づいて車両2が走行する道路の位置情報(経路情報、区間情報)を収集し、4)収集した位置情報から地図データベース24に基づいて道路の種別を示す道路種別情報を収集すると共に、エンジンECU12から車両2の燃費情報を収集する。
【0030】
第2の情報収集手段34Bは、アクセルペダルセンサ14、ブレーキペダルセンサ16、シフトポジションセンサ18、車速センサ20から車両2の燃費に影響を与える車両2の運転操作に関する操作情報を収集する。
【0031】
蓄積手段34Cは、収集された走行情報と収集された燃費情報と収集された操作情報とを対応付けて情報提供データベース26に蓄積する。
具体的には、情報収集データテーブル26Aから読み出した走行情報(道路種別情報)、燃費情報、操作情報、および、第1の情報収集手段34Aで収集された走行情報(経路情報、区間情報)を統計処理することで生成された情報に基づいて最新データテーブル26Bおよび過去データテーブル26Cを作成、更新する。
【0032】
特定手段34Dは、第1の情報収集手段34Aによって収集され最新データテーブル26Bに格納された最新の走行情報と同一または類似した過去の走行情報に対応する燃費情報を過去データテーブル26Cから特定するものである。
また、特定手段34Dは、最新データテーブル26Bに格納された最新の走行情報と同一または類似した走行情報に対応する過去の操作情報として平均操作情報を過去データテーブル26Cから特定するものである。
【0033】
評価手段34Eは、特定された過去の燃費情報と収集された最新の燃費情報との比較結果に基づいて最新の燃費情報(燃費)を評価するものである。
また、評価手段34Eは、特定された過去の操作情報と収集された最新の操作情報との比較結果に基づいて最新の操作情報(運転操作)を評価するものである。
【0034】
通知手段34Fは、最新の燃費情報の評価結果と、最新の操作情報の評価結果とを表示部30あるいは音声部32を用いて運転者に通知するものである。
【0035】
次に、
図5のフローチャートを参照して車両用情報提供装置10の動作について説明する。
車両用情報提供装置10が起動された状態で車両2が走行すると、
図5の処理が開始される。
まず、情報提供ECU34は、走行情報(時刻情報、位置情報、道路種別情報)、操作情報(アクセル開度情報、ブレーキ操作量情報、シフト位置情報、車速情報)を収集し、
図2に示すように、情報収集テーブル26Aに蓄積(更新)する(ステップS10:第1の情報収集手段34A、第2の情報収集手段34B、蓄積手段34C)。
次に、情報提供ECU34は、情報収集テーブル26Aに蓄積された走行情報、操作情報、燃費情報を統計処理することで、
図3(A)〜(D)に示すように、最新データテーブル26Bを作成する(ステップS12、S14)。
【0036】
次いで、情報提供ECU34は、最新データテーブル26Bに対応する過去データテーブル26Cが有るかを判定する(ステップS16:特定手段34D)。
本実施の形態では、最新データテーブル26Bと過去データテーブル26Cとが対応するとは、最新データテーブル26Bと過去データテーブル26Cとにおける時間帯が一致し、かつ、経路(区画)が一致することをいう。
【0037】
ステップS16の判定結果が否定ならば、最新データテーブル26Bを過去データテーブル26Cとして作成し(ステップS18:蓄積手段34C)、処理を終了する。
ステップS16の判定結果が肯定ならば、最新データテーブル26Bにおける最新の燃費E1が過去データテーブル26Cにおける平均燃費E0よりも所定値ΔEa以上悪いかを判定する(ステップS20:評価手段34E)。ここで、最新の燃費E1が平均燃費E0よりも所定値ΔEa以上悪いとは、E1≦E0−ΔEaが成立することに相当する。
本実施の形態では、燃費の判定は、経路における燃費の比較判定、各区間における燃費の比較判定を含むものとする。
ステップS20の判定結果が肯定ならば、最新の燃費が過去の燃費に比較して所定値ΔEa以上悪化していることになるため、運転者に省エネルギー運転に対する意識付けを行う必要がある。
そこで、本実施の形態では、情報提供ECU34は、燃費の評価結果および運転操作の評価結果を表示部30および音声部32により運転者に通知する(ステップS22:通知手段34F)。
この通知は、経路全体の走行に対して行なってもよいし、各区間毎におこなってもよい。
例えば、燃費の評価結果として「地点A−地点Dの経路において(地点A−地点Bの市街地道路の区間において)、最新の燃費はXkm/Lです。過去の平均燃費よりも5km/L悪いです。」といったように、最新の燃費情報E1と、過去の平均燃費との差分とを通知することができる。
また、運転操作の評価結果として「地点A−地点Dの経路において(地点A−地点Bの市街地道路の区間において)、最新のブレーキ操作回数は(アクセル操作回数は)Y回です。過去の平均のブレーキ操作回数は(アクセル操作回数は)よりも2回多いです。」といったように、最新の操作情報と、過去の操作情報との差分とを通知することができる。
そして、最新データテーブル26Bの内容を過去データテーブル26Cの内容に蓄積して更新させる処理は実施せずに処理を終了する。
【0038】
なお、燃費の評価結果、運転操作の評価結果の通知形態は例示した形態に限定されるものではなく、様々な形態が考えられる。
例えば、燃費の評価結果として、最新の燃費情報E1と、過去の平均燃費とを列挙して通知してもよい。
あるいは、運転操作の評価結果として、ブレーキ操作回数やアクセル操作回数の他、時間あたりのブレーキ操作量やアクセル操作量、シフトチェンジの回数、車速変化の大きさが所定値を超えたといったことを通知してもよい。
要するに、燃費に影響を与える走行情報および操作情報について運転者に通知できればよく、通知する形態はどのようなものであってもかまわない。
【0039】
ステップS20の判定結果が否定であれば、最新データテーブル26Bにおける最新の燃費E1が過去データテーブル26Cにおける平均燃費E0よりも所定値ΔEb以上良いかを判定する(ステップS24:評価手段34E)。ここで、最新の燃費E1が平均燃費E0よりも所定値ΔEb以上良いとは、E1≧E0+ΔEbが成立することに相当する。ただし、ΔEbはΔEaと同一であっても異なっていても良い。
ステップS24の判定結果が肯定ならば、最新の燃費が過去の燃費に比較して所定値ΔEb以上向上していることになる。
そこで、本実施の形態では、より省エネルギー運転の意識向上を図るために情報提供ECU34は、燃費の評価結果および運転操作の評価結果を表示部30および音声部32により運転者に通知する(ステップS26:通知手段34F)。
この通知は、ステップS22と同様に、経路全体の走行に対して行なってもよいし、各区間毎におこなってもよい。
例えば、燃費の評価結果として「地点A−地点Dの経路において(地点A−地点Bの市街地道路の区間において)、最新の燃費はXkm/Lです。過去の平均燃費よりも5km/L良いです。」といったように、最新の燃費情報E1と、過去の平均燃費との差分とを通知することができる。
また、運転操作の評価結果として「地点A−地点Dの経路において(地点A−地点Bの市街地道路の区間において)、最新のブレーキ操作回数は(アクセル操作回数は)Y回です。過去の平均のブレーキ操作回数は(アクセル操作回数は)よりも2回少ないです。」といったように、最新の操作情報と、過去の操作情報との差分とを通知することができる。
なお、燃費の評価結果および運転操作の評価結果の通知形態は例示した形態に限定されるものではなく、様々な形態が考えられることはステップS22の場合と同様である。
【0040】
次いで、最新データテーブル26Bの内容を過去データテーブル26Cの内容に蓄積して更新させる処理を実施し(ステップS28:蓄積手段34C)、処理を終了する。
また、ステップS24の判定結果が否定であれば、ステップS26をスキップしてステップS28を実施して処理を終了する。
【0041】
図5において、過去データテーブル26Cの更新の有無について整理すると以下の通りである。
1)最新の燃費が過去の燃費に比較して所定値Ea以上悪化している場合は、最新データテーブル26Bの内容を過去データテーブル26Cの内容に蓄積して更新させる処理を非実施とする。
すなわち、最新の燃費E1の評価結果が著しく悪い場合には、最新データテーブル26Bの内容を過去データテーブル26Cの内容に蓄積して更新させる処理を非実施とすることで、過去データテーブル26Cの平均燃費E0がむやみに低下することを抑制し、燃費の評価基準を下げすぎないように図られている。
2)以下の場合には最新データテーブル26Bの内容を過去データテーブル26Cの内容に蓄積して更新させる。
2−1)最新の燃費が過去の燃費に比較して向上している場合
2−2)最新の燃費が過去の燃費に比較して所定値Eb未満の範囲で向上している場合
2−3)最新の燃費が過去の燃費に比較して所定値Ea未満の範囲で悪化している場合
すなわち、最新の燃費E1の評価結果が著しく悪くない場合には、最新データテーブル26Bの内容を過去データテーブル26Cの内容に蓄積して更新させる処理を実施することで、過去データテーブル26Cの平均燃費E0を適切な範囲で更新し、燃費の評価基準を適切な範囲で維持するように図られている。
【0042】
なお、本実施の形態では、平均燃費を用いて燃費の評価を行ったが、最良燃費を用いても、平均燃費および最良燃費の双方を用いてもよいことは無論である。
【0043】
また、本実施の形態では、ステップS16において、最新データテーブル26Bと過去データテーブル26Cとが対応するとは、最新データテーブル26Bと過去データテーブル26Cとにおける時間帯が一致し、かつ、経路(区画)が一致することとして説明した。
すなわち、最新データテーブル26Bに格納された最新の走行情報と同一の過去の走行情報に対応する燃費情報を過去データテーブル26Cから特定している。
しかしながら、経路(区画)が一致しなくても、時間帯が一致し、かつ、道路種別情報が一致したことをもって、最新データテーブル26Bと過去データテーブル26Cとが対応するものとしてもよい。
例えば、異なる地域にある市街地道路A、Bを考えた場合、走行速度や混雑度合いは市街地道路A、Bで同程度と考えられる。したがって、市街地道路Aで得た過去データテーブル26Cが存在していれば、市街地道路Bで得た最新データテーブル26Bと過去データテーブル26Cとに基づいて燃費情報および操作情報の評価を行うことが可能である。
このようにすると、収集された最新の走行情報と一致はしないが類似した走行情報に対応する過去の燃費情報および操作情報を情報提供データベースから特定することができるため、燃費および運転操作の評価結果を得やすくなり、車両用情報提供装置10の使い勝手の向上を図る上で有利となる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態によれば、車両2が走行する道路の位置情報と道路の種別を示す道路種別情報とを含む走行情報と車両2の燃費情報とを収集してデータベースに蓄積しておき、収集された最新の走行情報と同一または類似した走行情報に対応する過去の燃費を情報提供データベース26から特定し、過去の燃費と最新の燃費との比較結果に基づいて最新の燃費を評価してその評価結果を運転者に通知するようにした。
したがって、例えば、市街地道路、高速道路、山間道路といった道路種別に応じて適切にエネルギー消費率を評価した評価結果を提供することにより、省エネルギー運転の意識付けをより的確に行う上で有利となる。
【0045】
また、本実施の形態では、走行情報として車両2が走行する時刻を示す時刻情報を含むものとしたので、時間帯によって発生する渋滞状況を考慮したエネルギー消費率の評価と通知を行うことができるため、省エネルギー運転の意識付けをより的確に行う上でより一層有利となる。
【0046】
また、本実施の形態では、特定された過去の操作情報と収集された最新の操作情報との比較結果に基づいて最新の操作情報を評価しその評価結果を通知するようにしたので、省エネルギー運転に必要な操作の意識付けをより的確に行う上で有利となる。
【0047】
また、前述したように、本発明がモータを駆動源とする電気自動車に適用される場合は、エネルギー消費率は電力消費率(wh/km)となる。
この場合、情報提供ECU34は、モータおよびバッテリーの制御を司るECUから電力消費率の情報を受け取るようにすればよい。