特許第5910654号(P5910654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5910654情報処理装置、情報処理装置の制御方法、およびプログラム。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5910654
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、およびプログラム。
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20130101AFI20160414BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20160414BHJP
   H03M 11/04 20060101ALI20160414BHJP
   G06F 1/00 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   G06F3/0488 160
   G06F3/023 310L
   G06F1/00 370E
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-60963(P2014-60963)
(22)【出願日】2014年3月24日
(65)【公開番号】特開2014-232522(P2014-232522A)
(43)【公開日】2014年12月11日
【審査請求日】2014年6月25日
(31)【優先権主張番号】特願2013-96081(P2013-96081)
(32)【優先日】2013年4月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301015956
【氏名又は名称】キヤノンソフトウェア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(74)【代理人】
【識別番号】100188938
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 朱里
(72)【発明者】
【氏名】岩本 幹雄
【審査官】 遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−284375(JP,A)
【文献】 特開2009−259153(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0212763(US,A1)
【文献】 特開2012−203535(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0265759(US,A1)
【文献】 特開2009−175396(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0016040(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0136466(US,A1)
【文献】 特開2012−238101(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0287064(US,A1)
【文献】 特開2009−009193(JP,A)
【文献】 特開2005−345543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041−3/0489
G06F 3/014−3/153
G06F 1/00
G06F 3/023
H03M 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部へ表示される内容を外部出力装置に出力表示可能な情報処理装置であって、
前記表示される内容を識別する表示内容識別手段と、
前記表示内容識別手段により識別される前記表示される内容に、予め定められた表示制限すべき入力画面であって当該入力画面への入力にはソフトウェアキーボードが利用される入力画面が含まれる場合、前記ソフトウェアキーボードの上にダミーのソフトウェアキーボード画面を表示制御することで、選択されたキーが特定できないように前記外部出力装置への表示を制限する入力画面表示制御手段と、
実際に表示されているソフトウェアキーボードのスクリーンショット画像を撮影するスクリーンショット画像撮影手段と、
を有し、
前記入力画面表示制御手段は、前記ダミーのソフトウェアキーボード画面として、前記スクリーンショット画像撮影手段により撮影された実際に表示されたソフトウェアキーボードのスクリーンショット画像を表示制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記入力画面表示制御手段は、前記外部出力装置と接続されている場合に入力画面表示制御を行うことを特徴とする請求項記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示内容が制限されていない入力画面を表示する第1のビデオメモリと、前記表示内容を制限して入力画面を表示するための第2のビデオメモリを有し、
前記入力画面表示制御手段は、前記表示部への表示には前記第1のビデオメモリを利用して前記表示内容が制限されていない入力画面を表示し、一方、前記外部出力装置への表示には、前記第2のメモリを利用して前記表示内容が制限された入力画面を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記入力画面は、パスワード入力画面であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
表示部へ表示される内容を外部出力装置に出力表示可能な情報処理装置の制御方法であって、
前記表示される内容を識別する表示内容識別ステップと、
前記表示内容識別ステップにより識別される前記表示される内容に、予め定められた表示制限すべき入力画面であって当該入力画面への入力にはソフトウェアキーボードが利用される入力画面が含まれる場合、前記ソフトウェアキーボードの上にダミーのソフトウェアキーボード画面を表示制御することで、選択されたキーが特定できないように前記外部出力装置への表示を制限する入力画面表示制御ステップと、
実際に表示されているソフトウェアキーボードのスクリーンショット画像を撮影するスクリーンショット画像撮影ステップと、
を有し、
前記入力画面表示制御ステップは、前記ダミーのソフトウェアキーボード画面として、前記スクリーンショット画像撮影ステップにより撮影された実際に表示されたソフトウェアキーボードのスクリーンショット画像を表示制御することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
表示部へ表示される内容を外部出力装置に出力表示可能な情報処理装置で実行されるプログラムあって、
前記情報処理装置を、
前記表示される内容を識別する表示内容識別手段と、
前記表示内容識別手段により識別される前記表示される内容に、予め定められた表示制限すべき入力画面であって当該入力画面への入力にはソフトウェアキーボードが利用される入力画面が含まれる場合、前記ソフトウェアキーボードの上にダミーのソフトウェアキーボード画面を表示制御することで、選択されたキーが特定できないように前記外部出力装置への表示を制限する入力画面表示制御手段と、
実際に表示されているソフトウェアキーボードのスクリーンショット画像を撮影するスクリーンショット画像撮影手段と、
を有し、
前記入力画面表示制御手段は、前記ダミーのソフトウェアキーボード画面として、前記スクリーンショット画像撮影手段により撮影された実際に表示されたソフトウェアキーボードのスクリーンショット画像を表示制御することを特徴とする情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタなどの外部出力装置に画像を出力可能な情報処理装置におけるパスワード入力画面を表示制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年タブレット端末やスマートフォンをプロジェクタやディプスレイなどの外部出力装置に接続して利用されるようになっている。
【0003】
ところで、タブレット端末やスマートフォンなどのソフトウェアキーボードにより文字を入力する装置には、入力した文字が協調表示されたり、パスワード欄へ入力する際には、入力した文字が所定時間表示した後にドッドなどで非表示されたりすることがある。
【0004】
これでは、外部出力装置に接続して画面を表示した場合、見ている人にパスワードを推測されてしまう恐れがあり、パスワードの推測をされないようにしたいという要望がある。
【0005】
特許文献1には、プレゼン以外のウィンドウを確実に非表示とすることができ、プレゼンのスマートさを維持しつつ情報の保護も図ることができる画面表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−14181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された画像表示装置によれば、プレゼン用の画面をあらかじめ登録しておき、プレゼン以外の画面はプロジェクタに表示させないようになっており、これによればパスワード入力画面を表示しないようにすることは確かに可能である。
【0008】
しかしながら、特許文献1では、画面を表示させないために、プレゼン画面を事前に登録しておくことが必要である。また、プレゼン画面内で、パスワード入力が必要となった場合には表示されてしまうことになってしまう。
【0009】
そこで、本発明では、表示される画面の内容に応じて、入力されたパスワード入力画面の表示制限を行うことが可能な情報処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
表示部へ表示される内容を外部出力装置に出力表示可能な情報処理装置であって、前記表示される内容を識別する表示内容識別手段と、前記表示内容識別手段により識別される前記表示される内容に、予め定められた表示制限すべき入力画面であって当該入力画面への入力にはソフトウェアキーボードが利用される入力画面が含まれる場合、前記ソフトウェアキーボードの上にダミーのソフトウェアキーボード画面を表示制御することで、選択されたキーが特定できないように前記外部出力装置への表示を制限する入力画面表示制御手段と、実際に表示されているソフトウェアキーボードのスクリーンショット画像を撮影するスクリーンショット画像撮影手段と、を有し、前記入力画面表示制御手段は、前記ダミーのソフトウェアキーボード画面として、前記スクリーンショット画像撮影手段により撮影された実際に表示されたソフトウェアキーボードのスクリーンショット画像を表示制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示される画面の内容に応じて、入力されたパスワード入力画面の表示制限を行うことが可能な情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の情報処理装置と外部出力装置とが接続されたステム構成の一例を示すシステム構成図である。
図2】本発明の情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。
図3】本発明の情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】本発明の情報処理装置における画面表示制御の全体処理の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の情報処理装置におけるパスワード入力画面表示処理の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の情報処理装置におけるパスワード入力画面の表示設定画面の一例を示す図である。
図7】本発明の情報処理装置における表示制御がされた外部出力装置の「パスワード入力画面(1)〜(3)」の一例を示す図である。
図8】本発明の情報処理装置における表示制御がされた外部出力装置の「パスワード入力画面(4)〜(5)」の一例を示す図である。
図9】本発明の情報処理装置における画面表示制限処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本発明の情報処理装置における外部出力装置のビデオメモリ領域の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の情報処理装置と外部出力装置とが接続されたステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【0015】
情報処理装置100が外部出力端子101を介してプロジェクタ110やディスプレイ120などの外部出力装置に接続されている。情報処理装置の表示部や接続された外部出力装置の表示部への出力内容(画像や映像)を出力表示可能となっている。
【0016】
情報処理装置100は、iOS(登録商標)やアンドロイド(登録商標)などのオペレーティングシステムによって動作が可能である。キーボードやマウスを有していないので、指やタッチペンなどによるタッチ操作により入力を行う。
【0017】
また、ユーザログインが必要なサイトやメニューを利用する場合には、パスワード入力画面102が表示される。この際、入力にはソフトウェアキーボード104が利用される。例えばユーザID103やパスワード102を入力するために利用される。
【0018】
その際、パスワード104に文字や記号が入力されると、所定時間表示され(例えば「a」)、所定時間経過後はマスク表示(例えば「●●」)などで非表示とされるようになっている。
【0019】
また、ソフトウェアキーボード104の任意のキー105(例えば「A」)を入力すると、入力されたことがわかるように色が変わったり、一時的にポップアップ表示されたりするようになっている。
【0020】
外部出力端子101を介して接続されるプロジェクタ110や、ディスプレイ120は、情報処理装置と同じ画面を表示するモードや、情報処理装置の拡張ディスプレイとして利用するモードを切り替えて利用される。情報処理装置1台に対して、外部出力装置を複数接続することも可能である。
【0021】
プロジェクタ110は、情報処理装置に表示される画像(映像も含む)を大型スクリーンなどに投影することにより表示する装置である。プロジェクタには色々な種類があるが、CRTや液晶を使い、画像を拡大して投影する装置のことを指すのが一般的である。
【0022】
外部出力装置に情報処理装置に表示されるパスワード入力画面がそのまま表示されてしまうと、パスワードが知られてしまうおそれがあるので、外部出力装置に接続されている場合は、パスワード入力画面を表示制御することを本発明では実現している。
【0023】
図2は、本発明の情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。
【0024】
図2に示すように、情報処理装置100では、システムバス200を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶装置204、入力コントローラ205、音声入力コントローラ206、ビデオコントローラ207、メモリコントローラ208、よび通信I/Fコントローラ209が接続される。
【0025】
CPU201は、システムバス200に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0026】
ROM202あるいは記憶装置204は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本情報処理方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0027】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは記憶装置204からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0028】
入力コントローラ205は、キーボード/タッチパネル210などの入力装置からの入力を制御する。入力装置はこれに限ったものでなく、マウスやマルチタッチスクリーンなどの、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0029】
ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができる。
【0030】
この入力装置を用いて各種通信装置で利用可能な通信宛先に対する宛先を入力するようになっている。
【0031】
音声入力コントローラ206は、マイク211からの入力を制御する。マイク211から入力された音声を音声認識することが可能となっている。
【0032】
ビデオコントローラ207は、ディスプレイ212などの外部出力装置への表示を制御する。ディスプレイは本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。なお、外部出力装置はディスプレイに限ったものははく、例えばプロジェクタであってもよい。また、前述のタッチ操作により受け付け可能な装置については、キーボード/タッチパネル210からの入力を受け付けることも可能となる。
【0033】
なおビデオコントローラ207は、表示制御を行うためのビデオメモリ(VRAM)を制御することが可能で、ビデオメモリ領域としてRAM203の一部を利用することもできるし、別途専用のビデオメモリを設けることも可能である。
【0034】
本発明では、ユーザが情報処理装置を通常する場合の表示に用いられる第1のビデオメモリ領域と、所定の画面が表示される場合に、第1のビデオメモリ領域の表示内容に重ねての表示に用いられる第2のビデオメモリ領域を有している。ビデオメモリ領域は2つに限ったものではなく、情報処理装置の資源が許す限り複数有することが可能なものとする。
【0035】
メモリコントローラ208は、外部メモリ213へのアクセスを制御する。外部メモリとしては、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、および各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク)、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等を利用可能である。
【0036】
通信I/Fコントローラ209、ネットワーク214を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信やISDNなどの電話回線、および携帯電話の3G回線を用いた通信が可能である。
【0037】
なお、記憶装置204は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0038】
また本実施形態における通信端末で行われる各種処理時の一時的なメモリエリアとしても利用可能である。
【0039】
図3は、本発明の情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0040】
情報処理装置100は、表示画面識別部301、パスワード入力画面表示制御部302、外部出力装置検知部303、パスワード入力画面表示設定部304、パスワード入力画面表示設定記憶部305、およびスクリーンショット撮影部306の各機能を備える。
【0041】
表示画面識別部301は、情報処理装置100の画面に表示されている表示画面(内容)を識別する。具体的には表示画面がパスワード入力画面であるか否かを判定するものである。パスワード入力画面であった場合、パスワード入力画面表示制御部302が所定の条件で、パスワード入力画面への表示を制限し、表示制御する。
【0042】
所定の条件とは、パスワード入力画面表示設定部304で設定可能な条件であって、パスワード入力画面での表示内容の制限方法について設定される。図6に示すパスワード入力画面表示設定画面にて設定される。
【0043】
パスワード入力画面表示設定画面で設定された内容は、パスワード入力画面表示設定記憶部305に記憶される。当該記憶部は、記憶装置204によって実現される。
【0044】
これら表示画面の識別やパスワード入力画面の表示制御は、情報処理装置が外部出力装置(プロジェクタ110やディスプレイ120)に接続されている場合に行われる。例えば、外部出力端子に外部出力装置が接続されたことを、外部出力装置検知部303が検知し、検知されたら処理を始めるようしてもよい。
【0045】
スクリーンショット撮影部306は、ソフトウェアキーボードや表示画面全体のスクリーンショットを撮影することが可能で、撮影されたすクリーンショットはパスワード入力画面を表示制御する場合のダミー画像として利用される。
【0046】
図4は、本発明の情報処理装置における画面表示制御の全体処理の一例を示すフローチャートである。
【0047】
本フローチャートは、本発明の情報処理装置で表示制御用のプログラムが起動されることで処理が開始される。
【0048】
ステップS401は、起動された表示制御用プログラムが終了されるまで処理を繰り返す(ループ1)。なお、表示制御用のプログラムは、例えば外部出力装置が接続されたことに応じて起動するようにしてもよいし、また、外部出力装置が接続されないこと(取り外された場合など)に応じて終了するようにしてもよい。
【0049】
次にステップS402で、表示する画面がパスワード入力画面かどうかを判定する。パスワード入力画面かどうかの判定は、例えばhttp通信であれば、htmlのタグに含まれるパスワード入力画面で利用される文字列(例えば<input type=“password”>があれば、パスワード入力のテキストボックスであり、パスワード入力画面であるという判断ができる。
【0050】
また、OSによって制御されるロック解除などのパスワード入力画面の場合、OSからパスワード入力画面であることの情報を取得したか否かにより特定可能である。
【0051】
なお、本実施形態では、便宜上パスワード入力画面として説明をするが、表示制限を行う画面はパスワード入力画面に限ったものではなく、例えばユーザ名の入力欄であったり、年齢や生年月日などの個人情報の入力欄であったり、ステップS402に示すような方法で判断可能である所定の画面に対しても適用可能である。
【0052】
この場合、図6に示す表示の制限設定画面は、表示制限を行う画面に対応した選択が行えるようにすればよい。
【0053】
パスワード入力画面が表示されるまで、ステップS401とループ処理を行い、パスワード入力画面が表示された場合には、ステップS403に進む。
【0054】
ステップS403では、パスワードの入力画面が終わるまで、即ち、パスワード入力画面でOKやキャンセルが選択されるか、別の画面が表示されることによりパスワード入力画面がアクティブでなくなるまで処理を繰り返す(ループ2)。
【0055】
ステップS404では、外部出力装置に表示されるパスワード入力画面の表示制限を行う、パスワード入力画面表示処理を行う。詳細については後述する。
【0056】
ループ2で、パスワード入力画面が表示されなくなったら、ステップS405で、画面表示を通常の画面表示に戻し、処理を終了する。
【0057】
図5は、本発明の情報処理装置におけるパスワード入力画面表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0058】
ステップS501で、パスワード入力画面設定情報を取得する。パスワード入力画面設定とは、パスワード入力画面を、どのように表示制限して表示させるのかを設定した情報である。事前に管理者により設定が可能である。パスワード入力画面設定については図6を用いて後述する。
【0059】
ステップS502では、設定によってパスワード入力画面に表示制限を行うか否かを判定する。パスワード表示制限を行わない場合は処理を終了し、一方、表示制限を行う場合は、ステップS503に進み、上述のパスワード入力画面でなされた設定に従い画面表示制限処理(図9を用いて後述)を行い終了する。
【0060】
図6は、本発明の情報処理装置におけるパスワード入力画面の表示設定画面の一例を示す図である。
【0061】
不図示のメニューから「パスワード入力画面」を選択することで表示される画面である。設定された内容は、保存ボタンが押下されることで、図3のパスワード入力画面表示設定記憶部305に記憶され、画面表示制限処理に利用される。
【0062】
情報処理装置100にパスワード入力画面の表示設定を行う画面として表示され、設定された内容は、記憶装置204に記憶される。設定が完了したら保存ボタンを押下することで設定が保存される。キャンセルが押下されると設定がキャンセルされる。
【0063】
パスワード入力画面表示設定601は、パスワード入力画面の表示制限602、制限しないか603(制限しないで表示する)、および、外部出力装置との接続条件604の設定項目が準備されている。
【0064】
外部出力装置との接続条件604では、表示制限を行う接続状態について設定が可能である。「プロジェクタ接続時に有効」を選択すると、情報処理装置100がプロジェクタ110に接続されている場合に表示制限が有効になる。「外部ディスプレイ接続時に有効」を選択すると、情報処理装置100がディスプレイ120に接続されている場合に表示制限が有効になる。
【0065】
どちらも選択されている場合は、プロジェクタ110に接続されていてもディスプレイ120に接続されていても表示制限が有効になる。例えば、どの外部出力装置に接続されていても表示制限を行いたい場合には、どちらも選択すればよい。
【0066】
また、「常に有効」が選択されると、外部出力装置に接続されていない状態であっても出力制限を行うことが可能である。
【0067】
パスワード入力画面の表示制限602では、(1)から(5)の5種類の表示制限を選択することができる。ユーザはどれかの項目をラジオボタンで選択するようになっている。なお、パスワード入力画面の表示制限の設定に関しては、これに限ったものではなく、例えばプルダウン表示により選択させたり、チェックボックスにより複数選択させたり、さまざまな設定を行えることは言うまでもない。
【0068】
図7および図8は、本発明の情報処理装置における表示制限がされた「パスワード入力画面(1)〜(5)」の一例を示す図である。
【0069】
図7においては情報処理装置と外部出力装置がディスプレイケーブルなどにより有線で接続されている例を示し、図8においては情報処理装置と外部出力装置が無線により接続されている例を示している。これは本発明において利用できる接続形態を便宜的に示したものであって、図7の接続を有線により接続してもよいし、図8の接続を有線により接続しても構わない。
【0070】
無線の場合の接続形態としては、ビデオコントローラ207に無線用モジュールを接続し、ディスプレイ212に接続された無線用モジュールと通信することで実現可能である。また、無線LANを利用して接続することも可能である。
【0071】
図7は、情報処理装置100のパスワード入力画面表示制御部によって表示制御された画面例である。画面はプロジェクタ110に映ったものを例にして説明しているが、ディスプレイに表示されてもよいものとする。
【0072】
表示設定画面において(1)「パスワード入力欄を表示しない」が選択された場合と、図7の画面(1)のように表示される。画面では、パスワード入力欄701が表示されないよう表示制御される。
【0073】
この場合、ユーザが操作している情報処理装置100の表示部には、パスワード入力欄が図のようにそのまま表示され、プロジェクタ110には、マスクされた画像が表示される。この時、ビデオメモリは、情報処理装置100の表示部に表示するための第1のビデオメモリ領域の他に、マスクするための画像を処理する第2のビデオメモリ領域が利用される。詳細については図10を利用して後述する。
【0074】
表示設定画面において(2)の「ソフトキーボードを表示しない」が選択されると、図7の画面(2)のように表示される。画面では、ソフトウェアキーボード702が表示されないように表示制御される。また、表示制御の方法としては、ソフトウェアキーボードは表示しておき、選択(タッチ)されたキーを強調表示しないように制御するようにしてもよい。
【0075】
表示設定画面において(3)の「入力欄・キーボードともに表示しない」が選択された場合、図7の画面(3)のように表示される。画面では、パスワード入力欄703およびソフトウェアキーボード704の両方が表示されないように表示制御される。なお、画面(2)と同様にソフトウェアキーボードの選択されたキーを強調表示しないように制御するようにしてもよい。
【0076】
表示設定画面において(4)の「全体を表示しない」が選択されると、図8の画面(4)のように表示される。画面では、ソフトウェアキーボード全体が表示されないように表示制御される。
【0077】
表示設定画面において(5)の「ダミー画面を表示する」が選択されると、図8の画面(5)のように表示される。ダミー画面はあらかじめ設定しておくことで表示させることが可能である。例えば、(2)(3)でソフトウェアキーボードの選択(タッチ)されたキーを強調表示しないように制御するかわりに、ソフトウェアキーボードの表示位置にダミーのソフトウェアキーボードを表示するようにしてもよい。
【0078】
なお、ダミーのソフトウェアキーボードは、実際に表示されるソフトウェアキーボードのOSのコピー機能であるスクリーンショット画像を撮影することで、ダミーのソフトウェアキーボードを作成することができる。
【0079】
図9は、本発明の情報処理装置における画面表示制限処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
図5の画面表示制限処理に対応する。なお、本フローチャートの説明では図6のパスワード入力画面で選択された番号(1)〜(5)を利用して説明する。
【0081】
ステップS901では、ダミー画面の表示を行うか否かを判定する。ダミー画面を表示する(表示の制限で(5)が選択)場合は、S908に進み表示制限する為のビデオメモリ領域にダミー画像データを設定する。ダミー画像とは、図3のスクリーンショット撮影部306によって撮影された場像などを利用可能である。一方、ダミー画面の表示を行わない場合(表示制限で(5)外が選択)は、ステップS902に進む。
【0082】
ステップS902では、パスワード入力欄701の表示制限(マスク)を行うか否かを判定する。表示制限を行う場合(表示の制限で(2)以外が選択)は、ステップS903でOSによって制御されるパスワード入力欄701の位置を取得しステップS904に進む。
【0083】
一方、パスワード入力欄701の表示制限を行わない場合(表示の制限で(2)が選択)は、ステップS904に進む。
【0084】
ステップS904では、ソフトウェアキーボード104の表示制限を行うか否かを判定する。表示制限を行う場合(表示の制限で(1)以外が選択)は、ステップS905に進み、OSによって制御されるソフトウェアキーボード104の表示位置を取得しステップS906に進む。
【0085】
一方、ソフトウェアキーボード104の表示制限を行わない場合(表示の制限で(1)が選択)は、S906に進む。
【0086】
ステップS906では、表示制限する為のビデオメモリ領域にステップS903、S905で取得した座標を黒色(マスク)に設定する。
【0087】
ステップS907では、外部出力装置のビデオメモリ領域に、ステップS908、S906で作成した、表示制御する為のビデオメモリ領域を重ねて終了する。ビデオメモリ領域の一例について図9を利用して説明する。
【0088】
図10は本発明の情報処理装置における外部出力装置のビデオメモリ領域の一例を示す図である。
【0089】
1001および1002は、ビデオメモリ領域のイメージを示す図である。通常のビデオメモリ領域(第1のVRAM)は、情報処理装置を操作していて表示部や外部出力装置に出力するときに利用されるビデオメモリ領域である。通常このビデオメモリ領域の内容が出力される。
【0090】
これに対してマスク用のビデオメモリ領域(第2のVRAM)は、本発明で表示画面の制限を行う際に、ダミー画像やマスク画像を表示するためのビデオメモリ領域である。
【0091】
図10に示す例では、通常のビデオメモリ領域1001の表示内容に対して、マスク用のビデオメモリ領域1002の内容が重ねあわされて表示され、図7の(3)に示すように表示制限される。
【0092】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0093】
また、本発明におけるプログラムは、フローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体はフローチャート処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0094】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0095】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0096】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0097】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0098】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0099】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0100】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0101】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
100 情報処理装置
200 システムバス
300 公衆回線
400 インターネット回線
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 記憶装置
205 入出力コントローラ
206 音声入力コントローラ
207 ビデオコントローラ
208 メモリコントローラ
209 通信I/Fコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10