特許第5910550号(P5910550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5910550
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】電池状態監視方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20160414BHJP
   G01R 31/36 20060101ALI20160414BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   H02J7/00 302D
   G01R31/36 A
   H01M10/48 P
   H02J7/00 Q
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-54694(P2013-54694)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2014-183604(P2014-183604A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】筒井 雄介
(72)【発明者】
【氏名】山本 悟士
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恒雄
【審査官】 田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−283677(JP,A)
【文献】 特開平10−163954(JP,A)
【文献】 特開2007−230398(JP,A)
【文献】 特開2010−76595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00−3/12、7/00−13/00、
15/00−15/42
G01R31/36
H01M10/42−10/48
H02J7/00−7/12、7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過放電状態を含む電池の状態を監視する監視用電子制御ユニットと、
前記電池から所定の電流以上の電流が流れたとき、該電池から流れる電流を遮断する過電流遮断回路と、
前記監視用電子制御ユニットによる監視動作の一部を休止させる休止モードと該監視動作の全てを実行させる監視モードとが、周期的に交互に繰り返す監視動作を実行させるよう制御し、かつ、前記過電流遮断回路により遮断される前記所定の電流より少ない電流が前記電池から流れたとき、前記電池の実使用充電量の下限から過放電状態に達するまでの許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる時間以下で、該時間により近い時間を1周期とし、前記休止モードと前記監視モードとを周期的に交互に切り替える制御手段と、
を備えたことを特徴とする電池状態監視装置。
【請求項2】
過放電状態を含む電池の状態を監視する監視用電子制御ユニットと、
前記電池から所定の電流以上の電流が流れたとき、該電池から流れる電流を遮断する過電流遮断回路と、
前記監視用電子制御ユニットによる監視動作の一部を停止させる休止モードと該監視動作の全てを実行させる監視モードとが、周期的に交互に繰り返す監視動作を実行させるよう制御し、かつ、前記過電流遮断回路により電流が遮断される電流領域を、電流及び時間の座標軸を用いて表したときの該遮断される電流領域の境界を表す過電流遮断境界線と、前記電池の実使用充電量の下限から過放電状態に達するまでの許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる電流領域を、前記電流及び時間の座標軸を用いて表したときの該許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる電流領域の境界を表す過放電境界線と、の交点により定まる時間以下で、該時間により近い時間を1周期とし、前記休止モードと前記監視モードとを周期的に交互に切り替える制御手段と、
を備えたことを特徴とする電池状態監視装置。
【請求項3】
過放電状態を含む電池の状態を監視用電子制御ユニットにより監視させる電池状態監視方法であって、
前記電池から所定の電流以上の電流が流れたとき、該電池から流れる電流を過電流遮断回路により遮断するとともに、
前記監視用電子制御ユニットによる監視動作の一部を休止させる休止モードと該監視動作の全てを実行させる監視モードとが、周期的に交互に繰り返す監視動作を実行させるよう制御し、かつ、前記過電流遮断回路により遮断される前記所定の電流より少ない電流が前記電池から流れたとき、前記電池の実使用充電量の下限から過放電状態に達するまでの許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる時間以下で、該時間により近い時間を1周期とし、前記休止モードと前記監視モードとを周期的に交互に切り替える制御を行う、
ことを特徴とする電池状態監視方法。
【請求項4】
過放電状態を含む電池の状態を監視用電子制御ユニットにより監視させる電池状態監視方法であって、
前記電池から所定の電流以上の電流が流れたとき、該電池から流れる電流を過電流遮断回路により遮断するとともに、
前記監視用電子制御ユニットによる監視動作の一部を休止させる休止モードと該監視動作の全てを実行させる監視モードとが、周期的に交互に繰り返す監視動作を実行させるよう制御し、かつ、前記過電流遮断回路により電流が遮断される電流領域を、電流及び時間の座標軸を用いて表したときの該遮断される電流領域の境界を表す過電流遮断境界線と、前記電池の実使用充電量の下限から過放電状態に達するまでの許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる電流領域を、前記電流及び時間の座標軸を用いて表したときの該許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる電流領域の境界を表す過放電境界線と、の交点により定まる時間以下で、該時間により近い時間を1周期とし、前記休止モードと前記監視モードとを周期的に交互に切り替える制御を行う、
ことを特徴とする電池状態監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能な電池の状態を監視する電池状態監視方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池等の充電可能な電池を用いる電池システムは、該電池が適正な状態で使用されるよう監視する電池監視装置が備えられる。図5は、従来の電池状態監視装置の第1の構成例を示す。図5に示すように、電池システム100は、電池1と、電流センサ2、電圧センサ及び温度センサ(図示省略)等の電池状態を検出する各種センサと、監視用電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)3とを備える。
【0003】
監視用電子制御ユニット3は、電池1を電源として動作するため、電池1が使用されないときは、電池1の消費電流を低減するため、監視動作を休止する休止モードに設定される。電池1が使用されるときは、監視用電子制御ユニット3が起動される。
【0004】
図5の構成例では、電池1により給電される電気車両等の負荷4が使用されるとき、ユーザーによるイグニションスイッチ等のオン操作により、電気車両等の全体を監視制御する制御用電子制御ユニット6から、監視用電子制御ユニット3に起動信号が送出される。
【0005】
監視用電子制御ユニット3は、該起動信号を受信すると、監視起動部12により電池監視部11を起動し、また、負荷4への給電路に設けてある出力リレー5をオン状態にし、負荷4への給電を可能にする。電池監視部11は、起動されると、電池状態を検出する各種センサの検出値を元に、電池1の充電状態、過充電、過放電等の種々の電池状態の監視動作を開始する。
【0006】
図6は、従来の電池状態監視装置の第2の構成例を示す。図6に示す構成例では、電池1の負荷4である電気車両等が使用されなくなったとき、負荷電流が所定の閾値以下に低下したことを、電流センサ2の検出値を元に電流検出部13により検出すると、監視起動部12は、電池監視部11の監視動作を休止させる休止モードに設定する。
【0007】
このとき、負荷4に接続された給電路に設けた出力リレー5をオン状態にしたまま休止モードに設定する。その後、電気車両等の使用により負荷4に所定の閾値以上の負荷電流が流れたことを、電流センサ2の検出値を元に電流検出部13により検出すると、監視起動部12は、電池監視部11を起動し、休止モードから監視モードに設定する。
【0008】
さらに、電池1が使用されていないときに、監視起動部12により所定の周期で間欠的に電池監視部11を起動し、電池監視部11を間欠的に監視モードに設定して電池1の状態監視を行わせる手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−19757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の電池状態監視装置のように、電気車両等の使用開始により所定の閾値以上の電流が負荷4に流れたことを電流検出部13により検出したときに、監視起動部12により電池監視部11を起動して休止モードから監視モードに設定する構成では、負荷4に異常が発生し、負荷4の不使用中に、所定の閾値以下の電流が流れ続けた場合に、電池監視部11を起動することができず、電池1が過放電状態となってしまう可能性がある。
【0011】
また、休止モードから監視モードへの一時的な監視起動を所定の周期で間欠的に行う場合、過放電状態となる前に、休止モードから監視モードへ切り替え、電池状態の監視動作が実施されれば、過放電状態に至る前の要注意状態を検出することができるが、監視モードへの切り替え周期が長くなると、過放電状態に至ってしまう。
【0012】
上記課題に鑑み、本発明は、負荷の不使用中に、所定の閾値以下の電流が流れ続けた場合でも、電池が過放電状態となることを防ぎ、また、電池の消費電流を低減させるために一時的な監視動作を所定の周期で間欠的に行わせる場合に、電池が過放電状態にならないよう、監視動作の周期を適正に設定して監視動作を実行させることができる電池状態監視方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る電池状態監視装置は、過放電状態を含む電池の状態を監視する監視用電子制御ユニットと、前記電池から所定の電流以上の電流が流れたとき、該電池から流れる電流を遮断する過電流遮断回路と、前記監視用電子制御ユニットによる監視動作の一部を休止させる休止モードと該監視動作の全てを実行させる監視モードとが、周期的に交互に繰り返す監視動作を実行させるよう制御し、かつ、前記過電流遮断回路により遮断される前記所定の電流より少ない電流が前記電池から流れたとき、前記電池の実使用充電量の下限から過放電状態に達するまでの許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる時間以下で、該時間により近い時間を1周期とし、前記休止モードと前記監視モードとを周期的に交互に切り替える制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、過放電状態を含む電池の状態を監視する監視用電子制御ユニットと、前記電池から所定の電流以上の電流が流れたとき、該電池から流れる電流を遮断する過電流遮断回路と、前記監視用電子制御ユニットによる監視動作の一部を停止させる休止モードと該監視動作の全てを実行させる監視モードとが、周期的に交互に繰り返す監視動作を実行させるよう制御し、かつ、前記過電流遮断回路により電流が遮断される電流領域を、電流及び時間の座標軸を用いて表したときの該遮断される電流領域の境界を表す過電流遮断境界線と、前記電池の実使用充電量の下限から過放電状態に達するまでの許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる電流領域を、前記電流及び時間の座標軸を用いて表したときの該許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる電流領域の境界を表す過放電境界線と、の交点により定まる時間以下で、該時間により近い時間を1周期とし、前記休止モードと前記監視モードとを周期的に交互に切り替える制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る電池状態監視方法は、過放電状態を含む電池の状態を監視用電子制御ユニットにより監視させる電池状態監視方法であって、前記電池から所定の電流以上の電流が流れたとき、該電池から流れる電流を過電流遮断回路により遮断するとともに、前記監視用電子制御ユニットによる監視動作の一部を休止させる休止モードと該監視動作の全てを実行させる監視モードとが、周期的に交互に繰り返す監視動作を実行させるよう制御し、かつ、前記過電流遮断回路により遮断される前記所定の電流より少ない電流が前記電池から流れたとき、前記電池の実使用充電量の下限から過放電状態に達するまでの許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる時間以下で、該時間により近い時間を1周期とし、前記休止モードと前記監視モードとを周期的に交互に切り替える制御を行う、ことを特徴とする。
【0016】
また、過放電状態を含む電池の状態を監視用電子制御ユニットにより監視させる電池状態監視方法であって、前記電池から所定の電流以上の電流が流れたとき、該電池から流れる電流を過電流遮断回路により遮断するとともに、前記監視用電子制御ユニットによる監視動作の一部を休止させる休止モードと該監視動作の全てを実行させる監視モードとが、周期的に交互に繰り返す監視動作を実行させるよう制御し、かつ、前記過電流遮断回路により電流が遮断される電流領域を、電流及び時間の座標軸を用いて表したときの該遮断される電流領域の境界を表す過電流遮断境界線と、前記電池の実使用充電量の下限から過放電状態に達するまでの許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる電流領域を、前記電流及び時間の座標軸を用いて表したときの該許容放電容量の電流積算量を超える放電電流が流れる電流領域の境界を表す過放電境界線と、の交点により定まる時間以下で、該時間により近い時間を1周期とし、前記休止モードと前記監視モードとを周期的に交互に切り替える制御を行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、負荷の不使用中に、所定の閾値以下の電流が流れ続けた場合でも、電池が過放電状態となることを防ぎ、また、電池の消費電流を低減させるために一時的な監視動作を所定の周期で間欠的に行わせる場合に、電池が過放電状態にならないよう、監視動作の周期を適正に設定して監視動作を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の電池状態監視装置の構成例を示す図である。
図2】ヒューズ等の過電流遮断境界線及び過放電境界線を示す図である。
図3】電池の容量の状態を示す図である。
図4】定電流遮断回路の過電流遮断境界線及び過放電境界線を示す図である。
図5】従来の電池状態監視装置の第1の構成例を示す図である。
図6】従来の電池状態監視装置の第2の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の電池状態監視方法及び装置の実施形態について図面を参照して以下に説明する。図1は本発明の電池状態監視装置の構成例を示す。図1に示すように、電池システム100は、電池1と、電流センサ、電圧センサ及び温度センサ等の電池状態を検出する各種センサ(図示省略)と、監視用電子制御ユニット3と、過電流遮断回路7とを備える。
【0020】
監視用電子制御ユニット3は、電池1を電源として動作し、電池1が使用されないときは、電池1の消費電流を低減するため、一部の監視動作を休止する休止モードに設定される。監視用電子制御ユニット3は、監視起動部12により監視動作が起動され、監視モードに設定されると、電池監視部11により、電池状態を検出する各種センサの検出値を元に、電池1の充電状態、過充電、過放電等の種々の電池状態の全ての監視動作を開始する。
【0021】
電池1が使用されていないとき、監視起動部12は所定の周期で間欠的に電池監視部11を起動する。電池監視部11は所定の周期で間欠的に起動され、起動されたときに電池1の状態監視を実行する。また、負荷4の異常による過電流に対する保護機能として、過電流遮断回路7が設けられる。
【0022】
過電流遮断回路7は、ヒューズ等のように所定以上の電流が所定時間以上流れると溶断して電流を遮断する回路の場合、該回路によって電流が遮断される電流領域は、図2の過電流遮断境界線21の上側の領域(破線の斜線を施した領域)となる。
【0023】
図2において、座標軸の横軸は電流、縦軸は電流が流れ続ける時間を表している。ヒューズ等の過電流遮断回路7は、過電流が大きくなるほど短時間で溶断し、過電流が少ないほど長時間で溶断する。従って、過電流遮断境界線21は図2に示すような曲線となり、過電流遮断境界線21上側の電流領域(破線の斜線を施した領域)で電流が遮断され、過電流遮断境界線21下側の電流領域では、電流は遮断されない。
【0024】
一方、負荷4の異常により図2に示す過電流遮断境界線21より下側の電流領域の電流が流れ続けた場合、監視用電子制御ユニット3が監視モードに設定されずに休止モードのままの状態で長い間放電が続くと、電池1は過放電状態に至ってしまう。
【0025】
図3は、電池1の容量の状態を示している。図3において、L1は電池1の満充電状態の容量を表し、L2は電池1の実使用充電量の下限の容量を表し、L3は電池1の過放電状態の容量を表している。電池1が使用されない期間において、電池1の容量が実使用充電量の下限の容量L2以上であれば問題は無いが、実使用充電量の下限の容量L2以下となったとき、過放電状態の容量L3に達する前に監視モードが起動され、過放電を未然に防ぐ必要がある。
【0026】
実使用充電量の下限の容量L2から過放電状態の容量L3に至るまでの許容放電容量K(例えば1Ah)の電流積算量が放電されるときの、放電電流Iと該放電電流Iが流れ続ける時間tとの関係は、下記の式1によって表される。
K=I×t ・・・(式1)。
従って、放電電流が流れ続ける時間tが、下記の(式2)を満たすとき、過放電状態となってしまう。
t≧K÷I ・・・(式2)
即ち、許容放電容量K以上の電流積算量が放電されるときの電流及び時間の領域は、図2に示す(式1)の過放電境界線22の上側の領域(ドット模様を付した領域)となる。なお、過放電境界線22の上側の領域であっても、過電流遮断境界線21より上側の領域は、過電流遮断回路7により電流が遮断されるため、過放電にはならない。
【0027】
従って、図2の過電流遮断境界線21と過放電境界線22との交点Pの時間T1以下の時間では、過放電状態とはならないので、過放電状態となる前に、監視モードを起動するための周期として、この時間T1以下の周期で該時間T1により近い周期を設定することにより、電池1が過放電状態とならずにかつ電池1の消費電流をより低減する監視動作の起動周期とすることができる。
【0028】
なお、過電流遮断回路7として、所定値以上の電流を遮断する回路を用いても良いし、また、所定値以上の電流が検出されたとき、出力リレー5を遮断する構成としても良い。所定値以上の電流を遮断する構成とした場合、過電流遮断境界線は、図4に示す過電流遮断境界線23のようになり、所定値I1より右側の領域(破線の斜線を施した領域)の過電流に対して、給電路を遮断して電池1を保護する機能が働く。
【0029】
一方、負荷4の異常により図4に示す過電流遮断境界線23より左側の領域の低電流が流れ続けた場合、許容放電容量K以上の電流積算量が放電されるときの電流及び時間の領域は、図4に示す過放電境界線22の上側のドット模様を付した領域となる。
【0030】
従って、図4の過電流遮断境界線23と過放電境界線22との交点Qの時間T2以下の時間では、過放電状態とはならないので、過放電状態となる前に、監視モードを起動するための周期を、この時間T2以下の時間で該時間T2により近い時間に設定することにより、電池1が過放電状態とならずにかつ電池1の消費電流をより低減する監視動作の起動周期とすることができる。
【0031】
このようにして決定された周期T1又はT2を監視用電子制御ユニット3内の周期設定部14に設定し、監視用電子制御ユニット3内の監視起動部12は、周期設定部14に設定された周期T1又はT2で電池監視部11を起動し、電池監視部11を休止モードから監視モードに設定して、間欠的に電池監視部11に電池1の状態を監視させる。
【0032】
なお、監視用電子制御ユニット3による監視動作を間欠的に周期的に起動する制御手段は、監視用電子制御ユニット3内に設けた監視起動部12及び周期設定部14により構成するほかに、電気車両等の全体を監視制御する制御用電子制御ユニット6等から、監視用電子制御ユニット3に、上述の監視周期T1又はT2で間欠的に起動信号を送出して、監視用電子制御ユニット3による監視動作を該周期で間欠的に起動する構成としてもよい。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以上に述べた実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成又は実施形態を取ることができる。
【符号の説明】
【0034】
100 電池システム
1 電池
2 電流センサ
3 監視用電子制御ユニット
4 負荷
5 出力リレー
6 制御用電子制御ユニット
7 過電流遮断回路
11 電池監視部
12 監視起動部
13 電流検出部
14 周期設定部
図1
図3
図5
図6
図2
図4