特許第5911745号(P5911745)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社不二工機の特許一覧

<>
  • 特許5911745-減圧弁 図000002
  • 特許5911745-減圧弁 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5911745
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】減圧弁
(51)【国際特許分類】
   G05D 16/06 20060101AFI20160414BHJP
   F16K 17/04 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   G05D16/06 J
   F16K17/04 Z
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-72458(P2012-72458)
(22)【出願日】2012年3月27日
(65)【公開番号】特開2013-205990(P2013-205990A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(72)【発明者】
【氏名】望月 健一
【審査官】 稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4290200(JP,B2)
【文献】 特開2010−257235(JP,A)
【文献】 特開2011−248512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 16/06
F16K 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口し、内部に弁口付き弁座を有する弁室が設けられるとともに、前記弁口の下側に流出室が設けられ、外周部に前記弁室に連なる一次側流入口と前記流出室に連なる二次側流出口が設けられた樹脂製の弁本体と、前記弁口をその下側から開閉するための弁体部が設けられ、前記弁本体に上下方向に摺動自在に嵌挿された弁棒と、該弁棒を上下方向に開閉駆動すべく前記弁本体の上面開口を塞ぐようにその上部に取り付けられた感圧応動部材と、を備え、前記二次側流出口と前記感圧応動部材との間に二次側圧力を前記感圧応動部材に感知させるための感圧室が設けられている減圧弁であって、
前記弁本体の特定部位に、一次側圧力が所定値を越えたとき、一次側圧力を前記流出室に逃がす逃がし弁が設けられていることを特徴とする減圧弁。
【請求項2】
前記弁本体は、前記一次側流入口、二次側流出口、及びそれら入出口が開口する有底筒状部を有する樹脂製のハウジング部材と、前記有底筒状部に挿着固定され、前記弁棒が摺動自在に嵌挿される案内孔及び前記弁室が設けられた樹脂製のホルダ部材とで分割構成されていることを特徴とする請求項1に記載の減圧弁。
【請求項3】
前記ホルダ部材に前記逃がし弁が設けられ、前記ホルダ部材と前記有底筒状部の底部との間に前記流出室が画成されていることを特徴とする請求項2に記載の減圧弁。
【請求項4】
前記逃がし弁は、前記弁室に開口する逃がし弁口と、該逃がし弁口を開閉するボール弁体と、該ボール弁体を閉弁方向に付勢する閉弁ばねと、を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の減圧弁。
【請求項5】
前記ホルダ部材は、前記有底筒状部に溶着及び/又は圧入により固定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の減圧弁。
【請求項6】
前記弁体部は、前記弁棒の下部に外嵌され、前記弁座に接離する円環状ないし短円筒状のシール部材と、該シール部材を前記弁棒の下部に取付固定するための下側押さえ部材とを備え、該下側押さえ部材が前記弁棒に設けられた下部円筒部の下端部でかしめ固定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の減圧弁。
【請求項7】
前記感圧応動部材は、前記弁本体にその上面開口を覆うように気密的に取り付けられ、前記弁棒の上部が連結されたダイアフラムと、該ダイアフラムの外周部を前記弁本体と協同して挟圧封止する断面概略段付き凸字状のキャップと、前記ダイアフラムと前記キャップの上部との間に配在されて前記ダイアフラムを下方に付勢する圧縮コイルばねと、該圧縮コイルばねの上端を受け止めるばね受けナット部材と、を備えたダイアフラム装置で構成され、前記圧縮コイルばねのセット荷重調節に供すべく、前記ばね受けナット部材に雄ねじ部が形成されるとともに、前記キャップの上部に前記雄ねじ部が螺合せしめられる雌ねじ部が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の減圧弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯設備等に使用される減圧弁に係り、特に、樹脂製の弁本体や通路構成部品等が圧力によって破壊されるのを防止すべく、一次側の圧力が弁本体や通路構成部品の耐圧限界値を越えたときに開弁して一次側の圧力を二次側に逃がす逃がし弁を弁本体内に備えた減圧弁に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の減圧弁として、例えば下記特許文献1に所載のように、樹脂製の弁本体と、弁棒と、感圧応動部材(ダイアフラム装置)とを備えたものが知られている。
【0003】
詳細には、樹脂製の弁本体は、上面が開口し、内部に弁口付き弁座を有する弁室が設けられるとともに、弁口の下側に流出室が設けられ、外周部に弁室に連なる一次側流入口と前記流出室に連なる二次側流出口が設けられている。
【0004】
また、弁棒は、弁口をその下側から開閉するための弁体部が設けられ、前記弁本体に上下方向に摺動自在に嵌挿されている。
【0005】
ダイアフラム装置は、弁棒を上下方向に開閉駆動すべく前記弁本体の上面開口を塞ぐようにその上部に取り付けられている。
【0006】
また、前記二次側流出口と前記感圧応動部材との間に二次側圧力を前記感圧応動部材に感知させるための感圧室が設けられている。
【0007】
かかる減圧弁では、樹脂製の弁本体や通路構成部品等が圧力によって破壊されるのを防止すべく、一次側の圧力が所定の圧力を越えたときに開弁して一次側の圧力を二次側に逃がす逃がし弁が弁本体内に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4290200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に所載の減圧弁では、次のような解決すべき課題があった。すなわち、逃がし弁の逃がし弁口が感圧室に開口しているので、一次側圧力が所定の圧力を越えたとき、逃がし弁が開くと、一次側圧力は逃がし弁から感圧室を経由して二次側流出口へと抜けるので、ダイアフラム装置に悪影響を及ぼし、調圧動作が乱れるおそれがある。
【0010】
また、単一の弁本体内に弁棒の案内孔、弁室、流出室、感圧室等を形成して、弁棒を後付けする構成であるので、弁本体の下面を開口として、この下面開口から弁棒を挿入した後に、該下面開口を別体のねじ込み式底蓋部材で閉塞するとともに、外部との気密性を確保するため、この閉塞部分をOリング等でシールする必要がある。そのため、部品点数が多くなり、部品コスト、加工組立てコストが高くなる等の問題がある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、逃がし弁が開いたとき感圧応動部材にできるだけ悪影響を及ぼさないようにし得るとともに、部品点数の削減、加工組立てコストの低減等を効果的に図ることのできる減圧弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成すべく、本発明に係る減圧弁は、基本的には、上面が開口し、内部に弁口付き弁座を有する弁室が設けられるとともに、前記弁口の下側に流出室が設けられ、外周部に前記弁室に連なる一次側流入口と前記流出室に連なる二次側流出口が設けられた樹脂製の弁本体と、前記弁口をその下側から開閉するための弁体部が設けられ、前記弁本体に上下方向に摺動自在に嵌挿された弁棒と、該弁棒を上下方向に開閉駆動すべく前記弁本体の上面開口を塞ぐようにその上部に取り付けられた感圧応動部材と、を備え、前記二次側流出口と前記感圧応動部材との間に二次側圧力を前記感圧応動部材に感知させるための感圧室が設けられ、前記弁本体の特定部位に、一次側圧力が所定値を越えたとき、一次側圧力を前記流出室に逃がす逃がし弁が設けられていることを特徴としている。
【0013】
前記弁本体は、好ましくは、前記一次側流入口、二次側流出口、及びそれら入出口が開口する有底筒状部を有する樹脂製のハウジング部材と、前記有底筒状部に挿着固定され、前記弁棒が摺動自在に嵌挿される案内孔及び前記弁室が設けられた樹脂製のホルダ部材とで分割構成される。
【0014】
好ましい態様では、前記ホルダ部材に前記逃がし弁が設けられ、前記ホルダ部材と前記有底筒状部の底部との間に前記流出室が画成される。
【0015】
前記逃がし弁は、好ましくは、前記弁室に開口する逃がし弁口と、該逃がし弁口を開閉するボール弁体と、該ボール弁体を閉弁方向に付勢する閉弁ばねと、を備える。
前記ホルダ部材は、好ましくは、前記有底筒状部に溶着及び/又は圧入により固定される。
【0016】
前記弁体部は、好ましくは、前記弁棒の下部に外嵌され、前記弁座に接離する円環状ないし短円筒状のシール部材と、該シール部材を前記弁棒の下部に取付固定するための下側押さえ部材とを備え、該下側押さえ部材が前記弁棒に設けられた下部円筒部の下端部でかしめ固定される。
【0017】
前記感圧応動部材は、好ましくは、前記弁本体にその上面開口を覆うように気密的に取り付けられ、前記弁棒の上部が連結されたダイアフラムと、該ダイアフラムの外周部を前記弁本体と協同して挟圧封止する断面概略段付き凸字状のキャップと、前記ダイアフラムと前記キャップの上部との間に配在されて前記ダイアフラムを下方に付勢する圧縮コイルばねと、該圧縮コイルばねの上端を受け止めるばね受けナット部材と、を備えたダイアフラム装置で構成され、前記圧縮コイルばねのセット荷重調節に供すべく、前記ばね受けナット部材に雄ねじ部が形成されるとともに、前記キャップの上部に前記雄ねじ部が螺合せしめられる雌ねじ部が形成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る減圧弁は、逃がし弁の設置部位が、従来例のように感圧応動部材側ではなく、感圧応動部材とは反対側とされ、一次側圧力が所定値を越えたとき、一次側圧力を逃がし弁を介して(従来例のように感圧室ではなく)二次側流出口に近い流出室を経由して二次側流出口へ逃がすように構成されるので、逃がし弁が開いたとき感圧応動部材への影響は少ない。そのため、調圧動作が乱されることなく、樹脂製の弁本体や通路構成部品等が圧力によって破壊されるのを防止することができる。
【0019】
また、前記弁本体は、一次側流入口、二次側流出口、及びそれら入出口が開口する有底筒状部を有する樹脂製のハウジング部材と、前記有底筒状部に挿着固定され、弁棒が摺動自在に嵌挿される案内孔及び弁室が設けられた樹脂製のホルダ部材とで分割構成されるので、従来例のように弁本体の下面開口を別体のねじ込み式底蓋部材で閉塞するとともに、この閉塞部分をOリング等でシールすることは不要となる。そのため、部品点数の削減、加工組立てコストの低減等を効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る減圧弁の一実施例を示す縦断面図。
図2図1に示される減圧弁の部分切欠(平面視で中心角90度部分が切欠部)斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る減圧弁の一実施例を示す縦断面図、図2は、図1に示される減圧弁の部分切欠(平面視で中心角90度部分が切欠部)斜視図である。
【0022】
図示の減圧弁1は、樹脂製の弁本体10と、弁棒30と、感圧応動部材としてのダイアフラム装置40とを備えている。
【0023】
樹脂製の弁本体10は、上面が開口し、内部に弁口22付き弁座23を有する弁室21が設けられるとともに、弁口22の下側に流出室26が設けられ、外周部に弁室21に連なる一次側流入口11と流出室26に連なる二次側流出口12が設けられている。
【0024】
また、弁棒30は、上から順に、後述するダイアフラム装置40に連結される上側凸部31、ダイアフラム支承部32、摺動大径部33、中間小径部34、円錐状係止部36a付き下部円筒部36、及び前記下部円筒部36に外嵌され、弁口22をその下側から開閉するための弁体部35を有し、その摺動大径部33が弁本体10(の案内孔19)に上下方向に摺動自在に嵌挿されている。
【0025】
弁体部35は、前記弁座23に接離する短円筒状のゴム製のシール部材35aと、該シール部材35aを円錐状係止部36a付き下部円筒部36に取付固定するための、通し穴37a付き有底短円筒状の下側押さえ部材37とを備え、該下側押さえ部材37は下部円筒部36の下端部によってかしめ固定(かしめ部38)されている。
【0026】
ダイアフラム装置40は、弁棒30を上下方向に開閉駆動すべく弁本体10の上面開口10aを塞ぐようにその上部に取り付けられている。詳細には、ダイアフラム装置40は、弁本体10の上面開口10aを覆うように配在されたダイアフラム41と、このダイアフラム41の外周部を弁本体10のダイアフラム受け部10bと協同してその下端面部42bで挟圧封止する断面概略段付き凸字状のキャップ42と、ダイアフラム41とキャップ42の上部との間に配在されてダイアフラム41を下方に付勢する圧縮コイルばね45と、弁棒30の上側凸部31が圧入固定される中央内筒部43aを有し、前記圧縮コイルばね45の下端を受け止めるべくダイアフラム41上に乗せられ、前記弁棒30のダイアフラム支承部32と協同してダイアフラム41を挟持する下側ばね受け部材43と、圧縮コイルばね45の上端を受け止める、六角穴付きばね受けナット部材46と、を備え、キャップ42の下端面部42bを複数本のボルト類48で弁本体10の取付部10cに締付固定することにより、弁本体10に組み付けられている。
【0027】
このダイアフラム装置40では、圧縮コイルばね45のセット荷重調節に供すべく、ばね受けナット部材46に雄ねじ部46eが形成されるとともに、前記キャップ42の上部口筒部42a内周に前記雄ねじ部46eが螺合せしめられる雌ねじ部42iが形成されている。
【0028】
前記弁本体10は、より詳細には、一次側流入口11、二次側流出口12、及びそれらの入口11a、出口12aが開口する有底筒状部16を有する樹脂製のハウジング部材15と、前記有底筒状部16に挿着固定され、弁棒30(の摺動大径部33)が摺動自在に嵌挿される案内孔19及び弁室21が設けられた樹脂製のホルダ部材20とで分割構成されている。
【0029】
ホルダ部材20は、上側嵌合部20Aと切欠中間部20Bと下側嵌合部20Cとからなっており、ホルダ部材20に形成される弁室21は、切欠中間部20Bに形成された、一次側流入口11の入口11aが開口する平面視扇形状の切欠空所21aと、下側嵌合部20Cに形成された、前記切欠空所21aと前記弁口22との間の円筒状空所21bとからなっている。
【0030】
弁棒30の摺動大径部33の外周には、案内孔19との間に形成される摺動面間隙間をシールすべく、Oリング28が装着されている。
【0031】
一方、有底筒状部16の上端部内周には大径嵌挿穴16aが形成されるとともに、ホルダ部材20の上側嵌合部20Aにおける上端部には前記大径嵌挿穴16aに嵌め込まれる嵌合部20aが設けられており、組立時に、ホルダ部材20を有底筒状部(有底円筒状部16内に落とし込んで大径嵌挿穴16aと嵌合部20aとの接触部分を超音波溶着により溶着固定するようになっている。このように大径嵌挿穴16aと嵌合部20aとを超音波溶着することにより、該部分が気密的に接合され、別途にシール材を装着する必要は無くなる。なお、ハウジング部材15とホルダ部材20は、超音波溶着する関係上、同一材質とすることが好ましい。
【0032】
前記ホルダ部材20の下面と有底円筒状部16の底部16bとの間に前記流出室26が画成され、前記ハウジング部材15における二次側流出口12側の周側部には縦穴からなる感圧通路27が形成されるとともに、該感圧通路27の上部に連なって前記ダイアフラム41とホルダ部材20の上面との間に前記感圧室24が画成されている。
【0033】
ホルダ部材20の下部外周には、有底円筒状部16との間に形成される隙間をシールすべくOリング29が装着されている。
【0034】
そして、本実施例では、樹脂製の弁本体10や通路構成部品等が圧力によって破壊されるのを防止すべく、一次側の圧力が所定値(弁本体10や通路構成部品の耐圧限界値)を越えたときに開く逃がし弁50がホルダ部材20における下側嵌合部20Cに設けられている。
【0035】
逃がし弁50は、弁室21(の切欠空所21a部分)に開口するオリフィスからなる逃がし弁口51と、該逃がし弁口51の下側に連設されて前記流出室26に開口する段付き大径の縦孔52と、該縦孔52の下部に挿着固定された貫通孔53付きばね受け蓋54と、前記逃がし弁口51を開閉する例えばゴム製のボール弁体55と、該ボール弁体55を閉弁方向に付勢する圧縮コイルばねからなる閉弁ばね56と、から構成されている。なお、ばね受け蓋54は、前述した有底円筒状部16の大径嵌挿穴16aとホルダ部材20の嵌合部20aと同様に超音波溶着により縦孔52下端部に固定される。
【0036】
このような構成とされた本実施例の減圧弁1においては、逃がし弁50がホルダ部材20における下側嵌合部20Cに設けられている。言い換えれば、逃がし弁50の設置部位が、従来例のようにダイアフラム41側ではなく、ダイアフラム41とは反対側とされ、一次側圧力が所定値(所定の圧力)を越えたとき、一次側圧力を逃がし弁50を介して(従来例のように感圧室24ではなく)二次側流出口12に近い流出室26を経由して二次側流出口12へ逃がすように構成されているので、逃がし弁50が開いたときダイアフラム装置40への影響は少ない。そのため、調圧動作が乱されることなく、樹脂製の弁本体10や通路構成部品等が圧力によって破壊されるのを防止することができる。
【0037】
また、弁本体10は、一次側流入口11、二次側流出口12、及びそれら入出口11a、12aが開口する有底円筒状部16を有する樹脂製のハウジング部材15と、前記有底円筒状部16に挿着固定され、弁棒30が摺動自在に嵌挿される案内孔19及び弁室21が設けられた樹脂製のホルダ部材20とで分割構成されるので、従来例のように弁本体の下面開口を別体のねじ込み式底蓋部材で閉塞するとともに、この閉塞部分をOリング等でシールすることは不要となる。また、有底円筒状部16の大径嵌挿穴16aとホルダ部材20の嵌合部20aとを超音波溶着で固定するようにされるので、該部分が気密的に接合され、別途にシール材を装着する必要は無くなる。そのため、部品点数の削減、加工組立てコストの低減等を効果的に図ることができる。
【0038】
また、逃がし弁50の弁体をゴム製のボール弁体55で構成しているので、良好なシール性が得られるとともに、別途にばね受け部材等を必要としないので、この点からも部品点数の削減、加工組立てコストの低減等を効果的に図ることができる。
【0039】
また、ダイアフラム装置40では、圧縮コイルばね45のセット荷重調節に供すべく、ばね受けナット部材46に雄ねじ部46eが形成されるとともに、キャップ42の上部口筒部42a内周に雄ねじ部46eが螺合せしめられる雌ねじ部42iが直接形成されているので、調節ねじ部の部品点数を減らすことができる。
【0040】
なお、ボール弁体55は、ゴム以外の材料、すなわち樹脂、金属等、いかなる材料により構成されても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 減圧弁
10 弁本体
11 一次側流入口
12 二次側流出口
15 ハウジング部材
16 有底筒状部(有底円筒状部
19 案内孔
20 ホルダ部材
21 弁室
22 弁口
23 弁座
24 感圧室
26 流出室
30 弁棒
35 弁体部
35a シール部材
36 下部円筒部
37 下側押さえ部材
40 ダイアフラム装置
41 ダイアフラム
42 キャップ
42i 雌ねじ部
45 圧縮コイルばね
46 受けナット部材
46e 雄ねじ部
50 逃がし弁
55 ボール弁体
56 閉弁ばね
図1
図2