(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面中に「上」「下」「左」「右」「前」「後」の注記がある場合は、明細書中の説明における「上」「下」「左」「右」「前」「後」とは、その注記された方向を指す。但し、ロボットシステムの位置関係は、「上」「下」「左」「右」「前」「後」の概念に限定されるものではない。
【0011】
<ロボットシステムの全体概略構成>
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、本実施形態のロボットシステムの全体概略構成について説明する。
【0012】
図1及び
図2に示すように、本実施形態のロボットシステム1は、ロボット100(詳細は後述)と、コントローラ300と、ロボット100が内部で作業を行うことが可能なキャビネット2を有する。
【0013】
コントローラ300は、例えば演算装置や記憶装置、入力装置等を有するコンピュータにより構成され、ロボット100と相互通信可能に接続されている。なお、コントローラ300は、ロボット100の内部に設けられてもよい。このコントローラ300は、ロボット100の動作を制御する(詳細は後述)。
【0014】
キャビネット2としては、ロボット100が内部で作業を行うことが可能なキャビネットであれば、内部空間の気流を調整する機能の有無、内部空間を無菌状態に保つ機能の有無、有害物質が漏洩しないようにする機能の有無等は、特に限定されるものではない。但し、説明の便宜上、以下では、キャビネット2が内部空間の気流を調整する機能及び内部空間を無菌状態に保つ機能を有するキャビネットである場合について説明する。このキャビネット2は、略直方体形状の筐体20と、ファン22(気流調整装置)とを有する。なお、筐体20は、略直方体形状以外の形状(例えば略立方体形状や略円柱形状等)であってもよい。
【0015】
筐体20の左壁面201には、開口202が形成されており、開口202の形成位置には、当該開口202を開閉可能な扉203が装着されている。扉203は、筐体20の外部から当該扉203を介して筐体20の内部を視認可能な程度の透光性を備える材質(例えばガラス等)で形成されている。なお、扉203は、上記透光性を備えない材質で形成されてもよい。また、左壁面201には、開口202及び扉203が形成されなくてもよい。
【0016】
筐体20の右壁面204には、開口205が形成されており、開口205の形成位置には、当該開口205を開閉可能な扉206(開閉扉)が装着されている。扉206は、上記扉203と同様の材質で形成されている。なお、扉206は、上記透光性を備えない材質で形成されてもよい。また、右壁面204には、開口205及び扉206が形成されなくてもよい。
【0017】
筐体20の前壁面207には、開口208が形成されており、開口208の形成位置には、当該開口208を開閉可能な扉209が装着されている。扉209は、上記扉203等と同様の材質で形成されている。なお、扉209は、上記透光性を備えない材質で形成されてもよい。また、前壁面207には、開口208及び扉209が形成されなくてもよい。
【0018】
筐体20の後壁面210には、開口211,212,213が形成されている。開口211は、後壁面210の左部に形成されており、この開口211の形成位置には、当該開口211を開閉可能な扉214が装着されている。扉214は、上記扉203等と同様の材質で形成されている。なお、扉214は、上記透光性を備えない材質で形成されてもよい。また、後壁面210には、開口211及び扉214が形成されなくてもよい。開口212は、後壁面210の右部に形成されており、この開口212の形成位置には、当該開口212を開閉可能な扉215が装着されている。扉215は、上記扉203等と同様の材質で形成されている。なお、扉215は、上記透光性を備えない材質で形成されてもよい。また、後壁面210には、開口212及び扉215が形成されなくてもよい。開口213は、筐体20の出入り口であり、後壁面210の上記開口211,212間において上下方向略全域に亘って形成されており、この開口213の形成位置には、当該開口213を開閉可能な扉216が装着されている。扉216は、上記扉203等と同様の材質で形成されている。なお、扉216は、上記透光性を備えない材質で形成されてもよい。また、後壁面210には、開口213及び扉216が形成されなくてもよい。
【0019】
筐体20の内部の床面217には、上記ロボット100と、作業台3とが配置されている。また、筐体20の内部におけるロボット100の可動範囲内には、ピペット8及びチップストッカ9(チップ供給装置)を含む複数の作業用機器が配置されている。
【0020】
床面217での作業台3の配置位置は、特に限定されるものではない。この例では、作業台3は、左壁面201、前壁面207、及び右壁面204に略沿って床面217に配置されている。
【0021】
ロボット100の可動範囲内に配置されるピペット8及びチップストッカ9以外の作業用機器の種類、及び、各作業用機器の配置位置は、特に限定されるものではない。この例では、ロボット100の可動範囲内には、作業用機器として、上記ピペット8及びチップストッカ9以外に、チューブラック5、チューブ4、マイクロプレート6、インキュベータ7、ピペットラック(図示せず)、保持部材10、廃棄物用容器12等が配置されている。
【0022】
チューブラック5は、チューブ4を直立して収容するためのラックであり、この例では作業台3上に配置されている。チューブ4には、検体(例えば血液や髄液、尿、組織の一部等)が収容されている。
【0023】
マイクロプレート6には、複数(例えば96個)のウェルが形成されており、各ウェルには、検体や試薬等を注入可能である。
【0024】
インキュベータ7は、検体等を培養するための機器であり、この例では作業台3上に配置されている。このインキュベータ7には、各ウェルに検体や試薬等が収容されたマイクロプレート6等を収容可能である。
【0025】
ピペットラックは、ピペット8を直立して収容するためのラックであり、この例では作業台3の側部に配置されている。ピペット8(この例ではマイクロピペット)は、液体を事前に設定された分量だけ吸引・注入するための機器である。ピペット8の先端には、使い捨て可能なピペットチップ13(後述の
図4(b)等も参照)が着脱可能である。
【0026】
チップストッカ9は、ロボット100の操作により、ピペットチップ13を箱状のチップボックス14(後述の
図4(b)等も参照)に供給するための機器である。この例では、チップストッカ9は、ロボット100の操作により、複数(この例では96個)のピペットチップ13が直立して配置された平板状のチップパレット15(後述の
図4(b)等も参照)をチップボックス14に装着することで、ピペットチップ13をチップボックス14に供給可能である(詳細は後述)。また、チップストッカ9は、ロボット100が後述の可動部材93を操作できると共に、作業者が筐体20の外部から後述の格納室96へアクセスできるように、この例では作業台3上における上記扉206の近傍に配置されている。なお、チップスストッカ9は、筐体20に設けられた扉206以外の扉(例えば扉203等)の近傍に配置されてもよい。また、チップストッカ9は、筐体20に設けられた扉206等の近傍に配置されなくてもよい(但し、この場合には、作業者は、筐体20の内部に入った上で後述の格納室96へアクセスすることになる)。また、チップストッカ9は、使用されるピペットチップ13の種類や個数等に応じて、複数個配置されてもよい。
【0027】
保持部材10は、ロボット100がチップボックス14を保持する際に使用される機器である。
【0028】
廃棄物用容器12は、作業により生じる廃棄物を収容するための容器であり、この例では床面217上に配置されている。
【0029】
ファン22は、筐体20の天井面218に設けられ、筐体20の内部空間21の気流を調整する。なお、ファン22は、筐体20の天井面218以外の位置(例えば前壁面207等)に設けられてもよい。本実施形態では、ファン22により、天井面218から床面217へ向かう下降気流を生成しつつ、内部空間21を外部に対し正圧(陽圧)に保持することが可能であり、内部空間21を無菌状態に保つことが可能である。
【0030】
<ロボットの構成>
次に、
図3(a)(b)を参照しつつ、ロボット100の構成の一例について説明する。
【0031】
図3(a)(b)に示すように、ロボット100は、基台101と、胴体部102と、別体として構成された2つのアーム103L,103Rとを有する、いわゆる双腕ロボットである。
【0032】
基台101は、ロボット100の設置面(この例ではキャビネット2における床面217)に対し、例えばアンカーボルト等により固定されている。なお、基台101は、キャビネット2における床面217以外の面(例えば天井面218等)に固定されてもよい。
【0033】
胴体部102は、基台101の先端部に、基台101の固定面に略垂直な回転軸心Ax1まわりに旋回可能に支持されている。この胴体部102は、基台101との間の関節部に設けられたアクチュエータAc1の駆動により、基台101の先端部に対し、回転軸心Ax1まわりに旋回駆動される。
【0034】
アーム103Lは、胴体部102の一方側の側部に回動可能に支持されている。このアーム103Lは、肩部104Lと、上腕A部105Lと、上腕B部106Lと、下腕部107Lと、手首A部108Lと、手首B部109Lと、フランジ部110Lとを備える。
【0035】
肩部104Lは、胴体部102の一方側の側部に、回転軸心Ax1に略垂直な回転軸線Ax2まわりに回動可能に支持されている。この肩部104Lは、胴体部102との間の関節部に設けられたアクチュエータAc2の駆動により、胴体部102の一方側の側部に対し、回転軸線Ax2まわりに回動駆動される。
【0036】
上腕A部105Lは、肩部104Lの先端側に、回転軸線Ax2に略垂直な回転軸線Ax3まわりに旋回可能に支持されている。この上腕A部105Lは、肩部104Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc3の駆動により、肩部104Lの先端側に対し、回転軸線Ax3まわりに旋回駆動される。
【0037】
上腕B部106Lは、上腕A部105Lの先端側に、回転軸線Ax3に略垂直な回転軸線Ax4まわりに回動可能に支持されている。この上腕B部106Lは、上腕A部105Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc4の駆動により、上腕A部105Lの先端側に対し、回転軸線Ax4まわりに回動駆動される。
【0038】
下腕部107Lは、上腕B部106Lの先端側に、回転軸線Ax4に略垂直な回転軸線Ax5まわりに旋回可能に支持されている。この下腕部107Lは、上腕B部106Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc5の駆動により、上腕B部106Lの先端側に対し、回転軸線Ax5まわりに旋回駆動される。
【0039】
手首A部108Lは、下腕部107Lの先端側に、回転軸線Ax5に略垂直な回転軸線Ax6まわりに回動可能に支持されている。この手首A部108Lは、下腕部107Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc6の駆動により、下腕部107Lの先端側に対し、回転軸線Ax6まわりに回動駆動される。
【0040】
手首B部109Lは、手首A部108Lの先端側に、回転軸線Ax6に略垂直な回転軸線Ax7まわりに旋回可能に支持されている。この手首B部109Lは、手首A部108Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc7の駆動により、手首A部108Lの先端側に対し、回転軸線Ax7まわりに旋回駆動される。
【0041】
フランジ部110Lは、手首B部109Lの先端側に、回転軸線Ax7に略垂直な回転軸線Ax8まわりに回動可能に支持されている。このフランジ部110Lは、手首B部109Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc8の駆動により、手首B部109Lの先端側に対し、回転軸線Ax8まわりに回動駆動される。また、フランジ部110Lの先端には、ハンド120が取り付けられている。
【0042】
フランジ部110Lの先端に取り付けられたハンド120は、フランジ部110Lの回転軸線Ax8まわりの回動と共に、回転軸線Ax8まわりに回動する。このハンド120は、互いに遠近する方向に移動可能な一対の爪部材121,121を備える。そして、このハンド120は、爪部材121,121で上記チューブ4やマイクロプレート6、ピペット8、保持部材10、チップボックス14等を保持したり上記インキュベータ7やピペット8、チップストッカ9、撹拌機11等を操作することが可能である。
【0043】
一方、アーム103Rは、上記アーム103Lと左右対称な構造を備え、胴体部102の他方側の側部に回動可能に支持されている。このアーム103Rは、肩部104Rと、上腕A部105Rと、上腕B部106Rと、下腕部107Rと、手首A部108Rと、手首B部109Rと、フランジ部110Rとを備える。
【0044】
肩部104Rは、胴体部102の他方側の側部に、回転軸心Ax1に略垂直な回転軸線Ax9まわりに回動可能に支持されている。この肩部104Rは、胴体部102との間の関節部に設けられたアクチュエータAc9の駆動により、胴体部102の他方側の側部に対し、回転軸線Ax9まわりに回動駆動される。
【0045】
上腕A部105Rは、肩部104Rの先端側に、回転軸線Ax9に略垂直な回転軸線Ax10まわりに旋回可能に支持されている。この上腕A部105Rは、肩部104Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc10の駆動により、肩部104Rの先端側に対し、回転軸線Ax10まわりに旋回駆動される。
【0046】
上腕B部106Rは、上腕A部105Rの先端側に、回転軸線Ax10に略垂直な回転軸線Ax11まわりに回動可能に支持されている。この上腕B部106Rは、上腕A部105Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc11の駆動により、上腕A部105Rの先端側に対し、回転軸線Ax11まわりに回動駆動される。
【0047】
下腕部107Rは、上腕B部106Rの先端側に、回転軸線Ax11に略垂直な回転軸線Ax12まわりに旋回可能に支持されている。この下腕部107Rは、上腕B部106Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc12の駆動により、上腕B部106Rの先端側に対し、回転軸線Ax12まわりに旋回駆動される。
【0048】
手首A部108Rは、下腕部107Rの先端側に、回転軸線Ax12に略垂直な回転軸線Ax13まわりに回動可能に支持されている。この手首A部108Rは、下腕部107Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc13の駆動により、下腕部107Rの先端側に対し、回転軸線Ax13まわりに回動駆動される。
【0049】
手首B部109Rは、手首A部108Rの先端側に、回転軸線Ax13に略垂直な回転軸線Ax14まわりに旋回可能に支持されている。この手首B部109Rは、手首A部108Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc14の駆動により、手首A部108Rの先端側に対し、回転軸線Ax14まわりに旋回駆動される。
【0050】
フランジ部110Rは、手首B部109Rの先端側に、回転軸線Ax14に略垂直な回転軸線Ax15まわりに回動可能に支持されている。このフランジ部110Rは、手首B部109Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc15の駆動により、手首B部109Rの先端側に対し、回転軸線Ax15まわりに回動駆動される。また、フランジ部110Rの先端には、ハンド120が取り付けられている。
【0051】
フランジ部110Rの先端に取り付けられたハンド120は、フランジ部110Rの回転軸線Ax15まわりの回動と共に、回転軸線Ax15まわりに回動する。このハンド120は、互いに遠近する方向に移動可能な一対の爪部材121,121を備える。そして、このハンド120は、爪部材121,121で上記チューブ4やマイクロプレート6、ピペット8、保持部材10、チップボックス14等を保持したり上記インキュベータ7やピペット8、チップストッカ9、撹拌機11等を操作することが可能である。
【0052】
このとき、
図3(b)に示すように、回転軸心Ax1と回転軸心Ax2,Ax9とが基台101の固定面と略垂直な方向に長さD1だけオフセットされるように、基台101に対し胴体部102がせり出して形成されている。これにより、肩部104L,104Rの下側の空間を作業スペースとすることができると共に、胴体部102を回転軸心Ax1まわりに回転させることでアーム103L,103Rの可到範囲が拡大される。
【0053】
またこのとき、回転軸心Ax11と回転軸心Ax12との上面視での位置が長さD2だけオフセットされるように、上腕B部106Rの形状が設定されると共に、回転軸心Ax12と回転軸心Ax13との上面視での位置が長さD3だけオフセットされるように、下腕部107Rの形状が設定されている。そして、ロボット100が、回転軸心Ax11と回転軸心Ax13とが略垂直となる姿勢をとったときに、回転軸心Ax11と回転軸心Ax13とのオフセット長さが(D2+D3)となる。これにより、人間の「肘」に相当する上腕B部106Rと下腕部107Rとの間の関節部を屈曲させたときに、人間の「上腕」に相当する上腕A部105R及び上腕B部106Rと、人間の「下腕」に相当する下腕部107Rとの間のクリアランスを大きく確保することができ、フランジ部110Rの先端部に取り付けられたハンド120をより胴体部102に近づけた場合でもアーム103Rの動作自由度が拡大される。
【0054】
さらにこのとき、
図3(b)では明示していないが、アーム103Lについても同様、回転軸心Ax4と回転軸心Ax5との上面視での位置が長さD2だけオフセットされるように、上腕B部106Lの形状が設定されると共に、回転軸心Ax5と回転軸心Ax6との上面視での位置が長さD3だけオフセットされるように、下腕部107Lの形状が設定されている。そして、ロボット100が、回転軸心Ax4と回転軸心Ax6とが略水平となる姿勢をとったときに、回転軸心Ax4と回転軸心Ax6とのオフセット長さが(D2+D3)となる。
【0055】
また、上記アクチュエータAc1〜Ac15は、それぞれ、例えば減速機等を備えたサーボモータにより構成されている。そして、これらアクチュエータAc1〜Ac15の回転位置情報は、それぞれ、当該アクチュエータに内蔵された回転位置センサ(図示せず)からの信号として、所定の演算周期ごとに、上記コントローラ300へ出力される。
【0056】
なお、上記では、アーム103L,103Rの長手方向(あるいは延材方向)に沿った回転軸心まわりの回転を「回動」と呼び、アーム103L,103Rの長手方向(あるいは延材方向)に略垂直な回転軸心まわりの回転を「旋回」と呼んで区別している。
【0057】
また、上記説明における「垂直」は、厳密なものではなく、実質的な生じる公差・誤差は許容されるものとする。また、上記説明における「垂直」は、仮想軸線が交わることを意味するものではなく、仮想軸線同士がなす方向が交差するものであればねじれの位置の場合も含まれるものとする。
【0058】
<チップストッカの構成>
チップストッカ9としては、ロボット100の操作によりピペットチップ13をチップボックス14に供給可能な構成であれば特に限定されるものではない。以下、
図4(a)(b)、
図5、
図6(a)(b)、及び
図7(a)(b)を参照しつつ、チップストッカ9の構成の一例について説明する。
【0059】
図4(a)(b)、
図5、
図6(a)(b)、及び
図7(a)(b)に示すように、チップストッカ9は、略立方体形状の筐体90と、進退部材95と、可動部材93と、連結機構94とを有する。なお、筐体90は、略立方体形状以外の形状(例えば略直方体形状や略円柱形状等)であってもよい。
【0060】
筐体90の右面には、当該筐体90の内部空間である格納室96へアクセスするための開口97が形成されており、開口97の形成位置には、当該開口97を開閉可能な扉98が装着されている。作業者は、キャビネット2の外部からキャビネット2の扉206を開けてチップストッカ9の扉98を開けることで、格納室96へアクセス可能である。
【0061】
格納室96は、複数のピペットチップ13が直立して配置されたチップパレット15を格納するための部屋である。この例では、格納室96は、それぞれに複数のピペットチップ13が直立して配置された状態で複数段に積み重ねられたチップパレット15を格納可能である。この格納室96には、予め、作業者により、それぞれに複数のピペットチップ13が直立して配置された状態で複数段(この例では5段)に積み重ねられたチップパレット15を搭載したチップボックス14がセットされる。なお、格納室96には、予め、作業者により、複数段のチップパレット15のみがセットされてもよい。
【0062】
図8(a)に示すように、複数段のチップパレット15それぞれの一方側及び他方側の側部には、それぞれ、当該チップボックス14の一方側及び他方側の側部の縁部に係合可能な爪151,151が設けられている。また、
図8(b)に示すように、チップパレット15は、爪151,151がチップボックス14の縁部に係合されて当該チップボックス14に装着される。
【0063】
図4(a)(b)、
図5、
図6(a)(b)、及び
図7(a)(b)に示すように、筐体90の下部には、格納室96に格納されたチップパレット15を押し出すための開口99が形成されている。
【0064】
進退部材95は、上記開口99に対し開閉方向に進退可能な部材である。なお、進退部材95としては、開口99に対し開閉方向に進退可能な部材であれば特に限定されるものではない。この例では、筐体90の下部に、開口99に対し互いに遠近する方向に進退することで開口99に対し開閉方向に進退可能な一対の進退部材95,95が、1組以上設けられている。進退部材95,95は、格納室96に格納されたチップボックス14の保持及びその解除に使用される。
【0065】
可動部材93は、ロボット100の動作に応じて可動する部材であり、この例では、回動レバー92と、スライドレバー91とを含む。
【0066】
回動レバー92は、回動動作により上記進退部材95,95を開口99に対し開閉方向に進退させることが可能なレバーである。なお、回動レバー92としては、回動動作により進退部材95,95を開口99に対し開閉方向に進退させることが可能なレバーであれば特に限定されるものではない。この例では、回動レバー92は、筐体90の
左部に設けられ、連結部材94を介して進退部材95,95に連結されている。そして、回動レバー92は、回動動作により連結部材94を駆動させることで、当該連結部材94に連結された進退部材95,95を開口99に対し互いに遠近する方向に進退させることが可能である。
【0067】
例えば、
図6(b)に示す姿勢の回動レバー92が矢印A方向に回動して進退部材95,95が開口99に対し互いに近づく方向(開口99を閉じる方向)に進行した
図6(a)に示す状態では、開口99は狭くなり、格納室96に格納されたチップボックス14を当該格納室96に保持すること可能である。一方、
図6(a)に示す姿勢の回動レバー92が矢印B方向に回動して進退部材95,95が開口99に対し互いに遠ざかる方向(開口99を開く方向)に進行した
図6(b)に示す状態では、開口99は広くなり、格納室96に格納されたチップボックス14を当該格納室96から落下させることが可能である。なお、格納室96に格納されたチップボックス14が当該格納室96から落下した場合でも、格納室96に格納されたチップパレット15は、当該格納室96に残るようになっている。
【0068】
スライドレバー91は、格納室96に対してスライド可能なレバーである。なお、スライドレバー91としては、格納室96に対してスライド可能なレバーであれば特に限定されるものではない。この例では、スライドレバー91は、格納室96に対して上下方向にスライド可能である。このスライドレバー91は、格納室96に対して下方にスライドして上方から押すことで、格納室96に格納されたチップパレット15を当該格納室96から押し出すことが可能である。
【0069】
<コントローラの機能的構成>
次に、
図9を参照しつつ、コントローラ300の機能的構成の一例について説明する。
【0070】
図9に示すように、コントローラ300は、第1動作制御部301と、第2動作制御部302と、第3動作制御部303とを有する。
【0071】
第1動作制御部301は、スライドレバー91を格納室96に対してスライドさせるように、ロボット100の動作を制御する。この例では、第1動作制御部301は、格納室96に格納された複数段のチップパレット15が当該格納室96から1段ずつ押し出されるように、スライドレバー91を格納室96に対して下方にスライドさせるように、ロボット100の動作を制御する。また、格納室96に格納されていたチップパレット15全てが当該格納室96から押し出されて格納室96が空になった場合には、第1動作制御部301は、スライドレバー91を格納室96に対して上方にスライドさせるように、ロボット100の動作を制御する。
【0072】
第2動作制御部302は、回動レバー92を回動させるように、ロボット100の動作を制御する。この例では、複数段のチップパレット15を搭載したチップボックス14が格納室96にセットされる際には、第2動作制御部302は、回動レバー92を(進退部材95,95が開口99に対し互いに近づく方向に進行するように)矢印A方向に回動させるように、ロボット100の動作を制御する。また、分注工程が開始される際には、第2動作制御部302は、回動レバー92を(進退部材95,95が開口99に対し互いに遠ざかる方向に進行するように)矢印B方向に回動させるように、ロボット100の動作を制御する。
【0073】
第3動作制御部303は、アーム103R側(又はアーム103L側でもよい)のハンド120が爪部材121,121で保持したチップボックス14をひっくり返す(又は傾ける)ように、ロボット100の動作を制御する。
【0074】
<作業の流れの一例>
次に、
図10を参照しつつ、ロボット100を用いた処理済検体の製造方法による複数の工程を含む作業の流れの一例について説明する。
【0075】
図10において、作業が開始される際には、チップスストッカ9は、回動レバー92が矢印A方向に回動して進退部材95,95が開口99に対し互いに近づく方向に進行した状態で、かつ、スライドレバー91が格納室96に対して上方にスライドした状態にある(
図6(a)に示す状態にある)ものとする。
【0076】
ステップS10では、作業者は、キャビネット2の外部からキャビネット2の扉206を開けてチップストッカ9の扉98を開ける。そして、作業者は、チップストッカ9の格納室96にアクセスし、複数段のチップパレット15を搭載したチップボックス14を格納室96にセットして、当該チップボックス14を進退部材95,95に保持させる。その後、作業者は、キャビネット2の外部から扉98を閉めて扉206を閉める。
【0077】
ステップS20では、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、アーム103R側(又はアーム103L側でもよい)のハンド120の爪部材121,121で、作業台3上に配置された保持部材10を保持させる。そして、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、上記保持した保持部材10を格納室96に格納されたチップボックス14の直下(開口99の直下)に移動させる(
図11参照)。
【0078】
ステップS30では、コントローラ300は、第2動作制御部302において、ロボット100の動作を制御し、アーム103L側(又はアーム103R側でもよい)のハンド120の爪部材121で、回動レバー92を矢印B方向に回動させる(
図11及び
図12参照)。すると、回転レバー92の矢印B方向への回動動作により、進退部材95,95が開口99に対し互いに遠ざかる方向に進行して開口99が開放され、チップボックス14が格納室96から落下し、上記保持された保持部材10により保持される。
【0079】
ステップS40では、コントローラ300は、第1動作制御部301において、ロボット100の動作を制御し、アーム103L側(又はアーム103R側でもよい)のハンド120の爪部材121で、格納室96に格納されたチップパレット15が当該格納室96から1段のみ押し出されるように、スライドレバー91を格納室96に対して下方に所定量スライドさせる(
図11及び
図12参照)。すると、スライドレバー91の格納室96に対する下方への所定量のスライド動作により、格納室96に格納されたチップパレット15が上方から所定量押されて当該格納室96から1段のみ押し出される。これにより、その押し出されたチップパレット15が、上記保持されたチップボックス14に装着される。
【0080】
ステップS50では、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、アーム103R側のハンド120が爪部材121,121で保持した、チップパレット15が装着されたチップボックス14を保持した保持部材10を、開口99の直下から作業台3上に移動させて配置させる(
図12参照)。
【0081】
ステップS60では、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、アーム103R側(又はアーム103L側でもよい)のハンド120の爪部材121,121で、上記ピペット8を保持させる。そして、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、上記保持したピペット8の先端に、上記配置された保持部材10により保持されたチップボックス14のチップパレット15に配置されたピペットチップ13を装着させる。
【0082】
ステップS70では、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、上記保持したピペット8を用いて、上記チューブ4内の検体を上記マイクロプレート6のウェルに分注させる。
【0083】
そして、所望のタイミング(例えば、全ウェルへの分注が終了したとき、1ウェルへの分注が終了するごと等)になったら、ステップS80で、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、上記保持したピペット8の先端に装着された使用済みのピペットチップ13を取り外させる。これにより、その取り外された使用済みのピペットチップ13が、廃棄用容器12内に収容される。
【0084】
ステップS90では、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、アーム103L側(又はアーム103R側でもよい)のハンド120の爪部材121,121で、上記分注が終了したマイクロプレート6を保持させる。そして、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、上記保持したマイクロプレート6を上記インキュベータ7内に収容させる。これにより、インキュベータ7によるマイクロプレート6の内容物の培養が開始される。なお、ロボット100によりマイクロプレート6をインキュベータ7内に収容して当該マイクロプレート6の内容物の培養を開始させることは、ロボットにより検体に対し所定の処理を行うことに対応する。
【0085】
そして、上記配置された保持部材10により保持されたチップボックス14のチップパレット15からピペットチップ13がなくなったら(チップパレット15が空になったら)、ステップS100で、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、アーム103R側(又はアーム103L側でもよい)のハンド120の爪部材121,121で、空のチップパレット15が装着されたチップボックス14を、空のチップパレット15側が上側となるように、保持させる(
図13(a)参照)。その後、コントローラ300は、第3動作制御部303において、ロボット100の動作を制御し、上記保持したチップボックス14を、空のチップパレット15側が下側になるように、ひっくり
返させる(
図13(b)参照)。そして、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、アーム103L側のハンド120の爪部材121で、上記保持したチップボックス14から空のチップパレット15が脱落するように、当該チップパレット15の爪151を操作させる(
図13(c)(d)参照)。これにより、上記保持されたチップボックス14から空のチップパレット15が脱落し、廃棄用容器12内に収容される。その後、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、上記保持した空のチップボックス14を、上記配置された保持部材10により保持されるように、移動させる。
【0086】
ステップS110では、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、アーム103R側(又はアーム103L側でもよい)のハンド120の爪部材121,121で、上記配置された保持部材10を保持させる。そして、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、上記保持した保持部材10を開口99の直下に移動させる(
図14参照)。
【0087】
ステップS120では、コントローラ300は、第1動作制御部301において、ロボット100の動作を制御し、アーム103L側(又はアーム103R側でもよい)のハンド120の爪部材121で、格納室96に格納されたチップパレット15が当該格納室96から1段のみ押し出されるように、スライドレバー91を格納室96に対して下方に所定量スライドさせる(
図14及び
図15参照)。すると、スライドレバー91の格納室96に対する下方への所定量のスライド動作により、格納室96に格納されたチップパレット15が上方から所定量押されて当該格納室96から1段のみ押し出される。これにより、その押し出されたチップパレット15が、上記保持されたチップボックス14に装着される。
【0088】
ステップS130では、コントローラ300は、ロボット100の動作を制御し、アーム103R側のハンド120が爪部材121,121で保持した、チップパレット15が装着されたチップボックス14を保持した保持部材10を、開口99の直下から作業台3上に移動させて配置させる(
図15参照)。
【0089】
その後は、上記ステップS50〜ステップS130と同様の手順が行われる。そして、格納室96からチップパレット15がなくなったら(格納室96が空になったら)、ステップS140で、コントローラ300は、第2動作制御部302において、ロボット100の動作を制御し、アーム103L側(又はアーム103R側でもよい)のハンド120の爪部材121で、回動レバー92を矢印A方向に回動させる。すると、回転レバー92の矢印A方向への回動動作により、進退部材95,95が開口99に対し互いに近づく方向に進行して開口99が狭められる。
【0090】
ステップS150では、コントローラ300は、第1動作制御部301において、ロボット100の動作を制御し、アーム103L側(又はアーム103R側でもよい)のハンド120の爪部材121で、スライドレバー91を格納室96に対して上方にスライドさせる。その後、格納室96が空である旨を作業者に対し適宜の手法で報知(例えばブザーで音声報知等)してもよい。
【0091】
なお、上記説明した複数の工程を含む作業の流れはあくまで一例であって、上記工程の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の工程を追加してもよい。
【0092】
<本実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態のロボットシステム1は、ロボット100と、コントローラ300と、チップストッカ9とを有する。チップストッカ9は、ロボット100の操作により、ピペット8に着脱されるピペットチップ13をチップボックス14に供給する。これにより、例えば人間が手動で操作して使用するチップストッカ9が汎用の製品として存在する場合、当該チップストッカ9をそのままロボットシステム1に用いることができる。また、チップボックス14への新たなピペットチップ13の供給をロボット100により自動化できるので、チップボックス14に配置されたピペットチップ13をピペット8に装着する工程や、ピペット8を用いて検体を分注する工程等を含む、分注処理に関する全工程について自動化することが可能である。したがって、汎用の製品を活用しつつ、分注工程の自動化を実現することができる。
【0093】
また、本実施形態では特に、チップストッカ9は、ロボット100の動作に応じて可動する可動部材93を有する。これにより、ロボット100の動作により可動部材93を可動させてチップストッカ9を操作することができるので、ロボット100によるチップストッカ9の操作の確実性を高めることができる。
【0094】
また、本実施形態では特に、チップストッカ9は、ピペットチップ13が配置されたチップパレット15を格納する格納室96を有する。コントローラ300の第1動作制御部301がスライドレバー91をスライド(押し込み)させるようにロボット100の動作を制御すると、格納されたチップパレット15が格納室96から押し出される。これにより、押し出されたチップパレット15をチップボックス14に装着することが可能となり、ピペットチップ13を効率的にチップボックス14に供給することができる。また、チップパレット15の押し出しにより格納室96が空になった場合には、第1動作制御部301がスライドレバー91をスライド(引き戻し)させるようにロボット100の動作を制御することで、格納室96内に新たなチップパレット15を格納するスペースを確保することができる。
【0095】
また、本実施形態では特に、格納室96は、複数段に積み重ねられたチップパレット15を格納する。そして、第1動作制御部301がスライドレバー91をスライド(押し込み)させるようにロボット100の動作を制御することで、チップパレット15が格納室06から1段ずつ押し出される。これにより、チップパレット15に配置されたピペットチップ13を使い切る度に、新たなチップパレット15を順次チップボックス14に自動的に装着することが可能となる。したがって、多量のピペットチップ13を使用する分注工程であってもロボット100による自動化を実現できる。
【0096】
また、本実施形態では特に、チップストッカ9は、チップパレット15を押し出すための開口99に対し開閉方向に進退する進退部材95を有する。この進退部材95は、格納室96に格納された物の保持及びその解除に使用される。つまり、チップパレット15を搭載したチップボックス14が格納室96にセットされる際には、コントローラ300の第2動作制御部302が回動レバー92を(進退部材95が開口99を閉じる方向に進むように)回動させるようにロボット100の動作を制御することで、進退部材95により開口99が狭められる。これにより、格納されたチップボックス14を格納室96内に保持することができる。そして、分注工程が開始される際には、コントローラ300の第2動作制御部302が回動レバー92を(進退部材95が開口99を開く方向に進むように)回動させるようにロボット100の動作を制御することで、進退部材95により開口99が開放される。これにより、チップパレット15については格納室96内に残しつつ、チップボックス14を格納室96から外部に押し出すことが可能となる。その後は、開口99を開放状態にしておくことで、適宜のタイミングでチップパレット15を格納室96から押し出し、チップボックス14に装着することができる。以上のようにして、チップパレット15を搭載したチップボックス14を格納室96にセットし、使用することができる。その結果、複数段のチップパレット15が搭載された汎用のチップボックス14を使用することが可能となり、汎用性を向上することができる。
【0097】
また、本実施形態では特に、ロボット100は、アーム103L,103Rの先端でチップボックス14を保持可能である。そして、コントローラ300の第3動作制御部303が、保持されたチップボックス14をひっくり返すようにロボット100の動作を制御する。これにより、チップパレット15をチップボックス14から脱落させることができるので、使用済みのチップパレット15の交換を自動化することが可能となる。
【0098】
また、本実施形態では特に、ロボット100及びチップストッカ9がキャビネット2に収納される。これにより、キャビネット2内でロボット100による分注工程を実行することができるので、安全性を向上することができる。また、キャビネット2は、チップストッカ9の配置位置近傍に扉206を備える。これにより、作業者はチップストッカ9の格納室96へアクセスし易くなり、チップボックス14のセット作業の作業性を向上できる。
【0099】
また、本実施形態では特に、ファン22がキャビネット2の内部空間21の気流を調整する。これにより、例えば天井面218から床面217へ向かう下降気流を生成しつつ、キャビネット2の内部空間21を外部に対して正圧(陽圧)に保持することが可能となり、キャビネット2内を無菌状態とすることが可能となる。
【0100】
また、本実施形態では特に、ロボット100が、別体として構成された2つのアーム103L,103Rを備えるので、各アーム103L,103Rで別々の作業を並行して行うことができ、各工程を迅速に行うことができる。また、両方のアーム103L,103Rを用いた複雑な作業を実行することもできる。さらに、2つのアーム103L,103Rは、胴体部102の一方側及び他方側の側部において支持されるので、各アーム103L,103Rは互いに干渉することなく独立した作業を行うことができる。
【0101】
<変形例等>
なお、実施の形態は、上記内容に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0102】
すなわち、上記実施形態では、チップボックス14にチップパレット15を装着する際等には、ロボット100は、ハンド120の爪部材121,121で保持した保持部材10を使用してチップボックス14を保持していたが、これに限定されるものではなく、保持部材10を使用せずにハンド120の爪部材121,121で直接保持してもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、ロボット100及びチップストッカ8等は、キャビネット2に収容されていたが、これに限定されるものではなく、キャビネット2に収容されていなくてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、ロボット100のアーム103L,103Rは、7つの関節部を有し、並進3自由度及び回転3自由度に対し1自由度の冗長自由度を有するアームであったが、これに限定されるものではなく、2つ以上の関節部を有するアームであればよい。
【0105】
また、上記実施形態では、ロボット100は、2つのアーム103L,103Rを備えた双腕ロボットであったが、これに限定されるものではなく、複数の関節部を有するアームを1つ以上備えたロボットであればよい。
【0106】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
【0107】
その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。