(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技機の遊技盤に直接又は他部材を介して間接的に固定され、前記遊技盤の盤面と直交する前後方向において少なくとも前記遊技盤の前方側に、前記遊技盤の盤面に沿って流下する遊技球を下方側に進入させつつ取り込む誘導口と、前記誘導口の下方に続く誘導路とが形成されてなる筐体と、
少なくとも前記盤面の前方側において前記誘導口を閉鎖可能な閉鎖部を備え、前記閉鎖部によって前記誘導口を閉鎖状態とする閉鎖位置と、前記誘導口を前記閉鎖状態よりも前記遊技球が進入しやすい開放状態とする開放位置とで変位する構成をなし、前記開放位置にある前記閉鎖部が、前記閉鎖位置から前記筐体内の前記誘導路側に入り込むように前記盤面に沿って下方側に沈下した位置となるように構成される開閉部材と、
前記開閉部材と連動可能に構成され、前記開閉部材を前記閉鎖位置で保持する保持位置と、前記保持位置から退避した退避位置とで変位する支持部材と、
前記支持部材を前記保持位置と前記退避位置とで変位させる駆動手段と、
を備え、
前記筐体には、前記遊技盤の盤面に沿って配置されると共に前記開閉部材が前記閉鎖位置にあるときに当該開閉部材の下流側に隣接して配置される下流側誘導樋が形成され、
前記下流側誘導樋の上流側の端部が前記誘導口の一部として構成されており、
前記開閉部材が前記閉鎖位置にあるときに、前記開閉部材の上面部及び前記下流側誘導樋の上面部によって前記開閉部材を上流側とし前記下流側誘導樋を下流側とするように外部流路が構成され、
前記開閉部材には、前記支持部材に支持されると共に当該開閉部材が前記閉鎖位置と前記開放位置とで変位する際に所定の移動方向に変位する被作用部が形成され、
前記支持部材には、前記被作用部を支持すると共に前記被作用部の移動方向と交差する方向に変位する作用部が形成されており、
前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態で当該開閉部材を前記開放位置に変位させようとする外力が加わったときに前記所定の移動方向に変位しようとする前記被作用部を前記支持部材の前記作用部が支持し続けることで、前記開閉部材の変位が規制されて前記開閉部材の開放が阻止されることを特徴とする遊技機用可変入賞装置。
前記開閉部材は、前記遊技盤の盤面と交差し前記誘導口の一端側寄りに形成された回動軸を中心として回動可能に配されると共に、前記閉鎖部が前記回動軸の径方向に延設された板状形態をなし、かつ、当該閉鎖部が前記閉鎖位置のときよりも下方に回動変位して前記開放状態となるように構成されており、
前記支持部材は、前記保持位置において前記作用部が前記被作用部と当接することにより、前記開閉部材が前記外力に応じて前記開放位置に変位することを規制することを特徴とする請求項1に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記筐体には、前記遊技盤の盤面に沿って配置されると共に前記開閉部材が前記閉鎖位置にあるときに当該開閉部材の上流側に隣接して配置される上流側誘導樋が形成され、
前記上流側誘導樋の下流側の端部が前記誘導口の一部として構成されており、
前記開閉部材が前記閉鎖位置にあるときに、前記開閉部材の上面部及び前記上流側誘導樋の上面部によって前記上流側誘導樋を上流側とし前記開閉部材を下流側とするように外部流路が構成されるようになっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記駆動手段は、少なくとも一部が前記上流側誘導樋の下方に配置され、且つ前記遊技盤の後面よりも前側の領域に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記球検出部は、当該球検出部の上面部側から下面部側に連通するように遊技球通過孔が形成され、当該遊技球通過孔を通過する遊技球を検出するように構成されており、更に、前記上面部の前端側が後端側よりも下方位置となるように傾斜した状態で前記筐体内に保持されていることを特徴とする請求項6に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記開閉部材の上面部における前記下流側誘導樋寄りの端部に前記下流側誘導樋に近づくにつれて低位置となるように傾斜するテーパ部が形成される構成、及び前記下流側誘導樋の下面部における前記開閉部材寄りの端部に前記開閉部材から離れるにつれて低位置となるように傾斜するテーパ部が形成される構成、の少なくともいずれかの構成が用いられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記支持部材は、前記開閉部材の下方において前記前後方向に沿った揺動軸線周りで揺動し得る構成をなし、前記揺動軸線の上方側に延出して配される先端部分が前記作用部として構成されると共に前記揺動軸線周りの揺動に応じて前記被作用部の移動方向と交差する方向に変位するように構成されており、
前記支持部材が前記保持位置にあるときには、前記作用部が、前記開閉部材における前記被作用部の下方において前記揺動軸線の真上の位置又はその近傍に保持されることで、前記開閉部材の沈下を規制し、
前記支持部材が前記退避位置となったときには、前記作用部が前記揺動軸線の真上の位置近傍から退避することで前記開閉部材が下方側に沈下可能となることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記開閉部材は、前記遊技盤の盤面と交差し前記誘導口の一端側寄りに形成された回動軸を中心として回動可能に配されると共に、前記閉鎖部が前記回動軸の径方向に延設された板状形態をなし、かつ、当該閉鎖部が前記閉鎖位置のときよりも下方に回動変位して前記開放状態となるように構成されており、
前記支持部材の前記作用部を、前記回動軸から遠ざかる方向に付勢する付勢手段を備え、
前記駆動手段は、前記付勢手段による付勢に抗して前記作用部を前記回動軸側に移動可能とされ、
前記開閉部材の下面側には、前記支持部材の前記作用部が前記被作用部を超えて前記回動軸側とは反対側に移動することを規制するストッパーが形成されており、
前記支持部材が前記保持位置にあるときには、当該支持部材の前記作用部が前記付勢手段によって付勢されつつ前記ストッパーに当接することで、前記揺動軸線の真上の位置又はその近傍で保持されることで、開閉部材の沈下を規制し、
前記支持部材が前記退避位置となったときには、前記作用部が前記揺動軸線の真上の位置又はその近傍よりも前記回動軸に近づくように退避することで前記開閉部材が下方側に沈下可能となることを特徴とする請求項12に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記開閉部材は、前記遊技盤の盤面と交差し前記誘導口の一端側寄りに形成された回動軸を中心として回動可能に配されると共に、前記閉鎖部が前記回動軸の径方向に延設された板状形態をなし、かつ、当該閉鎖部が前記閉鎖位置のときよりも下方に回動変位して前記開放状態となるように構成され、更に前記閉鎖部における前記回動軸とは反対の端部と前記回動軸との間に前記被作用部が設けられており、
前記支持部材は、
前記遊技球の流下方向を上下方向とし、当該上下方向及び前記前後方向と直交する方向を左右方向としたとき、前記左右方向において前記回動軸よりも前記被作用部側に前記作用部が設けられ、
更に、前記左右方向において前記回動軸よりも前記作用部側とは反対側に延出する構成で前記作用部と一体的に延出部が形成されており、
前記保持位置にあるときには、前記閉鎖位置にある前記開閉部材の前記被作用部を前記作用部によって支持し、
前記保持位置から前記退避位置に変位する際に、前記作用部を前記被作用部側から退避させることで前記開閉部材の支持を解除し、且つ当該開閉部材において前記回動軸を挟んで前記被作用部とは反対側に位置する部分を前記延出部によって押圧することで前記開閉部材に対し前記被作用部側を下方側に移動させる方向の回転力を加えることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記開閉部材は、前記遊技盤の盤面と交差し前記誘導口の一端側寄りに形成された回動軸を中心として回動可能に配されると共に、前記閉鎖部が前記回動軸の径方向に延設された板状形態をなし、かつ、当該閉鎖部が前記閉鎖位置のときよりも下方に回動変位して前記開放状態となるように構成されており、
前記閉鎖位置のときに前記誘導口の他端側寄りに配置される先端部が、その閉鎖位置のときよりも上方側に移動するように回動可能とされており、
前記開閉部材の前記先端部が上方側に移動して回動限界位置まで回動したときに、遊技球が1個通過可能となる開口幅で前記誘導口が開口することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記開閉部材は、前記遊技盤の盤面と交差し前記誘導口の一端側寄りに形成された回動軸を中心として回動可能に配されると共に、前記閉鎖部が前記回動軸の径方向に延設された板状形態をなして撓み変形可能に構成され、かつ、当該閉鎖部が前記閉鎖位置のときよりも下方に回動変位して前記開放状態となるように構成されており、
前記閉鎖位置のときに前記誘導口の他端側寄りに配置される先端部が、その閉鎖位置のときよりも上方側に移動するように回動可能とされており、
前記開閉部材の前記先端部が上方側に移動して回動限界位置まで回動したとき、当該閉鎖部が撓み変形していない場合には遊技球が通過不能な開口幅で前記誘導口が開口し、
前記開閉部材が前記回動限界位置において更に前記閉鎖部が撓み変形したときには、遊技球が1個通過可能となる開口幅で前記誘導口が開口することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の遊技機用可変入賞装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在では、上記のように遊技盤後方領域のコンパクト化が求められているが、従来から提供されている入賞装置では、このような要求を満たすことが難しかった。例えば、アタッカーとも称される大入賞口などでは、一般的に入賞口を開閉する扉が遊技盤に沿った閉塞位置とこの閉塞位置から前方に傾倒した開放位置とで変位するようになっており、このような扉を遊技盤の後方に設けられたソレノイドによって駆動していた。従って、遊技盤の後方側にはソレノイドやこれに付随する機械的な機構、或いはこれらを保持するハウジングなどを配置する必要があり、遊技盤の後方側に部品スペースをかなり割かなければならなかった。
【0005】
一方、特殊な入賞装置としては、特許文献1、2のようなものも提供されている。
特許文献1、2のいずれの構成も、遊技盤の盤面の前方において、盤面に沿って変位する開閉部材が設けられている。例えば特許文献1の構成では、可動板12が盤面に沿って揺動することで、入賞口4を開放状態と非開放状態とに変化させている。また、特許文献2の構成では、弁部材10が上下動することで入賞穴7を開放状態と非開放状態とに変化させている。
【0006】
特許文献1、2のように開閉部材を盤面の前方側で変位させれば、駆動機構等を極力前側に配置し易くなるため、遊技盤後方領域のコンパクト化の問題をある程度解決しやすくなる。しかしながら、特許文献1の構成は、駆動構造(リンク)が複雑であるため、装置全体としては大型化が避けられなくなってしまう。また、特許文献1、2のように、開閉部材(可動板12、弁部材10)を盤面前方側で単に上下動させる構成では、何らかの方法で開閉部材に不正にアクセスされた場合に、開閉部材が簡単に押し下げられてしまい入賞装置が容易に開放させられてしまう懸念がある。特に、特許文献2の構成は、弁部材10の移動方向が当該弁部材10を支持する部分の移動方向と同じであるため、弁部材10に対して遊技球が強い勢いで直接落下すると、弁部材10が開放位置に押し下げられてしまう虞もある。
【0007】
本発明の遊技機用可変入賞装置は、
遊技機の遊技盤に直接又は他部材を介して間接的に固定され、前記遊技盤の盤面と直交する前後方向において少なくとも前記遊技盤の前方側に、前記遊技盤の盤面に沿って流下する遊技球を下方側に進入させつつ取り込む誘導口が形成されてなる筐体と、
前記前後方向に沿ってスライドするように前記筐体に直接又は他部材を介して間接的に支持され、少なくとも自身の一部を前記遊技盤の盤面の前方側に配置して前記誘導口を閉鎖する閉鎖位置と、その閉鎖位置のときよりも後方側に退避して前記誘導口を開放する開放位置との間でスライド動作するように配置された開閉部材と、
駆動力を生じさせる駆動源と、
前記駆動源の駆動力を受けて所定のスライド方向にスライド動作するスライド部材と、を備え、
前記筐体には、前記遊技盤の盤面に沿って配置されると共に前記開閉部材が前記閉鎖位置にあるときに当該開閉部材の下流側に隣接して配置される下流側誘導樋が形成され、
前記下流側誘導樋の上流側の端部が前記誘導口の一部として構成されており、
前記開閉部材が前記閉鎖位置にあるときに、前記開閉部材の上面部及び前記下流側誘導樋の上面部によって前記開閉部材を上流側とし前記下流側誘導樋を下流側とするように外部流路が構成され、
前記スライド部材及び前記開閉部材のいずれか一方の部材には、前記スライド部材のスライド方向に対して傾斜した方向に沿った誘導溝が形成され、他方の部材又は他方の部材と連動する部材には、前記誘導溝内に挿入される挿入部が形成されており、
前記駆動源の駆動力を受けて前記スライド部材が前記所定のスライド方向にスライド動作したときに、前記挿入部が前記誘導溝内を相対的に移動するように案内され、その案内時における前記誘導溝の溝壁に対する前記挿入部の押圧作用に応じて、前記開閉部材が前後方向にスライド動作することを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の遊技機用可変入賞装置は、遊技機の遊技盤に直接又は他部材を介して間接的に固定され、前記遊技盤の盤面と直交する前後方向において少なくとも前記遊技盤の前方側に、前記遊技盤の盤面に沿って流下する遊技球を下方側に進入させつつ取り込む誘導口と、前記誘導口の下方に続く誘導路とが形成されてなる筐体と、
少なくとも前記盤面の前方側において前記誘導口を閉鎖可能な閉鎖部を備え、前記閉鎖部によって前記誘導口を閉鎖状態とする閉鎖位置と、前記誘導口を前記閉鎖状態よりも前記遊技球が進入しやすい開放状態とする開放位置とで変位する構成をなし、前記開放位置にある前記閉鎖部が、前記閉鎖位置から前記筐体内の前記誘導路側に入り込むように前記盤面に沿って下方側に沈下した位置となるように構成される開閉部材と、
前記開閉部材と連動可能に構成され、前記開閉部材を前記閉鎖位置で保持する保持位置と、前記保持位置から退避した退避位置とで変位する支持部材と、
前記支持部材を前記保持位置と前記退避位置とで変位させる駆動手段と、
を備え、
前記開閉部材には、前記支持部材に支持されると共に当該開閉部材が前記閉鎖位置と前記開放位置とで変位する際に所定の移動方向に変位する被作用部が形成され、
前記支持部材には、前記被作用部を支持すると共に前記被作用部の移動方向と交差する方向に変位する作用部が形成されており、
前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態で当該開閉部材を前記開放位置に変位させようとする外力が加わったときに前記所定の移動方向に変位しようとする前記被作用部を前記支持部材の前記作用部が支持し続けることで、前記開閉部材の変位が規制されて前記開閉部材の開放が阻止されることを特徴とする。
【0009】
本発明の遊技機は、上記遊技機用可変入賞装置が遊技盤に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊技機用可変入賞装置及び遊技機は、開閉部材が盤面の前方側で変位するように構成されているため、開閉部材を駆動させるための機構や駆動手段をそれほど遊技機奥側(遊技盤後方側)に配置する必要が無く、入賞装置全体として前後方向のコンパクト化を図りやすくなる。
一方、このように開閉部材を盤面の前方側で変位させてコンパクト化を図ろうとすると、遊技球の衝突等に起因して開閉部材が開放してしまうことが懸念される。しかしながら、本発明では、開閉部材が閉鎖位置にある状態で当該開閉部材を開放位置に変位させようとする外力が加わったときに、支持部材が保持位置にて開閉部材の変位を規制することで開閉部材の開放が阻止されるため、開閉部材が閉鎖位置にあるときには開閉部材側からは開放できなくなる。特に、支持部材には、開閉部材の被作用部の移動方向と交差する方向に変位する作用部が形成され、この作用部によって被作用部を支持することで開閉部材の変位を規制しているため、開閉部材に力を加えて直接移動させようとしても、この開閉部材と移動方向が異なる支持部材を変位させることができず、支持部材は保持位置に安定的に維持されることになる。従って、閉鎖位置にある開閉部材が遊技球の衝突に起因して開いてしまうようなことが無く、不正開放操作がなされたとしても、開閉部材の変位を安定的に規制し続けることができ、不正開放をより確実に防ぐことができる。
【0011】
本発明において、開閉部材は、遊技盤の盤面と交差し誘導口の一端側寄りに形成された回動軸を中心として回動可能に配されていてもよい。そして、この開閉部材は、閉鎖部が回動軸の径方向に延設された板状形態をなし、かつ、当該閉鎖部が閉鎖位置のときよりも下方に回動変位して開放状態となるように構成されていてもよい。更に、支持部材は、保持位置において作用部が被作用部と当接することにより、開閉部材が外力に応じて開放位置に変位することを規制するように構成されていてもよい。
この構成では、開閉部材の自重を利用して開放状態に変位させることができるため、開閉部材を開放させるために力を加える部品を省略又は簡素化することができる。また、支持部材を当接させることで開閉部材の変位を規制し、支持部材を退避させることで規制を解除するといった簡単な機構で開閉部材のロック及びロック解除を実現することができる。更に、駆動手段によって駆動される支持部材と開閉部材の間に中間部材を介在させていないため、駆動手段の駆動力をより直接的に開閉部材に伝達でき、開閉動作をより俊敏に行うことができる。
【0012】
本発明において、駆動手段は、
駆動源と、該
駆動源に対し
て相対移動する
駆動変位部とを備えた構成
としてもよい。そして、支持部材は、
駆動変位部と一体的に移動可能に構成され、
駆動変位部の変位に応じて直線的に往復動するように構成されていてもよい。更に、開閉部材は、支持部材が退避位置にあるときに当該支持部材による支持が解除された状態で開放位置で維持され、支持部材が退避位置から保持位置に向けて直線的に動作したときに当該支持部材によって押圧されることにより閉鎖位置に変位し、且つ当該閉鎖位置で支持部材に支持され続けるように構成されていてもよい。
この構成では、
駆動変位部と支持部材とを一体
的に変位させており、支持部材自体の駆動構造を簡素化することができる。更に、支持部材と開閉部材との間に中間部材を介在させず、支持部材の直線的な変位を直接的に開閉部材に伝達しているため、中間部材によって力を変換することに起因するエネルギーの損失や中間部材の摺動等に起因する摩耗等が生じにくくなる。従って、寸法精度が低下しにくく、部品寿命も延ばしやすくなる。また、
駆動手段の具体例として、駆動源としてのコイル部と、該コイル部に対して直線的に相対移動する駆動変位部としてのプランジャとを備えたソレノイドによって構成されていてもよい。ソレノイドの駆動力をより直接的に開閉部材に伝達できるため、開閉動作をより俊敏に行うことができる。
【0013】
本発明において、筐体には、遊技盤の盤面に沿って配置され且つ開閉部材が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材の上流側に隣接して配置される上流側誘導樋が形成されていてもよい。そして、上流側誘導樋の下流側の端部が誘導口の一部として構成されていてもよい。更に、開閉部材が閉鎖位置にあるときに、開閉部材の上面部及び上流側誘導樋の上面部によって上流側誘導樋を上流側とし開閉部材を下流側とするように外部流路が構成されていてもよい。
この構成によれば、開閉部材の閉鎖時には上流側誘導樋及び開閉部材の各上面部を外部流路として利用し、遊技領域において遊技球の誘導に役立てることができる。一方、開閉部材の開放時には外部流路を流下する遊技球を誘導口内に円滑に導くことが可能となる。
【0014】
本発明は、駆動手段の少なくとも一部が上流側誘導樋の下方に配置され且つ遊技盤の後面よりも前側の領域に配置されていてもよい。
このような構成では、遊技球を流下させにくい領域(上流側誘導樋の下方領域)を利用して駆動手段を効率的に配置することができる。そして、装置全体として後方側に嵩張らなくなり、前後方向のコンパクト化を図ることができる。
【0015】
本発明において、筐体には、遊技盤の盤面に沿って配置され且つ開閉部材が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材の下流側に隣接して配置される下流側誘導樋が形成されていてもよい。そして、下流側誘導樋の上流側の端部が誘導口の一部として構成されていてもよい。更に、開閉部材が閉鎖位置にあるときに、開閉部材の上面部及び下流側誘導樋の上面部によって開閉部材を上流側とし下流側誘導樋を下流側とするように外部流路が構成されていてもよい。
この構成によれば、開閉部材の閉鎖時には開閉部材及び下流側誘導樋の各上面部を外部流路として利用し、遊技領域において遊技球の誘導に役立てることができる。一方、開閉部材の開放時には外部流路を流下する遊技球を誘導口内に円滑に導くことが可能となる。
【0016】
本発明において、筐体の内部に、誘導口側を上流側として当該誘導口から進入する遊技球を下流側に設けられた排出部へ誘導するように誘導路が形成されていてもよい。そして、遊技盤の後面よりも前側の領域に、誘導路を通過する遊技球を検出する球検出部が設けられていてもよい。
この構成によれば、誘導口から進入した遊技球を下流側の排出部に円滑に導き、当該排出部から装置外に排出することができる。また、遊技盤の後面よりも前側の領域を利用して球検出器を配置することができるため、入賞装置としての機能を果たし得る構成を、よりコンパクトに実現でき、特に遊技盤の後方領域を有効に利用することが可能となる。
【0017】
本発明において、球検出部は、当該球検出部の上面部側から下面部側に連通するように遊技球通過孔が形成され、当該遊技球通過孔を通過する遊技球を検出するように構成され、更に、上面部の前端側が後端側よりも下方位置となるように傾斜した状態で筐体内に保持されていてもよい。
この構成によれば、遊技球を後方側且つ下方側に円滑に導きつつ当該遊技球を検出しうる構成をより小型構成で実現することができる。
【0018】
本発明は、開閉部材の上面部における下流側誘導樋寄りの端部に下流側誘導樋に近づくにつれて低位置となるように傾斜するテーパ部が形成される構成、及び下流側誘導樋の下面部における開閉部材寄りの端部に開閉部材から離れるにつれて低位置となるように傾斜するテーパ部が形成される構成、の少なくともいずれかの構成が用いられていてもよい。
この構成によれば、更に、上記テーパ部が形成されているため、開閉部材が開放位置から閉鎖位置に復帰する際に下流側誘導樋と開閉部材との間で球噛みが発生し難くなる。従って、球噛みに起因する余分な入賞を効果的に防ぐことができる。特に、一旦球噛みが発生すると、球噛みした遊技球が次球の押圧で押し出されたときに次球が球噛みしてしまうとい球噛みの連鎖が問題となるが、上記構成によればこのような球噛みの連鎖をより確実に防ぐことができる。
【0019】
本発明は、筐体の内部に、誘導口側を上流側として当該誘導口から進入する遊技球を下流側に設けられた排出部へ誘導するように誘導路が形成されていてもよい。そして、開閉部材は、遊技盤の盤面と交差し誘導口の一端側寄りに形成された回動軸を中心として回動可能に配されると共に、閉鎖部が回動軸の径方向に延設された板状形態をなし、かつ、当該閉鎖部が閉鎖位置のときよりも下方に回動変位して開放状態となるように構成されていてもよい。更に、この開閉部材は、閉鎖部における回動軸とは反対の端部側から下方に突出する下方突出部が設けられ、閉鎖位置にあるときに下方突出部が誘導路の上流側を閉鎖し、開放位置となったときに下方突出部が誘導路から退避して当該誘導路と誘導口とを連通させるように構成されていてもよい。
この構成によれば、誘導口から進入した遊技球を下流側の排出部に円滑に導き、当該排出部から装置外に排出することができる。また、開閉部材が閉鎖位置にあるときに下方突出部が誘導路の上流側を閉鎖するように構成されているため、誘導路内に流入した遊技球が上流側(特に開閉部材の回動域側)に入り込むことを防ぐことができ、誘導路内の遊技球をより円滑に下流側に導くことができる。
【0020】
また、本発明は、筐体において、遊技盤の盤面に隣接して配置される台板と、台板の前方側において当該台板と対向して配置される前飾り板とが設けられていてもよい。そして、少なくとも駆動手段の駆動変位部と支持部材とが、筐体内において前飾り板と台板とによって前後が閉鎖された閉鎖空間に収容されていてもよい。
この構成では、駆動手段の駆動変位部及び支持部材の前後を前飾り板と台板とによってカバーすることができるため、これら部品に対して前方からも後方からもアクセスし難くなる。従って、開閉部材だけでなく駆動変位部や支持部材に対する不正操作をも効果的に防止することができ、不正防止効果をより一層高めることができる。
【0021】
本発明は、支持部材の少なくとも下方側において当該支持部材をガイドするガイド部が設けられていてもよい。そして、支持部材は、下面側がガイド部によって支持される構成をなし、且つ保持位置にあるときに上面側で開閉部材を支持するように構成されていてもよい。
この構成によれば、ガイド部によって支持部材を円滑且つ安定的に変位させることができる。特に支持部材は保持位置のときに上下方向に確実に位置決めされた状態で上面側の開閉部材を支持することができるため、閉鎖位置にある開閉部材がより安定的に保持されることとなる。
【0022】
本発明において、開閉部材は、遊技盤の盤面と交差し誘導口の一端側寄りに形成された回動軸を中心として回動可能に配されると共に、閉鎖部が回動軸の径方向に延設された板状形態をなし、かつ、当該閉鎖部が閉鎖位置のときよりも下方に回動変位して開放状態となるように構成され、更に閉鎖部における回動軸とは反対の端部と回動軸との間に被作用部が設けられていてもよい。そして、支持部材は、遊技球の流下方向を上下方向とし、当該上下方向及び前後方向と直交する方向を左右方向としたとき、左右方向において回動軸よりも被作用部側に作用部が設けられていてもよい。更に、左右方向において回動軸よりも作用部側とは反対側に延出する構成で作用部と一体的に延出部が形成され、保持位置にあるときには、閉鎖位置にある開閉部材の被作用部を作用部によって支持し、保持位置から退避位置に変位する際に、作用部を被作用部側から退避させることで開閉部材の支持を解除し、且つ当該開閉部材において回動軸を挟んで被作用部とは反対側に位置する部分を延出部によって押圧することで開閉部材に対し被作用部側を下方側に移動させる方向の回転力を加えるように構成されていてもよい。
この構成では、開閉部材を開放位置に移動させる際に、作用部の退避に起因する力(自重による下降力等)だけでなく、延出部による押圧で生じる回転力をも付加することができ、開閉部材をより迅速かつ確実に回転させて即座に開放位置に移動させることができる。
【0023】
本発明において、支持部材は、開閉部材の下方において開閉部材の回動軸と略平行に位置する前後方向に沿った揺動軸線周りで揺動し得る構成をなし、且つ揺動軸線の上方側に延出して配される先端部分が作用部として構成され、揺動軸線周りの揺動に応じて被作用部の移動方向と交差する方向に変位するようにしてもよい。そして、支持部材が保持位置にあるときには、当該支持部材の作用部が揺動軸線の真上の位置又はその近傍、より好ましくは当該真上の位置に対して退避位置とは反対側の位置に保持されることで開閉部材の沈下を規制し、支持部材が退避位置となったときには、当該支持部材の作用部が揺動軸線の真上の位置又はその近傍(被作用部の下方)から退避することで開閉部材が下方側に沈下可能となるように構成されていてもよい。
この構成によれば、遊技盤後方側のコンパクト化を図りつつ、不正開放をより確実に防止し得る構成を、支持部材を回動可能に保持するという簡易な構成を用いて実現できる。
【0024】
本発明において、更に、支持部材の作用部を、回動軸から遠ざかる方向に付勢する付勢手段が設けられていてもよい。そして、駆動手段が、付勢手段による付勢に抗して作用部を回動軸側に移動可能とされ、開閉部材の下面側に、支持部材の作用部が被作用部を超えて回動軸側とは反対側に移動することを規制するストッパーが形成されていてもよい。そして、支持部材が保持位置にあるときには、当該支持部材の作用部が付勢手段によって付勢されつつストッパーに当接することで、揺動軸線の真上の位置又はその近傍、より好ましくは当該真上の位置に対して回動軸とは反対側の位置で保持されることで、開閉部材の沈下を規制し、支持部材が退避位置となったときには、当該作用部が揺動軸線の真上の位置又はその近傍よりも回動軸に近づくように退避することで、開閉部材が下方側に沈下可能となるように構成されていてもよい。
この構成では、駆動手段の非駆動時には付勢手段の付勢によって支持部材の作用部をストッパーに押し付けて保持することができるため、支持部材の作用部を、揺動軸線の真上の位置又はその近傍、より好ましくは真上の位置に対して回動軸とは反対側の位置に確実且つ安定的に位置保持することができ、ひいては、開閉部材が沈下しないように確実に支持して閉鎖位置に安定的に保つことができる。
【0025】
本発明は、筐体に、駆動手段を保持する保持壁が設けられ、保持壁において駆動手段の上側に配置される壁部には、開閉部材側に面するリブが形成されていてもよい。そして、開閉部材は、遊技盤の盤面と交差する回動軸を中心として回動可能に配され、閉鎖位置にあるときに回動軸を挟んだ両側の内の誘導口を閉鎖する側が所定位置に配置され、閉鎖位置から回動して開放位置となったときに誘導口を閉鎖する側が所定位置よりも下方となるように構成され、誘導口を閉鎖する側の端部と回動軸との間に被作用部が設けられていてもよい。更に、筐体のリブは、開閉部材が閉鎖位置となったときに回動軸を挟んで被作用部とは反対側に位置する部分と当接することで、当該開閉部材がその当接位置を超えて回動することを規制するように構成されていてもよい。
この構成によれば、保持壁によって駆動源を安定的に位置決めし保持することができる。また、保持壁に形成されたリブを使用して開閉部材の回動範囲を規制することができ、開閉部材を適切な回動範囲内で変位させ得る構成をよりコンパクトに実現できる。
【0026】
また、本発明において、開閉部材は、閉
鎖位置のときに誘導口の他端側寄りに配置される先端部がその閉
鎖位置のときよりも上方側に移動するように回動可能とされていてもよい。そして、開閉部材の先端部が上方側に移動して回動限界位置まで回動したときに、遊技球が1個通過可能となる開口幅で誘導口が開口するように構成されていてもよい。
このようにすることで、例えば開閉部材を回動限界位置まで人為的に持ち上げ操作等することによって、駆動手段を駆動させずとも誘導路内に遊技球を導入することが可能となり、遊技球の通過状態の検査(例えば検出センサの動作検査等)などを容易に行うことができるようになる。
【0027】
また、本発明において、開閉部材は、閉鎖部が回動軸の径方向に延設される板状形態をなして撓み変形可能に構成され、閉
鎖位置のときに誘導口の他端側寄りに配置される先端部がその閉
鎖位置のときよりも上方側に移動するように回動可能とされていてもよい。そして、開閉部材の先端部が上方側に移動して回動限界位置まで回動したとき、当該閉鎖部が撓み変形していない場合には遊技球が通過不能な開口幅で誘導口が開口し、開閉部材が回動限界位置において更に閉鎖部が撓み変形したときには、遊技球が1個通過可能となる開口幅で誘導口が開口するように構成されていてもよい。
このようにすることで、例えば開閉部材を回動限界位置まで人為的に持ち上げ操作等することによって、駆動手段を駆動させずとも誘導路内に遊技球を導入することが可能となり、遊技球の通過状態の検査(例えば検出センサの動作検査等)などを容易に行うことができるようになる。特にこの構成では、開閉部材を回動限界位置まで回動させただけでは、遊技球を入賞させることができないため、不正防止効果を十分に有する。一方、閉鎖部が撓み変形可能であるので、遊技球を開口から押し込む形で導入させることが可能となり、遊技球の通過状態の検査を容易に行うことができる。
【0028】
また、本発明は、開閉部材の閉鎖部の下面側において先端部から所定距離離れた位置(閉鎖部の中途位置)に、下方側に突出する突出部が形成されていてもよい。そして、この突出部は、開閉部材が閉
鎖位置のときよりも上方側に持ち上げられて遊技球が1個通過可能となる開口幅で誘導口が開口したときに、当該開口を介して導入される遊技球が前記誘導路を流下するように誘導する誘導壁として機能するように構成されていてもよい。
この構成では、例えば検査工程などにおいて駆動手段を駆動させずに誘導路内に遊技球を導入する場合に、導入された遊技球が開閉部材の下側に入り込んで支持部材や駆動手段の動作を阻害するといったことが生じ難く、球噛み等が発生しにくいため、導入された遊技球をスムーズに流下させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る遊技機用可変入賞装置10及びそれを備えた遊技機1を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、
図1は、第1実施形態に係る遊技機用可変入賞装置10を備えた遊技機1を例示する正面図であり、まず、
図1を参照して遊技機1の構成を概説する。
【0031】
(遊技機の構成)
図1に示す遊技機1は、いわゆるパチンコ機として構成されるものであり、木板(ベニヤ板)、アクリル板等によって構成される遊技盤2の盤面(遊技盤2の前面)2aに沿って遊技球Bの発射を誘導するガイドレール5が設けられ、このガイドレール5等によって区画された形態で遊技領域が形成されている。また、遊技盤2の中央付近には、各種表示を行い得る液晶表示部3が配置され、この液晶表示部3の下方には、始動誘導口7が配置されている。そして、液晶表示部3の下方側において、始動誘導口の横方向に、本発明に係る遊技機用可変入賞装置10が配置されている。なお、遊技機1には、遊技盤2の前方において当該遊技盤2の盤面2aとほぼ平行に透明板(ガラス板等)が配置され、ガイドレール5等によって区画された遊技領域内において透明板と遊技盤2との間を遊技球が流下するように構成されている。
【0032】
(遊技機用可変入賞装置の構成)
次に、第1実施形態に係る遊技機用可変入賞装置10について説明する。
図1に示すように、遊技機用可変入賞装置10(以下、入賞装置10ともいう)は、遊技盤2に固定されて用いられるものであり、その一部が遊技盤2の前方側から視認可能となるように露出した状態で配置されている。この入賞装置10は、
図1、
図4に示すように盤面2aの前方側に配される誘導口20を備えており、この誘導口20が開放したときに、盤面2aに沿って流下する遊技球を内部に誘導することができる。なお、
図1等に示す代表例では、誘導口20が大入賞口として機能するアタッカーとしての例を示すが、遊技球が入賞し得る構成であれば様々な入賞装置に適用できることは勿論である。
【0033】
本明細書において、「前後方向」とは、遊技機用可変入賞装置10が取り付けられる遊技盤2の盤面2aと直交する方向を意味し、盤面2aに対し、開閉部材21が配置される側(即ち、遊技者が位置するべき側)を前方側、それとは反対側(即ち、遊技機1奥側)を後方側とする。なお、
図3、
図4では、盤面2aの位置を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0034】
また、「上下方向」とは、遊技領域を遊技球が流下する方向(鉛直方向)を意味し、鉛直上方側を上方、鉛直下方側を下方とする。また、「左右方向」とは、上記「前後方向」及び「上下方向」と直交する方向を意味する。遊技機前方側から見て左側を左方向、右側を右方向とする。
【0035】
ここで、
図2〜
図7等を参照し、入賞装置10を構成する各部品について詳述する。
図2(A)は、第1実施形態に係る遊技機用可変入賞装置の正面図であり、
図2(B)その背面図である。
図3(A)は、
図2の遊技機用可変入賞装置の右側面図であり、
図3(B)は、その左側面図である。
図4(A)は、
図2の遊技機用可変入賞装置の平面図であり、
図4(B)は、その底面図である。
図5(A)は、
図2の遊技機用可変入賞装置において前飾り板の後面付近で切断した構成を概略的に示す斜視図であり、
図5(B)は、
図2の遊技機用可変入賞装置を斜め後方から見た斜視図である。
図6は、
図2の遊技機用可変入賞装置を斜め前方側から見た分解斜視図である。
図7は、
図2の遊技機用可変入賞装置を斜め後方側から見た分解斜視図である。
【0036】
図2〜
図5に示すように、入賞装置10は、主として、筐体80、開閉部材21、ソレノイド40、支持部材30、ガイド部材70、球検出部62を備えている。
筐体80は、支持部材30、開閉部材21、ソレノイド40、ガイド部材70、球検出部62等を収容すると共に入賞装置10の外殻をなすものであり、例えば樹脂材料などによって箱状に構成されている。この筐体80は、
図5〜
図7に示すように、前方側に配される前飾り部材84と、後方側に配される台板部材82と、球検出部62を保持して台板部材82に取り付けられる保持部材64とによって構成されており、これらが、ねじ等の締結部材86(
図6、
図7等)によって一体的に組み付けられている。
【0037】
図6、
図7に示すように、前飾り部材84は、遊技盤2の盤面2aと略平行に配置される板状の前飾り板84aと、この前飾り板84aから後方に突出する周壁部84bとを備えており、周壁部84bが、前飾り板84aの外周に沿って略環状に配置されるようになっている。
【0038】
前飾り部材84に組み付けられる台板部材82は、遊技盤2の盤面2aに隣接して配置される板状の台板82aと、この台板82aから後方に突出する環状壁部82bとを備えている。そして環状壁部82bの内部に、後述する球検出部62及びこの球検出部62を保持する保持部材64が嵌まり込んだ状態で組み付けられるようになっている。具体的には、
図6、
図7のように、台板82aにおいて有底状の穴部82cと、台板82aを厚さ方向に貫通する貫通孔82dとが形成されており、貫通孔82dの周囲を囲むように環状壁部82bが配置されている。そして、この貫通孔82d内に嵌合する構成で球検出部62を保持する保持部材64が取り付けられ、貫通孔82d内に挿入され且つ台板82aの前後に跨る構成で球検出部62が配置されるようになっている(
図11(A)も参照)。
【0039】
このように構成される筐体80は、
図8、
図9のように支持部材30やソレノイド40を内部に収容して直接的に保持するように構成されており、
図9、
図11のように、筐体80内において前飾り板84aと台板82aとによって前後が閉鎖された閉鎖空間に、開閉部材21、ガイド部材70、支持部材30及びソレノイド40が組み付けられるようになっている。
【0040】
また、
図4(A)のように、筐体80の上面部には、遊技盤2の盤面2aに沿うように誘導樋50が形成されている。この誘導樋50は、
図4(A)(
図5(A)のように開閉部材21が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材21の上流側に隣接して配置される上流側誘導樋52と、開閉部材21が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材21の下流側に隣接して配置される下流側誘導樋51とにより構成されている。そして、上流側誘導樋52と下流側誘導樋51との間が誘導口20となっている。
【0041】
具体的には、前飾り部材84の周壁部84bの一部をなす上側の壁部52aが上流側誘導樋52の底壁部となっており、もう一方の上側の壁部51aが下流側誘導樋51の底壁部となっている。上流側誘導樋52は、この壁部52aと、前飾り板84a及び台板82aにおける壁部52aに隣接する部分とによって構成されており、壁部52a上を転がるように遊技球が流下するようになっている。また、下流側誘導樋51は、この壁部51aと、前飾り板84a及び台板82aにおける壁部51aに隣接する部分とによって構成されており、壁部51a上を転がるように遊技球が流下するようになっている。この誘導樋50では、壁部52aにおける左右方向一方側(壁部51a側)の端部と、壁部51aにおける左右方向他方側(壁部52a側)の端部と、前飾り板84aと、台板82aとによって誘導口20が形成されており、これらによって囲まれる開口領域が遊技球の取り込み口となっている。この構成では、
図8(A)、
図9(A)のように開閉部材21が閉鎖位置にあるときには、上流側誘導樋52によって誘導口20側に導かれた遊技球が開閉部材21の上を転がり、下流側誘導樋51に導かれることとなる。また、
図8(B)、
図9(B)のように後述する開閉部材21が開放位置にあるときには、上流側誘導樋52によって誘導口20側に導かれた遊技球が誘導口20から内部に進入することとなる。なお、
図8、
図9等に示す例では、上流側誘導樋52は、誘導口20側が低位となるように傾斜しているが、反対に傾斜するように形成されていてもよい。即ち、誘導口20側が高位であり、誘導口20とは反対側が低位となるように形成されていてもよい。
【0042】
また、
図8、
図9に示すように、筐体80の内部には、誘導口20側を上流側として当該誘導口20から進入する遊技球を下流側に設けられた排出部60a(
図11(A)参照)へ誘導する誘導路60が形成されている。
図9、
図11(A)に示すように、誘導路60は、前飾り部材84における上記壁部51aと、保持部材64において壁部51aの下方側に対向するように設けられた底壁部64bと、底壁部64bに隣接する傾斜壁部64a(
図9)と、これらの前方に配置される前飾り板84aと、前飾り板84aの後方側に配置される球検出部62などによって構成されている。この誘導路60は、遊技球を1球ずつ通す流路として機能しており、具体的には、前飾り板84aの後方側且つ球検出部62の前方側において、壁部51aと底壁部64bとの間を遊技球(誘導口20から進入した遊技球)が通るようになっている。また、
図11(A)に示すように、壁部51aと底壁部64bとによって上下が閉塞された空間の後方側には、途中に遊技球通過孔62aを介在させて排出部60aが連通している。また、傾斜壁部64aは、上端側が後方位置となり、下端側が前方位置となるように傾斜しており、誘導口20の直下の後方側に進入した遊技球を前方側の底壁部64b上に誘導するように機能している。
【0043】
球検出部62は、
図11(A)に示すように、下流側誘導樋51の下方側において遊技盤2の後面よりも前側の領域に配置されており、誘導路60を通過する遊技球Bを検出するように機能している。なお、
図11(A)(B)では、遊技盤2の後面の位置を概念的に例示しており、例えば、遊技盤2がアクリル板として構成される場合には符号2b’の位置に遊技盤2の後面が配され、遊技盤2が木板として構成される場合には符号2b”の位置に遊技盤2の後面が配されるようになっている。なお、遊技盤2がアクリル板として構成される場合には例えば厚みを10mmとし、ベニヤ板として構成される場合には例えば厚みを19mmに設定することが望ましい。すなわち、入賞装置10は、ベニヤ板よりも厚みが薄いアクリル板においても、遊技盤2の後面2b’よりも前側の領域に配置することができる。
【0044】
球検出部62は、上面部62bの一部が誘導路60内に面し、他の部分が傾斜壁部64a(
図9)に覆われるように筐体80の内部に保持されており、上面部62bの誘導路60内に面する部分において上面部62b側(
図8、
図11(A)参照)から下面部62c側(
図2(B)、
図11(A)参照)に連通するように遊技球通過孔62aが形成されている。そして、この遊技球通過孔62aを通過する遊技球Bを検出するように構成されている。また、
図11(A)のように、球検出部62は、上面部62bの前端側が後端側よりも下方位置となるように傾斜した状態で筐体80内に保持され、遊技球通過孔62aが上方前側から下方後側に続くように配置されて、上面部62b側から遊技球通過孔62a内に入り込んだ遊技球がこの遊技球通過孔62aによって後方側且つ下方側に導かれるようになっている。遊技球通過孔62aを通過した遊技球は、この遊技球通過孔62aの後方側且つ下方側に設けられた排出部60aに誘導され、排出部60aから装置外に排出されるようになっている。
【0045】
次に、開閉部材21について説明する。
開閉部材21は、
図6、
図7等に示すように長手状且つ略板状に構成されており、
図4(A)、
図5(A)に示すように、上述の誘導口20を閉塞し得るように筐体80に保持されている。この開閉部材21は、
図8(A)(B)、及び
図9(A)(B)に示すように、盤面2a(
図3、
図4等)の前方側において、誘導口20を閉鎖状態とする閉鎖位置(
図8(A)、
図9(A))と、誘導口20を閉鎖状態よりも遊技球Bが進入しやすい開放状態とする開放位置(
図8(B)
図9(B))とで変位するようになっている。
【0046】
図6等に示すように、開閉部材21には、軸部材22が挿し通される孔部21fが形成されており、
図11(B)に示すように、孔部21fに軸部材22が挿し通された状態でこの軸部材22の両端部が前飾り部材84と台板部材82とによって保持されるようになっている。これにより、開閉部材21は、筐体80に保持された状態で軸部材22を中心として回動可能となり、盤面2aと交差する回動軸G1(軸部材22の中心となる仮想軸)を中心として回動することとなる。また、開閉部材21は、当該開閉部材21の長手方向一方側寄りの回動軸G1を中心として回動するようになっており、
図8(A)のように閉鎖位置にあるときには、一端側(長手方向において回動軸G1とは反対側)が所定位置(具体的には、壁部51aの上流側端部に隣接する位置)に配置され、
図8(B)のように閉鎖位置から回動して開放位置となったときには、この一端側が所定位置よりも下方に変位して壁部51aから離間するようになっている。
【0047】
図8、
図9に示すように、開閉部材21は、主として、誘導口20を閉鎖可能な板状の閉鎖部21bと、閉鎖部21bの一端側から下方に突出する下方突出部21cと、下方突出部21cと回動軸G1との間において下方側に突出するように凸状に形成された被作用部21aとを備えている。被作用部21aは、後述する支持部材30によって支持される部分であり、
図8(A)のように支持部材30が被作用部21aの下方に位置しているときには、この支持部材30と当接し、下方側への移動が規制されるようになっている。一方、この開閉部材21は、
図8(B)のように支持部材30が被作用部21aの下から退避したときには、支持部材30による支持(当接)が解除され、
図8(A)のときよりも下方側に移動し得るようになっている。このように、開閉部材21は、
図8(A)、
図9(A)のように閉鎖位置にあるときに、閉鎖部21bが筐体80内の誘導路60側に入り込むように盤面2bに沿って下方側に沈下することで、
図8(B)、
図9(B)に示す開放位置となるように構成されている。また、
図6のように、開閉部材21における下方突出部21c側の端部後方側には、外面が閉鎖部21bの長手方向に対して傾斜するように切り欠かれた切欠部21gが形成されており、このように切り欠かれているため、閉鎖部21bが上下動しても傾斜壁部64aと干渉しないようになっている。
【0048】
次に、ソレノイド40について説明する。
ソレノイド40は、「駆動手段」の一例に相当するものであり、「駆動源」として構成されるコイル部41と、「駆動変位部」として構成されるプランジャ42とを備えている。そして、
図8、
図9、
図11(B)のように、開閉部材21の下方側で且つ上流側誘導樋52の下方に配置され、さらに遊技盤2の後面よりも前側の領域に配置されている。そして、コイル部41によってプランジャ42(駆動変位部)を駆動することにより、後述する支持部材30を保持位置と退避位置とで変位させるように機能している。
【0049】
プランジャ42は、軸状に構成されると共に、その一部がコイル部41に形成された孔部41a(
図6、
図7)内に挿入されるようになっており、この孔部41aに沿って移動することによりコイル部41に対して直線的に相対移動するようになっている。このプランジャ42は、フランジ状に構成された先端部が後述する支持部材30と嵌合することで支持部材30に一体的に連結されており、支持部材30はプランジャ42の変位に応じて直線的に往復動するようになっている。
【0050】
コイル部41は、孔部41aの周囲に巻き回された図示しないコイルを有しており、このコイルが通電されることにより、孔部41aの内部が励磁されるようになっている。このコイル部41は、前飾り板84aと台板82aとによって前後が閉鎖された閉鎖空間に収容されており、具体的には、筐体80の内部に形成された保持壁81によって保持されるようになっている。保持壁81は、
図8(A)、
図9(A)のように、コイル部41の左右に配置される側壁部81b、81cと、コイル部41の下方に配置される底壁部81dと、コイル部41の上部に配置されるリブ81aとを備えており、これらは前飾り部材84の一部として構成されている。また、コイル部41は、前飾り板84aと台板82a(具体的には穴部82cの壁部(
図6等))とによって前後方向の移動が規制されており、これら前飾り板84a及び台板82aの一部(コイル部41と当接する部分)も保持壁81として機能している。
【0051】
次に、支持部材30について説明する。
支持部材30は、
図6、
図7のような形態をなしており、開閉部材21と連動可能に構成され、開閉部材21を閉鎖位置で保持する保持位置と、保持位置から退避した退避位置とで変位するように機能している。この支持部材30は、上面部が開閉部材21を支持する平坦な支持部31として構成されており、この支持部31の下方には、プランジャ42の先端部と嵌合する嵌合部32が形成されている。
図8、
図9のように嵌合部32がプランジャ42の先端部と嵌合することでプランジャ42と支持部材30とが一体的に移動するようになっている。プランジャ42は、コイル部41の駆動及び駆動解除に伴って直線的に往復動するようになっており、支持部材30は、プランジャ42の変位に応じ、
図8(A)、
図9(A)に示す保持位置と、
図8(B)
図9(B)に示す退避位置とで直線的に往復動するようになっている。
【0052】
また、支持部材30は、前飾り板84aと台板82aとによって前後が閉鎖された閉鎖空間において、下面側がガイド部材70によって支持されている。
図6、
図7等に示すように、ガイド部材70の内部は左右方向に延びる溝状に構成されており、支持部材30は、このガイド部材70によって前後が拘束された状態で左右に往復動するようになっている。ガイド部材70の底部には、左右方向に延びるリブ状のガイド部70aが形成されており、支持部材30は、このガイド部70aによって支持されつつガイド部材70内で往復動するようになっている。
【0053】
このように構成される入賞装置10では、コイル部41が通電されていないときには、ばね部材43の付勢によってプランジャ42が突出位置で維持され、これにより支持部材30が
図8(A)、
図9(A)に示す保持位置で維持されることになる。そして、このように支持部材30が保持位置にあるときには、開閉部材21の被作用部21aが支持部材30の支持部31と当接するため、開閉部材21の下方への移動が規制され、開閉部材21が閉鎖位置で保持され続ける。
【0054】
そして、このように開閉部材21が閉鎖位置にあるときには、被作用部21aの下方側が支持部31によって支持(当接)され続けるため、開閉部材21を開放位置に変位させようとする外力が加わっても、或いは、遊技球が開閉部材21上を転がったり開閉部材21に強く衝突したとしても、支持部材30が保持位置にて開閉部材21の変位を規制し続け、これにより開閉部材21の開放が阻止される。特に、支持部材30は、下方側がガイド部70aによって常時支持され且つ左右方向に往復動するように構成されており、更に、被作用部21aを支持する面(支持部31の上面)が盤面2aと略直交するように配されるため、強い力で被作用部21aを下方に移動させようとしても支持部材30が位置変化せずに保持位置で維持されることになる。
【0055】
一方、コイル部41が通電されると、ばね部材43の付勢に抗してプランジャ42がコイル部41内に引き込まれ、プランジャ42が没入位置に移動する。これにより支持部材30が
図8(B)、
図9(B)に示す退避位置で維持されることになる。そして、このように支持部材30が退避位置となったときには、被作用部21aの下方側に移動スペースが生じるため、開閉部材21は、一端側(下方突出部21c側)が自重により下降し、
図8(B)、
図9(B)のように開放位置で維持される。
【0056】
また、支持部材30が退避位置から保持位置に向けて直線的に動作したときには、開閉部材21は、この支持部材30によって押圧されることにより再び閉鎖位置に変位し、上述のように当該閉鎖位置で支持部材30に支持され続ける。また、
図8(A)、
図9(A)等に示すように、保持壁81におけるソレノイド40の上側に配置される壁部には、開閉部材21側に面するリブ81aが形成されており、このリブ81aは、開閉部材21が開放位置となったときに回動軸G1を挟んで被作用部21aとは反対側に位置する端部21eと当接することで、当該開閉部材21がその当接位置を超えて回動することを規制している。このように、リブ81aは、開閉部材21の回動を阻止するストッパーとしての機能を果たしている。すなわち、開閉部材21は、回動軸G1を挟んで一端が支持部材30の支持部31に、他端がリブ81aによって支持されることとなり、遊技球が開閉部材21に衝突した場合にその反発などによって、ガタつく(回動)することがなく、安定させることができる。
【0057】
また、開閉部材21は、回動軸G1が上流側誘導樋52の下方に位置するように配置されている。このため、開閉部材21を軸支している部分に対して遊技球による衝撃が直接加わらず、開閉部材21を回動させるための機構を保護することができる。また、
図8(B)のように、開閉部材21は、開放位置に変位したときに下方突出部21cの先端が筐体80の下方側に形成された底壁部81fに当接するようになっており、この当接により開放位置で安定的に維持されることとなる。また、底壁部81fが開閉部材21の下方側への移動を規制するストッパーとして機能するため、開閉部材21がそれほど低い位置に沈み込まず、誘導路60をある程度高い位置に設定できるようになっている。従って、誘導口20から誘導路60の底部までの距離を短くすることができる。
【0058】
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態に係る入賞装置10では、開閉部材21が盤面2aの前方側で変位するように構成されているため、開閉部材21を駆動させるための機構や駆動手段をそれほど遊技機奥側(遊技盤2後方側)に配置する必要が無く、入賞装置全体として前後方向のコンパクト化を図りやすくなる。
一方、このように開閉部材21を盤面2aの前方側で変位させてコンパクト化を図ろうとすると、遊技球の衝突等に起因して開閉部材21が開放してしまうことが懸念される。しかしながら、本実施形態では、開閉部材21が閉鎖位置にある状態で当該開閉部材21を開放位置に変位させようとする外力が加わったときに、支持部材30が保持位置にて開閉部材21の変位を規制することで開閉部材21の開放が阻止されるため、開閉部材21が閉鎖位置にあるときには開閉部材21側からは開放できなくなる。特に、支持部材30には、開閉部材21の被作用部21aの移動方向と交差する方向に変位する支持部31(作用部)が形成され、この支持部31によって被作用部21aを支持することで開閉部材21の変位を規制しているため、開閉部材21に力を加えて直接移動させようとしても、この開閉部材21と移動方向が異なる支持部材30を変位させることができず、支持部材30は保持位置に安定的に維持されることになる。従って、閉鎖位置にある開閉部材21が遊技球の衝突に起因して開いてしまうようなことが無く、不正開放操作がなされたとしても、開閉部材21の変位を安定的に規制し続けることができ、不正開放をより確実に防ぐことができる。
【0059】
また、本実施形態において、開閉部材21は、遊技盤2の盤面2aと交差し誘導口20の一端側寄りに形成された回動軸を中心として回動可能に配されている。そして、この開閉部材21は、閉鎖部21bが回動軸の径方向に延設された板状形態をなし、かつ、当該閉鎖部21bが閉鎖位置のときよりも下方に回動変位して開放状態となるように構成されている。更に、支持部材30は、保持位置において支持部31が被作用部21aと当接することにより、開閉部材21が外力に応じて開放位置に変位することを規制するように構成されている。
この構成では、開閉部材21の自重を利用して開放状態に変位させることができるため、開閉部材21を開放させるために力を加える部品を省略又は簡素化することができる。また、支持部材30を当接させることで開閉部材21の変位を規制し、支持部材30を退避させることで規制を解除するといった簡単な機構で開閉部材21のロック及びロック解除を実現することができる。更に、駆動手段によって駆動される支持部材30と開閉部材21の間に中間部材を介在させていないため、駆動手段の駆動力をより直接的に開閉部材に伝達でき、開閉動作をより俊敏に行うことができる。
【0060】
また、本実施形態では、支持部材30の少なくとも下方側において当該支持部材30をガイドするガイド部70aが設けられている。そして、支持部材30は、下面側がガイド部70aによって支持される構成をなし、且つ保持位置にあるときに上面側で開閉部材21を支持するように構成されている。
この構成によれば、ガイド部70aによって支持部材30を円滑且つ安定的に変位させることができる。特に支持部材30は保持位置のときに上下方向に確実に位置決めされた状態で上面側の開閉部材21を支持することができるため、閉鎖位置にある開閉部材21がより安定的に保持されることとなる。
【0061】
また、駆動手段は、コイル部41と、該コイル部41に対して直線的に相対移動するプランジャ42とを備えたソレノイド40によって構成されている。そして、支持部材30は、プランジャ42と一体的に移動可能に構成され、プランジャ42の変位に応じて直線的に往復動するように構成されている。更に、開閉部材21は、支持部材30が退避位置にあるときに当該支持部材30による支持が解除された状態で開放位置で維持され、支持部材30が退避位置から保持位置に向けて直線的に動作したときに当該支持部材30によって押圧されることにより閉鎖位置に変位し、且つ当該閉鎖位置で支持部材30に支持され続けるように構成されていている。
この構成では、プランジャ42と支持部材30とを一体的且つ直線的に変位させており、支持部材30自体の駆動構造を簡素化することができる。更に、支持部材30と開閉部材21との間に中間部材を介在させず、支持部材30の直線的な変位を直接的に開閉部材21に伝達しているため、中間部材によって力を変換することに起因するエネルギーの損失や中間部材の摺動等に起因する摩耗等が生じにくくなる。従って、寸法精度が低下しにくく、部品寿命も延ばしやすくなる。また、ソレノイドの駆動力をより直接的に開閉部材に伝達できるため、開閉動作をより俊敏に行うことができる。
【0062】
また、筐体80には、遊技盤2の盤面2aに沿って配置され且つ開閉部材21が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材21の上流側に隣接して配置される上流側誘導樋52が形成されている。そして、上流側誘導樋52の下流側の端部が誘導口20の一部として構成されている。更に、開閉部材21が閉鎖位置にあるときに、開閉部材21の上面部及び上流側誘導樋52の上面部によって上流側誘導樋52を上流側とし開閉部材21を下流側とするように外部流路が構成されている。
この構成によれば、開閉部材21の閉鎖時には上流側誘導樋52及び開閉部材21の各上面部を外部流路として利用し、遊技領域において遊技球の誘導に役立てることができる。一方、開閉部材21の開放時には外部流路を流下する遊技球を誘導口20内に円滑に導くことが可能となる。
【0063】
また、本実施形態では、ソレノイド40(駆動手段)の少なくとも一部が上流側誘導樋52の下方に配置され且つ遊技盤2の後面よりも前側の領域に配置されている。
このような構成では、遊技球を流下させにくい領域(上流側誘導樋52の下方領域)を利用して駆動手段を効率的に配置することができる。そして、装置全体として後方側に嵩張らなくなり、前後方向のコンパクト化を図ることができる。
【0064】
また、筐体80には、遊技盤2の盤面2aに沿って配置され且つ開閉部材21が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材21の下流側に隣接して配置される下流側誘導樋51が形成されている。そして、下流側誘導樋51の上流側の端部が誘導口20の一部として構成されており、更に、開閉部材21が閉鎖位置にあるときに、開閉部材21の上面部及び下流側誘導樋51の上面部によって開閉部材21を上流側とし下流側誘導樋51を下流側とするように外部流路が構成されている。
この構成によれば、開閉部材21の閉鎖時には開閉部材21及び下流側誘導樋51の各上面部を外部流路として利用し、遊技領域において遊技球の誘導に役立てることができる。一方、開閉部材21の開放時には外部流路を流下する遊技球を誘導口20内に円滑に導くことが可能となる。
【0065】
また、筐体80の内部には、誘導口20側を上流側として当該誘導口20から進入する遊技球を下流側に設けられた排出部60aへ誘導するように誘導路60が形成されている。そして、遊技盤2の後面よりも前側の領域に、誘導路60を通過する遊技球を検出する球検出部62が設けられている。
この構成によれば、誘導口20から進入した遊技球を下流側の排出部60aに円滑に導き、当該排出部60aから装置外に排出することができる。また、遊技盤2の後面よりも前側の領域を利用して球検出器を配置することができるため、入賞装置としての機能を果たし得る構成を、よりコンパクトに実現でき、特に遊技盤2の後方領域を有効に利用することが可能となる。
【0066】
また、球検出部62は、当該球検出部62の上面部側から下面部側に連通するように遊技球通過孔62aが形成され、当該遊技球通過孔62aを通過する遊技球を検出するように構成され、更に、上面部の前端側が後端側よりも下方位置となるように傾斜した状態で筐体80内に保持されている。
この構成によれば、遊技球を後方側且つ下方側に円滑に導きつつ当該遊技球を検出しうる構成をより小型構成で実現することができる。
【0067】
また、筐体80の内部には、誘導口20側を上流側として当該誘導口20から進入する遊技球を下流側に設けられた排出部60aへ誘導するように誘導路60が形成されている。そして、開閉部材21は、遊技盤2の盤面2aと交差し誘導口20の一端側寄りに形成された回動軸G1を中心として回動可能に配されると共に、閉鎖部21bが回動軸G1の径方向に延設された板状形態をなし、かつ、当該閉鎖部21bが閉鎖位置のときよりも下方に回動変位して開放状態となるように構成されている。更に、この開閉部材21は、閉鎖部21bにおける回動軸G1とは反対の端部側から下方に突出する下方突出部21cが設けられ、閉鎖位置にあるときに下方突出部21cが誘導路60の上流側を閉鎖し、開放位置となったときに下方突出部21cが誘導路60から退避して当該誘導路60と誘導口20とを連通させるように構成されていてもよい。
この構成によれば、誘導口20から進入した遊技球を下流側の排出部60aに円滑に導き、当該排出部60aから装置外に排出することができる。また、開閉部材21が閉鎖位置にあるときに下方突出部21cが誘導路60の上流側を閉鎖するように構成されているため、誘導路60内に流入した遊技球が上流側(特に開閉部材21の回動域側)に入り込むことを防ぐことができ、誘導路60内の遊技球をより円滑に下流側に導くことができる。
【0068】
また、筐体80において、遊技盤2の盤面2aに隣接して配置される台板82aと、台板82aの前方側において当該台板82aと対向して配置される前飾り板84aとが設けられている。そして、少なくとも駆動手段の駆動変位部と支持部材30とが、筐体80内において前飾り板84aと台板82aとによって前後が閉鎖された閉鎖空間に収容されている。
この構成では、駆動手段の駆動変位部及び支持部材30の前後を前飾り板84aと台板82aとによってカバーすることができるため、これら部品に対して前方からも後方からもアクセスし難くなる。従って、開閉部材21だけでなく駆動変位部や支持部材30に対する不正操作をも効果的に防止することができ、不正防止効果をより一層高めることができる。
【0069】
また、筐体80には、ソレノイド40(駆動手段)を保持する保持壁81が設けられ、保持壁81においてソレノイド40(駆動手段)の上側に配置される壁部には、開閉部材21側に面するリブ81aが形成されている。そして、開閉部材21は、遊技盤2の盤面2aと交差する回動軸G1を中心として回動可能に配され、閉鎖位置にあるときに回動軸G1を挟んだ両側の内の誘導口20を閉鎖する側が所定位置に配置され、閉鎖位置から回動して開放位置となったときに誘導口20を閉鎖する側が所定位置よりも下方となるように構成され、誘導口20を閉鎖する側の端部と回動軸G1との間に被作用部21aが設けられている。更に、筐体80のリブ81aは、開閉部材21が閉鎖位置となったときに回動軸G1を挟んで被作用部21aとは反対側に位置する部分と当接することで、当該開閉部材21がその当接位置を超えて回動することを規制するように構成されている。
この構成によれば、保持壁81によって駆動源を安定的に位置決めし保持することができる。また、保持壁81に形成されたリブ81aを使用して開閉部材21の回動範囲を規制することができ、開閉部材21を適切な回動範囲内で変位させ得る構成をよりコンパクトに実現できる。
【0070】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図12(A)は、第2実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、開閉部材が閉鎖位置にあるときの状態について前飾り板の後面付近で切断した切断面を概略的に示す断面図であり、
図12(B)は、その正面図である。また、
図13(A)は、第2実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、開閉部材が開放位置にあるときの状態について前飾り板の後面付近で切断した切断面を概略的に示す断面図であり、
図13(B)は、その正面図である。
【0071】
第2実施形態に係る遊技機用可変入賞装置200は、前飾り部材84の前飾り板84aの構成のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって、前飾り板84a以外の構成については、第1実施形態と同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0072】
図12に示すように、遊技機用可変入賞装置200の前飾り板84aには、当該前飾り板84aを厚さ方向に貫通する貫通孔84cが形成されている。この貫通孔84cは、入賞装置200の外部領域と内部領域(具体的には前飾り板84aの後方側における下方突出部21cの可動領域)とを連通するように形成されている。そして、
図12のように、開閉部材21が閉鎖位置にあるときには開閉部材21が貫通孔84cから外れるように退避し、正面視したときに貫通孔84cの後方側に開閉部材21が位置しないようになっている。即ち、正面視したときに貫通孔84cを介して開閉部材21が視認できないようになっている。一方、そして、
図13のように、開閉部材21が開放位置にあるときには開閉部材21の下方突出部21cが貫通孔84cの後方に位置するようになっており、正面視したときに貫通孔84cを介して下方突出部が視認できるようになっている。なお、ここでは、下方突出部21cを視認可能とするために貫通孔84cを形成した例を示したが、下方突出部21cが視認できれば貫通孔でなくてもよい。例えば、貫通孔84cを設けず、当該貫通孔84cの位置に透明部材を配置し、この透明部材を介して下方突出部21cを確認するようにしてもよい。
【0073】
(第2実施形態の主な効果)
第2実施形態に係る入賞装置200の構成によれば、開閉部材21が開放状態となっていることを遊技者が容易に確認することができる。特に、上記入賞装置200は、正面視したときに誘導口20が前飾り板84aの後方側に隠れる構成であり、誘導口20を直接的に視認し難いため、誘導口20が開放状態であるか否かを貫通孔84cによって確認できるようにすると非常に有益であり、演出性も高くなる。
【0074】
また、
図12、
図13の構成では、開閉部材21が開放状態にあるときに貫通孔84cを介して下方突出部21cを視認できるように構成したが、視認可能とする部分は下方突出部に限られず、他の部分であってもよい。
【0075】
また、貫通孔84cを介して視認可能とする部分には様々な装飾を施すことができる。例えば、
図12等に示す下方突出部21cの前面に「大当り」等の文字情報や大当りを連想させるマークなどを付した装飾部を設け、開閉部材21が開放状態となったときにこのような装飾部が貫通孔84cを介して視認可能となるように構成してもよい。このような構成とすることで、誘導口20を開放させる時(例えば大当り時)の演出性をより一層高めることができる。また、開閉部材21又は支持部材30の動作(即ちソレノイド40の動作)に連係する様な装飾部を形成してもよい。
【0076】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図14(A)は、第3実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、開閉部材が閉鎖位置にあるときの状態について前飾り板の後面付近で切断した切断面を概略的に示す断面図であり、
図14(B)は、その一部を拡大して示す拡大図である。
図15(A)は、第3実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、開閉部材が開放位置にあるときの状態について前飾り板の後面付近で切断した切断面を概略的に示す断面図であり、
図15(B)は、その一部を拡大して示す拡大図である。
【0077】
第3実施形態に係る遊技機用可変入賞装置300は、開閉部材21の端部形状及び下流側誘導樋51の上面部(壁部51a)の端部形状のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって、これら以外の構成については、第1実施形態と同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0078】
第3実施形態に係る遊技機用可変入賞装置300は、第1実施形態と同様の下流側誘導樋51を備えている。この下流側誘導樋51は、遊技盤2の盤面2aに沿って配置されると共に、開閉部材21が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材21の下流側に隣接するように構成されており、このとき、開閉部材21の上面部(閉鎖部21bの上面部分)及び下流側誘導樋51の上面部(壁部51aの上面部分)により、開閉部材21を上流側とし下流側誘導樋51を下流側とするように外部流路が構成されるようになっている。
【0079】
更に、開閉部材21の上面部(閉鎖部21bの上面部分)において下流側誘導樋51寄りの端部には、下流側誘導樋51に近づくにつれて低位置となるように傾斜するテーパ部23aが形成されている。また、下流側誘導樋51の下面部51b(壁部51aの下面部分)において開閉部材21寄りの端部には、開閉部材21から離れるにつれて低位置となるように傾斜するテーパ部23bが形成されている。このように構成されているため、
図15のように開閉部材21が開放位置となったときには、開閉部材21の上面部における下流側端部(即ち、テーパ部23a付近)と下流側誘導樋51の下面部51bにおける上流側端部(即ち、テーパ部23b付近)との間が、奥側となるにつれて間隔が広がるような断面(具体的には盤面2aと平行な断面)がハの字状の末広がりの構成となっている。
【0080】
(第3実施形態の主な効果)
第3実施形態に係る入賞装置300によれば、開閉部材21の閉鎖時には開閉部材21及び下流側誘導樋51の各上面部を外部流路として利用し、遊技領域において遊技球Bの誘導に役立てることができる。一方、開閉部材21の開放時には外部流路を流下する遊技球Bを誘導口20内に円滑に導くことが可能となる。更に、上記テーパ部23a,23bが形成されているため、開閉部材21が開放位置から閉鎖位置に復帰する際に下流側誘導樋51と開閉部材21との間で球噛みが発生し難くなる。仮にテーパ部23a,23bの付近で遊技球が若干の挟み込まれたとしても、
図15(B)の矢印のようにテーパ部23a,23bの傾斜によって遊技球が下流側に導かれ易いため、球噛みが迅速に解消され易くなる。
【0081】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図16(A)は、第4実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、開閉部材が閉鎖位置にあるときの開閉部材、支持部材、及びソレノイドの構成を概略的に示す斜視図であり、
図16(B)は、開閉部材が開放位置にあるときのこれらの状態を概略的に示す斜視図である。
図17(A)は、第4実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、開閉部材が閉鎖位置にあるときの開閉部材、支持部材、及びソレノイドの構成を概略的に示す平面図であり、
図17(B)は、開閉部材が開放位置にあるときのこれらの状態を概略的に示す平面図である。
図18(A)は、第4実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、開閉部材が閉鎖位置にあるときの開閉部材、支持部材、及びソレノイドの構成を概略的に示す正面図であり、
図18(B)は、開閉部材が開放位置にあるときのこれらの状態を概略的に示す正面図である。
【0082】
第4実施形態に係る遊技機用可変入賞装置400は、主として、支持部材430、作用部材432の構成、及びソレノイド40の配置、及びこれらを収容可能とするように筐体80の右半分が構成されている点が第1実施形態と異なり、それ以外(特に筐体の左半分側)は、第1実施形態と同様である。よって、第1実施形態と同様の部分については第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明は省略し、適宜
図1〜
図11を参照することとする。なお、
図16〜
図18では、入賞装置400のうち、第1実施形態と大きく異なる部分について説明することとする。例えば、筐体の左半分の構成や球検出部は第1実施形態と同様であるため詳細な図示は省略し、筐体の右半分の構成は、
図16〜
図18に示す各部品が収容可能な構成であれば良いため、詳細な図示は省略することとする。
【0083】
遊技機用可変入賞装置400では、開閉部材21が第1実施形態と同様の構成で回動可能に保持されており、上述したように遊技盤2の盤面2aに直交する回動軸G1を中心として回動するように図示しない筐体に保持されている。一方、入賞装置400は、この開閉部材21を駆動する構造が第1実施形態と異なっており、例えば、ソレノイド40は、プランジャ42の軸方向が遊技盤2の盤面2a(
図1等)と直交する方向となるように配置されている。このプランジャ42の軸方向は回動軸G1の方向とほぼ平行となっており回動軸G1の方向に沿って往復動するようになっている。そして、
図16(A)、
図17(A)等に示すようにコイル部41が非励磁状態のときにはプランジャ42の先端部が遊技盤2の盤面2a(
図1等参照)の前方に突出するようになっている。なお、
図16〜
図18では、ばね部材43(
図6等参照)は省略しているが、ソレノイドの構成自体は第1実施形態と同様であり、非励磁状態のときには、ばね部材43の付勢によってプランジャ42が突出位置(
図16(A)、
図17(A))で維持され、励磁状態のときには、
図16(B)、
図17(B)のように、ばね部材43の付勢に抗してプランジャ42がコイル部41の内部に引き込まれるようになっている。
【0084】
更に、
図16〜
図18に示す入賞装置400では、開閉部材21の下方側に支持部材430が設けられている。この支持部材430は、開閉部材21と連動可能に構成されると共に、開閉部材21の回動軸G1と直交する方向に沿った中心軸G2を中心として回動するように構成されている。具体的には、プランジャ42と一体的に往復動する作用部材432が設けられており、この作用部材432の変位に応じて支持部材430が回動するようになっている。例えば、プランジャ42が
図16(A)、
図17(A)に示す突出位置にあるときには作用部材432も一体的に前方側に変位し、これに応じて支持部材430の延設部430aが前方側に押し出されるようになっている。この延設部430aは、支持部431に対して略直交する方向に延びており、延設部430aが前方側に押し出されたときには、支持部431が被作用部21aの下方側に移動するようになっている。逆に、プランジャ42が
図16(B)、
図17(B)に示す没入位置にあるときには作用部材432も一体的に後方側に変位し、これに応じて支持部材430の延設部430aが後方側に引き込まれるようになっている。延設部430aが後方側に引き込まれたときには、支持部431が被作用部21aの下方側から退避するようになっている。
【0085】
このように構成されているため、
図16(A)、
図17(A)、
図18(A)のように、プランジャ42が突出位置にあるときには、支持部材430は、開閉部材21を閉鎖位置で保持する位置(保持位置)に位置決めされるようになっている。この支持部材430の上面部(支持部431)も平坦に構成されており、上記保持位置のときには、この支持部431が開閉部材21の被作用部21aと当接することで、開閉部材21の一方側(下方突出部23c側)が下方側に移動することを規制している。一方、
図16(B)、
図17(B)、
図18(B)のように、プランジャ42がコイル部41に引き込まれた没入位置にあるときには、支持部材430は、上記保持位置から退避した退避位置に変位する。保持位置から退避位置に変位するときには、支持部431が中心軸G2を中心として回動することで被作用部21aと当接しない位置に退避し、これにより、被作用部21aの下方側への移動が許容されることになる。このように支持が解除されたときには、
図16(B)、
図17(B)、
図19(B)のように開閉部材21の一端側(下方突出部23c側)が自重により下降し、開閉部材21が開放位置に変位することになる。
【0086】
(第4実施形態の主な効果)
第4実施形態に係る入賞装置400の構成によれば、ソレノイド40を前後方向に配置することができ、プランジャ42も前後に進退させることができるため、左右方向のコンパクト化を図りやすくなる。また、ソレノイド40の部分だけが後方側に突出し、その他の部分については他の実施形態と同様に遊技盤2の後面よりも前方側に配置することができるため、この点で、前後方向のコンパクト化を図ることもできる。また、プランジャ42と支持部材430との間に、支持部材430を可動させる作用部材432(梃子)を介在させているため、この作用部材432(梃子)の形状、構成を調整することで、ソレノイド40の位置決めを柔軟に行いやすくなる。
【0087】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図19(A)は、第5実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、開閉部材が閉鎖位置にあるときの開閉部材、支持部材、及びソレノイドの構成を概略的に示す斜視図であり、
図19(B)は、開閉部材が開放位置にあるときのこれらの状態を概略的に示す斜視図である。
図20(A)は、第5実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、開閉部材が閉鎖位置にあるときの開閉部材、支持部材、及びソレノイドの構成を概略的に示す正面図であり、
図20(B)は、開閉部材が開放位置にあるときのこれらの状態を概略的に示す正面図である。
【0088】
第5実施形態に係る遊技機用可変入賞装置500は、支持部材30の構成のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって、支持部材30以外の構成については、第1実施形態と同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また支持部材30は、延出部72が形成されている点が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって支持部材30において延出部72以外の構成については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、第1実施形態と同様の部分については適宜
図1〜
図11を参照することとする。
【0089】
第5実施形態の入賞装置500でも、開閉部材21は
図8等に示す構成と同様の構成で筐体80に保持されている。即ち、開閉部材21は、遊技盤2の盤面2aと交差する回動軸G1を中心として回動可能に配され、閉鎖位置にあるときには、
図19(A)、
図20(A)のように一端側(下方突出部21c側)が所定位置に配置され、閉鎖位置から回動して開放位置となったときには、
図19(B)、
図20(B)のように一端側が所定位置よりも下方となるように構成されている。また、この開閉部材21も、回動軸G1よりも前記一端側寄り(即ち下方突出部21c寄り)において支持部材30に支持される被作用部21aが第1実施形態と同様の構成で設けられており、支持部材30が保持位置にあるときに当該支持部材30によって支持されるようになっている。
【0090】
本実施形態で用いられる支持部材30は、保持位置のときに被作用部21aを受ける支持部31(支持部31は「作用部」の一例に相当)と、この支持部31(作用部)と一体的に設けられた延出部72とを備えている。支持部31は、第1実施形態と同様の構成をなしており、支持部材30の上面部として平坦に構成されている。また、延出部72は、支持部31と一体的に構成されると共に支持部31の付近から後方側に延び出ており、ソレノイド40の上方位置において左右方向に変位するように構成されている。
【0091】
このように構成される入賞装置500では、
図19(A)、
図20(A)のように支持部材30が保持位置にあるときには、閉鎖位置にある開閉部材21の被作用部21aを支持部31(作用部)によって支持している。一方、プランジャ42の後退に応じて支持部材30が保持位置から退避位置に変位する際には、第1実施形態と同様、支持部31(作用部)を被作用部21a側から退避させることで開閉部材21の支持を解除する。開閉部材21が保持位置から退避位置に変位することに伴い、延出部72は開閉部材21の端部21e側に移動し、この端部21e(即ち、開閉部材21において回動軸G1を挟んで被作用部21aとは反対側に位置する部分)を端部72aによって押圧する。この端部72aは、外面が斜め上方側に向くようにテーパ状に構成されており、延出部72の端部72aが開閉部材21の端部21eを押圧したときには、この端部21eに上方側への移動力が生じ、開閉部材21には被作用部21a側(即ち、下方突出部21c側)を下方側に移動させる方向の回転力が加わるようになっている。
【0092】
(第5実施形態の主な効果)
第5実施形態の入賞装置500によれば、開閉部材21を開放位置に移動させる際に、支持部31(作用部)の退避に起因する力(自重による下降力等)だけでなく、延出部72による押圧で生じる回転力をも付加することができ、開閉部材21をより迅速かつ確実に回転させて即座に開放位置に移動させることができる。また、仮に、埃などの異物が入り込んで、開閉部材21の動きが鈍くなった場合にも、延出部72が開閉部材21を蹴りあげるので、問題なく、開閉部材21を開放させることができる。
【0093】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
本実施形態の入賞装置600は、第1実施形態と同様の遊技機における遊技盤の盤面に取り付けられるものである。なお、入賞装置600以外の遊技機の構成は、第1実施形態と同様であるため、適宜
図1等を参照することとする。
【0094】
図21、
図22に示すように、第6実施形態に係る入賞装置600は、主として、筐体680、開閉部材621、ソレノイド40、支持部材630、ガイド部材670、球検出部62を備えている。
【0095】
筐体680は、支持部材630、開閉部材621、ソレノイド40、ガイド部材670、球検出部62等を収容すると共に入賞装置600の外殻をなすものであり、例えば樹脂材料などによって箱状に構成されている。この筐体680は、
図21、
図22に示すように、前方側に配される前飾り部材684と、後方側に配される台板部材682と、ソレノイド40等を保持して台板部材682に取り付けられる保持部材683とによって構成されており、これらが、ねじ等の締結部材694によって一体的に組み付けられている。
【0096】
図21、
図22に示すように、前飾り部材684は、遊技盤2の盤面と略平行に配置される板状の前飾り板684aと、この前飾り板684aから後方に突出する周壁部684bとを備えており、周壁部684bが、前飾り板684aの外周に沿って略環状に配置されるようになっている。前飾り部材684に組み付けられる台板部材682は、遊技盤2の盤面2aに隣接して配置される板状の台板682aと、この台板682aから後方に突出する後方配置部682bとを備えている。保持部材683は、前飾り部材684と台板部材682の間に配置されており、台板682aの前面側から当該台板682aに組み付けられるようになっている。なお、
図21、
図22では、周壁部684bが前飾り板684aの外周に沿って形成された例を示したが、周壁部684bの一部又は全部が、前飾り板684aの外周よりも所定距離内側に形成されるような構成であってもよい。また、前飾り板684aが省略され、周壁部684bの前方が開口する形態で形成される構成であってもよい。
【0097】
これら前飾り部材684、台板部材682、保持部材683からなる筐体680は、開閉部材621、ソレノイド40、支持部材630、ガイド部材670、球検出部62等を内部に収容して直接的に保持するように構成されている。具体的には、
図24等に示すように、台板部材682と保持部材683とによって前後方向に挟まれた構成でソレノイド40、支持部材630、ガイド部材670が配置されている。また、保持部材683の上方側において台板部材682と前飾り部材684とによって前後方向に挟まれた構成で開閉部材621が配置されている。また、台板部材682の後方配置部682bの内部には、第1実施形態と同様の球検出部62が嵌まり込んだ状態で組み付けられている。
【0098】
本実施形態でも、筐体680の上面部には、遊技盤2(
図1)の盤面(前面)に沿うように誘導樋が形成されるようになっている。この誘導樋は、開閉部材621が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材621の上流側に隣接して配置される上流側誘導樋と、開閉部材621が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材621の下流側に隣接して配置される下流側誘導樋とにより構成されており、上流側誘導樋と下流側誘導樋との間が誘導口620となっている。具体的には、前飾り部材684の周壁部684bの一部をなす上側の壁部652aが上流側誘導樋の底壁部となっており、もう一方の上側の壁部651aが下流側誘導樋の底壁部となっている。上流側誘導樋は、この壁部652aと、前飾り板684a及び台板682aにおける壁部652aに隣接する部分とによって構成されており、壁部652a上を転がるように遊技球が流下するようになっている。また、下流側誘導樋は、この壁部651aと、前飾り板684a及び台板682aにおける壁部651aに隣接する部分とによって構成されており、壁部651a上を転がるように遊技球が流下するようになっている。この誘導樋では、壁部652aにおける左右方向一方側(壁部651a側)の端部と、壁部651aにおける左右方向他方側(壁部652a側)の端部と、前飾り板684aと、台板682aとによって誘導口620が形成されており、これらによって囲まれる開口領域が遊技球の取り込み口となっている。この構成では、
図24、
図25のように開閉部材621が閉鎖位置にあるときには、上流側誘導樋によって誘導口620側に導かれた遊技球が開閉部材621の上を転がり、下流側誘導樋に導かれることとなる。また、
図26のように後述する開閉部材621が開放位置にあるときには、上流側誘導樋によって誘導口620側に導かれた遊技球が誘導口620から内部に進入することとなる。
【0099】
また、
図24(A)のように、筐体680の内部には、誘導口620側を上流側として当該誘導口620から進入する遊技球を下流側に設けられた排出部660a(
図24(B)参照)へ誘導する誘導路660が形成されている。なお、
図24(A)は、前飾り板684aが省略されているため、前飾り板684aによって構成される誘導路660の前側の内壁及び周壁部684bにおける側壁(具体的には左側の側壁)によって構成される誘導路660の左側の内壁は省略されている。この誘導路660は、遊技球を1球ずつ通す流路として機能しており、具体的には、前飾り板684aの後方側且つ球検出部62の前方側において、壁部651a(
図21)と底壁部664bとの間を遊技球(誘導口620から進入した遊技球)が通るようになっている。また、壁部651aと底壁部664bとによって上下が閉塞された空間の後方側には、途中に遊技球通過孔62aを介在させて排出部660aが連通している。また、傾斜壁部664aは、上端側が後方位置となり、下端側が前方位置となるように傾斜しており、誘導口620の直下の後方側に進入した遊技球を前方側の底壁部664b上に誘導するように機能している。
【0100】
球検出部62は、上面部62bの一部が誘導路660内に面し、他の部分が傾斜壁部664aに覆われるように筐体680の内部に保持されており、上面部62bの誘導路660内に面する部分において上面部62b側から下面部62c側に連通するように遊技球通過孔62aが形成されている。そして、この遊技球通過孔62aを通過する遊技球を検出するように構成されている。
【0101】
次に、開閉部材621について説明する。
開閉部材621は、
図23等に示すように長手状且つ略板状に構成されており、上述の誘導口620(
図21)を閉塞し得るように筐体680に保持されている。この開閉部材621は、遊技盤2(
図1)の盤面(前面)の前方側において、誘導口620を閉鎖状態とする閉鎖位置(
図24、
図25)と、誘導口620を閉鎖状態よりも遊技球Bが進入しやすい開放状態とする開放位置(
図26)とで変位するようになっている。
【0102】
図23等に示すように、開閉部材621には、軸部材622が挿し通される孔部621fが形成されており、孔部621fに軸部材622が挿し通された状態でこの軸部材622の両端部が前飾り部材684と台板部材682とによって保持されるようになっている。これにより、開閉部材621は、筐体680に保持された状態で軸部材622を中心として回動可能となり、遊技盤2の盤面(前面)と交差する回動軸G1(軸部材622の中心となる仮想軸)を中心として回動することとなる。また、開閉部材621は、当該開閉部材621の長手方向一方側寄りの回動軸G1を中心として回動するようになっており、
図24、
図25のように閉鎖位置にあるときには、一端側(長手方向において回動軸G1とは反対側)が所定位置(具体的には、壁部651aの上流側端部に隣接する位置)に配置され、
図26のように閉鎖位置から回動して開放位置となったときには、この一端側が所定位置よりも下方に変位して壁部651aから離間するようになっている。
【0103】
図23等に示すように、開閉部材621は、主として、誘導口620を閉鎖可能な板状の閉鎖部621bと、閉鎖部621bの一端側から下方に突出する下方突出部621cと、回転軸G1から閉鎖部621bとは反対側に延出する延出部621dと、閉鎖部621bの下面側に設けられた被作用部621aとを備えている。この被作用部621aは、後述する支持部材630によって支持される部分であり、
図25のように支持部材630の先端部631が被作用部621aの下方に位置しているときには、この先端部631と当接し、下方側への移動が規制されるようになっている。一方、この開閉部材621は、
図26のように支持部材630の先端部631が被作用部621aの下から退避したときには、支持部材630による支持(当接)が解除され、
図25のときよりも下方側に移動し得るようになっている。このように、開閉部材621は、
図24、
図25のような状態から、閉鎖部621bが筐体680内の誘導路660側に入り込むように遊技盤2(
図1)の盤面に沿って下方側に沈下することで、
図26に示す開放位置となるように構成されている。また、
図25のように、開閉部材621における下方突出部621c側の端部後方側には、外面が閉鎖部621bの長手方向に対して傾斜するように切り欠かれた切欠部621gが形成されており、このように切り欠かれているため、閉鎖部621bが上下動しても傾斜壁部664a(
図24(A))と干渉しないようになっている。
【0104】
ソレノイド40は、第1実施形態と同様の構成をなしており、第1実施形態と同様のコイル部41、プランジャ42、ばね部材(第1実施形態のばね部材43(
図6、
図8))と同様のばね部材であり、
図21等では図示略)を備えている。そして、第1実施形態と同様に動作するようになっている。
【0105】
次に、支持部材630について説明する。
支持部材630は、
図23、
図25のような構成をなしており、開閉部材621と連動可能に構成され、開閉部材621を閉鎖位置で保持する保持位置(保持回動位置:特に
図25(B)参照)と、保持位置から退避した退避位置(退避回動位置:特に
図26(B)参照)とで変位するように機能している。この支持部材630は、開閉部材621の下方において開閉部材621の回動軸G1と略平行に位置する前後方向の揺動軸線G2周りで揺動し得るように保持部材683と台板部材682とによって揺動可能に保持されており、且つ一端側(先端部631側)が揺動軸線G2の上方側に延びた構成で配されている。そして、揺動軸線G2の上方側に延出して配される先端部631が「作用部」として構成されると共に当該支持部材630の揺動軸線G1周りの揺動に応じて被作用部621aの移動方向と交差する方向に変位するように構成されている。
【0106】
この支持部材630は、
図23等に示すように、主として、筒状部630aと、この筒状部630aの外周部から延出する延出部630bと、この延出部630bの中間位置において後方側に延出する突起部630cとによって構成されており、筒状部630aが筐体680に回動可能に保持されると共に、延出部630bが筒状部630aから軸半径方向に延びた状態で配置されている。そして、この延出部630bから後方に突出する突起部630cが後述するガイド部材670と嵌合ないし遊嵌するようになっている。
【0107】
ガイド部材670は、左右方向に往復動し得るように保持部材683と台板部材682とによって保持されており、ソレノイド40におけるプランジャ42の動作に応じて
図25(B)等に示す第1位置(コイル部41からある程度距離が離れた所定位置)と
図26(B)等に示す第2位置(第1位置のときよりもコイル部41側に接近する位置)との間で往復動するようになっている。具体的には、プランジャ42の先端部と嵌合する嵌合部671と支持部材630の突起部630cを受ける受部672とを備えており、少なくとも前方側に開放してなる受部672が突起部630cと嵌合ないし遊嵌した状態で第1位置(
図25(A)参照)と第2位置(
図26(A)参照)とに変位するようになっている。そして、第1位置のときには、突起部630cをある程度コイル部41から離すことにより(即ち、左右方向において回動軸G1側から離すことにより)、延出部630bを全体的に回動軸G1側から離し、第2位置のときには、突起部630cをある程度コイル部41に近づけることにより、延出部630bを全体的に回動軸G1側に近づけるようになっている。
【0108】
このように構成される入賞装置600では、コイル部41が通電されていないときには、ばね部材(
図6のばね部材43と同様のばね部材であり、「付勢手段」の一例に相当)の付勢によってプランジャ42が突出位置で維持され、これにより支持部材630が
図25に示す保持位置で維持されることになる。そして、このように支持部材630が保持位置にあるときには、当該支持部材630の一端部(先端部631)が揺動軸線G2の真上の位置近傍(真上の位置又は当該真上の位置に対して回動軸G1とは反対側の位置)に保持され、開閉部材621の被作用部621aを受ける作用部として機能することになる。このとき、開閉部材621の被作用部621aが支持部材630の先端部631(支持部)と当接し、開閉部材621の下方への移動が規制されるため、開閉部材621は閉鎖位置で保持され続ける。本構成では、開閉部材621の回動に応じて被作用部621aが上下に移動し得るようになっており、先端部631は、支持部材630の揺動に応じて被作用部621aの移動方向と交差する方向(具体的には、ほぼ左右方向)に移動するようになっている。そして、支持部材630が上記保持位置にあるときには、被作用部621aと交差する移動経路をとる先端部631が被作用部621aの移動経路上に保持され続けるため、開閉部材621は沈下することなく所定位置で安定的に保持されることになる。
【0109】
また、本実施形態では、プランジャ42を突出方向に移動させようとするばね部材(付勢手段)の付勢により、支持部材630の一端部(先端部631)を回動軸G1から遠ざかる方向に付勢するように常時付勢力が加わるようになっており、ソレノイド40(駆動手段)は、通電時に、このようなばね部材による付勢に抗して支持部材630の一端部(先端部631)を回動軸G1側に移動させるように駆動力を与えるようになっている。そして、開閉部材621の下面側には、先端部631と当接する下壁部(被作用部621a)の一端側(回動軸G1とは反対側)に隣接して下方側に突出するストッパー621eが形成されており、このストッパー621eは、支持部材630の先端部631が被作用部621aが形成された所定位置を超えて回動軸G1側とは反対側(即ち、下方突出部621c側)に移動することを規制するように機能している。そして、支持部材630が保持位置にあるときには、
図25のように当該支持部材630の先端部631が上記ばね部材(付勢手段)によって付勢されつつストッパー621eに当接することで、揺動軸線G2の真上の位置又はその近傍である当該真上の位置に対して回動軸G1とは反対側の位置で安定的に保持されるようになっている。
【0110】
このように支持部材630が保持位置にあるときには、被作用部621aの下側が先端部631(作用部)によって支持(当接)され続けるため、開閉部材621を開放位置に変位させようとする外力が加わっても、或いは、遊技球が開閉部材621上を転がったり開閉部材621に強く衝突したとしても、支持部材630が保持位置にて開閉部材621の変位を規制し続け、これにより開閉部材621の開放が阻止される。
【0111】
一方、コイル部41が通電されると、図示しない上記ばね部材の付勢に抗してプランジャ42がコイル部41内に引き込まれ、プランジャ42が没入位置に移動する。これにより支持部材630が
図26に示す退避位置で維持されることになる。本構成では、プランジャ42がコイル部41内に引き込まれたときに支持部材630が
図26のように回動し、支持部材630の一端部(先端部631)が被作用部621aの下方から回動軸G1側に退避する。そして、このように支持部材630が退避位置となったときには、被作用部621aの下方側に移動スペースが生じるため、開閉部材621は、一端側(下方突出部621c側)が自重により下降し、
図26のように開放位置で維持されることになる。
【0112】
また、支持部材630が退避位置から保持位置に向けて動作したときには、開閉部材621は、この支持部材630によって押圧されることにより再び閉鎖位置に変位し、上述のように当該閉鎖位置で支持部材630に支持され続ける。
【0113】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
本実施形態の入賞装置700は、第1実施形態と同様の遊技機における遊技盤の盤面に取り付けられるものである。なお、入賞装置700以外の遊技機の構成は、第1実施形態と同様であるため、適宜
図1等を参照することとする。
【0114】
図27〜
図29に示すように、第7実施形態に係る入賞装置700は、主として、筐体780、開閉部材721、ソレノイド40、支持部材30、球検出部62を備えている。なお、ソレノイド40、支持部材30、球検出部62は、第1実施形態と同様の構成であるので、第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0115】
筐体780は、支持部材30、開閉部材721、ソレノイド40、球検出部62等を収容すると共に入賞装置700の外殻をなすものであり、例えば樹脂材料などによって箱状に構成されている。この筐体780は、
図28、
図29に示すように、前方側に配される前飾り部材784と、後方側に配される台板部材782と、これら前飾り部材784及び台板部材782の間に配置される第1内側部材783、第2内側部材785、を備えており、これらが、ねじ等の締結部材794によって一体的に組み付けられている。そして、これら前飾り部材784、台板部材782、第1内側部材783、第2内側部材785、からなる筐体780は、開閉部材721、ソレノイド40、支持部材30、球検出部62等を内部に収容して直接的に保持している。なお、第1内側部材783は装飾レンズとして機能し、発光素子を実装した基板786が装飾レンズ(第1内側部材783)の下側に配置されており、基板786に実装された発光素子が装飾レンズ(第1内側部材783)の下側に位置して上方側の当該装飾レンズ(第1内側部材783)を照らすことにより、当該装飾レンズ(第1内側部材783)自体が光るようになっている。
【0116】
本実施形態でも、筐体780の上面部には、遊技盤2(
図1)の盤面(前面)に沿うように誘導樋が形成されるようになっている。この誘導樋は、開閉部材721が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材721の上流側に隣接して配置される上流側誘導樋と、開閉部材721が閉鎖位置にあるときに当該開閉部材721の下流側に隣接して配置される下流側誘導樋とにより構成されており、上流側誘導樋と下流側誘導樋との間が誘導口720となっている。具体的には、前飾り部材784の周壁部784bの一部をなす上側の壁部752aが上流側誘導樋の底壁部となっており、もう一方の上側の壁部751aが下流側誘導樋の底壁部となっている。上流側誘導樋は、この壁部752aと、前飾り板784a及び台板782aにおける壁部752aに隣接する部分とによって構成されており、壁部752a上を転がるように遊技球が流下するようになっている。また、下流側誘導樋は、この壁部751aと、前飾り板784a及び台板782aにおける壁部751aに隣接する部分とによって構成されており、壁部751a上を転がるように遊技球が流下するようになっている。この誘導樋では、壁部752aにおける左右方向一方側(壁部751a側)の端部と、壁部751aにおける左右方向他方側(壁部752a側)の端部と、前飾り板784aと、台板782aとによって誘導口720が形成されており、これらによって囲まれる開口領域が遊技球の取り込み口となっている。この構成では、
図30のように開閉部材721が閉鎖位置にあるときには、上流側誘導樋によって誘導口720側に導かれた遊技球が開閉部材721の上を転がり、下流側誘導樋に導かれることとなる。また、
図31(A)のように後述する開閉部材721が開放位置にあるときには、上流側誘導樋によって誘導口720側に導かれた遊技球が誘導口720から内部に進入することとなる。
【0117】
また、
図30等のように、筐体780の内部には、誘導口720側を上流側として当該誘導口720から進入する遊技球を下流側に設けられた排出部760a(
図29参照)へ誘導する誘導路760が形成されている。この誘導路760は、遊技球を1球ずつ通す流路として機能しており、具体的には、前飾り板784aの後方側且つ球検出部62の前方側において、壁部751aと底壁部764bとの間を遊技球(誘導口720から進入した遊技球)が通るようになっている。また、壁部751aと底壁部764bとによって上下が閉塞された空間の後方側には、途中に遊技球通過孔62aを介在させて排出部760aが連通している。
【0118】
球検出部62は、上面部62bの一部が誘導路760内に面するように筐体780の内部に保持されており、上面部62bの誘導路760内に面する部分において上面部62b側から下面部側に連通するように遊技球通過孔62aが形成されている。そして、この遊技球通過孔62aを通過する遊技球を検出するように構成されている。
【0119】
次に、開閉部材721について説明する。
開閉部材721は、
図28、
図29等に示すように、長手状且つ略板状に構成されており、上述の誘導口720(
図27等)を閉塞し得るように筐体780に保持されている。この開閉部材721は、遊技盤2(
図1)の盤面(前面)の前方側において、誘導口720を閉鎖状態とする閉鎖位置(
図30)と、誘導口720を閉鎖状態よりも遊技球が進入しやすい開放状態とする開放位置(
図31(A))とで変位するようになっている。
【0120】
図28等に示すように、開閉部材721には、軸部722が挿し通される孔部721fが形成されており、孔部721fに軸部722が挿し通された状態で筐体780に回動可能に保持されている。これにより、開閉部材721は、筐体780に保持された状態で軸部722を中心として回動可能となり、遊技盤2の盤面(前面)と交差する回動軸G1(軸部722の中心となる仮想軸)を中心として回動することとなる。また、開閉部材721は、当該開閉部材721の長手方向一方側寄りの回動軸G1を中心として回動するようになっており、
図30のように閉鎖位置にあるときには、一端側(長手方向において回動軸G1とは反対側)が所定位置(具体的には、壁部751aの上流側端部に隣接する位置)に配置され、
図31(A)のように閉鎖位置から回動して開放位置となったときには、この一端側が所定位置よりも下方に変位して壁部751aから離間するようになっている。
【0121】
図28等に示すように、開閉部材721は、主として、誘導口720を閉鎖可能な板状の閉鎖部721bと、閉鎖部721bの下面側において下方側に突出するように設けられた被作用部721aと、閉鎖部721bの下面側における被作用部721aよりも先端側の位置において下方側に突出するように設けられた突出部721cとを備えている。
図30(B)に示すように、被作用部721aは、支持部材30が保持位置にあるときに当該支持部材30によって支持される部分であり、
図30(B)のように支持部材30が被作用部721aの下方に位置しているときには、この支持部材30と当接し、下方側への移動が規制されるようになっている。一方、この開閉部材721は、
図31(A)のように支持部材30が被作用部721aの下から退避したときには、支持部材30による支持(当接)が解除され、
図30(B)のときよりも先端側が下方側に移動し得るようになっている。このように、開閉部材721は、
図30のような状態から、閉鎖部721bが筐体780内の誘導路760側に入り込むように遊技盤2(
図1)の盤面に沿って下方側に沈下することで、
図31(A)に示す開放位置となるように構成されている。
【0122】
ソレノイド40は、第1実施形態と同様の構成をなしており、第1実施形態と同様のコイル部41、プランジャ42、ばね部材(第1実施形態のばね部材43(
図6、
図8)と同様のばね部材であり、
図28等では図示略)を備えている。そして、第1実施形態と同様に動作するようになっている。
【0123】
このように構成される入賞装置700では、コイル部41が通電されていないときには、ばね部材(
図6のばね部材43と同様のばね部材)の付勢によってプランジャ42が突出位置で維持され、これにより支持部材30が
図30(B)に示す保持位置で維持されることになる。そして、このように支持部材30が保持位置にあるときには、開閉部材721の被作用部721aが支持部材30の支持部31(上面部)と当接し、開閉部材721の下方への移動が規制されるため、開閉部材721は閉鎖位置で保持され続ける。このときには、被作用部721aの下方側が支持部材30によって支持(当接)され続けるため、開閉部材721を開放位置に変位させようとする外力が加わっても、或いは、遊技球が開閉部材721上を転がったり開閉部材721に強く衝突したとしても、支持部材30が保持位置にて開閉部材721の変位を規制し続け、これにより開閉部材721の開放が阻止される。
【0124】
一方、コイル部41が通電されると、図示しない上記ばね部材の付勢に抗してプランジャ42がコイル部41内に引き込まれ、プランジャ42が没入位置に移動する。これにより支持部材730が
図31(A)に示す退避位置で維持されることになる。本構成では、プランジャ42がコイル部41内に引き込まれたときに支持部材30が被作用部721aの下方から回動軸G1側に退避する。そして、このように支持部材30が退避位置となったときには、被作用部721aの下方側に移動スペースが生じるため、開閉部材721は自重により下降し、
図31(A)のように開放位置で維持されることになる。
【0125】
また、支持部材730が退避位置から保持位置に向けて動作したときには、被作用部721aが支持部材730に押圧されることで開閉部材721が上昇し、再び閉鎖位置に変位する。これにより、上述のように当該閉鎖位置で支持部材730に支持され続ける。
【0126】
また、本実施形態で用いられる開閉部材721は、第1実施形態のような端部21eが設けられておらず、長手方向において回転軸G1を基点とする被作用部621aとは反対側に延出部が設けられていないため(即ち、回転軸G1付近が開閉部材721の長手方向端部となっているため)、開閉部材721が閉
鎖位置にある状態(即ち、
図27(A)、
図30(B)のように開閉部材721の先端部721hが所定位置(壁部751aに隣接する位置)で保持される状態)から、当該先端部721hを上方に移動させる持ち上げ操作がなされたときに、回転軸G1よりも長手方向所定側(被作用部721aとは反対側)に位置する部分がコイル部41やその周囲の壁部などに当接せず、開閉部材721の先端部721hが閉
鎖位置のときよりも上方側に移動し得るように回動可能となっている(
図27(B),
図31(B))。そして、このように開閉部材721の先端部721hが上方側に移動して
図31(B)のように回動限界位置まで回動したときには、遊技球が1球通過可能となる開口幅で誘導口720が開口するようになっている。具体的には、例えば、
図31(B)のような回動限界位置のときに、開閉部材721が撓み変形していない状態であっても、開閉部材721の先端部721hと壁部751aとの距離が遊技球の直径以上となるように構成されている。なお、
図31(B)の例では、開閉部材721の回動中心(即ち、回動軸G1)が壁部752aの下方(具体的には、壁部752aにおける誘導口720側の端部付近の下方)に配置されており、
図31(B)のように開閉部材721が閉鎖位置にあるときには、閉鎖部721bにおける壁部752a側の端部721gが、壁部752aと所定距離を隔てて当該壁部752aの端部側方に対向配置されるようになっている。そして、
図31(B)のように開閉部材721の先端部721hが所定位置まで持ち上げられたときには、その端部721gが壁部752a側に接近して壁部752aの端部に当接し、このときにそれ以上の回動(先端部721hをそれ以上上方側に移動させる回動)が規制されることになる。本構成では、このように開閉部材721の先端部721hが上方側に持ち上げられたときにその一部が他部材(
図31の例では壁部752a)に当接してそれ以上の回動が規制される位置が「回動限界位置」となる。
【0127】
このように開閉部材721が閉
鎖位置のときよりも上方側に持ち上げられ、
図31(B)のように遊技球の直径以上の開口幅で誘導口720が開口したときには、突出部721cは、当該開口を介して導入される遊技球を誘導する誘導壁として機能するようになっている。具体的には、
図31(B)のような回動限界位置のときに突出部721cが下方側に突出した状態で配され、このとき、開閉部材721の先端部721hと壁部751aとの距離が遊技球の直径以上で維持されると共に、突出部721cの先端部と壁部751aとの距離が遊技球の直径以上で維持される。このように構成されているため、導入される遊技球が突出部721cに当たりやすく、コイル部41側に導かれにくくなり、下方側に導かれ易くなる。特に、
図31(B)に示す回動限界位置のときに、第2内側部材785の誘導路760を構成する部分におけるソレノイド側の立壁785a(
図31(B)に示す状態において支持部材30が当接する立壁)の上端部と、被作用部721aとの間隔が、遊技球の直径よりも狭くなっているため、遊技球がコイル部41側に入り込まないようになっている。
【0128】
なお、上記の例では、開閉部材721の先端部721hが上方側に移動して回動限界位置まで回動したとき、当該開閉部材721が撓み変形していない場合であっても遊技球の直径以上の開口幅で誘導口720が開口するようになっているが、開閉部材721の先端部721hが上方側に移動して回動限界位置まで回動したとき、当該開閉部材721が撓み変形していないときには、遊技球が導入困難(不能)となる開口幅で誘導口720が開口するようにしてもよい。そして、開閉部材721が回動限界位置において更に上方側に撓み変形したときに、遊技球が1球導入可能となる開口幅となるようにしてもよい。この場合、開閉部材721の先端部721hが上方側に移動して回動限界位置まで回動したとき、当該開閉部材721が撓み変形していないときには、突出部721cの先端部と壁部751aとの距離が遊技球の直径未満となり、回動限界位置において更に開閉部材721が撓み変形したときに突出部721cの先端部と壁部751aとの距離が遊技球の直径以上となる。
【0129】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0130】
第1〜第5実施形態では、開閉部材21は、前飾り板84aと台板82aとによって固定される軸部材22を開閉部材21とは別体に形成していたが、開閉部材21と軸部材22とをインサート成形等によって一体的に形成してもよい。これにより、開閉部材21と軸部材22との間で摩耗等が生じなくなり、摩耗等に起因して開閉部材21が正常に開閉動作しなくなることを防止することができる。また、組み立て時のクリアランスを考慮する必要がなくなるので、がたつき等を効果的に軽減することができる。また、第6、第7実施形態でも同様の構成とすることができる。
【0131】
第4実施形態では、支持部材430を回動可能に構成したが、この支持部材430を直線的にスライドする構成としてもよい。例えば、遊技盤の盤面に直交する方向に直線的にスライドする構成であってもよい。
【0132】
上記実施形態では、ソレノイドの配置の一例を示したが、ソレノイドの配置は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば遊技盤の厚さ内に配置してもよく、遊技盤よりも後方側に一部を配置させるようにしてもよい。ソレノイドをやや後方に配置すると、ソレノイドの前方側にある程度スペースができるため、このスペースを利用してLED等の発光部品を実装した基板を配置するようにしてもよい。
【0133】
上記実施形態では、球検出部の配置の一例を示したが、球検出部の配置は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば遊技盤の厚さ内に配置してもよく、遊技盤よりも後方側に一部を配置させるようにしてもよい。或いは、球検出部を省略するようにしてもよい。
【0134】
上記実施形態では、開閉部材21が回動軸G1によって回動する構成を例示したが、開閉部材が上下にスライド昇降する構成であってもよい。