特許第5911380号(P5911380)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5911380
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】車両用灯具ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/06 20060101AFI20160414BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   B60Q3/06
   B60Q1/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-131477(P2012-131477)
(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公開番号】特開2013-256141(P2013-256141A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】時枝 佑気
(72)【発明者】
【氏名】奥野 利幸
(72)【発明者】
【氏名】大杉 浩邦
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−225501(JP,A)
【文献】 特開昭62−15701(JP,A)
【文献】 実開昭60−191550(JP,U)
【文献】 国際公開第2009/110477(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/06
B60Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体の後面に設けられたリアコンビネーションランプと、
車両本体後部の荷室を開閉するバックドアに設けられたリッドランプと、
前記バックドアが閉じられたときには当該バックドアに覆われるとともに前記バックドアが開かれたときには車両後方へ露出する車両本体の後部開口内に車両後方向きに設けられた補助ランプと、
を備え、
前記リッドランプは、前記バックドアが閉じられたときに前記補助ランプの車両後方に位置するように配置されており、前記補助ランプから車両後方へ出射された光を透過させる透光部を有していることを特徴とする車両用灯具ユニット。
【請求項2】
前記リッドランプは、光源を有して当該光源によって発光するランプ部分を正面視の一部に有しており、正面視で当該ランプ部分を除く部分に前記透光部を有していることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項3】
前記リアコンビネーションランプと前記補助ランプとが一体的に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項4】
前記リアコンビネーションランプは内部に光源を有し、
前記補助ランプは、前記リアコンビネーションランプ内の前記光源によって発光するように、前記リアコンビネーションランプと内部を連通させていることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項5】
前記リアコンビネーションランプと前記補助ランプとが個別に光源を有していることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される車両用灯具ユニットとして、車両本体の後面に搭載されるリアコンビネーションランプの一部を、車両後部の荷室を開閉するためのバックドア(トランクリッドやテールゲート等を含む。)にリッドランプとして設けることで、灯具全体の発光面積を確保しつつ荷室の開口幅を広く取れるようにしたものが知られている。
【0003】
ところが、この種の車両用灯具ユニットでは、バックドアが開かれて荷室が開放しているときには、バックドアに設けられたリッドランプを車両後方から視認できず、安全性を低下させてしまう恐れがあった。
【0004】
この点、例えば特許文献1に記載の技術のように、リアコンビネーションランプ(テールランプ)の一部を、常態でバックドアに覆われる荷室内の下端縁部に補助ランプとして装備しておけば、バックドアが開かれたときであっても当該補助ランプを車両後方から視認でき、車両後方への安全性を担保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−349976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のように単純に補助ランプを設けただけでは、バックドアが閉じられた常態での見栄えが従来同様のもの、つまり、新たに設けた補助ランプが視認されずにリッドランプのみが視認されるものとなり、代わり映えしない見栄えとなってしまう。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、バックドアが開かれたときの車両後方への安全性を確保しつつ、バックドアが閉じられたときの見栄えを新たなものとすることができる車両用灯具ユニットの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、車両用灯具ユニットにおいて、
車両本体の後面に設けられたリアコンビネーションランプと、
車両本体後部の荷室を開閉するバックドアに設けられたリッドランプと、
前記バックドアが閉じられたときには当該バックドアに覆われるとともに前記バックドアが開かれたときには車両後方へ露出する車両本体の後部開口内に車両後方向きに設けられた補助ランプと、
を備え、
前記リッドランプは、前記バックドアが閉じられたときに前記補助ランプの車両後方に位置するように配置されており、前記補助ランプから車両後方へ出射された光を透過させる透光部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バックドアに設けられたリッドランプと、バックドアが開かれたときに車両後方へ露出する車両後方向きの補助ランプと、を備えるので、バックドアが開かれたときにはリッドランプに代えて(又はリッドランプと共に)補助ランプを点灯させることにより、バックドアが開かれたときの車両後方への安全性を確保することができる。
【0010】
また、リッドランプは、バックドアが閉じられたときに補助ランプの車両後方に位置するように配置されており、補助ランプから車両後方へ出射された光を透過させる透光部を有しているので、バックドアが閉じられたときに補助ランプから出射された光は、リッドランプの透光部を通じて車両後方へ照射される。これにより、リッドランプの透光部を通じて補助ランプが視認可能な非点灯時は勿論のこと、点灯時にもリッドランプの透光部を通じて補助ランプの発光状態が視認されるため、バックドアが閉じられたときには補助ランプが視認できなかった従来とは異なる見栄えとなる。したがって、バックドアが閉じられたときの見栄えを新たなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態及びその変形例における車両用灯具ユニットを備える車両の背面図である。
図2】実施形態及びその変形例における車両用灯具ユニットのバックドアが閉じられた状態での正面図である。
図3】実施形態における車両用灯具ユニットのバックドアが開かれた状態での正面図である。
図4】実施形態におけるリアランプの斜視図である。
図5】実施形態における車両用灯具ユニットの図2のII−II線での断面図である。
図6】実施形態における車両用灯具ユニットの図2のIII−III線での断面図である。
図7】実施形態の変形例におけるリアランプの斜視図である。
図8】実施形態の変形例における車両用灯具ユニットの図2のII−II線での断面図である。
図9】実施形態の変形例における車両用灯具ユニットの図2のIII−III線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態における車両用灯具ユニット1を備える車両Cの背面図であり、図2は、車両CのバックドアDが閉じられた状態での車両用灯具ユニット1の正面図であり、図3は、車両CのバックドアDが開かれた状態での車両用灯具ユニット1の正面図であり、図4は、車両用灯具ユニット1のうちのリアランプ2の斜視図であり、図5及び図6は、図2のII−II線及びIII−III線での断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、車両用灯具ユニット1は、車両Cの後部左右に搭載されて主に車両Cの後方へ向けて発光するリアランプユニットである。
なお、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具ユニット1から見た方向、すなわち車両Cから見た方向とは前後左右を逆にした方向を意味するものとする。
【0014】
車両用灯具ユニット1は、車両C本体に設けられたリアランプ2と、車両C本体後部の荷室を開閉する跳ね上げ式のバックドアDに設けられたリッドランプ3とを備えている。
【0015】
リアランプ2は、図3図5に示すように、車両C本体の後面側方端に設けられたリアコンビネーションランプ部(以下、RCランプ部という。)2aと、このRCランプ部2aの車両中央側に設けられた補助ランプ部2bとが一体的に形成された構成となっている。このうち、RCランプ部2aは、バックドアDの開閉に係らず外部に露出しており、後述する各種ランプとして点灯動作する。一方、補助ランプ部2bは、RCランプ部2aの車両中央側端の後半部から車両中央側へ延出しており、バックドアDが閉じられたときには当該バックドアDに覆われるとともに、バックドアDが開かれたとき(上方へ跳ね上げられたとき)には前方(車両後方)へ露出するように、車両C本体の後部開口内に車両後方向きに設けられている。
【0016】
具体的には、リアランプ2は、前面が開口したハウジング20と、当該ハウジング20の前面開口を覆うアウターレンズ21とを備えている。これらハウジング20及びアウターレンズ21は、RCランプ部2aと補助ランプ部2bとで内部を連通させつつ互いの周縁部で固定されており、当該ハウジング20及びアウターレンズ21で形成されるリアランプ2の灯室内には、赤色光を発するリアランプ光源22が収容されている。
【0017】
ハウジング20は、その内面に形成された第一反射面201及び第二反射面202を有している。
このうち、第一反射面201は、RCランプ部2aの上下方向の中央部であって、RCランプ部2aの正面視中央に配置されたリアランプ光源22の後方に設けられている。この第一反射面201は、リアランプ光源22の近傍を焦点とする放物面状に形成されており、当該リアランプ光源22から後方へ出射された光を前方(車両後方)へ反射させる。
一方、第二反射面202は、第一反射面201の車両中央側の端部に連なりつつ当該第一反射面201よりも上下方向に長くなるように、補助ランプ部2bの略全面に亘って設けられている。この第二反射面202は、リアランプ光源22の近傍を焦点とするとともに前方斜め車両側方側へ開口する放物面状に形成されており、当該リアランプ光源22から車両中央側へ出射された光を前方(車両後方)へ反射させる。つまり、RCランプ部2a内のリアランプ光源22から出射された光が補助ランプ部2b内の第二反射面202に入射するように、RCランプ部2aと補助ランプ部2bとは内部が連通している。
なお、第一反射面201及び第二反射面202は、ハウジング20とは別体のリフレクター(図示せず)に形成されていてもよい。
【0018】
アウターレンズ21は、RCランプ部2aの前面を覆う第一レンズ部211と、補助ランプ部2bの前面を覆う第二レンズ部212とが、連結部213によって段付き状に連結された形状に形成されている。具体的には、第一レンズ部211及び第二レンズ部212が、車両側方側に向かって後方へ湾曲しつつ傾斜するようにそれぞれ形成されており、第一レンズ部211の車両中央側の端部から後方へ延出する連結部213の後端部が、第二レンズ部212の車両側方側の端部に繋がっている。
【0019】
また、図2に示すように、ハウジング20とアウターレンズ21とで形成されるリアランプ2の灯室内には、ターンランプ23が収容されている。このターンランプ23は、RCランプ部2aの下部であって第一反射面201よりも下側に設けられ、方向指示器として点灯動作する。当該ターンランプ23は一般的な構成を有するランプユニットであるため、詳細な説明については省略する。
【0020】
リッドランプ3は、図2図5及び図6に示すように、バックドアDが閉じられたときに、補助ランプ部2bの前方(車両後方)であってRCランプ部2aの車両中央側に隣接する位置に配置されるように、バックドアDの左右側方端に設けられている。このリッドランプ3は、上下方向及び左右方向の各長さが補助ランプ部2bと略一致している。
具体的には、リッドランプ3は、前面が開口したハウジング30と、当該リッドランプ3の前面を構成するアウターレンズ31とを備えており、これらハウジング30及びアウターレンズ31で形成される灯室内に、赤色光を発するリッドランプ光源32を収容している。
【0021】
ハウジング30は、リッドランプ3の上下方向中央部に設けられており、その内面に形成された反射面301を有している。この反射面301は、リッドランプ光源32の近傍を焦点とする放物面状に形成されており、当該リッドランプ光源32から後方へ出射された光を前方へ反射させる。なお、反射面301は、ハウジング30とは別体のリフレクター(図示せず)に形成されていてもよい。
【0022】
アウターレンズ31は、バックドアDが閉じられたときに、リアランプ2のアウターレンズ21の第一レンズ部211に対して面一となるように形成されている。また、アウターレンズ31の上下方向中央部であってハウジング30の開口周縁と対応する後面部分には、後方へ立設された立設部311が正面視環状に形成されており、この立設部311の後端がハウジング30の開口周縁と固定されている。
【0023】
このアウターレンズ31のうち、正面視で立設部311の内側に位置する部分は、リッドランプ光源32から出射されてハウジング30の反射面301で反射された光を前方(車両後方)へ出射させる光源光出射部312となっている。
一方、アウターレンズ31のうち、立設部311よりも上側及び下側に位置する部分は、バックドアDが閉じられたときに補助ランプ部2bから前方へ出射された光を透過させる透光部313となっている。より詳しくは、この透光部313は、バックドアDが閉じられたときに補助ランプ部2bの上側部分又は下側部分の前方に位置しており、当該補助ランプ部2bの上側部分及び下側部分から前方へ出射された光を前方へ透過させる。
【0024】
続いて、車両用灯具ユニット1の点灯動作について説明する。
まず、バックドアDが開かれているときには、図3に示すように、車両用灯具ユニット1は、リアランプ2の補助ランプ部2bが車両後方へ露出した状態となっている。
この状態において、車両用灯具ユニット1が尾灯及び制動灯として点灯動作を行う旨の制御指令を車両本体から受けると、車両用灯具ユニット1は、リアランプ2のリアランプ光源22を点灯させる。
【0025】
このリアランプ光源22から出射された光(赤色光)のうち、ハウジング20の第一反射面201へ出射されたものは、当該第一反射面201で前方(車両後方)へ反射され、アウターレンズ21の第一レンズ部211を通じて車両後方へ照射される(図5参照)。これにより、第一反射面201が形成されたRCランプ部2aの上下方向中央部が車両後方向きに発光する。
【0026】
また、リアランプ光源22から出射された光(赤色光)のうち、車両中央側へ出射されたものは、RCランプ部2aから補助ランプ部2b内へ入射して第二反射面202で前方(車両後方)へ反射され、アウターレンズ21の第二レンズ部212を通じて車両後方へ照射される(図5参照)。これにより、補助ランプ部2bが、RCランプ部2a内のリアランプ光源22によって、略全面に亘って車両後方向きに発光する。
【0027】
次に、バックドアDが閉じられているときには、図2図5及び図6に示すように、車両用灯具ユニット1は、リアランプ2のRCランプ部2aの車両中央側にリッドランプ3が位置し、リアランプ2の補助ランプ部2bがバックドアD(リッドランプ3)に覆われた状態となっている。
【0028】
この状態において、車両用灯具ユニット1が尾灯及び制動灯として点灯動作を行う旨の制御指令を車両本体から受けると、車両用灯具ユニット1は、リアランプ2のリアランプ光源22と、リッドランプ3のリッドランプ光源32とを点灯させる。
【0029】
このうち、リッドランプ3のリッドランプ光源32から出射された光(赤色光)は、ハウジング30の反射面301で前方(車両後方)へ反射され、アウターレンズ31の光源光出射部312を通じて車両後方へ照射される。これにより、ハウジング30(反射面301)が位置するリッドランプ3の上下方向中央部が車両後方向きに発光する。
【0030】
一方、リアランプ2のリアランプ光源22から出射された光(赤色光)のうち、ハウジング20の第一反射面201へ出射されたものは、当該第一反射面201で前方(車両後方)へ反射され、アウターレンズ21の第一レンズ部211を通じて車両後方へ照射される。これにより、第一反射面201が形成されたRCランプ部2aの上下方向中央部が車両後方向きに発光する。
【0031】
また、リアランプ2のリアランプ光源22から出射された光(赤色光)のうち、車両中央側へ出射されたものは、RCランプ部2aから補助ランプ部2b内へ入射して第二反射面202で前方(車両後方)へ反射され、バックドアDが開かれているときと同様にして、アウターレンズ21の第二レンズ部212を通じて車両後方へ照射される。但し、このときには、リアランプ2の補助ランプ部2bがリッドランプ3に覆われているため、補助ランプ部2bの上下方向中央部から車両後方へ照射された光が、リッドランプ3のハウジング30によって遮光される一方で、補助ランプ部2bの上側部分又は下側部分から出射された光は、リッドランプ3のアウターレンズ31の透光部313を通じて車両後方へ照射される。これにより、リッドランプ3の上側部分及び下側部分は、ハウジング30の反射面301を用いた当該リッドランプ3の上下方向中央部とは異なり、より奥行きのある見栄えで車両後方向きに発光する。
【0032】
以上の車両用灯具ユニット1によれば、バックドアDに設けられたリッドランプ3と、バックドアDが開かれたときに車両後方へ露出する車両後方向きの補助ランプ部2bと、を備えるので、バックドアDが開かれたときにはリッドランプ3に代えて(又はリッドランプ3と共に)補助ランプ部2bを点灯させることにより、バックドアDが開かれたときの車両後方への安全性を確保することができる。
【0033】
また、リッドランプ3は、バックドアDが閉じられたときに補助ランプ部2bの車両後方に位置するように配置されており、補助ランプ部2bから車両後方へ出射された光を透過させる透光部313を有しているので、バックドアDが閉じられたときに補助ランプ部2bから出射された光は、リッドランプ3の透光部313を通じて車両後方へ照射される。これにより、リッドランプ3の透光部313を通じて補助ランプ部2bが視認可能な非点灯時は勿論のこと、点灯時にもリッドランプ3の透光部313を通じて補助ランプ部2bの発光状態が視認されるため、バックドアが閉じられたときには補助ランプが視認できなかった従来とは異なる見栄えとなる。したがって、バックドアDが閉じられたときの見栄えを新たなものとすることができる。
【0034】
また、リッドランプ3は、当該リッドランプ3が有するリッドランプ光源32によって発光するランプ部分を上下方向中央部に有しており、正面視で当該ランプ部分を除く上側部分及び下側部分に透光部313を有しているので、点灯時にリッドランプ3を正面(車両後方)から見たときに、透光部313を通じて補助ランプ部2bの発光状態が視認される上側部分及び下側部分の方が当該リッドランプ3のランプ部分を有する上下方向中央部よりも奥行き感のある見栄えとなる。したがって、リッドランプに設けた光源によって当該リッドランプの全面を単純に発光させた場合に比べ、斬新な点灯フィーリングを得ることができる。
【0035】
また、補助ランプ部2bが、RCランプ部2a内のリアランプ光源22によって発光するように、当該RCランプ部2aと一体的に構成されているので、補助ランプ部2b専用の光源を設ける必要がない。したがって、リアコンビネーションランプとは別体の補助ランプを設ける場合や、これらが一体的に構成されていても別光源によって発光する場合に比べ、部品点数の増加を抑えることができる。
【0036】
[変形例]
続いて、上記実施形態の変形例について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図7は、本変形例における車両用灯具ユニット1Aが備えるリアランプ5の斜視図であり、図8及び図9は、図2のII−II線及びIII−III線での車両用灯具ユニット1Aの断面図である。
【0038】
図1及び図2に示すように、本変形例における車両用灯具ユニット1Aは、上記実施形態におけるリアランプ2に代えて、リアランプ5を備えている。
【0039】
リアランプ5は、図7図9に示すように、上記実施形態におけるリアランプ2と同様に、車両C本体の後面側方端に設けられたRCランプ部5aと、このRCランプ部5aの車両中央側に設けられた補助ランプ部5bとが一体的に形成された構成となっている。しかしながら、このリアランプ5は、RCランプ部5aと補助ランプ部5bとが互いに内部を連通させておらずに個別に光源を有している点で、上記実施形態におけるリアランプ2と異なっている。
【0040】
具体的には、リアランプ5は、RCランプ部5aと補助ランプ部5bとで個別に前面が開口したハウジング50と、ハウジング50のうちのRCランプ部5a部分の前面開口を覆う第一アウターレンズ51と、ハウジング50のうちの補助ランプ部5b部分の前面開口を覆う第二アウターレンズ52とを備えている。そして、ハウジング50のうちのRCランプ部5a部分と第一アウターレンズ51とで形成されるRCランプ部5aの灯室内にはRCランプ光源53が収容され、ハウジング50のうちの補助ランプ部5b部分と第二アウターレンズ52とで形成される補助ランプ部5bの灯室内には補助ランプ光源54が収容されている。
【0041】
ハウジング50のうちのRCランプ部5a部分には、その内面に第一反射面501が形成されている。この第一反射面501は、RCランプ部5aの上下方向の中央部であって、RCランプ部5aの正面視中央に配置されたRCランプ光源53の後方に設けられている。当該第一反射面501は、RCランプ光源53の近傍を焦点とする放物面状に形成されており、当該RCランプ光源53から後方へ出射された光を前方へ反射させて、第一アウターレンズ51を通じて前方(車両後方)へ照射させる。なお、第一反射面501は、ハウジング50とは別体のリフレクター(図示せず)に形成されていてもよい。
【0042】
また、ハウジング50のうちの補助ランプ部5b部分には、その内面に第二反射面502が形成されている。この第二反射面502は、補助ランプ部5bの略全面に亘って設けられるとともに、当該補助ランプ部5bの正面視中央に配置された補助ランプ光源54の近傍を焦点とする放物面状に形成されており、当該補助ランプ光源54から後方へ出射された光を前方へ反射させて、第二アウターレンズ52を通じて前方(車両後方)へ照射させる。なお、第二反射面502は、ハウジング50とは別体のリフレクター(図示せず)に形成されていてもよい。
【0043】
以上の車両用灯具ユニット1Aによっても、上記実施形態における車両用灯具ユニット1と同様の効果を奏することができる。
すなわち、バックドアDが開かれたときにはリッドランプ3に代えて(又はリッドランプ3と共に)補助ランプ部5bを点灯させることにより、バックドアDが開かれたときの車両後方への安全性を確保することができる。
【0044】
また、バックドアDが閉じられたときに補助ランプ部5bから出射された光がリッドランプ3の透光部313を通じて車両後方へ照射されるので、リッドランプ3の透光部313を通じて補助ランプ部5bが視認可能な非点灯時は勿論のこと、点灯時にもリッドランプ3の透光部313を通じて補助ランプ部5bの発光状態が視認されるため、バックドアが閉じられたときには補助ランプが視認できなかった従来とは異なる見栄えとなる。したがって、バックドアDが閉じられたときの見栄えを新たなものとすることができる。
【0045】
また、点灯時にリッドランプ3を正面(車両後方)から見たときに、透光部313を通じて補助ランプ部5bの発光状態が視認される上側部分及び下側部分の方が当該リッドランプ3のランプ部分を有する上下方向中央部よりも奥行き感のある見栄えとなる。したがって、リッドランプに設けた光源によって当該リッドランプの全面を単純に発光させた場合に比べ、斬新な点灯フィーリングを得ることができる。
【0046】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態及びその変形例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0047】
例えば、上記実施形態では、リアランプ2(5)のRCランプ部2a(5a)とリッドランプ3とが左右方向に隣接することとしたが、例えば上下方向に隣接することとしてもよい。但し、この場合に、補助ランプ部2b(5b)の位置等を適宜変更する必要があることは勿論である。
【0048】
また、バックドアDは、車両後部の荷室扉であれば、トランクリッドやテールゲート等と呼ばれるものであってもよいし、跳ね上げ式のものでなくとも、横開き式や観音開き式のものであってもよい。
【0049】
また、リッドランプ3は、当該リッドランプ3が有するリッドランプ光源32によって発光するランプ部分を上下方向中央部に有し、その上側部分及び下側部分に透光部313を有することとしたが、これらランプ部分及び透光部313のリッドランプ3内での位置(正面視での位置)は、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0050】
1,1A 車両用灯具ユニット
2,5 リアランプ
2a,5a リアコンビネーションランプ部(リアコンビネーションランプ)
2b,5b 補助ランプ部(補助ランプ)
20,50 ハウジング
201,501 第一反射面
202,502 第二反射面
21 アウターレンズ
211 第一レンズ部
212 第二レンズ部
213 連結部
22 リアランプ光源
23 ターンランプ
51 第一アウターレンズ
52 第二アウターレンズ
53 RCランプ光源
54 補助ランプ光源
3 リッドランプ
30 ハウジング
301 反射面
31 アウターレンズ
311 立設部
312 光源光出射部
313 透光部
32 リッドランプ光源
C 車両
D バックドア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9