(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記互いに異なる報知用部は、前記固定部材が前記ダストボックスをロック位置に移動したときと、ロック解除位置に移動したときに、互いに異なる模様もしくは互いに異なる色に形成される
ことを特徴とする請求項2記載の空気調和機の室内機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、第1の実施形態を、図面にもとづいて説明する。
図1は、運転停止状態時の空気調和機の室内機を概略的に示す縦断面図である。(なお、説明中に符号を付していない部品は図示していない。図示しても符号を付していない部品もある。以下同じ)
室内機本体1は、前面、上面および左右両側面筐体を構成する前面パネル2と、背面と前面一部を構成する後本体3とからなる。室内機本体1の正面視は、上下方向の寸法に対して左右幅方向の寸法が大きく、全体的に横長状に形成される。
【0016】
前面パネル2の上面部に吸込み口5が設けられていて、この吸込み口5を備えた上面部と、板体からなる前面部は一体化されるとともに、上面部後端を枢支部とした開閉パネル2Aを備える。通常、開閉パネル2Aは
図1のように閉成されるが、メンテナンス時などは、後述するように開閉パネル2Aを開放して室内機本体1内部を露出できる。
【0017】
前面パネル2の下面部に吹出し口6が設けられ、この吹出し口6には吹出しルーバー7a,7bが並んで設けられる。これら吹出しルーバー7a,7bは、リモコン(リモートコントロール)から発信される運転/停止信号を受けて吹出し口6を開閉し、選択された運転の種類に応じて開放角度が異なるよう制御される。
【0018】
前面パネル2の上面部には、吸込み口5が開口し、この吸込み口5の一部にエアフィルタ案内口8が形成されている。このエアフィルタ案内口8は吸込み口5内の手前側に形成している。
【0019】
吸込み口5には複数の空間部に仕切る枠状の桟が嵌め込まれている。吸込み口5内に形成されるエアフィルタ案内口8は、左右幅方向寸法が、吸込み口5の左右幅方向寸法と略同一の寸法に形成され、前後方向寸法は極く僅かであり、その中の空間部に桟が形成されていない。吸込み口5とエアフィルタ案内口8は、それぞれ常時、開放状態にある。
【0020】
後本体3には、室内熱交換器10および室内送風機11が取付けられるとともに、この室内熱交換器10の前面側に、エアフィルタFを支持するエアフィルタ支持枠Wが取付けられる。エアフィルタ支持枠Wの外側から前面パネル2が装着され、室内機本体1が構成される。
【0021】
室内機本体1内には、室内送風機11を作動することで、吸込み口5と吹出し口6とを連通する通風路Rが形成され、この通風路Rにエアフィルタ支持枠Wと、室内熱交換器10と、室内送風機11が順次配置される構成となる。
【0022】
室内熱交換器10は、前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bとで略逆V字状に形成される。前側熱交換器部10Aは、エアフィルタFを介して前面パネル2の前面部と吸込み口5を備えた上面部と対向するよう湾曲状に形成される。後側熱交換器部10Bは、直状で斜めに傾斜し、エアフィルタFを介して吸込み口5一部と対向している。
【0023】
室内熱交換器10は図示しない室外機に収容される圧縮機および室外熱交換器などと冷媒管を介して連通されていて、これらで冷凍サイクルが構成される。
室内送風機11は、室内熱交換器10の前後側熱交換器部10A,10B相互間に配置され、室内機本体1の一側端のスペースに配置されたファンモータと、このファンモータの回転軸に連結される横流ファンとから構成される。横流ファンの軸方向長さは室内熱交換器10の幅方向長さと略同一に設定され、互いに対向するように配置される。
【0024】
前側熱交換器部10Aの下端部は前ドレンパン12a上に配置され、後側熱交換器部10Bの下端部は後ドレンパン12b上に配置される。前、後ドレンパン12a,12bは、それぞれ後本体3に形成され、前、後各熱交換器部10A,10Bから滴下するドレン水を受けて、図示しない排水ホースを介し屋外へ排水できるようになっている。
【0025】
前、後ドレンパン12a,12bの一部側壁外面は室内送風機11に近接して設けられ、室内送風機11の横流ファンに対するノーズを構成している。室内送風機11を駆動することにより、ノーズから吹出し口6に至る間が、通風路Rにおける吹出し側となり、吸込み口5から室内熱交換器10に至る間が、通風路Rにおける吸込み側になる。
【0026】
前記エアフィルタ支持枠Wは、前面パネル2の前面部と対向するとともに、前側熱交換器部10Aと間隙を存して曲成される。さらに、前面パネル2上面部の吸込み口5と対向し、後側熱交換器部10B上面と間隙を存して曲成される。このエアフィルタ支持枠Wに支持されるエアフィルタFも、エアフィルタ支持枠Wと同様の曲成形状をなす。
【0027】
エアフィルタ支持枠Wの下端部に、エアフィルタ清掃装置Sが設けられる。前面パネル2が取付けられた状態で、エアフィルタ清掃装置Sは開閉パネル2Aによって遮蔽され外部から見えない。
【0028】
エアフィルタ支持枠Wは、複数の縦桟と横桟が所定間隔を存して平行に組立てられる前面枠体14aおよび後面枠体14bを前後に組合せ、これら前面枠体14aと後面枠体14bの縦桟相互間に、仕切りガイド桟14cが設けられてなる。エアフィルタ支持枠Wの中央部の縦桟を境に、左右両側に合計2枚のエアフィルタFが支持される。
【0029】
さらに、エアフィルタ支持枠Wは、下端部がエアフィルタ清掃装置Sの前面側上端と後面側上端に載った状態で上方へ向って緩く湾曲成される。そして、吸込み口5と室内熱交換器10上端との間の空間スペースに沿って延出され、先端部は後本体3の背面側板部に当接する。
【0030】
前面枠体14aの、室内機本体1上面部に設けられるエアフィルタ案内口8と対向する位置に開口部aが設けられていて、この開口部aはエアフィルタ案内口8と略同一の形状寸法に開口される。
後面枠体14bの、前面枠体14aの開口部aと対向する部位が欠落し、ここに可動ガイドKが設けられる。可動ガイドKは、エアフィルタ支持枠Wの左右両側部の縦桟と、中央部の縦桟とに亘って設けられる支軸に回動自在に支持される。
【0031】
仕切りガイド桟14cの上端部は、可動ガイドKの近傍部位まで延出していて、ここから前後面枠体14a,14bの先端部までは仕切りガイド桟14cは介在せず、前面枠体14aと後面枠体14bで空間スペースが確保されている。
【0032】
エアフィルタ支持枠Wにおける、エアフィルタ清掃装置Sとの連結部から開口部aまでの前面枠体14aと仕切りガイド桟14cとの空間スペースと、開口部aから後本体3の背面側板部と当接する先端部までの前面枠体14aと後面枠体14bとの空間スペースとで、第1のガイド路G1が形成される。
【0033】
さらに、エアフィルタ清掃装置Sとの連結部から可動ガイドKまでの後面枠体14bと仕切りガイド桟14cとの空間スペースと、可動ガイドKから第1のガイド路G1と交差し、開口部aおよびエアフィルタ案内口8を介して室内機本体1上面部の上方部位に至る経路として、第2のガイド路G2が形成される。
【0034】
エアフィルタ清掃装置Sが作用することで、第1のガイド路G1に収容されるエアフィルタFは、エアフィルタ清掃装置Sを通過し、さらに第2のガイド路G2に沿って移動付勢されるようになっている。
【0035】
前記エアフィルタFは、矩形状の周辺枠に複数本の縦桟部と横桟部が所定間隔を存して掛け渡され、これら周辺枠と縦桟部および横桟部との間には、極薄のシート部が一体に設けられる。シート部には、空気の流通を許容し、空気に含まれるホコリは捕捉する大きさの通気孔が縦横整然と並んで設けられ、実質的にフィルタ部となっている。
【0036】
エアフィルタFを構成する縦桟部の裏面側には、この全長に亘って歯部が連続して設けられ、タイミングベルト状をなす。縦桟部はエアフィルタFの下端部から上端部に亘って設けられるところから、エアフィルタFは上下方向に沿って移動自在に支持されることになる。
【0037】
つぎに、前記エアフィルタ清掃装置Sについて詳述する。
図2は、同じ空気調和運転の停止時において開閉パネル2Aを開放した室内機の斜視図。
図3は、
図2の一部を拡大した斜視図。
図4は、ダストボックス30の正面図。
図5は、
図1のL−L線に沿う一部横断上面図であり、清掃ユニット体20にダストボックス30を組合せた状態で、図の上部側が実際の前面部であり、図の下部側が実際の後面部である。以上、
図1とともに説明する。
【0038】
前記エアフィルタ清掃装置Sは、エアフィルタ支持枠Wの下端部に取付けられる清掃ユニット体20と、この清掃ユニット体20のさらに下部で、エアフィルタ支持枠Wに着脱自在に取付けられるダストボックス30からなる。
【0039】
たとえば、メンテナンス作業の際は、
図2に示すように前面パネル2の一部を構成する開閉パネル2Aを開放する。すると、開閉パネル2Aによって覆われていた室内機本体1内の前面部が開放され、エアフィルタ清掃装置Sを構成するダストボックス30と、エアフィルタ支持枠Wに取付けられるエアフィルタFが見える。
【0040】
前記清掃ユニット体20は、ユニット枠(ケーシング)21に、送りギヤと、ホコリ押上げブラシ22Aを設けた第1の回転軸を備えるとともに、ホコリ掻き取りブレード22Bを設けた第2の回転軸を備えている。ホコリ押上げブラシ22Aとホコリ掻き取りブレード22Bとで、ホコリ掻き取り手段22を構成する。
【0041】
第1の回転軸に設けられる送りギヤはエアフィルタFの歯部に噛合し、かつ第1の回転軸は駆動モータに連結される。第2の回転軸は、別の駆動モータに連結される。送りギヤと、第1の回転軸および駆動モータとで、エアフィルタ送り手段23を構成する。
【0042】
ホコリ押上げブラシ22Aは、円筒体の周面にブラシ毛が植毛されていて、各ブラシ毛は第1の回転軸の軸芯に対して略直立し、その直径はエアフィルタFの通風孔寸法よりも細いものが選択されている。実際に、ホコリ押上げブラシ22Aのブラシ毛先端はエアフィルタFのシート部(フィルタ部)に挿入するように組立てられる。
【0043】
ホコリ掻き取りブレード22Bは、第2の回転軸の周方向に間隔を存し、かつ第2の回転軸の軸方向に沿って螺旋状に曲成される複数条のブレード片からなる。これらブレード片は、薄肉の弾性部材(たとえばゴム材)が用いられる。
【0044】
ユニット枠21に、第1の回転軸と第2の回転軸は、互いに平行に備えられる。したがって、第1の回転軸に設けられるホコリ押上げブラシ22Aと、第2の回転軸に設けられるホコリ掻き取りブレード22Bとは互いに平行であり、ホコリ押上げブラシ22A先端とホコリ掻き取りブレード22B先端は、互いに摺接するよう取付けられる。
【0045】
前記ダストボックス30は、その大部分は透明な合成樹脂材(たとえば、アクリル板)からなり、外部から内部が見え、収容されるホコリの量が分る。ホコリ掻き取りブレード22Bの下部側に対向する部位に、ホコリを収容するための充分な空間スペースである集塵部が形成される。
【0046】
図4に示すように、ダストボックス30の上端部で、左右両端部と略中央部に軸部31が設けられる。これら軸部31は、エアフィルタ支持枠Wに設けられる掛合部に着脱自在に嵌め込まれる。
【0047】
図3および
図4に示すように、ダストボックス30の左右の一方片側端部または左右両側端部には、把手部32が設けられる。エアフィルタ支持枠Wに取付けられたダストボックス30に対し、把手部32を持って手前側に引き出すことにより、ダストボックス30はエアフィルタ支持枠Wから容易に取外し可能である。
【0048】
ダストボックス30の上下方向の略中央部に、帯状の固定部材33A,33Bが設けられる。これら固定部材33A、33Bは、ダストボックス30の左右幅方向の略中央部を境に、左右2本あって、それぞれが略中央部から左右方向に移動自在に取付けられる。
【0049】
右側固定部材33Aの右側端部と、左側固定部材33Bの左側端部には、それぞれ移動方向とは直交する方向に、細かな凹凸が連続する波型状のロック操作部35が設けられる。ロック操作部35を押すことでダストボックス30は軸部31を支点として、この下端部が回動して押し込まれ、清掃ユニット体20の所定部位に掛合する。
【0050】
さらに、この状態を保持しながらロック操作部35を左右に移動操作することで、左右両側の固定部材33A,33Bを左右方向へ移動操作することができる。しかも、ロック操作部35には、移動方向と直交する方向に細かな凹凸が連続する波型状に形成されているから、操作時の滑り止めをなし、移動操作が容易に行える。
【0051】
特に
図5に示すように、右側固定部材33Aの右側端部と中央部および左側端部の裏面側には、略L字状の引掛け固定部dが設けられている。ダストボックス30を所定部位に取付けた状態で、引掛け固定部dがエアフィルタ支持枠Wに設けられる孔部eに挿入される。左側の固定部材33Bにおいても対称的に引掛け固定部が設けられ、エアフィルタ支持枠Wの孔部eに挿入される。
【0052】
右側固定部材33Aに設けられるロック操作部35を右方向へ移動操作することにより、引掛け固定部dが孔部eの周囲部分に掛合する。左側固定部材33Bに設けられるロック操作部35を左方向へ移動操作することにより、引掛け固定部dが孔部eの周囲部分に掛合する。
【0053】
したがって、ダストボックス30が確実にエアフィルタ支持枠Wにロック(固定)される。この状態から、右側固定部材33Aを左方向へ移動付勢し、左側固定部材33Bを右方向へ移動付勢することで、引掛け固定部dが孔部e周囲部分から離反し、ダストボックス30のエアフィルタ支持枠Wに対するロックが解除となる。
【0054】
特に、
図3に拡大して示すように、右側の固定部材33Aの上部透明部分に2つのキー絵文字b、cが描かれている。その意味は、右側の固定部材33Aにおいては、右方向へ移動操作することによりダストボックス30をロック(固定)bでき、左方向へ移動操作することによりロック解除cとなることを示している。
【0055】
図2および
図4に概略で示すように、左側の固定部材33Bの上部透明部分にも同様に2つのキー絵文字b、cが描かれている。この固定部材33Bを左方向へ移動操作することによりダストボックス30をロック(固定)でき、右方向へ移動操作することによりロック解除となる。
【0056】
図3(
図4)に示すように、右側固定部材33Aの一部に確認用窓37が設けられている。左側の固定部材33Bの一部にも確認用窓37が設けられる。そして、確認用窓37から報知用部38が露出する。報知用部38は、ダストボックス30がロック位置にあるときと、ロック解除との位置で、変化をもたせている。
【0057】
つぎに、上述のように構成される空気調和機の室内機の作用について説明する。
冷房運転もしくは暖房運転等の空調運転開始の信号が制御部に入ると、室外機に配置される圧縮機に駆動信号が送られて冷凍サイクル運転が開始され、同時に、室内送風機11に駆動信号が送られる。
【0058】
室内空気は吸込み口5から室内機本体1内に吸込まれ、吸込み側の通風路Rに沿って導かれる。はじめにエアフィルタFを流通し、室内空気に含まれるホコリは捕捉される。濾過され清浄化した室内空気は、室内熱交換器10を構成する前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bに導かれる。
【0059】
室内熱交換器10と室内空気は熱交換をなし、冷房運転モードが選択されていれば、室内空気は冷気となり、暖房運転モードが選択されていれば暖気に変る。熱交換空気は吹出し側の通風路Rに沿って導かれ、吹出し口6から吹出しルーバー7a,7bに案内されて室内へ吹出される。
【0060】
冷気が室内に吹出されることにより室内温度が低下し、冷房作用をなす。暖気が室内に吹出されることにより室内温度が上昇し、暖房作用をなす。いずれにしても、室内機本体1内に吸込まれた室内空気はエアフィルタFを流通する際に、室内空気に含まれるホコリが捕捉され、常に清浄化した熱交換空気が室内に吹出されて、室内の清浄化をなす。
【0061】
長期の使用に亘れば、エアフィルタFに捕捉されたホコリが積もり、目詰りが生じる。そのまま放置すれば熱交換効率が低下して、冷房能力と暖房能力に悪影響が生じる。そこで、ユーザーは空調運転に先立ち、もしくは空調運転の終了後に、リモコンに設けられる、「おそうじボタン」を押す。
【0062】
この信号が制御部に入ると、エアフィルタ清掃装置Sの駆動モータに駆動信号が送られ、第1の回転軸が回転駆動されて送りギヤとホコリ押上げブラシ22Aが一体に反時計回り方向に回転するとともに、第2の回転軸が回転駆動されてホコリ掻き取りブレード22Bが時計回り方向に回転駆動される。
【0063】
送りギヤに噛合する歯部を有するエアフィルタFは、下端部からホコリ押上げブラシ22Aに接するよう移動付勢される。ホコリ押上げブラシ22Aのブラシ毛がエアフィルタFの通風孔に挿入し、ここに詰まっていたホコリを押上げる。すなわち、ブラシ毛によってホコリは熱交換空気導入側である1次側へ押し出される。
【0064】
さらに、送りギヤの回転にともなって、エアフィルタFは下端部からホコリ押上げブラシ22Aとホコリ掻き取りブレード22Bとの摺接部に導かれて通過する。このとき、ホコリ押上げブラシ22AによってエアフィルタFの1次側に押上げられたホコリは、1次側に配置されるホコリ掻き取りブレード22Bによって効率よく掻き落される。
ホコリ掻き取りブレード22Bによって掻き落されたホコリは、ダストボックス30内の集塵部に溜る。
【0065】
このようなエアフィルタ清掃運転時に、エアフィルタFは下端部からUターンしてエアフィルタ清掃装置Sを通過する。さらに、エアフィルタFはそれまでの下端部を先端にして第2のガイド路G2を上昇移動し、先端部が可動ガイドKに当接する。
【0066】
この可動ガイドKは、回動支点を中心にして反時計回り方向に回動し、第1のガイド路G1を遮断する一方で、第2のガイド路G2を開放する。エアフィルタFは、第1のガイド路G1と交差する交差点を通過して開口部a方向に導かれ、開口部aを挿通して室内機本体1のエアフィルタ案内口8から上面部に突出する。
エアフィルタFの後端部が、ホコリ押上げブラシ22Aとホコリ掻き取りブレード22Bとの摺接部を完全通過するまで、この状態が継続する。
【0067】
エアフィルタFの後端部が、前記部位を通過することで、エアフィルタ清掃装置SのエアフィルタFに対する清掃作業が一旦、終了する。このことをセンサーあるいはモータの回転状態の検知などにより検知し、制御部に信号を送って第1の回転軸と第2の回転軸の回転を停止させる。
【0068】
送りギヤとホコリ押上げブラシ22Aおよびホコリ掻き取りブレード22Bは回転が停止する。エアフィルタFの一部は室内機本体1の上面部に突出した状態で停止し、エアフィルタFの大部分の面積の乾燥化が促進される。
エアフィルタFの清掃を選択したユーザーは、エアフィルタFの一部が室内機本体1の上面部から突出しているのを目視でき、エアフィルタFの清掃が実行されていることを確認できる。
【0069】
エアフィルタFに対して、この状態を一定時間継続した後、駆動モータに逆転の駆動信号が送られエアフィルタFを再び移動付勢し、第2のガイド路G2から元の第1のガイド路G1に収容する位置に戻す。
つぎの空調運転を開始しても、エアフィルタFは完全に乾燥化しているので、ホコリがこびり付くことはなく、長期に亘って濾過効果を確保できる。そして、再度のエアフィルタFの清掃時において、付着しているホコリを容易に除去できる。
【0070】
このようなエアフィルタFの清掃作業を複数回行えば、ダストボックス30内にホコリが堆積する。ホコリが所定量堆積すると、これをセンサーが検知し、もしくは所定時間運転したことから制御部へ信号を送り、制御部はユーザーに対してホコリ排出を督促する報知をなす。ユーザーは、開閉パネル2Aを開放してダストボックス30を露出させる。
【0071】
つぎに、左右両側の固定部材33A,33Bのロック操作部35に左右の手の指を当て、内側(略中央部)方向へ移動付勢する。この状態で、固定部材33A,33Bの裏面に設けられる引掛け固定部dはエアフィルタ支持枠Wの孔部e周囲部分から離間する。
【0072】
さらに、ダストボックス30の左右の一方片側端部または左右両側端部に設けられる把手部32を持ち、手前側に引く。エアフィルタ支持枠Wの掛合部からダストボックス30の軸部31が外れ、ダストボックス30を取外すことができる。このように、ダストボックス30の室内機本体1からの取外しが、極めて容易に行える。
このあと、別の部位にダストボックス30を持ってゆき、集塵部に堆積したホコリを排除する。
【0073】
きれいになったダストボックス30を再び室内機本体1に取付けるために、ダストボックス30の軸部31をエアフィルタ支持枠Wの左右および中央の溝に掛合部に当てて嵌め込み、軸部31を中心軸として回動しながらダストボックス30が室内機本体1内に収納されるよう、ダストボックス30前面下部を押し込む。そのとき、「カチッ」という音を発するようになっていて、掛合がなされたことを確認できる。
【0074】
つぎに、左右の固定部材33A,33Bの左右端部に設けられるロック操作部35を押す。ダストボックス30は軸部31を支点として回動し、清掃ユニット体20の所定部位に取付けられる。同時に、ダストボックス30の右左両側の固定部材33A,33Bの裏面側に設けられる引掛け固定部dが、エアフィルタ支持枠Wの孔部eに挿入する。
【0075】
そのあと、ロック操作部35を押しながら左右外側へ移動操作する。固定部材33A,33Bの引掛け固定部dがエアフィルタ支持枠Wの孔部e周囲部分に掛合し、ロック状態となる。したがって、極めて容易な操作で、ダストボックス30と清掃ユニット体20が一体化してエアフィルタ支持枠Wに確実に固定され、取付けが終了する。
【0076】
以上を総括すれば、エアフィルタ清掃装置Sにおいて、清掃ユニット体20がエアフィルタFから除去したホコリをダストボックス30に収容することで、ユーザーの手間を軽減できる。
しかしながら、いずれはダストボックス30に収容されるホコリが収容許容量を超えることになるので、これを室内機本体1から取外してダストボックス30のホコリを排除しなければならない。
【0077】
本実施形態によれば、ダストボックス30は、固定部材33A,33Bによりエアフィルタ支持枠Wに着脱自在に固定される。固定部材33A,33Bは、長手方向に移動操作するが、移動方向と直交する方向に波型状のロック操作部35を有し、移動操作時の滑り止めをなす。
【0078】
したがって、ユーザーは、ダストボックス30をエアフィルタ支持枠Wの取付け位置に嵌め込むことを意識していなくても、自然な動作によりダストボックス30を固定位置に移動できる。取外しも簡単で、極めて容易に着脱操作ができ、ユーザーのメンテナンス性が向上する。
【0079】
つぎに、第2の実施の形態を、
図6(A)(B)と
図7にもとづいて説明する。
図6(A)は、ダストボックス30の略中央部から右半分の正面図であり、
図6(B)は、
図6(A)とは異なる状態のダストボックス30の略中央部から右半分の正面図である。
図7は、ダストボックス30一部から、一方の固定部材33Aおよびシール部材40を分解して示す斜視図である。
【0080】
先に説明したように、左右の固定部材33A,33Bの一部には確認用窓37が設けられる。固定部材33A,33Bを介してダストボックス30がロック位置にあるとき、およびロック解除となる位置とで、確認用窓37から見える部分に報知用部38Aに変化をもたせて、ダストボックス30の状態を容易に確認できるようになっている。
【0081】
ここでは、ダストボックス30の内部に収容するホコリの量を確認し易くするために、ダストボックス30を透明部材とする。そのうえで、固定部材33A,33Bは、たとえば「橙色」などの有色部材とし、ダストボックス30に対して固定部材を極端に目立つようにする。同時に、両側端部に設けられるロック操作部35も容易に目立って、操作を確実に行うことができる。
【0082】
さらに、固定部材33A,33Bの移動操作にともなう確認用窓37から露出する部分に対応した位置に、報知用部として色付きシール38Aを貼付する。
この色付きシール38Aは、固定部材33A,33Bを移動操作して、ダストボックス30がロック位置にあるときに確認用窓37から露出する場合と、ロック解除の位置にあるときに確認用窓37から露出する位置にある場合とは、互いに異なる色になっている。
【0083】
たとえば、ダストボックス30をロック位置にスライドした場合に確認用窓37から露出する色付きシール38Aの色部分を、固定部材33A,33Bと同じ「橙色」とする。また、ダストボックス30をロック解除位置に移動操作した場合に、確認用窓37から露出する色付きシール38Aの色部分を、橙色とは反対色の「青色」とすれば、固定部材33A,33Bの位置確認が極めて容易に行えて着脱操作性が向上する。
【0084】
なお、報知用部としての色付きシール38Aを貼付するばかりでなく、ダストボックス30に直接、2色の色部分、もしくは互いに異なる模様を印刷した報知用部を備えてもよい。色付きシール38Aを製作する手間と、貼付する手間が省けて、安価に提供できる。
【0085】
つぎに、
図8ないし
図10にもとづいて、第3の実施の形態を説明する。
図8は、清掃ユニット体20とダストボックス30を分解して示す斜視図。
図9は、清掃ユニット体20とダストボックス30の組立状態の縦断面図。
図10は、室内機本体1の一部を省略した縦断面図である。
【0086】
図8に示すように、ダストボックス30の背面側端部で、左右幅方向の略中間部に、仮止め用爪部50を、ダストボックス30と一体に設ける。この仮止め用爪部50の数は1個に限定されるものではなく、左右両側端部にも設けても良い。
上述したように、ダストボックス30内部に収容するホコリを除去したあと、ダストボックス30の軸部31をエアフィルタ支持枠Wの掛合部に嵌め込んで、固定部材33A,33Bのロック操作部35を押し込む。
【0087】
ダストボックス30は軸部31を支点として回動するが、このとき、
図9に示すように、新たにダストボックス30に設けた仮爪止め用爪部50が清掃ユニット体20の端部に掛合する。
したがって、ダストボックス30が清掃ユニット体20から浮き上がることがなく、このあとの固定部材33A,33Bにおける操作の確実性が増す。仮に、固定部材33A,33Bに対する固定操作を忘れるようなことがあっても、ダストボックス30がホコリ除去中のエアフィルタFに絡むような異常の発生を確実に防止することができる。
【0088】
なお、以上述べた実施の形態は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。