特許第5911501号(P5911501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5911501
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】一枝蒿の抽出物の新たな用途方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/97 20060101AFI20160414BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20160414BHJP
   C11D 3/382 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   A61K8/97
   A61Q19/10
   C11D3/382
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-538029(P2013-538029)
(86)(22)【出願日】2011年3月18日
(65)【公表番号】特表2013-543848(P2013-543848A)
(43)【公表日】2013年12月9日
(86)【国際出願番号】CN2011000450
(87)【国際公開番号】WO2012088733
(87)【国際公開日】20120705
【審査請求日】2013年5月13日
(31)【優先権主張番号】201010618186.9
(32)【優先日】2010年12月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511168143
【氏名又は名称】ウルムチ イージーハオ バイオテクノロジー カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】URUMQI YI ZHI−HAO BIOTECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100127166
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 政憲
(74)【代理人】
【識別番号】100118267
【弁理士】
【氏名又は名称】越前 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】ジン リピン
(72)【発明者】
【氏名】レイ ホン
(72)【発明者】
【氏名】リ ナ
【審査官】 森井 隆信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−226386(JP,A)
【文献】 特開2002−212009(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0087523(US,A1)
【文献】 YONG et al., Synthesis of Rupestonic Acid Amide Derivatives and in vitro Anti-influenza A3, B and Herpes Simplex Type I and II Viruses,Chinese Journal of Organic Chemistry,中国,Shanghai Institute of Organic Chemistry, Chinese Chemical Society,2008年,Vol.28, Issue 10,pp.1807-1812
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/97
A61Q 19/10
C11D 3/382
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枝蒿の抽出物を含む洗浄用液であって、該一枝蒿の抽出物は、(1)一枝蒿に対し該一枝蒿の体積の10倍の水を入れて2時間の一次煎を行い、(2)一枝蒿の体積の8倍の水を入れて2時間の二次煎を行い、(3)粕を捨てた液体を60℃に冷却し、(4)冷却された液体を該液体と水の体積比1:25で希釈し、(5)該希釈溶液をマクロ多孔性樹脂で30分間吸着し、(6)該吸着された溶液を該マクロ多孔性樹脂の体積の10倍の容量の70%エタノールで溶出し、(7)溶出されたエタノール溶出液から60℃以下でエタノールを回収して濃縮することにより、
(8)比重が1.20〜1.40になった
一枝蒿の抽出物であり、
かつ、該一枝蒿の抽出物の重量含有率が0.05〜2.25%であることを特徴とする洗浄用液
【請求項2】
前記一枝蒿の抽出物の重量含有率が0.1〜1.5%であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄用液
【請求項3】
前記一枝蒿の抽出物の重量含有率が0.5%であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄用液
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液の製作分野に関し、特に、ある一枝蒿の抽出物の新たな用途方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新疆一枝蒿(Artemisia rupestris L.)は、新疆独特なウイグル族医学常用の生薬である。海抜1000〜3000メートルぐらいの山地で育ち、多年生草本、蓬属(Artemisia L.)、キク科(Compostiae)の一つの植物である。アントキサンチン類、ケト酸類、グリコシド類、アミノ酸類、多糖類、セスキテルペン類、揮発油類、ポリペプチドとアルカロイドなど活性成分を含み、一枝蒿のフラボノイドは抗がん、抗酸化、肝臓保護、抗菌、小腸の平滑筋活動などを促進することができる。従来技術において、一枝蒿の抽出物は広く生薬に応用されているものの、洗浄液に応用することは今まで知られておりません。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は現在の技術不足を補うことを目的とし、一枝蒿の抽出物の新たな用途方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記技術問題を解決するために、以下のような方案を採用する。
【0005】
一枝蒿の抽出物の新たな用途方法であって、洗浄液に応用したことを特徴とする。
【0006】
さらに、前記洗浄液は洗浄エキスであり、前記一枝蒿の抽出物は前記洗浄エキスにおける重量含有率が0.1〜1.5%である。
【0007】
また、前記一枝蒿の抽出物は、前記洗浄エキスにおける重量含有率が0.5%であることが好ましい。
【0008】
前記洗浄液はハンドソープであり、前記一枝蒿の抽出物は前記ハンドソープにおける重量含有率が0.05〜2.25%である。
【0009】
さらに、前記一枝蒿の抽出物は、前記ハンドソープにおける重量含有率が0.5%であることが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に記載した前記一枝蒿の抽出物は以下の方法により抽出される。
【0011】
一枝蒿を洗ってから角切りにし、それぞれに一枝蒿の体積の10倍の水を入れて第一次に煎じ、2時間続けた後、再び水を一枝蒿の体積の8倍まで入れて第二次に煎じ、同様に2時間経てからその粕を捨て、出来上がった液体を60℃に冷却し、その液体と水の体積比例を1:25の希釈率で希釈し、出来上がった希釈溶液をマクロ多孔性樹脂で30分間吸着し、又、70%エタノールで溶出液を溶出する。エタノールの体積容量は、樹脂の体積の10倍とし、溶出流速を3ml/minとし、出来上がった溶出液を60℃以下で濃縮して回収し、エタノールが1.20〜1.40の相対密度に達して一枝蒿の抽出物が出来上がる。
【0012】
一枝蒿の抽出物を洗浄エキスに応用する場合の製作方法は以下の通りである。
【0013】
鍋に純水及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C12)を入れ、加熱しながら73〜78℃まで撹拌し、そして、水酸化ナトリウム水溶液を入れて均一に撹拌し、水酸化ナトリウムが完全に溶解した後、73〜78℃の温度でヤシ油ジエタノールアミンを入れて均一に撹拌し、40〜45℃に冷却し、撹拌しながら、チャムソウル抽出液、一枝蒿の抽出物、二重イミダゾリジニルウレア、日用香料、クエン酸を入れ、40〜45℃の状況で均一に撹拌し、サンプリングにより検測する。
【0014】
一枝蒿の抽出物をハンドソープに応用する場合の製作方法は以下の通りである。
【0015】
鍋に純水とラウレス‐(1‐4)硫酸アンモニウムを入れ、加熱しながら73〜78℃まで撹拌し、ココイル‐ベタインを入れ、73〜78℃の温度で均一に撹拌し、ココイル‐ベタインが完全に溶解した後、ヤシ油ジエタノールアミンを入れ、73〜78℃の温度で均一に撹拌し、40〜45℃に冷却し、グリセリン、チャムソウル抽出液、一枝蒿の抽出物、二重イミダゾリジニルウレア、日用香料を入れながら撹拌し、40〜45℃に保ち、1時間撹拌してから、クエン酸のPHを6〜7に調節し、サンプリングにより検測する。
【0016】
一枝蒿の抽出物はある植物の抽出物で、インフルエンザウイルス、各細菌を抑制でき、過敏症を抑制する。本発明は一枝蒿の抽出物を洗浄液に応用すると、皮膚を清潔にするだけでなく、ウイルス、細菌及び過敏も抑制され、皮膚を保護、潤す効果がある。
【実施例1】
【0017】
実施例1は、一枝蒿の抽出物を洗浄エキスに応用したものである。
【0018】
具体的実施例において、一枝蒿の抽出物及び洗浄エキス中の他の成分の成分比は、表1(100kgの洗浄エキス中における各成分の重量)に示した通りである。
【0019】
【表1】
【0020】
好適な分配比は、表2(100kgの洗浄エキス中における各成分の重量)に示した通りである。
【0021】
【表2】
【実施例2】
【0022】
実施例2は、ハンドソープに応用したものである。
【0023】
具体的実施例において、一枝蒿の抽出物及びハンドソープ中の他の成分の成分比は、表3(100kgのハンドソープ中における各成分の重量)に示した通りである。
【0024】
【表3】
【0025】
好適な分配比は、表4(100kgの洗浄エキス中における各成分の重量)に示した通りである。
【0026】
【表4】