(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メンブレンシートスイッチの表面及び前記薄膜シートの表面の少なくともいずれか一方に形成されて、導電材料から形成される導電層をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキースイッチ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした従来のキースイッチ装置では、支持板は例えば板金やステンレス鋼といった金属材料から形成されている。その結果、例えばキーボードの製造工程や運搬工程中に支持板に応力が作用した場合に、支持板は、永久変形や破損を発生させない程度の剛性を有していなければならない。支持板が永久変形したり破損したりしたキーボードは製品として使用することができない。従って、こうした剛性の確保にあたって支持板にはある程度の厚みが必要とされる。こうした厚みはキースイッチ装置の軽量化及び低背化を妨げる要因となる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって軽量化及び低背化を図ることができるキースイッチ装置及びキーボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明によれば、
キートップと、
前記キートップに連結されて、互いに連動して前記キートップの昇降動作を案内する1対のリンク部材と、
前記キートップの昇降動作に応じて電気回路の接点を開閉するメンブレンシートスイッチを有するスイッチ機構と、
前記メンブレンシートスイッチに貼り付けられる柔軟な薄膜シートと、
前記薄膜シートに取り付けられて、前記薄膜シートに前記リンク部材を連結するハウジングと、を備え
、
前記1対のリンク部材は、前記薄膜シートと前記ハウジングとの間に挟まれて支持されるキースイッチ装置が提供される。
【0007】
こうしたキースイッチ装置は、
前記薄膜シートに形成されて前記薄膜シートを貫通する貫通孔と、
前記ハウジングに形成されて前記ハウジングから突出し、前記貫通孔内に受け入れられる突起と、をさらに備える。
【0009】
こうしたキースイッチ装置では前記薄膜シートは有機ELシートである。
【0010】
こうしたキースイッチ装置は、前記メンブレンシートスイッチの表面に形成されて、帯電防止剤から形成される帯電防止層をさらに備える。
【0011】
こうしたキースイッチ装置は、前記メンブレンシートスイッチの表面及び前記薄膜シートの表面の少なくともいずれか一方に形成されて、導電材料から形成される導電層をさらに備える。
【0012】
また、本発明によれば、以上のようなキースイッチ装置を複数備えるキーボードが提供される。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明によれば、
キートップと、
前記キートップに連結されて、互いに連動して前記キートップの昇降動作を案内する1対のリンク部材と、
前記キートップの昇降動作に応じて電気回路の接点を開閉するメンブレンシートスイッチを有するスイッチ機構と、
前記メンブレンシートスイッチに取り付けられて、前記メンブレンシートスイッチに前記リンク部材を連結するハウジングと、を備えるキースイッチ装置が提供される。
【0014】
こうしたキースイッチ装置では、
前記メンブレンシートスイッチは、
下側シートと、
前記下側シートの表面に裏面で向き合う上側シートと、
前記下側シートの表面と前記上側シートの裏面との間に挟み込まれるスペーサシートと、
前記上側シート及び前記スペーサシートに形成されて、前記前記上側シート及び前記スペーサシートを貫通する逃げ孔と、を備え、
前記ハウジングは、前記逃げ孔内で露出する前記下側シートに取り付けられる。
【0016】
こうしたキースイッチ装置は、前記メンブレンシートスイッチの表面に形成されて、帯電防止剤から形成される帯電防止層をさらに備える。
【0017】
こうしたキースイッチ装置は、前記メンブレンシートスイッチの表面に形成されて、導電材料から形成される導電層をさらに備える。
【0018】
また、本発明によれば、以上のようなキースイッチ装置を複数備えるキーボードが提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ハウジングは薄膜シートに取り付けられる。薄膜シートは柔軟な薄膜シートから形成されることから、例えばキーボードの組立時、薄膜シートは柔軟に変形することができる。薄膜シートの永久変形や破損は回避される。従って、薄膜シートに高い剛性は不要であるので、薄膜シートを極めて薄く形成することができる。例えばメンブレンシートスイッチに、例えば板金やステンレス鋼といった金属材料から形成される支持板が貼り付けられる場合に比べて、キースイッチ装置すなわちキーボードを軽量化及び低背化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】電子機器の一具体例すなわちノートブック型のパーソナルコンピュータの外観を概略的に示す斜視図である。
【
図2】ノートブック型のパーソナルコンピュータの本体筐体からキーボードが取り外された分解斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す部分組立斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す断面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す他の断面図である。
【
図7】ハウジングの構造を概略的に示す斜視図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す断面図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す断面図である。
【
図12】本発明の第4実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す断面図である。
【
図13】本発明の第5実施形態に係る組立前のキースイッチ装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【
図14】本発明の第5実施形態に係る組立中のキースイッチ装置の構造を概略的に示す側面図である。
【
図15】本発明の第5実施形態に係る組立後のキースイッチ装置の構造を概略的に示す部分断面図である。
【
図16】本発明の第5実施形態の変形例に係る組立後のキースイッチ装置の構造を概略的に示す部分断面図である。
【
図17】薄膜シートの製造工程を示す斜視図である。
【
図18】本発明の第6実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【
図19】本発明の第6実施形態に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【
図20】本発明の実施形態の変形例に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す断面図である。
【
図21】本発明の実施形態の他の変形例に係るキースイッチ装置の構造を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、電子機器の一具体例すなわちノートブック型のパーソナルコンピュータ(以下、「ノートパソコン」)1の外観を概略的に示す斜視図である。このノートパソコン1は、薄型の本体筐体2と、この本体筐体2に揺動自在に連結されるディスプレイ用筐体3とを備える。本体筐体2の表面にはキーボード4及びポインティングデバイス5といった入力装置が組み込まれる。キーボード4は、例えば本体筐体2の表面に形成される開口6内に嵌め込まれる。キーボード4は複数のキースイッチ装置7を備える。キーボード4では、一平面内に複数のキースイッチ装置7が所定の配列で配置される。
【0022】
ディスプレイ用筐体3には例えばLCD(液晶ディスプレイ)パネルモジュール8が組み込まれる。LCDパネルモジュール8の画面は、ディスプレイ用筐体3に形成される窓孔9内に臨む。ノートパソコン1のユーザは、LCDパネルモジュール8の画面に表示されるテキストやグラフィックに応じてノートパソコン1の動作を確認する。ディスプレイ用筐体3は、本体筐体2に対する揺動を通じて本体筐体2に重ね合わせられる。こうしてノートパソコン1は折り畳まれる。
【0023】
図2は、ノートパソコン1の本体筐体2からキーボード4が取り外されたノートパソコン1の分解斜視図である。
図2から明らかなように、キーボード4は、本体筐体2の開口6内に配置される支持板11上に固定される。支持板11はその上面に平坦な表面を有する。支持板11の平坦な表面によってキーボード4の平坦性が確保される。支持板11は例えばステンレス鋼といった金属材料やプラスチックといった樹脂材料から形成される。キーボード4の固定にあたって例えば複数本のねじ(図示せず)が用いられる。ねじは、キーボード4に形成される貫通孔(図示せず)を通って支持板11にねじ込まれる。
【0024】
図3は、本発明の第1実施形態に係るキースイッチ装置7の構造を概略的に示す分解斜視図である。
図4は、本発明の第1実施形態に係るキースイッチ装置7の構造を概略的に示す部分組立斜視図である。
図3及び
図4に示されるように、キースイッチ装置7は、キートップ12と、キートップ12の昇降動作を案内する1対のリンク部材13、13と、キートップ12の昇降動作に応じて電気回路の接点部14を開閉するスイッチ機構15と、表面でスイッチ機構15を受け止める柔軟な薄膜シート16と、薄膜シート16にリンク部材13、13を取り付けるハウジング17と、を備える。
【0025】
キートップ12は平面視で矩形の皿状部材である。キートップ12は、ノートパソコン1のユーザによって打鍵操作される操作面12aをその上面に有する。ハウジング17は平面視で矩形輪郭の枠状部材である。1対のリンク部材13、13はそれぞれ相互に同一の形状及び寸法を有する。リンク部材13、13は、その一端で相互に歯車状に噛み合って相互に連動可能に組み合わせられる。リンク部材13、13は、キートップ12が昇降動作の上限位置にある場合に側面視でV字状に形成されるV字ギアリンクを構成する。
【0026】
スイッチ機構15は、キートップ12の下方位置に接点部14を確立するメンブレンシートスイッチ18と、キートップ12と接点部14との間に配置される作動部材すなわちラバードーム19と、を有する。ラバードーム19は、キートップ12の下降動作に伴って接点部14を閉成する。メンブレンシートスイッチ18には、ラバードーム19を挟んで相互に同一の形状を有する例えば1対の逃げ孔21、21が形成される。逃げ孔21はメンブレンシートスイッチ18を貫通する。ハウジング17は、逃げ孔21、21内で薄膜シート16の上面に例えば接着剤22によって接着される。ラバードーム19はハウジング17の枠内に配置される。
【0027】
ここでは、キートップ12、ハウジング17、及びリンク部材13、13はそれぞれ例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)といった樹脂材料の一体成形品から形成される。その一方で、メンブレンシートスイッチ18は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)といった樹脂材料から形成される。ラバードーム19は例えばゴムといった弾性樹脂材料から形成される。また、薄膜シート16は例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)といった樹脂材料の薄膜フィルムから形成される。薄膜シート16の厚みは例えば0.1mmに設定される。
【0028】
図3及び
図4から明らかなように、ハウジング17では、相互に対向する2辺を形成する1対の枠部分17a、17aの下面のそれぞれに1対の軸受部23が形成される。本実施形態では、軸受部23は、ハウジング17の枠の内外を接続するように横方向に貫通する。その一方で、各リンク部材13は、相互に同一方向に平行に延びる1対の腕部13a、13aと、それら腕部13a、13aに一体的に連結されて腕部13a、13aを相互に連結する胴部13bと、を有する。両腕部13a、13aの先端には相互に対向する内側面から胴部13bに平行に相互に同軸に円柱状に突き出る回動軸部24が形成される。回動軸部24、24は、ハウジング17の軸受部23内に回動可能に受け入れられる。
【0029】
図5は、本発明の第1実施形態に係るキースイッチ装置7の構造を概略的に示す断面図である。
図5を併せて参照すると、両腕部13a、13aの基端にはその外側面から胴部13bに平行に相互に同軸に円柱状に突き出る摺動軸部25、25が形成される。摺動軸部25、25は、キートップ12の下面に形成される1対の案内溝26、26にそれぞれ摺動可能に収容される。各案内溝26は、キートップ12の下面から突き出る突出部27内に形成される。後述するように、キートップ12の昇降動作に伴って各リンク部材13は、回動軸部24、24の回動軸線28、28回りに同期して揺動することができる。
【0030】
リンク部材13、13では、一方の両腕部13aの先端には1枚の歯部31が形成される。その一方で、他方の両腕部13aの先端には2枚の歯部32、32が形成される。こうして1対のリンク部材13、13では、一方のリンク部材13の1枚の歯部31が他方のリンク部材13の2枚の歯部32、32に噛み合わせられる。この噛み合わせは、前述のキートップ12の昇降動作に伴って引き起こされるリンク部材13、13の揺動の間中、維持され続ける。
図5から明らかなように、キートップ12に何ら外力が作用していない時、ラバードーム19の頂部はキートップ12を受け止める。
【0031】
図6は、本発明の第1実施形態に係るキースイッチ装置7の構造を概略的に示す他の断面図である。
図7は、ハウジング17の構造を概略的に示す斜視図である。
図6及び
図7を併せて参照すると、ハウジング17の下面には1平面内で広がる複数の平坦面17bが形成される。平坦面17bは、例えばハウジング17の枠の四隅におけるハウジング17の下面と、1対の軸受部23、23同士の間における枠部分17aの下面と、に形成される。ハウジング17はこの平坦面17bで薄膜シート16に接着される。
図3から明らかなように、接着剤22は、薄膜シート16の上面で少なくともハウジング17の平坦面17bを受け止める領域にのみ塗布される。
【0032】
その一方で、メンブレンシートスイッチ18は、ラバードーム19を受け止める上側シート18aと、上側シート18aの裏面すなわち下面に向き合う下側シート18bと、上側シート18a及び下側シート18bの間に挟み込まれるスペーサシート18cと、を有する。スペーサシート18cには、ラバードーム19の下方位置に貫通孔33が形成される。貫通孔33内では上側シート18aの下面に接点34が形成される。同様に、貫通孔33内では下側シート18bの上面に接点35が形成される。接点34、35は相互に向き合う。接点34、35にはそれぞれ個別に配線パターン(図示せず)が接続される。接点34、35は前述の接点部14を構成する。
【0033】
上側シート18a、下側シート18b、及びスペーサシート18cは例えば接着剤(図示せず)によって相互に貼り付けられる。上側シート18a、下側シート18b、及びスペーサシート18cは例えばポリエチレンテレフタレート(PET)といった樹脂材料から形成される。ラバードーム19は例えば接着剤でメンブレンシートスイッチ18の上面に取り付けられる。接点34、35や配線パターンには、例えば銀(Ag)、銅(Cu)及びアルミニウム(Al)の少なくともいずれかの金属材料が含まれる。
【0034】
次に、ノートパソコン1のユーザによる打鍵操作によってキートップ12が押し下げられる場面を想定する。キートップ12に外力が作用しない時、ラバードーム19はその頂部で、メンブレンシートスイッチ18の上面から最大距離で離れたストロークの上限位置にキートップ12を支持する。こうしてキートップ12は初期位置に位置決めされる。メンブレンシートスイッチ18では接点部14は開成された状態にある。このとき、リンク部材13の摺動軸部25は案内溝26内に位置決めされる。1対のリンク部材13、13の腕部13a、13a同士は、側面視で所定の最小交差角で交差する傾斜姿勢を確立する。
【0035】
ユーザによってキートップ12に外力が作用してキートップ12が押し下げられると、キートップ12の下降動作によってリンク部材13、13はそれぞれ回動軸線28、28回りに相互に反対方向に揺動していく。摺動軸部25、25は、相互に離れる方向にキートップ12の下面を摺動していく。このとき、ラバードーム19は弾性変形していく。ラバードーム19には弾性復元力が蓄積されていく。キートップ12が、メンブレンシートスイッチ18の上面から最小距離で離れたストロークの下限位置に位置決めされると、ラバードーム19内の突起36は下側の接点35に上側の接点34を押し付ける。接点部14は閉成される。このとき、1対のリンク部材13、13の腕部13a、13a同士は、側面視で所定の最大交差角で交差する傾斜姿勢を確立する。
【0036】
キートップ12への外力が解除されると、ラバードーム19は弾性復元力によって復元する。このとき、キートップ12の上昇動作によってリンク部材13、13はそれぞれ回動軸線28、28回りに相互に反対方向に揺動していく。摺動軸部25、25は、相互に近づく方向にキートップ12の下面を摺動していく。こうして、ラバードーム19が原形に復帰すると、キートップ12はその初期位置に復帰する。摺動軸部25、25はそれぞれ案内溝26、26内に収容される。前述と同様に、1対のリンク部材13、13の腕部13a、13a同士は、側面視で所定の最小交差角で交差する傾斜姿勢を確立する。同時に、接点部14は開成される。
【0037】
以上のような打鍵操作では、キートップ12に外力が作用していく間、ラバードーム19は、キートップ12の下降変位量に非線形対応する弾性復元力をキートップ12に作用させるようになっている。その結果、キースイッチ装置7では、キートップ12の下降変位量が所定値を超えた時に、それまで増加していた弾性復元力が急に減少する。こうしていわゆるクリック感を伴う打鍵操作特性が確保される。
【0038】
以上のようなキーボード4では、ハウジング17は例えば接着剤22によって薄膜シート16に取り付けられる。薄膜シート16は柔軟な例えば樹脂シートから形成されることから、例えばキーボード4の組立時やノートパソコン1へのキーボード4の組込時、薄膜シート16は柔軟に変形することができる。その結果、薄膜シート16に高い剛性は不要であるので、薄膜シート16を極めて薄く形成することができる。従って、例えばメンブレンシートスイッチ18に、例えば板金やステンレス鋼といった金属材料から形成される支持板が貼り付けられる場合に比べて、キースイッチ装置7すなわちキーボード4を軽量化及び低背化することが可能である。また、キーボード4は、本体筐体2の開口6内に配置される平坦な支持板11に受け止められることから、薄膜シート16が柔軟であるにも拘わらず従来と同様の操作性を確保することができる。
【0039】
図8は、本発明の第2実施形態に係るキースイッチ装置7aの構造を概略的に示す分解斜視図である。
図9は、本発明の第2実施形態に係るキースイッチ装置7aの構造を概略的に示す断面図である。
図8ではキートップ12の図示が省略されている。なお、前述の第1実施形態の構成要素と均等な構成要素には同一の参照符号が付される。このキースイッチ装置7aでは、薄膜シート16の接着剤22の塗布領域に薄膜シート16を貫通する例えば4つの貫通孔41が形成される。その一方で、ハウジング17の平坦面17bには貫通孔41の位置に対応して平坦面17bから突き出る例えば4つの突起42が形成される。貫通孔41及び突起42はそれぞれ円柱状に形成される。突起42は例えばハウジング17の枠の四隅に配置される。
【0040】
図9から明らかなように、ハウジング17が薄膜シート16上に配置されると、ハウジング17の突起42は薄膜シート16の貫通孔41内に受け入れられる。こうして、キースイッチ装置7aの組立にあたって薄膜シート16上でハウジング17を簡単に位置決めすることが可能である。すなわち、メンブレンシートスイッチ18上でキートップ12を簡単に位置決めすることができる。ハウジング17の平坦面17bは薄膜シート16に接着剤22によって接着される。その他の構成は前述の第1実施形態の構成と同様であるので、ここでの重複した説明は省略する。こうしたキースイッチ装置7aによれば、前述のキースイッチ装置7と同様の作用効果が実現される。
【0041】
図10は、本発明の第3実施形態に係るキースイッチ装置7bの構造を概略的に示す分解斜視図である。
図11は、本発明の第3実施形態に係るキースイッチ装置7bの構造を概略的に示す断面図である。なお、前述の第1実施形態の構成要素と均等な構成要素には同一の参照符号が付される。このキースイッチ装置7bでは前述の薄膜シート16の組み込みが省略される。ハウジング17は平坦面17bでメンブレンシートスイッチ18の上面すなわち上側シート18aの上面に例えば接着剤22によって貼り付けられる。従って、メンブレンシートスイッチ18では前述の逃げ孔21、21の形成を省略することができる。その結果、メンブレンシートスイッチ18を容易に製造することができる。
【0042】
こうしたキースイッチ装置7bによれば、薄膜シート16の組み込みと逃げ孔21の形成とを省略することができるので、キースイッチ装置7bの部品点数を削減することができる。しかも、薄膜シート16の厚み分だけ前述のキースイッチ装置7、7aに比べてキースイッチ装置7bをさらに軽量化及び低背化することが可能である。さらに、キースイッチ装置7bの製造コストを削減することができるとともに、キースイッチ装置7bの製造を簡略化することができる。また、キーボード4は、本体筐体2の開口6内に配置される平坦な支持板11に受け止められることから、たとえメンブレンシートスイッチ18が柔軟であったとしても従来と同様の操作性を確保することができる。
【0043】
図12は、本発明の第4実施形態に係るキースイッチ装置7cの構造を概略的に示す断面図である。なお、前述の第1実施形態の構成要素と均等な構成要素には同一の参照符号が付される。このキースイッチ装置7cでは、メンブレンシートスイッチ18の上側シート18a及びスペーサシート18cに逃げ孔43が形成される。逃げ孔43は例えば接点部14の周囲に形成される。ハウジング17は、逃げ孔43内で露出するメンブレンシートスイッチ18の下側シート18bに例えば接着剤によって取り付けられる。こうしたキースイッチ装置7cでは、上側シート18a及びスペーサシート18cの分だけキースイッチ装置7cすなわちキーボード4の高さを低減させることができる。その結果、前述のキースイッチ装置7cに比べてキーボード4を一層低背化することが可能である。
【0044】
以上のようなキースイッチ装置7、7a、7b、7cでは、接着剤22による接着に代えて、例えばハウジング17の平坦面17bと薄膜シート16又はメンブレンシートスイッチ18とを超音波振動に基づき溶着することによって、ハウジング17は薄膜シート16又はメンブレンシートスイッチ18に取り付けられてもよい。
【0045】
図13は、本発明の第5実施形態に係る組立前のキースイッチ装置7dの構造を概略的に示す分解斜視図である。
図14は、本発明の第5実施形態に係る組立中のキースイッチ装置7dの構造を概略的に示す側面図である。
図15は、本発明の第5実施形態に係る組立後のキースイッチ装置7dの構造を概略的に示す部分断面図である。なお、前述の第1実施形態の構成要素と均等な構成要素には同一の参照符号が付される。組立前のこのキースイッチ装置7dでは、
図13から明らかなように、ハウジング17の四隅に、薄膜シート16に向かって突き出る例えば4つの脚部44が形成される。脚部44は、例えば先端に向かって先細る円錐台形状に形成される。その一方で、薄膜シート16には、脚部44に対応する位置に薄膜シート16を貫通する貫通孔45が形成される。
【0046】
ハウジング17の薄膜シート16への取り付けにあたって、各脚部44の先端を熱により溶融させて変形させる熱かしめの構成が採用される。
図14に示されるように、熱かしめの実施にあたって、ハウジング17の各脚部44は薄膜シート16の貫通孔45内に受け入れられる。脚部44の先端は貫通孔45を通って薄膜シート16の下面から突き出る。このとき、脚部44の先端は熱によって溶融させられる。こうして、
図15に示されるように、脚部44の先端に薄膜シート16の下面に沿って広がる変形部分44aが形成される。この変形部分44aによってハウジング17は薄膜シート16に簡単に安定して取り付けられる。なお、薄膜シート16の組み込みが省略される前述のキースイッチ装置7bでは、貫通孔45は例えばメンブレンシートスイッチ18に形成されてよい。こうしてハウジング17はメンブレンシートスイッチ18に簡単に安定して取り付けられる。
【0047】
図16に示されるように、薄膜シート16には、脚部44の変形部分44aを受け入れる凹所46が形成されてもよい。凹所46に貫通孔45が形成される。こうした構成によれば、薄膜シート16の下面から変形部分44aが突出することを防止することができる。その結果、キースイッチ装置7すなわちキーボード4の一層の低背化を実現することができる。こうした凹所46の形成にあたって、
図17(a)に示されるように、例えば樹脂シート47が、凹所46の輪郭を象った突起48を有するパンチ49の上面に押し付けられる。こうして、
図17(b)に示されるように、樹脂シート47には窪み51が形成される。その後、
図17(c)に示されるように、窪み51に貫通孔45を形成するための突起52を有するパンチ53の上面に樹脂シート47が押し付けられる。こうして凹所46を有する薄膜シート16が形成される。なお、熱かしめによるハウジング22の取り付けは前述のキースイッチ装置7、7a、7b及び7cにも適用されてよい。
【0048】
図18及び
図19は、本発明の第6実施形態に係るキースイッチ装置7eの構造を概略的に示す分解斜視図である。なお、前述の第1実施形態の構成要素と均等な構成要素には同一の参照符号が付される。
図18に示されるように、このキースイッチ装置7eでは、ハウジング17は1対の枠部分17a、17aに分割される。枠部分17a、17aは、メンブレンシートスイッチ18の逃げ孔21、21内で露出する薄膜シート16にそれぞれ接着剤によって接着される。その他の構成要素は前述のキースイッチ装置7と同様に構成される。
【0049】
図19に示されるように、こうしたキースイッチ装置7eの組み立てにあたって、ハウジング17の枠部分17a、17aは薄膜シート16に対してアウトサート成形されることが可能である。すなわち、ハウジング17の成形時に薄膜シート16がハウジング17に結合される。アウトサート成形によれば、薄膜シート16にハウジング17を簡単に取り付けることができる。アウトサート成形後、薄膜シート16にスイッチ機構15が取り付けられる。枠部分17a、17aはメンブレンシートスイッチ18の逃げ孔21、21内に受け入れられる。その後、枠部分17a、17aの軸受部23、23にリンク部材13、13の回動軸部24、24が例えばリンク部材13、13の弾性変形に基づき嵌め込まれる。
【0050】
その他、以上のようなキースイッチ装置7、7a、7d及び7eでは、薄膜シート16が例えば有機EL(エレクトロルミネッセンス)シートから形成されてもよい。有機ELシートは発光層を有する。発光層の働きで有機ELシートは発光することができる。このキースイッチ装置7、7a及び7eでは、キートップ12は例えば透明な樹脂材料から形成される。透明な樹脂材料に塗装が施された後、例えば文字や記号の部分の塗装がエッチングによって剥がされる。こうして有機ELシートの発光によってキートップ12では文字や記号の部分のみが発光することができる。こうしたキースイッチ装置7、7a及び7eを組み込んだキーボード4では、暗い場所での作業時にユーザの視認性を高めることができる。
【0051】
その他、例えばキースイッチ装置7では、
図20に示されるように、メンブレンシートスイッチ18の表面に帯電防止層55が形成されてもよい。帯電防止層55には例えば界面活性剤などの周知の帯電防止剤が用いられる。帯電防止層55の形成にあたって、例えばメンブレンシートスイッチ18の表面に帯電防止剤が塗布される。こうしたキースイッチ装置7では、帯電防止層55の働きによってキーボード4での静電気の発生を抑制することができる。また、帯電防止層55の働きによって、キーボード4で発生する静電気を大気中に発散させることができる。その結果、静電気がメンブレンシートスイッチ18の配線パターンに逃げることを防止することができる。配線パターンでのノイズの発生を低減させることができる。こうした帯電防止層55はキースイッチ装置7a〜7eに同様に組み込まれてもよい。
【0052】
また、例えばキースイッチ装置7では、メンブレンシートスイッチ18の表面に前述の帯電防止層55に代えて導電層(図示せず)が形成されてもよい。導電層には例えば銀(Ag)や炭素(C)などの導電材料の塗料が用いられる。導電層の形成にあたって、メンブレンシートスイッチ18の表面に例えばペースト状の導電材料の塗料が塗布される。こうしたキースイッチ装置7では、導電層はメンブレンシートスイッチ18のグラウンドとして機能する。その結果、キーボード4で発生する静電気は導電層に逃げることができる。その結果、静電気がメンブレンシートスイッチ18の配線パターンに逃げることを防止することができる。配線パターンでのノイズの発生を低減させることができる。こうした導電層はキースイッチ装置7a〜7eに同様に組み込まれてよい。
【0053】
また、例えばキースイッチ装置7では、
図21に示されるように、薄膜シート16の表面に導電層56が形成されてもよい。すなわち、導電層56は薄膜シート16の表面とメンブレンシートスイッチ18の裏面との間に挟み込まれる。導電層56は例えばアルミニウム(Al)や銅(Cu)などの導電材料が用いられる。導電層56の形成にあたって、薄膜シート16の表面に導電材料が蒸着されるか、又は、導電材料が蒸着されたシートが貼り付けられる。こうしたキースイッチ装置7では、導電層56はメンブレンシートスイッチ18のグラウンドとして機能する。その結果、キーボード4で発生する静電気は導電層に逃げることができる。その結果、静電気がメンブレンシートスイッチ18の配線パターンに逃げることを防止することができる。配線パターンでのノイズの発生を低減させることができる。こうした導電層はキースイッチ装置7a〜7eに同様に組み込まれてよい。なお、この導電層56は例えば前述の帯電防止層55と併用されてもよい。