(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るライトガイド用光源装置1の斜視図である。また
図2はライトガイド用光源装置1の構成を示す図であり、
図2(A)は正面図、
図2(B)は側面図、
図2(C)は背面図である。
図3はライトガイド用光源装置1の断面図である。
ライトガイド用光源装置1は、ライトガイドの一例たるバンドルファイバ9の光学特性の検査に用いられ、当該バンドルファイバ9に入射させる検査光を放射するものであり、
図1〜
図3に示すように、装置本体2と、把持部としての複数の取手3とを備えている。また装置本体2は、筐体4と、接続フランジ6と、面光源ユニット10とを備えている。なお、
図3には接続フランジ6を取り外した状態を示している。
【0011】
バンドルファイバ9は、多数本のファイバ(素線)を束ねてその両端に端末金具を取り付けて構成された光ファイバであり、素線のファイバよりも実効的なコア面積(コア径)が大きくなり、また開口数NAは素線の開口数NAによって規定される。なお、バンドルファイバ9に代えて1本の光ファイバをライトガイドとして用いても良いことは勿論である。
筐体4は、両端が開口した円筒状を成し、
図3に示すように、筐体4の一端側の開口が出射口5として構成され、この筐体4の中心軸と同軸に検査光が出射口5から出射される。筐体4の出射口5には、
図1に示すように、検査対象のバンドルファイバ9を接続するための接続具たる上記接続フランジ6がラッチ7により着脱自在に取り付けられる。筐体4の出射口5は、第2拡散板14で覆われており、接続フランジ6にバンドルファイバ9が接続されることで、バンドルファイバ9の入射端面が第2拡散板14に正対して(互いに平行に)配置される。このとき、第2拡散板14の大きさは、バンドルファイバ9の入射端面(より正確には、バンドルファイバ9の実効的なコア径)を覆う大きさになされている。
取手3のそれぞれは、
図1、及び
図2に示すように、筐体4の周面から外側に突出するように設けられ、少なくとも2つの取手3が筐体4の脚として機能し、転がりを防止する。
面光源ユニット10は、
図3に示すように、筐体4の後端部8に設けられ、この筐体4の中に中心軸Kに沿って進む面状の略平行光(以下、面状平行光と言う)を放射する。面状の平行光の光束断面は、筐体4の内径Rより若干小さな径の円形であり、検査対象のバンドルファイバ9の実効的なコア径よりも大きな径を有する。なお、面光源ユニット10の構成については、後に詳述する。
【0012】
装置本体2には、
図3に示すように、面光源ユニット10から出射口5の間に、第1拡散板12、及び第2拡散板14が順に配置されており、面光源ユニット10から放射された光が第1拡散板12、及び第2拡散板14を順に透過して出射口5から検査光として放射される。これら第1拡散板12、及び第2拡散板14は、比較的高い透過率を有する板状部材であり、互いに異なる拡散角αを有する。これら第1拡散板12、及び第2拡散板14には、拡散角αの範囲内に透過光を配光する、いわするレンズ拡散板(LSD:Light Shaping Diffusers)が好適に用いられている。
【0013】
第1拡散板12、及び第2拡散板14の拡散角αは、平行光を入射して得られた拡散光の中心輝度の半値となる位置を全角で表したものである。第1拡散板12の拡散角をα1とすると、この第1拡散板12を透過した光は、この拡散角α1で拡散する拡散光となる。また、第2拡散板14の拡散角をα2とすると、第1拡散板12を透過して得られた拡散光が第2拡散板14を透過することで、次式(1)の拡散角θで拡散する拡散光となる。したがって、第1拡散板12、及び第2拡散板14の拡散角α1、α2を適宜に変えることで、検査光の拡散角θが変えられる。
【0014】
ここで、光ファイバ9に入射した光が当該バンドルファイバ9の実効的なコア内を伝搬するには、バンドルファイバ9の開口数をNAとし、入射光の入射角をβとした場合に、入射角βの最大角度は次式(2)によって規定される。なお、入射角βは、入射光の配光特性の半値角2βの半角である。
【0015】
すなわち、このライトガイド用光源装置1では、検査光の拡散角θが上記入射角βに対応することから、バンドルファイバ9を伝搬する検査光を得るには、拡散角θが次式(3)の関係を満足する必要がある。
【0016】
したがって、(3)式を満足するように、(1)式に基づいて、第1拡散板12、及び第2拡散板14の拡散角α1、α2を選択することで、検査対象のバンドルファイバ9に適した検査光が得られる。
また、異なる開口数NAのバンドルファイバ9を検査する場合には、この開口数NAに応じた拡散角α1、α2を有する第1拡散板12、及び第2拡散板14に交換することで、他の開口数NAのバンドルファイバ9に適した検査光を簡単に得ることができる。
さらに、2枚の第1拡散板12、及び第2拡散板14を組み合わせて拡散角θの検査光を得る構成としているため、1枚の拡散板だけを用いた場合に比べ、拡散角θを簡単に細かく変更できる。
【0017】
さて、面光源ユニット10は、後に詳述するが、発光素子たる複数のLED20を面上に並べ、各LED20が光を放射することで面状の平行光を得るように構成して。このように光源にLED20を用いることで、所定の波長域の光だけを放射できるので、広い波長域の光を放射してしまうランプを光源に用いる場合に比べ、所定の波長域だけの光を得るための波長選択フィルタを設ける必要がない、というメリットがある。
また、複数のLED20によって平行光を得るため、この平行光の光束断面内には、各LED20の位置で照度が高くなる照度ムラが生じるものの、このライトガイド用光源装置1では、面光源ユニット10の光を第1拡散板12、及び第2拡散板14に透過させるため、これら第1拡散板12、及び第2拡散板14の拡散効果によって照度ムラを抑えた光が得られる。
【0018】
このとき、第1拡散板12から出射口5までの距離が長いほど、出射口5に至るまでに照度ムラが抑制される。そこで、本実施形態では、
図3に示すように、第1拡散板12を出射口5よりも面光源ユニット10の側に寄せて配置する(より正確には、面光源ユニット10の発光面の近傍に配置する)こととしている。これにより、複数のLED20の発光により平行光に生じた照度ムラを出射口5に至るまでに抑えられる。
ただし、第1拡散板12を面光源ユニット10の側に寄せると、平行光は第1拡散板12を透過後に拡散角α1で拡散するため、出射口5に至るまでの間に筐体4の内周面4Aに入射する光が生じ、光束断面の縁部の光量が低下する。そこで、本実施形態では、第2拡散板14を出射口5に配置することとし、光束断面の縁部で光量が低下した光が出射口5から放射される際に第2拡散板14で拡散させて放射することで、光束断面の縁部での光量低下による照度ムラを抑えた検査光が得られるようにしている。
【0019】
図4は、ライトガイド用光源装置1が放射する検査光の特性の一例を示す図であり、
図4(A)は光束断面の照度分布を示し、
図4(B)は配光特性を示す。なお、同図に示す検査光は、第1拡散板12の拡散角α1を5°、第2拡散板14の拡散角α2を10°として得られたものである。
図4(A)に示すように、光束断面内において縁部(同図中矢印Aで示す)の光量の低下が比較的抑えられることが分かる。また、
図4(B)に示すように、第1拡散板12、及び第2拡散板14により、上記(1)で求められる拡散角θ=約11°に近い拡散角(約13.5°)が検査光に与えられていることが分かる。
なお、同図に示す第1拡散板12、及び第2拡散板14の拡散角α1、α2は、あくまでも例示であって、上記(1)〜(3)式を満足する限りにおいて、適宜の組合せを選択できる。
さらに、第1拡散板12、及び第2拡散板14の2枚の拡散板に加えて、他の拡散板を設けても良く、これとは逆に、面光源ユニット10が放射する面状の平行光に照度ムラがない場合等には、拡散板を1枚のみとしても良い。
【0020】
次いで、面光源ユニット10について詳述する。
図5は面光源ユニット10の構成を示す図であり、
図5(A)は光の出射面側から見た斜視図、
図5(B)は背面側から見た斜視図である。
面光源ユニット10は、上述の通り、筐体4に面状の平行光を放射する光源であり、有底円筒状の筐体30備え、上端の開口31から平行光を放射する。すなわち、面光源ユニット10は、前掲
図3に示すように、発光素子の一例たる複数のLED20と、各LED20ごとに凹状反射面21が設けられた平面視円形の反射鏡22と、これらLED20が実装された基板24とを備え、
図5(A)に示すように、反射鏡22が筐体30の開口31に露出した状態で収められている。また、面光源ユニット10の背面には、電源スイッチ50、電源コネクタ51、及び調光ボリューム52が設けられている。
【0021】
図6は、
図5(A)において反射鏡22を取り外した状態を示す斜視図である。
同図に示すように、基板24は、筐体30よりも若干径が小さな平面視略円形状であり、基板24の表面に複数のLED20が略等間隔に基板24の中心から縁部にかけての広い範囲に配置されている。
また前掲
図5(A)に示すように、反射鏡22の各凹状反射面21は回転放物面を成し、凹状反射面21の底部にLED20が配置され、このLED20の放射光が凹状反射面21によって平行化され、光束断面が円形の平行光として放射される。
凹状反射面21の各々の光軸L(
図3)は、筐体4の中心軸Kと平行であり、なおかつ、
図5(A)に示すように、凹状反射面21の先端の開口が隣接するもの同士でオーバーラップさせて配置される。これにより、凹状反射面21の各々から放射された平行光同士の縁部が重なり合って、全体として大きな径の面状の平行光が得られる。
反射鏡22の縁部には、複数の固定孔25が設けられており、各固定孔25には上記第2拡散板14を支持した支柱17(
図3)が挿入固定されて、当該第2拡散板14が凹状反射面21の先端の開口の近傍に配置される。
【0022】
ところで、この面光源ユニット10にあっては、上述の通り、多数のLED20が基板24の面上に広く点在して配置されることから、当該基板24の広い範囲でLED20が発熱し、またLED20の数に比例して発熱量も多くなる。本実施形態の面光源ユニット10にあっては、これら全てのLED20、及び基板24を効率良く冷却可能になっており、この構成について、以下に詳述する。
【0023】
図7は面光源ユニット10の内蔵ユニット40を上側から見た分解斜視図、
図8は下側から見た分解斜視図である。また
図9は内蔵ユニット40を下側から見た斜視図である。なお、これらの図では、反射鏡22の図示を省略している。
これらの図に示すように、面光源ユニット10は、筐体30に内蔵される内蔵ユニット40として、上記基板24と、載置板41と、板材42と、風路形成体43と、吸出ファン44と、LED20を点灯するための電気回路基板45とを一体に備えて構成されている。
載置板41は、例えばアルミニウム等の高熱伝導性材から成る平面視円形の板材であり、その表面41Aの側に基板24が載置され、基板24の熱を受けるヒートシンクとして機能する。この載置板41は、筐体30の内径と略同径に形成されており、
図6に示すように、筐体30の内周面との間に隙間ができないように嵌め込まれる。これにより、載置板41で筐体30が仕切られて、載置板41の表面41Aの側と裏面41B(
図8)の側との間での空気の流通が遮断される。
【0024】
板材42は、載置板41の裏面41Bの側に離間して配置され平面視円形の板状の部材であり、載置板41と同様に、例えばアルミニウム等の高熱伝導性材から形成されている。板材42は、電気回路基板45の取付体として用いられており、当該板材42の裏面
の側に、3つの電気回路基板45が組み付けられている。
これらの電気回路基板45は、電源スイッチ回路を搭載したスイッチ基板、電源回路を搭載した電源基板、及び、調光ボリューム回路を搭載した調光回路基板を含む。電源スイッチ回路は、上記電源スイッチ50のオン/オフ操作に応じて電源回路に外部電力を供給/停止する回路である。電源回路は、上記電源コネクタ51を通じて入力される外部電力を電力変換してLED20の点灯電力を生成し各々LED20に供給する回路である。調光ボリューム回路は、電源回路がLED20に供給する電力を上記調光ボリューム52の操作量に応じて変えることでLED20の光出力を変化させる回路である。
これらの電気回路基板45は、例えばアルミニウム等の高熱伝性板材をL字状に折り曲げて形成した取付台座46に取り付けられて、各取付台座46が板材42の背面側に組み付け固定されている。
【0025】
風路形成体43は、載置板41と板材42の間の空間48(
図9参照)に、
図8に示すように、載置板41の裏面41Bの中央部60から外周部61に延びる多数の風路62を、当該中央部60の周りに形成するものである。具体的には、風路形成体43は、載置板41の中央部60から外周部61に延びる板状の複数の壁材63を備え、これらの壁材63を載置板41の裏面41Bに中央部60の周りに略等間隔に立設して、互いに中央部60で合流する上記風路62を形成している。各壁材63は、中央部60から弧を描いて外周部61に至るように平面視曲線形状を成し、壁材63を直線状にした場合に比べて、風路62の中央部60から外周部61に至る風路長が長くなっている。
【0026】
筐体30の外周面30Aには、
図6に示すように、風路形成体43の各風路62と筐体30の外部とを連結して空気を流通させる多数の通風孔65が設けられている。
また風路形成体43の各壁材63は板材42にも密着することで両者が熱的に結合される。この板材42の面内には、
図7に示すように、各風路62が合流する中央部60の直下に吸出口66が開口し、この吸出口66に吸出ファン44が取り付けられている。吸出ファン44は、吸気面44A(
図7)で吸出口66を覆い、
図5に示すように吐出面44Bを筐体30の背面に露出させて設けられている。
係る吸出ファン44が吸い出し動作をすることで、筐体30の通風孔65から各風路62に冷却風が取り込まれ、風路62を密封する載置板41、板材42、及び壁材63を冷却しながら中央部60に集合し、吸出口66から吸い出されて筐体30の背面から外部に放出される。
【0027】
これにより、載置板41が中央部60から外周部61に亘る全面が均等に冷却されるため、この載置板41に載置された基板24、及び多数のLED20の各々が効率良く、なおかつ均等に冷却される。
また載置板41とともに板材42も冷却されることから、この板材42に組み付けた各種の電気回路基板45も冷却できる。
【0028】
さらに、載置板41で筐体30が仕切られて、載置板41の表面41Aの側と裏面41Bの側との間での空気の流通が遮断されるため、吸出ファン44を作動させている間もLED20の実装面の側に空気が集まることがなく、LED20や基板24へのゴミや塵等の付着を抑制できる。
なお、基板24には、板材42に組み付けた電気回路基板45から延びる配線を接続する必要がある。このため、載置板41の縁部近傍であって基板24で覆われる位置に、
図9に示すように、配線通し用の複数の配線用開口67が形成され、これらの配線用開口67に対応して、基板24には配線引き込み用の孔部68(
図9)が形成されており、これら配線用開口67、及び孔部58を通じて配線が基板24の表面の回路パターンに接続される。各孔部58は配線によって隙間が埋められる大きさとされている。したがって、配線用開口64が載置板41の表面41Aの側で基板24によって閉塞されることから、配線用開口64、及び孔部58を通じて表面41Aと裏面41Bとの間で空気が流通することが抑制される。
【0029】
一方、板材42については、筐体30の内径よりも僅かに小さな径として、筐体30の内周面との間に若干の隙間を作り、この隙間を通じて板材42の裏面の側の空間に空気を流通させることで、当該板材42の裏面側の空間に、電気回路基板45の発熱により熱が籠もるのを防止できる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態によれば、面光源ユニット10が放射する面状の平行光に対し、バンドルファイバ9の開口数NAによって規定される入射角βの範囲内の拡散角θを第1拡散板12、及び第2拡散板14で与える構成とした。
この構成により、バンドルファイバ9の入射端面が広い場合でも、その広さに応じた面状の平行光を用いることで、バンドルファイバ9の入射端面の全体に光を照射することができる。これに加えて、バンドルファイバ9に効率良く入射する入射角β(拡散角θ)を有する光を、面状の平行光を第1拡散板12、及び第2拡散板14に通すだけで簡単に得られるため、装置の光学系が簡単であり、装置をコンパクトにできる。
【0031】
また本実施形態によれば、第1拡散板12を出射口5よりも面光源ユニット10の側に寄せて配置して、複数のLED20の発光により平行光に生じた照度ムラを出射口5に至るまでに抑える構成とした。
これにより、複数のLED20により光源を構成した場合でも、各光点による照度ムラを抑えた検査光が得られる。
さらにLED20を用いることで所定波長域の光のみを放射できるため、ランプを用いたる場合に比べて波長選択フィルタを設ける必要がない。
【0032】
また本実施形態によれば、第2拡散板14を出射口5に設けたため、筐体4の内周面4Aへの入射に起因して光束断面縁部で光量が低下し照度ムラが生じたとしても、出射口5から放射される際に第2拡散板14により拡散されるため、この照度ムラを抑えた検査光が得られる。
【0033】
また本実施形態によれば、風路形成体43によって載置板41の裏面41Bの側に設けられた複数の風路62によって、当該載置板41の中央部60から外周部61に至るまで全面的に冷却されるため、当該載置板41を通じて基板24、及びLED20を効率良く冷却できる。
【0034】
また本実施形態によれば、載置板41で筐体30の中を仕切り、載置板41の表面41Aの側と裏面41Bの側の間の空気の流通を遮断する構成としたため、吸出ファン44を作動させている間もLED20の実装面の側に空気が集まることがなく、LED20や基板24へのゴミや塵等の付着を抑制できる。
【0035】
また本実施形態によれば、LED20を点灯する各種の電気回路を実装した電気回路基板45を、高熱伝導性材から成る板材42に取り付けたため、これらの電気回路基板45も基板24やLED20と併せて冷却できる。
【0036】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0037】
例えば、上述した実施形態では、発光素子の一例としてLED20を例示したが、これに限らず、有機EL素子等の任意の発光素子を用いることができる。
【0038】
また、面光源ユニット10において、吸出ファン44を用いて風路62の各々から冷却風を吸い出して筐体30の背面から排気する構成を例示したが、これに限らず、筐体30の背面等から吸い込んだ冷却風を風路62が集合した中央部60に吹き込んで風路62の各々に冷却風を流す構成としても良い。
また面光源ユニット10が放射する光は、面状の平行光に限らない。すなわち、面光源ユニット10においては、必要となる照明光に応じて、基板24の上のLED20の数や配置、反射鏡22の有無、或いは当該反射鏡22による配光特性を任意に変更しても良い。
【0039】
また、面光源ユニット10は、ライトガイド用光源装置1等に組み込んで使用する態様に限らず、各種の照明用の光源として単体で用いることもできる。
面光源ユニット10を用いた照明器具の応用例としては、天井又は地中埋込型照明器具やスポット型照明器具が挙げられる。これらの照明器具について以下に詳述する。
【0040】
図10は、面光源ユニット10を用いて構成した天井埋込型照明器具100の模式図である。なお、この天井埋込型照明器具100は、以下に特に説明がない限り、面光源ユニット10が備える構成を有している。また
図10では、幾つかの部材を適宜に省略して示して図示し、上述の実施形態で既に説明されている部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
天井埋込型照明器具100は、建物の天井内に収納固定されて室内を照明する器具である。
図10に示すように、天井埋込型照明器具100は、面光源ユニット10と略同様の構成を有し、筐体130が吊りボルト182で天井内に吊り下げ固定され、この筐体130の出射口たる開口131が天井面180に設けた取付孔181から露出し、この開口131から各LED20の出射光が室内に照射される。天井埋込型照明器具100の配光は反射鏡22の凹状反射面21の形状を変えることで任意の配光とできる。
【0042】
この天井埋込型照明器具100では、筐体130の内蔵ユニット140が備える載置板(図示略)の構成が面光源ユニット10と大きく異なっており、この載置板は、筐体130の内周面との間に風路となる隙間170を形成する大きさに形成されている。これにより、吸出ファン44の吸出動作に伴って、室内に露出した開口131から外気が隙間170を通じて載置板の裏側に冷却風として取り込まれ、風路形成体43に導入され、基板24や電気回路基板45の冷却に供され、そして筐体130の背面に露出する吸出ファン44の吐出面44Bから排出される。
【0043】
図11は、面光源ユニット10を用いて構成したスポット型照明器具200の模式図である。なお、このスポット型照明器具200は、以下に特に説明がない限り、面光源ユニット10が備える構成を有している。また
図11では、幾つかの部材を適宜に省略して示して図示し、上述の実施形態で既に説明されている部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
スポット型照明器具200は、建物の天井や壁面等に取り付けられて室内をスポット照明する器具である。
図11に示すように、スポット型照明器具200は、スポット光源ユニット210と、支持具285とを備えている。
スポット光源ユニット210は、面光源ユニット10と略同様の構成を有する。ただし照射光の配光をスポット配光とすべく、反射鏡222の凹状反射面221はスポット配光に適した形状とされ、また筐体230の開口231は、フレネルレンズ271で覆われている。
支持具285は、スポット型照明器具200の設置箇所に設けられたライティングレールや配線ダクトレール等と称されるレール(不図示)に沿ってスライド自在に取り付けられて支柱287を介して上記スポット光源ユニット210を支持する。
このスポット型照明器具200のスポット光源ユニット210では、冷却風の向きが面光源ユニット10と大きく異なっている。すなわち、スポット光源ユニット210の内蔵ユニット240は、吸出ファン44に代えて吸込ファン244を備えている。これにより、吸込ファン244の吸込動作に伴って、筐体230の背面に露出する吸込ファン244の吸気面244Aから外気が冷却風として取り込まれて風路形成体43に吹き込まれ、基板24や電気回路基板45の冷却に供され、そして筐体230の外周面から排出される。