特許第5910893号(P5910893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5910893
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】LEDランプ
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20160414BHJP
   F21V 29/74 20150101ALI20160414BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20160414BHJP
   F21V 29/67 20150101ALI20160414BHJP
   F21V 29/15 20150101ALI20160414BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20160414BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20160414BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160414BHJP
【FI】
   F21S2/00 230
   F21S2/00 224
   F21V29/74
   F21V29/503
   F21V29/67 100
   F21V29/15
   F21S2/00 216
   F21V19/00 170
   H01L33/00 450
   F21Y101:02
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-38253(P2014-38253)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-162422(P2015-162422A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2015年6月19日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135965
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 要泰
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 匠史郎
(72)【発明者】
【氏名】丸田 晃三
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3171218(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0314985(US,A1)
【文献】 特開2013−138032(JP,A)
【文献】 特開2013−077575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S2/00−19/00
F21V23/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に沿って形成された貫通孔を有する柱状のLED支持体と、該LED支持体の側面に装着されたLEDと、前記LED支持体の第1の端部の側に設けられた冷却ファンと、前記LED支持体の第2の端部の側に設けられた口金と、前記LED支持体の第2の端部と前記口金の間に形成された冷却空気出口室と、を有し、
前記冷却ファンからの冷却用空気は、前記貫通孔の第1の開口から前記貫通孔に入り、前記貫通孔の第2の開口から出て、前記冷却空気出口室を経由して外部に導かれるように構成されており、
前記冷却空気出口室には前記貫通孔の第2の開口から出た冷却用空気を半径方向外方に分散させる空気流分散部材が設けられていることを特徴とするLEDランプ。
【請求項2】
軸線方向に沿って形成された貫通孔を有する柱状のLED支持体と、該LED支持体の側面に装着されたLEDと、前記LED支持体の第1の端部の側に設けられた冷却ファンと、前記LED支持体の第2の端部の側に設けられた口金と、前記LED支持体の第2の端部と前記口金の間に形成された冷却空気出口室と、を有し、
前記冷却ファンからの冷却用空気は、前記貫通孔の第1の開口から前記貫通孔に入り、前記貫通孔の第2の開口から出て、前記冷却空気出口室を経由して外部に導かれるように構成されており、
前記LED支持体の第2の端部には前記貫通孔の第2の開口から出た冷却用空気を半径方向外方に導くための鍔部が設けられていることを特徴とするLEDランプ。
【請求項3】
軸線方向に沿って形成された貫通孔を有する柱状のLED支持体と、該LED支持体の側面に装着されたLEDと、前記LED支持体の第1の端部の側に設けられた冷却ファンと、前記LED支持体の第2の端部の側に設けられた口金と、前記LED支持体の第2の端部と前記口金の間に形成された冷却空気出口室と、を有し、
前記冷却ファンからの冷却用空気は、前記貫通孔の第1の開口から前記貫通孔に入り、前記貫通孔の第2の開口から出て、前記冷却空気出口室を経由して外部に導かれるように構成されており、
前記冷却ファンと前記LED支持体の第1の端部の間に断熱性材料によって形成された仕切り部材が設けられていることを特徴とするLEDランプ。
【請求項4】
請求項記載のLEDランプにおいて、
前記冷却ファンは筐体に支持されており、該筐体は前記仕切り部材に装着されていることを特徴とするLEDランプ。
【請求項5】
軸線方向に沿って形成された貫通孔を有する柱状のLED支持体と、該LED支持体の側面に装着されたLEDと、前記LED支持体の第1の端部の側に設けられた冷却ファンと、前記LED支持体の第2の端部の側に設けられた口金と、前記LED支持体の第2の端部と前記口金の間に形成された冷却空気出口室と、を有し、
前記冷却ファンからの冷却用空気は、前記貫通孔の第1の開口から前記貫通孔に入り、前記貫通孔の第2の開口から出て、前記冷却空気出口室を経由して外部に導かれるように構成されており、
前記LED支持体の第2の端部と前記口金の間に支柱が設けられており、該支柱によって前記冷却空気出口室が形成されていることを特徴とするLEDランプ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載のLEDランプにおいて、
前記LED支持体の貫通孔に放熱用のフィンが設けられていることを特徴とするLEDランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを用いたLEDランプに関し、特に、冷却ファンを備えたLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(以下、LED:Light Emitting Diode)を光源とするLEDランプが広く普及している。近年、LEDランプの用途の拡大に伴って、LEDランプの高出力化及び高電力化が求められている。LEDランプは、放電ランプと比較して高い発光効率を有する利点があるが、LEDが高温化すると、発光効率が低下する欠点がある。そこで、LEDの高温化を防止するために様々な手段が講じられている。例えば、LEDを冷却するための冷却ファンを設ける。特許文献1には、密閉された外球内にLED素子とガス流加速用ファンを設けたLEDランプが開示されている。
【0003】
冷却ファンの性能が低下すると、LEDが高温化し発光効率が低下する。冷却ファンの性能低下は、モータの潤滑油の劣化に起因する場合が多い。潤滑油の劣化は高温では加速される。特許文献2には、冷却ファンの信頼性を向上させるための手段として気流制御部を設けたLED照明装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-156036号公報
【特許文献2】特開2012-226960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
冷却ファンの性能の低下を防止するには冷却ファンのモータの高温化を防止する必要がある。一方、LEDの高温化を防止するためにはLED支持体から効率的に熱を逃がす必要がある。
【0006】
本発明の目的は、冷却ファンの性能低下を防止すると同時に、LEDの高温化を防止し、それによって、高電力且つ高出力が可能なLEDランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によると、LEDランプは、軸線方向に沿って形成された貫通孔を有する柱状のLED支持体と、該LED支持体の側面に装着されたLEDと、前記LED支持体の第1の端部の側に設けられた冷却ファンと、前記LED支持体の第2の端部の側に設けられた口金と、前記LED支持体の第2の端部と前記口金の間に形成された冷却空気出口室と、を有し、
前記冷却ファンからの冷却用空気は、前記貫通孔の第1の開口から前記貫通孔に入り、前記貫通孔の第2の開口から出て、前記冷却空気出口室を経由して外部に導かれるように構成されている。
【0008】
実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記LED支持体の貫通孔に放熱用のフィンが設けられてよい。
【0009】
実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記空間には前記貫通孔の第2の開口から出た冷却用空気を半径方向外方に分散させる空気流分散部材が設けられてよい。
【0010】
実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記LED支持体の第2の端部には前記貫通孔の第2の開口から出た冷却用空気を半径方向外方に導くための鍔部が設けられてよい。
【0011】
実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記冷却ファンと前記LED支持体の第1の端部の間に断熱性材料によって形成された仕切り部材が設けられてよい。
【0012】
実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記冷却ファンは筐体に支持されており、該筐体は前記仕切り部材に装着されてよい。
【0013】
実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記LED支持体の第2の端部と前記口金の間に支柱が設けられており、該支柱によって前記冷却空気出口室が形成されてよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、冷却ファンの性能低下を防止すると同時に、LEDの高温化を防止し、それによって、高電力且つ高出力が可能なLEDランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施形態に係るLEDランプの構成例を説明する図である。
図2図2は、本実施形態に係るLEDランプにおける熱の流れを説明する説明図である。
図3A図3Aは、本実施形態に係るLEDランプにおける冷却空気流を説明する説明図である。
図3B図3Bは、本実施形態に係るLEDランプの他の例における冷却空気流を説明する説明図である。
図3C図3Cは、本実施形態に係るLEDランプの更に他の例における冷却空気流を説明する説明図である。
図3D図3Dは、本実施形態に係るLEDランプの更に他の例における冷却空気流を説明する説明図である。
図3E図3Eは、本実施形態に係るLEDランプの更に他の例における冷却空気流を説明する説明図である。
図4A図4Aは、本実施形態に係るLEDランプのLED支持体の貫通孔に設けたフィンの構造の例を示す図である。
図4B図4Bは、本実施形態に係るLEDランプのLED支持体の貫通孔に設けたフィンの構造の例を示す図である。
図4C図4Cは、本実施形態に係るLEDランプのLED支持体の貫通孔に設けたフィンの構造の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るLEDランプの実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同一の要素に対しては同一の参照符号を付して、重複した説明を省略する。
【0017】
図1を参照して本実施形態に係るLEDランプの例を説明する。LEDランプ10は、LED支持体11と、その一方の側に設けられた口金13と、口金13とは反対側に設けられた冷却ファン15と、LED支持体11と冷却ファン15の間に設けられた仕切り部材17と、を有する。冷却ファン15は、直流ブラシレスモータによって駆動される軸流ファンであってよい。冷却ファン15は、筐体151に支持されている。筐体151は、仕切り部材17に支持されている。仕切り部材17は断熱性材料、例えば、プラスチック、樹脂、シリコンゴム等によって形成される。
【0018】
LED支持体11の中心軸線と冷却ファン15の中心軸線(回転軸線)は、LEDランプの中心軸線に整合している。本実施形態に係るLEDランプは、外球を設けない開放型である。
【0019】
LEDランプ10は、更に、LED支持体11の両側に設けられたフランジ板19A、19Bと、口金側フランジ板19Bより所定の間隔にて配置された支持板21と、口金13と支持板21の間に装着された絶縁体23と、口金側フランジ板19Bと支持板21の間に設けられた支柱25を有する。口金側フランジ板19Bと支持板21の間には、支柱25の寸法に対応する空間によって構成された冷却空気出口室26が形成されている。冷却空気出口室26はLEDランプ10の周囲の外部空間に直接接続されている。
【0020】
LED支持体11は柱状又は筒状であり、その側面に光源となる複数のLED30が装着されている。図示の例では、LED支持体11は4角柱状であるが、6角柱状等の多角柱状であってもよい。各側面に2つのLED30が装着されているが、3つ以上のLEDを装着してもよい。LED30は、正方形の基板30Bとその上に装着された円形のLED素子30Aを有する。LED素子30Aは、複数のLED(発光ダイオード)を含む。LED素子は図示しないリード線によって直列に接続されている。
【0021】
LED支持体11は、熱伝導性が高い金属、例えば、銅、アルミニウム合金、ステンレス鋼、等によって構成され、ヒートシンクの機能を有する。LED支持体11の内部には軸線方向に沿って貫通孔111(図3A)が形成されている。この貫通孔の内面には、薄い板状の多数の放熱用のフィン113(図3A)が設けられている。フィン113は、貫通孔の軸線方向に沿って全長に渡って延びている。フィンの形状は特に限定されない。
【0022】
図2を参照して、仕切り部材17の機能を説明する。上述のように、冷却ファン15の性能低下は、モータの潤滑油の劣化に起因する場合が多い。潤滑油の劣化は高温では加速される。LEDランプ10の発熱源は、LED支持体11に装着されたLED素子30Aである。LED素子30Aが発生した熱は、ヒートシンクの機能を有するLED支持体11を介した熱伝導によって発散されると同時に、LED支持体11の周囲に放射される。矢印Cは、LED素子30Aが発生した熱が熱伝導によって冷却ファン15のモータ(図示なし)方向に移動する経路を示し、矢印Rは、LED素子30Aが発生した熱が放射によって冷却ファン15のモータ(図示なし)方向に移動する経路を示す。
【0023】
本実施形態によると、LED素子30Aが発生した熱は、仕切り部材17によって、冷却ファン15のモータに到達することが困難となる。即ち、LED素子30Aから冷却ファン15のモータまでの熱伝導経路及び熱放射経路は、仕切り部材17によって遮断される。更に、LED素子30Aから冷却ファン15のモータまでの熱伝導経路及び熱放射経路は、筐体151によって遮断される。
【0024】
従って、本実施形態では、LED素子30Aが発生した熱は、仕切り部材17及び筐体151によって遮断されるため、冷却ファン15のモータに到達することが困難となる。そのため、冷却ファン15のモータの潤滑油の温度が高温となることが阻止される。従って、冷却ファン15の性能が低下することなく、LED素子30Aの発光効率が低下することはない。
【0025】
図3Aは、本実施形態に係るLEDランプの主要部、特に、LED支持体11と冷却ファン15と冷却空気出口室26の断面構成を示す。LED支持体11は軸線方向の貫通孔111を有し、そこに多数の放熱用のフィン113が形成されている。貫通孔111の断面は、円形であってよいが、方形であってもよい。冷却ファン15の中心軸線とLED支持体11の貫通孔111の中心軸線は整合している。貫通孔111の第1の開口には冷却ファン15が設けられ、反対側の第2の開口には冷却空気出口室26が形成されている。貫通孔111の2つの開口の間は密閉空間を形成している。
【0026】
ここで本実施形態のLEDランプの空冷システムを説明する。冷却ファン15を回転させると、冷却ファン15の軸線方向に沿って冷却用空気流が形成される。矢印は、冷却用空気流の経路を示す。冷却用空気は、冷却ファン15を貫通し、LED支持体11の貫通孔111に導かれる。冷却用空気は、第1の開口から貫通孔111に入り、第2の開口から出る。本実施形態のLEDランプでは、冷却用空気は、LEDランプの中心軸線に沿って、冷却ファン15から口金13に向けて流れる。第2の開口から出た冷却後の空気の温度は比較的高い。冷却後の空気は、冷却空気出口室26を経由してLEDランプ10の外部に排出される。
【0027】
冷却用空気がLED支持体11の貫通孔111及びフィン113に接触すると熱交換が行われ、冷却用空気はLED支持体11より熱を奪う。本実施形態では、LED支持体11の貫通孔111は、両端の開口を除いて、密閉空間を有するから、冷却ファン15からの冷却用空気は全てLED支持体11の貫通孔111内を通過し、LED支持体11の冷却に使用される。従って、LED支持体11を効率的に冷却することができる。こうして、LED30が高温となることはない。
【0028】
本実施形態のLEDランプ10では、冷却ファン15は冷却空気出口室26から十分に離れている。従って、冷却空気出口室26から排出された比較的高温の空気が直接冷却ファン15に到達することが困難となる。即ち、冷却ファン15に比較的低温の空気を供給することができる。従って、冷却ファンによる冷却効果を高めることができる。更に、冷却ファン15及びモータの高温化を回避することができる。従って、冷却ファンのモータの潤滑油の劣化に起因する冷却ファンの性能低下を回避することができる。
【0029】
図3Bを参照して本実施形態に係るLEDランプの他の例を説明する。本実施形態では、冷却空気出口室26に空気流分散部材27が設けられている。空気流分散部材27は円錐状に形成されてよい。尚、空気流分散部材27の形状は円錐状に限定されることはなく、多角錐形状、ラッパ形など、口金方向に向かって徐々に拡径する形状であればどのような形状であってもよい。本実施形態に係るLEDランプの構造は、空気流分散部材27以外は、図3Aに示したLEDランプの構造と同一であってよい。
【0030】
LED支持体11の貫通孔111の第2の開口から出た冷却後の空気は、冷却空気出口室26に排出される。冷却後の空気は、空気流分散部材27に衝突し、進路を変更して、LEDランプの外部に排出される。即ち、冷却後の空気は、空気流分散部材27によって口金13側に導かれる。本実施形態では、冷却空気出口室26から排出された比較的高温の空気が直接冷却ファン15に到達することが困難となる。即ち、冷却ファン15に比較的低温の空気を供給することができる。
【0031】
空気流分散部材27を設けることによって、冷却空気出口室26における空気の滞留を回避し、更に、冷却後の空気を半径方向外側に効率的に排出することができる。従って、LED支持体11のヒートシンクの機能を向上させることができる。
【0032】
図3Cを参照して本実施形態に係るLEDランプの他の例を説明する。本実施形態では、冷却空気出口室26の冷却ファン側の端部に鍔部29が設けられている。本例では、鍔部29は、LED支持体11の口金側の端部に装着されている。本実施形態に係るLEDランプの構造は、鍔部29以外は、図3Aに示したLEDランプの構造と同一であってよい。
【0033】
LED支持体11の貫通孔111の第2の開口から出た冷却後の空気は、冷却空気出口室26に排出される。冷却後の空気は、鍔部29に衝突し、進路を変更して、LEDランプの外部に排出される。即ち、冷却後の空気は、鍔部29によって口金13側に導かれ、更に、口金13を装着するソケット(図示せず)の周囲に導かれる。本実施形態では、冷却空気出口室26から排出された比較的高温の空気が直接冷却ファン15に到達することが困難となる。即ち、冷却ファン15に比較的低温の空気を供給することができる。
【0034】
特に、密閉型の照明器具においては、比較的高温の空気をソケットに接触させることによって、ソケットに熱を吸収させることができる。そのため、密閉型の器具において、ランプの温度上昇を抑制することが可能となる。
【0035】
図3Dを参照して本実施形態に係るLEDランプの他の例を説明する。本実施形態では、冷却空気出口室26の冷却ファン側の端部に鍔部29が設けられ、更に、冷却空気出口室26に空気流分散部材27が設けられている。本実施形態に係るLEDランプの構造は、空気流分散部材27以外は、図3Cに示したLEDランプの構造と同一であってよい。
【0036】
LED支持体11の貫通孔111の第2の開口から出た冷却後の空気は、冷却空気出口室26に排出される。冷却後の空気は、空気流分散部材27及び鍔部29Aに衝突し、進路を変更して、LEDランプの外部に排出される。即ち、冷却後の空気は、空気流分散部材27及び鍔部29によって口金13側に導かれる。本実施形態では、冷却空気出口室26から排出された比較的高温の空気が直接冷却ファン15に到達することが困難となる。即ち、冷却ファン15に比較的低温の空気を供給することができる。
【0037】
図3Eを参照して本実施形態に係るLEDランプの他の例を説明する。本実施形態では、冷却空気出口室26の口金側の端部に鍔部29Aが設けられ、冷却ファン15の前側に鍔部29Bが設けられている。本例では、口金側の鍔部29Aは支持板21に装着され、冷却ファン側の鍔部29Bはフランジ板19Bに装着されている。本実施形態に係るLEDランプの構造は、鍔部29A、29B以外は、図3Aに示したLEDランプの構造と同一であってよい。
【0038】
LED支持体11の貫通孔111の第2の開口から出た冷却後の空気は、冷却空気出口室26に排出される。冷却後の空気は、鍔部29Aに衝突し、進路を変更して、LEDランプの外部に排出される。即ち、冷却後の空気は、鍔部29Aによって冷却ファン15側に導かれる。しかしながら、冷却後の空気は、鍔部29Bによって、進路を変更し、半径方向外方に導かれる。従って、本実施形態では、冷却空気出口室26から排出された比較的高温の空気が直接冷却ファン15に到達することが困難となる。即ち、冷却ファン15に比較的低温の空気を供給することができる。
【0039】
図4A図4B及び図4Cを参照して、LED支持体11の貫通孔111に設けられた放熱用のフィン113の断面形状の例を説明する。図4A図4B及び図4Cは、LED支持体11の貫通孔111の開口部から見たフィンの断面形状の例を示す。
【0040】
図4Aの例では、フィン113は、等間隔に配置された複数の平行な板によって形成されている。フィン113の両端は貫通孔111の内壁に接続されており、両端支持構造である。フィン113の高さは、それぞれ異なる。即ち、中央では、フィン113の高さは最も大きく、貫通孔111の直径に等しい。それから両側に遠ざかるに従って、フィン113の高さは小さくなる。
【0041】
図4Bに示す例では、貫通孔111を中心角が90℃の4つの領域に分割し、各領域にて、フィン113は、等間隔に配置された複数の平行な板によって形成されている。フィン113の一端のみが貫通孔111の内壁に接続されており、片持ち支持構造である。フィン113の高さは、それぞれ異なる。即ち、中央では、フィン113の高さは最も大きく、それから両側に遠ざかるに従って、フィン113の高さは小さくなる。
【0042】
図4Cに示す例では、フィン113の断面は、格子状に形成されている。即ち、図4Aに示したフィンを互いに直交するように配置することによって構成される。
【0043】
以上、本実施形態に係るLEDランプについて説明したが、これらは例示であって、本発明の範囲を制限するものではない。当業者が、本実施形態に対して容易になしえる追加・削除・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の記載によって定められる。
【符号の説明】
【0044】
10…LEDランプ、11…LED支持体、13…口金、15…冷却ファン、17…仕切り部材、19A、19B…フランジ板、21…支持板、23…絶縁体、25…支柱、26…空間、27…空気流分散部材、29、29A、29B…鍔部、30…LED、30A…LED素子、30B…基板、111…貫通孔、113…フィン、151…筐体
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C