(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5911621
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】着脱可能なカバーを有するゴルフバッグ
(51)【国際特許分類】
A63B 55/00 20150101AFI20160414BHJP
【FI】
A63B55/00
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-48632(P2015-48632)
(22)【出願日】2015年3月11日
【審査請求日】2015年3月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515156599
【氏名又は名称】株式会社フォーマット
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(74)【代理人】
【識別番号】100198960
【弁理士】
【氏名又は名称】奥住 忍
(72)【発明者】
【氏名】牛田 元
【審査官】
宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−137066(JP,U)
【文献】
米国特許第05797439(US,A)
【文献】
米国特許第02718251(US,A)
【文献】
特開2001−314219(JP,A)
【文献】
実開昭58−080272(JP,U)
【文献】
実開昭51−068666(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 55/00 − 55/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブを収容するための筒状部と、
前記筒状部に着脱可能なカバーと、
前記筒状部に取り付けられるショルダーベルトと、
を含むゴルフバッグであって、
前記筒状部は、手の平でつかむための持ち手部及び前記ショルダーベルトの両端を取り付けるショルダーベルト取付部を備え、
前記カバーは、左右両端に、凸状部と凹状部を含む波形状の2つの連結部を有し、
前記カバーが前記筒状部周囲に巻回された状態で、前記筒状部における、前記持ち手部および前記ショルダーベルト取付部が設けられている領域において、前記2つの連結部が互いに連結または分離されることにより、前記カバーが前記筒状部に着脱可能であり、
前記凸状部に連結手段が設けられ、
前記凹状部が、前記持ち手部及びショルダーベルト取付け部の少なくともいずれか一方を収容するための開口部を形成することを特徴とするゴルフバッグ。
【請求項2】
前記連結部は、正弦波または矩形波を示す形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のゴルフバッグ。
【請求項3】
ゴルフクラブを収容するための筒状部と、
前記筒状部に着脱可能なカバーと、
前記筒状部に取り付けられるショルダーベルトと、
前記ショルダーベルトを覆うためのショルダーベルトカバーと、
を含むゴルフバッグであって、
前記筒状部は、手の平でつかむための持ち手部と前記ショルダーベルトの両端を取り付けるショルダーベルト取付部とを備え、
前記カバーは、左右両端に2つの連結部を有し、
前記カバーが前記筒状部周囲に巻回された状態で、前記筒状部における、前記持ち手部および前記ショルダーベルト取付部が設けられている領域において、前記2つの連結部が互いに連結または分離されることにより、前記カバーが前記筒状部に着脱可能であり、
前記ショルダーベルト取付部は環状部材を含み、
前記ショルダーベルトカバーは、被包部および該被包部より突出する舌状部を含み、前記被包部がショルダーベルトを被包した状態において前記舌状部が、前記環状部材に係合することを特徴とするゴルフバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状のゴルフバッグ本体および該ゴルフバッグ本体に着脱可能なゴルフバッグ本体カバー、持ち手部およびショルダーベルトからなるゴルフバッグであって、前記本体の筒状部に持ち手部、ショルダーベルト取付け部が設けられている形式のゴルフバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にゴルフバッグは、本体、持ち手部およびショルダーベルト等からなっている。このようなゴルフバッグのデザイン自体をユーザー側で自由に変更したいとのニーズに応えるため、ゴルフバッグ本体に着脱可能に構成したカバーを有するゴルフバッグが知られている(特許文献1〜3)。
【0003】
例えば特許文献1は、ゴルフバッグの表面のデザインを変更することを目的とし、リバーシブルゴルフバッグを提案する。このゴルフバッグは、ゴルフバッグ本体と、ゴルフバッグ本体に着脱が自由にできる外被体(カバー)を有している。
【0004】
外被体は展開可能なシート状で、外被体の両端側にはファスナーが設けられている。外被体の略中央上方には、ゴルフバッグの持ち手部を貫通させるための穴が設けられている。カバーをゴルフバッグ本体に取り付ける際に、この穴にちょうど持ち手部が収まる構造となっている。取付けられた状態では、外被体の両端側に設けられた開閉ファスナーは、ゴルフバッグの持ち手部やショルダーベルトが設けられる側とちょうど逆側の領域に位置することとなる。ショルダーベルトによりゴルフバッグを背負った状態で、開閉ファスナーが他のプレーヤー等から視認可能な状態となり外観がよろしくない。
【0005】
また、持ち手部用の穴の下方には、ファスナー付開口部が設けられている。ショルダーベルトを使用する際には、ファスナーを開き該開口部を開口させたうえで、ゴルフバッグ本体に設けられるショルダーベルト取付け部にショルダーベルトを取り付ける必要がある。
【0006】
さらに特許文献1の外被体は、外被体をゴルフバッグ本体に締め付けるための緊締ベルトを要する構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-154043号公報
【特許文献2】実開昭62-137066号公報
【特許文献3】実開昭51-68666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、冒頭に記載した形式の着脱可能なカバーを有するゴルフバッグであって、ゴルフバッグ本体へのカバー着脱がより簡単であり、かつカバーを取り付けた状態で外観上より美しい、改善されたカバー着脱式のゴルフバッグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明にかかるゴルフバッグは、
ゴルフクラブを収容するための筒状部と、
前記筒状部に着脱可能なカバーと、
前記筒状部に取り付けられるショルダーベルトと、
を含むゴルフバッグであって、
前記筒状部は、手の平でつかむための持ち手部及び前記ショルダーベルトの両端を取り付けるショルダーベルト取付部を備え、
前記カバーは、左右両端に、凸状部と凹状部を含む波形状の2つの連結部を有し、
前記カバーが前記筒状部周囲に巻回された状態で、前記筒状部における、前記持ち手部および前記ショルダーベルト取付部が設けられている領域において、前記2つの連結部が互いに連結または分離されることにより、前記カバーが前記筒状部に着脱可能であり、
前記凸状部に連結手段が設けられ、
前記凹状部が、前記持ち手部及びショルダーベルト取付け部の少なくともいずれか一方を収容するための開口部を形成することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明にかかる他のゴルフバッグは、
ゴルフクラブを収容するための筒状部と、
前記筒状部に着脱可能なカバーと、
前記筒状部に取り付けられるショルダーベルトと、
前記ショルダーベルトを覆うためのショルダーベルトカバーと、
を含むゴルフバッグであって、
前記筒状部は、手の平でつかむための持ち手部と前記ショルダーベルトの両端を取り付けるショルダーベルト取付部とを備え、
前記カバーは、左右両端に2つの連結部を有し、
前記カバーが前記筒状部周囲に巻回された状態で、前記筒状部における、前記持ち手部および前記ショルダーベルト取付部が設けられている領域において、前記2つの連結部が互いに連結または分離されることにより、前記カバーが前記筒状部に着脱可能であり、
前記ショルダーベルト取付部は環状部材を含み、
前記ショルダ
ーベルトカバーは、被包部および該被包部より突出する舌状部を含み、前記被包部がショルダーベルトを被包した状態において前記舌状部が、前記環状部材に係合することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るゴルフバッグの正面斜視図。カバーを取り付けた状態の図。
【
図2】本発明に係るゴルフバッグの背面図。カバーを取り付けた状態の図。
【
図3】本発明に係るゴルフバッグ本体の正面斜視図。本体カバーを取り付けていない状態の図。
【
図4】本発明に係るゴルフバッグ本体の背面図。本体カバーを取り付けていない状態の図。
【
図6】ゴルフバッグ本体カバーをゴルフバッグ本体に取り付けた状態の図。連結部領域の詳細。
【
図7】ショルダーベルトおよびショルダーベルトカバーの図。
【
図8】ショルダーベルトカバーを取り付けた状態の図。
【
図9】ショルダーベルトカバーを取り付けた状態の図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
つぎに添付の図面を参照しながら本発明に係るゴルフバッグ1の実施例について説明する。
図1、2は、本発明に係るゴルフバッグ1の一つの実施例を正面および背面からの斜視図として示す図である。本発明に係る本体カバー3およびショルダーベルトカバー5を取り付けた状態の図である。ゴルフバッグ1は、ゴルフバッグ本体2、ゴルフバッグ本体カバー3から成っている。ゴルフバッグ本体2には、ショルダーベルト4が取り付けられている。ショルダーベルト4はショルダーベルトカバー5によって覆われている。このゴルフバッグ1の上部には、(図示されていない)ゴルフクラブを挿入するクラブ挿入口6が設けられている。
図1,2より、ゴルフバッグ本体カバー3の表面には複数のポケット7が設けられているのが見て取れる。これらポケット7はここではゴルフバッグ1の左右両側に対称的に配置されている。ゴルフバッグ1内にゴルフクラブを挿入した状態で、これらゴルフクラブのヘッド部を覆う上部カバーはここでは省略されている。
【0020】
図3、4は、ゴルフバッグ本体2を表す。本発明に係るゴルフバッグ本体カバー3は取り付けられていない。ゴルフバッグ本体2には、ショルダーベルト4が取り付けられている。ゴルフバッグ本体2は、本実施形では筒状に形成されており、上部はゴルフバッグ挿入のために開口している。ゴルフバッグ本体2の筒状の側面8には持ち手部9およびショルダーベルト取付け部10,11が設けられている。持ち手部9はゴルフバッグ本体2の鉛直方向中央よりやや上方に設けられている。この持ち手部9の鉛直方向上側および下側に、ショルダーベルト取付け部10、11が設けられている。その結果、持ち手部9およびショルダーベルト取付け部10,11は、一つの領域内で鉛直方向に一列に並ぶこととなる。一方のショルダーベルト取付け部(上側のショルダーベルト取付け部10)は、ゴルフバッグ本体2の上端部付近に設けられている。他方のショルダーベルト取付け部(下側のショルダーベルト取付け部11)は、鉛直方向でゴルフバッグ本体2の中央よりやや下に部分に設けられる。よってゴルフバッグ本体2の持ち手部9およびショルダーベルト取付け部10,11の領域には、上から順に、上側のショルダーベルト取付け部10、持ち手部9、下側のショルダーベルト取付け部11が配置されることとなる。
【0021】
ショルダーベルト取付け部10,11は、本実施例ではD環状の取付け部の形式で構成されている。この取付け部のD環部分に、本実施例ではフック形式でショルダーベルト両端部に設けられたフック部分が係合することによりショルダーベルト4はゴルフバッグ本体2に取り付けられる。
【0022】
ゴルフバッグ本体2の筒状部の上部および下部には、複数のホック13、13’が周囲方向に略均等に分配されて設けられている。本実施例においては、ホック13、13’の凸部材(オス部材)がゴルフバッグ本体に設けられている。
【0023】
図5は、本発明に係るゴルフバッグ本体カバー3の展開図を示す。本発明に係る本体カバー3は、筒形状のゴルフバッグ本体2を展開した形状、つまり略方形(長方形)の形状を基本形状としている。
図3、4からもわかるように、本実施例に係るゴルフバッグ本体2の上部はカーブを有して形成されているので、本体カバー3の上端辺14は、これに合わせてカーブした形状となっている。ゴルフバッグ本体カバー3の(
図5における)左右両端辺15、15’は、波形状の連結部として形成されている。該波形状は、本実施例においては正弦波のように周期的に凸状部凹状部が繰り返す形状となっている。波形状を矩形波のように形成することも可能である。また、本実施例においては波形状は周期的に凸状部凹状部が一定の周期に応じてくりかえす構成となっているが、かならずしも一定の周期とする必要はなく、不均等周期の凸状部凹状部が繰り返す形状も考えられる。一方の連結部(例えば図で左側の連結部)の波形の凸状部分16には、例えばホックの凹部材(メス部材)17が配置され、他方の連結部の波形の凸状部分18には、これに対応するホックの凸部材19(オス部材)が配置されている。図では、左右の連結部にそれぞれ4つの凸状部分16,18が設けられており、これらに各一つの凸部材19(オス部材)又は凹部材17(メス部材)が設けられているのが見て取れる。本体カバーの下端辺20は、直線状に形成されている。上端辺および下端辺には、ホックの凹部材21、21’(メス部材)が配置されている。
【0024】
次に、本発明に係るゴルフバッグ本体カバー3を、ゴルフバッグ本体2に取り付ける方法を説明する。ゴルフバッグ本体カバー3をゴルフバッグ本体2に取り付けるには、まず、ゴルフバッグ本体2の上部およびゴルフバッグ本体カバー3の上端辺14に設けられたホック13,21を互いに留めていく。本実施例においては、ゴルフバッグ本体2の上部の形状と、ゴルフバッグ本体上端辺の形状は互いに合わせられた形状となっているので、これら形状が合致するよう順にホック13,21を留めていく。ゴルフバッグ本体カバー3の上端辺14と左右連結部15の交点にあたる両角部22に位置するホックは、ゴルフバッグ本体カバー3をゴルフバッグ本体2に取り付けた状態において、上側のショルダーベルト取付け部10のちょうど下に位置する状態(ショルダーベルト取付け部10に隠れる状態)で互いに留め合わせられる。
【0025】
続いてゴルフバッグ本体カバー3の連結部15に設けられたホック17,19を互いに留めていく。ゴルフバッグ本体カバー3の連結部15のホック17,19は、波状に形成された連結部15の波形の凸状部分16,18に設けられているので、これらを連結すると、波形の凹状部分23、24は所定間隔で配置された複数の開口部25を形成することとなる。本実施例においては、波形は、略正弦波状に設けられているので、複数の開口部25は略等間隔に鉛直方向に並んで配置されることとなる。本実施例では、これら複数の開口部25にゴルフバッグ本体の持ち手部上部材9a、持ち手部下部材9b、下側のショルダーベルト取付け部11が順に収容されるよう構成されている。最後に、ゴルフバッグ本体カバー3の下端辺20に設けられたホック21’を、バッグ本体の下端部に設けられたホック13’へと留めていく。
【0026】
次に
図7を参照しつつ、ショルダーベルト4およびショルダーベルトカバー5について説明する。ショルダーベルト4は、
図7からわかる通り、図の上から順に、上フック部分26、肩パッド27、ベルト部28、下フック部分29を有する一般的なもので良い。本実施例においては、肩パッド27は、上フック部分26に直接接続された構成となっている。ベルト部28は長さ調整機構30を有しても良い。ショルダーベルトの肩バッド上部には位置決め用ホック31が設けられている。
【0027】
ショルダーベルトカバー5は、ショルダーベルト4の主として肩パッド27部分を被包するための被包部32および、および該被包部32より
図7で上に向かって突き出た形状となっている舌状部33を有している。被包部32には、その左右両端に、対応するホック34(オス部材34a、メス部材34b)が設けられている。また舌状部33の先端にもホック35(例えばメス部材)が設けてあり、これに対応するホック36のオス部材が、図では被包部32の上部部分に設けられている。
【0028】
ショルダーベルトカバー5をショルダーベルト4へ取付けるには、まず肩パッド27部分が被包部32に位置する状態とした上で、位置決めホック31を留める。引き続いて被包部32により肩パッド27を被包し、被包部32に設けられたホックを順に留めていく。その後、舌状部33をゴルフバッグ本体の上側のショルダーベルト取付け部10のD環に通した上で折り返し(
図8)、舌状部33先端に設けられたホック35を、包被部32のホック36に留める。これにより、ショルダーベルト上フック部分26及び肩パッド27が完全にショルダーベルトカバー5により覆われることとなる(
図9)。
【符号の説明】
【0029】
1 ゴルフバッグ
2 ゴルフバッグ本体
3 ゴルフバッグ本体カバー
4 ショルダーベルト
5 ショルダーベルトカバー
6 クラブ挿入口
7 ポケット
8 筒状部
9 持ち手部
10 上側のショルダーベルト取付け部
11 下側のショルダーベルト取付け部
13 ホック
14 ゴルフバッグ本体カバーの上端辺
15 ゴルフバッグ本体カバーの連結部
16 波形の凸状部分
17 ホックの凹部材
18 波形の凸状部分
19 ホックの凸部材
20 ゴルフバッグ本体カバーの下端辺20
21 ホックの凹部材
22 角部
23 波形の凹状部分
24 波形の凹状部分
25 開口部
26 上フック部分
27 肩パッド
28 ベルト部
29 下フック部分
30 長さ調整機構
31 位置決め用ホック31
32 被包部
33 舌状部
34 ホック
35 ホック
36 ホック
【要約】 (修正有)
【課題】冒頭に記載した形式の着脱可能なカバーを有するゴルフバッグであって、ゴルフバッグ本体へのカバー着脱がより簡単であり、かつカバーを取り付けた状態で外観上より美しい、改善されたカバー着脱式ゴルフバッグの提供。
【解決手段】ゴルフバッグ本体2に着脱可能なゴルフバッグ本体カバー3において、ゴルフバッグ本体カバーが、略方形に形成されており、略方形の上側の辺を形成する上端辺、下側の辺を形成する下端辺、左右両側の辺を形成する連結部を有し、ゴルフバッグ本体の持ち手部およびショルダーベルト取付け部が設けられている領域において、ゴルフバッグ本体カバーの連結部が互いに連結または分離されることにより、ゴルフバッグ本体カバーがゴルフバッグ本体に着脱可能に構成される。
【選択図】
図1