(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上述の通り、上記特許文献1に開示の流体配管系統の更新工法に用いられる接続ユニット(接続ユニットの下流側に順次配設される下流側接続ユニットを含む)は、流路を遮断する仕切弁の弁箱と一体形成されている上流側接続管部及び下流側接続管部の側面に、仕切弁の弁棒の中心線とは90度異なる水平方向の横向き姿勢で分水栓が一体的に設けて構成されているため、接続ユニット及び新設管を埋め戻す際には、この接続ユニットの少なくとも仕切弁本体及び両分水栓を保護するコンクリート製の地下中空構造体の天井壁部に、仕切弁本体の弁箱から突出する弁棒を上下方向の中心とする円筒状のコンクリート管を地表面に開口する状態で上下方向に連結してマンホールを構築する必要がある。
【0007】
そのため、マンホールの構築に多大の手間と費用を要し、工期の増大と工費の高騰化を招来する不都合がある。
特に、設定工区の長さを、掘削作業の開始時から埋め戻し作業の終了までを一日で終える長さに設定してある場合では、マンホールの構築の分だけ設定工区の長さが短くなり、これに伴って接続ユニットの配置数も増加するため、工期の増大と工費の高騰化を助長する不都合がある。
【0008】
しかも、更新工事時だけに必要とされる接続ユニットの仕切弁でありながら、流体配管系統を制御する仕切弁と同じ補修管理が必要で、補修管理面でも多くの手間と費用を要することになる。
【0009】
また、従来の接続ユニットでは、流路を遮断する仕切弁の弁箱と一体形成されている上流側接続管部及び下流側接続管部の側面に、仕切弁の弁棒の中心線とは90度異なる水平方向の横向き姿勢で分水栓が設けられているため、この接続ユニットの配設箇所の掘削にあたっては、両分水栓に対して水平方向から接続されるバイパス管や洗浄水供給管の配設スペース分だけ既設管の管軸芯に直交する水平方向に大きく掘削する必要があり、工費の高騰化を招来する一つの要因になっている。
【0010】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体配管系統を構成する既設管を所定長さの設定工区単位で更新する際に工費の軽減化と工期の短縮化及び補修管理の容易化を図ることのできる流体管ユニット及びこの流体管ユニットを用いた流体配管系統の更新工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る流体管ユニットは、流体配管系統に接続可能な流体管に、当該流体管内の流路を遮断可能な弁装置を管径方向から脱着可能な弁装着口部が形成され、この弁装着口部には、前記弁装置と前記弁装着口部を水密状態で閉塞する閉塞装置とを選択的に取付け可能な取付け手段が設けられているとともに、前記流路における前記弁装置の流路遮断位置よりも上流側の流路部分から管外に流体を分流する流体導出口部と、前記流路における前記弁装置の流路遮断位置よりも下流側の流路部分に管外から別の流体を供給する流体導入口部とが設けられている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、流体管ユニットの流体管の弁装着口部に設けられている取付け手段により、流体管内の流路を遮断可能な弁装置と、弁装着口部を水密状態で閉塞する閉塞装置とを選択的に取付けることができるので、流体配管系統を構成する既設管のうちの一部を撤去して新設管に更新する際、流路を開閉操作する必要のある工事期間中は、流体管の弁装着口部に弁装置を取付け、流路を開閉する必要のない埋め戻し前には、流体管の弁装着口部から弁装置を撤去し、この弁装着口部を閉塞装置で水密状態に閉止する。
【0013】
弁装着口部が閉塞装置で閉止された流体管は、弁関係の構成部材の管径方向外方への突出量が少なくなり、しかも、外部に露出する弁棒等の可動構成材が存在しないため、実質的に新設管と同等に取り扱うことができる。
【0014】
また、流体管ユニットの弁装置を流路遮断状態に操作して該流体管ユニットの下流側に接続されている既設管を新設管に更新する場合、例えば、この流体管ユニットの流体導出口部に各需要家の引込管に給水するためのバイパス管を接続することにより、流路遮断状態にある弁装置の上流側の流路部分から分流した流体を流体導出口部及びバイパス管を通して各需要家に給水しながら、流体管ユニットの下流側に接続されている既設管を新設管に更新することができる。
【0015】
さらに、更新した新設管を給水前に洗浄・殺菌処理等を行う場合には、流体管ユニットの流体導入口部に洗浄・殺菌用流体等の別の流体を供給するための流体供給管を接続することにより、流路遮断状態にある弁装置の下流側の流路部分に洗浄・殺菌用流体等の別の流体を供給することができる。
【0016】
したがって、流路を開閉するための弁装置と需要家に流体をバイパス供給するための流体導出口部、及び、新設管の洗浄・殺菌処理等の別の流体による処理を行うための流体導入口部とを流体管ユニットに装備して、既設管の更新作業を能率良く行うことができるようにしながらも、弁装着口部が閉塞装置で閉止された状態では、実質的に新設管と同様に埋め戻すことができるので、従来のように、流体管ユニットを保護するためのマンホールを構築する必要がなく、しかも、取り外された弁装置を他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化と工期の短縮化及び補修管理の容易化を図ることができる。
【0017】
本発明に係る流体管ユニットの更なる特徴構成は、前記流体導出口部及び前記流体導入口部の一方又は両方が前記弁装置に設けられている点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、流体管ユニットの流体導出口部及び流体導入口部の一方又は両方が弁装置に設けられているので、流体管ユニットの流体管を簡便な構成とすることができ、しかも、新設管に接続された流体管ユニットを地中に埋め戻す前に、当該流体管ユニットの弁装着口部から弁装置を取外すと、当該弁装置と共に流体導出口部及び流体導入口部の一方又は両方をも同時に取外すことができるため、流体管ユニットの製造費の軽減、及び、流体導出口及び流体導入口の一方又は両方の再利用を図ることができる。
【0019】
本発明に係る流体管ユニットの更なる特徴構成は、前記流体導出口部及び前記流体導入口部が前記弁装着口部と同じ向き姿勢で前記流体管に設けられている点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、流体管ユニットの流体導出口部及び流体導入口部が弁装着口部と同じ向き姿勢で流体管に設けられているので、例えば、弁装着口部が上方に向く姿勢で流体管ユニットを配設することにより、この流体管ユニットの上方に存在する空間を流体導出口部及び流体導入口部に接続される配管の配設空間に使用することができ、従来に比して掘削容積の削減によって工事費の軽減化を図ることができる。
【0021】
本発明に係る流体管ユニットの更なる特徴構成は、前記流体導出口部には第1バルブを脱着自在に接続可能な第1接続手段が設けられ、前記流体導入口部には第2バルブを脱着自在に接続可能な第2接続手段が設けられ、
前記第1接続手段には、前記流体導出口部を水密状態で閉塞する第1閉塞部材が装着可能に構成されているとともに、前記第2接続手段には、前記流体導入口部を水密状態で閉塞する第2閉塞部材が装着可能に構成されている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、流体管ユニットの流体導出口部に設けられた第1接続手段により、第1バルブと流体導出口部を水密状態で閉塞する第1閉塞部材とが選択的に装着可能に構成されているので、流体導出口部にバイパス管を接続する必要のある工事期間中は、この流体導出口部に第1バルブに取付け、バイパス管が必要でない埋め戻し前には、流体導出口部から第1バルブを撤去し、この流体導出口部を第1閉塞部材で水密状態に閉止する。
【0023】
また、流体管ユニットの流体導入口部に設けられた第2接続手段により、第2バルブと流体導入口部を水密状態で閉塞する第2閉塞部材とが選択的に装着可能に構成されているので、新設管の洗浄・殺菌処理等の別の流体による処理を行う必要のある工事期間中は、この流体導入口部に第2バルブを取付け、別の流体による処理が終了したのちの埋め戻し前には、流体導入口部から第2バルブを撤去し、この流体導入口部を第2閉塞部材で水密状態に閉止する。
【0024】
それ故に、流体導出口部及び流体導入口部が第1・第2閉塞部材で閉止された状態では、埋め戻し時に第1・第2バルブを保護する構造体を設ける必要がなく、しかも、取外した第1・第2バルブを他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化と工期の短縮化及び補修管理の容易化を促進することができる。
【0025】
本発明に係る流体管ユニットの更なる特徴構成は、前記弁装置には、前記流体管の弁装着口部に接続される密閉ケース本体と、前記密閉ケース本体内を前記弁装着口部の軸芯方向に沿って摺動可能な状態で当該密閉ケース本体に貫設された内外二重筒軸構造の筒軸と、この筒軸の内側筒軸の先端部側が貫通する状態で当該筒軸に装着された前記流体管の流路を閉止する閉塞バッグとが備えられているとともに、前記内側筒軸の外側面と前記筒軸の外側筒軸の内側面との間には、前記閉塞バッグ内にバッグ拡径用の流体を供給する第1流路が形成され、前記内側筒軸の内部には、前記閉塞バッグの下流側流路部分に臨む側面側において開口する内側開口部と前記密閉ケース本体の外部に位置する内側筒軸の端部側に設けられた前記流体導入口部とを連通する第2流路が形成され、前記密閉ケース本体の内側面と外側筒軸の外側面との間には、前記閉塞バッグの流路遮断位置よりも上流側流路部分と前記密閉ケース本体に設けられた前記流体導出口部とを連通する第3流路が形成されている点にある。
【0026】
上記特徴構成によれば、流体管ユニットの弁装着口部に弁装置の密閉ケース本体を接続し、密閉ケース本体内で弁装着口部の軸芯方向に沿って内外二重筒軸構造の筒軸を摺動させることで、筒軸の内側筒軸の先端部側が貫通する状態で当該筒軸に装着された閉塞バッグを流体管の流路内に送り込み、閉塞バッグを拡径側に弾性膨張変形させることにより、当該流路を閉塞することができる。
特に、弁装置の筒軸は、内側筒軸の外側面と外側筒軸の内側面との間に形成された環状の第1流路を介して、閉塞バッグ内にバッグ拡径用の流体を供給可能に構成され、当該バッグ拡径用の流体により閉塞バッグが拡径側に弾性膨張変形するように構成されており、また、内側筒軸の内部に形成された第2流路を介して、弁装置の流体導入口部からの洗浄・殺菌用流体等の別の流体を閉塞バッグ内の空間と区画した状態で、閉塞バッグの下流側流路部分に臨む側壁面において開口する内側開口部から閉塞バッグの流路遮断位置よりも下流側流路部分に供給して、当該閉塞バッグの流路遮断位置よりも下流側流路部分を洗浄・殺菌処理等するように構成されており、更に、密閉ケース本体の内側面と外側筒軸の外側面との間に形成された第3流路を介して、閉塞バッグの流路遮断位置よりも上流側流路部分からの流体を密閉ケース本体に設けられた流体導出口部から排出できるように構成されている。
即ち、筒軸内に、閉塞バッグを弾性膨張変形させるバッグ拡径用の流体を通流可能な第1流路、洗浄・殺菌用流体等の別の流体を流体導入口部から閉塞バッグにより遮断された流路遮断位置よりも下流側流路部分に通流可能な第2流路、流体を閉塞バッグにより遮断された流路遮断位置よりも上流側流路部分から流体導出口部に通流可能な第3流路が、夫々区画された状態で形成されており、装置の大型化を防止しながら、一つの筒軸で第1〜第3流路を確実に形成することができ、閉塞バッグによる流路の遮断、閉塞バッグによる流路遮断位置の上流側流路部分から弁装置の流体導出口部への流体の通流、及び、弁装置の流体導入口部から閉塞バッグによる流路遮断位置の下流側流路部分への洗浄・殺菌用流体等の別の流体の通流を実現することができる。
【0027】
本発明に係る流体管ユニットの更なる特徴構成は、前記弁装置には、前記流体管の弁装着口部に設けた第1連結部に前記取付け手段としての締結具にて固定連結される第2連結部を備えた弁蓋と、当該弁蓋に貫設された弁棒を介して前記流体管の弁装着口部から脱着自在に装着される弁体とが備えられているとともに、前記弁装着口部の第1連結部が前記弁蓋の第2連結部よりも径方向寸法が大に構成され、この第2連結部よりも外方に突出する第1連結部の突出部分が、前記弁体を備えた弁蓋を不断水状態で撤去する撤去設備の作業用ハウジングの取付け部に構成されている点にある。
【0028】
上記特徴構成によれば、流体管の弁装着口部に設けた第1連結部と弁蓋の第2連結部とを固定連結する取付け手段としての締結具を脱離することにより、弁装着口部から弁蓋、当該弁蓋に設けられた弁棒及び弁体を脱離することができ、流体管ユニットを簡便な構成にして、流体管ユニットの製造費を軽減することができる。
特に、弁装着口部の第1連結部が弁蓋の第2連結部よりも径方向寸法(流体管の軸芯に沿う方向の寸法)が大に構成されているので、この第2連結部よりも外方に突出する第1連結部の突出部分を、弁蓋を不断水状態で撤去する撤去設備の作業用ハウジングの取付け部とすることができ、流体管ユニットを再度掘削する際の掘削空間を小さくするために、流体管の弁装着口部の径方向外方への突出代が比較的小さく設定されている場合でも、当該取付け部を利用して、弁装着口部の第1連結部に弁蓋の撤去設備の作業用ハウジングを確実に取付けることができる。よって、撤去設備を用いて流体管ユニットの弁装置に設けられた弁蓋、弁棒及び弁体を確実に脱離することができる。
【0029】
本発明に係る流体管ユニットを用いた流体配管系統の更新工法は、流体配管系統に接続可能な流体管に、当該流体管内の流路を遮断可能な弁装置と閉塞装置とを管径方向から選択的に取付け可能な弁装着口部が形成された流体管ユニットを用いて、流体配管系統中の既設仕切弁を起点にしてそれよりも下流側の既設管を設定工区単位で更新する工法であって、下記の(1)〜(8)の工程を備えた流体配管系統の更新工法である点にある。
(1)前記設定工区の既設
管に不断水状態で第1工事用仕切弁を設け、
当該第1工事用仕切弁と前記既設仕切弁とを閉弁操作した状態
で、前記第1工事用仕切弁と前記既設仕切弁との間にある既設管を撤
去する工程、
(2)
前記設定工区内の需要家の第1引込管に対して前記第1工事用仕切弁とは反対側にある既設管に不断水状態で第2工事用仕切弁を設ける工程、
(3)
前記既設仕切弁を閉弁した状態で、前記既設仕切弁と前記第1引込管とを接続する第1バイパス管を設置する工程、
(4)
前記既設仕切弁を開弁操作して前記第1バイパス管に給水するとともに、
閉弁操作されている前記第1工事用仕切弁と閉弁操作されている
前記第2工事用仕切弁との間に位置する既設管を
、前記第1工事用仕切弁と共に撤去する工程、
(5)
前記既設仕切弁と
前記第2工事用仕切弁との間の撤去箇所に
、前記弁装着口部に前記弁装置が装着されてい
る前記流体管ユニット
が端部に接続された新設管を布設する工程、
(6)
前記弁装置を開弁して、前記既設仕切弁からの上水を前記流体管ユニットまで通水させ、前記新設管を洗浄する工程、
(7)
前記弁装置を閉弁して、前記新設管と
前記第1引込管とを接続する工程、
(8)
前記第1バイパス管を撤去するとともに、前記流体管ユニットと次の設定工区内の需要家の第2引込管とを接続する第2バイパス管を設置する工程。
【0030】
上記特徴構成によれば、流体配管系統中の既設仕切弁を起点にして、それよりも下流側の既設管を所定の作業時間内に掘削して埋め戻しを完了することが可能な所定長さの設定工区単位で新設管に更新する際、バイパス管を用いて設定工区内の各需要家への給水をできるだけ維持したまま、新設管に確実に布設替えすることができ、さらに、新設管内
の洗浄処理を良好に行うことができる。
【0031】
【0032】
したがって、流路を開閉するための弁装置と需要家に流体をバイパス供給するた
め、及び、新設管の洗浄・殺菌処理等の別の流体による処理を行うため
の流体管ユニットを用いて、既設管の更新作業を能率良く行うことができるようにしながらも、弁装着口部が閉塞装置で閉止された状態では、実質的に新設管と同様に埋め戻すことができるので、従来のように、流体管ユニットを保護するためのマンホールを構築する必要がなく、しかも、取り外された弁装置を他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化と工期の短縮化及び補修管理の容易化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔第1実施形態〕
以下、
図1〜
図13に基づいて、上水配管系統(流体配管系統の一例)を構成する既設管1を所定長さの設定工区D単位で更新する場合に用いられる流体管ユニットU1、及びこれを用いた上水配管系統の更新工法について説明する。
【0035】
図1(a)に示すように、上水配管系統は、例えば、2本の水道本管(図示せず)の間に亘って接続され且つ両水道本管寄りの端部側にそれぞれ既設仕切弁(
図1(a)では、上流側の既設仕切弁2のみ記載)を介装してある既設管1に、各需要家Cに給水するための複数の引込管3が接続されており、両水道本管から供給される上水Wが既設管1及び各引込管3を介して各需要家Cに供給されるように構成されている。
図1(a)では、上流側の既設仕切弁2が開弁状態(白抜きで示す、以下同様)となっており、水道本管からの上水Wが上流側の既設仕切弁2を介して各需要家Cに供給されている状態である。
【0036】
既設管1は、鋳鉄管や鋼管等からなり内部に流路を形成可能な管材であるが、複数の管材同士が水密に接続された構成であってもよく、一本の管材で構成されたものであってもよい。複数の管材同士が水密に接続された構成である場合には、受口管部と挿口管部とを備えた複数の管部材が適宜接続された構成とすることができる。
【0037】
ここで、既設管1には所定の耐用年数が定められており、この耐用年数を迎えると地中に埋設された既設管1を新設管Nに更新する必要があるが、既設管1の上方の地表に存在する道路等への影響をできるだけ少なくするために、既設管1の掘削作業の開始から埋め戻しまでの作業を所定の作業時間(本実施形態では、例えば、1日)内に完了できる所定長さの設定工区Dが設定され(
図1(a)において破線で示す領域を参照)、当該設定工区Dのみで更新工法が実行される。なお、新設管Nに更新した設定工区Dの下流側に更新工事を行う必要のある設定工区Dが続く場合には、この未工事の設定工区Dに存在する既設管1を、順次新設管Nに更新することができ、その後も、設定工区Dを下流側に順次移行させることにより、下流側の既設仕切弁(図示せず)が設けられた箇所の上流側まで順次既設管1を新設管Nに更新することができる。
【0038】
具体的には、このような上水配管系統中の上流側の既設仕切弁2を起点にしてそれよりも下流側の既設管1を設定工区D単位で更新する更新工法は、下記の(1)〜(8)の工程を備える。
【0039】
(1)
図1(a)に示すように、上流側の既設仕切弁2を起点にして所定長さの設定工区Dを設定し、
図1(b)に示すように、設定工区Dの既設管1の上流側部位を掘削して不断水状態で第1工事用仕切弁4を設け、この第1工事用仕切弁4と上流側の既設仕切弁2とを閉弁操作した状態(黒塗りで示す、以下同様)で両仕切弁2、4間におけるユニット配置相当箇所Pの既設管1を撤去し、
図2(c)に示すように、この撤去された箇所に、後述する弁装着口部11に弁装置Vが装着されている流体管ユニットU1を接続する(
図3及び
図4参照)。
【0040】
図3及び
図4に示すように、流体管ユニットU1は、上水配管系統に接続可能な流体管10に、当該流体管10内の流路を遮断可能な弁装置Vを管径方向から脱着可能な弁装着口部11が形成され、この弁装着口部11には、弁装置Vと弁装着口部11を水密状態で閉塞する閉塞装置Q(
図13参照)とを選択的に取付け可能な取付け手段Rが設けられているとともに、流路における弁装置Vの流路遮断位置よりも上流側の流路部分から管外に流体を分流する流体導出口部12と、流路における弁装置Vの流路遮断位置よりも下流側の流路部分に管外から別の流体を供給する流体導入口部13とが設けられている。
【0041】
流体管ユニットU1の流体管10は、軸芯X方向における一端に受口管部10Aを備え他端に挿口管部10Bを備えており、軸芯X方向における流体管10の中間部位には流体管10の外表面から上方に突出する弁装着口部11が形成されている。
弁装着口部11は、詳細は後述するが、取付け手段Rにより弁装置Vを構成する作業用仕切弁14と閉塞装置Qとが選択的に取付け可能に構成されている。
また、弁装着口部11は、流体管10内の流路と連通する分岐管部11aと、分岐管部11aの上端部に形成される連結フランジ部11b(取付け手段Rの一例)と、連結フランジ部11bの内径側部位に形成され作業用仕切弁14の下端部を係合可能な環状凹溝11cと、分岐管部11aの内側面の周方向複数箇所から径方向内方に突出形成される突出部11d(本実施形態では、周方向に2箇所)とを備えている。弁装着口部11の連結フランジ部11bには、後述する弁装置Vを構成する作業用仕切弁14の上下方向中間部位に突出形成された連結フランジ部14Aが、取付け手段Rとしての両端側に雄ネジ部を備えた両ネジボルト15aと一対のナット15bとにより脱着自在に締付固定されている。この連結フランジ部11bと連結フランジ部14Aとの締付固定は、両フランジ部11b、14Aに形成された挿通孔に両ネジボルト15aを挿通し、連結フランジ部11bの下面及び連結フランジ部14Aの上面から突出する両ネジボルト15aの両雄ネジ部にナット15bを夫々螺合させることで、両連結フランジ11b、14A同士が締付固定されるように構成されている。
【0042】
弁装置Vは、流体管10の弁装着口部11に接続される作業用仕切弁14と、当該作業用仕切弁14の下流側に接続される流路閉塞装置Sとを備える。
作業用仕切弁14は、作業用仕切弁14の筒状下端部14aをOリング(図示せず)を介した水密状態で連結フランジ部11bの環状凹部11cに係合させた状態で、両ネジボルト15a及び一対のナット15bにより分岐管部11aの連結フランジ部11bに脱着自在に締付連結される上流側の連結フランジ部14Aと、後述する流路閉塞装置Sの上流側の連結フランジ部20Aとボルト16・ナット17を介して脱着自在に水密状態で締付連結される下流側の連結フランジ部14Bと、連結フランジ部14Aと連結フランジ部14Bとの間の流路を遮断する弁体14Cとを備えている。
【0043】
流路閉塞装置Sは、主として作業用仕切弁14の下流側の連結フランジ部14Bに接続されて弁装着口部11に接続される筒状の密閉ケース本体20と、密閉ケース本体20内を弁装着口部11の軸芯Yに沿って摺動自在な状態で、密閉ケース本体20に貫設された内外二重筒軸構造の筒軸21と、筒軸21の内側筒軸22の先端部側が貫通する状態で当該筒軸21の先端部に装着されて、拡径側に弾性膨張変形して流体管10内の流路を閉止する閉塞バッグ23とを主として備える。
【0044】
密閉ケース本体20は、筒軸21を弁装着口部11の軸芯Yに沿って摺動可能な空間(図示せず)を内部に備え、下方側端部には、作業用仕切弁14の下流側の連結フランジ部14Bにボルト16・ナット17を介して脱着自在に水密状態で締付け連結される上流側の連結フランジ部20Aが形成され、上方側端部には、筒軸21を弁装着口部11の軸芯Yに沿って水密状態で摺動可能に軸支する蓋体24の連結フランジ部24Aにボルト16・ナット17を介して脱着自在に水密状態で締付連結される連結フランジ部20Bが形成されている。
【0045】
密閉ケース本体20には、弁装着口部11の軸芯Yに直交する方向(軸芯Yに直交し、流体管10の軸芯Xに沿う方向)で且つ流体管10の下流側に開口するバイパス管接続用の取付口(流体導出口部の一例)20aが形成され、取付口20aには当該取付口20aを開閉操作自在な開閉弁(第1バルブの一例)20bが接続されている。
【0046】
筒軸21は、内側筒軸22と外側筒軸25との内外二重筒軸構造に構成され、さらに、内側筒軸22及び外側筒軸25を同軸芯(軸芯Y)で内嵌する筒状の筒軸ガイド26を備えて構成されている。
【0047】
内側筒軸22は、内部に連通形成される第2流路28を備えた可撓性の筒状部材で形成され、後述するように閉塞バッグ23の内部空間23a内にバッグ拡径用の流体としての圧縮空気Aが供給されて(
図4参照)内側筒軸22の外周面から当該圧縮空気Aによる外圧を受けた場合でも、第2流路28を維持形成できる程度の強度、及び、少なくとも90度程度の屈曲を許容可能なステンレス管、ポリ管等のフレキシブルな可撓管で構成される。
密閉ケース本体20の外部に位置する内側筒軸22の後端部22aは、閉塞バッグ23による流路遮断位置の下流側流路部分に供給する塩素を含む洗浄・殺菌用液(洗浄・殺菌用流体(別の流体)の一例)Bの供給源(図示せず)が接続され、流体導入口部13として機能する。内側筒軸22の先端部22bには閉塞バッグ23が、当該先端部22bが閉塞バッグ23内を貫通した状態で装着されており、内側筒軸22の内部に連通される第2流路28は、閉塞バッグ23の内部空間23aと区画された状態となっている。内側筒軸22の先端に設けられる先端取付部22cは、閉塞バッグ23の挿入先端側の下流側流路部分に臨む側面側において開口する内側開口部23bの内径と略同径の外径を備え、当該内側開口部23b内に挿入固定されている。従って、内側筒軸22の第2流路28は、内側筒軸22の後端部22aから、内側筒軸22の先端部22bの先端取付部22cに亘って形成され、閉塞バッグ23の挿入後端側の開口端部23c、内部空間23a及び挿入先端側の内側開口部23bを介して、閉塞バッグ22の挿入先端側の下流側流路部分に連通する状態で形成されている。
【0048】
外側筒軸25は、内側筒軸22の外径よりも大径の内径を備えた筒状部材で形成され、先端側に配設されて少なくとも90度程度の屈曲が可能な屈曲部25aを備える。また、外側筒軸25は、内側筒軸22を内嵌支持した状態で筒軸ガイド26内を摺動させても破損しない程度の強度で、かつ、内側筒軸22の外周面と外側筒軸25の内周面との間に形成された環状流路である第1流路27を介して閉塞バッグ23の内部空間23a内に圧縮空気Aが供給されて、外側筒軸25の内周面から当該圧縮空気Aによる内圧を受けた場合でも破損しない程度の強度を備えたステンレス管等の金属管やポリ管等の樹脂管等で構成される。
【0049】
外側筒軸25の後端部における上方側部位には、貫通状態で配設される内側筒軸22の外周面との間を水密(気密)状態で封止するとともに、第1流路27の後端部を水密(気密)状態で封止する封止部材30が配設され、径方向外方側部位には、第1流路27に連通する連通口25bが開口形成されている。当該連通口25bは、圧縮空気Aの供給源(図示せず)に至る管路が接続される。一方、外側筒軸25の先端部の屈曲部25aの先端側部分の後端取付部25cは、閉塞バッグ23の挿入後端側の開口端部23cの内径と略同径の外径を備え、当該開口端部23c内に挿入固定されている。従って、外側筒軸25の内周面と内側筒軸22の外周面との間に形成される第1流路27は、外側筒軸25の後端部の連通口25bから、外側筒軸25の先端である後端取付部25cに亘って形成され、閉塞バッグ23の挿入後端側の開口端部23cを介して、閉塞バッグ23の内部空間23aに連通する状態で形成されている。
【0050】
筒軸ガイド26は、外側筒軸25の最大外径及び縮径状態にある閉塞バッグ23の最大外径よりも大径の内径を備えた筒状部材で構成され、直管状の本体部26Aと、本体部26Aよりも先端側に配設される先端部26Bとを備える。また、筒軸ガイド26は、外側筒軸25及び内側筒軸22を同軸芯で内嵌した状態で密閉ケース本体20内を摺動させても破損しない程度の強度で、かつ、上水Wが密閉ケース本体20内に流入した場合でも、破損しない程度の強度を備えた鋼管やステンレス管等の金属管或いはポリ管等の樹脂管等で構成される。
【0051】
また、筒軸ガイド26の本体部26Aは、弁装着口部11の軸芯Yに沿って水密状態で摺動可能に、密閉ケース本体20の蓋体24に貫通状態で軸支され、先端部26Bは、密閉ケース本体20の内部に位置するように配設されている。
【0052】
筒軸ガイド26の先端部26Bには、流体管10の軸芯Xに沿う方向の一端側に、流体管10の挿口管部10B側に開口する開口部26aが形成され、他端側に、閉塞バッグ23を弁装着口部11の軸芯Yに沿って筒軸ガイド26の先端側に順次移動させるにつれて閉塞バッグ23の挿入先端側が当接して、流体管10の軸芯Xに沿う方向に方向転換案内する曲面案内部26bが形成されている。曲面案内部26bの湾曲方向は、流体管10の受口管部10A側から挿口管部10B側に向けて湾曲するように形成されている。
【0053】
また、筒軸ガイド26の先端部26Bにおいて、弁装着口部11の軸芯Yに沿う方向における曲面案内部26bの外周面の先端側には、分岐管部11bを介して流体管10内に挿入された筒軸ガイド26の最大挿入位置を規制する規制部26cが突出形成されている。規制部26cは、一対の板状部材で構成され、板状部材の突出先端が上下方向で略同位置となるように形成され、最大挿入位置にまで挿入された筒軸ガイド26を安定的に支持可能に構成されている。
【0054】
従って、筒軸ガイド26が密閉ケース本体20内に収容されている状態から最大挿入位置に挿入された状態となる何れの状態でも、密閉ケース本体20の内側面と外側筒軸25の外側面との間には、環状流路である第3流路29が形成され、当該第3流路29により流体管10における閉塞バッグ23の流路遮断位置よりも上流側流路部分と密閉ケース本体20に設けられた取付口20aとが連通されている。
【0055】
閉塞バッグ23は、図示しないが、筒軸21の先端部に配設されて、拡径側に弾性膨張変形する筒状の内側バッグと、内側バッグよりも膨張率の低い可撓性の筒状の外側バッグとの二重構造で構成される。
内側バッグは、天然ゴム(NR)やスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム製であり、第1流路27を介して内側バッグの内部空間23aに供給される圧縮空気Aにより、拡径側に弾性膨張変形するように構成され、外側バッグは、布等の繊維状部材やゴム等或いはそれらが層状に一体化した比較的低弾性の可撓性の部材で、内側バッグよりも強度が高く膨張率が低い部材であり、内側バッグの弾性膨張変形に連れて外側バッグも拡径側へ拡径して、拡径状態において外側バッグの外周面が流体管10の内周面に良好に密着できる程度の外径を備えている。
【0056】
さらに、流路閉塞装置Sには、密閉ケース本体20の蓋体24に摺動自在に軸支された筒軸ガイド26を、密閉ケース本体20内の水圧に抗して弁装着口部11の軸芯Yに沿う方向に送り込むための送込部材としてのレバーブロック(登録商標、以下同様)31を備えている。
レバーブロック31は、密閉ケース本体20の取付口20aよりも上方側の外周面から径方向外方側に突出形成される一対の係止リング31Aと、筒軸ガイド26における本体部26Aの後端部の外周面から径方向外方側に突出形成される一対の取付リング31Bと、係止リング31Aに係止可能な第1フック31Cと、取付リング31Bに係止可能な第2フック31Dと、係止リング31Aと取付リング31Bとに亘って一方の第1フック31Cに引き出し可能に連繋されたチェーン(又はワイヤー)31Eを緊締側に巻き取り操作する操作レバー31Fとを備えて構成されている。
【0057】
このような構成の流体管ユニットU1の弁装着口部11に上流側から作業用仕切弁14及び流路遮断装置Sが記載順に連結接続された状態で、当該流体管ユニットU1の受口管部10Aが、既設管1を撤去したユニット配置相当箇所Pの上流側(既設管1の上流側残置管部)に形成されている挿口管部1Aにシール材等(図示せず)を介して水密状態で外嵌接続される(
図2(c)、
図3及び
図4参照)。以下では、ユニット配置相当箇所Pに接続される流体管ユニットU1を、便宜的に上流側の流体管ユニットUaと呼ぶ場合がある。
【0058】
(2)次に、
図2(c)に示すように、上述の上流側の流体管ユニットUaの接続と並行して或いは接続後に、設定工区Dの既設管1の下流端側部位を掘削して不断水状態で第2工事用仕切弁5を設ける。
【0059】
(3)
図2(d)に示すように、設定工区Dの全体を掘削して、上流側の流体管ユニットUaの取付口20aに接続された開閉弁20bに、設定工区D内の需要家Cに給水するためのバイパス管6を接続するとともに、各需要家Cの引込管3を開閉可能な弁(図示せず)を用いて各引込管3内の流路を閉止した状態で、バイパス管6と各需要家Cの引込管3とを接続する。そして、
図2(e)に示すように、上流側の流体管ユニットUaの開閉弁20b及び上流側の既設仕切弁2を開弁操作し上流側の流体管ユニットUaの流路遮断装置Sの閉塞バッグ23を拡径させて流体管10内の流路を閉止して、各需要家Cに給水する。この際、各需要家Cへの上水Wの供給は引込管3とバイパス管6とを接続する際に停止する場合があるが、停止時間は最小限にとどめることができる。
【0060】
この場合、
図3及び
図4に示すように、流路閉塞装置Sによる流体管10内の流路の閉止は、以下のように行われる。
レバーブロック31の操作レバー31Fを操作して、筒軸ガイド26の本体部26A及び先端部26Bを、密閉ケース本体20内の水圧に抗して弁装着口部11の軸芯Yに沿う方向に摺動させ、先端部26Bの規制部26cが流体管10の内周面に当接或いは近接する最大挿入位置にまで送り込む。内側筒軸22が内嵌された外側筒軸25を、弁装着口部11の軸芯Yに沿う方向に筒軸ガイド26に対して相対的に順次摺動させるにつれて、内側筒軸22及び外側筒軸25の先端部に亘って配設された縮径状態にある閉塞バッグ23の挿入先端側が、流体管10の軸芯Xに沿う方向に方向転換案内させる曲面案内部26bの内面に当接するとともに、内側筒軸22、外側筒軸25の屈曲部25aが屈曲し、閉塞バッグ23を流体管10の軸芯Xに沿う方向に方向転換案内した状態で円滑に流体管10内の所定位置に挿入する。圧縮空気Aを第1流路27を介して閉塞バッグ23の内部空間23aに供給し、拡径した閉塞バッグ23の外周面が流体管10の内周面に密着し流路を閉止する。
【0061】
(4)
図2(e)に示すように、第2工事用仕切弁5にて既設管1内の流路を閉止して、上流側の流体管ユニットUaと第2工事用仕切弁5との間に位置する既設管1及び引込管3を撤去する。
【0062】
(5)
図5(f)に示すように、上流側の流体管ユニットUaと第2工事用仕切弁5との間の撤去箇所に、新設管Nと、上流側の流体管ユニットUaと同一の構成の下流側の流体管ユニットUb(他の流体管ユニットの一例)とを、当該下流側の流体管ユニットUbが新設管Nの下流端に位置する状態で布設する。なお、新設管Nは、新設管Nの上流側端部に形成される受口管部(図示せず)が上流側の流体管ユニットUaの挿口管部10Bにシール材等(図示せず)により水密状態で外嵌接続され、新設管Nの下流側端部に形成される挿口管部(図示せず)が下流側の流体管ユニットUbの受口管部10Aにシール材等(図示せず)により水密状態で内嵌接続される(
図6及び
図7参照)。
【0063】
(6)
図5(f)及び
図6に示すように、下流側の流体管ユニットUbの流路遮断装置Sの閉塞バッグ23を拡径させて流体管10内の流路を閉止して、上流側の流体管ユニットUaの内側筒軸22の後端部22aから第2流路28を介して新設管N内に塩素を含む洗浄・殺菌用液Bを供給して洗浄・殺菌処理するとともに、新設管N内に供給された洗浄・殺菌用液Bを下流側の流体管ユニットUbの分岐管部11b、作業用仕切弁14、密閉ケース本体20(第3流路29)、取付口20aを介して開閉弁20bから管外に排出する。
この新設管Nの洗浄・殺菌処理は、水道本管(図示せず)から上流側の既設仕切弁2、上流側の流体管ユニットUaの流体管10内の流路、分岐管部11b、作業用仕切弁14、密閉ケース本体20(第3流路29)、取付口20a及び開閉弁20bを介する各需要家Cへの上水Wの供給を維持したまま、上流側の流体管ユニットUaの流路閉塞装置Sの閉塞バッグ23の流路閉塞位置よりも下流側の流路部分(新設管N)に洗浄・殺菌用液Bを供給し、下流側の流体管ユニットUbの取付口20aから管外に排出するため、各需要家Cへの上水Wの通流を遮断することなく実行することができる。
【0064】
(7)
図5(g)及び
図7に示すように、上流側の流体管ユニットUaの開閉弁20b及び作業用仕切弁14を閉弁操作し、上流側の流体管ユニットUaの閉塞バッグ23を縮径して流体管10内の流路を開放して、水道本管から上流側の既設仕切弁2及び上流側の流体管ユニットUaの流体管10内の流路を介して新設管Nに上水Wを通水させ洗浄処理し、新設管N内に供給された上水Wを下流側の流体管ユニットUbの分岐管部11b、作業用仕切弁14、密閉ケース本体20(第3流路29)、取付口20aを介して開閉弁20bから管外に排出する。
その後、
図8(h)に示すように、下流側の流体管ユニットUbの開閉弁20bを閉弁操作して、新設管Nと各需要家Cの引込管3とを接続する。
【0065】
(8)
図8(h)に示すように、上流側の流体管ユニットUaの開閉弁20bからバイパス管6を撤去するとともに、
図8(i)に示すように、上流側の流体管ユニットUaの作業用仕切弁14から流路閉塞装置(後述する閉塞装置Qの装着に障害となる弁装置Vの一部)Sを不断水状態で撤去し、
図9(j)に示すように、上流側の流体管ユニットUaの作業用仕切弁14に後述する撤去・装着用設備Tを装着して、
図9(k)に示すように、弁装着口部11に閉塞装置Qを不断水状態で取付けると共に、作業弁仕切弁(弁装置Vの残置部)14を不断水状態で撤去する。
【0066】
図10に示すように、上流側の流体管ユニットUaの作業用仕切弁14からの流路閉塞装置Sの撤去は、作業用仕切弁14の弁体14Cを閉弁操作した状態で、流路閉塞装置Sの密閉ケース本体20の上流側の連結フランジ部20Aと作業用仕切弁14の下流側の連結フランジ部14Bとを締付連結するボルト16・ナット17の固定を解除することにより行われる。
【0067】
弁装着口部11からの作業用仕切弁14の撤去及び閉塞装置Qの取付けは、
図10〜
図13に示すように、撤去・装着用設備Tを用いて、以下の手順で行われる。
【0068】
尚、この撤去・装着用設備Tは、公知の設備であるので詳細な説明は省略するが、
図11及び
図12に示すように、主として、作業用仕切弁14の連結フランジ部14Bにボルト16・ナット17により脱着自在に締付固定される連結フランジ部80Aを備えたケース本体80と、ケース本体80の中央側部分において連結フランジ部80Aよりも上方に膨出形成された膨出部80Bに水密状態で貫設される操作軸81と、操作軸81の先端部に着脱自在に連結された中蓋82(閉塞装置Qの一例)とを備えている。
中蓋82は、主として、外周面に略L字状に凹設された一対のバヨネット溝82aを備えた係合部82Aと、係合部82Aの上端側に凹設された環状溝(図示せず)内に装着された環状のシール材82Bと、係合部82Aに対して相対近接移動することによりシール材82Bを係合部82Aとの間で圧縮させ、シール材82Bが径方向外方へ膨張変形させる押圧部82Cとを備えている。なお、係合部82A、縮径状態のシール材82B及び押圧部82Cの外径は、分岐管部11aの内径より若干小さくなるように設定されており、分岐管部11aの突出部11dの内径は、バヨネット溝82aの外径よりも若干大きく且つ係合部82Aの外径よりも若干小さくなるように設定されている。
操作軸81は、主軸83と、主軸83に内嵌される中軸84とを備えた内外二重筒構造に構成されている。
主軸83の上端部には第1ハンドル85を備え、第1ハンドル85を軸方向に移動させることにより、主軸83に連結された中蓋82を弁装着口部11の分岐管部11aの軸芯Yに沿って移動させることができ、第1ハンドル85を軸芯Y周りで回転させることにより中蓋82の押圧部82Cを係合部82Aに対して近接移動させることができるように構成されている。
中軸84の上端部には、主軸83の上端部よりも上方に突出する部位に、第2ハンドル部86を備え、第2ハンドル86を軸芯Y周りで回転させることにより中軸84に連結される中蓋82の係合部82Aを軸芯Y周りで回転させることができるように構成されている。
【0069】
[a]
図11に示すように、流路閉塞装置Sが取外された作業用仕切弁14の下流側の連結フランジ部14Bに、ボルト16・ナット17によりケース本体80の連結フランジ部80Aを水密状態で固定連結する。この状態では、操作軸81に取付けられた中蓋82は、作業用仕切弁14内における弁体14Cの下流側に位置している。
【0070】
[b]
図12に示すように、作業用仕切弁14の弁体14Cを開弁操作した後、操作軸81(主軸83及び中軸84)を、分岐管部11aの突出部11dが中蓋82の係合部82Aの外周面に形成されたバヨネット溝82aのうちの縦溝(軸芯Y方向に形成された溝、図示せず)に挿入され且つ縦溝端に接触するまで、下降移動させる。その後、第2ハンドル86により操作軸81の中軸84を軸芯Y周りに回転させて、分岐管部11aの突出部11dがバヨネット溝82aのうちの横溝(軸芯Y周りに形成された溝、図示せず)に挿入され且つ横溝端に接触するまで、係合部82Aを軸芯Y周りで回転させる。この状態では、分岐管部11aの突出部11dがバヨネット溝82a内に係合し、中蓋82の軸芯Y方向での移動及び軸芯Y周りでの回転が規制されたロック状態となっている。
続いて、第1ハンドル85により操作軸81の主軸83を軸芯Y周りに回転させて、押圧部82Cを係合部82Aに対して相対近接移動させ、シール材82Bを径方向外方へ膨張変形させて、シール材82Bと分岐管部11aの内周面との間を密封し、弁装着口部11を密封する(
図13参照)。
【0071】
[c]
図13に示すように、操作軸81と中蓋82との連結を解除し、両ネジボルト15及びナット16の連結を解除して、弁装着口部11の連結フランジ部11bから作業用仕切弁14及び撤去・装着設備Tを撤去するとともに、分岐管部11aの連結フランジ部11bに外蓋(閉塞装置Qの一例)87を水密状態で取付ける。外蓋87には連結フランジ部87Aが形成されており、当該連結フランジ部87Aと弁装着口部11の連結フランジ部11bとは取付け手段Rとしてのボルト88・ナット89により水密状態で固定連結されている。なお、分岐管部11aの連結フランジ部11bに固定連結された外蓋87は径方向外方側への厚みが比較的薄く、径方向外方への突出代が比較的小さくなるように構成されており、また、外蓋87により分岐管部11a内に保持されている中蓋82のシール材82Bの保護及び防塵を実現できるように構成されている。
【0072】
これらより、第1実施形態に係る流体管ユニットU1を用いて、上水配管系統中の既設仕切弁2を起点にしてそれよりも下流側の既設管1を設定工区D単位で更新する更新工法によれば、流体管ユニットU1の流体管10の弁装着口部11に設けられている取付け手段Rとしての連結フランジ部11b、両ネジボルト15a及びナット15b又はボルト88・ナット89により、流体管10内の流路を遮断可能な流路遮断装置S及び作業用仕切弁14と、弁装着口部11を水密状態で閉塞する閉塞装置Qとを選択的に取付けることができるので、上水配管系統を構成する既設管1のうちの一部を撤去して新設管Nに更新する際、流路を開閉操作する必要のある工事期間中は、流体管10の弁装着口部11に流路遮断装置S及び作業用仕切弁14を取付け、流路を開閉する必要のない埋め戻し前には、流体管10の弁装着口部11から流路遮断装置S及び作業用仕切弁14を撤去し、この弁装着口部11を閉塞装置Qで水密状態に閉止する。
従って、弁装着口部11が閉塞装置Qで閉止された流体管10は、弁関係の構成部材の管径方向外方への突出量が少なくなり、しかも、外部に露出する弁棒等の可動構成材が存在しないため、実質的に新設管Nと同等に取り扱うことができる。
【0073】
また、流体管ユニットU1の流路遮断装置Sを流路遮断状態に操作して該流体管ユニットU1の下流側に接続されている既設管1を新設管Nに更新する場合、例えば、この流体管ユニットU1の流体導出口部12に各需要家Cの引込管3に給水するためのバイパス管6を接続することにより、流路遮断状態にある流路遮断装置Sの上流側の流路部分から分流した上水Wを流体導出口部12及びバイパス管6を通して各需要家Cに給水しながら、流体管ユニットU1の下流側に接続されている既設管1を新設管Nに更新することができる。
【0074】
さらに、更新した新設管Nを給水前に洗浄・殺菌処理等を行う場合には、流体管ユニットU1の流体導入口部13に洗浄・殺菌用液Bを供給するための流体供給管(図示せず)を接続することにより、流路遮断状態にある流路遮断装置Sの下流側の流路部分に洗浄・殺菌用液Bを供給することができる。
【0075】
よって、流路を開閉するための流路遮断装置Sと需要家Cに上水Wをバイパス供給するための流体導出口部12、及び、新設管Nの洗浄・殺菌処理の洗浄・殺菌用液Bによる処理を行うための流体導入口部13とを流体管ユニットU1に装備して、既設管1の更新作業を能率良く行うことができるようにしながらも、弁装着口部11が閉塞装置Qで閉止された状態では、実質的に新設管Nと同様に埋め戻すことができるので、従来のように、流体管ユニットU1を保護するためのマンホールを構築する必要がなく、しかも、取り外された流路遮断装置S及び作業用仕切弁14を他の流体管ユニットU1に転用することができるので、工費の軽減化と工期の短縮化及び補修管理の容易化を図ることができる。
【0076】
加えて、流体管ユニットU1の流体導出口部12及び流体導入口部13の両方が流路遮断装置Sに設けられているので、流体管ユニットU1の流体管10を簡便な構成とすることができ、しかも、新設管Nに接続された流体管ユニットU1を地中に埋め戻す前に、当該流体管ユニットU1の弁装着口部11から流路遮断装置Sを取外すと、当該流路遮断装置Sと共に流体導出口部12及び流体導入口部13の両方をも同時に取外すことができるため、流体管ユニットU1の製造費の軽減、及び、流体導出口12及び流体導入口13の両方の再利用を図ることができる。
【0077】
なお、新設管Nに更新した設定工区Dの下流側に更新工事を行う必要のある設定工区Dが続く場合には、この未工事の設定工区Dに存在する既設管1を、上記(2)〜(8)の工程を実行することにより、新設管Nに更新することができ、その後も、設定工区Dを下流側に順次移行させることにより、既設管1を下流側の既設仕切弁(図示せず)が設けられた箇所或いは下流側の既設仕切弁が存在せず流路が閉鎖された閉鎖端の上流側まで順次新設管Nに更新することができる。
【0078】
〔第2実施形態〕
以下、
図14〜
図21に基づいて、第2実施形態に係る流体管ユニットU2、及びこれを用いた上水配管系統の更新工法について説明する。なお、
図1、
図2、
図5、
図8及び
図9に示す上水配管系統の更新工法の基本的な工程は、第1実施形態と略同様であるので、必要に応じて説明を省略する。
【0079】
上記第1実施形態に係る流体管ユニットU1では、取付口20a(流体導出口部12の一例)及び内側筒軸22の後端部22a(流体導入口部13の一例)が弁装置Vとしての流路遮断装置Sに一体的に設けられるとともに、弁装置Vが、閉塞バッグ23を用いて流体管10内の流路を閉止する流路遮断装置S及び作業用仕切弁14を備える構成とした。
【0080】
これに対して、第2実施形態に係る流体管ユニットU2では、
図14に示すように、流体導入口部13及び流体導出口部12が流体管10に一体的に設けられるとともに、弁装置Vが、流体管10の弁装着口部61に設けた連結フランジ部(第1連結部の一例)61Aにボルト62(締結具及び取付け手段Rの一例)にて水密状態で固定連結される連結フランジ部(第2連結部の一例)64Aを備えた鋳鉄製の弁蓋64と、当該弁蓋64に貫設された弁棒65を介して流体管10の弁装着口部61から脱着自在に装着されるゴムライニングが施された弁体66とを有する仕切弁60を備えた構成とされている。
なお、弁装着口部61の連結フランジ部61Aには、弁蓋64の連結フランジ部64Aと弁装着口部61を水密状態で閉塞する閉塞装置Q(
図21参照)とを、ボルト62により選択的に取付け可能に構成されている。
【0081】
弁蓋64の上部中央には、弁棒65を水密状態で回転操作自在に貫通支持する軸支承部64Bが設けられ、下部の外周側には連結フランジ部64Aが形成されている。
弁棒65のネジ軸部に螺合された弁体66は、弁棒65の上端部に形成されている角軸状の回転操作部65aの回転操作により、弁装着口部61内の流路において流体管10に形成された貫通口10aを介して流路開放位置と流路遮断位置との間で上下方向にスライド移動されるように構成されている。弁体66が流路開放位置にある場合には、弁体66の先端は貫通口10aよりも上方の弁蓋64及び弁装着口部61内の流路部分に形成される空間内に位置し、弁体66が流路閉塞位置にある場合には、弁体66のゴムライニングが施された部位が、流体管10の貫通口10aに対向する流体管10の内周部位に径方向外方側に窪み形態で形成される弁座67に水密状態で当接して、流体管10内の流路を閉止するように構成されている。なお、弁体66が流路開放位置にある場合には、弁体66の先端は弁蓋64の連結フランジ部64Aの下面よりも若干下方に突出している。
【0082】
弁装着口部61の連結フランジ部61Aは、弁蓋64の連結フランジ部64Aよりも径方向寸法が大に構成され、連結フランジ部64Aよりも外方に突出する連結フランジ部61Aの突出部分61aが、弁体66及び弁棒65を備えた弁蓋64を不断水状態で撤去する撤去設備Gの作業用ハウジングHの取付け部として機能するように構成されている。
【0083】
また、流体管ユニットU2の流体管10における仕切弁60の流路遮断位置よりも下流側には、流体管10内の流路と連通し雌ネジ部(第2接続手段の一例)を備えた分水口部68を備え、当該分水口部68が、流体管10内の流路における仕切弁60の流路遮断位置よりも下流側の流路部分に管外から洗浄・殺菌用液Bを供給する流体導入口部13として機能する。
分水口部68の雌ねじ部には、雄ネジ部を備え且つ分水口部68を開閉自在な第2バルブ69が管径方向から脱着自在に螺合接続されており、当該分水口部68の雌ねじ部には、第2バルブ69と、後述する分水栓(第2閉塞部材の一例)70とが選択的に装着可能に構成されている。
【0084】
さらに、流体管ユニットU2の流体管10における仕切弁60の流路遮断位置よりも上流側には、流体管10内の流路と連通する分岐管部71を備え、当該分岐管部71が、流体管10内の流路における仕切弁60の流路遮断位置よりも上流側の流路部分から管外に上水W等を分流する流体導出口部12として機能する。分岐管部71の構成は、第1実施形態の弁装着口部11と同様の構成であり、また、分岐管部71に接続されている弁72(第1バルブの一例)の構成は第1実施形態の作業用仕切弁14と同様の構成であるため、説明を省略する。
分岐管部71には、弁72の連結フランジ部72Aと、第1実施形態の閉塞装置Qである中蓋82及び外蓋87(第1閉塞部材の一例)とが選択的に装着可能に構成されている。
【0085】
流体管ユニットU2の流体管10では、弁装着口部61、分水口部68及び分岐管部71は、何れも流体管10の上方側に突出形成され同じ向き姿勢となるように形成されている。
【0086】
第2実施形態に係る流体管ユニットU2を用いて、上水配管系統中の上流側の既設仕切弁2を起点にしてそれよりも下流側の既設管1を設定工区D単位で更新する更新工法について簡単に説明する。
【0087】
(1)上流側の既設仕切弁2を起点にして所定長さの設定工区Dを設定し、設定工区Dの既設管1の上流側部位を掘削して不断水状態で第1工事用仕切弁4を設け、この第1工事用仕切弁4と上流側の既設仕切弁2とを閉弁操作した状態で両仕切弁2、4間におけるユニット配置相当箇所Pの既設管1を撤去し、この撤去された箇所に、後述する弁装着口部61の連結フランジ部61Aに弁装置Vが装着されている流体管ユニットU2を接続する(
図1(a)及び(b)、
図2(c)参照)。
【0088】
(2)次に、流体管ユニットU2のうちの上流側の流体管ユニットUaの接続と並行して或いは接続後に、設定工区Dの既設管1の下流端側部位を掘削して不断水状態で第2工事用仕切弁5を設ける(
図2(c)参照)。
【0089】
(3)設定工区Dの全体を掘削して、上流側の流体管ユニットUaの分岐管部71に接続された弁72に、設定工区D内の需要家Cに給水するためのバイパス管6を接続するとともに、各需要家Cの引込管3を開閉可能な弁(図示せず)を用いて各引込管3内の流路を閉止した状態で、バイパス管6と各需要家Cの引込管3とを接続する(
図2(d)参照)。そして、上流側の流体管ユニットUaの弁72及び上流側の既設仕切弁2を開弁操作し上流側の流体管ユニットUaの仕切弁60の弁体66を流路閉塞位置にスライドさせて流体管10内の流路を閉止して、各需要家Cに給水する(
図2(e)参照)。この際、各需要家Cへの上水Wの供給は引込管3とバイパス管6とを接続する際に停止する場合があるが、停止時間は最小限にとどめることができる。
【0090】
(4)第2工事用仕切弁5にて既設管1内の流路を閉止して、上流側の流体管ユニットUaと第2工事用仕切弁5との間に位置する既設管1及び引込管3を撤去する(
図2(e)参照)。
【0091】
(5)上流側の流体管ユニットUaと第2工事用仕切弁5との間の撤去箇所に、新設管Nと、上流側の流体管ユニットUaと同一の構成の下流側の流体管ユニットUb(他の流体管ユニットの一例)とを、当該下流側の流体管ユニットUbが新設管Nの下流端に位置する状態で布設する(
図5(f)参照)。
【0092】
(6)下流側の流体管ユニットUbの仕切弁60の弁体66を流路閉塞位置にスライドさせて流体管10内の流路を閉止して、上流側の流体管ユニットUaの分水口部68から第2バルブ69を介して新設管N内に塩素を含む洗浄・殺菌用液Bを供給して洗浄・殺菌処理するとともに、新設管N内に供給された洗浄・殺菌用液Bを下流側の流体管ユニットUbの分岐管部71を介して弁72から管外に排出する(
図5(f)及び
図15参照)。
【0093】
(7)上流側の流体管ユニットUaの弁72を閉弁操作し、上流側の流体管ユニットUaの仕切弁60の弁体66を流路開放位置にスライドさせて流体管10内の流路を開放して、水道本管から上流側の既設仕切弁2及び上流側の流体管ユニットUaの流体管10内の流路を介して新設管Nに上水Wを通水させ洗浄処理する(
図5(g)及び
図16参照)。
その後、下流側の流体管ユニットUbの弁72を閉弁操作して、新設管Nと各需要家Cの引込管3とを接続する(
図8(h)参照)。
【0094】
(8)上流側の流体管ユニットUaの弁72からバイパス管6を撤去するとともに(
図8(h)参照)、上流側の流体管ユニットUaの弁装着口部61から仕切弁60(弁蓋64、弁棒65及び弁体66)を不断水状態で撤去したのち、弁装着口部61に閉塞装置Qを不断水状態で取付ける(
図9(k)、
図17〜
図21参照)。
【0095】
弁装着口部61からの仕切弁60の撤去及び閉塞装置Qの取付けは、
図17〜
図21に示すように、撤去設備Gを用いて、以下の手順で行われる。
【0096】
尚、この撤去設備Gには、
図17〜
図20に示すように、弁蓋64の下半部及び流体管10の弁装着口部61の外周を囲繞する分割構造の下側ハウジング部H1と、水平方向に開閉作動可能な弁体40Aを備えた撤去・装着用作業弁40の弁箱40Bをもって構成される中間ハウジング部H2と、弁蓋64や閉塞装置Qを収納可能な収納室41を備えた上側ハウジング部H3とからなる作業用ハウジングHが装備されているとともに、この作業用ハウジングHの上側ハウジング部H3の天井板部42には、弁蓋64や閉塞装置Qを昇降搬送する昇降搬送手段Eが装備されている。
【0097】
作業用ハウジングHの下側ハウジング部H1を構成するに、弁蓋64の下半部を囲繞する分割構造の上側筒状ケース43の下端部に、流体管10の弁装着口部61の連結フランジ部61Aの上面周縁部に載置支持される分割構造の載置フランジ44が一体形成され、上側筒状ケース43の上端部には、撤去・装着用作業弁40の弁箱40Bの下端部を載置支持する分割構造の大径の支持フランジ45が一体形成されている。ここで、弁装着口部61の連結フランジ部61Aが、弁蓋64の連結フランジ部64Aよりも径方向寸法が大に構成されているため、連結フランジ部64Aよりも外方に突出する連結フランジ部61Aの突出部分61aが、弁体66及び弁棒65を備えた弁蓋64を不断水状態で撤去する撤去設備Gの作業用ハウジングH(下側ハウジング部H1の載置フランジ44)の取付け部として機能するように構成されている。
【0098】
さらに、載置フランジ44の下面には、流体管10の弁装着口部61を囲繞する分割構造の下側筒状ケース46が一体形成され、この下側筒状ケース46の周方向複数箇所には、弁装着口部61の連結フランジ部61Aの下面を通る水平延長線上又はその近傍位置にネジ軸芯が位置するネジ筒47を貫通状態で固着し、各ネジ筒47には、弁装着口部61の連結フランジ部61Aの下面側の外周縁部に形成されたテーパー面に水平方向から当接するテーパー状押え面を備えた押込みボルト48が螺合されている。
【0099】
この押込みボルト48の螺合操作による引き寄せ作用により、下側ハウジング部H1の載置フランジ44が弁装着口部61の連結フランジ部61Aの上面(突出部分61a)に水密状態で固定連結される。
【0100】
下側ハウジング部H1の取付け作業時には、弁蓋64の連結フランジ部64Aの外径よりも大径な弁装着口部61の連結フランジ部61Aの突出部分61aに、下側ハウジング部H1の載置フランジ44を載置することができ、下側ハウジング部H1の取付け作業を能率良く容易に行うことができるとともに、作業用ハウジングH側の大きな荷重を弁装着口部61の連結フランジ部61Aに確実に支持させることができる。
【0101】
撤去・装着用作業弁40の弁箱40Bのうち、下側ハウジング部H1の支持フランジ45に対して上方から外嵌可能な連結筒部40aの内周面には、支持フランジ45の上面の外周縁部に上方から当接可能な環状の鍔部40bが形成されている。
【0102】
この連結筒部40aの周方向複数箇所には、図示はしないが、前述の下側ハウジング部H1のネジ筒47及び押込みボルト48と同様に、下側ハウジング部H1の支持フランジ45の下面を通る水平延長線上又はその近傍位置にネジ軸芯が位置するネジ筒を貫通状態で固着し、各ネジ筒には、支持フランジ45の下面側の外周縁部に形成されたテーパー面に水平方向から当接するテーパー状押え面を備えた押込みボルトが螺合されている。
この押込みボルトの螺合操作による引き寄せ作用により、撤去・装着用作業弁40の弁箱40Bの鍔部40bが下側ハウジング部H1の支持フランジ45の上面に水密状態で固定連結される。
【0103】
上側ハウジング部H3の下端部に形成された下側連結フランジ49は、弁箱40Bの上端部に形成された上側連結フランジ40Cに対して締結手段を構成するボルト50A・ナット50Bにより水密状態で固定連結されている。
【0104】
昇降搬送手段Eを構成するに、上側ハウジング部H3の天井板部42に設けた昇降ガイド筒42Aに、弁蓋64と閉塞装置Qとを選択的に取付け可能な連結具51Aを下端に備えた昇降搬送軸51が水密状態で摺動自在に挿通され、この昇降搬送軸51の上端部に設けた可動取付け板52と昇降ガイド筒42Aに設けた固定取付け板53とにわたって、連結具51Aに取付けられた弁蓋64又は閉塞装置Qを水圧に抗して弁装着口部61側に押付け操作可能な押付け手段54を構成する長尺な押えボルト54Aとナット54Bが設けられている。
【0105】
昇降搬送軸51の上昇は、昇降搬送軸51の連結具51Aに取付けられた弁蓋64に作用する水圧、又は、昇降搬送軸51の上端部に連結されたクレーン等による強制上昇力の付与と水圧との組み合わせにより行うが、いずれの場合も昇降搬送軸51の急激な上昇動を規制しながら行うように構成されている。
また、昇降搬送軸51の連結具51Aに取付けられた弁蓋64をハウジング外の所定箇所に搬送撤去する場合には、上側ハウジング部H3と一緒に所定箇所まで吊下げ搬送するように構成されている。
【0106】
[a]
図17は、流体管10の弁装着口部61の連結フランジ部61Aに作業用ハウジングHを取付けるとともに、昇降搬送軸51の連結具51Aと弁蓋64とを連結する工程を示す。
【0107】
この工程では、先ず、下側ハウジング部H1の載置フランジ44を弁装着口部61の連結フランジ部61Aの径方向外方への突出部分61aに載置した状態で、当該連結フランジ部61Aに、分割構造の下側ハウジング部H1を弁装着口部61の径方向外方から装着して、当該下側ハウジング部H1の分割構造体同士を水密状態で連結したのち、押込みボルト48を操作して下側ハウジング部H1の載置フランジ44を弁装着口部61の連結フランジ部61Aに水密状態で固定連結する。
【0108】
次に、下側ハウジング部H1の支持フランジ45に、撤去・装着用作業弁40の弁箱40Bの連結筒部40aを上方から嵌合装着し、図外の押込みボルトを操作して弁箱40Bの鍔部40bを下側ハウジング部H1の支持フランジ45に水密状態で固定連結する。
【0109】
昇降搬送手段Eを備えた上側ハウジング部H3を、撤去・装着用作業弁40の弁箱40Bの上方位置にクレーン等で吊下げ搬入し、この上側ハウジング部H3の下側連結フランジ49と弁箱40Bの上側連結フランジ40Cとの間に形成されている作業用空間を通して、昇降搬送軸51の連結具51Aを弁蓋64の上部に連結する。
【0110】
弁箱40Bの上側連結フランジ40C上に上側ハウジング部H3の下側連結フランジ49を載置し、この両連結フランジ40C、49同士をボルト50A・ナット50Bで水密状態に固定連結したのち、押付け手段54の上方側のナット54Bを締付け操作して連結具51Aに取付けられた弁蓋64を水圧に抗して弁装着口部61側に水密状態で押付け固定する。
【0111】
[b]
図18は、昇降搬送軸51の連結具51Aに取付けられた弁蓋64を、弁蓋64に設けられた弁棒65及び弁体66とともに上側ハウジングH3の収納室41に取り出す工程を示す。
【0112】
この工程では、連結具51Aにより弁蓋64を弁装着口部61側に水密状態で押付け固定した状態で、弁装着口部61の連結フランジ部61Aと弁蓋64の連結フランジ部64Aとを固定連結していた取付け手段Rであるボルト62を撤去し、弁装着口部61の連結フランジ部61Aのボルト挿通孔に止水・ガイド用ボルト73を、当該止水・ガイド用ボルト73の先端部が連結フランジ部61Aの上面から上方に突出した状態で装着して、止水処理する。
【0113】
次に、昇降搬送軸51を上昇作動させてそれの連結具51Aに取付けられている弁蓋64を上側ハウジングH3の収納室41に搬入したのち、撤去・装着用作業弁40の弁体40Aを閉じ操作する。
【0114】
[c]
図19は、閉塞装置Qを構成する閉止蓋74を弁装着口部61の連結フランジ部61Aに装着して、弁装着口部61の弁装着口を止水状態で密封する工程を示す。
【0115】
この工程で使用される閉止蓋74は、下側ハウジング部H1の載置フランジ44の内径よりも小さな外径を有し、弁装着口部61の連結フランジ部61Aのボルト挿通孔に対応するボルト挿通孔を備えている。
【0116】
昇降搬送軸51の連結具51Aに閉止蓋74を取付けてある上側ハウジング部H3の下側連結フランジ49を、閉弁状態にある撤去・装着用作業弁40の上側連結フランジ40C上に吊下げ搬入して載置し、この両連結フランジ40C、49同士をボルト50A・ナット50Bで水密状態に固定連結する。
【0117】
次に、撤去・装着用作業弁40を開弁操作し、押付け手段54の上方側のナット54Bを締付け操作して連結具51Aに取付けられた閉止蓋74を弁装着口部61の連結フランジ部61A上に載置する。この際、弁装着口部61の連結フランジ部61Aのボルト挿通孔に装着されている止水・ガイド用ボルト73が当該連結フランジ部61Aの上面から上方に突出しているので、当該突出部分を閉止蓋74を載置する際のガイドとして用いることができ、閉止蓋74を所定位置に容易に載置することができる。
【0118】
[d]
図20、
図21は、流体管10の弁装着口部61の連結フランジ部61Aから作業用ハウジングHを撤去するとともに、弁装着口部61の連結フランジ部61Aに閉塞装置Qの閉止蓋74を水密状態で取付ける工程を示す。
【0119】
この工程では、連結具51Aにより弁蓋64を弁装着口部61側に水密状態で押付け固定した状態で、弁装着口部61の連結フランジ部61Aのボルト挿通孔に装着されている止水・ガイド用ボルト73を撤去し、このボルト挿通孔に取付け手段Rとしてのボルト62を装着して、ボルト62により弁装着口部61の連結フランジ部61Aと閉止蓋74とを水密状態で固定連結する。
そして、上側ハウジング部H3の下側連結フランジ49と弁箱40Bの上側連結フランジ40Cとを固定連結しているボルト50A・ナット50Bを固定解除操作して撤去し、上側ハウジング部H3を少しクレーン等で上昇させ、この上側ハウジング部H3の下側連結フランジ49と弁箱40Bの上側連結フランジ40Cとの間に形成されている作業用空間を通して、昇降搬送軸51の連結具51Aと閉止蓋74との連結を解除する。なお、弁装着口部61の連結フランジ部61Aに固定連結された閉止蓋74は径方向外方側への厚みが比較的薄く、径方向外方への突出代が比較的小さくなるように構成されている。
【0120】
そして、上側ハウジング部H3を所定箇所に吊下げ搬送して撤去したのち、弁装着口部61の連結フランジ部61Aから撤去・装着用作業弁40を撤去する。
【0121】
なお、説明を省略するが、仕切弁60の撤去及び閉塞装置Qの取付けに前後して、適宜手段により、分水口部68から不断水状態で第2バルブ69を取り外して当該分水口部68を分水栓70により閉塞し、分岐管部71から不断水状態で弁72を取り外して当該分岐管部71を第1実施形態で示す中蓋82及び外蓋87により閉塞されている。
【0122】
これらより、第2実施形態に係る流体管ユニットU2を用いて、上水配管系統中の既設仕切弁2を起点にしてそれよりも下流側の既設管1を設定工区D単位で更新する更新工法によれば、流体管ユニットU2の流体管10の弁装着口部61に設けられている取付け手段Rとしてのボルト62・ナット63により、流体管10内の流路を遮断可能な仕切弁60と、弁装着口部61を水密状態で閉塞する閉塞装置Qとを選択的に取付けることができるので、上水配管系統を構成する既設管1のうちの一部を撤去して新設管Nに更新する際、流路を開閉操作する必要のある工事期間中は、流体管10の弁装着口部61に仕切弁60を取付け、流路を開閉する必要のない埋め戻し前には、流体管10の弁装着口部61から仕切弁60を撤去し、この弁装着口部61を閉塞装置Qで水密状態に閉止する。
従って、弁装着口部61が閉塞装置Qで閉止された流体管10は、弁関係の構成部材の管径方向外方への突出量が少なくなり、しかも、外部に露出する弁棒65等の可動構成材が存在しないため、実質的に新設管Nと同等に取り扱うことができる。
【0123】
また、流体管ユニットU2の仕切弁60を流路遮断状態に操作して該流体管ユニットU2の下流側に接続されている既設管1を新設管Nに更新する場合、例えば、この流体管ユニットU2の流体導出口部12に各需要家Cの引込管3に給水するためのバイパス管6を接続することにより、流路遮断状態にある仕切弁60の上流側の流路部分から分流した上水Wを流体導出口部12及びバイパス管6を通して各需要家Cに給水しながら、流体管ユニットU2の下流側に接続されている既設管1を新設管Nに更新することができる。
【0124】
さらに、更新した新設管Nを給水前に洗浄・殺菌処理等を行う場合には、流体管ユニットU2の流体導入口部13に洗浄・殺菌用液Bを供給するための流体供給管(図示せず)を接続することにより、流路遮断状態にある仕切弁60の下流側の流路部分に洗浄・殺菌用液Bを供給することができる。
【0125】
よって、流路を開閉するための仕切弁60と需要家Cに上水Wをバイパス供給するための流体導出口部12、及び、新設管Nの洗浄・殺菌処理の洗浄・殺菌用液Bによる処理を行うための流体導入口部13とを流体管ユニットU2に装備して、既設管1の更新作業を能率良く行うことができるようにしながらも、弁装着口部61が閉塞装置Qで閉止された状態では、実質的に新設管Nと同様に埋め戻すことができるので、従来のように、流体管ユニットU2の仕切弁60(弁体66)を開閉操作或いは保護するためのマンホールを構築する必要がなく、しかも、取り外された仕切弁60を他の流体管ユニットU2に転用することができるので、工費の軽減化と工期の短縮化及び補修管理の容易化を図ることができる。
【0126】
加えて、流体管ユニットU2の流体導出口部12及び流体導入口部13が弁装着口部61と同じ向き姿勢で流体管10に設けられているので、弁装着口部61が上方に向く姿勢で流体管ユニットU2を配設することにより、この流体管ユニットU2の上方に存在する空間を流体導出口部12及び流体導入口部13に接続される配管(図示せず)の配設空間に使用することができ、従来に比して掘削容積の削減によって工事費の軽減化を図ることができる。
【0127】
なお、新設管Nに更新した設定工区Dの下流側に更新工事を行う必要のある設定工区Dが続く場合には、この未工事の設定工区Dに存在する既設管1を、上記(2)〜(8)の工程を実行することにより、新設管Nに更新することができ、その後も、設定工区Dを下流側に順次移行させることにより、既設管1を下流側の既設仕切弁(図示せず)が設けられた箇所或いは下流側の既設仕切弁が存在せず流路が閉鎖された閉鎖端の上流側まで順次新設管Nに更新することができる。
【0128】
〔別実施形態〕
(A)上記の第1実施形態では、流体導出口12及び流体導入口13の両方を弁装置Vとしての流路閉塞装置Sに設ける構成としたが、何れか一方のみを弁装置Vに設ける構成としてもよい。
【0129】
(B)上記の第1及び第2実施形態では、洗浄・殺菌処理及び洗浄処理の両方を実行したが、必要に応じて何れか一方又は両方を省略することもできる。
【0130】
(C)上記の第1及び第2実施形態では、設定工区Dとして掘削から埋め戻しを一日で行うことができる所定長さに設定したが、連続して工事を行うことができる所定時間に応じて、設定工区Dを所定の長さに設定することができる。
【0131】
(D)上記の第1実施形態では、弁装着口部11から作業用仕切弁14を撤去し弁装着口部11に閉塞装置Qを取付ける際に撤去・装着用装置Tを用いたが、不断水状態で作業用仕切弁14の撤去及び閉塞装置Qの取付を行うことができる装置であれば、その他の装置を用いてもよい。
【0132】
(E)上記の第1実施形態では、閉塞バッグ23を拡径する拡径用の流体として圧縮空気Aを用いたが、閉塞バッグ23を良好に拡径することができる構成であれば、その他の流体、例えば、窒素ガスや水等の流体を用いることができる。また、洗浄・殺菌処理に用いる別の流体である洗浄・殺菌用流体として、塩素を含む洗浄・殺菌用液体Bを用いたが、新設管N内を良好に洗浄・殺菌できる流体であれば、その他の流体を用いることができる。
【0133】
(F)上記の第1及び第2実施形態では、流体配管系統として上水Wが通流する上水配管系統の既設管1を新設管Nに更新する更新工法について説明したが、流体配管系統を通流する流体として液体、気体、気液混合流体等が通流する既設管1を新設管Nに更新する更新工法とすることもできる。
【0134】
(G)上記の第1及び第2実施形態では、弁装置Vを撤去する際に、撤去・装着用設備Tや撤去設備Gを用いる構成について説明したが、弁装置Vを不断水状態で撤去することができる構成であれば、その他の設備を用いることもできる。
【0135】
(H)上記の第1及び第2実施形態では、上流側の流体管ユニットUaの受口管部10Aに、既設管1を撤去したユニット配置相当箇所Pの上流側(既設管1の上流側残置管部)に形成され且つ先端側外周面に抜け止め用の凸部(図示せず)を備えた挿口管部1Aを内嵌接続しているが、既設管1を切断撤去して挿口管部1Aに当該凸部が存在しない場合には、当該挿口管部1Aの先端側外周面に当該凸部を成形加工して受口管部10Aに内嵌接続してもよく、また、上流側の流体管ユニットUaの受口管部10Aに先端側外周面に凸部を備えない挿口管部1Aを内嵌接続し、当該挿口管部1Aと受口管部10Aとの嵌合部分に介装されたシール材を、挿口管部1Aに外嵌され当該挿口管部1Aの外周面に喰い込む爪部材等の離脱防止手段を備えた押輪により押圧固定する構成としてもよい。即ち、上流側の流体管ユニットUaの受口管部10A及び挿口管部10Bの接続形態は適宜変更することができる。また、上流側の流体管ユニットUaは何れの端部が受口管部或いは挿口管部であっても、両端部が受口管部或いは挿口管部であってもよく、また、その他の接続形態であってもよい。
【0136】
なお、上記の第1及び第2実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。