【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明の第1の態様に従って、プログラム可能な操作装置によって移動させることができ、少なくとも1つのファスナを収容するためのマガジンが取り付けられた締結工具にファスナを供給するための方法により、実現され、この方法は、出口開口により常時連続的に開いている管部分を有する装填ステーションに向かってマガジンを動かすステップと、マガジンを出口開口に対して方向付けるステップと、マガジンのエアシールを開くステップと、少なくとも1つのファスナを、ファスナが管部分及び出口開口を通って移動してマガジンに到達するように、管部分に運搬するステップと、を有する。
この場合において、出口ポートに対するマガジンの位置合わせが、該マガジンの少なくとも1つの位置合わせピンを装填ステーションの位置合わせ開口に挿入することにより行われ、該位置合わせピンは、マガジンのエアシールが開かれる前か、又は、少なくとも運搬ステップが実行される前に、位置合わせ開口(54)から引き抜かれる。
【0008】
さらに、上述の目的は、ファスナによって締結するための装置、特に上述の供給方法を実行するための装置によって実現され、この装置は、プログラム可能な操作装置によって動かすことができる締結工具と、締結工具上に取り付けられ、入口ポートと少なくとも1つのエアシールとを有する、少なくとも1つのファスナを収容するためのマガジンと、一度に少なくとも1つのファスナを供給するために供給装置に位置合わせすることができる供給ポートと出口ポートとを有し、該出口ポートを通してファスナをマガジンに供給することができる、装填ステーションと、を含み、ここで供給装置は、マガジンの入口ポートが出口ポートに位置合わせされ、かつ、エアシールが開いているときに、少なくとも1つのファスナを装填ステーションに供給するように設定されており、装填ステーションは、供給ポートと出口ポートとの間に恒久的に連続した管部分を有する。
マガジンのマガジンプレート上には、装填ステーションの対応する位置合わせ開口に挿入することができる、少なくとも1つの位置合わせピンが設けられ、該位置合わせピンは、電動式位置合わせアクチュエータによって、マガジンプレートの接触面から突出する第1の位置と、該マガジンプレートの接触面から本質的に突出しない第2の位置との間で動かすことができる構成である。
【0009】
第1の態様による方法及び第2の態様による装置は各々、恒久的に連続した管部分を有する装填ステーションによって特徴付けられる。従って、装填ステーションは、ファスナが装填ステーションから出ていくことを阻止し得る出口ゲートを有さないことが好ましい。その結果として、装填ステーションを機械的な複雑さが著しく小さくなるように設計することができる。
【0010】
そのうえ、マガジンには入口ゲートが設けられないので、このこともまた装填ステーションにおけるファスナの装填を容易にする。障害物のない装填ステーションからファスナが出ていくのを防ぐために、運搬又は供給ステップの始動に先立って、マガジンの入口ポートが装填ステーションの出口ポートと位置合わせされているかどうかについて照会が行われる。マガジンのエアシールが開いているかどうかについての付加的な照会も行われることが好ましい。供給装置によって1つ又はそれ以上のファスナを運搬又は供給するプロセスは、これらの条件が満たされるまで始動されないことが好ましい。弁機能をエアシールに組み込むことができる。
【0011】
ドッキングプロセスで機械的に動かすことができる作動要素又は伝達要素が装填ステーションに存在する必要がないという事実の結果として、マガジンを装填ステーションへと移動させるプロセス、及び、マガジンを装填ステーションから離れるように移動させるプロセスの両方をより速く行うことが可能であり、これは有利である。
【0012】
プログラム可能な操作装置は、例えば締結工具が取り外しできないように取り付けられたロボットとすることができる。この設計において、マガジンは、締結工具上に取り外し可能に又は取り外しできないように取り付けることができる。さらに、締結工具は、取り外し可能に操作装置に取り付けることができる。従って、マガジンを装填ステーションへと移動させることは、第1の選択肢では、締結工具を取り付けられたマガジンと共に装填ステーションへと移動させることを含むことができる。代替的に、マガジンを一時的に締結工具から取り外し、これを単独で装填ステーションへと移動させることも可能である。別の選択肢によれば、操作装置から締結工具を取り外し、操作装置だけをマガジンと共に装填ステーションへと移動させることも可能である。
【0013】
第1の態様による方法においては、センサ構成を用いて、マガジンが装填ステーションの出口ポートに接近したかどうか検出し、運搬ステップは、これが当てはまる場合にのみ始動されることが好ましい。
この設計において、センサ構成は、狭義に、装填ステーションへのマガジンの接近を検出するものとすることができるが、マガジンが出口ポートに対して位置合わせされたかどうかについても検出できることが好ましい。センサ構成は、例えば、光学センサ、磁気センサ、又は電気センサの形態の、単純なセンサ構成とすることができる。最も単純な事例では、センサ構成は、コンタクト又はスイッチとすることもできる。幾つかの実施形態においては、安全上の理由で、確実な冗長性を達成するために、少なくとも2つの別々のセンサで装填ステーションへのマガジンの接近を検出することが好ましい。
【0014】
別の好ましい実施形態によると、スイッチによって、マガジンが装填ステーションに到達したかどうかが検出され、運搬ステップは、マガジンが装填ステーションに到達したときにのみ始動される。
スイッチは、例えば、安全リミットスイッチとして設計することができる。従って、スイッチは、スイッチが作動していないときにファスナを管部分に運搬することを安全手段によって防止する安全装置に接続することができる。装填ステーションへの到達は、マガジンがスイッチを物理的に作動させること、従って、例えば装填ステーションに接触することを意味することができる。或いは、装填ステーションへの到達は、装填ステーションに対するマガジンの特定の位置が非接触方式で検出されることを意味する場合もある。
【0015】
さらに、出口ポートに対するマガジンの位置合わせが、マガジンの少なくとも1つの位置合わせピンを瞬間的に装填ステーションの位置合わせ開口内に挿入することを含むのであれば、有利である。
このようにして、出口ポートが常にマガジンの入口ポートに正確に位置合わせされることができることを保証することが可能になる。
この実施形態において、位置合わせピンは、マガジンのエアシールが開かれる前に位置合わせ開口から引き抜かれることが好ましいが、少なくとも実際の供給ステップが実行される前に引き抜かれる。
【0016】
最も単純な事例において、装填ステーションとマガジンとの間の相対位置は、このプロセスにおいて、プログラム可能な操作装置によって保持することができる。装填ステーションとマガジンとの間には接続部がないので、締結工具を装填ステーションから取り外すプロセスをより速く実行することができる。所望であれば、装填ステーションとその後の締結位置との間の、より直接的なカーブを操作装置にプログラムすることができる。
【0017】
一般に、位置合わせピンを装填ステーション上に設け、位置合わせ開口をマガジン上に設けることも実際には可能である。しかしながら、マガジン上に可動の位置合わせピンを備えることは、位置合わせの目的で機械式可動部品を装填ステーションに設ける必要がないという利点を有する。
【0018】
さらに、マガジンが締結工具に対して可動に取り付けられること、及び、出口ポートに対するマガジンの位置合わせが、マガジンを締結工具に対して動かすことを含むことが、有利である。この設計において、変位方向は、供給方向に対して平行であることが好ましい。このようにして、例えば、許容差を供給方向に対して平行な方向で補償することができる。換言すれば、操作装置は、装填ステーションにおいて長手方向位置に正確に接近する必要はない。
【0019】
マガジンが、締結工具に対して1つの変位方向で予荷重され、マガジンを出口ポートに対して位置合わせすることが、マガジンを締結工具に対して予荷重に抗して動かすことを含み、その結果、ファスナが管部分からマガジンに移動する間、プログラム可能な操作装置及び予荷重力によってマガジンを装填ステーションに対して保持できるようにすることが、ここで特に有利である。
【0020】
換言すれば、操作装置によって、長手方向で比較的大まかな位置に接近させることができる。このプロセスにおいて、マガジンは、予荷重によって装填ステーションに押し付けられる。ここでは、マガジンと装填ステーションとをドッキングステーション方式のように互いに機械的に結合させる必要はない。マガジンは、装填ステーションに長手方向で押し付けられるだけである。
この方策は、装填ステーションを、少ない費用で、又は機械的な複雑さが小さくなるように製作することを可能にする役割も果たす。
【0021】
さらに、マガジンを締結工具に対して可動に取り付けた場合には、マガジンは、停止機構によって、締結工具に対する変位位置に固定することができることが有利である。
このようにして、締結プロセス実行中の締結工具の比較的すばやい動きの間、又は個々の締結プロセス間で軌道を横切っている間、マガジンが締結工具に対して動くことを防止することができる。停止機構によって、マガジンを所定位置に固定することができるので、締結工具のそのようなすばやい動きの間にマガジンが受ける機械的応力が小さくなる。
【0022】
ここで、停止機構は、マガジンを装填ステーションに位置合わせする前に解放されることが好ましく、装填ステーションから外れたらすぐにロック状態に戻るように変化することが好ましいことが自明である。
ここで、停止ピン又はバーは、位置合わせピンに取り付けることが特に有利である。
この実施形態においては、位置合わせピンと停止バーとを単一のアクチュエータによって作動させて、ハードウェアの費用を削減することができるようにすることが可能である。しかしながら、代替的に、停止機構及び位置合わせピンの各々に個別のアクチュエータを設けることも可能である。
【0023】
第2の態様による締結装置において、マガジンが装填ステーションに接近したかどうか検出するセンサ構成が、装填ステーション上に配置されることが好ましい。
上述のように、センサ構成は、装填ステーションへのマガジンの接近を検出するように、及び/又は、マガジンと装填ステーションとの位置合わせを検出するように構成することができる。
【0024】
さらに、マガジンが装填ステーションに到達したときに作動するスイッチが、装填ステーション上に配置されることが有利である。
上述のように、そのようなスイッチは、安全リミットスイッチとして設計することができる。
【0025】
さらに、マガジンは、締結工具に対して可動となるように取り付けることが有利である。
ここで、少なくとも1つのファスナが管部分を通ってマガジンの中へと供給される間、マガジンと装填ステーションとの間の相対位置を保持するために、出口ポートが入口ポートに位置合わせされたときにマガジンプレートを装填ステーションプレートに押し付けることができるように、マガジンは、1つの変位方向で弾性的に予荷重されることが特に有利である。
さらに、マガジンは、停止機構によって、締結工具に対する変位位置に固定することができることが有利である。
マガジンが装填ステーションに接近すると、停止機構は解放されるので、相対的な可動性を達成することができる。マガジンが装填ステーションから離れるように再び移動するときには、マガジンを締結工具に対して所定の位置に固定するために停止機構が作動する。
【0026】
概して、マガジンのエアシールは、電気駆動式エアシールアクチュエータによって作動させることが可能であることが、さらに有利である。
この実施形態においては、マガジンゲートは設けられず、それゆえドッキングステーションにおけるドッキングプロセスでは必要とされるゲートの機械式開放は行われない。この実施形態において、ファスナを入れることを許すためにエアシールの開放が与えられる。その後、エアシールは閉じられ、ファスナがマガジンに届いた後で圧縮ガスがファスナをマガジン内で運搬することを可能にする。シールの開放及び閉鎖は、エアシールアクチュエータを動作させる手段によって、別々のプロセスにより行われる。このようにして、検知手段による特定の状態の検出に応じて、マガジンに対するエアシールの開放及び閉鎖を実行することが可能である。例えば、エアシールアクチュエータを動作させるプロセスは、マガジンが装填ステーションに接近したことを確認する近接センサからの信号を待機することが好ましい。エアシールの開放は、装填ステーションの出口ポートがマガジンの入口ポートと位置合わせされたかどうか確認するセンサ構成からの信号に応じて行われることが特に好ましい。
【0027】
さらに、概して、少なくとも1つの位置合わせピンがマガジンのマガジンプレート上に取り付けられ、このピンは、マガジンと装填ステーションとを互いに位置合わせするために、装填ステーションの、関連付けられた位置合わせ開口内に挿入することができることが有利である。
この状況での位置合わせは、主として、ファスナの供給方向を横切る方向で行われる。
ここで、位置合わせピンは、供給方向に対して平行に方向付けられることが好ましい。
位置合わせピンは、マガジンプレートに剛に取り付けることができる。
しかしながら、特に好ましい実施形態によれば、位置合わせピンは、位置合わせアクチュエータによってマガジンのマガジンプレートに対して動かすことができるように、取り付けられる。
【0028】
この設計において、位置合わせピンは、マガジンプレートの接触面から突出する第1の位置と、接触面から本質的に突出しない第2の位置との間で、電動式位置合わせアクチュエータなどによって動かすことができることが特に有利である。
このようにして、位置合わせピンは、ひとたび位置合わせが達成されると、第2の位置に戻るように引っ込めることができる。このようにして、マガジン又は締結工具が装填ステーションから離れる移動は、ドッキングトランスミッションなどの機械式解放が不要なので、より速く行うことが可能である。
位置合わせピンは、ファスナがマガジンに供給される前であっても、位置合わせアクチュエータによって引っ込められて第2の位置に戻ることが好ましい。そうすることで、実際の供給プロセス中に、マガジンプレートと装填ステーションプレートとの間にはどのような接続部も本質的に確立されないという結果が達成される。ここで、マガジンプレートは、機械的予荷重(例えば、ばね)のみで装填ステーションプレートに押し付けられることが好ましい。
【0029】
特に好ましい実施形態によると、位置合わせピンは、この位置合わせピンが第2の位置にあるときにマガジンを締結工具に対して所定位置に固定する、停止ピンに接続される。
上述のように、この実施形態において、位置合わせピンと停止ピン又はバーとを単一の組合せアクチュエータによって作動させることができる。
【0030】
上記指定の特徴及び後述の特徴は、記載した組合せで使用することのみが可能なのではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組合せで使用することも、又は単独で使用することも可能であることは自明である。
【0031】
本発明の例示的な実施形態は、図面に示され、かつ、以下の記載において詳細に説明される。