(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記保持時間を米が収穫されたときから経過した時間に応じて設定するものであり、経過した時間は前記季節入力スイッチにより入力されて設定された季節情報に基づき設定され、
前記保持時間は、前記季節入力スイッチによる季節の入力が「春」「夏」「秋」「冬」の場合、「秋」より「冬」、「冬」より「春」、「春」より「夏」の方が長い時間となり、また、前記季節入力スイッチによる季節の入力が「秋冬」「春夏」の場合、「秋冬」より「春夏」の方が長い時間となることを特徴とする請求項3に記載の炊飯器。
前記制御手段は、前記維持温度を米が収穫されたときから経過した時間に応じて設定するものであり、経過した時間は前記季節入力スイッチにより入力されて設定された季節情報に基づき設定され、
前記維持温度は、前記季節入力スイッチによる季節の入力が「春」「夏」「秋」「冬」の場合、「秋」より「冬」、「冬」より「春」、「春」より「夏」の方が高い温度となり、また、前記季節入力スイッチによる季節の入力が「秋冬」「春夏」の場合、「秋冬」より「春夏」の方が高い温度となることを特徴とする請求項5に記載の炊飯器。
前記制御手段は、前記保持時間を米が収穫されたときから経過した時間に応じて設定するものであり、経過した時間は前記季節入力スイッチにより入力されて設定された季節情報に基づき設定され、
前記保持時間は、前記季節入力スイッチによる季節の入力が「春」「夏」「秋」「冬」の場合、「秋」より「冬」、「冬」より「春」、「春」より「夏」の方が長い時間となり、また、前記季節入力スイッチによる季節の入力が「秋冬」「春夏」の場合、「秋冬」より「春夏」の方が長い時間となることを特徴とする請求項7に記載の炊飯器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1〜
図2を参照して、炊飯器100の構造について説明する。
炊飯器100は、本体1と、この本体上部をヒンジ部6により支持されて開閉する外蓋10aと内蓋10bからなる蓋体10と、本体内部に設けられる容器カバー2と、米や水などの調理物を保持する釜5と、この釜5を加熱する加熱手段である誘導加熱コイル3と、釜5の側面を加熱する側面加熱手段28と、内蓋10bを加熱する蓋ヒーター29と、釜底温度センサー4と、制御手段8を備えている。
尚、加熱手段として、誘導加熱コイル3に代えてシーズヒーターを設けてもよい。
【0010】
容器カバー2は、上方に開口する凹形状である有底筒状に形成され、その内部に釜5が着脱自在に収容される。容器カバー2の底部中央には、釜底温度センサー4が挿入される孔部2aが形成されている。この釜底温度センサー4は、例えば、サーミスタが用いられる。
【0011】
外蓋10aは、上面に操作/表示部13が設けられているとともに、内蓋10bまで連通するカートリッジ12が着脱自在に取り付けられている。このカートリッジ12には、炊飯中に発生する蒸気圧に応じて上下動する弁を備えた蒸気取入口12aと、蒸気取入口12aの弁を通過した蒸気を外部へ排出する蒸気排出口12bとが設けられている。
また、外蓋10aの下面には、釜5内の温度を検知する例えばサーミスタからなる内部温度センサー14が取り付けられている。
【0012】
内蓋10bは、外蓋10aの本体1側の面に係止材11を介して取り付けられている。内蓋10bの周縁部には、釜5の上端部外周に形成されたフランジ部5aとの密閉性を確保するためのシール材の蓋パッキン9が取り付けられている。
また、内蓋10bには、内部温度センサー14が釜5の内部に直接向くように、開口が形成されている。
【0013】
制御手段8は、釜底温度センサー4、時間計測手段7、操作/表示部13、内部温度センサー14からの出力に基づいて加熱コイル3への高周波電流の通電や、側面加熱手段28、蓋ヒーター29への通電を制御するほか、炊飯器100の動作全般を制御する。
制御手段8は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することもできる。
【0014】
次に、操作/表示部13について詳細を
図3に示す。
図3は実施の形態1に係る炊飯器の操作/表示部13の正面図である。
操作/表示部13は、中央に液晶表示板15が配置され、液晶表示板15には、時刻表示、米種として「白米」「無洗米」「発芽玄米」「玄米」の米種表示16、仕上がりの硬さとして「ふつう」「かため」「やわらか」の硬さ表示17、仕上がりの粘りの程度として「強」「中」「弱」の粘り表示18、メニューとして「白米」「おかゆ」「炊き込み」のメニュー表示19、入力された現在の季節を「春夏」「秋冬」の2段階で示す季節表示50が表示可能に構成されている。
なお、米種表示16、硬さ表示17、粘り表示18、メニュー表示19、季節表示50は、後述する各種スイッチをユーザーが操作することで選択した内容を表示する。
【0015】
そして、液晶表示板15の左側には、米種表示16の米種を選択する米種選択イッチ20と、米の炊き上がりの硬さのレベル表示17の硬さを選択する硬さのレベル選択スイッチ21と、米の炊き上がりの粘りのレベル表示18の粘りを選択する粘りレベル選択スイッチ22と、メニュー表示19のメニューを選択するメニュー選択スイッチ23と、現在の季節情報を入力する季節入力スイッチ51と、切/保温スイッチ24が設けられる。
【0016】
そして、液晶表示板15の右側に、炊飯スイッチ25、予約スイッチ26、時刻スイッチ27が設けられている。
尚、硬さレベル選択スイッチ21、季節入力スイッチ51、粘りレベル選択スイッチ22、メニュースイッチ23は、炊飯制御の設定を行う操作手段であり、これらを操作して選択した表示内容は、炊飯制御の設定内容である。
【0017】
次に、本実施の形態1に係る炊飯器の炊飯動作を
図4〜
図5を用いて説明する。
まず、使用者は操作表示部13における各種スイッチを操作し、所望の条件及び炊き上がり状態となるようを設定する。
ここで、例えば、米種が「白米」、炊き上がりのご飯の硬さが「ふつう」、炊き上がりのご飯の粘りを所定のレベルに設定して、炊飯スイッチ25を操作して炊飯を開始した場合を説明する。
【0018】
次に、制御手段8が各部を制御して実行する各炊飯工程について説明する。
図4に示すフローチャート及び
図5に示す各工程の温度変化のグラフを参照すると、炊飯開始後、ステップS1にて粘りレベル選択スイッチ22からの粘りレベルを示す信号に基づいて設定された炊き上がり米の粘りレベルを判定し、ステップS2の予熱工程に進む。
予熱工程は、釜5内の水が沸騰する前の段階で、釜5を所定温度、所定時間加熱して米の吸水を促進し、甘味成分である糖や旨味成分であるアミノ酸などの呈味成分を生成する工程である。
【0019】
制御手段8は、釜底温度センサー4からの温度情報に従い、
図5に示すように釜温度がT0’まで加熱手段3に所望の電力が供給されるよう制御し、釜温度がT0’になると時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すまでその釜温度を維持するよう加熱手段3への電力の供給をオンオフ制御する。
【0020】
次に、時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すと、ステップS3の沸騰前工程に進む。この沸騰前工程は、予熱工程終了後から釜5内の水が沸騰、つまり、釜底温度センサー4からの温度情報が釜5内の沸騰を検知するまでの工程である。この段階で米は、予熱工程よりもさらに吸水が進み、澱粉の糊化が始まる。
【0021】
制御手段8は、時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すと、釜底温度センサー4からの温度情報に従い、
図5に示すように釜温度が沸騰温度となる沸騰検知温度T0になるまで加熱手段3に所望の電力が供給されるよう制御する。
尚、この実施の形態1では沸騰検知温度T0の判定を釜底温度センサー4からの温度情報によって行ったが、内部温度センサー14からの温度情報、もしくは両者からの温度情報に基づいて沸騰検知温度T0の判定を行うようにしても良い。
【0022】
次に、制御手段8が釜底温度センサー4からの温度情報によって、釜5内部の温度が沸騰温度となる沸騰検知温度T0と判定すると、ステップS4の沸騰維持工程に進む。
この沸騰維持工程は、沸騰検知後に釜5内の米および水を高温に保持することで米の澱粉の糊化を促進し、米を炊き上げる工程であり、所定の時間、釜5内の米が焦げ付かないように加熱する。
【0023】
そして、制御手段8は、釜底温度センサー4からの温度情報によって、釜内部の温度が沸騰検知温度T0と判定した後、釜5内の余分な水分が無くなるまで、所定の期間経過するまで所望の電力が供給されるように制御する。
尚、沸騰維持工程の期間は、釜底温度検知センサー4の温度変化から釜5内の水分量を判定、つまり、釜5内の余分な水分がなくなったと推定することにより決定する。例えば、釜底温度センサー4からの温度情報が沸騰温度である沸騰検知温度(約100℃)を超えた場合、釜5内の余分な水分が無くなったと推定して、沸騰維持工程を終了する。
あるいは、沸騰検知から所定時間経過したことを判定し、移行するようにしても良い。
【0024】
次に、制御手段8は、沸騰維持工程が終了するとステップS5のドライアップ工程に進む。
ドライアップ工程は、水分を米の中心まで完全に吸水させ、米の中心まで完全に糊化させ、余分な水分が釜内にあれば完全に蒸発させる工程であり、沸騰検知温度T0より高いドライアップピーク温度(ドライアップ工程における最高の温度)まで釜内の温度を上昇させて、米の糊化を促進する工程である。
【0025】
まず、ドライアップ工程では、加熱コイルへ通電され、釜底温度センサー4からの温度情報が、沸騰温度である沸騰検知温度T0より高温で、ドライアップピーク温度Tdより低い温度である所定の維持温度Tj(T0<Tj<Td)に至ると、所定の保持時間tjの間、釜内部の温度がこの維持温度Tjに維持されるように、制御手段8は加熱コイルに通電制御を行う(S5〜S11)。
【0026】
そして、制御手段は、この保持時間tjの経過した後、釜底温度センサー4からの温度情報がドライアップピーク温度Tdとなるまで加熱コイルに通電制御を行う(S12〜S13)。
尚、この維持温度Tjと保持時間tjは、ステップS1における判定に応じて設定される(粘りのレベルと、維持温度Tjと保持時間tjの関係は後述する)。
【0027】
ステップS12にて釜底温度センサー4からの温度情報がドライアップピーク温度Tdに達したと判定すると加熱手段3へ電力供給を停止させ、釜底温度センサー4からの温度情報が沸騰検知温度T0(約100℃)以下になるとステップS14の蒸らし工程に進む。
尚、蒸らし工程に進むに際し、釜底温度センサー4からの温度情報が沸騰検知温度T0(約100℃)以下としたが、時間計測手段7からの時間情報に基づきドライアップピーク温度Tdに達した後所定の時間経過後に蒸らし工程に進むようにしても良い。
また、ドライアップ工程では、上記のように構成したが、沸騰検知から所定時間経過したことを判定して、移行するようにしても良い。
【0028】
この蒸らし工程は、米の表面についた水分を蒸発させ、米の水分を均一にし、米内部を完全に糊化させるための工程であり、米が焦げ付かず、釜温度が80℃以上を所定時間保持する工程である。所定時間経過後、炊飯を終了し、加熱手段3への電力供給を停止させる。
【0029】
以上のように、炊飯工程において、沸騰維持工程より後で、ドライアップのピーク温度Tdとなる前の段階において、沸騰検知温度T0より高温で、ドライアップピーク温度Tdより低い温度である所定の維持温度Tjで所定の保持時間tj維持するので、米を十分吸水された状態で高温に保持、また、温度を高くすることができ、澱粉の糊化度を高められ、粘りが強いご飯に炊き上げることができる。
【0030】
特に、ドライアップのピーク温度を迎える前の段階で上記の保持時間tjを設けることから、釜内部から余分な水分を確実に飛ばすことができ、より確実にドライアップ工程を行うことができる。
【0031】
ここで米の粘りの設定レベルと、保持時間tj及び維持温度Tjについて説明する。
米の粘りは、米を十分吸水された状態で高温に保持、また、温度を高くすることで強くすることができ、澱粉の糊化度を高められる。
従って、炊き上がりのご飯の状態は、保持時間tjをより長くすれば、より粘りが強く(よりもちもちとした食感)なり、保持時間tjを短くすれば、粘りを弱く(しゃっきりとした食感)炊き上げることができる。
【0032】
例えば、粘りの設定レベルが「弱(しゃっきり)」「中(普通)」「強(もちもち)」と規定されており、それぞれの保持時間を「弱→tj1」「中→tj2」「強→tj3」とした場合、「tj1<tj2<tj3」という関係になる。
つまり、設定される粘りの強弱に応じて、保持時間tjを調整することで、維持温度Tjを変更する必要がなく、保持時間tjのみを変更することで粘りを調整できるので、シンプルな制御で実現できる。
【0033】
また、炊き上がりのご飯の状態は、維持温度Tjを高く設定すれば、より粘りが強く(よりもちもちとした食感)なり、維持温度Tjを低く設定すれば、粘りを弱く(しゃっきりとした食感)炊き上げることができる。
よって、維持温度Tjを変更することにより、炊き上がりのご飯の粘りの強弱を調整することができる。
【0034】
例えば、粘りの設定レベルが「弱(しゃっきり)」「中(普通)」「強(もちもち)」と規定されており、それぞれの維持温度を「弱→Tj1」「中→Tj2」「強→Tj3」とした場合、「T0<Tj1<Tj2<Tj3<Td」という関係になる。
つまり、制御手段8において、米の粘りの強弱の調整する際に、保持時間tjを一定にして維持温度Tjを変化させて米の粘りの強弱を調整することで、粘りの設定が異なっても、調理時間を一定にすることができる。
【0035】
本実施の形態において、所定の維持温度Tjに維持する保持時間tjを含めてドライアップ工程としているが、保持時間tjについて、ドライアップ工程と捉えなくても問題ない。つまり本実施の形態は、ドライアップピークの前の段階で、所定の維持温度Tjに維持する保持時間tjが設けられれば良い。
また、米の炊き上がり状態を調整するには、維持温度Tj又は保持時間tjのいずれか一方の値をパラメーターとして変更すれば可能であるが、両方の値を適宜変更して炊き上がり状態を調整しても良い。
【0036】
(実施の形態2)
図6〜
図7を参照して、実施の形態2を説明する。尚、同一の構成及び制御は、同一の符号を付し、説明を省略する。
実施の形態2は、ドライアップ工程でピーク温度Tdを迎えた後に、所定の保持時間tjの間、釜内部の温度がこの維持温度Tjに維持されるように、制御手段8は加熱コイルに通電制御を行い、米の粘りを調整する制御に関するものである。
【0037】
制御手段が各部を制御して実行する各炊飯工程について説明する。
図6に示すフローチャート及び
図7に示す各工程における釜底温度センサーが検知した温度変化を示すグラフを参照すると、炊飯開始後、ステップS21にて粘りレベル選択スイッチ22からの粘りレベルを示す信号に基づいて設定された米の粘りレベルを判定し、ステップS22の予熱工程に進む。
この予熱工程は、釜5内の水が沸騰する前の段階で、釜5を所定温度、所定時間加熱して米の吸水を促進し、甘味成分である糖や旨味成分であるアミノ酸などの呈味成分を生成する工程である。
【0038】
予熱工程では、制御手段8は釜底温度センサー4からの温度情報に従い、
図7に示すように釜温度がT0’まで加熱手段3に所望の電力が供給されるよう制御し、釜温度がT0’になると時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すまでその釜温度を維持するよう加熱手段3への電力の供給をオンオフ制御する。
【0039】
次に、時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すと、ステップS23の沸騰前工程に進む。この沸騰前工程は、予熱工程終了後から釜5内の水が沸騰、つまり、釜底温度センサー4からの温度情報が釜5内の沸騰を検知するまでの工程である。この段階で米は、予熱工程よりもさらに吸水が進み、澱粉の糊化が始まる。
【0040】
この工程では、制御手段8は時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すと、釜底温度センサー4からの温度情報に従い、
図7に示すように釜温度が沸騰検知温度T0になるまで加熱手段3に所望の電力が供給されるよう制御する。
尚、この実施の形態2では沸騰検知温度T0の判定を釜底温度センサー4からの温度情報によって行ったが、内部温度センサー14からの温度情報、もしくは両者からの温度情報に基づいて沸騰検知温度T0の判定を行うようにしても良い。
【0041】
次に、制御手段8が釜底温度センサー4からの温度情報によって、釜5内部の温度が沸騰検知温度T0と判定すると、ステップS24の沸騰維持工程に進む。
この沸騰維持工程は、沸騰検知後に釜5内の米および水を高温に保持することで米の澱粉の糊化を促進し、米を炊き上げる工程であり、所定の時間、釜5内の米が焦げ付かないように加熱する。
【0042】
そして、制御手段8は、釜底温度センサー4からの温度情報によって、釜内部の温度が沸騰検知温度T0と判定した後、釜5内の余分な水分が無くなるまで、所定の期間経過するまで所望の電力が供給されるように制御する。
尚、沸騰維持工程の期間は、釜底温度検知センサー4の温度変化から釜5内の水分量を判定、つまり、釜5内の余分な水分がなくなったと推定することにより決定する。
例えば、釜底温度センサー4からの温度情報が沸騰検知温度(約100℃)を超えた場合、釜5内の余分な水分が無くなったと推定して、沸騰維持工程を終了する。あるいは、沸騰検知から所定時間経過したことを判定し、移行するようにしても良い。
【0043】
次に、制御手段8は、沸騰維持工程が終了するとステップS25のドライアップ工程に進む。
ドライアップ工程は、水分を米の中心まで完全に吸水させ、米の中心まで完全に糊化させ、余分な水分が釜内にあれば完全に蒸発させる工程であり、沸騰検知温度T0より高いドライアップピーク温度Td(ドライアップ工程における最高の温度)まで釜内の温度を上昇させて、米の糊化を促進する工程である。
【0044】
まず、S25のドライアップ工程は、釜底温度センサー4からの温度情報がドライアップピーク温度Tdとなるまで加熱コイルに通電制御を行う(S26〜S27)。
ステップS26にて、釜底温度センサー4からの温度情報がドライアップピーク温度Tdに達したと判定すると、加熱手段3へ電力供給を停止させる。
【0045】
そして、釜底温度センサー4からの温度情報が維持温度Tjになると、所定の保持時間tjの間、釜内部の温度がこの維持温度Tjに維持されるように、制御手段8は加熱コイルに通電制御を行う(S29〜S33)。この維持温度Tjと保持時間tjは、ステップS1における判定に応じて設定される(粘りのレベルと、維持温度Tjと保持時間tjの関係は後述する)。
そして、制御手段は、この保持時間tjの経過した後、ステップS34の蒸らし工程に進む。
【0046】
蒸らし工程は米の表面についた水分を蒸発させ、米の水分を均一にし、米内部を完全に糊化させるための工程であり、米が焦げ付かず、釜温度が80℃以上を所定時間保持する工程である。所定時間経過後、炊飯を終了し、加熱手段3への電力供給を停止させる。
【0047】
以上のように、炊飯工程において、沸騰維持工程より後で、ドライアップのピーク温度Tdとなった後の段階において、沸騰検知温度T0より高温で、ドライアップピーク温度Tdより低い温度である所定の維持温度Tjで所定の保持時間tj維持するので、米を十分吸水された状態で高温に保持、また、温度を高くすることができ、澱粉の糊化度を高められ、粘りが強い米に炊き上げることができる。
【0048】
特に、ドライアップのピーク温度を迎えた後の段階で上記の保持時間tjを設けることから、最終工程となるむらし工程とともに、米を蒸らす時間を長く取ることができ、米をよりしっとりと炊き上げることができる。
【0049】
ここで米の粘りの設定レベルと、保持時間tj及び維持温度Tjについて説明する。
米の粘りは、米を十分吸水された状態で高温に保持、また、温度を高くすることで強くすることができ、澱粉の糊化度を高められる。
従って、炊き上がりのご飯の状態は、保持時間tjをより長くすれば、より粘りが強く(よりもちもちとした食感)なり、保持時間tjを短くすれば、粘りを弱く(しゃっきりとした食感)炊き上げることができる。
【0050】
例えば、粘りの設定レベルが「弱(しゃっきり)」「中(普通)」「強(もちもち)」と規定されており、それぞれの保持時間を「弱→tj1」「中→tj2」「強→tj3」とした場合、「tj1<tj2<tj3」という関係になる。
つまり、設定される粘りの強弱に応じて、維持温度Tjを変更する必要がなく、保持時間tjのみを変更することで粘りを調整できるので、シンプルな制御で実現できる。
【0051】
また、炊き上がりのご飯の状態は、維持温度Tjを高く設定すれば、より粘りが強く(よりもちもちとした食感)なり、維持温度Tjを低く設定すれば、粘りを弱く(しゃっきりとした食感)炊き上げることができる。
例えば、粘りの設定レベルが「弱(しゃっきり)」「中(普通)」「強(もちもち)」と規定されており、それぞれの維持温度を「弱→Tj1」「中→Tj2」「強→Tj3」とした場合、「T0<Tj1<Tj2<Tj3<Td」という関係になる。
【0052】
よって、維持温度Tjの高低を変更することにより、炊き上がりのご飯の粘りの強弱を調整することができる。
つまり、制御手段8において、米の粘りの強弱の調整する際に、保持時間tjを一定にして維持温度Tjを変化させて米の粘りの強弱を調整することで、粘りの設定が異なっても、調理時間を一定にすることができる。
【0053】
本実施の形態において、所定の維持温度Tjに維持する保持時間tjを含めてドライアップ工程としているが、保持時間tjについて、ドライアップ工程と捉えなくても問題ない。つまり本実施の形態は、ドライアップピークの後の段階で、所定の維持温度Tjに維持する保持時間tjが設けられれば良い。
また、米の炊き上がり状態を調整するには、維持温度Tj又は保持時間tjのいずれか一方の値をパラメーターとして変更すれば可能であるが、両方の値を適宜変更して炊き上がり状態を調整しても良い。
【0054】
(実施の形態3)
図8を参照して実施の形態3を説明する。尚、炊飯動作の各工程における釜温度の水位を示すグラフは、
図5を用いて説明する。
一般に米は、収穫されてから時間が経過するにつれて、水分量(含水率)が低下していくことで米質が変化する。
新米と呼ばれる収穫して間もない米は、水分量が多いことから、炊き上がりの粘りの状態が強い。つまり、もちもちとした食感に炊き上がる。
これに対して、収穫して時間が経過した米は、経過した時間に応じて水分量が低下することから、新米と同じ条件で炊飯した場合、収穫から経過した時間に応じて、炊き上がりの粘りの状態が弱くなる。つまり、古い米ほどパサパサした食感となる。
【0055】
実施の形態1および実施の形態2において、維持温度Tj又は保持時間tjを適宜変更することにより、米の炊き上がりの粘りの強さを調整する構成について説明した。
これに対して本実施の形態は、これらの実施の形態を応用して、米の収穫時期からの経過時間に応じて、維持温度Tj又は保持時間tjを適宜変更することにより、米の収穫時期からの経過時間の長短によらず、炊き上がり状態が一定した粘りとなるようにするものである。
【0056】
例えば、維持温度Tjは、米が古くなるほど含水率が低下することから、炊き上がりのご飯に粘りを出す為には、古い米ほどを高く設定すると良い。また、保持時間tjについても、炊き上がりのご飯に粘りを出す為には、古い米ほど長く設定すると良い。
つまり、収穫時期からの経過時間が異なる米を、所定のレベルの粘りがあるご飯に炊き上げるには、新米より古米の方が保持時間tjを長くするか、維持温度Tjを高く設定すると良い。
【0057】
上記のように、炊き上げる米の状態に応じて、維持温度Tjや保持時間tjを変更する制御には次の方法がある。
(1)ユーザーが米の収穫時期からの経過した期間の長さから米の状態を推測して、炊き上がり状態の粘りの程度として「強」「中」「弱」を粘りのレベル選択スイッチ22を操作して、直接設定する。
(2)米が収穫された時期からの経過時間情報を炊飯器に入力して、制御手段において、この入力した経過時間情報に基づき、維持温度Tjや保持時間tjを決定する。
(3)米の収穫時期情報を炊飯器に入力して、制御手段において、この入力値と現在の日付情報と比較して、収穫時期からの経過期間を求め、この経過期間に基づき維持温度Tjや保持時間tjを決定する。
(4)現在(炊飯時)の「春」「夏」「秋」「冬」又は「春夏」「秋冬」の季節情報を炊飯器に入力し、予め季節ごとに設定されている維持温度Tjや保持時間tjを適用する。
尚、新米は秋に収穫されることから、「秋」→「冬」→「春」→「夏」、又は、「秋冬」→「春夏」の順番に、米は収穫時期から時間が経過することとなる。
従って、いずれの時期においても米を所定のレベルの粘りに炊き上げるためには、維持温度Tjは、設定が「秋」より「冬」、「冬」より「春」、「春」より「夏」、又は、「秋冬」より「春夏」の方が、高く設定される。
同じく、米を所定のレベルの粘りに炊き上げるためには、保持時間tjは、設定が「秋」より「冬」、「冬」より「春」、「春」より「夏」、又は、「秋冬」より「春夏」の方が、長く設定される。
【0058】
以下、上記の(4)の方法を適用した炊飯器の制御について説明する。
図8〜
図9は、使用者が現在の季節を選択入力する季節入力スイッチ51により、季節情報である「春夏」又は「秋冬」のいずれかを選択して、炊飯器に入力した際の制御に関するフローチャートである。
尚、本実施の形態3のように、季節情報を炊飯情報に生かす炊飯制御を「季節炊き」と呼ぶことにする。
【0059】
(季節情報に応じて維持温度を変更する場合)
図8の制御フローは、季節情報に応じて維持温度Tjを変更するものであり、制御手段により実行される。
まず、炊飯開始後、ステップS41にて、季節入力スイッチ51から入力されて設定された季節選択情報を判定し、ステップS42の予熱工程に進む。
予熱工程は、釜5内の水が沸騰する前の段階で、釜5を所定温度、所定時間加熱して米の吸水を促進し、甘味成分である糖や旨味成分であるアミノ酸などの呈味成分を生成する工程である。
【0060】
制御手段8は釜底温度センサー4からの温度情報に従い、
図8に示すように釜温度がT0’まで加熱手段3に所望の電力が供給されるよう制御し、釜温度がT0’になると時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すまでその釜温度を維持するよう加熱手段3への電力の供給をオンオフ制御する。
【0061】
次に、時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すと、ステップS43の沸騰前工程に進む。この沸騰前工程は、予熱工程終了後から釜5内の水が沸騰、つまり、釜底温度センサー4からの温度情報が釜5内の沸騰を検知するまでの工程である。この段階で米は、予熱工程よりもさらに吸水が進み、澱粉の糊化が始まる。
【0062】
制御手段8は時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すと、釜底温度センサー4からの温度情報に従い、
図5に示すように釜温度が沸騰検知温度T0になるまで加熱手段3に所望の電力が供給されるよう制御する。
尚、この実施の形態3では沸騰検知温度T0の判定を釜底温度センサー4からの温度情報によって行ったが、内部温度センサー14からの温度情報、もしくは両者からの温度情報に基づいて沸騰検知温度T0の判定を行うようにしても良い。
【0063】
次に、制御手段8が釜底温度センサー4からの温度情報によって、釜5内部の温度が沸騰検知温度T0と判定すると、ステップS44の沸騰維持工程に進む。
この沸騰維持工程は、沸騰検知後に釜5内の米および水を高温に保持することで米の澱粉の糊化を促進し、米を炊き上げる工程であり、所定の時間、釜5内の米が焦げ付かないように加熱する。
【0064】
そして、制御手段8は、釜底温度センサー4からの温度情報によって、釜内部の温度が沸騰検知温度T0と判定した後、釜5内の余分な水分が無くなるまで、所定の期間経過するまで所望の電力が供給されるように制御する。
尚、沸騰維持工程の期間は、釜底温度検知センサー4の温度変化から釜5内の水分量を判定、つまり、釜5内の余分な水分がなくなったと推定することにより決定する。
例えば、釜底温度センサー4からの温度情報が沸騰検知温度(約100℃)を超えた場合、釜5内の余分な水分が無くなったと推定して、沸騰維持工程を終了する。
【0065】
次に、制御手段8が沸騰検知温度T0と判定するとステップS45のドライアップ工程に進む。
ドライアップ工程は、水分を米の中心まで完全に吸水させ、米の中心まで完全に糊化させ、余分な水分が釜内にあれば完全に蒸発させる工程であり、沸騰検知温度T0より高いドライアップピーク温度(ドライアップ工程における最高の温度)まで釜内の温度を上昇させて、米の糊化を促進する工程である。
【0066】
まず、S46において、保持時間がリセットされる。
次にS47において、設定されている季節を判断する。設定されている季節が「春夏」であれば、S48に進み維持温度Tjを110℃に設定する。設定されている季節が「秋冬」であれば、S49に進み維持温度Tjを105℃に設定する。
尚、維持温度Tjは、釜底温度センサー4からの温度情報が、沸騰検知温度T0より高温で、ドライアップピーク温度Tdより低い温度(T0<Tj<Td)である。
【0067】
そして、設定されている季節に応じて維持温度Tjを設定した後、次のステップに進むと、加熱コイルに通電が行われ、釜底温度センサー4からの温度情報が、設定された維持温度Tjに至ると、所定の保持時間tjの間、この維持温度Tjに維持されるように、制御手段8は加熱コイルに通電制御を行う(S51〜S54)。
そして、制御手段は、この保持時間tjの経過した後、釜底温度センサー4からの温度情報がドライアップピーク温度Tdとなるまで加熱コイルに通電制御を行う(S55〜S56)。
【0068】
ステップS55にて釜底温度センサー4からの温度情報がドライアップピーク温度Tdに達したと判定すると加熱手段3へ電力供給を停止させ、釜底温度センサー4からの温度情報が沸騰検知温度T0(約100℃)以下になるとステップS57の蒸らし工程に進む。
尚、蒸らし工程に進むに際し、釜底温度センサー4からの温度情報が沸騰検知温度T0(約100℃)以下としたが、時間計測手段7からの時間情報に基づきドライアップピーク温度Tdに達した後所定の時間経過後に蒸らし工程に進むようにしても良い。
【0069】
蒸らし工程は米の表面についた水分を蒸発させ、米の水分を均一にし、米内部を完全に糊化させるための工程であり、米が焦げ付かず、釜温度が80℃以上を所定時間保持する工程である。所定時間経過後、炊飯を終了し、加熱手段3への電力供給を停止させる。
【0070】
(季節情報に応じて保持時間を変更する場合)
図9の制御フローは、季節情報に応じて保持時間tjを変更するものであり、制御手段により実行される。
まず、炊飯開始後、ステップS61にて、季節入力スイッチ51から入力されて設定された季節選択情報を判定し、ステップS62の予熱工程に進む。
予熱工程は、釜5内の水が沸騰する前の段階で、釜5を所定温度、所定時間加熱して米の吸水を促進し、甘味成分である糖や旨味成分であるアミノ酸などの呈味成分を生成する工程である。
【0071】
制御手段8は釜底温度センサー4からの温度情報に従い、
図5に示すように釜温度がT0’まで加熱手段3に所望の電力が供給されるよう制御し、釜温度がT0’になると時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すまでその釜温度を維持するよう加熱手段3への電力の供給をオンオフ制御する。
【0072】
次に、時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すと、ステップS63の沸騰前工程に進む。この沸騰前工程は、予熱工程終了後から釜5内の水が沸騰、つまり、釜底温度センサー4からの温度情報が釜5内の沸騰を検知するまでの工程である。この段階で米は、予熱工程よりもさらに吸水が進み、澱粉の糊化が始まる。
【0073】
制御手段8は時間計測手段7からの時間情報が時間t0’を示すと、釜底温度センサー4からの温度情報に従い、
図5に示すように釜温度が沸騰検知温度T0になるまで加熱手段3に所望の電力が供給されるよう制御する。
尚、この実施の形態3では沸騰検知温度T0の判定を釜底温度センサー4からの温度情報によって行ったが、内部温度センサー14からの温度情報、もしくは両者からの温度情報に基づいて沸騰検知温度T0の判定を行うようにしても良い。
【0074】
次に、制御手段8が釜底温度センサー4からの温度情報によって、釜5内部の温度が沸騰検知温度T0と判定すると、ステップS64の沸騰維持工程に進む。
この沸騰維持工程は、沸騰検知後に釜5内の米および水を高温に保持することで米の澱粉の糊化を促進し、米を炊き上げる工程であり、所定の時間、釜5内の米が焦げ付かないように加熱する。
【0075】
そして、制御手段8は、釜底温度センサー4からの温度情報によって、釜内部の温度が沸騰検知温度T0と判定した後、釜5内の余分な水分が無くなるまで、所定の期間経過するまで所望の電力が供給されるように制御する。
尚、沸騰維持工程の期間は、釜底温度検知センサー4の温度変化から釜5内の水分量を判定、つまり、釜5内の余分な水分がなくなったと推定することにより決定する。例えば、釜底温度センサー4からの温度情報が沸騰検知温度(約100℃)を超えた場合、釜5内の余分な水分が無くなったと推定して、沸騰維持工程を終了する。
【0076】
次に、制御手段8が沸騰検知温度T0と判定するとステップS65のドライアップ工程に進む。
ドライアップ工程は、水分を米の中心まで完全に吸水させ、米の中心まで完全に糊化させ、余分な水分が釜内にあれば完全に蒸発させる工程であり、沸騰検知温度T0より高いドライアップピーク温度(ドライアップ工程における最高の温度)まで釜内の温度を上昇させて、米の糊化を促進する工程である。
【0077】
まずS66において、保持時間がリセットされる。
次にS67〜S68において、加熱手段に通電することにより、釜底温度センサー4からの温度情報が、沸騰検知温度T0より高温で、ドライアップピーク温度Tdより低い温度である所定の維持温度Tj(T0<Tj<Td)に至るまで加熱される。
次に、S69において、設定されている季節情報を判断する。設定されている季節が「春夏」であれば、S70に進み保持時間tjを15分に設定する。設定されている季節が「秋冬」であれば、S71に進み保持時間tjを5分に設定する。
【0078】
そしてS72に進み、所定の保持時間tjの間、釜5内部の温度が維持温度Tjに維持されるように、制御手段8は加熱コイルに通電制御を行う(S72〜S74)。
更に、制御手段は、この保持時間tjの経過した後、釜底温度センサー4からの温度情報がドライアップピーク温度Tdとなるまで加熱コイルに通電制御を行う(S75〜S76)。
【0079】
ステップS75にて釜底温度センサー4からの温度情報がドライアップピーク温度Tdに達したと判定すると加熱手段3へ電力供給を停止させ、釜底温度センサー4からの温度情報が沸騰検知温度T0(約100℃)以下になるとステップS77の蒸らし工程に進む。
尚、蒸らし工程に進むに際し、釜底温度センサー4からの温度情報が沸騰検知温度T0(約100℃)以下としたが、時間計測手段7からの時間情報に基づきドライアップピーク温度Tdに達した後所定の時間経過後に蒸らし工程に進むようにしても良い。
【0080】
蒸らし工程は、米の表面についた水分を蒸発させ、米の水分を均一にし、米内部を完全に糊化させるための工程であり、米が焦げ付かず、釜温度が80℃以上を所定時間保持する工程である。所定時間経過後、炊飯を終了し、加熱手段3への電力供給を停止させる。
【0081】
以上のように、米の収穫から経過した時間によって、保持時間tj又は維持温度Tjを決定して炊飯制御を行うので、米の状態が異なっても、常に一定の粘りとなるように米を炊き上げることが可能となる。
この制御を可能とするために入力が必要な情報を現在の季節とすることで、誰でも容易に設定作業を行うことができる。
また、選択する季節を「春夏」「秋冬」としたことで、選択操作をシンプルに行うことが可能となり、使い勝手の良い炊飯器を構成することができる。
【0082】
尚、本実施の形態において、ドライアップのピーク温度の前の段階で維持温度Tj又は保持時間tjを調整した例(実施の形態1に季節炊きを適応した例)で説明したが、ドライアップのピーク温度の後の段階で維持温度Tj又は保持時間tjを調整しても(実施の形態2に季節炊きを適応した場合)、季節炊きは可能である。
【0083】
また、制御手段は、季節が選択されていない状態の場合、「春夏」が選択されている状態、又は、米に粘りが強くなるように炊飯制御を行うようにすればよい。これにより、ユーザーが設定を忘れて、古米を炊いた場合でも、炊き上がりのご飯に粘りを出す(もちもちに炊く)ことができる。
【0084】
また、制御手段は、季節が選択されていない状態の場合、維持温度Tj又は保持時間tjが、「春夏」と「秋冬」の中間となる設定で、炊飯制御を行うようにしてもよい。
これにより、季節選択に迷った場合や選択されていないときは、標準的な米の粘りとなるように炊き上げることができる。
【0085】
また、各実施の形態では、制御手段が、米の収穫から経過した時間に応じて、維持温度や保持時間を変更して、米の含水率の低下を推測して適切な炊き上がりとなるように炊飯制御を行うものであるが、米の含水率を測定する含水率測定手段を設け、直接米の含水率を計測して、この計測結果に基づき適切な維持温度や保持時間を設定して、米の炊き上がりを調整しても良い。
このように、制御手段は、含水率測定手段を用いて、米の含水率を計測し、これに基づき、維持温度や保持時間を設定して炊飯するので、ユーザーが維持温度や保持時間を決める為の操作を行わなくて済む。