特許第5911512号(P5911512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5911512色安定性が改良されたフェノール系酸化防止剤含有鉱物油
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5911512
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】色安定性が改良されたフェノール系酸化防止剤含有鉱物油
(51)【国際特許分類】
   C10M 141/06 20060101AFI20160414BHJP
   C10M 169/04 20060101ALI20160414BHJP
   C10M 133/08 20060101ALN20160414BHJP
   C10M 129/10 20060101ALN20160414BHJP
   C10M 129/76 20060101ALN20160414BHJP
   C10M 101/02 20060101ALN20160414BHJP
   C10N 20/00 20060101ALN20160414BHJP
   C10N 30/10 20060101ALN20160414BHJP
【FI】
   C10M141/06
   C10M169/04
   !C10M133/08
   !C10M129/10
   !C10M129/76
   !C10M101/02
   C10N20:00 B
   C10N20:00 Z
   C10N30:10
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-548569(P2013-548569)
(86)(22)【出願日】2012年1月6日
(65)【公表番号】特表2014-506285(P2014-506285A)
(43)【公表日】2014年3月13日
(86)【国際出願番号】US2012020454
(87)【国際公開番号】WO2012096836
(87)【国際公開日】20120719
【審査請求日】2015年1月6日
(31)【優先権主張番号】61/431,120
(32)【優先日】2011年1月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】303045328
【氏名又は名称】エスアイ・グループ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SI Group,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ボー
(72)【発明者】
【氏名】ガツトー,ビンセント・ジエイ
(72)【発明者】
【氏名】ジヤオ,ガンカイ
【審査官】 馬籠 朋広
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−101132(JP,A)
【文献】 特開平04−233958(JP,A)
【文献】 特開平04−227679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10M 101/00−177/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱物油の酸化を防止するための酸化防止剤濃縮物組成物であって、
(i)全ての重量%で酸化防止剤濃縮物組成物の全重量を基準にして、:0.1〜5重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、0.1〜99.9重量%のオルト−tert−ブチルフェノール、および0〜99.8重量%の2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、
(ii)全ての重量%で酸化防止剤濃縮物組成物の全重量を基準にして、:5〜20重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、および80〜95重量%のオルト−tert−ブチルフェノール、
(iii)全ての重量%で酸化防止剤濃縮物組成物の全重量を基準にして、:0.1〜5重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、30〜95重量%の3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルヒドロ桂皮酸、C7〜C9分枝状アルキルエステル、および0〜70重量%の2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、または
(iv)全ての重量%で酸化防止剤濃縮物組成物の全重量を基準にして、:0.1〜5重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、および95〜99.9重量%の4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)
を含む酸化防止剤濃縮物組成物。
【請求項2】
鉱物油を含む鉱物油組成物であって、ジベンジルヒドロキシルアミンと:
オルト−tert−ブチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルヒドロ桂皮酸、C7〜C9分枝状アルキルエステル、
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のヒンダードフェノールと
を含む鉱物油組成物。
【請求項3】
鉱物油が、0〜30重量%の芳香族炭化水素、5〜70重量%のナフテン系炭化水素、および1〜90重量%のパラフィン系炭化水素を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項4】
鉱物油が、全ての重量%で鉱物油組成物の全重量を基準にして、96〜99.95重量%の鉱物油、1ppm〜1000ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、0.010〜2重量%のオルト−tert−ブチルフェノール、および0〜2重量%の2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項5】
鉱物油が、全ての重量%で鉱物油組成物の全重量を基準にして、98〜99.75重量%の鉱物油、15ppm〜1800ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、および0.25〜1.5重量%のオルト−tert−ブチルフェノールを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
鉱物油が、全ての重量%で鉱物油組成物の全重量を基準にして、96〜99.75重量%の鉱物油、1ppm〜1000ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、0.25〜2重量%の3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルヒドロ桂皮酸、C7〜C9分枝状アルキルエステル、および0〜2重量%の2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項7】
鉱物油が、全ての重量%で鉱物油組成物の全重量を基準にして、98〜99.85重量%の鉱物油、1ppm〜1000ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、および0.1〜2重量%の4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項8】
鉱物油の色を低減させる方法であって:
ジベンジルヒドロキシルアミンと、
オルト−tert−ブチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルヒドロ桂皮酸、C7〜C9分枝状アルキルエステル、
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のヒンダードフェノールとを鉱物油と接触させて、鉱物油組成物を形成する工程と;鉱物油組成物を室〜120℃の温度で加熱する工程と
を含む方法。
【請求項9】
鉱物油組成物の温度が、30℃〜120℃である、請求項に記載の方法。
【請求項10】
鉱物油組成物の温度が、50℃〜100℃である、請求項に記載の方法。
【請求項11】
鉱物油組成物を加熱する工程が、0.25〜20時間行われる、請求項に記載の方法。
【請求項12】
鉱物油が100超のAPHA色を有する、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色安定性が改良されたヒンダードフェノール系酸化防止剤含有鉱物油に関する。より詳細には、脱酸素剤、すなわち、ジベンジルヒドロキシルアミン(DBHA)を含有する色安定性ヒンダードフェノール系濃縮物または鉱物油ブレンドに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒンダードフェノール系化合物は、潤滑油および燃料用途において効果的な酸化防止剤として用いられてきた。フェノール系化合物は、酸化連鎖反応において存在するペルオキシラジカルと反応して、安定な酸化防止剤ラジカルを形成するため、さらなる分解が防止される。しかし、鉱物油およびヒンダードフェノール系化合物は、日光、酸素および/または加熱への暴露から変色する傾向を有する。鉱物油およびヒンダードフェノール系化合物の酸化は、着色された共役種を結果として生ずる。さらなる変色に起因して、黄色または桃色から暗赤色までの範囲の色が経時的に生じ得る。酸化に起因した変色の結果としての鉱物油の色の変化は、かかる油の商業的価値を下げる。鉱物油の使用者は、汚染の尺度として色を用いることが多く、高度な着色は、使用が許容されない汚染された油であることを示唆している。したがって、耐酸化性かつ色安定性である鉱物油製剤を提供することが商業的に有利である。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、鉱物油の酸化を防止するのに好適な酸化防止剤組成物であって、ジベンジルヒドロキシルアミンと、(i)オルト−tert−ブチルフェノール、(ii)2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、(iii)3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルヒドロ桂皮酸、C7〜C9分枝状アルキルエステル、(iv)4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のヒンダードフェノールとを含む酸化防止剤組成物に関する。
【0004】
ジベンジルヒドロキシルアミン(DBHA)とヒンダードフェノール系酸化防止剤との組み合わせが、鉱物油中の酸化防止剤として効果的な非着色ヒンダードフェノール系酸化防止剤系を生成することを発見した。また、ある一定のジベンジルヒドロキシルアミンと1種以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤との組み合わせが、室温で完全に液状であって、ナフテン系および/またはパラフィン系鉱物油に添加されたときに酸化防止剤として効果的である非着色ヒンダードフェノール系酸化防止剤系濃縮物を生成する際に効果的であることも発見した。本発明はまた、標準色でない鉱物油の色を低減する方法であって:(i)ジベンジルヒドロキシルアミンを鉱物油と接触させて、鉱物油組成物を形成する工程と;(ii)鉱物油組成物を約室温〜約120℃の温度で加熱する工程とを含む方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、鉱物油の酸化を防止するのに好適な酸化防止剤濃縮物組成物であって、ジベンジルヒドロキシルアミン(DBHA)と、(i)オルト−tert−ブチルフェノール、(ii)2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、(iii)3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルヒドロ桂皮酸、C7〜C9分枝状アルキルエステル、(iv)4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のヒンダードフェノールとを含む酸化防止剤濃縮物組成物に関する。
【0006】
一実施形態において、酸化防止剤濃縮物組成物は、酸化防止剤濃縮物組成物の全重量を基準にして、全て重量%で、約0.1〜約5重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、約0.1〜約99.9重量%のオルト−tert−ブチルフェノール、および0〜約99.8重量%の2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを含む。
【0007】
別の実施形態において、酸化防止剤濃縮物組成物は、酸化防止剤濃縮物組成物の全重量を基準にして、全て重量%で、約5〜約20重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、および約80〜約95重量%のオルト−tert−ブチルフェノールを含む。
【0008】
別の実施形態において、酸化防止剤濃縮物組成物は、酸化防止剤濃縮物組成物の全重量を基準にして、全て重量%で、約0.1〜約5重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、約30〜約95重量%の3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルヒドロ桂皮酸、C7〜C9分枝状アルキルエステル、および0〜約70重量%の2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを含む。
【0009】
別の実施形態において、酸化防止剤濃縮物組成物は、酸化防止剤濃縮物組成物の全重量を基準にして、全て重量%で、約0.1〜約5重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、および約95〜約99.9重量%の4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)を含む。
【0010】
概して、酸化防止剤濃縮物組成物は、酸化防止剤濃縮物組成物の全重量を基準にして、全て重量%で、約0.1〜約15重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、約0.1〜約10重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、約0.1〜約5重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、約0.1〜約2重量%のジベンジルヒドロキシルアミン、または約0.1〜約1重量%のジベンジルヒドロキシルアミンを含む。同様に、酸化防止剤濃縮物組成物はまた、酸化防止剤濃縮物組成物の全重量を基準にして、全て重量%で、約85〜約99.9重量%の少なくとも1種のヒンダードフェノール、約90〜約99.9重量%の少なくとも1種のヒンダードフェノール、約95〜約99.9重量%の少なくとも1種のヒンダードフェノール、約98〜約99.9重量%の少なくとも1種のヒンダードフェノール、または約99〜約99.9重量%の少なくとも1種のヒンダードフェノールを含むこともできる。
【0011】
本発明は、鉱物油と、ジベンジルヒドロキシルアミンと、(i)オルト−tert−ブチルフェノール、(ii)2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、(iii)3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルヒドロ桂皮酸、C7〜C9分枝状アルキルエステル、(iv)4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のヒンダードフェノールとを含む鉱物油組成物にも関する。
【0012】
一実施形態において、鉱物油は、鉱物油の全重量を基準にして、全ての重量%で、約0〜約30重量%の芳香族炭化水素、約5〜約70重量%のナフテン系炭化水素、および約5〜約90重量%のパラフィン系炭化水素を含む。
【0013】
一実施形態において、鉱物油は、鉱物油の全重量を基準にして、全ての重量%で、約0.5〜約30重量%の芳香族炭化水素、約5〜約70重量%のナフテン系炭化水素、および約10〜約90重量%のパラフィン系炭化水素を含む。
【0014】
別の実施形態において、鉱物油は、鉱物油組成物の全重量を基準にして、全ての重量%で、約96〜99.95重量%の鉱物油、約1ppm〜約1000ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、約0.010〜約2重量%のオルト−tert−ブチルフェノール、
および0〜約2重量%の2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを含む。
【0015】
別の実施形態において、鉱物油は、鉱物油組成物の全重量を基準にして、全ての重量%で、約98〜99.75重量%の鉱物油、約15ppm〜約1800ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、および約0.25〜約1.5重量%のオルト−tert−ブチルフェノールを含む。
【0016】
別の実施形態において、鉱物油は、鉱物油組成物の全重量を基準にして、全ての重量%で、約96〜99.75重量%の鉱物油、約1ppm〜約1000ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、約0.25〜約2重量%の3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルヒドロ桂皮酸、C7〜C9分枝状アルキルエステル、および0〜約2重量%の2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを含む。
【0017】
別の実施形態において、鉱物油は、鉱物油組成物の全重量を基準にして、全ての重量%で、約98〜99.85重量%の鉱物油、約1ppm〜約1000ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、および0.1〜約2重量%の4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)を含む。
【0018】
概して、鉱物油組成物はまた、鉱物油組成物の全重量を基準にして、全ての重量%で:約1ppm〜約10,000ppm(すなわち、1重量%)のジベンジルヒドロキシルアミン、約1ppm〜約5000ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、約1ppm〜約1000ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、約1ppm〜約500ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、約1ppm〜約250ppmのジベンジルヒドロキシルアミン、または約1ppm〜約100ppmのジベンジルヒドロキシルアミンを含むこともできる。
【0019】
同様に、鉱物油組成物はまた、鉱物油組成物の全重量を基準にして、全ての重量%で、約.001〜約5重量%の少なくとも1種のヒンダードフェノール、約0.01〜約4重量%の少なくとも1種のヒンダードフェノール、約0.025〜約3重量%の少なくとも1種のヒンダードフェノール、約0.025〜約2重量%の少なくとも1種のヒンダードフェノール、または約0.025〜約1重量%の少なくとも1種のヒンダードフェノールを含むこともできる。
【0020】
加えて、鉱物油組成物はまた、鉱物油組成物の全重量を基準にして、全ての重量%で、約95〜約99.99重量%の鉱物油、約96〜約99.95重量%の鉱物油、約97〜約99.85重量%の鉱物油、約98〜約99.75重量%の鉱物油、または約98.5〜約99.5重量%の鉱物油を含むこともできる。
【0021】
鉱物油組成物はまた、組成物を種々の用途における使用に許容可能にするように追加の添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤として、分散剤、洗剤、粘度指数改良剤、流動点降下剤、耐摩耗性添加剤、極圧添加剤、摩擦調整剤、防錆剤、防食剤、乳化剤、抗乳化剤、消泡剤、着色剤、シール膨潤剤、および追加の酸化防止剤が挙げられる。
【0022】
本発明はまた、DBHAを標準色でない鉱物油に添加して加熱することによって、酸化したまたは標準色でない鉱物油の色を低減するための方法にも関する。具体的には、鉱物油の色を低減させる方法であって:(i)ジベンジルヒドロキシルアミンを鉱物油と接触させて、鉱物油組成物を形成する工程と;(ii)鉱物油組成物を約室温〜約120℃の温度で加熱する工程とを含む方法である。
【0023】
組成物が穏やかに加熱されるとき、DBHAが鉱物油に漂白効果を与えることを発見し
た。酸化、熱的または他の影響によって色が増大した鉱物油などの任意の標準色でない鉱物油は、これをDBHAと合わせて穏やかに加熱することによって、その色が低減され得る。標準色でない鉱物油の例は、約400超、約350超、約300超、約250超、約200超、約150超、または約100超のAPHA色(ASTM D1209によって決定される)を有するものである。
【0024】
穏やかな加熱は、約室温超〜約120℃、約30℃〜約120℃または約50℃〜約100℃の範囲であり得る。時間量は、約0.25〜約20時間、約0.5〜約10時間または約0.5〜約5時間の範囲であり得る。
実施例
【0025】
以下の実施例は本発明を説明する。しかし、本発明は、本明細書に完全に記載され、特許請求の範囲に列挙されている通りであり、以下の実施例の詳細によって限定されることを意図していないことが理解されよう。
実施例1〜7
老化鉱物油製剤の色変化
【0026】
以下の実施例は、いくつかの酸化防止鉱物油製剤および40℃で18日にわたって老化させたガードナー色数の変化を比較する。約1重量%の芳香族炭化水素、約40重量%のナフテン系炭化水素、および約59重量%のパラフィン系炭化水素を含有する鉱物油を2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(Albemarle Corporation製Ethanox4701(E−4701))とブレンドした。ジベンジルヒドロキシルアミン(DBHA)またはジエチルヒドロキシアミン(DEHA)のいずれかを添加して色を安定させた。加えて、いくつかの実施例では、老化を加速する酸化触媒として作用する添加された銅(Cu)と、N,N’−ジサリチリデン−1,2−プロパンジアミン金属不活性化剤(Ethanox4705)とを有した。
【0027】
色を、ASTM D1544、「Test Method Color of Transparent Liquids (Gardner Color Scale)」に従って、ASTM D6166、「Color of Naval Stores and Related Products (Instrumental Determination of Gardner Color)」において変更されているように測定した。ガードナー色数は、0から18に及び、0が最も明るい色であり、18が最も暗い色であった。結果を以下の表1に示す。
【表1】
【0028】
結果は、DBHAを用いCuで触媒した実施例5が、DBHAを用いずCuで触媒した実施例C−2およびDEHAを用いCuで触媒した実施例C−6と比較して、鉱物油製剤の色安定性を有意に改良することを示している。
実施例8〜12
鉱物油製剤のRPVOT
【0029】
回転加圧容器酸化試験(「RPVOT」)値は、多くの工業潤滑油用途において重要な規格試験であり、該油が酸化環境に耐える能力を測定する。この試験法は、酸素加圧容器を利用して、新しい、使用中の完全に配合された潤滑油、および他の最終的な潤滑剤の酸化安定性を水および銅触媒コイルの存在下に150℃で評価する。圧力を25psiに降下させる期間は、試験サンプルの酸化安定性の尺度であり:時間が長いほど、材料の酸化安定性が良好である。RPVOT値をASTM D2272によって測定する。以下の実施例は、いくつかの酸化防止鉱物油製剤を比較する。
【0030】
約1重量%の芳香族炭化水素、約40重量%のナフテン系炭化水素、および約59重量%のパラフィン系炭化水素を含有する鉱物油を、DBHAまたはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を用いてまたは用いずに、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(Albemarle Corporation製Ethanox4701(E−4701))とブレンドした。結果を以下の表2に示す。
【表2】
【0031】
結果は、鉱物油においてE−4701がBHTよりもかなり良好な酸化防止剤であること、およびDBHAがRPVOT値に有意に影響しないことを示している。
実施例12〜15
鉱物油製剤の光安定性
【0032】
約1重量%の芳香族炭化水素、約40重量%のナフテン系炭化水素、および約59重量%のパラフィン系炭化水素を含有する鉱物油を、DBHAまたはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を用いてまたは用いずに、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(Albemarle Corporation製Ethanox4701(E−4701))とブレンドした。製剤を16日間日光に暴露させた。結果を以下の表3に示す。
【表3】
【0033】
結果は、DBHAを含有する鉱物油が、DBHAを有さないものよりも光暴露に対して色安定性であることを示している。結果はまた、E−4701を用いた製剤、DBHAを用いない製剤が、BHTを用いた製剤よりもかなり色感受性であったことも示す。
実施例16〜21
標準色でない鉱物油の色の低減
【0034】
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(Albemarle Corporation製Ethanox4701(E−4701))を含有する、約5重量%の芳香族炭化水素、約5重量%のナフテン系炭化水素、および約90重量%のパラフィン系炭化水素を含有する標準色でない鉱物油(APHA色401)をDBHAとブレンドし、30℃、50℃および70℃の温度で0〜5時間穏やかに加熱した。色数(APHAスケール)をASTM D1209によって決定した。
【表4】
【0035】
結果は、油含有DBHAを30℃以上で加熱したとき、鉱物油のAPHA色を低減させたことを示している。
実施例22〜24
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)を用いた老化した鉱物油製剤の色数変化
【0036】
約25重量%の芳香族炭化水素、約65重量%のナフテン系炭化水素、および約10重量%のパラフィン系炭化水素を含有する鉱物油を、DBHAを用いおよび用いずに4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)(Albemarle Corporation製Ethanox4702(E−4702))とブレンドした。上記サンプルを200℃の従来のオーブンに2時間入れ、次いでサンプルの色数を測定した。オーブン温度を80℃に低下させ、該温度で長時間保持し、色数の測定値を1、4および24時間の間隔で採取した。データは、E−4702とDBHAとの混合物が、E−4702を含有する鉱物油の変色を低減させるだけでなく、加熱老化プロセスの間の鉱物油自体の変色も有意に低減させることを示している。
【表5】
【0037】
本明細書またはその特許請求の範囲のあらゆる箇所における化学名または式によって称される構成要素は、単数であっても複数であっても、化学名または化学型によって称される別の物質(例えば、別の構成要素、溶媒など)と接触する前に存在しているものとして特定される。化学変化、変換および/または反応は、存在する場合、かかる変化、変換および/または反応が本開示に準じて示される条件下に特定の構成要素を一緒にした必然的な結果であるときには、得られる混合物または溶液中で起こることは重要ではない。したがって、これらの構成要素は、所望の操作を実施することに関連して、または所望の組成物を形成する際に、一緒にされるべき成分として識別される。また、以下の特許請求の範囲が物質、構成要素および/または成分を現在時制(「含む」、「である」など)で称していても、本開示に従って1種以上の他の物質、構成要素および/または成分と初めに接触、ブレンドまたは混合された直前のときに存在しているとして物質、構成要素または成分を称している。物質、構成要素または成分は、本開示に従って化学者によって行われると、接触、ブレンドまたは混合操作の間に化学反応または変換を通してその元来の同一性を失い得るという事実は、したがって実用上の関心事ではない。
【0038】
本明細書に記載され特許請求の範囲における発明は、本明細書に開示されている具体的な例および実施形態によって範囲が限定されるべきではない、なぜなら、これらの例および実施形態は、本発明のいくつかの態様の説明として意図されているからである。あらゆる等価の実施形態が、本発明の範囲内にあることが意図される。実際、以上の記載から、本明細書に示して記載されているものに加えて、本発明の種々の変形が当業者に明らかになろう。かかる変形もまた、添付の特許請求の範囲内にあると意図される。