特許第5910175号(P5910175)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5910175
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】紫外線処理装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/32 20060101AFI20160414BHJP
   B01J 19/12 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   C02F1/32
   B01J19/12 C
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-47796(P2012-47796)
(22)【出願日】2012年3月5日
(65)【公開番号】特開2013-180275(P2013-180275A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2014年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮前 卓也
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 登
(72)【発明者】
【氏名】小暮 勝之
(72)【発明者】
【氏名】田久保 剛
(72)【発明者】
【氏名】小楠 法之
【審査官】 宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−082023(JP,A)
【文献】 特開2011−048968(JP,A)
【文献】 特開昭63−084871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/32
B01J 19/12
H01J 61/30−61/48
A61L 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線ランプを挿入した保護管を処理槽内に設け、この処理槽に被処理流体を流通させ、前記紫外線ランプが放射する紫外線を、前記保護管を介して被処理流体に照射して処理する紫外線処理装置において、
本体部の少なくとも一部が前記保護管内に間挿され、前記紫外線ランプの一部を押圧し、前記紫外線ランプの最冷部を前記保護管に接触させて保持するランプ保持具を備え
前記ランプ保持具は、前記紫外線ランプを周方向の回転を防止して保持する保持部を備えるとともに、前記紫外線ランプの周方向に回転することが防止されて固定されていることを特徴とする紫外線処理装置。
【請求項2】
前記ランプ保持具は、前記本体部の前記保護管内に間挿された部位に前記紫外線ランプの長手方向の移動を規制する規制部を備えたことを特徴とする請求項に記載の紫外線処理装置。
【請求項3】
前記紫外線ランプは、アマルガムが保持される凹部を備え、
前記紫外線ランプは、前記凹部が前記保護管に近接する位置で固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線ランプを備えた紫外線処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被処理流体が流れ込む筒状の処理槽に、該流体の流れ方向に沿って延びる管状の紫外線ランプを設置し、被処理流体中の微生物の殺滅、有機物の酸化分解、その他の有機物質の分解などを行う紫外線処理装置が知られている。浄水場で用いられている紫外線処理装置においては、紫外線ランプの破損時に破片が流れ出ないようにすべく、紫外線ランプはランプスリーブ(保護管)に挿入されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−21434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、紫外線ランプは、紫外線発光を最適化するためには、紫外線ランプの最冷部を所定温度範囲に維持する必要があるので、紫外線ランプの最冷部となる端部のホルダをランプスリーブの内壁に接触させて冷却することが望ましい。
しかしながら、上記従来の構成では、紫外線ランプは、縦置き配置したランプスリーブ内に配置されただけの状態で固定されていないため、紫外線ランプのホルダがランプスリーブの内壁に必ずしも接触しておらず、紫外線ランプの最冷部を所定温度範囲に維持できないおそれがある。紫外線ランプを横置きした紫外線処理装置においても、ホルダはランプスリーブの内壁と点あるいは線で接触するだけで、重力以外にホルダをランプスリーブに押し付ける力は作用していないため、ランプスリーブのわずかな歪みや、紫外線ランプの組み立て上の寸法公差、ホルダから延びるリード線に加わる力等によっては、ホルダとランプスリーブの内壁との接触を確保できないおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、紫外線ランプの最冷部を所定温度範囲に維持可能な紫外線処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、紫外線ランプを挿入した保護管を処理槽内に設け、この処理槽に被処理流体を流通させ、前記紫外線ランプが放射する紫外線を、前記保護管を介して被処理流体に照射して処理する紫外線処理装置において、本体部の少なくとも一部が前記保護管内に間挿され、前記紫外線ランプの一部を押圧し、前記紫外線ランプの最冷部を前記保護管に接触させて保持するランプ保持具を備え、前記ランプ保持具は、前記紫外線ランプを周方向の回転を防止して保持する保持部を備えるとともに、前記紫外線ランプの周方向に回転することが防止されて固定されていることを特徴とする。
【0006】
上記構成において、前記ランプ保持具は、前記本体部の前記保護管内に間挿された部位に前記紫外線ランプの長手方向の移動を規制する規制部を備えてもよい。
【0007】
上記構成において、前記紫外線ランプは、アマルガムが保持される凹部を備え、前記紫外線ランプは、前記凹部が前記保護管に近接する位置で固定されていてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、紫外線ランプの一部を押圧して紫外線ランプの最冷部を保護管に接触させて保持するランプ保持具を備えたため、紫外線ランプの最冷部の熱を保護管に伝達させて紫外線ランプの最冷部を冷却できるので、冷却紫外線ランプの最冷部を所定温度範囲に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る紫外線処理装置の縦断面を示す模式図である。
図2図1のII−II断面を示す図である。
図3図1の紫外線ランプ体を拡大して示す図である。
図4】ランプ保持具を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
図5】本発明の変形例に係るランプ保持具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明に係る紫外線処理装置の一態様として、浄水場に設けられ、浄水処理後の水を殺菌対象物として殺菌(消毒)を行い、耐塩素性病原微生物を不活化する紫外線処理装置を説明する。
図1は本実施の形態に係る紫外線処理装置の断面を示す模式図であり、図2図1のII−II断面を示す図であり、図3図1の紫外線ランプ体を拡大して示す図である。
これらの図に示すように、紫外線処理装置1は、筐体を構成する円筒状の処理槽2と、この処理槽2に内設された複数(本実施の形態では、3本)の棒状の紫外線ランプ体3とを有し、これら処理槽2及び紫外線ランプ体3が略水平に配置される横置き型の装置である。
【0011】
処理槽2は、例えばステンレス鋼から形成され、その両側方の開口がフランジ4,5により閉塞されている。処理槽2の側面2Aの一方側には、水を導入する導入ポート(入口)6が配設され、また、側面2Aの他方側には、殺菌処理した水を導出する導出ポート(出口)7が配設されている。導入ポート6からは、図示しないポンプによって、殺菌前の水が所定の流量(或いは流圧)を保ちながら処理槽2内に導入され、その流圧によって処理槽2内を他方側の導出ポート7に向かって移動する。そして、水は処理槽2内を移動中に上記紫外線ランプ体3による紫外線の照射を受けて殺菌され導出ポート7から外部に吐出される。
【0012】
紫外線ランプ体3のそれぞれは、直管状の紫外線ランプ8と、この紫外線ランプ8を装着する例えば石英ガラスから形成された紫外線透過性の円筒管としてのランプスリーブ9とを有している。
ランプスリーブ9のそれぞれは、処理槽2の中心軸Cと平行に延在し、両側方のフランジ4,5を貫通するように設けられ、その両端が開口している。ランプスリーブ9は、図3に示すように、例えばO−リング14等のシール部材を介してフランジ4,5を貫通しており、O−リング14をスリーブ固定具15によって固定することで、ランプスリーブ9とフランジ4,5との水密構造が構成されている。なお、図3では、フランジ5側のランプスリーブ9の端部を示しているが、フランジ4側のランプスリーブ9の端部についても同様の構成であるため図示を省略する。
【0013】
上記紫外線ランプ8は、例えば石英ガラスからなる発光管16と、発光管16の両端にそれぞれ設けられた電極を支持する封止部(図示省略)を掴持するホルダ17とを備えて構成される低圧水銀ランプである。発光管16の一方の端の前記封止部近傍の内壁には、ホルダ17に隠されて見えないが、アマルガムが保持される凹部18が形成されている。凹部18は、紫外線ランプ8の最冷部にできるだけ近接した位置に形成される。この紫外線ランプ8は、図1に示すように、ランプスリーブ9に装着した際に、導入ポート6から導出ポート7に亘って延在する程度の長さを有して構成されており、導入ポート6から導出ポート7に至る流路の全範囲にわたって紫外線が照射される。すなわち、紫外線ランプ8は略全体がランプスリーブ9の処理槽2内に位置する部分に収容されるため、紫外線ランプ8の両端部にあるホルダ17がランプスリーブ9の外部やランプスリーブ9の端部近傍に位置することはなく、ホルダ17がランプスリーブ9の端部より所定の長さ(例えば、数十センチメートル程度)だけ内側に位置しており、ホルダ17の電極に接続されるリード線19だけがランプスリーブ9の端部から引き出されている。リード線19は図示しない電源に接続されている。
【0014】
3本の上記紫外線ランプ体3は、図2に示すように、処理槽2の中心軸Cと同心円の円周に沿って等間隔に配置されており、中心軸Cからみて隣り合う2つの紫外線ランプ体3がなす角度θが各々120度(=360度/3)と等角度になっている。
また、紫外線ランプ体3は、3本に限らず、N(N≧2を満たす自然数)本の紫外線ランプ体3を処理槽2に内設する構成としても良い。但し、この構成においても、N本の紫外線ランプ体3のそれぞれは、処理槽2の中心軸Cと同心円の円周に沿って等間隔に配置され、中心軸Cからみて隣り合う2つの紫外線ランプ体3がなす角度が、各々360度/Nと等角度になされる。
【0015】
処理槽2には、各ランプスリーブ9の表面を清掃するクリーニングプレート11が内設されている。クリーニングプレート11には、ランプスリーブ9が嵌め込まれる環状のクリーニングブラシ12が設けられている。クリーニングプレート11は、モータ13の駆動によって処理槽2の一端から他端の間を定期的に往復移動可能に構成され、この移動によりクリーニングブラシ12でランプスリーブ9の表面に付着したスケール等の汚れが除去される。これにより、ランプスリーブ9の表面の汚れによって紫外線透過率が低下することがなく殺菌能力を維持できる。
【0016】
紫外線ランプ8は、紫外線発光を最適化するために、紫外線ランプ8の最冷部となるホルダ17を最適な所定温度範囲(例えば、40℃前後)に維持する必要がある。
そこで、本実施の形態では、紫外線ランプ8の一端側(本実施の形態では、導出ポート7側)に、ホルダ17をランプスリーブ9の内壁に接触させて保持するランプ保持具20を設けている。
【0017】
図3及び図4を参照し、ランプ保持具20について説明する。
図4は、ランプ保持具20を示す図であり、図4(A)は正面図、図4(B)は側面図である。
ランプ保持具20は、耐食性に優れた金属、あるいは、紫外線ランプ8が放射する例えば波長220nm以上(例えば、254nm)の紫外線に対して十分な耐性のある樹脂材料で形成されて紫外線ランプ8の軸方向(長手方向)の湾曲に対して適度な弾性力を有する本体部21を備えている。本実施の形態の本体部21は、金属製の薄板で形成されている。
【0018】
本体部21は、一端側の下面に紫外線ランプ8のホルダ17を保持する保持部24が設けられ、他端側がランプスリーブ9の端部から外部に延出するだけの十分な長さを有し、他端に、ランプスリーブ9の外部において処理槽2のフランジ5等に固定される固定部22を備えている。本実施の形態の固定部22は、本体部21を構成する金属製の薄板を折り曲げて形成しており、本体部21及び固定部22が正面視略L字状をなしている。固定部22には、ランプ保持具20をスリーブ固定具15にねじ止めするためのねじ貫通孔23が形成されている。
【0019】
保持部24は、紫外線ランプ8のホルダ17を挟み込んで保持する部材であり、本実施の形態では、例えば金属製の薄板を用いて、円柱状のホルダ17に外嵌する円筒状に形成されている。保持部24は、軸方向に亘って一部を切り欠いた側面視C字状に形成されており、保持部24の対向する端部24A,24Bは、保持部24の中心C2に対し所定角度φ(例えば、50°)を有するように形成されている。これにより、保持部24は、紫外線ランプ8のリード線19と絶縁不良を起こさない程度に十分な距離を保ちながら紫外線ランプ8を保持できる。
保持部24の軸方向奥側(固定部22側)には、ホルダ17の端面に当接して紫外線ランプ8の長手方向の移動を規制する規制部25が形成されている。また、本体部21には、長手方向中間部に、保持部24と反対側(上側)に突出する突起部26が設けられている。突起部26は、ランプ保持具20の固定部22を固定する際に本体部21が適切に湾曲する程度に突出している。
【0020】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
上記のように構成されたランプ保持具20の保持部24に、紫外線ランプ8のホルダ17を挿入すると、保持部24が略C字状であるため拡径し、ホルダ17が保持部24に内嵌する。このとき、紫外線ランプ8のホルダ17は、保持部24の弾性力により縮径方向に付勢されるので、ホルダ17は周方向にずれる(回転する)ことなく保持される。ランプ保持具20には、規制部25が形成されているため、ホルダ17が規制部25に当接するとそれ以上ランプ保持具20の奥側に入り込むのを防止される。
【0021】
ランプ保持具20が取り付けられた紫外線ランプ8を、フランジ4,5に固定されたランプスリーブ9に挿入し、紫外線ランプ8がランプスリーブ9に完全に挿入された後はランプ保持具20自体を押して、ランプ保持具20をスリーブ固定具15にねじ27によって固定する。ランプ保持具20は紫外線ランプ8の長手方向の移動を規制する規制部25を備えているため、紫外線ランプ8の長手方向の位置を設計上の最適位置に容易に決めることが可能となる。また、規制部25をランプ保持具20に設けたため、規制部25をランプ保持具20とは別に設ける場合に比べ、部品点数を少なくできる。
【0022】
また、ランプ保持具20のねじ貫通孔23から本体部21の折り曲げ部28までの長さL1は、ねじ貫通孔23からランプスリーブ9に配置したホルダ17までの長さL2より短く設定されるとともに、本体部21の中間部に突起部26が設けられているため、本体部21が突起部26を支点として湾曲する。本体部21の一端側の保持部24には、梃子の原理により、紫外線ランプ8のホルダ17を下方に押す力が生じる。これにより、紫外線ランプ8の最冷部となるホルダ17がランプスリーブ9の内壁に確実に接触するので、ホルダ17を、処理槽2内を流通する処理流体によって冷却できる。なお、突起部26の大きさと位置及び本体部21のしなりの強さを適切に選定することにより、紫外線ランプ8やランプスリーブ9に無理な力をかけることなく、紫外線ランプ8のホルダ17をランプスリーブ9の内壁に適切に押し付けることが可能となる。
【0023】
また、紫外線ランプ8は保持部24に弾性力によって挟まれているため、処理槽2を通過する被処理流体の乱流や、被処理流体を処理槽2に送水するポンプ等が発する振動を受けても、リード線19のねじれなどで紫外線ランプ8に軸中心に回転する力が加わった場合にも、紫外線ランプ8が軸中心に回転することが防止される。
また、ランプ保持具20がホルダ17を挟む力を適切に設定することにより、ランプ保持具20を引き抜いても、紫外線ランプ8がランプ保持具20から外れることがない。したがって、紫外線ランプ8の交換等の際には、ランプ保持具20を引き抜くことで紫外線ランプ8をランプスリーブ9から容易に引き抜くことが可能となる。
【0024】
アマルガムを使用した紫外線ランプ8は、水銀を単体で封入した紫外線ランプと比べ、紫外線ランプ8の周囲温度が高い場合や、ランプスリーブ9の温度が高い場合でも最適な照度が維持されるという特徴を有するが、紫外線の出力を長期間安定して維持するためには、アマルガムを温度変化が最小で比較的低温の位置に配置して保持するのが望ましい。そのような最適位置は、本実施の形態では、ホルダ17のランプスリーブ9との接触部分である。したがって、ランプ保持具20を紫外線ランプ8に取り付ける際に、凹部18が端部24A,24Bの略中間に位置するように、ホルダ17を保持部24に挿入することで、紫外線ランプ8は、アマルガムが保持される凹部18がランプスリーブ9に近接するように固定され、しかも上述したように軸中心に回転もしないため、凹部18が効果的に冷却され、紫外線の出力低下を抑えることができる。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態によれば、本体部21の少なくとも一部がランプスリーブ9内に間挿され、紫外線ランプ8の一部を押圧し、紫外線ランプ8の最冷部となるホルダ17をランプスリーブ9に接触させて保持するランプ保持具20を備えたため、紫外線ランプ8のホルダ17の熱をランプスリーブ9に伝達させて紫外線ランプ8のホルダ17を冷却できるので、紫外線ランプ8のホルダ17を所定温度範囲に維持できる。
【0026】
また、本実施の形態によれば、ランプ保持具20は、本体部21のランプスリーブ9内に間挿された部位に紫外線ランプ8の軸を中心とした回転を防止する保持部24を備えたため、特に、アマルガムを用いた紫外線ランプ8において、アマルガムを保持する凹部18を効果的に冷却でき、紫外線の出力低下を防止できる。
【0027】
また、本実施の形態によれば、ランプ保持具20は、本体部21のランプスリーブ9内に間挿された部位に紫外線ランプ8の長手方向の移動を規制する規制部25を備えたため、紫外線ランプ8の長手方向の位置を処理槽2内における紫外線照射が最適となる位置に容易に決めすることができる。
【0028】
但し、上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、本体部21の湾曲による弾性力によりホルダ17をランプスリーブ9に押し付けていたが、ホルダ17をランプスリーブ9に押し付ける手段はこれに限定されるものではない。例えば、本体部21の長さが長い等、本体部21の湾曲による弾性力だけでは十分な押し付け力が得られない場合には、図5に示す変形例に係る紫外線処理装置100のランプ保持具120のように、保持部24の上部に板ばね状のばね部材101を設け、ばね部材101のばね力でホルダ17を直接ランプスリーブ9の内壁下部に押し付けるようにしてもよい。なお、図5では、図3と同一部分には同一符号を付して示し、その説明を省略する。
【0029】
また、上記実施の形態では、紫外線ランプ8の一端側(導出ポート7側)にランプ保持具20を設けたが、紫外線ランプ8の他端側(導入ポート6側)に設けてもよいし、紫外線ランプ8の両端にランプ保持具20を設けてもよい。
また、上記実施の形態では、ランプスリーブ9は両側方のフランジ4,5を貫通するように設けられ、その両端が開口するように構成されていたが、この構成に限定されるものではなく、例えば、ランプスリーブ9を片側のフランジ4又は5のみ貫通するように構成してもよい。この場合、例えば、ランプスリーブ9のフランジ4又は5に貫通していない側の端部を丸く閉じるとともに、この閉じた端部を他方側のフランジ5又は4に設けたカップ状の受け具によって支持すればよい。
また、上記実施の形態では、本発明を紫外線ランプ8が略水平に配置される横置き型の紫外線処理装置1に適用したが、これに限定されるものではなく、例えば、紫外線ランプ8が略鉛直に配置される縦置き型の紫外線処理装置や、紫外線ランプ8が傾斜して配置される紫外線処理装置に本発明を適用してもよい。
【0030】
また、上記実施の形態では、紫外線ランプ体3は、中心軸Cの周りに等間隔に3本設けられていたが、本発明はこれに限定される訳ではなく、紫外線処理条件に応じて、紫外線ランプ体3の本数や配置・間隔を適宜選定することができる。
【0031】
また、上記実施の形態では、紫外線殺菌装置の一例として殺菌対象物が水である流水殺菌装置を例示したが、これに限らず、処理槽に紫外線ランプを内設し、殺菌対象物をこの処理槽内で移動させて紫外線殺菌装置であれば、任意の装置に本発明を適用することが可能である。また、殺菌対象物は、流体全般に適用することが可能であり、水などの液体、空気などの気体を例示することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 紫外線処理装置
2 処理槽
8 紫外線ランプ
9 ランプスリーブ(保護管)
17 ホルダ(最冷部)
20 ランプ保持具
21 本体部
24 保持部
25 規制部
図1
図2
図3
図4
図5