(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
培地を提供することが、腸内細菌科の微生物の増殖を促進するように選択された培地を提供することを含み、検出物品を提供することが、サルモネラ属の微生物を検出するための検出物品を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】[0031]本開示による標的微生物を検出するための方法の一実施形態のブロック図。
【
図2】[0032]培養デバイス中に配置される指示微生物のコロニーを有する培養デバイスの一実施形態の平面図。
【
図3】[0033]本開示による検出物品の一実施形態の斜視図。
【
図4】[0034]培養デバイスに検出物品を設置後の
図3の培養デバイスの平面図。
【0033】
[詳細な説明]
[0035]本発明は、試料の微生物学的な内容物を評価するための方法を目的とする。具体的には、方法は、単一の培養デバイスに有利に実施される逐次検出プロセスを含む。検出プロセスは、はっきりと異なるが、第1の検出プロセスは、指示微生物の群を識別し、第2の検出プロセスは、群内の標的微生物を識別するという意味で関連する。有利に、第1の識別プロセスの結果は、第2の検出プロセスの使用を必要とするどうか決定するために使用され得る。それ故に、いくつかの実施形態では、指示微生物が第1の識別プロセスで検出されないときに、操作者は、第2の識別プロセスの時間、材料、労力、及び経費を省くことが可能である。
【0034】
[0036]
図1は、本開示による標的微生物を検出する方法の一実施形態を示すブロック図である。本開示の方法は、試料に標的微生物の存否の試験を行うことを目的とする。該方法は、試験される試料、検出物品、及び培地を含む培養デバイスを提供することである工程152を含む。所望により、第2の指示薬系が提供され得る。該方法は、第2の指示薬系が、存在する場合、培地と流体連通状態に配置されることである工程154を更に含む。該方法は、試料を用いて培養デバイスを植菌することである工程156、植菌された培養デバイスをインキュベートすることである、工程158、及び指示微生物の指示について培養デバイスを観察することである工程160を更に含む。指示微生物が工程160で観察された場合、該方法は、培地を検出物品に接触させることである任意の工程162、及び第1の指示薬系を観察することである工程164を更に含む。該方法の工程の各々は、以下で更に詳細が記載される。該方法の利点は、指示微生物の指示が検出される場合にのみ、検出物品が培地に適用される必要があり得ることである。したがって、指示微生物の指示が検出されない試料では、標的微生物が存在しないと推測されてもよく、検出物品が使用される必要はない。
【0035】
[0037]試験される試料を提供することは、標的微生物を含んでいると疑われる試料を提供することを含んでもよい。試料は、本明細書に定義される標的微生物を含み得る任意の試料であり得る。好適な試料の非限定例としては、環境試料(例えば、表面の拭取り検体/スポンジ、土壌、堆積物、媒介物)、食品(例えば、原材料、仕掛り試料、及び最終製品試料)、飲料、臨床/獣医学的試料(例えば、血液、血清、血漿、尿、痰、組織、粘液、糞便、傷からの滲出物、膿、脳脊髄液)、及び水(例えば、地表水、飲用水、プロセス水)が挙げられる。
【0036】
[0038]いくつかの実施形態では、標的微生物の存否は、多様な食品、飲料、又は食品若しくは飲料加工環境要因に由来する試験試料において分析され得る。食品源の非限定例としては、未加工又は加工肉、未加工又は加工果物若しくは野菜、非液体乳製品(例えば、チーズ、バター、及びアイスクリーム)、木の実、香辛料、具、及びシロップが挙げられる。飲料源の非限定例としては、飲用水、果物又は野菜ジュース、牛乳、及び発酵飲料が挙げられる。低温殺菌食品又は飲料もまた、好適な供給源であり得る。食品若しくは飲料加工環境試料の非限定例としては、食品処理表面試料(例えば、コンベヤベルト、刃、切断表面、混合機表面、フィルタ、保管容器)、部屋の試料(例えば、壁、床、配水管、換気装置)、及び洗浄装置(例えば、ホース、掃除用具)が挙げられる。
【0037】
[0039]いくつかの実施形態では、標的微生物の存否は、例えば、血液、唾液、眼球レンズ液、滑液、脳脊髄液、膿、汗、滲出物、尿、粘液、分泌乳汁等の生理的液体等の多様なヒト又は動物源に由来する試料において分析され得る。更に、試験試料は、例えば、創傷、皮膚、鼻孔、頭皮、爪等の体部位に由来し得る。
【0038】
[0040]ヒト又は動物源に由来する特に対象となる試料としては、鼻からの試料(例えば、前鼻孔、鼻咽頭腔、鼻腔、前鼻孔前庭等に由来する)等の粘液含有試料、並びに外耳、中耳、口、直腸、膣、又は他の類似の組織に由来する試料が挙げられる。特定の粘膜組織の例には、頬、歯肉、鼻、眼球、気管、気管支、胃腸、直腸、尿道口、尿管、膣、頚部、及び子宮粘膜のような粘膜が挙げられる。
【0039】
[0041]生理的液体以外に、他の試験試料は、他の液体並びに液体媒質に溶解した固体(1つ又は複数)を含んでよい。対象試料としては、プロセス流、水、土壌、植物又はその他の草木、空気、表面(例えば、汚染された表面)などを挙げることができる。試料は、培養細胞を含むこともできる。試料はまた、細胞、胞子、又は酵素(例えば、生物学的指示薬デバイス)を含むデバイス上又はデバイス内に試料を含み得る。
【0040】
[0042]本開示の方法のための好適な試料は、特定の固体試料を含み得る。固体試料は、分解されてもよく(例えば、混合、超音波処理、均質化によって)、液体(例えば、水、緩衝液、ブイヨン)中で懸濁されてもよい。いくつかの実施形態では、試料材料を含む試料捕集デバイス(例えば、拭取り検体、スポンジ)が該方法において使用されてもよい。あるいは、試料材料は、該方法において試料材料を使用する前に、試料捕集デバイスから溶出(例えば、すすぐ、こする、搾り出す)されてもよい。いくつかの実施形態では、液体又は固体試料は、液体(例えば、水、緩衝液、ブイヨン)中で希釈されてもよい。
【0041】
[0043]試料は、本明細書に記載のように、指示微生物を含んでもよい。指示微生物は、汚染(例えば、糞便汚染)、感染(例えば、病原性微生物の感染)、又は一般的な公衆衛生の指示(例えば、任意の好気性微生物)を示し得る。指示微生物は、更に、標的微生物であり得る。
【0042】
[0044]指示生物又は標的微生物として対象となり得る、特に対象となる微生物は、原核又は真核生物、具体的にはグラム陽性細菌、グラム陰性細菌、真菌類、マイコプラズマ、及び酵母を含む。特に関連性のある生物としては、腸内細菌科若しくは球菌科、又はブドウ球菌属の種、連鎖球菌種、シュードモナス種、腸球菌種、サルモネラ菌種、レジオネラ菌種、赤痢菌種、エルシニアエルシニア菌種、エンテロバクター菌種、エシェリキア菌種、バチルス菌種、リステリア菌種、ビブリオ菌種、コリネバクテリア菌種並びにヘルペスウイルス、アスペルギルス菌種、フサリウム菌種、及びカンジダ菌種が挙げられる。特に強い病原性を持つ生物は、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)等の耐性菌株を含む)、表皮ブドウ球菌、肺炎球菌、ストレプトコッカス・アガラクチア、化膿連鎖球菌、エンテロコッカス・フィカリス、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、バンコマイシン中間体耐性黄色ブドウ球菌(VISA)、炭疽菌、緑膿菌、大腸菌、黒色アスペルギルス、アスペルギルス・フミガツ、アスペルギルス・クラバタス、フザリウム・ソラニ、フザリウム・オキシスポラム、フザリウム・クラミドスポラム、リステリア・モノサイトゲネス、リステリア・イバノビイ、コレラ菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ・コレラエスイス、チフス菌、ネズミチフス菌、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラータ、カンジダ・クルセイ、クロノバクター・サカザキ、大腸菌O157、及び複数の薬物耐性グラム陰性桿菌(MDR)を含む。
【0043】
[0045]グラム陽性及びグラム陰性細菌には、特に関心が持たれている。リステリア・モノサイトゲネス等のグラム陽性細菌が特に対象となる。また、MRSA、VRSA、VISA、VRE、及びMDR菌を含む抗生物質耐性菌も特に対象となる。
【0044】
[0046]
図1の工程152に戻って参照すると、試験される試料を提供することに加えて、該方法は、培養デバイス、第1の指示薬系、及び物品上にコーティングされる第2の指示薬系を有する物品を提供することを更に含む。培養デバイスは、広義で使用され、微生物の増殖を促進する栄養培地を収容するように適合される多様な物品を含む。該方法による、任意の特定の指示微生物の増殖を促進する特定の栄養培地の選択は、当業者が入手できる範囲内である。
【0045】
[0047]いくつかの実施形態では、栄養培地は、1つ以上の選択性の阻害物質を含み得る。本明細書で使用するとき、「選択性の阻害物質」は、特定の感受性の微生物又は微生物群の増殖を部分的に又は完全に阻害するために、栄養培地に添加される化合物を指し、それによって他の微生物又は微生物群の増殖を選択的に支持する。選択性の阻害物質は、当該技術分野において周知であり、例えば、胆汁塩、無機塩(例えば、NaCl、LiCl、MgCl
2)、及び抗生物質(フルオロキノロン、β−ラクタム抗生物質、アミノグリコシド)を含む。本開示の特定の好ましい実施形態では、栄養培地は、最小限に選択性の濃度で(すなわち、選択性の成長培地に使用される通例の濃度を下回る濃度で)選択性の阻害物質を含み得る。有利なことに、最小限に選択性の栄養培地の使用は、本開示の方法を使用して、より多くの標的微生物の回復及び検出を可能にし得る。理論に束縛されるものではないが、これは、より低濃度の選択性の阻害物質は、選択性の培地中の損傷した、ストレスを与えられた、及び/又は比較的感受性の強い標的微生物の増殖を可能にするために可能であり得、それによって第2の指示薬系を用いてそれらを検出することができる。
【0046】
[0048]第1の指示薬系は、標的微生物の存否を示すために使用される。任意の第2の指示薬系は、指示微生物の存否を示すために使用される。第1の及び/又は第2の指示薬系は、発色酵素基質、蛍光発生酵素基質、レドックス指示薬、代謝可能な栄養分、pH指示薬、又は前述のもののうちの2つ以上の任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、pH指示薬、及び特定の代謝可能な栄養分の組み合わせは、構成成分のうちの1つを培養デバイスの培地に提供することによって、並びに他の構成成分を検出物品に提供することによって、該方法に提供されてもよい。
【0047】
[0049]第1の指示薬系の選択は、標的微生物及び/又は培養デバイスに使用される培地に応じてもよく、そのような選択は、当業者に認識されるように、本開示によって導かれる。該方法のいくつかの実施形態では、高度に示差的な第1の指示薬系(すなわち、標的微生物を含む比較的少数の微生物と反応する指示薬系)は、最小限に選択性の培地と共に使用され得る。これらの実施形態では、最小限に選択性の培地は、損傷した及び/又はストレスを与えられた標的微生物の回復及び増殖を可能にし得、それによって比較的高選択性の培地によって阻害され得るそのような標的生物の検出を可能にする。
【0048】
[0050]該方法のいくつかの実施形態では、比較的低度に示差的な第1の指示薬系(すなわち、標的微生物を含む、比較的多くの微生物と反応する指示薬系)は、比較的高選択性の培地と共に使用され得る。このアプローチは、高度複合試料(例えば、多数の非常に多種多様な微生物的内容物を有する傾向のある床排水からの試料、又は比較的非選択性の事前増菌ブイヨン培養にからの試料等の非常に選択的性の強い条件を必要とする試料)に利用され得る。このアプローチの1つの例は、Demi−Fraser/UVM、リステリア微生物のModified Oxford寒天検出を伴うFraserブイヨン増菌システムの使用である。
【0049】
[0051]いずれかの実施形態では、第1の又は第2の指示薬系は、生物学的な酸化還元反応に好適な酸化還元指示薬(レドックス指示薬とも称される)を含み得る。酸化還元指示薬染料は、pH依存性又はpH非依存性であってもよい。酸化還元指示薬染料の非限定例としては、2,2’−ビピリジン(Ru錯体)、ニトロフェナントロリン(Fe錯体)、N−フェニルアントラニル酸、1,10−フェナントロリン(Fe錯体)、N−エトキシクリソイジン、2,2’−ビピリジン(Fe錯体)、5,6−ジメチルフェナントロリン(Fe錯体)、o−ジアニシジン、ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルベンジジン、ジフェニルアミン、ビオロゲン、2,6−ジブロモフェノール−インドフェノールナトリウム、2,6−ジクロロフェノール−インドフェノールナトリウム、o−クレゾールインドフェノールナトリウム、チオニン(別名、ラウツバイオレット)、メチレンブルー、インジゴテトラスルホン酸、インジゴトリスルホン酸、インジゴジスルホン酸、インジゴモノスルホン酸、フェノサフラニン、サフラニンT、及びニュートラルレッドが挙げられる。
【0050】
[0052]いずれかの実施形態では、第1の及び/又は第2の指示薬系は、発色酵素基質を含み得る。好適な発色酵素基質は、例えば、ブロモ−クロロ−インドリル誘導体、ニトロフェニル誘導体、及びフェノールフタレイン誘導体を含む。
【0051】
[0053]有用な5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル誘導体は、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル酢酸塩、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル酢酸塩、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイル−1,3二酢酸塩、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−フコピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルクロン酸、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート、及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル硫酸塩を含む。
【0052】
[0054]有用なニトロフェニル誘導体は、p−ニトロフェノール及びo−ニトロフェノール誘導体を含む。具体的には有用なp−ニトロフェノールは、ジエチル−p−ニトロフェニルホスフェート、ジ−p−ニトロフェニルホスフェート、p−ニトロフェニル−2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−β−ガラクトピラノシル−β−グルコピラノシド、p−ニトロフェニル−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−グルコピラノシド、p−ニトロフェニル酢酸塩、p−ニトロフェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド、p−ニトロフェニル−β−D−N,N’−ジアセチルキトビオシド、p−ニトロフェニル−α−グルコピラノシド、p−ニトロフェニル−α−マルトシド、p−ニトロフェニル−β−マルトシド、p−ニトロフェニル−α−マンノピラノシド、p−ニトロフェニル−β−マンノピラノシド、p−ニトロフェニルミリスチン酸塩、p−ニトロフェニルパルミチン酸塩、p−ニトロフェニルホスフェート、ビス(p−ニトロフェニル)ホスフェート、トリス(p−ニトロフェニル)ホスフェート、p−ニトロフェニル−β−グルコピラノシド、p−ニトロフェニル−β−グルクロニド、α−p−ニトロフェニルグリセリン、p−ニトロフェニル−α−ラムノピラノシド、p−ニトロフェニルステアリン酸塩、p−ニトロフェニル硫酸塩、p−ニトロフェニル−2,3,4−トリ−O−アセチル−β−グルクロン酸メチルエステル、及びp−ニトロフェニル吉草酸塩を含む。
【0053】
[0055]具体的に有用なo−ニトロフェノールは、o−ニトロフェニル酢酸塩、o−ニトロフェニル−β−グルコシド、及びo−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシドを含む。他の具体的に有用なニトロフェニル誘導体は、ニトロフェニル−β−フコピラノシド、ニトロフェニル−α−ガラクトピラノシド、ニトロフェニル酪酸塩、ニトロフェニルカプリン酸塩、ニトロフェニルカプロン酸塩、ニトロフェニルカプリル酸塩、ニトロフェニルラウリン酸塩、及びニトロフェニルプロピオン酸塩を含む。
【0054】
[0056]有用なインドキシル誘導体は、インドキシル−酢酸塩、インドキシルβ−D−グルコシド、3−インドキシル硫酸塩、3−インドキシルホスフェートを含む。
【0055】
[0057]有用なフェノールフタレイン誘導体は、フェノールフタレイン二酪酸、フェノールフタレイン二リン酸塩、フェノールフタレイン二硫酸塩、フェノールフタレイングルクロン酸、フェノールフタレインモノ−P−グルコシドウロン酸、フェノールフタレインモノ−P−グルクロン酸、及びフェノールフタレイン一リン酸塩を含む。
【0056】
[0058]全ての上述の発色基質は、適切な酵素と直接的に反応して、発色団を生成する。
【0057】
[0059]誘導体酵素修飾生成物が、ジアゾ化染料、例えば、1−ジアゾ−4−ベンゾイルアミノ−2,5,ジエトキシベンセン、(Sigma Chemicalから「Fast Blue BB Salt」として市販)、1−ジアゾ−4−ベンゾイルアミノ−2,5−ジエトキシベンセン、p−ジアゾ−2,5−ジエトキシ−N−ベンゾイルアラニン、クロロ−2−メチルベンゼンジアゾニウム塩化物、及びo−アミノアゾトルエンジアゾニウム塩等の発色試薬と更に反応する場合、I−ナフチル、2−ナフチル及びナフチル−AS−BI誘導体を含有する追加の酵素基質が有用に使用され、発色団を生成する。
【0058】
[0060]具体的に有用な1−ナフチル誘導体は、1−ナフチル−N−アセチル−β−D−グルコサミニドを含む。
【0059】
[0061]具体的に有用な2−ナフチル誘導体は、2−ナフチル−ホスフェート、2−ナフチル−酪酸塩、2−ナフチル−カプリル酸塩、2−ナフチル−ミリスチン酸塩、L−ロイシル−2−ナフチルアミド、L−バリル−2−ナフチルアミド、L−シスチル−2−ナフチルアミド、N−ベンゾイル−DL−アルギニン−2−ナフチルアミド、N−グルタリル−フェニルアラニン2−ナフチルアミン、2−ナフチル−ホスフェート、6−Br−2−ナフチル−α−D−ガラクトピラノシド、2−ナフチル−β−D−ガラクトピラノシド、2−ナフチル−2−D−グルコピラノシド、6−ブロモ−2−ナフトール−β−D−グルコピラノシド、6−ブロモ−2−ナフチル−2−D−マンノピラノシド、及び2−ナフチル−α−L−フコピラノシドを含む。
【0060】
[0062]具体的に有用なナフチル−AS−BI誘導体は、ナフチル−AS−BI−ホスフェート及びナフチル−AS−BI−β−D−グルクロニドを含む。
【0061】
[0063]その活性が検出される酵素がアルファ−D−グルコシダーゼである場合、好適な発色酵素基質は、例えば、p−ニトロフェニル−α−グルコピラノシドである。検出される酵素活性がアルファ−L−アラビノフラノシダーゼである場合、好適な発色酵素基質は、例えば、p−ニトロフェニル−α−L−アラビノフラノシドである。検出される酵素活性がベータ−D−グルコシダーゼの場合、好適な発色酵素基質は、例えば、p−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシドである。
【0062】
[0064]いずれかの実施形態では、第1の及び/又は第2の指示薬系は、蛍光発生酵素基質を含み得る。好適な蛍光発生酵素基質は、例えば、4−メチルウンベリフェロン7−アミド−4−メチルクマリン、フルオレセイン、ローダミン、及びフルオレスカミンの誘導体を含む。
【0063】
[0065]好適な4−メチルウンベリフェリル誘導体は、例えば、4−メチルウンベリフェリル−2−アセトアミド−4、6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド、4−メチルウンベリフェリル酢酸塩、4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−β−D−ガラクトサミニド、4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−α−D−グルコサミニド、4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド、2’−(4−メチルウンベリフェリル)−α−D−N−アセチルノイラミン酸、4−メチルウンベリフェリルα−L−アラビノフラノシド、4−メチルウンベリフェリルα−L−アラビノシド、4−メチルウンベリフェリル酪酸塩、4−メチルウンベリフェリルβ−D−セロビオシド、メチルウンベリフェリルβ−D−N,N’ジアセチルキトビオシド、4−メチルウンベリフェリルエライジン酸塩、4−メチルウンベリフェリルβ−D−フコシド、4−メチルウンベリフェリルα−L−フコシド、4−メチルウンベリフェリルβ−L−フコシド、4−メチルウンベリフェリルα−D−ガラクトシド、4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトシド、4−メチルウンベリフェリルa−D−グルコシド、4−メチルウンベリフェリルβ−D−グルコシド、4−メチルウンベリフェリルβ−D−グルクロニド、4−メチルウンベリフェリルp−グアニジノ安息香酸、4−メチルウンベリフェリルヘプタノエート、4−メチルウンベリフェリルα−D−マンノピラノシド、4−メチルウンベリフェリルβ−D−マンノピラノシド、4−メチルウンベリフェリルオレイン酸塩、4−メチルウンベリフェリルパルミチン酸塩、4−メチルウンベリフェリルホスフェート、4−メチルウンベリフェリルプロピオン酸塩、4−メチルウンベリフェリルステアリン酸塩、4−メチルウンベリフェリル硫酸塩、4−メチルウンベリフェリルβ−D−N,N’,N”−トリアセチルキトトリオース、4−メチルウンベリフェリル2,3,5−トリ−o−ベンゾイル−α−L−アラビノフラノシド、4−メチルウンベリフェリル−p−トリメチルアンモニウムシンナメート塩化物、及び4−メチルウンベリフェリルβ−D−キシロシドを含む。
【0064】
[0066]好適な7−アミド−4−メチルクマリン誘導体は、例えば、L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−プロリン7−アミド−4−メチルクマリン、L−チロシン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−ロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン、及び7−グルタリルフェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリンを含む。
【0065】
[0067]7−アミド−4−メチルクマリンの好適なペプチド誘導体は、例えば、N−t−BOC−Ile−Glu−Gly−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン、N−t−BOC−Leu−Ser−Thr−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン、N−CBZ−Phe−Arg 7−アミド−4−メチル−クマリン、Pro−Phe−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン、N−t−BOC−Val−Pro−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン、及びN−グルタリル−Gly−Arg 7−アミド−4−メチルクマリンを含む。
【0066】
[0068]好適なジアセチルフルオレセイン誘導体は、例えば、フルオレセイン二酢酸塩、フルオレセインジ−(β−D−ガラクトピラノシド)、及びフルオレセインジラウリン酸塩を含む。
【0067】
[0069]検出される生物活性が、アルファ−D−グルコシダーゼ、キモトリプシンの場合、好適な蛍光発生酵素基質は、それぞれ、4−メチルウンベリフェリル−アルファ−D−グルコシド、7−グルタリルフェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン、又は4−メチルウンベリフェリルヘプタノエートである。検出される生物活性がアルファ−L−アラビノフラノシダーゼの場合、好適な蛍光発生酵素基質は4−メチルウンベリフェリル−アルファ−L−アラビノフラノシドである。検出される生物活性がベータ−D−グルコシダーゼの場合、好適な蛍光発生酵素基質は4−メチルウンベリフェリル−ベータ−D−グルコシドである。
【0068】
[0070]該方法のいずれかの実施形態では、第1の及び/又は第2の指示薬系は、代謝可能な栄養分と共に使用されるpH指示薬染料を含み得る。pH指示薬染料は、例えば、pH領域、指示薬及び/又は標的微生物との適合性、及び溶解度等の当該技術分野において周知の評価基準にしたがって選択され得る。いくつかの実施形態では、例えば、水性混合物中のpH指示薬の溶解度を増加させるために、塩形態のpH指示薬が使用されてもよい。好適なpH指示薬染料の非限定例としては、例えば、チモールブルー、トロペオリンOO、メチルイエロー、メチルオレンジ、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンイエロー、トロペオリンO、ニトラミン、トリニトロ安息香酸、チモールブルー、ブロモフェノールブルー、テトラブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル、メチルレッド、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、コンゴーレッド、及びクレゾールレッドが挙げられる。
【0069】
[0071]代謝可能な栄養分は、少なくとも1つの微生物(指示微生物か、及び/又は標的微生物かのいずれか)と反応するために、及び微生物と流体接触状態である水溶性培地において、pH変化(例えば、局部的なpH変化)をもたらすために、当該技術分野において周知の任意の代謝可能な栄養分であり得る。栄養分は、当該技術分野において周知の多様な栄養分の種類から選択され得る。栄養分の種類の非限定例としては、炭水化物(例えば、糖、多糖類、それらの誘導体)、脂質(例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、及びそれらの誘導体)、アミン(例えば、アミノ酸、ペプチド、オリゴペプチド、タンパク質、ポリアミン、及びそれらの誘導体)、ポリリン酸塩、プリン、ピリミジン、ヌクレオシド、及びヌクレオチドが挙げられる。
【0070】
[0072]いくつかの実施形態では、任意の第2の指示薬系は、培養デバイス中(例えば、ペトリ皿中の寒天培地中、例えば、Petrifilm培養デバイス等のデバイス中の乾燥培地中)に提供され得る。寒天の培地の構成成分等のヒドロゲルの構成成分として提供されるときに、任意の第2の指示薬系は、培地と流体連通状態で提供される。Petrifilmプレート等の再水和可能な培養デバイスの一部として、乾燥構成成分として提供されるときに、任意の第2の指示薬系は、
図1の工程154に示されるように、培地と流体連通にされる。これは、例えば、デバイス中の乾燥培地を液体(例えば、水、緩衝液、希釈剤)で再水和することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、再水和可能な培地は、例えば、寒天、アガロース、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、及び/又はポリビニルピロリドン等の冷水可溶性ゲル化剤を含む。所望により、該液体は、試料材料を含有してもよく、それによって操作者による工程154と植菌工程156との同時実行を可能にする。
【0071】
[0073]培養デバイスを植菌する工程は、当該技術分野において周知の多様な方法によって行われ得る。好適な植菌方法の非限定例としては、混釈平板技術、表面植菌技術、画線平板法技術、拭取り検体プレーティング技術、及び表面接触プレーティング技術(例えば、ロダックプレーティング方法)が挙げられる。フィルタメンブレンプレーティング技術は、メンブレンフィルタが、実質的に微生物と指示薬系との間の反応を妨害しないか、又は指示薬系の観察を妨害しないならば、本方法において使用されてもよい。
【0072】
[0074]本開示の方法は、ある時間、植菌された培養デバイスをインキュベートする工程を含む。当業者は、検出される微生物に応じてインキュベーション温度を選択できることを認識するであろう。例えば、酵母又はカビが検出される場合、第1のインキュベーション温度は、典型的に、約室温(約23℃)〜約32℃であってもよい。例えば、細菌が検出される場合、第1のインキュベーション温度は、典型的に約室温〜約45℃であってもよい。
【0073】
[0075]本開示によれば、インキュベーション時間は、約1時間と短くてもよい。いくつかの実施形態では、第1の培養は、約4時間未満(例えば、約2時間未満、約3時間未満、又は約4時間未満)である。いくつかの実施形態では、インキュベーション時間は、約8時間未満(例えば、約5時間未満、約6時間未満、約7時間未満、又は約8時間未満)である。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約12時間未満(例えば、約9時間、約10時間、約11時間、又は約12時間)である。いくつかの実施形態では、インキュベーション時間は、約15時間以下(例えば、約13時間未満、約14時間未満、又は約15時間未満)である。いくつかの実施形態では、インキュベーション時間は、最大48時間(例えば、約24時間未満、約36時間未満、又は約48時間未満)である。
【0074】
[0076]インキュベーション時間の後、培養デバイスは、指示微生物の存在の指示について観察される。いくつかの実施形態では、培養デバイスは、視覚的に観察される。いくつかの実施形態では、培養デバイスを観察することは、撮像デバイスを使用して、培養デバイスを観察することを含み得る。スキャンニング及び所望により、培養デバイスを分析するための撮像デバイスは、当該技術分野において周知であり、例えば、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能なPETRIFILM Plate Reader(PPR)、Spiral Biotech(Norwood,MA)から入手可能なPETRISCAN Colony Counter、及びSynbiosis(Cambridge,U.K.)から入手可能なPROTOCOL及びACOLYTEプレートスキャナを含む。
【0075】
[0077]任意の第2の指示薬系を使用する実施形態では、指示微生物の存在の指示は、第1の状態から第2の状態への第2の指示薬系の変換を検出することによって観察され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2の指示薬系は、無色の第1の状態が、有色の第2の状態に変換されるまで(例えば、指示微生物によって)、無色の第1の状態に存在する発色試薬(例えば、トリフェニルテトラゾリウム塩化物又は5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコピラノシド)を含んでもよい。他の実施形態では、第2の指示薬系は、無色の第1の状態が、蛍光の第2の状態に変換されるまで(例えば、指示微生物によって)、無色の第1の状態に存在する蛍光発生試薬(例えば、4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトシド又はフルオレセイン二酢酸塩)を含んでもよい。また他の実施形態では、第2の指示薬系は、微生物活動の生成物(例えば、炭水化物の酸最終産物への発酵)によって、第1の有色の又は蛍光の状態から第2の有色の又は蛍光の状態に変換され得る試薬(例えば、pH指示薬)を含んでもよい。
【0076】
[0078]いくつかの実施形態では、第1の状態から第2の状態への第2の指示薬系の変換を検出することは、微生物コロニーを観察し、変換を検出することを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の状態から第2の状態への第2の指示薬系の変換を検出することは、培地を観察し、変換を検出することを含み得る。
【0077】
[0079]
図2は、本開示による指示微生物を検出するいくつかの態様を例示する。
図2は、第2の指示薬系と反応する指示微生物を含む植菌された培養デバイスの一実施形態の平面図を示す。培養デバイスは、第1の状態(第1の状態は、
図2に濃い灰色で図示され、クロロフェノールレッドは、約6.8又はそれより高いpHを有する培地において、スミレ色の第1の状態で存在する)において、発酵性炭水化物(例えば、グルコース)及び試薬(例えば、クロロフェノールレッド)を含む第2の指示薬系を含む培地282を有する。グルコースを拡散性の酸最終産物に発酵する指示微生物コロニー284もまた、
図2に示され、それは、試薬と反応して、それを第2の状態(第2の状態は、
図2のコロニー284を囲む薄い灰色の嵩286として図示され、クロロフェノールレッドは、約5.2未満のpHを有する培地では、黄色の第2の状態に変換する)に変換する。いくつかの実施形態では、コロニーは試薬によって染色されてもよく、それらのすぐ近くを囲む培地と同一の(又は類似の)色のように見えてもよい。他の実施形態では(示されていないが)、第2の指示薬系は、第1の状態から第2の状態に変化する酵素基質又はレドックス剤を単に含んでもよく、それによって、コロニーを囲む培地よりもむしろ、コロニー自体の色又は蛍光特性を直接的に変化させる。
【0078】
[0080]任意の第2の指示薬系(例えば、示されていないが、選択性の寒天培地を含む培養デバイス)を使用しない実施形態では、指示微生物の存在の指示は、培地上又は培地内の、細菌コロニーの存在を観察することによって(例えば、当該技術分野において周知の、その典型的なサイズ、形状、色、及び/又は形態によって)検出され得る。
【0079】
[0081]表1は、腸内細菌科の微生物、サルモネラ標的微生物の存在を示す指示微生物の代表的な群の増殖を支持するために使用され得る選択性の培地のいくつかの非限定例を示す。腸内細菌科の微生物を検出するために使用され得る例示の指示薬系(すなわち、本開示による第2の指示薬系)もまた、表1に示される。サルモネラ標的微生物の存在を示すために使用され得る、例示の第1の指示薬系は、カプリル酸エステラーゼ酵素基質(PCT特許出願公開第WO2007023185号に開示され、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる);2−デオキシ−D−リボースプラスニュートラルレッド(米国特許第7,150,977号に開示され、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる);5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−ガラクトピラノシド(米国特許第6,368,817号に開示され、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる);プロパンジオールプラスニュートラルレッド(米国特許第5,194,374号に開示され、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる);並びにメリビオース、マンニトール、ソルビトール、及びニュートラルレッドの組み合わせ(米国特許第5,786,167号に開示され、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる)を含む。
【0080】
【表1】
【0081】
[0082]本開示によるサルモネラ標的微生物を検出する方法の例示的実施形態は、表2に列挙される構成成分を含む培地を伴う培養デバイス(例えば、寒天ペトリ皿又はPETRIFILM培養デバイス)の使用を含む。寒天培地を調製するときに、ノボビオシンナトリウム及びセフスロジンを除く全ての構成成分を任意の順序で一緒に混合し、その後煮沸し、冷却し、基本培地を形成する。平板培地の完成の直前に、冷却され、煮沸された基本培地にノボビオシンナトリウム及びセフスロジンを添加する。培地に加えて、実施例1に記載される通り、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−ガラクトピラノシドを含む第1の指示薬系を有する検出物品を調製する。培地に試料を植菌し、ある時間(例えば、約18〜48時間)インキュベートする。インキュベーションの後、少なくとも1つの指示微生物の存在の指示(例えば、ニュートラルレッドpH指示薬を無色から赤色に変化させる酸最終産物への2−デオキシ−D−リボースの発酵を示す、概して円形の赤いコロニー及び/又はゾーン)について、培養デバイスを観察する。そのゾーンは、その中心部に又はその近くに目視できるコロニーを有してもよい。指示微生物が検出された場合、検出物品を培地と接触させ、物品に接触させた培地をある時間(例えば、約1〜5時間)インキュベートし、標的微生物の存在の指示(すなわち、微生物の第1の指示薬系との反応から形成された、一般に赤いゾーンの中心部の青色のコロニー)について観察し得る。所望により、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−ガラクトピラノシド)と異なる色を生成する発色β−ガラクトピラノシド基質を含む追加の第2の指示薬系を、培地又は検出物品に追加し得る。追加の第2の指示薬系は、大腸菌の特定の菌株及びシトロバクター・フロインデイ等の非標的指示微生物を更に識別するために使用され得る。ニュートラルレッドに代わるものとして、当該技術分野において周知の他のpH指示薬が、第2の指示薬系に使用され、2−デオキシ−D−リボースの発酵に由来する酸最終産物を検出し得る。他の好適なpH指示薬の例が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、他の第2の指示薬系(例えば、トリフェニルテトラゾリウム塩化物)が、2−デオキシ−D−リボース/ニュートラルレッド指示薬系の代わりに、又はそれに加えて使用され、指示微生物の存在を示し得る。いくつかの実施形態では、他の第2の指示薬が、培地の代わりに検出物品中に組み込まれ得る。検出物品に含まれ得る代替的な第1の指示薬系は、α−ガラクトシダーゼに対する他の発色又は蛍光発生酵素基質、カプリレートエステラーゼに対する発色又は蛍光発生酵素基質、あるいはフェニルアラニンデアミナーゼ又はプロパンジオール発酵を検出する指示薬系を含んでもよい。
【0082】
【表2】
【0083】
[0083]腸内細菌科及び/又は大腸菌型微生物、大腸菌O157:H7標的微生物の存在を示す指示微生物の代表的な群の増殖を支持するために使用され得る選択性の培地の非限定例としては、バイオレットレッド胆汁ブドウ糖培地、バイオレットレッド胆汁乳糖培地、PETRIFILM大腸菌Count Plates、PETRIFILM大腸菌型Count plates、PETRIFILM腸内細菌科Count plates、及びPETRIFILM Rapid大腸菌型Count platesが挙げられる。大腸菌O157:H7標的微生物の存在を示すために使用され得る例示の第1の指示薬系は、サリシン、アドニトール、イノシトール、及びフェノールレッドを伴うソルビトールとの組み合わせを含む(米国特許第6,617,149に開示され、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる)。
【0084】
[0084]リステリア微生物、リステリア・モノサイトゲネス標的微生物の存在を示す指示微生物の代表的な群の増殖を支持するために使用され得る選択性の培地の非限定例としては、Modified Oxfords Medium及びR&F培地が挙げられる。リステリア・モノサイトゲネス標的微生物の存在を示すために使用され得る例示の第1の指示薬系は、ホスファチジルイノシトールホスホリパーゼC酵素基質(米国特許出願公開第20070259393号に開示され、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる)及びアルファマンノシダーゼ酵素基質(米国特許第7,351,548号に開示され、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる)を含む。リステリア・モノサイトゲネス標的微生物を検出するために使用され得る第1の指示薬系の非限定例としては、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−ミオ−イノシトール−1−ホスフェート、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドキシルミオ−イノシトール−1−ホスフェート、アンモニウム塩、4−メチルウンベリフェリルミオ−イノシトール−1−ホスフェート、N−メチル−モルホリン塩、3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、5−ブロモ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、4−クロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、5−ヨード−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、クロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、6−ブロモ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、6−クロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、6−フルオロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、4,6−ジクロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、6,7−ジクロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、4,6,7−トリクロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−N−メチル−−α−D−マンノピラノシド、3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、及びN−メチル−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、6−ブロモ−2−ナフチル−α−D−マンノピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−α−D−マンノピラノシド、及び4−ニトロフェニル−α−D−マンノピラノシドが挙げられる。
【0085】
[0085]好ましい実施形態では、リステリア微生物の存在を検出するための薄膜培養デバイスは、プロテオースペプトン、トリプトン、カザミノ酸、Lab Lemco Powder/牛肉エキス、グルコース、酵母抽出物、リン酸水素二カリウム、塩化リチウム、ウシ血清アルブミン、グアーガム、ナリジクス酸(ナトリウム塩)、b−グルコシダーゼ酵素活性(例えば、サーモン−β−D−グルコシド及び/又はマゼンタ−β−Dグルコシド)を検出するための発色酵素基質、及びセフタジジム五水和物を含む乾燥ブイヨン培地を含み得る。液体試料が培地を植菌するために使用され、リステリア微生物が、存在する場合、増殖し、β−グルコシダーゼ発色酵素基質の加水分解のために赤色のコロニーを形成する。リステリア微生物が培養デバイス中に検出される場合、培養デバイスの植菌された培地は、所望により、ホスファチジルイノシトールホスホリパーゼC酵素活性を検出するための発色指示薬(例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−ミオ−イノシトール−1−ホスフェート)、グアーガム、及びホスフェート緩衝液を含む乾燥コーティングを備える検出物品と接触され得る。コロニーのうちの1つ以上がリステリア・モノサイトゲネス微生物を含む場合、それは、ホスファチジルイノシトールホスホリパーゼC酵素基質を加水分解してコロニーを青色にするだろう。有利なことに、リステリア微生物が、コロニーに関連するβ−グルコシダーゼ酵素活性の兆候をまず観察することによって検出された場合にのみ、検出物品の使用を必要とする。
【0086】
[0086]腸内細菌科の微生物、クロノバクター・サカザキ標的微生物の存在を示す代表的な指示微生物の増殖を支持するために使用され得る選択性の培地の非限定例としては、バイオレットレッド胆汁ブドウ糖培地及びPETRIFILM腸内細菌科Count platesが挙げられる。クロノバクター・サカザキ標的微生物の存在を示すために使用され得る例示の第1の指示薬系は、発色アルファグルコシダーゼ及びベータセロビオシダーゼ酵素基質(米国特許出願公開第2006/0257967号に開示され、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる)を含む。
【0087】
[0087]いくつかの実施形態では、標的微生物と類似の環境(例えば、糞便材料)で見出されることが周知の指示微生物群は、標的微生物を実際に含まない場合もある。この条件の一例は、大腸菌型指示微生物及びサルモネラ標的微生物の関係によって例示される。大腸菌型細菌は、糞便材料に見出され、ラクトースを酸最終産物に発酵する能力によって特徴付けられる。特定のサルモネラ標的微生物(例えば、サルモネラ腸内ネズミチフス菌)は、糞便材料に見出され、ラクトースを酸最終産物に発酵しない。したがって、本開示による方法は、サルモネラ標的微生物を検出するために、第1の指示薬系(例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−ガラクトピラノシド)を、及び大腸菌型指示微生物を検出するために、第2の指示薬系(例えば、ラクトース及びニュートラルレッド)を提供する工程を含んでもよい。この実施形態では、第1の指示薬系と反応するコロニーは、第2の指示薬系と反応しないだろう。
【0088】
[0088]指示生物の存在の指示の観察は、試料中の標的微生物(例えば、潜在的病原体)が存在する可能性を暗示する。したがって、指示微生物の存在の指示が観察されるときに、検出物品が、試料中の標的微生物の存否を確認するために使用され得るという該方法の特徴である。逆に言えば、指示微生物の存在の指示が、培養デバイス中に観察されないいくつかの実施形態では、該方法における検出物品の使用が、試料中の指示微生物の不在が、試料中の標的微生物の不在を暗示するため、避けられ得る。
【0089】
[0089]本開示の方法は、第1の指示薬系を含む検出物品を提供することを含む。
図3は、本開示による検出物品300の一実施形態の斜視図を示す。検出物品300は、上側及び下側主表面、
並びにその上に配置されるコーティング320を有する固体支持物310を備える。コーティング
320は、本明細書に記載のように、第1の指示薬系を含む。第1の指示薬系は、特定の標的微生物を検出するために選択され得る。所望により、接着層(示されていないが)は、固体支持物310とコーティング320との間で、且つ固体支持物310上に配置され得る。任意の接着層は、実質的に、第1の指示薬系の標的微生物との反応を妨害せず、及び/又は第2の指示薬系の観察を妨害しない、接着剤を備えるべきである。好適な接着剤の非限定例としては、米国特許第4,565,783号に開示される、イソオクチルアクリレート/アクリルアミド(94:6)の感圧接着剤が挙げられ、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0090】
[0090]いくつかの実施形態では、コーティング320は、実質的に水を含まない(すなわち、一旦周囲環境と均衡化されると、それは、乾燥コーティングのおおよその含水量を超えない含水量を有する)。いくつかの実施形態では、コーティング320は、粉末等の乾燥コーティングとして基材310又は任意の接着
層に塗布され得るか、又はコーティングは液体として基質に塗布され、その後に基材上で乾燥され得、双方のプロセスは、例えば、米国特許第4,565,783号に記載される通りである。いくつかの実施形態では、物品300は、米国特許第6,022,682号に複合物の製造に関して記載されるように構成、コーティング、及び乾燥され得、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0091】
[0091]いくつかの実施形態では、コーティング320は、結合剤を含む。検出物品300に使用されるのに好適な多くの結合剤がある。好適な結合剤の非限定例としては、アガロース、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、及び他の天然ガムが挙げられる。好ましい結合剤は、グアーガムである。
【0092】
[0092]コーティング320はまた、好ましくは、例えば、第1の指示薬系と標的微生物との間の反応が促進される地点でpHを制御するための好適な緩衝剤等の他の構成物質を含んでもよい。特定の緩衝剤(例えば、ホスフェート緩衝液)及びpH(例えば、7.2)の選択は、当業者に認識されるように、第1の指示薬系及び/又は標的微生物に応じてもよい。
【0093】
[0093]固体支持物310は、コーティングされ得、且つ第1の指示薬系及び所望により、第2の指示薬系の反応物又は生成物の観察を実質的に不明瞭にしない物質から選択されるべきである。固体支持物310は、ポリエステルフィルム等のポリマーフィルムであり得る。固体支持物310は、シート材料(例えば、ポリマーフィルム、紙、不織布)に由来し、コーティング又は乾燥の後に、検出物品300を所望のサイズ又は形状に切断、又は穴あけすることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、固体支持物310は、透明又は半透明であってもよく、又はそれは、ヒドロゲルと接触して設置されるときに、透明又は半透明になってもよい。固体支持物310に使用される材料は、検出物品300に対して任意の度合いの剛性又は柔軟性を付与するように選択されてもよい。加えて、検出物品300は、特定の用途に所望されるものに応じて、任意の形状(例えば、円形、卵形、正方形、方形等)又は厚さにおいて調製され得る。
【0094】
[0094]固体支持物310は、好ましくは、透明か、又は少なくとも半透明であり、物品が培養デバイスと流体接触して設置されるときに呈する色変化を見ることを可能にする。固体支持物310はまた、物品に安定性を提供し、損傷からそれを保護する。
【0095】
[0095]固体支持物310は、それがコーティング320から剥離可能であるように選択され、固体支持物310なしに試験で使用可能なようにコーティングを残してもよい(例えば、培地と流体接触して)。例えば、ポリエステルフィルムが固体支持物として使用されるところでは、固体支持物310は、コーティング320が培養デバイスと接触した後で水和するときに、コーティング320から剥離可能であってもよい。
【0096】
[0096]使用時、検出物品は、培養デバイスの培地と流体接触されてもよい。好ましくは、検出物品及び培地は、培養デバイス中で接触される(例えば、培養デバイスの培地と接触して検出物品を設置することによって)。特定の好ましい実施形態では、検出物品は、物品が培養デバイスの培地の全面積と接触するように、実質的に同一の形状及び表面積を有するように寸法が取られる。いくつかの実施形態では、検出物品は、事前に水和されてもよいが(例えば、滅菌水又は緩衝液で)、培地の水分は検出物品を水和するのに十分であることが企図され、それによって、第1の指示薬系が、培養デバイス中に存在する微生物に流体接触することを可能にする。
【0097】
[0097]理論に束縛されるものではないが、第1の指示薬系の構成成分が、代謝産物、標的微生物、又は標的微生物の構成成分と反応し、第1の状態から第2の状態へ変換され得るように、培地と検出物品との間の流体接触は、第1の指示薬系、微生物によって生成される代謝産物、及び/又は微生物(又は例えば酵素等のそれらの構成成分)の拡散を可能にすると考えられる。したがって、いくつかの実施形態では、第1の状態から第2の状態への第1の指示薬系の変換が、存在する場合、少なくとも1つの標的微生物の存在を示す。
【0098】
[0098]いくつかの実施形態では、第1の状態から第2の状態への第1の指示薬系の変換が、存在しない場合、少なくとも1つの標的微生物の存在を示す。該方法のこれら実施形態では、指示微生物が、第1の指示薬系を第1の状態から第2の状態へ変化する(例えば、コロニー及び/又はコロニーのすぐ近くを囲む培地が、有色又は蛍光になる)ときに、指示微生物は標的微生物でない。逆に言えば、これらの実施形態では、指示微生物が、第1の指示薬系を第1の状態から第2の状態へ変化させない場合、それは、指示微生物が標的微生物であるという指示である。特定の非限定例は、この点を例示し得る。赤痢菌属の特定の微生物は、ヒトに対して病原性であり、したがって、赤痢菌は標的微生物の一例である。赤痢菌は、腸内細菌科の一属である。腸内細菌科の微生物(赤痢菌種を含む)は糞便材料中に見出され得るため、腸内細菌科の微生物は赤痢菌の指示微生物の一例である。本開示の方法の実施形態では、材料の試料は、腸内細菌科(例えば、バイオレットレッド胆汁寒天培地又はPETRIFILM腸内細菌科Count Plates)のための選択性の培地上に植菌され得る。指示微生物が培地上に検出される場合、例えば、β−グルコシダーゼ、β−フコシダーゼ、及び/又はN−アセチル−β−ガラクトサミニダーゼを検出するための発色酵素基質を含む検出物品が、培地と接触され得る。無色の状態から有色の状態へのこれらの酵素基質のうちの任意の1つの変換は、赤痢菌標的微生物が、これらの酵素基質に対する任意の対応する酵素活性を含まないため、コロニーが標的微生物でないという指示である。
【0099】
[0099]検出物品を培地と流体接触させた後、物品に接触させた培地は、第1の状態から第2の状態への第1の指示薬系の変換(例えば、無色状態から有色状態へ、非蛍光状態から蛍光状態へ、第1の色から第2の色へ)を検出するために観察される。この変換は、例えば、第1の状態から第2の状態への第2の指示薬系の変換を検出するための、本明細書に記載の任意の検出手段によって観察され得る。所望により、いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、所定の温度で、ある時間インキュベートされ、第1の状態から第2の状態への第1の指示薬系の変換を促進し得る。インキュベーション温度は、例えば、周囲温度(約23℃)、最大約28℃、最大約30℃、最大約35℃、最大約37℃、最大約42℃、又は最大約45℃であり得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、指示微生物を増殖し、検出するために使用されるインキュベーション温度と同一の温度でインキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、指示微生物を増殖し、検出するために使用されるインキュベーション温度と異なる(例えば、より低い又はより高い)温度でインキュベートされ得る。
【0100】
[00100]いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、少なくとも約15分間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、少なくとも約30分間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、少なくとも約60分間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、少なくとも約90分間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、少なくとも約2時間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、少なくとも約4時間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、最大約60分間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、最大約90分間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、最大約2時間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、最大約3時間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、最大約4時間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、最大5時間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、最大8時間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、最大12時間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、最大24時間インキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、約15分間〜約8時間以下でインキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、約30分間〜約8時間以下でインキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、約30分間〜約5時間以下でインキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、約1時間〜約5時間以下でインキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、約2時間〜約5時間以下でインキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、物品に接触させた培地は、約2時間〜約4時間以下でインキュベートされ得る。
【0101】
[00101]
図4は、デバイス中の培養(増殖)培地と接触して検出物品を設置した後の、
図3の培養デバイスの平面図を示す。培養デバイスは、培地482を有し、培地482上に及び/又は培地482内にコロニーが増殖する。
図2に示される通り、指示微生物コロニー484が存在し、それは、第1の状態(濃い灰色)から第2の状態(薄い灰色)へ、第1の指示薬系を変化させ、指示微生物コロニー484を中心として特有の嵩486を形成する。標的微生物コロニー485がまた、
図4に示され、それは、指示微生物コロニー484よりも大きく見える。これは、例えば、第1の状態から第2の状態への第2の指示薬系の変換のためであり得る。いくつかの実施形態では、第2の指示薬系は、沈殿性の発色酵素基質(例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルクロニド)であってもよく、それは、標的微生物と反応するときに、コロニーを青くし得、コロニーをわずかに大きく見せてもよい。標的微生物コロニー485はまた、第1の指示薬系と反応し、それらを囲む嵩486を有する。
【0102】
[00102]本開示の方法は、所望により、微生物の種類を数える工程を更に含み得る。微生物の種類を数えることは、微生物の特定の種類の多数のコロニー(又はコロニー形成単位)を数えることを含む。数えられるコロニー形成単位の数は、元の試料中の1グラム当り(又は1ミリリットル当り)の微生物の数を試算するために使用され得る。数えられるコロニー形成単位の数は、規格と比較され、元の試料が、例えば、品質基準に適合するかどうか判定され得る。いくつかの実施形態では、特定の種類の全ての微生物(例えば、指示微生物、標的微生物)が数えられ得る。いくつかの実施形態では、特定の種類の微生物の一部分(例えば、最大、所定の閾値数まで)が数えられ得る。
【0103】
[00103]いくつかの実施形態では、微生物の種類を数えることは、指示微生物の数を数えることを含む。いくつかの実施形態では、微生物の種類を数えることは、標的微生物の数を数えることを含む。いくつかの実施形態では、微生物の種類を数えることは、指示微生物の数及び標的微生物の数を数えることを含む。いくつかの実施形態では、微生物の種類を数えることは、撮像デバイスを使用して、微生物を数えることを含み得る。
【0104】
[実施形態]
[00104]実施形態1は、標的微生物の存否を検出する方法であって、
所定の指示微生物の増殖を促進するように選択された成分を含む培地を含む培養デバイス、
第1の指示薬系を含む検出物品であって、第1の指示薬系が標的微生物を検出するように選択されている、検出物品及び
試料を提供すること、
試料を用いて培養デバイスを植菌すること、
指示微生物の増殖を可能にするのに十分である時間、植菌された培養デバイスをインキュベートすること、
少なくとも1つの指示微生物の存在の指示について、培養デバイスを観察すること、
インキュベートされた培養デバイスの培地を検出物品に接触させること、並びに
第1の状態から第2の状態への第1の指示薬系の変換を検出するために、物品に接触させた培養デバイスを観察すること、を含む方法である。
【0105】
[00105]実施形態2は、第1の状態から第2の状態への第1の指示薬系の変換が、存在する場合、少なくとも1つの標的微生物の存在を示す、実施形態1に記載の方法である。
【0106】
[00106]実施形態3は、第1の状態から第2の状態への第1の指示薬系の変換が、存在しない場合、少なくとも1つの標的微生物の存在を示す、実施形態1に記載の方法である。
【0107】
[00107]実施形態4は、第2の指示薬系を提供して、第2の指示薬系を培地と流体連通状態に設置することを更に含み、少なくとも1つの指示微生物の存在の指示について、培養デバイスを観察することが、第1の状態から第2の状態への第2の指示薬系の変換を検出することを含む、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法である。
【0108】
[00108]実施形態5は、培養デバイスを提供することが、ヒドロゲル又は乾燥した冷水可溶性ゲル化剤を含む培養デバイスを提供する工程を更に含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法である。
【0109】
[00109]実施形態6は、培地を検出物品に接触させることが、少なくとも1つの指示微生物の存在の指示が観察されるときにのみ実行される、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法である。
【0110】
[00110]実施形態7は、培養デバイスを提供することが、第2の指示薬系を含む培養デバイスを提供することを更に含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法である。
【0111】
[00111]実施形態8は、培地を提供することが、腸内細菌科の微生物の増殖を促進するように選択された培地を提供することを含み、検出物品を提供することが、サルモネラ属の微生物を検出するための検出物品を提供することを含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法である。
【0112】
[00112]実施形態9は、第1の指示薬系が、α−ガラクトシダーゼ又はカプリレートエステラーゼ酵素活性を検出するための試薬を含む、実施形態8の方法である。
【0113】
[00113]実施形態10は、培地を提供することが、腸内細菌科の微生物の増殖を促進するように選択された培地を提供することを含み、検出物品を提供することが、赤痢菌属の微生物を検出するための検出物品を提供することを含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法である。
【0114】
[00114]実施形態11は、第1の指示薬系が、β−グルコシダーゼ、β−フコシダーゼ、N−アセチル−β−ガラクトサミニダーゼ、又は前述の酵素活性のうちの任意の2つ以上の組み合わせを検出するための試薬を含む、実施形態10に記載の方法である。
【0115】
[00115]実施形態12は、培地を提供することが、腸内細菌科の微生物の増殖を促進するように選択された培地を提供することを含み、検出物品を提供することが、クロノバクター属の微生物を検出するための検出物品を提供することを含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法である。
【0116】
[00116]実施形態13は、第1の指示薬系が、α−グルコシダーゼ及び/又はβ−セロビオシダーゼ酵素活性を検出するための試薬を含む、実施形態12の方法である。
【0117】
[00117]実施形態14は、培地を提供することが、腸内細菌科の微生物の増殖を促進するように選択された培地を提供することを含み、検出物品を提供することが、大腸菌を検出するための検出物品を提供することを含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法である。
【0118】
[00118]実施形態15は、第1の指示薬系が、β−グルクロニダーゼ酵素活性を検出する試薬を含む、実施形態14に記載の方法である。
【0119】
[00119]実施形態16は、培地を提供する工程が、大腸菌微生物の増殖を促進するように選択された培地を提供することを含み、検出物品を提供することが、大腸菌を検出するための検出物品を提供することを含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法である。
【0120】
[00120]実施形態17は、第1の指示薬系が、β−グルクロニダーゼ酵素活性を検出するための試薬を含む、実施形態16の方法である。
【0121】
[00121]実施形態18は、培地を提供することが、リステリア属の微生物の増殖を促進するように選択された培地を提供することを含み、検出物品を提供することが、リステリア・モノサイトゲネスを検出するための検出物品を提供することを含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法である。
【0122】
[00122]実施形態19は、第1の指示薬系が、α−マンノピラノシダーゼ及び/又はホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼC酵素活性を検出するための試薬を含む、実施形態18の方法。
【0123】
[00123]実施形態20は、培養デバイス又は物品に接触させた培養デバイスを観察することが、培養デバイスを視覚的に観察することを含む、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法である。
【0124】
[00124]実施形態21は、培養デバイス又は物品に接触させた培養デバイスを観察することが、撮像デバイスを使用して、培養デバイスを観察することを含む、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法である。
【0125】
[00125]実施形態22は、培養デバイス内の指示微生物のコロニー形成単位を数えることを更に含む、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の方法である。
【0126】
[00126]実施形態23は、培養デバイス内の標的微生物のコロニー形成単位を数えることを更に含む、実施形態1〜22のいずれか1つに記載の方法である。
【0127】
[00127]実施形態24は、培地を検出物品に接触させることが、所定の温度で、培地を検出物品に接触させることを更に含む、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の方法である。
【0128】
[00128]実施形態25は、上側及び下側の主表面を有する基材及び主表面のうちの少なくとも1つに配置された第1の指示薬系を含むコーティングを備える検出物品であって、第1の指示薬系が、α−ガラクトピラノシド又はカプリレートエステラーゼ酵素活性によって第1の状態から第2の状態へ変換される、検出物品である。
【0129】
[00129]実施形態26は、第1の指示薬系が、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−カプリル酸、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−カプリル酸、及び前述の指示薬のうちの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される指示薬を含む、実施形態25に記載の物品である。
【0130】
[00130]実施形態27は、上側及び下側の主表面を有する基材及び主表面のうちの少なくとも1つにコーティングされた第1の指示薬系を含む検出物品であって、第1の指示薬系が、β−グルクロニダーゼ酵素活性によって第1の状態から第2の状態へ変換される、検出物品である。
【0131】
[00131]実施形態28は、第1の指示薬系が、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルクロン酸、p−ニトロフェニル−β−グルクロニド、p−ニトロフェニル−2,3,4−トリ−O−アセチル−β−グルクロン酸メチルエステル、フェノールフタレイングルクロン酸、フェノールフタレインモノ−P−グルクロン酸、ナフチル−AS−BI−β−D−グルクロニド、4−メチルウンベリフェリルβ−D−グルクロニド、8−ヒドロキシキノリン−ベータ−D−グルクロン酸、ナトリウム塩、2−ナフチル−ベータ−D−グルクロン酸、ナトリウム塩、4−ニトロフェニル−ベータ−D−グルクロン酸、ナトリウム塩、フェノールフタレイン−ベータ−D−グルクロン酸、ナトリウム塩一水和物、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−ベータ−D−グルクロン酸、シクロヘキシルアンモニウム塩、3−インドキシル−ベータ−D−グルクロン酸、シクロヘキシルアンモニウム塩、3−インドキシル−ベータ−D−グルクロン酸、ナトリウム塩、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドキシル−ベータ−D−グルクロン酸、シクロヘキシルアンモニウム塩、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−ベータ−D−グルクロン酸、ナトリウム塩無水物、及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−ベータ−D−グルクロン酸、ナトリウム塩三水和物、並びに前述の指示薬のうちの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される指示薬を含む、実施形態27の物品である。
【0132】
[00132]実施形態29は、上側及び下側の主表面を有する基材及び主表面のうちの少なくとも1つにコーティングされた第1の指示薬系を含む検出物品であって、第1の指示薬系が、α−マンノピラノシダーゼ又はホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼC酵素活性によって第1の状態から第2の状態へ変換される、検出物品である。
【0133】
[00133]実施形態30は、第1の指示薬系が、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−ミオ−イノシトール−1−ホスフェート、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドキシルミオ−イノシトール−1−ホスフェート、アンモニウム塩、4−メチルウンベリフェリルミオ−イノシトール−1−ホスフェート、N−メチル−モルホリン塩、3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、5−ブロモ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、4−クロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、5−ヨード−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、クロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、6−ブロモ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、6−クロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、6−フルオロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、4,6−ジクロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、6,7−ジクロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、4,6,7−トリクロロ−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−N−メチル−−α−D−マンノピラノシド、3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、及びN−メチル−3−インドキシル−α−D−マンノピラノシド、6−ブロモ−2−ナフチル−α−D−マンノピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−α−D−マンノピラノシド、4−ニトロフェニル−α−D−マンノピラノシド、及び前述の指示薬のうちの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される指示薬を含む、実施形態29の物品である。
【0134】
[00134]実施形態31は、接着層を更に備える物品であって、第1の指示薬系の少なくとも一部分が、接着層上又は接着層内に配置される、実施形態25〜30のいずれか1つに記載の物品である。
【0135】
[00135]実施形態32は、第1の指示薬系が、両方の主表面にコーティングされている、実施形態25〜31のいずれか1つに記載の物品である。
【0136】
[00136]実施形態33は、基材が、ポリマーフィルム、紙、不織布、メンブレンフィルタ、及び前述の任意の派生物からなる群から選択される、実施形態25〜32のいずれか1つに記載の物品である。
【0137】
[00137]実施形態34は、コーティングが結合剤を含む、実施形態25〜33のいずれか1つに記載の物品である。
【実施例】
【0138】
[00138]材料
一塩基性リン酸カリウム(KH
2PO
4)−Mallinkrodt Baker,Inc.;Phillipsburg,NJ
二塩基性リン酸カリウム(K2HPO4)−AMRESCO、Solon,OH
グアーガム−M150グアーMEYPROGATガム、Meyhall Chemical AG
5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−ガラクトピラノシド−BIOSYNTH AG,Rietlistr,Switzerland
ポリエステルフィルム−2.91ミル(0.074mm)透明ポリエステルフィルム
BCIG−5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−グルクロニド酸シクロヘキシルアンモニウム塩−BIOSYNTH AG
メチルグルクロニド−1−O−メチル−ベータ−D−グルクロン酸、ナトリウム塩−BIOSYNTH AG
【0139】
[00139]実施例1.サルモネラ標的微生物を検出するための検出物品の調製
[00140]4L容器内の1000mLの逆浸透処理水中に13.6gの一塩基性リン酸カリウムを添加し、気流型混合機で約1.5分間混合し、続いて、3.4gの二塩基性リン酸カリウムを添加し、約2分混合することによって、コーティング組成物を調製した。次いで、11gのグアーガムをゆっくりと添加し、5分間混合した。混合している間、混合物が80℃に到達するまで、容器を覆って、電気こんろ上で加熱した。容器を電気こんろから外し、室温で約15分間混合し、次いで、混合物が約40℃になるまで冷やした。5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−ガラクトピラノシドを、10mLの逆浸透水に添加し、混合物をボルテックスして均一な懸濁液を形成することによって指示薬懸濁液を調製した。コーティング組成物を約40℃まで冷却した後、指示薬懸濁液をコーティング組成物中に混合した。
【0140】
[00141]次いで、混合物を冷蔵庫から取り出し、約室温にした。混合物を10インチ(25.4cm)×54インチ(137.2cm)のポリエステルフィルムのシート上で約8インチ(20.32cm)の幅に手動でナイフコーティングし、24平方インチ(9.69g/m
2、「ディスク1A」)当り約0.150グラムの乾燥コーティング重量を得た。コーティング手順を繰り返して、0.185g/24平方インチ(11.95g/m
2、「ディスク1B」)、0.240g/24平方インチ(15.5g/m
2、「ディスク1C」)、及び0.30g/24平方インチ(19.38g/m
2、「ディスク1D」)の乾燥コーティング重量を有するコーティングされたフィルムを得た。コーティングされたシートを、オーブンで230F(110C)の設定で5〜15分間、乾燥するまで乾燥した。コーティングされたシートをプラスチック袋中に保管した。シートを各々4インチ(10.2cm)の正方形に切断し、試験するまで該正方形をプラスチック袋中に保持した。
【0141】
[00142]実施例2.検出物品でサルモネラ標的微生物を検出すること
[00143]寒天画線プレートから単離されたサルモネラ・エンテリカ・アゴナ((FSD #140)のコロニーを、5mLのトリプシン大豆ブイヨン中に植菌し、一晩、35℃でインキュベートした。一晩培養物をButterfieldのPhosphate Diluent中に希釈し、1ミリリットル当り約100コロニー形成単位(CFU)を有する懸濁液を得た。4つの細菌培養デバイス(3M(商標)Petrifilm(商標)腸内細菌科Count Plates、3M Company、St.Paul MN)を製造者の説明書にしたがって、1mLの細菌懸濁液で各々植菌し、35℃で22〜24時間インキュベートした。デバイスを検査し、赤いコロニー(直径約1mm)は、黄化した酸性ゾーン(直径約24mm)で囲まれた。培養プレートの上部フィルムを底部フィルムから慎重に引き上げ、培養プレート中の培地を露出させた。2つの正方形ディスク(ディスク1A)をプレート中に挿入した。第1のディスクを、そのコーティングされた表面とともに、底部フィルムに被着される培地に対して(すなわち、下向きに)設置した。第2のディスクを、第2のディスクのコーティングされた面が底部フィルムから見て外側を向くように第1のディスクの上部に(すなわち、上向きに)設置した。上部フィルムを慎重に降ろし(「転がす」動きを使用して)、上部フィルムに接着される培地を第2のディスクのコーティングされた面と接着させた。閉じたプレートの上部フィルムの外側表面に軽い指圧を適用し、培養デバイスの表面とディスクのコーティングされた表面との間の接触を確実にした。該手順をディスク1B、1C、及び1Dを用いて繰り返した。ディスクを伴うデバイスを35℃でインキュベートし、5時間、毎時検査した。各検査の間にディジタル画像を撮影した。該画像は、コロニー中の微生物による、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−ガラクトピラノシドの加水分解のため、約3時間以内に、プレートの各々上の全てのコロニーが青〜青緑になったことを示した。
【0142】
[00144]実施例3.大腸菌標的微生物を検出するための検出物品の調製
[00145]コーティング組成物を実施例1の手順に従って調製した。ビーカー内の50mLの逆浸透処理水中に0.4gの1−O−メチル−β−D−グルクロン酸(ナトリウム塩)及び2.0グラムの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−D−グルクロン酸を溶解し、電磁攪拌棒を用いて、室温で一定に攪拌することによって、懸濁液を調製した。指示薬懸濁液を含むビーカーを冷蔵庫に設置した。
【0143】
[00146]約40℃まで冷却したときに、コーティング組成物を冷蔵庫から取り出し、その後に、渦が形成されるまでエアモーターミキサで混合した。指示薬懸濁液をコーティング組成物に添加し、約20分混合した。次いで、使用するまで生成した検出培地を覆い、冷やした。
【0144】
[00147]実施例1に記載の手順に従って、24平方インチ(9.69g/m
2、「ディスク2A」)当り0.150グラム、0.185g/24平方インチ(11.95g/m
2、「ディスク2B」)、0.240g/24平方インチ(15.5g/m
2、「ディスク2C」)、並びに0.30g/24平方インチ(19.38g/m
2、「ディスク2D」)の乾燥コーティング重量を有するディスク2A、2B、2C、及び2Dを調製し、保管した。
【0145】
[00148]実施例4.検出物品を用いて大腸菌標的微生物を検出する工程
[00149]大腸菌株(ATCC #51813)の単離されたコロニーを、5mLのトリプシン大豆ブイヨン中に植菌し、35℃で20時間インキュベートして、約2×10
9cfu/mLの細菌濃度を有する一晩培養物を得た。培地をボルテックスし、10マイクロリットルの培地を99mLのButterfields Phosphate Buffer(希釈液1)に添加した。懸濁液を約20秒間勢いよく振盪し、5マイクロリットルのこの希釈液を別の99mLのButterfields Phosphate Bufferに添加した(希釈液2)。この懸濁液を約20秒間勢いよく振盪した。16個の細菌培養デバイス(3M(商標)Petrifilm(商標)High−Sensitivity大腸菌型Count Plate、3M Company、St.Paul MN)を、製造者の説明書にしたがって、5mLの希釈液2に各々植菌した。4個の培養デバイスを、4つの温度(それぞれ、32℃、35℃、37℃、並びに44.5℃)の各々で、22〜24時間インキュベートした。培養デバイスをインキュベーターから取り出し、ディジタルカメラを用いて各プレートのディジタル画像を記録した。各コロニーは、High−Sensitivity大腸菌型Count Plate上に、大腸菌型コロニーの特徴的な外観(すなわち、直径約2〜3mmの赤いゾーンによって囲まれた、直径約1mmの赤いコロニー中心部)を有した。
【0146】
[00150]各種類のディスク(すなわち、ディスク2A、ディスク2B、ディスク2C、及びディスク2D)を、実施例2に記載の通り、各温度でインキュベートされた別個の培養デバイス中に設置した。次いで、ディスクを伴うデバイスをそれらの対応する温度で5時間インキュベートした。各培養デバイスのディジタル画像を、5時間のインキュベーション時間の1時間毎後に記録した。
【0147】
[00151]ディスクを含む培養デバイスをインキュベートした後、それらを観察した。培養デバイスをディスクに接触させ、5時間インキュベートした後、全てのプレート上の赤いコロニーの各々が青くなった。ディスクを伴う、より高い温度でインキュベートしたプレートは、より低い温度でインキュベートしたプレートよりもより早い時間で青いコロニーを有することが観察された。より高いコーティング重量を有する検出物品を収容したプレートもまた、より低いコーティング重量を有する検出物品を収容したプレートよりも、より早い時間で、青いコロニーを有することが観察された。
【0148】
[00152]実施例5.リステリア指示微生物を増殖させるための培養デバイスの調製の机上の実施例
[00153]培地組成物を表3の物質で調製する。プロテオースペプトン、トリプトン、カザミノ酸、及び酵母抽出物は、例えば、Becton Dickinson(Sparks,MD)から入手可能である。Lab Lemco Powder/牛肉エキスは、例えば、Oxoid(Hampshire,UK)から入手可能である。ウシ血清アルブミンは、例えば、Serologicals Corporation(Norcross,GA)から入手可能である。ベータ−D−グルコシド指示薬は、例えば、BioSynth AGから入手可能である。セフタザジムは、例えば、Glaxo Wellcomeから入手可能である。
【0149】
【表3】
【0150】
[00154]構成成分1〜10(表3に示される)を1000mLの逆浸透水に添加し、混合して均一な懸濁液を得て、80℃に到達するまで混合物を過熱し、次いで室温まで冷却することによって、第1の混合物を調製する。第1の混合物を冷却している間に、構成成分11〜14(表1に示される)を10ミリリットルの逆浸透水中に混合することによって第2の混合物を調製する。第2の混合物をボルテックスし、均一な混合物を得て、それを第1の混合物に添加し、次いで混合して、均一な培地を更に得た。次いで、培地を18〜24時間(2〜8℃)冷やした。
【0151】
[00155]冷やされた培地を室温まで温め、次いで2.6ミル(0.074mm)厚の透明ポリエステルフィルムのシート上にナイフコーティングし、約200°F(93℃)で5〜10分間乾燥させた。ナイフギャップを調整し、約515〜540mg/24in
2(33.27〜34.88g/m
2)の乾燥コーティング重量を得る。独立気泡ポリスチレンフォームの18ミル(0.46mm)厚のシートを感圧接着剤転写テープにラミネートする。直径2インチ(5.1cm)の円形開口部を、フォームシートからダイパンチし、フォームシートをポリエステルフィルムの培地がコーティングされた面にラミネートして、米国特許第4,565,783号の
図1に示される培養デバイスの底部に類似の構造体を形成する。3M(商標)Petrifilm(商標)Staph Express Count Plateから上部フィルムを取り除き、両面コーティング接着テープを有するスタイロフォームシートにそれを付着させることによって培養デバイスの調製を完成し、それによって、米国特許第4,565,783号の
図1に示される完成した培養デバイスに似ているデバイスを製造する。
【0152】
[00156]実施例6.リステリア・モノサイトゲネス標的微生物を検出するための検出物品の調製の机上の実施例
[00157]コーティング組成物を、実施例1で記載の通り、1000ミリリットルの逆浸透水中にグアーガム、リン酸二ナトリウム、及びリン酸水素カリウム(表4に示される)を混合して、均一分散液を形成することによって作製した。
【0153】
【表4】
【0154】
[00158]コーティング組成物を有する容器を覆い、80℃の温度に加熱する間、分散液を連続的に混合する。次いで、それを加熱から外し、室温で連続的に混合する。5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−ミオ−イノシトール−1−ホスフェート(例えば、Biosynth AGから入手可能である)を10mLの逆浸透水に添加し、ボルテックスして均一な懸濁液を形成することによって、指示薬懸濁液を調製する。コーティング組成物が室温まで冷却した後、指示薬懸濁液をコーティング組成物中に混合する。混合物を覆い、18〜22時間冷やす。コーティング混合物を冷蔵庫から取り出し、およそ室温まで温めさせる。2.9ミル(0.074mm)のポリエステルフィルムを、実施例1に記載の手順に従って、混合物でナイフコーティングし、約80〜95mg/24in
2(5.17〜6.14g/m
2)の乾燥コーティング重量を有するフィルムを得る。ポリエステルフィルムをひっくり返し、同一の様式で反対側にナイフコーティングした。次いで、両面がコーティングされたフィルムを約2インチ(5.1cm)の直径を有する円形のディスクに打ち抜く。
【0155】
[00159]実施例7−リステリア・モノサイトゲネス標的微生物を検出する机上の実施例
[00160]標準的な試料捕集及びブイヨン増菌手順(例えば、the US Department of Agriculture、the Food Safety Inspection Service、又はthe Bacteriological Analytical Manualによって特定されるように)を使用して、増菌培養物を食品及び環境試料から調製した。Butterfieldの希釈剤中に培養物の8段階、10倍希釈液を調製する。実施例5に記載される個々の培養デバイス中に1ミリリットルの各希釈液を植菌する。次いで、35〜37℃で、18〜30時間、デバイスをインキュベートする。リステリア(リステリア・モノサイトゲネスの存在を示す指示微生物群)を示す典型的なコロニー形態(例えば、直径約0.5〜1.5mmの赤いコロニー)についてデバイスを検査する。インキュベーションの後、典型的に有色コロニーが培養デバイス中に見られる場合、使用者は検出物品を更に挿入して、鑑別可能なコロニー検出する。培養デバイスの上部フィルムをそっと引き戻し、2インチ(5.1cm)の実施例6に記載の検出物品を培地と接触させて設置する。上部フィルムを再び閉じ、それを検出物品と接触させる。上部フィルムを軽い指圧で押圧し、デバイスの増殖領域を検出物品と接触させ得る。デバイスを最大5時間、35〜37℃でインキュベートし、定期的に(例えば、1時間毎に)、コロニー中に青〜青緑色が存在するか検査する。青〜青緑色の有色コロニーは、リステリア・モノサイトゲネスの存在を示す。
【0156】
[00161]実施例8−リステリア・モノサイトゲネス標的微生物を検出する方法
[00162]薄膜培養デバイスの調製−ブイヨンコーティングされた基質:
[00163]グアーガムを除く表5に示される全ての成分を、ステンレススチールビーカー中の970ミリリットルの脱イオン水と混合した。混合しながら、グアーを添加し、完成した混合物を80℃まで加熱した。加熱された完成した混合物を約15分間攪拌し、覆い、冷蔵庫で一晩冷却した。コーティングする前に、20ミリリットルのサプリメントA(ウシ血清アルブミン、3.2g/20mL)及び10ミリリットルのサプリメントB(セフタジジム五水和物、40mg/10mL)をコーティング混合物に混合した。透明ポリエステルフィルム(2.91ミル(0.07mm)厚)上に、15ミル(0.38mm)ギャップを使用して、サプリメントを含むコーティング混合物をナイフコーティングした。コーティングされたポリエステルを約8分間、210℃設定のオーブン内で乾燥した。乾燥され、コーティングされた混合物の最終コーティング重量は0.308g/24in
2(0.308g/154.8cm
2)であった。米国特許第5,601,998号の実施例1に記載の通り、直径2インチ(5.08cm)の開口部を有するスタイロフォームスペーサー(20ミル(0.51mm)厚)を、コーティングされ、乾燥されたフィルムに被着し、その全文は参照することにより本明細書に組み込まれる。基材を約4インチ(10.2cm)×4インチ(10.2cm)の切片に切断し、各切片は、乾燥され、コーティングされたブイヨン組成物の円形の領域にはめられる、5cmの開口部を有するスペーサーを有する。
【0157】
[00164]
【表5】
【0158】
[00165]薄膜培養デバイスの調製−粉末コーティングされた基質:
[00166]ポリエチレンコーティングされた紙(0.13mm厚)をSchoeller Paper(Pulaski,NY)から入手した。6−クロロ−3−インドキシル−β−D−グルコピラノシド(X−gluc、製品番号B5020)をBiosynth AG(Staad,Switzerland)から入手した。X−gluc(139.1mg)を200グラムの接着剤(96:4の重量比のイソオクチルアクリレート及びアクリルアミドのコポリマー)中に十分に混合した。次いで、接着剤混合物をポリエチレンコーティングされた紙上にナイフコーティングし、210℃のオーブン内で加熱し、0.237g/24in
2(0.237g/154.8cm
2)の乾燥コーティング重量を得た。エチレンオキシドを使用して、あらかじめ殺菌したグアーガムの層で接着剤コーティングされたフィルムをコーティングした。過剰なグアーガムを振り落とし、粉末コーティングされた基質を約4インチ(10.2cm)×4インチ(10.2cm)の切片に切断した。
【0159】
[00167]薄膜培養デバイスの組み立て:
[00168]1枚の両面接着テープ(3M Company,St.Paul,MN)を、各ブイヨンコーティングされた基質上のスタイロフォームスペーサーの一端に沿って貼り付けた。粉末コーティングされた基質を整列させて(粉末コーティングされた面がスペーサーに面する状態で)ブイヨンコーティングされた基質と重ね合わせ、粉末コーティングされた面を両面接着テープに被着し、組み立てられた培養デバイスを形成した。
【0160】
[00169]検出物品の調製:
[00170]次の構成成分、13.0グラムのグアーガム及び2.0mLのジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解された、141.3ミリグラムの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−ミオ−イノシトール−1−ホスフェート(X−IP、製品番号B7404−P00、Biosynth AGより入手)の溶液を、1000ミリリットルの脱イオン水中に混合することによってコーティング混合物を調製した。混合の間、混合物を覆われたビーカー中で80℃まで加熱し、その温度で、更に15分間混合し、次いで冷蔵庫内で冷却した。コーティングする前に、混合物を室温まで温めた。上述の透明ポリエステルフィルム上に混合物をナイフコーティング(25ミル(0.64mm)ギャップ)した。コーティングされたフィルムを210℃のオーブン内で乾燥し、0.092g/24in
2(0.092g/154.8cm
2)の乾燥コーティング重量を得た。コーティングされた基質を約4インチ(10.2cm)×4インチ(10.2cm)の切片に切断した。
【0161】
[00171]検出方法。
[00172]酵母抽出物(TSBYE)を含むトリプシン大豆ブイヨンの別個の管中に、表6に示される細菌の各々の純粋なコロニーを植菌する。管を35℃で18〜24時間インキュベートした。個々の培養デバイス(この実施例に記載される通り調製される)を開き、スタイロフォームスペーサーによって画定される乾燥ブイヨンの円形の領域中に1.5mLのButterfieldの緩衝液をピペッティングすることによって水和した。粉末コーティングされた紙を緩衝液と接触させ、緩衝液をスペーサーによって画定される全円形の増殖領域中に広げながら培養デバイスを閉じる。水和されたプレートを室温で1時間放置させた。
【0162】
[00173]10マイクロリットルの一晩リステリアを培養した各々の物を、画線平板法技術によって、個々の水和された培養デバイス中に植菌し、植菌された培養デバイスを35℃で、ジッパーシールプラスチック袋内で24時間インキュベートした。インキュベーション後、コロニーを観察し、コロニーの外見は表6に記載される。
【0163】
[00174]細菌コロニーを含む水和されたゲルをポリプロピレンコーティングされた紙基材に付着させたままにしながら、インキュベートされたプレートを開いた。検出物品のコーティングされた面がコロニーを含む水和されたゲルに面するように、検出物品(この実施例に記載の)を培養デバイスに設置した。次いで、検出物品のコーティングされた面を、細菌コロニーを含む水和されたゲルと接触させながら、培養デバイスを閉じた。次いで、培養デバイスを35℃でインキュベートし、観察した。観察結果を表6に記す。結果は、リステリア・モノサイトゲネス微生物のみが、検出物品にからの酵素基質指示薬(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−ミオ−イノシトール−1−ホスフェート)と反応(すなわち、加水分解)したことを示す。
【0164】
[00175]
【表6】
1−24時間のインキュベーション後のコロニーの外見
2−検出物品を培養デバイスの増殖領域と接触させた後、15〜60分以内のコロニーの外見
【0165】
[00176]本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を行ってもよい。これらの及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に含まれる。