特許第5911250号(P5911250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5911250
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】グラップルバケット装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/40 20060101AFI20160414BHJP
【FI】
   E02F3/40 A
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-212598(P2011-212598)
(22)【出願日】2011年9月28日
(65)【公開番号】特開2013-163889(P2013-163889A)
(43)【公開日】2013年8月22日
【審査請求日】2014年8月5日
(31)【優先権主張番号】特願2010-221820(P2010-221820)
(32)【優先日】2010年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】598099132
【氏名又は名称】松本システムエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100065189
【弁理士】
【氏名又は名称】宍戸 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 良三
【審査官】 桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−133640(JP,A)
【文献】 特開平06−306884(JP,A)
【文献】 特開平11−036355(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0229433(US,A1)
【文献】 特開平02−035119(JP,A)
【文献】 特開2002−017325(JP,A)
【文献】 特開平09−302707(JP,A)
【文献】 特開2007−146470(JP,A)
【文献】 カナダ国特許発明第01080586(CA,C)
【文献】 特開平06−343356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/40
A01G 3/08
A01G 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に回動する建設機械のアームの先端部に、上下方向に回動可能に、かつアームの延長方向の軸心にたいして回動可能にして設けたバケットと、このバケットの両側壁に隣接して位置し、両側壁の開口面との間で木材等の被グラップル材をグラップルできるグラップル部材を、バケットの開口基端部に、バケットの開口部を閉じる方向に回動可能に枢支してなるグラップル装置と、を設けたグラップルバケット装置において、
バケットの一方の側壁部に、上記バケットの両側壁の開口面とグラップル部材との間でグラップルした被グラップル材を切断する切断装置を設け、
この切断装置は、バケットの側壁の外側あるいは内側の一方側に位置してバケットの開口縁から離れた位置からバケットの側壁に沿う位置にわたって側壁に沿う方向に回動し、かつバケットの開口縁側に対向する側の則縁に切刃を有してバケットの開口基端部に枢支された切断刃と、上記切断刃の回動基部に連結して上記切断刃を回動させる油圧シリンダとからなり、
切断刃の切刃を、切断刃の回動中心と油圧シリンダの連結点を結ぶ線に対して切断刃の切断方向側にずれた位置に設けるとともに、この切刃の切断方向への回動方向に対して後方へ円弧状に反らせたことを特徴とするグラップルバケット装置。
【請求項2】
グラップル装置のグラップル部材は、バケットの開口幅とほぼ同一間隔に離隔され、かつ先端部がバケットないに入り込むか、バケットの先端に当節するようにし、グラップル部材の先端部を連結部材にて連結し、グラップル部材間に板部材又は格子部材などのカバー部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のグラップルバケット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面の掘削と、木材等の被グラップル材のグラップル(掴持)と、さらにグラップルした被グラップル材を切断できるようにしたグラップルバケット装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上下方向に回動する建設機械のアームの先端部に、上下方向に回動可能に設けたバケットと、このバットの開口幅と略同一間隔に離隔した2本のグラップル部材をバケットの開口基端部に、バケットの開口部を閉じる方向に回動可能に枢支してなるグラップル装置とからなるグラップルバケット装置が特許文献1にて知られている。
【0003】
この従来のグラップルバケット装置の構成を図1から図3にて説明する。
【0004】
図1において、1は通常のパワーショベル用の車体、2はこれに起伏可能に設けたブーム、3はこのブーム2の先端に連結されたアーム、4,5はそれぞれを起伏回動するためのブーム用、及びアーム用のシリンダ装置である。そしてこの図中6はアーム3の先端に装着されるグラップルバケット装置である。
【0005】
このグラップルバケット装置6は図2から図3に示すようになっていて、アーム3の先端に上下方向に回動自在に連結されるブラケット7と、このブラケット7の先端に、アーム3の延長方向の軸心を中心にして回転自在に支持されたバケット8と、このバケット8の開口基端部にバケット8の開口部と対向する方向に回動自在に設けたグラップル装置9とからなっている。
【0006】
上記ブラケット7の上部にはアーム3に沿わせて設けたバケット用のシリンダ装置10がリンク機構11を介して連結してある。またバケット8は図示しないリングギヤ及びピニオンを介してブラケット7内に設けた油圧モータ12にて回転されるようになっている。このバケット8の先端部には複数の掘削爪8aが設けてある。なお、この掘削爪8aを備えていないバケット8もある。
【0007】
グラップル装置9は、バケット8の開口基部に設けられたブラケット13にバケット8の開口幅方向と平行に枢支された回転軸14と、この回転軸14の両端部に基部を固着され、かつバケット8の開口部に対向して凹状に湾曲した2本のグラップル部材15a,15bとからなっている。そしてこの両グラップル部材15a,15bの先端は長尺材をグラップルしやすいように、補強を兼ねて連結板16にて連結されている。この両グラップル部材15a,15bの間隔はバケット8の開口幅と略同一になっているが、それぞれの先端部はバケット8の内側寸法より狭くなっていて、この先端部がバケット8の内壁面に沿ってバケット8の内側に少ない隙間をあけて入り込むようになっている。またこのときの連結板16は掘削爪8a(掘削爪8aがない場合にはバケットの先端縁)より奥側に位置し、かつバケット8の底壁面に少ない隙間を有して沿うようになっている。上記両グラップル部材15a,15bの幅が変る部分の外側段部がバケット8の開口縁に当接するストッパ17となっている。連結板16には鋸刃状のつかみ刃16aが設けてある。なお、この連結板16のつかみ刃16aは直線状にしたものもある。
【0008】
上記回転軸14にはブラケット18が突設してあり、このブラケット18に、一端部をバケット8の基部に設けたブラケット13の内側に枢支したグラップル用のシリンダ装置19の先端が連結してあり、このシリンダ装置19の伸縮動作により上記グラップル部材15a,15bがバケット8に対して回動するようになっている。
【0009】
このように構成されたグラップルバケット装置6は、ブーム用、アーム用及びバケット用のシリンダ装置4,5,10を伸縮動してブーム2、アーム3を起伏回動すると共にバケット8を回動することによりグラップルバケット装置6の上下方向及び前後方向の位置の姿勢が変えられ、さらにバケット8をブラケット7に対して回転することによりバケット8の左右方向の姿勢が変えられる。
【0010】
木材のグラップル作業時には、上記動作に加えて、グラップル用のシリンダ装置19を伸縮動してグラップル部材15a,15bをバケット8に対して回動する。これにより図3の鎖線で示すように、このグラップル部材15a,15bとバケット8の開口両側壁との間で木材20がグラップルされる。このとき、連結板16とバケット8の先端部とでこの木材20をつまんで持ち上げたり、これの向きを変えて、グラップルしやすいように整姿する。
【0011】
地面の掘削作業時には、グラップル用のシリンダ装置19を伸長動してグラップル部材15a,15bをバケット8側へ入り込ませておく。これにより、図3の実線で示すようになり、このグラップル部材15a,15bの先端部がバケット8の両側内面に沿ってバケット8内に入り込み、また連結板16もバケット8の掘削爪8aより奥側でバケット8の底壁面に沿わされる。
【0012】
この状態で上記グラップル部材15a,15bの先端部及び連結板16がバケット8の掘削作業の邪魔になることがなくなり、上記各シリンダ装置4,5,10を伸縮動することにより、バケット8により掘削作業がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平11−36355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記従来のグラップルバケット装置にあっては、地面の掘削と木材のグラップルの双方を行うことができ、特に木材をグラップルした状態で建設機械を走行することにより、木材を所定の場所に集積することができるという作用効果を期待することができた。
【0015】
しかしながら、グラップルした木材が長尺である場合には、これをグラップルした状態での搬送中に、この木材が他のもの、例えば林道脇の木立に接触してしまって搬送不能になってしまうことがあった。
【0016】
このような場合は、所定以上の長さを有する木材をチェーンソー等の切断装置を用いて作業員が所定の長さに切断しなければならなかった。
【0017】
また、伐採後の木材を所定長に切断する場合にも、従来はいちいち作業員が行っており、この切断作業自体も重労働であり、作業員の負担になっているのが現状であった。
【0018】
その上、従来のグラップルバケット装置にあっては立木の伐採作業を行うことはできなかった。
【0019】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、グラップル装置にてグラップルした木材等の被グラップル材をグラップルした状態で切断することができるようにして、伐採後の被グラップル材や伐採前の立木を簡単に切断及び伐採できて、上記作業員の負担を軽減できると共に、グラップル装置にてグラップルした被グラップル材を搬送する前に、これが長尺の場合にはグラップルした状態であらかじめ切断することにより、被グラップル材が他のものに接触する等のトラブルが生じることなく搬送できるようにしたグラップルバケット装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために、本発明は、上下方向に回動する建設機械のアームの先端部に、上下方向に回動可能に、かつアームの延長方向の軸心にたいして回動可能にして設けたバケットと、このバケットの両側壁に隣接して位置し、両側壁の開口面との間で木材等の被グラップル材をグラップルできるグラップル部材を、バケットの開口基端部に、バケットの開口部を閉じる方向に回動可能に枢支してなるグラップル装置と、を設けたグラップルバケット装置において、バケットの一方の側壁部に、上記バケットの両側壁の開口面とグラップル部材との間でグラップルした被グラップル材を切断する切断装置を設け、
この切断装置は、バケットの側壁の外側あるいは内側の一方側に位置してバケットの開口縁から離れた位置からバケットの側壁に沿う位置にわたって側壁に沿う方向に回動し、かつバケットの開口縁側に対向する側の則縁に切刃を有してバケットの開口基端部に枢支された切断刃と、上記切断刃の回動基部に連結して上記切断刃を回動させる油圧シリンダとからなり、切断刃の切刃を、切断刃の回動中心と油圧シリンダの連結点を結ぶ線に対して切断刃の切断方向側にずれた位置に設けるとともに、この切刃の切断方向への回動方向に対して後方へ円弧状に反らせたことを特徴とするグラップルバケット装置を提供する。
【0021】
上記グラップルバケット装置において、バケットの側壁部に、切断刃が没入可能にした押し切り受け枠を設け、切断刃にて切断する被グラップル材をこの押し切り受け枠にて受けるようにした。
【0023】
そして、グラップル装置が、バケットの開口幅と略同一間隔に離隔され、かつ先端部がバケット内に入り込むか、バケットの先端に当接するようにした2本のグラップル部材の先端部を連結部材にて連結した構成、あるいは上記先端部を連結部材にて連結したこの2本のグラップル部材間に板部材または格子部材等のカバー部材を設けた構成のいずれかの構成になっている。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、グラップルバケット装置にてバケットの開口側にてグラップルされた木材等の被グラップル材を、このグラップル装置にてグラップルした状態で切断装置にて切断することができる。
【0025】
したがって、伐採後の木材を、このグラップルバケット装置の切断装置にて簡単に切断できて作業員の負担を軽減できる。そしてグラップル装置にてグラップルした被グラップル材を搬送する前に、これが長尺の場合にこれをあらかじめ切断することにより、被グラップル材が他のものに接触する等のトラブルを防止することができる。
【0026】
また、本発明によれば伐採前の立木であっても、この立木をグラップル装置にてグラップルした状態で容易に切断することができ、チェーンソー等による伐採作業に比較して短時間で、かつ労力を要することなく伐採することができる。
【0027】
また、グラップル装置を構成する2本のグラップル部材の間に板部材や格子部材等のカバー部材を設けることにより、グラップル装置にて被グラップル材をグラップルしながら上記カバー部材にて細かな被グラップル材をすくい上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】グラップルバケット装置を作業機に装着した状態を示す斜視図である。
図2】グラップルバケット装置の一例を示す斜視図である。
図3】グラップルバケット装置の一例を示す側面図である。
図4】本発明の実施の形態を示す一部破断側面図である。
図5】本発明の実施の形態を示す上面図である。
図6図4のA−A線に沿う断面構成図である。
図7】切断刃の回動支点に対する切断刃の切刃の形状を示す説明図である。
図8】切断刃をバケットの側壁の内側に設けた例を示す側面図である。
図9図8のB矢視図である。
図10】グラップル部材の他例を示す一部破断側面図である。
図11図10のC矢視図である。
図12】グラップル部材の他例を示す一部破断側面図である。
図13図12のD矢視図である。
図14】グラップル部材の他例を示側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の要部の実施の形態を図4以下に基づいて説明する。なお、本発明に係るグラップルバケット装置は、上記した従来のグラップルバケット装置に切断装置を付加したものであり、以下の説明において、従来の構成と同一のものは同一符号を付して説明する。
【0030】
アーム3の先端に装着されるグラップルバケット装置21は、アーム3の先端に上下方向に回動自在に連結されるブラケット7と、このブラケット7の先端に、アーム3の延長方向の軸心を中心にして回転自在に支持されたバケット22と、このバケット22の開口基端部に、バケット22の開口部と対向する方向に回動自在に設けたグラップル装置9と、バケット22の幅方向のどちらかの一側部、この実施の形態では開口部を下側へ向けた状態での右側部に設けられた切断装置23とからなっている。上記バケット22は上記した従来のバケット8と大略同一になっている。
【0031】
切断装置23はバケット22の上記右側の側壁22aと、この側壁22aとこの側壁22aの外側へ所定の間隔をあけて設けた枠壁22bとからなる押し切り受け枠24と、この押し切り受け枠24の間にあって、上記グラップル装置9の回動軸14に回動自在に支持された切断刃25と、この切断刃25を回動駆動するシリンダ装置26とからなっている。
【0032】
上記側壁22aと枠壁22bとで構成される押し切り受け枠24の開放側の形状は、バケット22の開放側の形状、すなわち凹円弧状になっていて、グラップル装置9のグラップル部材15a,15bにてグラップルされた木材20の外周が沿う形状になっている。
【0033】
図6において、切断刃25のボス部材27は、上記グラップル装置9のシリンダ装置19にて回転される回転軸14に回転自在に枢支されていて、このボス部材27に突設したアーム28に上記シリンダ装置26の先端が連結されており、シリンダ装置26の伸縮動により切断刃25が上記押し切り受け枠24に対して出没する方向に回動するようになっている。なお、切断刃25は上記ボス部材27に固着した円板部材29にボルトにて取り付けられている。
【0034】
切断刃25は上記押し切り受け枠24内に没入する側の側縁が切刃25aとなっており、この切刃25aは押し切り受け枠24側への回動方向に対して後退する方向に円弧状に反られていて、いわゆる青龍刃形になっている。この切断刃25の切刃25aは図7に示すように、切断刃25の回動中心O1とアーム28の油圧シリンダ26との連結点O2を結ぶ線に対してバケット22の開口縁側へ寸法aにわたってずれた位置に設けられている。
【0035】
上記構成において、グラップル装置9を作動して木材20をバケット22の開口縁との間にグラップルした状態で、切断装置23のシリンダ装置26を伸長動して切断刃25をバケット22側へ閉じる方向に作動することにより、上記木材20はこの切断刃25にて押し切り切断される。この場合、バケット22をアーム3に対して回転してこのバケット22の姿勢を変えることにより、伐採されて横倒し状になっているもの、あるいは伐採前の立木状になっているもののいずれの場合の木材も切断装置23にて切断することができる。
【0036】
このときの木材20はバケット22側の押し切り受け枠24にて支持され、切断刃25はこの押し切り受け枠24の枠間内に向けて作動することにより、木材20は切断刃25による切断力に対して押し切り受け枠24にて傾くことなく支持される。
【0037】
このときにおいて、切断刃25の切刃25aが切断方向への回動方向に対して後退する方向へ円弧状に反らせてあること、及び切断刃25の切刃25aが切断刃25の回動中心O1とアーム28の油圧シリンダ26との連結点O2とを結ぶ線に対して切断方向側へずれた位置となっていることにより、上記グラップル装置9にてグラップルされた木材20を切断刃25にてスムーズに押し切り切断することができる。
【0038】
上記のように切断刃25にてスムーズに切断するためには、押し切り受け枠24の枠の間隔は切断刃25に対して狭く、切断刃25の側面と枠間の隙間が小さいことが望ましい。このため、伐採する木材での種類及び大きさによって切断刃25を交換して、薄い切断刃25の厚さに対して上記枠間の隙間が大きくなってしまう場合には、図6にて鎖線で示すように、押し切り受け枠24の枠壁24bの内側にスペーサ30を取り付けてこの間隔を調整する。このスペーサ30の取り付けは、これを枠壁22bの内面に沿わせてこの枠壁22bに設けたボルト孔31を用いてボルトにて固着して行う。なおこのとき切断刃25は、押し切り受け枠24の対向間隔の中央に位置することが好ましい。
【0039】
なお、上記した実施の形態では、押し切り受け枠24の内側の枠壁にバケット3の一方の側壁22aを用いた例を示したが、この押し切り受け枠24の内側の枠壁は、上記バケット3の側壁22aの外側に固着した別の板材にて構成するようにしてもよい。
【0040】
また、上記実施の形態ではバケット22の側壁22aと枠壁22bとで押し切り受け枠24を構成し、この押し切り受け枠24にて木材20を支持する例を示したが、切断しようとする木材20をグラップル装置9にて強固にグラップルした場合には、この押し切り受け枠24はバケット22の側壁22aのみにて構成されるようにしてもよい。
【0041】
また、図6にて示した切断刃25は、切刃25a以外の部分は同一厚さ状にして示したが、切刃以外の部分の板厚をボス部から先端にわたってテーパー状に薄くしてもよく、これにより切断刃25の切れ味の向上が期待できる。
【0042】
図8以下は、上記した実施の形態に対する異なる実施の形態を示すものである。
【0043】
図8図9に示された切断刃25は、バスケット8の側壁22aの内側に配置した構成になっている。この場合、押し切り枠24の枠壁22bはバケット8の内側に設けられる。そしてこの図8図9にて示された実施の形態では、グラップル装置9のグラップル部材15a,15bがバケット22の内側に入り込むようになっている。
【0044】
図10図14は本発明に用いるグラップル装置の他例を示すもので、図10図11に示したグラップル装置9aは左右のグラップル部材15a,15b間を板部材32にて閉じた構成になっている。
【0045】
この実施の形態によれば、グラップル装置9aを閉じ動作したときに、左右のグラップル15a,15bと共に、上記板部材32にてもグラップルバケット装置6内の物体をカバーすることができる。また、グラップル装置9aの内側の板部材32上に物体をすくい入れることができる。
【0046】
図12図13に示したグラップル装置9bは、左右のグラップル部材15a,15b間を格子部材33にて閉じた構成になっている。
【0047】
この実施の形態によれば、上記図10図11に示したものと同様にグラップル装置9b内に物体をすくい入れることができると共に、このすくい入れた物を格子部材33にてふるい分けることができる。
【0048】
上記した各実施の形態では、グラップル装置9,9a,9bの先端部はバケット8の内側に入り込む構成にしたが、図14に示したグラップル装置9cは、これの先端部がバケット8の先端と一致して、この尖端がバケット8の先端に当接する形状となっている。なお、この場合のバケット8の先端部は掘削爪を用いてなく、直線状の先端縁になっている。また、この場合のグラップル装置9cの左右のグラップル部材15a,15b間は単に空間となっているもの、あるいは板部材や格子部材で閉じるようにしたものが用いられている。
【符号の説明】
【0049】
1…車体、2…ブーム、3…アーム、4,5,10,19…シリンダ装置、6…グラップルバケット装置、7,13,18…ブラケット、8…バケット、8a…掘削爪、9,9a,9b,9c…グラップル装置、11…リンク機構、12…油圧モータ、14…回転軸、15a,15b…グラップル部材、16…連結板、17…ストッパ、20…木材、21…グラップルバケット装置、22…バケット,22a…側壁、22b…枠壁、23…切断装置、24…押し切り受け枠、25…切断刃、25a…切刃、26…シリンダ装置、27…ボス部材、28…アーム、29…円板部材、30…スペーサ、31…ボルト孔、32…板部材、33…格子部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14