(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、充電スタンドの予約システムは、予め利用者が予約管理サーバにて事前に予約をしてから充電スタンドを利用することが多く、充電スタンドが空いている場合、予約無しで、飛び込みでの利用をしようとしても、認証されずに、充電スタンドの利用ができないという問題があった。
【0007】
また、特許文献1に記載された充電スタンド予約システムも、ネットワークを通じて予め利用者が予約管理サーバにて事前の予約をするが、利用者が空いているスタンドを見つけ、予約無しの飛び込みで充電スタンドを利用することができず、また、利用時間については車両位置情報や残電気量、充電スタンドの位置情報などの状況に依存し、複雑なシステムであるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、利用者が事前予約無しでも充電スタンドを効率よく利用することができる電気自動車用の充電スタンド予約システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電気自動車用の充電スタンド予約システムは、複数の充電スタンドと、ネットワークを介して前記充電スタンドに接続され、前記充電スタンドの予約を行う予約管理サーバと、を備え、前記予約管理サーバは、前記充電スタンドの利用時間を所定の単位時間に区切る単位時間設定手段と、利用者が事前予約をせずに前記充電スタンドの利用を開始しようとするとき、その利用を開始する前記単位時間に予約が入っていない場合は、前記利用者に充電スタンドの利用を認める予約手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の電気自動車用の充電スタンド予約システムでは、前記予約手段は、前記利用者が前記充電スタンドの利用を開始する前記単位時間の次の前記単位時間に予約が入っていない場合、前記次の単位時間を自動的に予約することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の電気自動車用の充電スタンド予約システムでは、前記予約手段は、前記利用者が事前予約をせずに前記充電スタンドの利用を開始するとき、その次の前記単位時間に予約が入っている場合、前記次の単位時間を予約させないことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電気自動車用の充電スタンド予約システムは、利用者が事前予約をせずに前記充電スタンドの利用を開始しようとするとき、前記利用者が前記充電スタンドの利用を開始する前記単位時間の次の前記単位時間の予約状況を知らせる通知手段をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電気自動車用の充電スタンド予約システムは、急に充電が必要となる状況になり、かつ、充電スタンドが利用されていない場合、充電スタンドの事前予約を行っていなくとも、充電スタンドを使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の一実施形態に係る充電スタンドネットワークシステムについて、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施例は本発明の充電スタンドネットワークシステムにおける好適な具体例であり、施術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載が無い限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。従って、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0016】
図1において、充電スタンドネットワークシステム10は、ネットワーク20を通じて接続された複数の充電スタンド30とセンター40とを備える。充電スタンド30は、電気自動車に搭載された車載バッテリを充電する充電器31およびセンター40との通信を行なうための通信機器を備え、センター40は本発明に係る予約管理および認証に関するデータなどの一元管理を行う。
【0017】
充電スタンド30は、事前予約をすることができず常に利用可能な充電スタンド、事前予約をすることができるが予約無しでも利用可能な充電スタンド、事前予約をしていなければ利用できない充電スタンドに分けられる。本実施形態では、事前予約をすることができるが予約無しでも利用可能な充電スタンドを対象としている。
【0018】
センター40は、予約管理サーバ50と認証サーバ60とを備える。予約管理サーバ50は、後述するコマ設定部51とコマ予約部52とを備える。認証サーバ60は、後述するモード予約無し認証部61と、予約有り認証部62とを備える。
【0019】
図2は、予約管理サーバ50のブロック図であり、予約管理サーバ50は、コマ設定部51とコマ予約部52とを備える。コマ設定部51は、時間を30分ごとに区切り、その30分の単位時間を1コマ(1単位時間)と呼ぶ。各コマの開始時間は**時00分または**時30分とする。したがって、コマは、**時00分〜**時30分および**時30分〜**時00分の枠となる。コマ予約部52は、利用者の選択に基づいて後述する
図5のフローチャートにしたがって、コマ設定部51で設定した1コマまたは2コマの事前予約を行う。
【0020】
図3は、認証サーバ60の構成を示すブロック図である。認証サーバ60は、予約無し認証部61と、予約有り認証部62とを備える。
予約無し認証部61は、事前予約無しでの充電スタンド利用の際、利用する時間の次に設定されているコマに予約が無い場合の認証処理を行い、予約有り認証部62は、事前予約無しでの充電スタンド利用の際、利用する時間の次に設定されているコマに予約が有る場合の認証処理を行う。
【0021】
図4は、開始時間を**時00分または**時30分とし、**時00分〜**時30分および**時30分〜**時00分のそれぞれ30分を1コマと設定する、コマ設定の概要図である。図では一例として、充電スタンドのサービス提供時間が10時00分〜20時00分である充電スタンドのコマ設定を示す。本実施形態では、利用者は1コマまたは2コマの単位で充電スタンドの利用を予約することができるが、連続した3コマの予約は不可の設定となっている。
【0022】
図5は、利用者がコマ設定部51で設定したコマの、1コマまたは2コマの事前予約を行う、コマ予約のフロー図である。利用者が1コマまたは2コマの事前予約をするときは、自宅のコンピュータ又は携帯電話によって、充電スタンドの予約センターのウェブサイトにアクセスする。そして、利用者が自己の登録ID及びパスワードを入力することによって、ログインをする。ログインのための登録IDは例えば自分のメールアドレスなどが利用される。利用者がログインすると、例えば、まず自分が利用したい充電スタンドを選択する。次に、そのコンピュータ又は携帯電話の画面にその選択された充電スタンドの空き状況を示すカレンダー形式のコマ一覧が表示される。
【0023】
ステップS501において、最初に利用者が予約コマ数を選択する。例えば、利用者が1コマを予約したいときは画面上で「1コマ」を選択し、連続した2コマを予約したいときは「2コマ」を選択する。なお、本実施形態では、連続した3コマの予約は管理上の理由から受け付けない設定となっている。ただし、この3コマ以上の予約を受け付けない設定は適宜変更するようにしてもよい。
【0024】
利用者が「1コマ」の予約を選択した場合はステップS502へ進み、「2コマ」の予約を選択した場合はステップS505へ進む。利用者が「3コマ」以上の予約をしようとした場合はステップS510へ進む。
【0025】
ステップS502で、利用者が予約を希望する1コマを空き状況を示すカレンダー形式のコマ一覧から選択する。続いてステップS503にて、コマ予約部52は、その選択されたコマが空き(すなわち充電スタンドの予約が入っていない状態)であるかどうかを確認する。選択されたコマが空きである場合は、ステップS504に進み、そのコマについてその利用者の予約を設定し、予約完了となる。
【0026】
ステップS501で利用者が「2コマ」の予約を選択した場合は、ステップS505で利用者が予約を希望する2コマを空き状況を示すカレンダー形式のコマ一覧から選択する。このとき、ステップS501で予約コマ数として「2コマ」が選択されているので、利用者は希望するコマを2つ選択しなければならないこととなる。したがって、ステップS506にて、コマ予約部52は、利用者が選択した2コマが連続であるかどうか判断する。
【0027】
利用者が選択した2コマが連続ではない場合は、エラーとなり、利用者に再選択を促す。このとき、「選択したコマが連続していません。再選択してください」などのメッセージを表示させても良い。一方、利用者が選択した2コマが連続である場合は、コマ予約部52はその予約を受け付けて、ステップS507に進む。なお、ステップS506では、選択した2コマが連続していない場合は予約を受け付けないが、連続しない2コマを予約したい場合は、ステップS502から1コマずつ予約すればよい。
【0028】
続いて、ステップS507にて、コマ予約部52は利用者が選択した2コマが日付を跨ぐかどうかを判断する。利用者が選択した2コマが日を跨いでいる場合は、エラーとなり、利用者に再選択を促す。このとき、「選択したコマが日を跨いでいます。再選択してください」などのメッセージを表示させても良い。一方、利用者が選択した2コマが日を跨いでいない場合は、コマ予約部52はその予約を受け付けて、ステップS508に進む。なお、ステップS507では、管理上の理由から選択した2コマが日を跨いでいる場合は予約を受け付けないが、状況に応じて設定を変更し、日を跨ぐ2コマの予約を受け付けるようにしてもよい。続いて、ステップS508にて、コマ予約部52は、そのコマについてその利用者の予約を設定し、予約完了となる。
【0029】
利用者が「3コマ」以上の予約を選択した場合は、ステップステップS511に進み、予約不可となる。このとき、「予約できるのは2コマまでです。再選択してください」などのメッセージを表示させても良い。例えば、大型の電気自動車(例えば、バスやトラック)などのように車載バッテリの容量が大型であるために、充電に長時間を要する場合には、コマ予約部52がその利用者に関連付けられて登録された車種を判断し、車種に応じて「3コマ」以上の予約を認めるようにしてもよい。
【0030】
なお、利用者が予約を完了すると、予約が完了した旨と予約内容がメールによって利用者に通知される。また、
図5には記載していないが、予約を変更したり、予約をキャンセルした場合にもメールによって利用者に通知される。
【0031】
なお、本実施形態ではカレンダー形式の空き状況一覧から予約したいコマを選択するようにしたが、これに限られず、利用者が充電スタンドの予約を希望する日時(例えば、2011年12月24日午後7時など)と地域(例えば、関東、東京都、千代田区など)を入力するようにしてもよい。この場合、コマ予約部52は、利用者の希望する日時と地域に最も近いと考えられる充電スタンド(例えば、千代田区の充電スタンド)と1コマ(例えば、2011年12月24日午後7時)を自動的に選択するようにしてもよい。もし、希望する日時に近いコマが他人によって予約済みであった場合には、その旨を通知し、第2の希望を入力するにようにしてもよい。
【0032】
図6は、事前予約無しで利用者が充電スタンドを利用する場合いわゆる予約無し認証に基づく充電処理のフロー図である。
【0033】
ステップS601にて、充電スタンドに到着した利用者がその充電スタンドの機器に対してICカードをかざす、またはカードリーダに挿入するなどをして利用者の認証を開始する。充電スタンドは、ICカードから読み取られたID情報を、認証サーバ60(
図1)に送信する。
【0034】
続いて、ステップS602にて、予約管理サーバ50は次のコマに予約が有るかどうかを判断する。このとき、次のコマとは、その利用者がステップS601で認証を行った時刻が含まれるコマのその次のコマをいう。次のコマに予約があった場合は、予約有り認証(
図8)に進む。予約有り認証の詳細は後述する。ステップS602で次のコマに予約が無い場合は、ステップS603にて、認証サーバ60の予約無し認証部61は、予約無し認証を受け付ける。
【0035】
ここで、「予約無し認証」とは、その認証が行われる時刻を含むコマのその次のコマに予約が入っていないことを前提とした認証をいう。この認証は、認証サーバ60の予約無し認証部61によって行われる。すなわち、次のコマに充電の予約が入っていない場合には、その利用者は事前予約が無くてもその充電スタンドの利用が可能となる。ステップS604で、認証サーバ60は、利用者に対して充電スタンドの利用を認める通知をメールによって送信する。このメールは、例えば、充電開始を認める旨の通知に加え、「次の予約は30分後以降です。それまで充電スタンドを利用することができます」という内容となる。
【0036】
続いて、ステップS605にて予約管理サーバ50は自動的に次のコマ(予約が入っていないコマ)の予約を行い、ステップS606にて充電スタンドは充電を開始する。次のコマに対して予約を入れておくことによって、他人がそのコマに対して新たに予約を入れてしまうようなことを防止することができる。
【0037】
図7は、
図6のフロー図の概略を示した予約無し認証処理の概要図である。同図では一例として、13時20分に利用者が事前予約無しでの利用を開始しようとしている状況であって、次のコマ(13時30分から始まるコマ)に予約が無く、その次のコマ(14時00分から始まるコマ)に予約が入っていた場合を示す。
【0038】
利用者はまず13時20分に利用者認証を行う。このとき、13時30分から始まるコマには予約がない。したがって、
図6のステップS602において、次のコマに予約がないと判断されることになり、この利用者に対して次のコマまで充電を認めてよいということになる。すなわち、予約管理サーバ50は次のコマの予約の有無を確認し、予約が無いと判断し、認証サーバ60は予約無し認証を受け付け、利用者へメール通知を行う。その後、またはそれと同時に次のコマ(13時30分から始まるコマ)を自動で予約し、充電が開始される。これによって、その利用者は13時20分から14時00分までの利用が確保されることになる。
【0039】
図8は、事前予約無しで利用者が充電スタンドを利用する場合のいわゆる予約有り認証処理のフロー図である。
【0040】
ステップS801にて、充電スタンドに到着した利用者がその充電スタンドの機器に対してICカードをかざす、またはカードリーダに挿入するなどをして利用者の認証を開始する。充電スタンドは、ICカードから読み取られたID情報を、認証サーバ60(
図1)に送信する。
【0041】
続いて、ステップS802にて、予約管理サーバ50は次のコマに予約が有るかどうかを判断する。このとき、次のコマとは、その利用者がステップS801で認証を行った時刻が含まれるコマのその次のコマをいう。次のコマに予約がなかった場合は、予約無し認証(
図6)に進む。予約無し認証の詳細は
図6により説明したとおりである。ステップS802で次のコマに予約がある場合は、ステップS803にて、認証サーバ60の予約有り認証部62は、予約有り認証を受け付ける。
【0042】
ここで、「予約有り認証」とは、その認証が行われる時刻を含むコマのその次のコマに予約が入っていることを前提とした認証をいう。この認証は、認証サーバ60の予約有り認証部62によって行われる。すなわち、次のコマに充電の予約が入っていたとしても、その利用者はその次のコマの開始時間までその充電スタンドの利用が可能となる。ステップS804で、認証サーバ60は、利用者に対して充電スタンドの利用を認める通知をメールによって送信する。このメールは、例えば、充電開始を認める旨の通知に加え、「次の予約が30分以内に入っています。それまで充電スタンドを利用することができます」という内容となる。
【0043】
続いて、ステップS805にて予約管理サーバ50は次のコマ(予約が入っているコマ)の予約は行わない。ステップS806にて充電スタンドは充電を開始する。次のコマに対して予約を入れないことによって、他人がその予約したコマの時間帯に充電を行うことができるとともに、その利用者は予約があるそのコマの前まで充電を行うことができる。
【0044】
図9は、
図8のフロー図の概略を示した予約無し認証処理の概要図である。同図では一例として、13時20分に利用者が事前予約無しでの利用を開始しようとしている状況であって、次のコマ(13時30分から始まるコマ)に予約が入っていた場合を示す。
【0045】
利用者はまず13時20分に利用者認証を行う。このとき、13時30分から始まるコマには予約がある。したがって、
図8のステップS802において、次のコマに予約があると判断されることになり、この利用者に対してその予約が入っているコマの開始時間まで充電を認めてよいということになる。すなわち、予約管理サーバ50は次のコマの予約の有無を確認し、予約があると判断して、認証サーバ60は予約有り認証を受け付け、利用者へメール通知を行う。言うまでもないが、次のコマ(13時30分から始まるコマ)を予約はしないで、充電が開始される。これによって、その利用者は13時20分から13時30分までの10分間だけ利用が確保されることになる。
【0046】
以上述べたように、本実施形態によれば、事前予約がなくても利用者が充電スタンドを利用することができる。また、
図6に示すように、次のコマに予約がない場合は、自動的にそのコマに予約が入るので、利用者は充電のために十分な時間を確保することができる。さらに、
図8に示すように、次のコマに予約がある場合は、そのコマには予約を入れないので、他人の予約を優先させつつ、その予約までの時間だけ利用者は充電スタンドを利用することができる。