(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
包装形態の1つとして、スタンディングパウチ等と称される自立型の包装体がある。自立型の包装体は、商品の陳列の容易性やディスプレイ効果が優れており近年需要が伸びている。この自立型の包装体は、起立する側縁を内側に折り込んだガゼットを有するものもある。
【0003】
この種の自立型の包装体は、例えばシート状の包装フィルムを用いて袋体を製造する製袋工程、その製造した袋を受け取り上方の開口部を開く開袋工程、開いた開口部から袋体の内部にスナック菓子等の被包装物を充填する充填工程、開いた開口部を閉じて密封シールする密封工程等を経て製造される。例えば特許文献1等に示されるようにこれらの1つのシステム内で各工程を連続して行う製袋充填包装機や、例えば特許文献2等に示された別途製造された袋を受け取り、開袋工程以降の各工程を行う充填包装機などがある。
【0004】
そして、上記の開袋工程を行う開袋装置として、特許文献1,2には、一対の吸着手段を備え、袋の開口部の両外側面にそれぞれの吸着部材を吸着保持させ、次いで一対の吸着部材を離反させることで開く思想が開示されている。
【0005】
また、袋の開口部を開く装置としては、例えば特許文献3の「チャック付包装体の開口方法」に開示された開袋装置がある。この開袋装置は、ラックとピニオンを用いて吸着部材を接近離反させるように動作させる構造を備える。
【0006】
また、例えば特許文献4の「連続移送される袋の袋口開口装置」には、袋を連続して搬送するものに対応すべく一対の吸着部材を、その吸着面が対向した状態を維持しつつ所定の軌跡(円)で公転移動させることで、接近・離反と袋の移送に追従して前進移動するロータリー式の機構が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献3に開示された装置は、処理対象の袋が停止しているときに開袋処理を行うもので、袋を間欠移送するシステムに適用するものを前提としている。従って、例えば高速性・生産性その他の理由から袋を連続移送しながら各工程を行う製袋充填包装機や充填包装機などのシステムに適用することはできない。
【0009】
また、特許文献4に開示された装置は、連続移送される袋体を開口する装置であるが、部品点数が多く、大型になるので場所も取り、製袋充填包装機・充填包装機などの包装システム全体の大型化、各工程を行う装置の配置レイアウトに制限を与えるなどの課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明に係る開袋装置は、(1)移動する袋体の開口部を開く開袋装置であって、その袋体の移動方向に沿って配置された一対の回転体と、その一対の回転体に対してそれぞれ偏芯した位置に連携されるとともに前記袋体の移動経路に向けて延びるように配置された一対の連結部材と、その連結部材の先端に取り付けた吸着手段と、を備え、前記一対の連結部材に取り付けた前記吸着手段は、前記一対の回転体の回転に伴い、吸着面が対向した状態を維持しながら接近してその吸着面が前記袋体の開口部の両外表面に接触して吸着し、その吸着した状態のまま前記袋体の移動に追従して前進移動しながら離反するように
し、前記回転体の回転中心を結ぶ線と平行な方向に延びるLMガイドと、そのLMガイドと直交方向に延びる他のLMガイドを備えたガイド機構を備え、前記一対の連結部材はそのガイド機構にガイドされて平行な状態を維持しながら前記袋体の移動方向と平行な方向と直交方向の2つの方向の往復移動をするように構成した。吸着手段は、実施形態の吸盤に対応する。連結部材は、実施形態の第1レバー50,第2レバー60に対応する。回転体は、実施形態では、第1ギヤ41,第2ギヤ42に対応する。実施形態では、ギヤに直接連結部材を取り付けたが、例えばギヤと同軸に取り付け当該ギヤと一体に回転する板状の連結板に取り付けるものでも良く、その他各種の構成がとれる。また、実施形態では回転体を構成するギヤどうしを直接かみ合わせたが、他のギヤを介して連結しても良いし、駆動源を別にするなどして連携させなくても良い。さらに回転体は、実施形態では水平面内で回転するようにしたがこれに限るものではない。
【0011】
このようにすると、吸着手段はともに片持ち支持され、その吸着手段を所定の軌跡で移動(公転移動)させるための機構は袋体の移動経路の片側にまとめることができる。これにより装置全体がコンパクトにまとまる。また、一対の吸着手段は、吸着面が接近して袋体の開口部を両側から吸着した状態で袋体の移動方向と同じ方向に前進移動しながら吸着手段が離反していく。この離反に伴い袋体の開口部が離反方向に付勢されて開く。そして、吸着手段は、この離反していく際に袋体の移動方向に沿って前進するため、連続して移動する袋体を一時停止すること無く開くことができる。
【0012】
(2)前記一対の回転体は逆方向に回転し、前記偏芯した位置は180度位相がずれた位置とし、前記回転体の回転に伴う前記一対の連結部材の移動は、前記袋体の移動方向と平行な方向の往復移動は同一向きで行われ、前記袋体の移動方向と直交方向に対する往復移動は逆向きに行われ、前記一対の連結部材に取り付けた前記吸着手段は、吸着面が対向し、前記袋体の移動方向と直交方向に対する前記一対の連結部材の前後進移動に伴い接近離反するように構成するとよい。このようにすると、簡単な構成で(1)の発明の動作を行うことができる。
【0013】
本発明は、前記回転体の回転中心を結ぶ線と平行な方向に延びるLMガイドと、そのLMガイドと直交方向に延びる他のLMガイドを備えたガイド機構を備え、前記一対の連結部材はそのガイド機構にガイドされて平行な状態を維持しながら前記袋体の移動方向と平行な方向と直交方向の2つの方向の往復移動をするように構成
したため、直交する2軸のLMガイドにて確実に一対の連結部材を平行な状態を保ったまま、回転体の移動に追従して2つの方向へ移動が案内される。つまり、連結部材が回り止めされる(回転体への連結位置を中心とした回転が抑止される)。
【0014】
(3)前記一対の連結部材は、その少なくとも一部が上下に重なった状態となり、その一対の連結部材を軸方向に移動可能に連結するとよい。このようにすると、一対の連結部材が直接的に連結されることから、互いに平行な状態をより確実かつ簡単な構成で維持できる。なお、(1)の発明を実現するためには、一対の連結部材を上下で重なる配置にする構成は必須では無く離反させても良いし、連結部材同士を直接的に連結しなくても良い。
【0015】
(4)前記回転体は駆動源が共通のギヤであるとよい。このようにすると、簡単な構成となるので、よりコンパクトにまとまるので好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、連続して移動する袋体を一時停止すること無く開口部を開くことができ、しかも、コンパクトな構成となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明に係る開袋装置が適用される製袋充填包装機の一例を示している。
図1に示すように、この製袋充填包装機は、上流側に配置された帯状の包装フィルムを用いて袋体を製造する製袋装置11と、その製袋装置11から順次搬出される袋体に対して開口部を開き、製品を充填し、密封処理をする充填包装装置12とを備える。
【0019】
本実施形態の製袋装置11は、帯状の包装フィルムを連続して搬送しながら適宜位置を折り曲げるとともにシール・カットすることで、上部が開口し、下部並びに左右の側縁が閉塞した袋体を製袋する。この袋体1は、例えば
図2に示すように、全体が矩形状で底部側で折り返されて断面がW状となっている。そして、両側縁1aは略帯状にシールされ底部1b側は円弧状にシールされる。これにより、最終的に包装体となった場合、底部が開いて自立できるようになる。そして、製袋装置11からは、製造された袋体1が一定間隔で一時停止することなく連続して搬出される。
【0020】
充填包装装置12は、製袋装置11から順次搬出される袋体を1枚ずつ受け取るとともに所定の経路で連続搬送する搬送装置13と、その搬送装置13の搬送経路の途中に配置され袋体の開口部を開く開袋装置14と、開袋装置14の下流側に配置され開口部が開いた袋体内に被包装物を充填する被包装物供給装置15と、被包装物供給装置15の下流側に配置され開いた袋体の開口部を閉じると共に密封するシール装置16等を備える。
【0021】
搬送装置13は、所定の軌跡で水平に連続走行する無端のチェーン20に一定間隔ごとにクランプ21を取り付けた構成とする。本実施形態では、チェーン20の移動軌跡(配置レイアウト)は一般的な円形・楕円形のようなものではなく走行路が屈曲した形になっている。これは、チェーン20を構成する走行路の左右両側に走行路の軌跡を規定するチェーンガイドを配置する。そしてチェーンを構成するピンに一対のローラを、ピンの軸方向に隙間を設けて配置し、これらのローラが走行路の左右両側に配置されたチェーンガイドの内面のいずれかと接触する。すなわち、内側のチェーンガイドの内面には段差が設けられていて、上ローラに対向する部分はへこみ、下ローラに対向する部分は出っ張っている。また、外側のチェーンガイドの内面にも段差が設けられていて、上ローラに対向する部分は出っ張っていて、下ローラに対向する部分はへこんでいる。よって、チェーンが走行する際、上ローラは外側のチェーンガイドには接触するものの、内側のチェーンガイドには接触しない。一方、下ローラは内側のチェーンガイドに接触するものの、外側のチェーンガイドには接触しない。これによりチェーンは、チェーンガイドに案内され当該チェーンガイドで規定される経路で移動する。
【0022】
被包装物供給装置15は、スナック菓子等の被包装物が定量ずつ供給されているカップを保持した状態で当該カップを半円状の軌跡を移動しながら徐々に傾斜することでカップを傾け、カップ内に供給されている被包装物を袋体の開口部から袋体内に供給するものである。この被包装物供給装置15は、チェーン20の走行路が円弧状の領域の内側に配置されたロータリー式製品充填装置本体17と、被包装物が供給されているカップ3を搬送し、当該カップ3を1つずつ順にロータリー式製品充填装置本体17に渡すカップ搬送供給装置18と、ロータリー式製品充填装置本体17から搬出された空のカップ3を受け取り搬送するカップ搬出装置19を備える。図示省略するが、カップ搬出装置19の下流側と、カップ搬送供給装置18の上流側との間には、カップに対する物品供給装置が配置されており、被包装物を構成する定量された複数の物品がカップ内に供給される。これにより、被包装物供給装置15は、まず当該物品供給装置にてカップに定量の被包装物を供給する。そして、その被包装物が入ったカップをカップ搬送供給装置18が一列縦隊で搬送し、タイミングを合わせて先頭から1つずつロータリー式製品充填装置本体17に当該カップを渡す。ロータリー式製品充填装置本体17に渡されたカップは、円周上に沿って移動する。この際、カップは循環する複数のキャリアの一つに底部を保持された状態で搬送されながら、キャリアが水平の状態から徐々に内側に傾斜することで傾けられ、最終的にカップの底部全体がカップの上方開口部よりも上に位置する。よって、カップ内の被包装物は、カップから落下し袋体内に充填される。その後、キャリアが水平の状態に徐々に復帰することで、空のカップの底部が下降しカップの姿勢が元に戻る。そして、カップ搬出装置19は、ロータリー式製品充填装置本体17から搬出される空のカップ2を受け取り一列縦隊で搬送しカップに対する物品供給装置に至るように搬送する。
【0023】
密封するシール装置16は、袋体1の移送方向に沿って配置される一次シール装置22,二次シール装置(冷却装置)23を備える。一次シール装置22,冷却装置23は、ともに一対のバーシーラと、そのバーシーラを水平面内で所定の軌跡で公転移動させる駆動装置とを備える。バーシーラは、袋体の移送方向と同一方向に伸びるように配置される。そして、一対のバーシーラは、互いに接近して袋体1の上端を挟み込み、その状態のまま袋体1の移送に合せてその移送方向に移動し、その後バーシーラが互いに離反するとともに袋体の位相方向と逆方向に移動して元の位置に復帰する。これにより、一次シール装置22において一対のバーシーラにて一定時間袋体の上端を挟み込んで加熱・加圧した後に、冷却装置23において水冷式のバーシーラでシール部分を挟み込んで冷却するとともにシール面に形成されたゴザ目でシール目を形成する。シール箇所を冷却することで安定したシールが行える。
【0024】
さらに、シール装置16の下流側にはホールパンチ装置24,トリミングカッター装置25が配置される。ホールパンチ装置24は、シール装置16でシールした中央部位を打ち抜いて孔部を形成する。トリミングカッター装置25は、袋体の角を曲線状に切り取る処理を行う。これにより被包装物が密封収納されたパウチ4が製造される。良品のパウチ4は、搬出コンベア26に排出される。なお、不良品のパウチ4′は、不良品排出コンベア27により排出される。さらに搬送装置13の移送路の所定位置に設けた良否判定装置により製造されたパウチの良否判定が行われ、その良否判定結果を受けていずれのコンベア26/27にパウチ4/4′は排出される。
【0025】
次に、
図3以降の図面に基づいて開袋装置14のより具体的な一実施形態を説明する。開袋装置14は、一対の吸盤(第1吸盤31,第2吸盤32)と、それら第1,第2吸盤31,32を水平面内の所定の軌跡で回転移動させる駆動装置を備える。駆動装置の駆動源となるサーボモータ35は、第1ベース33の上に設置された取付台34に吊り下げ固定される。第1ベース33の上方には、その第1ベース33の上面に起立設置された柱部36に支持される第2ベース37が配置される。
【0026】
図8等に示すように、第2ベース37の上面所定位置には、第1軸受部45と第2軸受部46が設置される。第1軸受部45には第1ギヤ41が軸受支持され、第2軸受部46には第2ギヤ42が軸受支持させる。第1ギヤ41は、サーボモータ35の出力軸に減速機39を介して連携されていて、サーボモータ35の回転に伴い回転する。また第1ギヤ41と第2ギヤ42は噛み合っており、第1ギヤ41の回転が第2ギヤ42に伝達する。これにより、サーボモータ35が回転すると、同期して第1,第2ギヤ41,42が回転する。さらに第1,第2ギヤ41,42の上面には、それぞれ円板状のギヤカバー47,48が取り付けられる。
【0027】
第2ベース37には、これら第1,第2ギヤ41,42を覆うように、ギヤカバー38が配置される。このギヤカバー38の天面の第1,第2ギヤ41,42(ギヤカバー47,48)に対向する位置に円形の開口部を設ける。この開口部からギヤカバー47,48が露出することで、第1,第2ギヤ41,42を含む回転部が覆われる。
【0028】
第1ギヤ41には、第1レバー50の基端側が連係され,その第1レバー50の先端に第1吸盤31が取り付けられる。同様に第2ギヤ42には、第2レバー60の基端側が連係され、その第2レバー60の先端に第2吸盤32が取り付けられる。第1レバー50と第2レバー60は、それぞれ第1ギヤ41と第2ギヤ42に対して回転中心から偏心した位置に連係され、両レバー50,60は180度位相がずれた位置関係に設定される。
【0029】
第1レバー50は、以下のように構成している。まず、第1ギヤ41の所定位置に第1連結ピン51を取り付ける。この第1連結ピン51の上端に第3軸受部52を装着する。そして第3軸受部52の上端に、第1連結バー53の基端部53aを固定する。第1連結バー53は、細長い帯板の本体の一端(基端53a)が幅広となった全体の平面形状が略L字状となり、水平平面内に配置する。この第1連結バー53の先端に、第1吸盤取付板54を連結し、その第1吸盤取付板54の先端に第1吸盤31を取り付ける。第1吸盤取付板54は、第1連結バー53と直交する平面内に位置し、先端が下がった下方傾斜状に取り付ける。
【0030】
第2レバー60は、以下のように構成している。まず、第2ギヤ42の所定位置に第2連結ピン61を取り付ける。この第2連結ピン61の上端に第4軸受部62を装着する。そして第4軸受部62の下端に、第2連結バー63の中央連結部63aを固定する。第2連結バー63は、細長い帯板の本体の中央付近の一辺側を外側に突出させて中央連結部63aを設けた形状となり、水平平面内に配置する。この第2連結バー63の高さ位置は、第1連結バー53よりも低い位置としている。第2連結バー63の先端に、第2吸盤取付板64を連結し、その第2吸盤取付板64の先端に第2吸盤32を取り付ける。第2吸盤取付板64は、第2連結バー63と直交する平面内に位置し、先端が下がった下方傾斜状に取り付ける。第2吸盤取付板64の傾斜角度は、第1吸盤取付板54の傾斜角度よりも小さくし、両吸盤取付板54,64の先端の高さ位置は等しくしている(
図4等参照)。さらに、第1吸盤取付板54の先端と第2吸盤取付板64の先端、すなわち、第1吸盤31と第2吸盤32は、袋体の移送方向に沿って前後にずらしている(
図3,
図6等参照)。さらに、第1連結バー53と第2連結バー63は上下に重なる配置としている。
【0031】
さらに、第1レバー50(第1連結バー53)と第2レバー60(第2連結バー63)とは、直交するX軸とY軸の2軸を規制するLMガイドにより連携し、回り止めをしている。すなわち、両連結バー53,63は平行に連携され、軸方向に相対的に前後進移動する。このLMガイドを用いた連携機構は、以下のようになっている。
【0032】
まず、第1ベース33,第2ベース37の両サイドに起立した両受け材71を連結し、その受け材71の上端に掛け渡すように第1LM取付板72を設置する。第1LM取付板72は、ギヤカバー38の上方を跨ぐとともに、両ギヤ41,42の回転中心を結ぶ線と平行に配置される。また両ギヤ41,42回転中心を結ぶ線と、袋体1の移送方向は平行になっている。
【0033】
この第1LM取付板72の上面中央に第1LMガイド73を構成する第1LMレール73aが装着され、その第1LMレール73a上を第1LMブロック73bが往復移動する。第1LMレール73aは第1LM取付板72に沿って配置されることから、第1LMブロック73bの移動方向は、袋体1の移送方向(便宜上X軸方向)と平行になる。
【0034】
この第1LMブロック73bにLMジョイント74の一端が連結される。LMジョイント74の他端は、第2LMガイド75を構成する第2LMブロック75bが連結される。そして、第2LMガイド75を構成する第2LMレール75aは、第1LMレール73aと直交方向(Y軸方向)に伸びるように配置される。この第2LMレール75aは、LM取付板76を介して第1連結バー53に連結され、第2LMレール75aと第1連結バー53は平行に配置される。
【0035】
一方、第2連結バー63の上面には、第3LMガイド77を構成する第3LMレール77aが装着され、その第3LMレール77a上を第3LMブロック77bが往復移動する。さらに、第1連結バー53と第2連結バー63は上下に重なる配置としていことから、この第3LMブロック77bは、第1連結バー53に連係される。つまり、第1連結バー53と第2連結バー63が軸方向(Y軸方向)には相対移動が許容され。そして、第1連結バー53と第2連結バー63は、軸方向と直交する方向(X軸方向:袋体の移送方向)の相対移動が抑止され、当該方向には第1LMガイドに沿って一体となって往復移動する。
【0036】
これにより、第1ギヤ41,第2ギヤ42が同期して回転することに伴い、各ギヤに取り付けた第1連結ピン51と第2連結ピン61も回転する(位相差180度)。そして、第1ギヤ41と第2ギヤ42は、袋体1の移送方向に沿って配置されている(両ギヤ41,42回転中心を結ぶ線と、袋体の移送方向は平行)。よって、第1連結ピン51と第2連結ピン61は、袋体の移送方向と平行なX軸方向については、両者の相対位置(X軸方向の離反距離)を一定に維持しながら前後進移動する。このX軸方向の移動は、第1LMガイド73により案内される。
【0037】
また、第1連結ピン51と第2連結ピン61は、袋体の移送方向と直交するY軸方向では、180度ずれて互いに前後進移動する。すなわち、第1連結ピン51が最も前側(袋体の移送経路側)に位置したときは第2連結ピン61は最も後側(袋体の移送経路から離れた側)に位置し、第1連結ピン51が最も後側(袋体の移送経路から離れた側)に位置したときは第2連結ピン61は最も前側(袋体の移送経路側)に位置する。従って、第1連結ピン51から第1連結バー53の先端までの長さと、第2連結ピン61から第2連結バー63の先端までの長さの差を、各ギヤ41,42から各連結ピン51,61までの長さの2倍に設定すると、第1連結ピン51が最も前側に位置するときには第1,第2吸盤31,32の間は最も広がり、第1連結ピン51が最も後側に位置するときには第1,第2吸盤31,32の間は最も狭くなる(両吸盤31,32が袋体1の上部に接触して吸着する)。このY軸方向の移動は、第2LMガイド75や第3LMガイド77により案内される。
【0038】
さらに、第1,第2吸盤31,32は、それぞれ吸引チューブ78が連結され、この吸引チューブ78を介して図示省略の外部の吸引ポンプに連係される。適宜のタイミングで吸引ポンプによる吸引が行われて第1,第2吸盤31,32にて吸着が可能となり、第1,第2吸盤31,32が接触するフィルム部位(袋体の開口部)を吸着保持する。また、適宜のタイミングで吸引ポンプによる吸引が解除されると、第1,第2吸盤31,32は袋体から離反可能となる。
【0039】
また、第2ギヤ42の回転軸(検知軸)には、検知板82が取り付けられる。この検知板82に隣接して配置されたセンサ81は、この検知板82を検知する。このセンサ81の出力に基づき、図示省略する制御盤内の制御器は、第2ギヤ42(第2連結ピン61ひいては第2レバー60)が基準位置に来たことを認識し、また、その第2ギヤ42,第4ギヤ41の回転角度位置を求め、サーボモータ35の回転動作を制御する。これにより、第1,第2吸盤31,32が袋体1に接触している間は、その第1,第2吸盤31,32の移動速度が袋体1の移送速度と等しくなるように制御する。
さらに開袋装置14の搬出側には、袋体1の走行路を跨ぐように光電センサ等からなる開袋検知装置83が設置され、袋体1が正しく開いたか否かの検査を行う。
【0040】
次に上述した構成の開袋装置の作用を説明する。
図11(a)に示すように、クランプ21は、袋体1の移送方向(図中矢印方向)の前後を一対の挟持爪21a,21aで挟み込み支持する。
図11(a)に示す状態では、第1吸盤31と第2吸盤32の距離は近づいてきているものの、所定距離離れている。この第1吸盤31と第2吸盤32の間の空間内にクランプ21で支持された袋体1が移送されてくる。
【0041】
この状態からさらに第1,第2ギヤ41,42が回転し、第1連結ピン51が袋体の走行路から最も離れ、第2連結ピン61が袋体の走行路に最も近づいた位置に至ると、
図11(b)に示すように第1吸盤31と第2吸盤32は袋体1に接触する。この位置を便宜上基準位置(0度とする)。このタイミングで吸引ポンプからの吸引を第1,第2吸盤31,32につなげると、両吸盤31,32は袋体1のフィルム面を吸引保持する。
【0042】
この基準位置から両ギヤ41,42が回転すると、両レバー50,60ひいては両吸盤31,32は、袋体の前進移動に同期して前進移動し、その前進に伴い徐々に離反する。そこで、両吸盤31,32は吸着保持した状態を維持すると袋体1の開口部は開く(
図11(c)参照)。このとき、クランプ21は一対の挟持爪21a,21aの間隔を狭め、袋体1の開口部を開き易くする。さらに、袋体1の開口部を開く際に、図示しない上方のノズルからエアを開口部に向かって吹き付け開袋を補助している。
【0043】
その後吸着を解除すると、両吸盤31,32は袋体から離反するが、一対の挟持爪21a,21aの間隔を狭めた状態のままとすることで、袋体1の開口部が開いた状態を維持する(
図11(d)参照)。クランプ21が袋体の移送方向に前進移動することで、袋体1は開口部が開いた状態のまま移送され、次段の被包装物供給装置15に供給される。
【0044】
図12以降は別の実施形態を示している。本実施形態では、袋体の下側も開く機能を備えている。まず、第1吸盤31と第1吸盤32は、袋体の移送方向に沿って3個ずつ配置した。これにより、開口部である袋体の上方部位をしっかりと吸着し開くことができる。また、第1吸盤31を取り付ける第1吸盤取付板54′は、上述した実施形態と同様に全体的に斜め傾斜状にしているが、第1吸盤31を3個取り付けることから、その先端は水平方向に延びるようにしている。また、第2吸盤32を取り付ける第2吸盤取付板64′は、全体的に水平方向に延びるようにし、その先端部分(第2吸盤32を取り付ける部分)が下方に突出するように広幅となる略L字状にしている。
【0045】
さらに、第1吸盤取付板54′の先端部には下方に延びる帯板状の垂直部54′aを備えている。垂直部54a′に下部用第1吸盤91を上下に並ぶように縦一列に3個取り付けている。これにより、下部用第1吸盤91は、第1吸盤31と一体になって所定の軌跡で公転移動する。つまり、第1吸盤31が袋体の上方開口部に接触する際には、下部用第1吸盤91も袋体の下方中央部位に接触する。そして、両吸盤31,91はともに吸引チューブ78を介して吸引ポンプに連携され同一タイミングで吸引開始/解除が行われるので、両吸盤31,91で吸着し引っ張ると袋体1の上方開口部を開くとともに袋体の下方部位も開くことができ、その後吸引を解除すると両吸盤31,91は袋体から離反する。
【0046】
一方、第2吸盤32側の袋体の下方部位を開くための下部用第2吸盤92は、下部用第1吸盤91と同じように第2吸盤32を取り付けるための第2吸盤取付板64′に一体的に取り付けてしまうと、スペース的に奥に移動させることができなくなる。そこで、第2吸盤32とは独立して下部用第2吸盤92を配置するようにした。
【0047】
具体的には、第1LMガイド73の第1LMブロック73bに連結されたLMジョイント74に連結ブラケット90の一端を接続し、連結ブラケット90の他端に下方に延びる連結バー94を連結し、その連結バー94の下端にL型プレート95を連結する。このL型プレート95の先端にシリンダ96を取り付ける。そしてシリンダ96のシリンダロッドに下部用第2吸盤取付板97を連結し、この下部用第2吸盤取付板97に3つの下部用第2吸盤92を縦一列に装着する。
【0048】
これにより、連結ブラケット90からL型プレート95ひいてはシリンダ96は、第1ギヤ41の回転に伴い袋体の移送方向と平行に往復移動する。すなわち、第1LMガイド73に連携されているため、そのガイドに案内されて往復移動する。シリンダ96のシリンダロットが収縮した状態では、下部用第2吸盤92は袋体に近接・接触する状態となる。よって、その状態で吸引を開始すると、袋体の下方部位は下部用第2吸盤92に吸着される。そして、シリンダ96を動作させシリンダロッドを延ばすことで下部用第2吸盤92を奥へ移動させ、袋体の下方部位を開く。
【0049】
また、本実施形態では、第2連結バー63に取り付けた第2LMガイド77は、第1LMガイド73の第1LMレール73aに連携される第1LMブロック73cに対しLMジョイント74′を介して連携している。
なお、その他の構成並びに作用効果は上述した実施形態と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。