(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0009】
図1は本発明に係る画像読み取り装置としての書画カメラシステムの概略構成を示す斜視図である。
図2は書画カメラシステムの要部構成を示す説明図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
図3は、書画カメラシステムの要部構成を示す正面図である。なお、以下の説明においては本Bの頁Pを左から右へとめくる場合について説明する。
図1〜
図3に示すように、書画カメラシステム1には、本Bの頁Pを撮像する撮像手段としての書画カメラ2と、本Bの頁Pをめくる頁めくり装置3と、書画カメラ2及び頁めくり装置3に通信自在に接続されたパソコン4とを備えている。
【0010】
書画カメラ2には、スタンド部21と、スタンド部21の上端に取り付けられたカメラ22とが設けられている。スタンド部21は本Bとカメラ22との相対的な位置関係を調整できるように、前後方向、左右方向に傾倒自在であるとともに、上下方向に伸縮自在となっている。カメラ22は、その画角内に本Bが収まるようにレンズが下方を向いている。カメラ22とスタンド部21との接合部には位置調整機構が設けられており、これによってカメラ22のレンズが向く方向も調整できるようになっている。
本実施形態では、カメラ22は左側の頁Pのみを撮像するように、左側の頁Pの上方に配置されている。
【0011】
頁めくり装置3は、開かれた本Bを保持する保持台6と、保持台6上の本Bの頁Pのめくり元位置で頁Pを保持し、頁Pのめくり先位置で頁Pに対する保持を解除するめくり機構30と、めくり元位置にある頁Pの上方に風を通過させることでめくり先位置にある頁Pに対して風を当てる送風部5と、各部を制御する制御部36とを備えている。
【0012】
保持台6は、
図3に示すように、図示しないヒンジにより折り畳み自在な一対の保持板61,62を備えている。ここで、
図3に示すように本Bの頁Pが左から右へとめくられる場合は、一対の保持板61,62のうち、左側に配置された一方の保持板61が卓D上に沿うように置かれ、右側に置かれる他方の保持板62が一方の保持板61に対して所定の角度で起き上がるように傾斜して卓D上に置かれる。一方の保持板61上には、本Bのめくり元位置となる頁Pが置かれ、他方の保持板62上には、本Bのめくり先位置となる頁Pが置かれることになる。
本Bの頁Pが右から左へとめくられる場合は、右側に配置された他方の保持板62が卓D上に沿うように置かれ、左側に置かれる一方の保持板61が他方の保持板62に対して所定の角度で起き上がるように傾斜して卓D上に置かれる。他方の保持板62上には、本Bのめくり元位置となる頁Pが置かれ、一方の保持板61上には、本Bのめくり先位置となる頁Pが置かれることになる。
これにより、保持台6は、めくり元位置にある頁Pよりもめくり先にある頁Pの方が本Bの綴じ目b2に対して起きる方向に傾斜するように本Bを保持することになる。なお、一対の保持板61,62がヒンジにより折り畳み自在となっているので、一対の保持板61,62のなす角度も調整することができ、めくり先位置にある頁Pの水平面に対する傾斜角度θが調整自在となっている。傾斜角度θとしては30〜45度内の範囲で調整することが好ましい。
【0013】
めくり機構30は、台座31と、台座31上に設けられた駆動軸32を有するモータなどの第一駆動部(駆動部)33と、駆動軸32を中心に揺動するアーム部34と、アーム部34の先端に取り付けられ、本Bの頁Pに対して吸着又は分離する吸着部35とを備えている。
【0014】
台座31は、保持台6上で開かれた本Bの上辺b1と一辺が平行となるように卓D上に配置されている。以下の説明では本B側を後、台座31側を前とする。本Bの綴じ目b2は前後方向に沿うこととなる。台座31は、主台部311と、主台部311に重なるように設けられ当該主台部311に対する角度αが調整自在な副台部312とを備えている。副台部312の後端部(本B側の端部)には図示しないヒンジが設けられていて、このヒンジによって副台部312と主台部311との角度αが調整自在となっている。副台部312には、第一駆動部33を支持する回転自在な回転板313が設けられている。この回転板313の上面に対して平行に第一駆動部33の駆動軸32が配置されている。
本Bの頁Pが左から右へとめくられる場合は、駆動軸32の後端部(本B側の端部)が頁Pの綴じ目b2に対して右側となって、基端部にあたる前端部(本Bとは反対側の端部)が綴じ目b2に対して左側となるように回転板313の角度が決められている。他方、本Bの頁Pが右から左へとめくられる場合は、駆動軸32の後端部(本B側の端部)が頁Pの綴じ目b2に対して左側となって、前端部(本Bとは反対側の端部)が綴じ目b2に対して右側となるように回転板313の角度が決められている。
めくり方向がいずれにしろ駆動軸32は、基端部が本Bの綴じ目b2に対して頁Pのめくり元位置側となるように傾き、なおかつ本Bが置かれる面(水平面)に対しても角度αだけ傾くようにしている。
また、副台部312の後端部(本B側の端部)には、位置決め時の目印314が形成されている。この目印314が綴じ目b2の延長線上に重なるように台座31を配置することが好ましい。
【0015】
アーム部34は、駆動軸32に対して本B側に向けて傾いており、駆動軸32が回転するとアーム部34が駆動軸32を中心にして円弧を描くように頁Pのめくり元位置と、頁Pのめくり先位置との間を往復動作するようになっている。つまり、駆動軸32がアーム部34の揺動対称軸である。以下の説明においては、頁Pのめくり元位置からめくり先位置までの移動を往動とし、めくり先位置からめくり元位置までの移動を復動とする。
図3は、アーム部34の先端部に備わる吸着部35の経路を正面側(頁Pの綴じ目b2の軸に沿う方向(綴じ目b2を法線とする方向))から示している。
図3に示すように、アーム部34の先端部にある吸着部35は、往動時においては頁Pのめくり元位置に対して接触した位置から、頁Pの上方で円弧を描くように移動して頁Pのめくり先位置に移動する。
【0016】
図4は、駆動軸32の傾きが頁Pのめくり動作にどのように影響するかを模式的に示した説明図である。なお、
図4においては見やすさのために、保持台6を用いずに本Bを卓D上に直接載置した場合を示している。
図4(a)は駆動軸32が綴じ目b2の延長線上に沿って、なおかつ水平に配置された場合を示している。この場合には、綴じ目b2を対称軸とした経路で吸着部35が移動するので、吸着部35はめくり先位置においても右側の頁P上に接触したままとなり、頁Pから分離することができない。
【0017】
図4(b)は駆動軸32を水平なまま、当該駆動軸32の後端部が頁Pの綴じ目b2に対して右側となって、基端部にあたる前端部が綴じ目b2に対して左側となるように傾かせた場合を示している。この場合には頁Pのめくり元位置で吸着部35を吸着させたとしても、アーム部34が駆動軸32を中心に回転すると往動の終点位置では吸着部35が本Bから前側に離れることなる。このため、吸着していた頁Pから吸着部35を分離させやすくすることができる。
しかし、スムーズに頁Pがめくれない場合があることがわかった。この原因としては頁めくりの前半から中盤(楕円V部分)で本Bと吸着部35との距離が長くなってしまうことが一因だと考えられる。
【0018】
図4(c)は駆動軸32を本Bの綴じ目b2に対して傾かせ、なおかつ水平面に対しても傾かせた場合、つまり本実施形態の駆動軸32の場合を示している。この場合、頁めくりの前半から中盤(楕円V部分)での本Bと吸着部35との距離が
図4(b)の場合よりも短くなる。
具体的には、
図5は駆動軸32が水平な場合と、水平面に対して傾かせた場合とによって吸着部35の経路の異なりを示す模式図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
図5では、本Bの左右方向をx方向、本Bの上下方向をy方向、本Bの鉛直方向をz方向としている。
図5においては、駆動軸32を水平面に対して傾かせた点を明確にするため、駆動軸32と本Bの綴じ目b2とが一直線上に並んだ場合を示している。
図5に示すように、駆動軸32が水平な場合(図中、点線部)には吸着部35の軌跡n1は、上面から見ると左右方向に沿った直線状となり(
図5(a))、側面から見ると鉛直線方向に沿った直線状となり(
図5(b))、正面から見ると半円状となっている(
図5(c))。一方、水平面に対して駆動軸32を傾かせた場合(図中、実線部)には吸着部35の軌跡n2は、上面から見ると後側を凸にする弧状となり(
図5(a))、側面から見ると上端が後側に傾いた直線状となり(
図5(b))、正面から見ると半円がつぶれた弧状となっている(
図5(c))。
図5(b)に示す軌跡n2は、吸着部35の駆動軌跡平面を側方から見た状態を示しているが、本Bの左右方向と、本Bの鉛直法線とを含む面(xz平面)に対して傾いていることが分かる。
また、
図5(c)から明らかなように、吸着部35から綴じ目b2までの距離は、吸着部35が綴じ目b2上方を通過する際の方が、めくり元位置で頁Pに吸着したときよりも短くなる。つまり、吸着部35が綴じ目b2上方を通過する際においては、軌跡n2の方が軌跡n1よりも本Bから吸着部35までの距離を短くすることが可能となっている。
このことから、
図4(c)に示す本実施形態の場合では、頁めくりの後半で本B(綴じ目b2)と吸着部35との距離を長くし、吸着していた頁Pから吸着部35を分離させやすくするとともに、頁めくりの前半から中盤(楕円V部分)での本B(綴じ目b2)と吸着部35との距離を短くすることができ、頁Pを適度にたるませることができるので、確実に頁Pをめくることが可能となる。
そして、復動時では、往動時と進行方向は逆であり、同経路で吸着部35は頁Pから分離した状態で移動し、最終的に頁Pのめくり元位置で新たな頁Pに吸着する。この往復動作を繰り返すことで頁Pのめくり動作が進行する。
【0019】
なお、本実施形態では、
図4(c)に示すように、駆動軸32が開かれた本Bの綴じ目b2に対して傾いているとともに、水平面に対しても傾いている例で説明したが、駆動軸32が綴じ目b2、水平面のどちらか一方に対して傾いている場合についても、個別に効果があることはもちろんである。
駆動軸32が水平面だけに対して傾いている場合については、後述するように、第二駆動部37を駆動させたり、右側では吸着部35が左側よりも高い位置で止まるようにしたりして、吸着部35を頁から分離させやすくすればよい。
【0020】
次に、アーム部34及び吸着部35の具体的構成について説明する。
図6はアーム部34の概略構成を示す模式図である。
図6に示すようにアーム部34は基端部が駆動軸32に取り付けられた板状部材である。このアーム部34の先端部には例えばモータなどの第二駆動部37を介して吸着部35が取り付けられている。
第二駆動部37はその駆動軸39がアーム部34の長手方向に対して直交する方向に沿うように配置されている。この駆動軸39には吸着部35が着脱自在に取り付けられていて、当該駆動軸39の回転に伴って吸着部35が回転するようになっている。
【0021】
図7は吸着部35の概略構成を示す正面図である。
図7に示すように吸着部35には、円柱状の回転ローラ351と、回転ローラ351の周囲に巻き付けられた粘着部材352とが備えられている。
ここで、第二駆動部37の駆動軸39に対する吸着部35の交換作業効率を向上させたいという要望がある。このため、回転ローラ351を例えばスポンジなどのような弾性体から形成し、その中心部に駆動軸39が嵌合する嵌合穴353を形成している。スポンジ以外の弾性体としてはゴムや発泡体等が挙げられる。嵌合穴353の内径は駆動軸39の外径よりも小さく形成されていて、嵌合穴353に駆動軸39を押し込むことにより回転ローラ351が収縮して嵌合穴353内に駆動軸39が嵌合する。したがって、交換時においても駆動軸39から回転ローラ351を引き抜くだけで取り外せることが可能となっている。このように、回転ローラ351が弾性体であるため、駆動軸39に対する吸着部35の着脱動作を容易に行うことができ、交換作業を容易化することができる。
【0022】
図8は粘着部材352の概略構成を示す斜視図である。
図8に示すように粘着部材352はシート体であり例えば両面テープなどのように両面粘着構造を有している。粘着部材352は二層構造となっていて、本Bに吸着する側(表面側)においては弱粘性で剥がしてもカスが残らない特性と、複数回使用できる特性を有する弱粘層354となっている。他方、裏側においては回転ローラ351に巻き付けられた状態を維持できるように弱粘層354よりも強い粘性を有する強粘層355となっている。そして、粘着部材352には所定の長さ毎にミシン目356が形成されている。
【0023】
図9は、粘着力が弱くなった粘着部材352を剥がす手順を示す説明図である。まず、ユーザーは粘着力が弱くなったと感じた場合、
図9(a)に示すように最表面の粘着部材352を1周分剥がすことで新たな粘着部材352の弱粘層354を露出させる。そして粘着力が弱った部分をミシン目356に沿って切断する。この切断時に
図9(b)に示すように一時的に剥がれた部分があると、ユーザーは当該部分を再度貼り付ける。これにより、新たな弱粘層354が露出するため、頁めくり動作を適切に再開することが可能となる。
【0024】
図1〜
図3に示すように、送風部5は、本Bのめくり元位置の上流側に配置されている。例えば本Bの頁Pが左から右へとめくられる場合は、本Bのめくり元位置にある頁Pよりも左側に送風部5は配置され、本Bの頁Pが右から左へとめくられる場合は、本Bのめくり元位置にある頁Pよりも右側に送風部5は配置される。このため、送風部5はカメラ22の画角から外れた位置に配置されている。また、送風部5には、風を送る送風口51を備えた本体部52と、本体部52を支持する送風台53とを備えている。
本体部52には、送風口51から風を送出するファン部54(
図10参照)と、ファン部54からの風の進行方向(風向)を変更するため風向調整部55(
図10参照)が設けられていてこの風向調整部55によって風向が送風口51を中心に上下方向(
図3における矢印Y2方向)に変更されるようになっている。
送風台53は、本体部52を所定の高さで支持するものである。この送風台53は、めくり先位置にある頁Pよりも高位に送風口51が配置されるように設定されている。これにより、送風口51から送出された風がめくり元位置にある頁Pの上方を通過して、めくり先位置にある頁Pに当たることになる。めくり元位置にある頁Pにはあまり風の影響を与えず、めくり先位置にある頁Pに対しては風の影響が高められている。
【0025】
次に、本実施形態の書画カメラシステム1の主制御構成について説明する。
図10は書画カメラシステム1の主制御構成を示すブロック図である。
図10に示すように、頁めくり装置3の制御部36には、第一駆動部33を駆動するためのモータドライバ361と、第二駆動部37を駆動するためのモータドライバ362と、ファン部54を駆動するためのモータドライバ368と、風向調整部55を駆動するためのモータドライバ369と、各種プログラムが記録されたROM363と、ROM363中のプログラムの実行時に当該プログラムが展開されるRAM364と、各種指示が入力される操作部365と、操作部365からの指示に基づいてROM363中のプログラムをRAM364に展開し実行することでモータドライバ361,362を制御するCPU366と、パソコン4が接続されるI/F367と、電源370とが備えられている。
操作部365には、頁めくり処理を開始させるための開始スイッチ365aと、頁めくり処理を停止させるための停止スイッチ365b等が設けられている。CPU366は、開始スイッチ365aが操作されてから、停止スイッチ365bが操作されるまでにめくられた頁数をN値としてカウントする。このN値はRAM364に記憶されている。
【0026】
パソコン4には、カメラ22で撮像された基準画像G(
図15参照)及び当該基準画像Gから所定領域G2だけトリミングして得られたトリミング画像を記録する記録部41と、種々の操作指示がパソコン4自体に入力されるキーボード、タッチパネル、マウス等の操作手段42とが備えられている。
【0027】
以下、書画カメラシステム1による画像読み取り方法について説明する。
まず、画像読み取り方法における頁めくり処理について説明する。
図11は頁めくり処理の流れを示すフローチャートである。
まず、頁めくり処理が実行される前の準備について説明する。なお、ここでは先ず左側の頁Pのみを連続して撮像し、その後右側の頁Pを連続して撮像する場合を例示して説明する。
ユーザーは、保持台6上に本Bを開いて載置し、その開かれた頁Pのうち、左側の頁Pの上方にカメラ22を配置する。
頁めくり装置3においては、予め起点(復動の終点位置)に吸着部35が配置されるようにアーム部34の位置を合わせる。この際、ユーザーは粘着部材352の粘着性を確認し、粘性が弱い場合には当該弱い部分を剥がし、新たな粘着部材352を露出させておく。そして、本Bを開き、取り込み始めたい頁Pの一頁前の頁Pを開いて、吸着部35を往動の終点位置(復動の起点位置に移動させておく。そして、頁めくり装置3の電源370をONにすると、CPU366がROM363中の頁めくり処理用のプログラムをRAM364に展開し実行する。
【0028】
図11に示すようにステップS1では、CPU366は開始スイッチ365aが操作されたか否かを判断し、操作されていない場合はそのままの状態を継続し、操作された場合はステップS2に移行する。
ステップS2では、CPU366は、RAM364に記憶されているN値を0にリセットする。
ステップS3では、CPU366は、ファン部54を駆動して送風部5からの送風を実行する。このとき、ファン部54の風量は初期風量となっている。また、頁Pのめくり始めには、めくり元位置にある頁Pは多く厚みがある。このため送風部5からの風は、水平よりもわずかに上向く風向となるように風向調整部55が制御されている。
【0029】
ステップS4では、CPU366はアーム部34が右から左に移動(復動)するように第一駆動部33を制御する。
ステップS5では、CPU366は第一駆動部33の駆動時間が第一所定時間を超えたか否かを判断し、第一所定時間以下である場合にはそのまま第一駆動部33の駆動を継続し、第一所定時間を超えた場合にはステップS6に移行する。第一所定時間は、復動の起点から終点までアーム部34を移動させることのできる時間に設定されている。
ステップS6では、CPU366は第一駆動部33を停止する。これにより、吸着部35の回転が停止された状態で左側の頁Pに吸着することになる。
【0030】
ステップS7では、CPU366はアーム部34が左から右に移動(往動)するように第一駆動部33を制御する。
ステップS8では、CPU366は第一駆動部33の駆動時間が第二所定時間を超えたか否かを判断し、第二所定時間以下である場合にはそのまま第一駆動部33の駆動を継続し、第二所定時間を超えた場合にはステップS9に移行する。第二所定時間は、第一所定時間よりも短い時間に設定されており、特にアーム部34が往動し始めてから往動の半分地点を通過する付近から往動を終える前までの時間に設定されていることが好ましい。
ステップS9では、CPU366は第一駆動部33を駆動させたままの状態で第二駆動部37を制御して吸着部35を回転させる。この回転によって、吸着部35を頁Pから分離させる際に吸着部35の吸着強度が変化することになり、吸着部35を頁Pから確実に分離させることが可能となっている。さらに、
図12に示すように往動時では、アーム部34は時計回りに回転している(矢印Y1)。より分離性能を高めるためには、第二駆動部37がアーム部34の揺動とは反対方向、つまり反時計回り(矢印Y3)に吸着部35を回転させることが好ましい。
【0031】
ステップS10では、CPU366は第一駆動部33の駆動時間が第一所定時間を超えたか否かを判断し、第一所定時間以下である場合にはそのまま第一駆動部33及び第二駆動部37の駆動を継続し、第一所定時間を超えた場合にはステップS11に移行する。
ステップS11では、CPU366は第一駆動部33及び第二駆動部37を停止する。第二駆動部37が回転している期間内で、頁Pは吸着部35から分離され、これにより、吸着部35はめくり先位置の頁Pから離れた位置に頁Pから分離した状態で配置されることになる。この位置であると吸着部35及びアーム部34はカメラ22の画角から外れ、めくり機構30全体がカメラ22の画角から外れることになる(
図2(a)参照)。
なお、
図13は一頁分のめくり動作の第一駆動部33及び第二駆動部37の駆動タイミングを示している。
ここでは、第二駆動部37の駆動終了タイミングを第一駆動部33の駆動終了タイミングと同じにする例で説明しているが、第二駆動部37の駆動終了タイミングを第一駆動部33の駆動終了タイミングより早めるようにしてもよい。
【0032】
ステップS12では、CPU366はパソコン4に頁めくり完了信号を出力する。
ステップS13では、パソコン4は、入力された頁めくり完了信号に基づいてカメラ22を制御し、現在開かれている頁P(見開きの状態)の撮像を行う。このとき、めくり機構30及び送風部5はカメラ22の画角から離れているので、現在開かれている頁Pのみが撮像されることになる。カメラ22での撮像画像データは、基準画像Gとして一枚毎(一撮像)にナンバリングされてパソコン4の記録部41に記録される。
【0033】
ステップS14では、CPU366はN値に1を加えてRAM364に記憶する。
ステップS15では、CPU366はN値が第一閾値を超えたか否かを判断し、越えている場合はステップS16に移行して、越えていない場合はステップS17に移行する。めくり先位置に溜まった頁Pが多くなるとめくり元位置へと戻りやすくなってしまうため、初期風量でも確実にめくり先位置の頁Pを押さえることができるめくり量を第一閾値としている。
ステップS16では、CPU366はファン部54を制御して、初期風量よりも大きい風量に変更する。
【0034】
ステップS17では、CPU366はN値が第二閾値を超えたか否かを判断し、越えている場合はステップS18に移行して、越えていない場合はステップS19に移行する。めくった頁Pが多くなると、めくり元位置の頁Pは全体として低くなり、めくり先位置の頁Pの根元(綴じ目)の位置も下がることになる。このため、初期の風向でも確実にめくり先位置の頁Pを押さえることができるめくり量を第二閾値としている。
ステップS18では、CPU366は風向調整部55を制御して、初期の風向よりも下向きの風向に変更する。
【0035】
ステップS19では、CPU366は停止スイッチ365bが操作されたか否かを判断し、操作されていない場合にはステップS2に移行し、操作されている場合には頁めくり処理を終了する。これにより、頁めくり動作と撮像動作が繰り返され、めくり元位置に配置された左側の頁Pの撮像が完了する。
【0036】
一方の頁Pの連続撮像が完了した後には、ユーザーは、本Bを上下方向に逆さにして保持台6上に設置することで、撮像されていない頁Pを左側の保持板61上に配置する。そして、上述した頁めくり処理を再度実行する。なお、この場合、各頁Pの撮像画像データを上下反転させて記録している。
これらの工程によって、本Bの左右の頁Pがそれぞれ連続して撮像され記録されることになる。撮像後においては、パソコン4の記録部41には、左側の各頁Pの画像データ群(第一画像データ群)と、右側の各頁Pの画像データ群(第二画像データ群)とが個別に記録されている。
パソコン4は、第一画像データ群と第二画像データ群とを互い違いに入れ込み両データ群の各頁Pが順番通り並ぶようにデータ順序を再構築して画像データを一体化し、記録部41に記憶する。この場合、各基準画像Gに対しては順番通り再度ナンバリングが行われている。ナンバリングによる値を画像番号と称す。
【0037】
画像データの一体化後、パソコン4は、一体化された画像データの各基準画像Gが頁番号順に並べられているか否かを判断する頁順確認処理を実行する。
頁順確認処理においては、頁P毎に頁番号部分Qを認識して、その順序が正常か否かを判断するプログラムをパソコン4が実行する。
【0038】
図14は、頁順確認処理の流れを示すフローチャートである。
図15は頁Pのめくり始め時点での本Bの状態及び基準画像Gを示している。
なお、以下の説明においては、画像番号が1番目の基準画像が1頁目の頁Pの画像である場合を例示して説明する。
まず、ステップS21では、読み取り始めの頁番号としてパソコン4はM=1とする。
ステップS22では、パソコン4は、一体化された画像データを記録部41から読み出し、画像番号がM番目(ここでは1番目)の基準画像を画面上に表示する。
【0039】
ステップS23では、画面に表示されたM番目の基準画像Gから頁番号部分Qを、ユーザーが操作手段42を操作することで指定する。このように操作手段42は、撮像された画像から頁番号部分Qを指定する本発明に係る指定手段である。ここで、頁番号が3桁となってもその領域内に頁番号が含まれることを想定して頁番号部分Qを指定することが好ましい。
【0040】
ステップS24では、パソコン4は、頁番号部分Qに対して例えばOCRなどのような周知の文字認識処理をして頁番号を認識する。つまり、パソコン4は、指定された頁番号部分Qに対して文字認識処理をして、頁番号を認識する本発明に係る認識手段である。なお、このとき、頁番号部分Qに不要な画像が存在している場合には、マスキングやフィルタリングを施すことで、不要な画像を除去することが正確性を確保するうえでも好ましい。
ステップS25では、パソコン4は、頁番号が認識できたか否かを判断し、認識できた場合にはステップS26に移行して、認識できなかった場合にはステップS27に移行する。これは、頁全体に写真等の画像が表示されている場合など、頁番号が印刷されていない場合に処理を続けるためのフローとなる。
【0041】
ステップS26では、パソコン4は、認識した頁番号とM値とが同じであるか否かを判断し、同じ場合にはステップS27に移行し、異なる場合にはステップS30に移行する。この判断に基づいてパソコン4は、頁番号の順序が正常か否かを判断するようになっている。つまり、パソコン4は本発明に係る判断手段である。
【0042】
ステップS27では、パソコン4は頁順が正常と判断する。
ステップS28では、パソコン4は現在のM値が最後の画像番号と同じであるか否かを判断し、同じ場合には頁順確認処理を終了し、異なる場合にはステップS29に移行する。
ステップS29では、パソコン4は、現在のM値に1を加えてステップS24に移行する。
【0043】
ステップS30では、パソコン4は頁順が異常と判断する。
ステップS31では、パソコン4は、異常の内容が頁番号の重複か否かを判断し、頁番号の重複の場合にはステップS32に移行し、頁抜けの場合にはステップS33に移行する。具体的には、ステップS26で用いた頁番号の方がM値よりも2だけ小さい場合には頁Pを含む画像データ群の読み取り時に取得した基準画像Gが重複していると判断する。他方、ステップS26で用いた頁番号の方がM値よりも2×i(i:1,2,・・・)だけ大きい場合には頁Pを含む画像データ群の読み取り時に取得した基準画像Gに抜けがあると判断する。
【0044】
ステップS32では、パソコン4は頁重複処理を実行する。具体的には、基準画像Gに重複した画像がある旨を画面上に表示することにより、異常が発生したことをユーザーに報知するとともに、重複分の基準画像Gを削除する。頁重複処理後においてはパソコン4は頁順確認処理を終了する。
このように、頁順が異常と判断された場合には、いずれにしろパソコン4によって異常が報知される。つまり、パソコン4が本発明に係る報知手段である。
【0045】
ステップS33では、パソコン4は頁抜け処理を実行する。具体的には、基準画像Gに抜けの画像がある旨を画面上に表示することにより、異常が発生したことをユーザーに報知する。ユーザーは報知に促されることで抜けていた頁を再撮影して、所定の順番に組み込む処理を行う。そして、頁抜け処理後においては、パソコン4は頁順確認処理を終了する。
ステップS22〜ステップS29までが繰り返されることにより、頁のめくり始めの時点からめくり終わり時点までで得られた全画像に対して、頁番号部分Q内の文字認識と、頁番号の順序が正常であるか否かの判断が行われることになる。
【0046】
なお、本実施形態の頁順確認処理では、画像番号が1番目の基準画像が1頁目の頁Pの画像である場合を例示したが、仮に、画像番号が1番目の基準画像が2頁目以降の頁Pの画像である場合も想定される。その場合には、ステップS21でM値として設定する値を「1」とせずに、読み取り始めの頁番号をM値として設定する必要がある。
【0047】
そして、頁順確認処理が終了すると、パソコン4は、頁P毎に撮像された基準画像Gから所定領域G2(
図15参照)を切り出すトリミング処理を実行する。所定領域G2は予めユーザーが操作手段42を操作することでその範囲が指定されている。パソコン4は、指定された所定領域G2に基づき全ての基準画像Gにトリミング処理を施す。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、撮像された各基準画像Gの頁番号がパソコン4によって認識され、その順序が正常であるか否かが判断されるので、ユーザーが目視しなくとも画像取り込みによる頁の重複や抜けを容易に確認することができる。そして、頁順に異常がある場合にはその旨が報知されるため、ユーザーに異常を確実に知らせることも可能である。
【0049】
また、頁順に重複がある場合には重複分の基準画像Gが削除されるので、電子データを閲覧しやすいものにすることができる。さらに、必要最低限の画像数となるため、ファイル容量を抑制することができる。
【0050】
また、頁順確認処理が、頁Pのめくり始め時点から頁Pのめくり終わり時点までで得られた全画像に対して行われるので、全画像に対して一括して頁順確認処理を行うことができ、頁順確認処理の高速化を図ることができる。
【0051】
また、頁順確認処理が、頁Pのめくり始め時点から頁Pのめくり終わり時点までで得られた全画像に対してトリミング処理の前に行われるので、頁順に異常があった場合にトリミング処理が無駄に行われることを防止することができる。
【0052】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、吸着部35が粘着部材352を備えていて当該粘着部材352の粘着性によって頁Pに吸着する場合を例示して説明したが、吸引等によって頁Pに吸着部を吸着させることも可能である。この場合、例えば吸着部の周面に内部空間と連通する連通孔を形成し、吸着部の内部空間とポンプとを連通させることによって、ポンプを駆動し内部空間を負圧にすれば連通孔に対して吸引力が作用することになる。この吸引力を用いて吸着部に頁Pを吸着させることが可能である。
また、吸引、粘着以外にも静電吸着による吸着を吸着部に適用することも可能である。
【0053】
なお、上記実施形態では、ユーザーが操作手段42を操作することで頁番号部分Qを指定している場合を例示しているが、パソコン4が画像処理を施すことによって基準画像Gを解析することで、当該基準画像G中の文章部分と、それとは異なる部分にある数字部分とを個別に認識し、認識した数字部分を頁番号部分Qとして指定することも可能である。この場合パソコン4が本発明に係る指定手段となる。
【0054】
また、上記実施形態では、ステップS13で一方の頁Pのみを撮像して、第一画像データ群を取得し、本Bを置き直して、他方の頁Pを撮像して第二画像データ群を取得して、両者のデータ群をトリミング加工して、頁Pが順番通りに並ぶようにデータ順序を再構築するようにしたが、見開きの2頁を、一回にまとめて撮像して、奇数頁と偶数頁を分割し、それぞれに対して適切な画像処理を行わせるようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、文字認識処理や頁順序の正常判断が、頁順確認処理の一行程として、頁Pのめくり始め時点から頁Pのめくり終わり時点までで得られた全画像に対して行われる場合を例示して説明したが、文字認識処理や頁順序の正常判断は頁めくり装置3のめくり動作中に行われてもよい。
【0056】
具体的には、
図11のステップS13によって一頁分の基準画像Gが得られたら、当該基準画像Gがカメラ22からパソコン4に入力される。パソコン4は、基準画像Gの頁番号部分Qに対して周知の文字認識処理をして頁番号を認識する。なお、頁番号部分Qの指定は、予めユーザーが操作手段42を操作することによって行われていてもよいし、自動でパソコン4が行っていてもよい。
そして、パソコン4は、認識した頁番号が、直前に認識した頁番号よりも所定数だけ多いか否かを判断する。ここでは、奇数頁或いは偶数頁が連続して撮像されているために、所定数は「2」となる。なお、この判断は、最初に得られた基準画像Gに対しては行われない。
【0057】
そして、現在認識した頁番号が直前に認識した頁番号よりも所定数だけ多い場合には、パソコン4は頁順が正常として判断し、そのまま以降の動作を継続させる。
他方、認識した頁番号が直前に認識した頁番号よりも所定数だけ多くない場合には、パソコン4は頁順が異常として判断する。
【0058】
パソコン4は、さらに異常の内容が頁番号の重複か否かを判断する。具体的には、現在認識した頁番号が直前に認識した頁番号と同じであればパソコン4は頁Pが重複していると判断する。他方、現在認識した頁番号が直前に認識した頁番号よりも所定数を越えて多ければパソコン4は頁Pに抜けがあると判断する。
【0059】
頁Pが重複していると判断した場合、パソコン4は、基準画像Gに重複した画像がある旨を画面上に表示することにより、異常が発生したことをユーザーに報知するとともに、頁めくり装置3の制御部36に対して重複対応用の頁めくり動作を実行する指示信号(確認動作指示信号)を出力する。
【0060】
頁めくり装置3の制御部36は、パソコン4から確認動作指示信号が入力されると、通常の頁めくり動作よりもアーム部34の回動を低速度で重複対応用の頁めくり動作を実行する。この動作時においても、カメラ22による基準画像Gの取得や、パソコン4による文字認識処理及び頁順序の正常判断が実行されている。そして、重複対応用の頁めくり動作中にパソコン4が頁順序を正常と判断すると、通常の頁めくり動作へと復帰する旨の指示信号(復帰指示信号)を頁めくり装置3の制御部36に出力する。頁めくり装置3の制御部36は、パソコン4から復帰指示信号が入力されると通常の頁めくり動作を実行する。つまり、頁順序が正常と判断されるまでは、重複対応用の頁めくり動作が繰り返されることになる。
【0061】
また、パソコン4は、重複対応用の頁めくり動作時に頁順序に重複と判断された回数をカウントしている。この回数が所定数を上回ると、吸着部35の機能低下の可能性が高いために、パソコン4は吸着部35の機能の確認を促す旨を画面上に表示する。具体的には、粘着部材352の交換を促す旨の報知である。なお粘着部材352の交換とは、粘着部材352全体を交換するだけでなく、粘着部材352を1周分剥がすことも含まれている。
【0062】
次に、頁Pに抜けがあると判断した場合、パソコン4は、基準画像Gに抜けがある旨を画面上に表示することにより、異常が発生したことをユーザーに報知するとともに、頁めくり装置3の制御部36に対して頁めくり動作を中断する指示信号(中断指示信号)を出力する。頁めくり装置3の制御部36は、パソコン4から中断指示信号が入力されると頁めくり動作を中断する。中断時においては、ユーザーは、抜けとなった頁Pが撮像されるように本Bをセットしてから頁めくり動作を再開させる。
【0063】
このように、本実施形態によれば、文字認識処理及び頁順の正常判断が頁めくり装置3の頁めくり動作中に行われているので、頁順に異常が発生した時点でその旨が報知されることになる。したがって、異常の発生時に対処することができ、頁送り動作や撮像が無駄に行われることを抑制することができる。
【0064】
また、パソコン4によって頁番号に重複があると判断された場合、次にパソコン4が正常と判断するまで頁めくり装置3が頁めくり動作を繰り返すので、重複を修正する機会を与えることができる。
さらに、重複対応用の頁めくり動作時においては、通常時の頁めくり動作よりも低速度でアーム部34が回動するので、頁めくりの確実性が高められた状態で重複対応用の頁めくり動作を実行することができる。
【0065】
また、重複対応用の頁めくり動作の繰り返し時において頁順に重複があると判断された回数が所定回数となると、吸着部35の機能の確認を促す報知が行われるので、異常の原因と考えられる箇所をユーザーに分かりやすく報知することができる。
さらに、重複対応用の頁めくり動作の繰り返し時において頁順に重複があると判断された回数が所定回数となると、粘着部材352の交換を促す報知が行われるので、異常の対策をユーザーに分かりやすく報知することができる。
なお、パソコン4によって頁番号に重複があると判断された場合、頁めくり装置3が頁めくり動作を中断するようにしてもよい。この場合、異常発生後に頁送り動作や撮像が無駄に行われることを抑制することができる。
【0066】
また、パソコン4によって頁番号に抜けがあると判断された場合、頁めくり装置3が頁めくり動作を中断するので、異常発生後に頁送り動作や撮像が無駄に行われることを抑制することができる。
【0067】
なお、上記実施形態では、パソコン4の画面に報知内容を表示することで視覚的な報知を行っているが、視覚的な報知以外にも聴覚的な報知を行うことも可能である。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0069】
〔付記〕
<請求項1>
本の頁をめくる頁めくり装置と、
前記頁めくり装置によってめくられた頁を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像から頁番号部分を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された前記頁番号部分に対して文字認識処理をして、頁番号を認識する認識手段と、
前記認識手段で認識された頁番号の順序が正常か否かを判断する判断手段と、
前記頁番号の順序が正常でないと前記判断手段が判断した場合、異常を報知する報知手段を備えることを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項2>
請求項1記載の書画カメラシステムにおいて、
前記判断手段は、前記頁番号に重複があるか否かを判断し、重複があると判断した場合、重複分の画像を削除することを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項3>
請求項1又は2記載の書画カメラシステムにおいて、
前記認識手段による文字認識処理及び前記判断手段による前記判断は、前記頁のめくり始め時点から前記頁のめくり終わり時点までで得られた全画像に対して行われることを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項4>
請求項3記載の書画カメラシステムにおいて、
前記頁のめくり始め時点から前記頁のめくり終わり時点までで得られた各画像に対して所定の領域が切り出されるトリミング処理が行われる前に、前記認識手段による文字認識処理及び前記判断手段による前記判断が前記全画像に対して行われることを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項5>
請求項1又は2記載の書画カメラシステムにおいて、
前記認識手段による文字認識処理及び前記判断手段による前記判断は、前記頁めくり装置の頁めくり動作中に行われることを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項6>
請求項5記載の書画カメラシステムにおいて、
前記判断手段が、前記頁番号に重複があるか否かを判断し、重複があると判断した場合、前記頁めくり装置は前記判断手段が正常と判断するまで頁めくり動作を繰り返すことを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項7>
請求項5記載の書画カメラシステムにおいて、
前記頁めくり装置は、頁めくり動作の繰り返し時においては通常の頁めくり動作よりも低速度で頁めくり動作を実行することを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項8>
請求項6又は7記載の書画カメラシステムにおいて、
前記頁めくり装置は、開かれた前記本の頁に対して吸着する吸着部を先端に有し、前記頁のめくり元位置で当該頁に前記吸着部を吸着させ、前記頁のめくり先位置で当該頁から前記吸着部を分離させるべく、前記めくり元位置及び前記めくり先位置で前記吸着部を前記頁の上方で往復動作させるように揺動するアーム部を備え、
前記頁めくり動作の繰り返し時において前記判断手段によって前記頁番号に重複があると判断された回数が所定回数となると、前記報知手段は、前記吸着部の機能の確認を促す報知を行うことを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項9>
請求項8記載の書画カメラシステムにおいて、
前記吸着部は、前記頁に粘着する交換自在な粘着部材を備え、
前記報知手段は、前記頁めくり動作の繰り返し時において前記判断手段によって前記頁番号に重複があると判断された回数が所定回数となると、前記粘着部材の交換を促す報知を行うことを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項10>
請求項5記載の書画カメラシステムにおいて、
前記判断手段が、前記頁番号に重複があるか否かを判断し、重複があると判断した場合、前記頁めくり装置は頁めくり動作を中断することを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項11>
請求項5〜10のいずれか一項記載の書画カメラシステムにおいて、
前記判断手段が、前記頁番号に抜けがあるか否かを判断し、抜けがあると判断した場合、前記頁めくり装置は頁めくり動作を中断することを特徴とする書画カメラシステム。
<請求項12>
本の頁をめくる頁めくり行程と、
前記頁めくり行程によってめくられた頁を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程により撮像された画像から頁番号部分を指定する指定行程と、
前記指定行程により指定された前記頁番号部分に対して文字認識処理をして、頁番号を認識する認識行程と、
前記認識行程で認識された頁番号の順序が正常か否かを判断する判断行程と、
前記判断行程で、前記頁番号の順序が正常でないと判断された場合、異常を報知する報知行程を含むことを特徴とする画像読み取り方法。