(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像は、被検体に対して造影剤の投与が複数の段階に分けて行われる検査のうち、前記所定のタイミング以後であって新たに造影剤が投与された後に収集された対象画像であり、
前記補正部は、
前記検査のうち被検体に対して投与された造影剤の累積量が所定量以下の初期段階で収集された初期画像を、前記所定のタイミングで収集された投与前画像から差し引くことで、前記対象画像に含まれる残存造影剤成分の観測値を算出する残存造影剤算出部と、
前記対象画像から前記初期画像を差し引くことで、前記残存造影剤成分の観測値と、前記新造影剤成分の観測値との合計値を算出する合計値算出部と、
前記残存造影剤成分の観測値に対応付けられる補正値、及び、前記合計値に対応付けられる補正値に基づいて、前記対象画像に含まれる造影剤成分のうち前記新造影剤成分の観測値を補正する対象画像補正部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
前記対象画像補正部は、造影剤成分の観測値と補正値とを対応付けた補正テーブルを、被検体の体厚毎に、又は、医用画像診断装置に関する条件毎に、又は、体厚及び条件の組み合わせ毎に、予め記憶し、該当する補正テーブルに基づいて、前記対象画像に含まれる造影剤成分のうち前記新造影剤成分の観測値を補正することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
前記残存造影剤算出部は、前記投与前画像と前記初期画像との位置合わせを行った後に該投与前画像から該初期画像を差し引くことで、前記残存造影剤成分の観測値を算出し、
前記合計値算出部は、前記対象画像と前記初期画像との位置合わせを行った後に該対象画像から該初期画像を差し引くことで、前記合計値を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
前記補正部によって補正された観測値に基づく前記画像の解析結果を表示部に表示する場合に、該観測値を示す数値情報とともに表示する表示制御部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
被検体に対して造影剤の投与が複数の段階に分けて行われる検査のうち、被検体に対して投与された造影剤の累積量が所定量以下の初期段階に初期画像を収集する初期画像収集部と、
所定のタイミング以後であって新たに造影剤が投与される前に投与前画像を収集する投与前画像収集部と、
前記所定のタイミング以後であって新たに造影剤が投与された後に対象画像を収集する対象画像収集部と、を更に備え、
前記補正部は、
前記投与前画像から前記初期画像を差し引くことで、前記残存造影剤成分の観測値を算出する残存造影剤算出部と、
前記対象画像から前記初期画像を差し引くことで、前記残存造影剤成分の観測値と、前記所定のタイミング以後に新たに投与された造影剤成分の観測値との合計値を算出する合計値算出部と、
前記残存造影剤成分の観測値に対応付けられる補正値、及び、前記合計値に対応付けられる補正値に基づいて、前記対象画像に含まれる造影剤成分のうち前記所定のタイミング以後に新たに投与された造影剤成分の観測値を補正する対象画像補正部と
を備えることを特徴とする請求項6に記載のX線診断装置。
前記補正部によって補正された観測値に基づく前記対象画像の解析結果を表示部に表示する場合に、該観測値を示す数値情報とともに表示する表示制御部を更に備えることを特徴とする請求項6に記載のX線診断装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、高電圧発生器11と、X線管12と、X線絞り装置13と、天板14と、Cアーム15と、X線検出器16とを備える。また、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、Cアーム回転・移動機構17と、天板移動機構18と、Cアーム・天板機構制御部19と、絞り制御部20と、システム制御部21と、入力部22と、表示部23とを備える。また、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、画像データ生成部24と、画像データ記憶部25と、画像処理部26とを備える。
【0010】
高電圧発生器11は、システム制御部21による制御の下、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線管12に供給する。X線管12は、高電圧発生部11から供給される高電圧を用いて、X線を発生する。
【0011】
X線絞り装置13は、絞り制御部20による制御の下、X線管12が発生したX線を、被検体Pの関心領域に対して選択的に照射されるように絞り込む。例えば、X線絞り装置13は、スライド可能な4枚の絞り羽根を有する。X線絞り装置13は、絞り制御部20による制御の下、これらの絞り羽根をスライドさせることで、X線管12が発生したX線を絞り込んで被検体Pに照射させる。天板14は、被検体Pを載せるベッドであり、図示しない寝台の上に配置される。なお、被検体Pは、X線診断装置100に含まれない。
【0012】
X線検出器16は、被検体Pを透過したX線を検出する。例えば、X線検出器16は、マトリックス状に配列された検出素子を有する。各検出素子は、被検体Pを透過したX線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積した電気信号を画像データ生成部24に送信する。
【0013】
Cアーム15は、X線管12、X線絞り装置13及びX線検出器16を保持する。X線管12及びX線絞り装置13とX線検出器16とは、Cアーム15により被検体Pを挟んで対向するように配置される。
【0014】
Cアーム回転・移動機構17は、Cアーム15を回転及び移動させるための機構であり、天板移動機構18は、天板14を移動させるための機構である。Cアーム・天板機構制御部19は、システム制御部21による制御の下、Cアーム回転・移動機構17及び天板移動機構18を制御することで、Cアーム15の回転や移動、天板14の移動を調整する。絞り制御部20は、システム制御部21による制御の下、X線絞り装置13が有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
【0015】
画像データ生成部24は、X線検出器16によってX線から変換された電気信号を用いて画像データを生成し、生成した画像データを画像データ記憶部25に格納する。例えば、画像データ生成部24は、X線検出器16から受信した電気信号に対して、電流・電圧変換やA(Analog)/D(Digital)変換、パラレル・シリアル変換を行い、画像データを生成する。画像データ記憶部25は、画像データ生成部24によって生成された画像データを記憶する。
【0016】
画像処理部26は、画像データ記憶部25が記憶する画像データに対して各種画像処理を行う。画像処理部26による画像処理については後に詳述する。
【0017】
入力部22は、X線診断装置100を操作する医師や技師などの操作者から各種指示を受け付ける。例えば、入力部22は、マウス、キーボード、ボタン、トラックボール、ジョイスティックなどを有する。入力部22は、操作者から受け付けた指示を、システム制御部21に転送する。
【0018】
表示部23は、操作者の指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、画像データ記憶部25が記憶する画像データなどを表示する。例えば、表示部23は、モニタを有する。なお、表示部23は、複数のモニタを有してもよい。
【0019】
システム制御部21は、X線診断装置100全体の動作を制御する。例えば、システム制御部21は、入力部22から転送された操作者の指示に従って高電圧発生器11を制御し、X線管12に供給する電圧を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量やON/OFFを制御する。また、例えば、システム制御部21は、操作者の指示に従ってCアーム・天板機構制御部19を制御し、Cアーム15の回転や移動、天板14の移動を調整する。また、例えば、システム制御部21は、操作者の指示に従って絞り制御部20を制御し、X線絞り装置13が有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
【0020】
また、システム制御部21は、操作者の指示に従って、画像データ生成部24による画像データ生成処理や、画像処理部26による画像処理、あるいは解析処理などを制御する。また、システム制御部21は、操作者の指示を受け付けるためのGUIや画像データ記憶部25が記憶する画像などを、表示部23のモニタに表示するように制御する。
【0021】
ここで、第1の実施形態においては、血管内インターベンション治療を想定する。この血管内インターベンション治療には、いわゆる治療(狭窄部位に対する治療など)が行われる段階の他、治療のための準備が行われる段階や、治療の終了を判断する段階など、各種段階が含まれる。そこで、以下では、血管内インターベンション治療全体を示す場合には「検査」と記載し、いわゆる治療が行われる段階を示す場合には単に「治療」と記載する。
【0022】
図2は、第1の実施形態における検査に含まれる各段階と画像に含まれる各種成分との関係を説明するための図である。
図2の(A)は、検査に含まれる各段階を示す。
図2の(B)は、画像に含まれる各種成分を示す。
【0023】
図2の(A)に示すように、被検体Pが検査室に入室し、X線診断装置100による検査が開始される。第1の実施形態において、X線診断装置100は、システム制御部21による制御の下、この検査開始直後に『基準フレーム』を収集する。ここで、「検査開始直後」は、被検体Pに投与された造影剤の累積量が所定量以下の初期段階を意味する。例えば、検査当日、被検体Pに未だ造影剤が投与されていなければ、検査開始直後、被検体Pに投与された造影剤の累積量は『0』となるはずである。このため、
図2の(B)に示すように、『基準フレーム』に含まれる成分は『水相当』のみとなる。ここで、『水相当』の成分とは、人体が有する物質(例えば臓器や骨など)に該当するが、X線の吸収率が極めて『水』に近いことから、ここでは『水相当』と記載する。なお、「所定量」の具体的な値としては『0』が望ましいが、運用の形態に応じて任意に変更し得る。
【0024】
次に、
図2の(A)に示すように、治療のための準備が行われる。この準備が行われる段階において、被検体Pの血管内に、例えば6〜10ccの造影剤が5回にわたり投与されたとする。投与された造影剤は腎臓を介して排出されるが、投与された量によっては、排出しきれない。このため、
図2の(B)に示すように、この段階において仮に画像が収集されたならば、その画像に含まれる成分は、『水相当』のみならず、被検体P内に残存する造影剤(以下、残存造影剤)の『ヨード』を含む。
【0025】
続いて、
図2の(A)に示すように、治療のための準備として、血管内にステント(Stent)が挿入され、被検体Pの血管内に、再び、例えば6〜10ccの造影剤が5回にわたり投与されたとする。この段階においては、手技時間が1時間を超え、投与された造影剤の量が100ccを超える状況なども想定され得る。あるいは、例えば心臓の冠状動脈の完全閉塞に対する検査などにおいては、手技時間が2時間を超え、投与された造影剤の量が200ccを超えることも珍しくはない。
【0026】
すると、
図2の(B)に示すように、この段階において仮に画像が収集されたならば、その画像に含まれる成分は、『水相当』のみならず、残存造影剤の『ヨード』を含み、この『ヨード』の部分は、徐々に増加する。
【0027】
その後、狭窄部位に対する治療などが行われ(図示を省略)、治療の終了を判断する段階になったとする。なお、治療の終了の判断は、新たに投与された造影剤濃度を推定することにより行われるので、以下では、この段階を「推定段階」と記載し、「推定段階」で投与された造影剤のことを「推定対象としての造影剤」と記載する。
【0028】
図2の(A)に示すように、推定段階において、X線診断装置100は、システム制御部21による制御の下、まず推定対象としての造影剤が投与される前に『投与前フレーム』を収集する。この『投与前フレーム』は、推定段階における『第1フレーム』となる。
図2の(B)に示すように、『第1フレーム』に含まれる成分は、『水相当』及び残存造影剤の『ヨード』である。
【0029】
また、
図2の(A)に示すように、推定段階において、X線診断装置100は、システム制御部21による制御の下、推定対象としての造影剤が投与された後に、1又は複数の『対象フレーム』を収集する。この『対象フレーム』は、推定段階における『第Nフレーム』となる。
図2の(B)に示すように、『第Nフレーム』に含まれる成分は、『水相当』及び『ヨード』であるが、この『ヨード』には、残存造影剤に対応するものと、推定対象としての造影剤に対応するものとが含まれる。
【0030】
その後、例えば治療の終了の判断が行われ、
図2の(A)に示すように検査が終了すると、被検体Pの血管内に投与された造影剤は、腎臓を介して徐々に排出され、
図2の(B)のように、仮に画像が収集されたならば、その画像に含まれる成分は、やがて『水相当』のみとなる。
【0031】
図3A及び
図3Bは、第1の実施形態において残存造影剤の影響を考慮した場合の補正値を説明するための図である。上述したように、治療の終了の判断は、推定対象として新たに投与された造影剤濃度を推定することにより行われる。このため、従来は、『第Nフレーム』から『第1フレーム』をサブトラクションすることで、推定対象として投与された造影剤成分の観測値を算出し、
図3Aに示すように、これを用いて補正テーブルを参照し、観測値に対応付けられた補正値に基づいて観測値を補正していた。
【0032】
しかしながら、
図2の(B)を用いて説明したように、『第Nフレーム』には、『水相当』及び『ヨード』の成分が含まれ、この『ヨード』の成分には、残存造影剤に対応するものと、推定対象としての造影剤に対応するものとが含まれる。そうであるとすると、『第Nフレーム』から『第1フレーム』をサブトラクションすることで得られた観測値に対して行うべき補正は、残存造影剤の影響を考慮して行うべきものである。
【0033】
具体的には、『第Nフレーム』から『第1フレーム』をサブトラクションすることで得られた観測値に対して行うべき補正は、
図3Bに示す白抜きの矢印が示す補正値であるべきである。すなわち、
図3Aと
図3Bとでは、推定対象として投与された造影剤成分の観測値の大きさは異ならないが、補正テーブルが示す補正カーブが非線形であることから、残存造影剤成分の観測値分を原点からオフセットするか否かで、対応付けられる補正値は異なってくる。単に『第Nフレーム』から『第1フレーム』をサブトラクションすると、残存造影剤成分の観測値が情報として失われてしまい、
図3Aに示すような補正不足が生じる。
【0034】
図4は、第1の実施形態に係るサブトラクションを説明するための図である。
図3Bを用いて説明したように、『第Nフレーム』から『第1フレーム』をサブトラクションすることで得られた観測値に対して行うべき補正は、残存造影剤成分の観測値分を原点からオフセットしたものでなければならない。このため、
図3Bに示す符号aの観測値及び符号bの観測値を算出することが求められる。ここで、符号aは、残存造影剤成分の観測値と、推定対象として投与された造影剤成分の観測値との合計値である。また、符号bは、残存造影剤成分の観測値である。
【0035】
そこで、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、被検体Pに投与された造影剤の累積量が所定量以下の初期段階に『基準フレーム』を収集し、収集した『基準フレーム』を用いて、符号aの観測値及び符号bの観測値を算出する。
【0036】
まず、『第1フレーム』に含まれる成分は、『水相当』及び残存造影剤の『ヨード』である。一方、『基準フレーム』に含まれる成分は『水相当』のみである。したがって、
図4の(A)に示すように、『第1フレーム』から『基準フレーム』をサブトラクションすることで得られた観測値は、符号bの観測値、すなわち、残存造影剤成分の観測値となる。
【0037】
また、『第Nフレーム』に含まれる成分は、『水相当』及び『ヨード』であり、この『ヨード』には、残存造影剤に対応するものと、推定対象としての造影剤に対応するものとが含まれる。一方、『基準フレーム』に含まれる成分は『水相当』のみである。したがって、
図4の(B)に示すように、『第Nフレーム』から『基準フレーム』をサブトラクションすることで得られた観測値は、符号aの観測値、すなわち、残存造影剤成分の観測値と、推定対象として投与された造影剤成分の観測値との合計値となる。
【0038】
このように、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、『基準フレーム』を用いて符号aの観測値及び符号bの観測値を算出し、算出した各観測値を用いて補正テーブルを参照し、各観測値に対応付けられた補正値に基づいて観測値を補正する。
【0039】
図5は、第1の実施形態に係る画像処理部26による処理を説明するための図である。第1の実施形態に係る画像処理部26は、『基準フレーム』、『投与前フレーム』(『第1フレーム』に対応)、及び『対象フレーム』(『第Nフレーム』に対応)を画像処理の対象とする。
【0040】
図5に示すように、画像処理部26は、補正テーブル記憶部30aを有する。また、画像処理部26は、基準フレーム対数変換部31と、投与前フレーム対数変換部32と、対象フレーム対数変換部33とを有する。また、画像処理部26は、投与前フレームサブトラクション部34と、対象フレーム第1サブトラクション部35とを有する。また、画像処理部26は、投与前フレーム補正部36と、対象フレーム補正部37と、対象フレーム第2サブトラクション部38とを有する。
【0041】
補正テーブル記憶部30aは、造影剤成分の観測値と補正値とを対応付けた補正テーブルを予め記憶する。補正テーブルが示す補正カーブは、
図3A及び
図3Bを用いて説明したように、非線形である。
【0042】
基準フレーム対数変換部31は、画像データ記憶部25から『基準フレーム』を読み出し、読み出した『基準フレーム』に対して対数変換処理(log conversion)を行い、対数変換処理後の『基準フレーム』を投与前フレームサブトラクション部34及び対象フレーム第1サブトラクション部35に送る。
【0043】
投与前フレーム対数変換部32は、画像データ記憶部25から『投与前フレーム』を読み出し、読み出した『投与前フレーム』に対して対数変換処理を行い、対数変換処理後の『投与前フレーム』を投与前フレームサブトラクション部34に送る。
【0044】
対象フレーム対数変換部33は、画像データ記憶部25から『対象フレーム』を読み出し、読み出した『対象フレーム』に対して対数変換処理を行い、対数変換処理後の『対象フレーム』を対象フレーム第1サブトラクション部35に送る。
【0045】
投与前フレームサブトラクション部34は、『投与前フレーム』から『基準フレーム』をサブトラクションすることで、残存造影剤成分の観測値(b)を算出し、算出した残存造影剤成分の観測値(b)を投与前フレーム補正部36に送る。
【0046】
対象フレーム第1サブトラクション部35は、『対象フレーム』から『基準フレーム』をサブトラクションすることで、残存造影剤成分の観測値と、推定対象として投与された造影剤成分の観測値との合計値(a)を算出し、算出した合計値(a)を対象フレーム補正部37に送る。
【0047】
投与前フレーム補正部36は、投与前フレームサブトラクション部34から送られた残存造影剤成分の観測値(b)を用いて補正テーブル記憶部30aを参照し、残存造影剤成分の観測値(b)に対応付けられた補正値(C(b))を取得する。そして、投与前フレーム補正部36は、取得した補正値(C(b))を用いて『投与前フレーム』を補正する。この結果、補正後の『投与前フレーム』は、ビームハードニング問題が解決された値を有する画像となる。その後、投与前フレーム補正部36は、補正後の『投与前フレーム』を対象フレーム第2サブトラクション部38に送る。
【0048】
対象フレーム補正部37は、対象フレーム第1サブトラクション部35から送られた合計値(a)を用いて補正テーブル記憶部30aを参照し、合計値(a)に対応付けられた補正値(C(a))を取得する。そして、対象フレーム補正部37は、取得した補正値(C(a))を用いて『対象フレーム』を補正する。この結果、補正後の『対象フレーム』は、ビームハードニング問題が解決された値を有する画像となる。その後、対象フレーム補正部37は、補正後の『対象フレーム』を対象フレーム第2サブトラクション部38に送る。
【0049】
対象フレーム第2サブトラクション部38は、対象フレーム補正部37から送られた補正後の『対象フレーム』から、投与前フレーム補正部36から送られた補正後の『投与前フレーム』をサブトラクションし、推定対象として投与された造影剤成分の観測値を算出する。補正後の『対象フレーム』及び補正後の『投与前フレーム』は、いずれもビームハードニング問題が解決された値を有する画像であるので、対象フレーム第2サブトラクション部38は、算出した造影剤成分の値に対してさらにビームハードニング問題のための補正を行う必要はない。
【0050】
図6は、第1の実施形態に係る画像処理部26による処理手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、画像処理部26は、『基準フレーム』、『投与前フレーム』、及び『対象フレーム』に対して対数変換処理を行う(ステップS101)。具体的には、基準フレーム対数変換部31が『基準フレーム』に対して対数変換処理を行い、投与前フレーム対数変換部32が『投与前フレーム』に対して対数変換処理を行い、対象フレーム対数変換部33が『対象フレーム』に対して対数変換処理を行う。
【0051】
次に、画像処理部26は、対数変換処理後の『投与前フレーム』から、対数変換処理後の『基準フレーム』をサブトラクションすることで、残存造影剤成分の観測値(b)を算出する(ステップS102)。具体的には、投与前フレームサブトラクション部34が、残存造影剤成分の観測値(b)を算出する。
【0052】
続いて、画像処理部26は、算出した残存造影剤成分の観測値(b)を用いて補正テーブル記憶部30aを参照し、残存造影剤成分の観測値(b)に対応付けられた補正値(C(b))を取得する(ステップS103)。具体的には、投与前フレーム補正部36が、補正値(C(b))を取得する。
【0053】
そして、画像処理部26は、取得した補正値(C(b))を用いて『投与前フレーム』を補正する(ステップS104)。具体的には、投与前フレーム補正部36が、『投与前フレーム』を補正する。
【0054】
一方、画像処理部26は、ステップS101の対数変換処理の後、対数変換処理後の『対象フレーム』から、対数変換処理後の『基準フレーム』をサブトラクションすることで、残存造影剤成分の観測値と、推定対象として投与された造影剤成分の観測値との合計値(a)を算出する(ステップS105)。具体的には、対象フレーム第1サブトラクション部35が、合計値(a)を算出する。
【0055】
続いて、画像処理部26は、算出した合計値(a)を用いて補正テーブル記憶部30aを参照し、合計値(a)に対応付けられた補正値(C(a))を取得する(ステップS106)。具体的には、対象フレーム補正部37が、補正値(C(a))を取得する。
【0056】
そして、画像処理部26は、取得した補正値(C(a))を用いて『対象フレーム』を補正する(ステップS107)。具体的には、対象フレーム補正部37が、『対象フレーム』を補正する。
【0057】
その後、画像処理部26は、補正後の『対象フレーム』から、補正後の『投与前フレーム』をサブトラクションし、推定対象として投与された造影剤成分の観測値を算出する(ステップS108)。具体的には、対象フレーム第2サブトラクション部38が、推定対象として投与された造影剤成分の観測値を算出する。
【0058】
なお、第1の実施形態に係る画像処理部26による処理手順は、
図6に示した処理手順に限られない。例えば、画像処理部26は、ステップS102〜S104の処理手順と、ステップS105〜S107の処理手順とを併行して実行してもよい。また、例えば、画像処理部26は、『基準フレーム』及び『投与前フレーム』のみで実行することができる画像処理については、対数変換処理を含め、予め実行し、その後、『対象フレーム』が収集された後に、その他の画像処理を実行してもよい。また、『対象フレーム』が順次収集される複数のフレームである場合、例えば、画像処理部26は、全ての『対象フレーム』が収集された後に画像処理を実行してもよいし、あるいは順次収集される毎に順次画像処理を実行してもよい。このように、画像処理部26による処理手順は任意に変更することができる。
【0059】
このようなことから、第1の実施形態において、X線診断装置100は、『対象フレーム』に含まれる残存造影剤成分の観測値に基づいて、この『対象フレーム』に含まれる造影剤成分のうち造影剤濃度の推定対象となる造影剤成分の観測値を補正する。この結果、第1の実施形態によれば、被検体内の造影剤濃度を正確に推定することができる。例えば、残存造影剤の影響を除いた造影剤濃度の正確な時間曲線を得ることができ、灌流解析を正確に行うことができる。
【0060】
また、第1の実施形態によれば、血管内インターベンション治療のように、使用する造影剤が症例毎に異なっていても、残存造影剤成分の量を気にすることなく、被検体内の造影剤濃度を正確に推定することができる。
【0061】
また、第1の実施形態において、投与前フレームサブトラクション部34は、『投与前フレーム』から『基準フレーム』をサブトラクションすることで、『対象フレーム』に含まれる残存造影剤成分の観測値を算出する。また、対象フレーム第1サブトラクション部35は、『対象フレーム』から『基準フレーム』をサブトラクションすることで、残存造影剤成分の観測値と、推定対象として投与された造影剤成分の観測値との合計値を算出する。そして、投与前フレーム補正部36、対象フレーム補正部37、及び対象フレーム第2サブトラクション部38は、残存造影剤成分の観測値に対応付けられる補正値、及び、合計値に対応付けられる補正値に基づいて、『対象フレーム』に含まれる造影剤成分のうち造影剤濃度の推定対象となる造影剤成分の観測値を補正する。
【0062】
このように、第1の実施形態によれば、残存造影剤成分の観測値を算出することができ、『投与前フレーム』及び『対象フレーム』を正しく補正した後にサブトラクションすることから、推定対象となる造影剤成分の観測値を正確に得ることができる。
【0063】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るX線診断装置100を説明する。第2の実施形態に係るX線診断装置100は、『基準フレーム』を収集した際の収集条件と、『投与前フレーム』及び『対象フレーム』を収集する際の収集条件とを一致させる。
【0064】
図7は、第2の実施形態に係るシステム制御部21を説明するための図である。
図7に示すように、第2の実施形態に係るシステム制御部21は、基準フレーム収集条件記憶部21aを備える。基準フレーム収集条件記憶部21aは、『基準フレーム』を収集した際の収集条件を記憶する。ここで、収集条件とは、例えば、X線管12に供給された電圧、Cアーム15の回転角度、天板14の位置、X線の照射範囲、被検体Pの心位相、呼吸位相などである。
【0065】
システム制御部21の撮影制御部21bは、『基準フレーム』を収集した際に、高電圧発生器11、Cアーム・天板機構制御部19、絞り制御部20などを制御するとともに、上述した各種収集条件を、基準フレーム収集条件記憶部21aに格納する。また、システム制御部21の撮影制御部21bは、『投与前フレーム』及び『対象フレーム』を収集する際には、基準フレーム収集条件記憶部21aから収集条件を読み出す。そして、撮影制御部21bは、読み出した収集条件と一致するように、高電圧発生器11、Cアーム・天板機構制御部19、絞り制御部20などを制御し、撮影を行う。
【0066】
このようなことから、第2の実施形態によれば、『基準フレーム』を収集した際の収集条件と、『投与前フレーム』及び『対象フレーム』を収集する際の収集条件とが一致するので、サブトラクションの精度を高めることができる。
【0067】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るX線診断装置100を説明する。第3の実施形態に係るX線診断装置100は、サブトラクションを行う際に、画像間の位置合わせを行う。
【0068】
図2を用いて説明したように、『基準フレーム』は、例えば検査開始直後に収集されるが、『投与前フレーム』及び『対象フレーム』は、『基準フレーム』が収集されてから、例えば1時間後に収集される。この間、被検体Pが動いてしまうおそれもあり、この場合には、サブトラクションの精度が低下するおそれがある。
【0069】
このため、第3の実施形態に係るX線診断装置100は、画像間の位置合わせを行う。具体的には、投与前フレームサブトラクション部34は、『投与前フレーム』から『基準フレーム』をサブトラクションする前に、まず、『基準フレーム』と『投与前フレーム』との位置合わせを行う。また、対象フレーム第1サブトラクション部35は、『対象フレーム』から『基準フレーム』をサブトラクションする前に、まず、『基準フレーム』と『対象フレーム』との位置合わせを行う。
【0070】
なお、画像間の位置合わせは、公知の技術により実現することができる。例えば、投与前フレームサブトラクション部34や対象フレーム第1サブトラクション部35は、一方の画像データを基準として他方の画像データの位置をピクセル単位で移動させ、画像データ間の類似度が最も高くなるまで移動した際の移動量を求める。そして、投与前フレームサブトラクション部34や対象フレーム第1サブトラクション部35は、求めた移動量を用いて他方の画像データを補正する。
【0071】
このようなことから、第3の実施形態によれば、サブトラクションの精度をより高めることができる。なお、第3の実施形態のように画像間の位置合わせを行う手法は、X線診断装置100による撮影がECG(Electrocardiogram)同期や呼吸同期などを併用するか否かに関わらず有効である。撮影の対象が例えば心臓などの場合、X線診断装置100による撮影は、一般にECG同期や呼吸同期などを併用して行われる。一方、撮影の対象が動かない臓器などの場合には、X線診断装置100による撮影は、一般にECG同期や呼吸同期を併用しないで行われる。この点、いずれの場合にも、『基準フレーム』と、『投与前フレーム』及び『対象フレーム』との位置がずれてしまう可能性はあり、第3の実施形態による手法は有効である。なお、画像間の位置合わせは、第1の実施形態と組み合わせてもよいし、第2の実施形態と組み合わせてもよい。
【0072】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係るX線診断装置100を説明する。第4の実施形態に係るX線診断装置100は、補正テーブルを被検体Pの体厚毎に予め記憶し、基準フレームから推定された体厚に応じて補正テーブルを選択し、選択した補正テーブルを用いて対象フレームを補正する。
【0073】
図8は、第4の実施形態に係る画像処理部26の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、第4の実施形態に係る画像処理部26は、補正テーブル記憶部30aの替わりに体厚別補正テーブル記憶部30bを備える。また、第4の実施形態に係る画像処理部26は、さらに、体厚算出部39を備える。
【0074】
体厚別補正テーブル記憶部30bは、例えば、
図9に示すように、被検体Pの体厚毎に補正テーブルを記憶する。
図9は、第4の実施形態に係る体厚別補正テーブル記憶部30bを説明するための図である。
【0075】
体厚算出部39は、画像データ記憶部25から『基準フレーム』を読み出し、読み出した『基準フレーム』から被検体Pの体厚を推定する。具体的には、体厚算出部39は、
I=I
0exp(−μL)
を用いて、被検体Pの体厚を推定する。ここで、Iは、X線の観測値、I
0は、被検体Pが存在しない場合(被検体Pの体厚が『0』の場合)のX線の観測値、μは、物質(水相当)の線吸収係数、Lは、体厚である。I、I
0、及びμが既知であるので、体厚算出部39は、各値を上記式に代入することで、被検体Pの体厚Lを推定することができる。そして、体厚算出部39は、推定した被検体Pの体厚を、投与前フレーム補正部36及び対象フレーム補正部37に送る。
【0076】
投与前フレーム補正部36は、投与前フレームサブトラクション部34から送られた残存造影剤成分の観測値(b)を用いて体厚別補正テーブル記憶部30bを参照する際に、体厚算出部39から送られた被検体Pの体厚も用いる。すなわち、体厚別補正テーブル記憶部30bは、被検体Pの体厚毎に記憶されているので、投与前フレーム補正部36は、まず、被検体Pの体厚に応じて補正テーブルを選択し、選択した補正テーブルを用いて投与前フレームを補正する。
【0077】
同様に、対象フレーム補正部37は、対象フレーム第1サブトラクション部35から送られた合計値(a)を用いて補正テーブル記憶部30を参照する際に、体厚算出部39から送られた被検体Pの体厚も用いる。すなわち、体厚別補正テーブル記憶部30bは、被検体Pの体厚毎に記憶されているので、対象フレーム補正部37は、まず、被検体Pの体厚に応じて補正テーブルを選択し、選択した補正テーブルを用いて投与前フレームを補正する。
【0078】
このようなことから、第4の実施形態によれば、被検体Pの体厚毎に最適な補正が行われるので、より精度の高い補正を行うことができる。また、第4の実施形態によれば、『水相当』の成分の補正を別途行う必要がない。すなわち、一般に、補正カーブは、『水相当』の成分の影響を受ける。このため、例えば既に説明した第1の実施形態などにおいては、『ヨード』の成分の補正とは別に『水相当』の成分の補正を行うことが望ましいとされる。この点、第4の実施形態によれば、体厚に応じて適切に選択された補正テーブルを用いて補正を行うので、『水相当』の成分の補正を別途行うことなく、一度に補正を行うことができる。なお、体厚毎の補正テーブルは、第1の実施形態〜第3の実施形態のいずれと組み合わせてもよい。また、上述においては、補正テーブルを体厚毎に記憶する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、X線診断装置100は、X線診断装置に関する条件毎に、又は、体厚と条件との組み合わせ毎に、補正テーブルを記憶してもよい。X線診断装置に関する条件とは、例えば、X線管の管電圧、X線管とX線検出器との距離を示すSID(Source−Imager Distance)、被検体とX線検出器との距離を示すPID(Patient−Imager Distance)、FOV(Field Of View)等、あるいはこれらの組み合わせである。これらの条件は、例えば、X線診断装置100から取得することができる。
【0079】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態を説明する。第1の実施形態〜第4の実施形態においては、開示の技術がX線診断装置に適用される場合を説明したが、これに限られるものではない。開示の技術は、例えば、画像処理装置に適用されてもよい。
【0080】
図10は、第5の実施形態に係る画像処理装置200の構成を示すブロック図である。
図10に示すように、第5の実施形態に係る画像処理装置200は、画像データ記憶部200を備える。画像データ記憶部200は、『基準フレーム』、『投与前フレーム』及び『対象フレーム』を記憶する。これらの画像データは、例えば、X線診断装置100にて収集された画像データを、画像処理装置200が、ネットワークや記憶媒体を介して取得したものである。
【0081】
また、第5の実施形態に係る画像処理装置200は、補正テーブル記憶部230を有する。補正テーブル記憶部230は、第1の実施形態〜第4の実施形態に係る補正テーブル記憶部30a又は体厚別補正テーブル記憶部30bに対応する機能を有する。
【0082】
また、画像処理装置200は、基準フレーム対数変換部231と、投与前フレーム対数変換部232と、対象フレーム対数変換部233とを有する。基準フレーム対数変換部231は、第1の実施形態〜第4の実施形態に係る基準フレーム対数変換部31に対応する機能を有する。投与前フレーム対数変換部232は、第1の実施形態〜第4の実施形態に係る投与前フレーム対数変換部32に対応する機能を有する。対象フレーム対数変換部233は、第1の実施形態〜第4の実施形態に係る対象フレーム対数変換部33に対応する機能を有する。
【0083】
また、画像処理装置200は、投与前フレームサブトラクション部234と、対象フレーム第1サブトラクション部235とを有する。投与前フレームサブトラクション部234は、第1の実施形態〜第4の実施形態に係る投与前フレームサブトラクション部34に対応する機能を有する。対象フレーム第1サブトラクション部235は、第1の実施形態〜第4の実施形態に係る対象フレーム第1サブトラクション部35に対応する機能を有する。
【0084】
また、画像処理装置200は、投与前フレーム補正部236と、対象フレーム補正部237と、対象フレーム第2サブトラクション部238とを有する。投与前フレーム補正部236は、第1の実施形態〜第4の実施形態に係る投与前フレーム補正部36に対応する機能を有する。対象フレーム補正部237は、第1の実施形態〜第4の実施形態に係る対象フレーム補正部37に対応する機能を有する。対象フレーム第2サブトラクション部238は、第1の実施形態〜第4の実施形態に係る対象フレーム第2サブトラクション部38に対応する機能を有する。
【0085】
(その他の実施形態)
上述した実施形態においては、いわゆる「治療」を含む「検査」を想定したが、これに限られるものではなく、開示の技術は、「治療」を含まない「検査」にも適用することができる。開示の技術は、造影剤を投入した後に、新たに造影剤を投入し、その新たに投入された造影剤の濃度を推定しなければならない場合に、適用することができる。
【0086】
さらに、開示の技術は、必ずしも造影剤に限られるものではない。「水相当」と「造影剤」との関係のように、例えば2種以上の「物質」を成分とする画像間でサブトラクションすることによりある成分の観測値を算出するものであって、「造影剤」のように、その補正カーブが非線形となるものであれば、同様の問題が生じ得る。開示の技術は、このような場合にも適用することができる。
【0087】
また、
図11は、実施形態における表示を説明するための図である。実施形態において、X線診断装置100又は画像処理装置200は、補正された観測値に基づく解析結果を表示部に表示する場合に、観測値を示す数値情報とともに表示する表示制御部を更に備える。例えば、
図11に示すように、X線診断装置100又は画像処理装置200は、解析結果として心筋パフュージョン画像を表示する場合に、観測値の数値を示すカラースケーラを心筋パフュージョン画像とともに表示する。例えば、カラースケーラには、造影剤濃度の単位である『ml/min/cm
2』(1分間に流入する1cm
2あたりの血流量)と、この単位によって示される数値自体とが示される。上述した実施形態によれば、補正によって造影剤濃度を正確に推定することができるため、このようなカラースケーラを表示することも可能である。なお、
図11においては、説明の便宜上、カラーの違いをパターンの違いで示した。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。