特許第5911894号(P5911894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5911894
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】車両室内収納ポケット
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20160414BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20160414BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   B60R7/04 S
   B60N3/00 Z
   A47C7/62 A
【請求項の数】20
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-558180(P2013-558180)
(86)(22)【出願日】2012年3月15日
(65)【公表番号】特表2014-509567(P2014-509567A)
(43)【公表日】2014年4月21日
(86)【国際出願番号】US2012029261
(87)【国際公開番号】WO2012125846
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2013年10月10日
(31)【優先権主張番号】61/452,949
(32)【優先日】2011年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】バシル、 ラザ アハメド
(72)【発明者】
【氏名】ザディーナ、 エメリー ジェイ
【審査官】 岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−030138(JP,U)
【文献】 実開平04−119742(JP,U)
【文献】 特開2002−104079(JP,A)
【文献】 米国特許第05499853(US,A)
【文献】 実開昭57−150520(JP,U)
【文献】 特開2001−097129(JP,A)
【文献】 特開平08−108803(JP,A)
【文献】 特開2005−205992(JP,A)
【文献】 実開昭63−035641(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
B60N 3/00
A47C 7/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側部部材、第2の側部部材、及び前記第1の側部部材と前記第2の側部部材との間に延びる弾力性部材を備える保持シートであって、前記弾力性部材は前記第1及び第2の側部部材を互いに向かって付勢するように構成され、前記保持シートは車両室内に面する展示面を備え、前記第1の側部部材は前記保持シートの第1の横側において第1の側端部を備え、前記第2の側部部材は前記第1の横側の反対側の前記保持シートの第2の横側において第2の側端部を備える保持シートと、
前記弾力性部材、前記第1の側部部材の少なくとも一部及び前記第2の側部部材の少なくとも一部の周囲に配置されるスリーブであって、前記保持シートの底端部の周り及び前記保持シートの上端部の周りに垂直方向に延び、且つ前記第1の側端部に近接して配置される前記展示面の第1の部分及び前記第2の側端部に近接して配置される前記展示面の第2の部分を隠さずに前記弾力性部材を隠すように構成されるスリーブと
を備える、車両室内収納ポケット。
【請求項2】
前記保持シートは、前記第1の側端部に沿って、前記第2の側端部に沿って、及び前記保持シートの前記底端部に沿って車両室内トリム要素に固定され、前記スリーブは、前記スリーブの底端部に沿って前記車両室内トリム要素に固定される、請求項1に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項3】
前記保持シート及び前記スリーブは、複数のファスナを介して前記車両室内トリム要素に固定される、請求項2に記載の車両室内トリム要素。
【請求項4】
前記車両室内トリム要素は、車両座席のバックパネルを備える、請求項2に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項5】
前記第1の側部部材は、前記第1の側部部材の上端部に隣接して配置される第1の取り囲みポケットを備え、前記第2の側部部材は、前記第2の側部部材の上端部に隣接して配置される第2の取り囲みポケットを備え、前記弾力性部材は、前記第1の取り囲みポケットを通って及び前記第2の取り囲みポケットを通って延びる、請求項1に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項6】
前記第1の側部部材は、前記第1及び第2の側部部材の底端部に沿って前記第2の側部部材に結合される、請求項1に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項7】
前記弾力性部材は、前記第1及び第2の側部部材の上端部から前記第1及び第2の側部部材の底端部に延びる、請求項1に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項8】
前記第1の側部部材の底端部及び前記第1の側端部に沿って延びる第1の補強ベゼル、及び前記第2の側部部材の底端部及び前記第2の側端部に沿って延びる第2の補強ベゼルを備える、請求項1に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項9】
前記スリーブは、車両室内に面する第1の材料、及び車両室内トリム要素に面する前記第1の材料とは異なる第2の材料を備える、請求項1に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項10】
前記スリーブは、前記保持シートの前記展示面と前記スリーブの後面との間に貯蔵部を形成する、請求項1に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項11】
第1の側部部材、第2の側部部材、及び前記第1の側部部材と前記第2の側部部材との間に延びる弾力性部材であって、前記第1及び第2の側部部材を互いに向かって付勢するように構成される弾力性部材を備える保持シートと、
前記弾力性部材、前記第1の側部部材の少なくとも一部及び前記第2の側部部材の少なくとも一部の周囲に配置されるスリーブであって、前記保持シートの底端部の周り及び前記保持シートの上端部の周りに垂直方向に延び、且つ前記弾力性部材を隠すように構成され、且つ車両の室内に面する展示面を含むスリーブと
を備える車両室内収納ポケットにおいて
前記展示面は実質的に平滑であり、
前記車両室内収納ポケットの上端部がしわ又はひだを含まない、車両室内収納ポケット。
【請求項12】
前記第1の側部部材は、前記第1の側部部材の上端部に隣接して配置される第1の取り囲みポケットを備え、前記第2の側部部材は、前記第2の側部部材の上端部に隣接して配置される第2の取り囲みポケットを備え、前記弾力性部材は、前記第1の取り囲みポケットを通って及び前記第2の取り囲みポケットを通って延びる、請求項11に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項13】
前記第1の側部部材は、前記第1及び第2の側部部材の底端部に沿って前記第2の側部部材に結合される、請求項11に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項14】
前記弾力性部材は、前記第1及び第2の側部部材の上端部から前記第1及び第2の側部部材の底端部に延びる、請求項11に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項15】
前記展示面は第1の材料から形成され、且つ前記スリーブは前記第1の材料とは異なり且つ車両室内トリム要素に面する第2の材料を備える、請求項11に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項16】
第1の側部部材、第2の側部部材、前記第1の側部部材と前記第2の側部部材との間に延びる弾力性部材であって、前記第1及び第2の側部部材を互いに向かって付勢するように構成される弾力性部材を備える保持シートと、
前記弾力性部材、前記第1の側部部材の少なくとも一部及び前記第2の側部部材の少なくとも一部の周囲に配置されるスリーブであって、前記保持シートの底端部の周り及び前記保持シートの上端部の周りに垂直方向に延び、且つ前記弾力性部材を隠すように構成され、且つ車両の室内に面する展示面を含むスリーブと、
前記第1の側部部材の底端部及び側端部に沿って延びる第1の補強ベゼルと、
前記第2の側部部材の底端部及び側端部に沿って延び、前記第1の補強ベゼルとは離れた第2の補強ベゼルと、
前記第1の補強ベゼルにおける第1の開口及び前記第1の側部部材における第2の開口を通して延びる第1のファスナであって、前記第1の補強ベゼルと実質的に剛性の車両室内要素との間で前記第1の側部部材を圧迫するように構成される第1のファスナと、
前記第2の補強ベゼルにおける第3の開口及び前記第2の側部部材における第4の開口を通して延びる第2のファスナであって、前記第2の補強ベゼルと前記実質的に剛性の車両室内要素との間で前記第2の側部部材を圧迫するように構成される第2のファスナと
を備え、前記展示面は実質的に平滑である、車両室内収納ポケット。
【請求項17】
前記第1のファスナは前記スリーブの端部における第5の開口を通して延び、前記第2のファスナは前記スリーブの前記端部における第6の開口を通して延び、前記第1及び第2のファスナは前記第1及び2の補強ベゼルと前記実質的に剛性の車両室内要素との間で前記スリーブの前記端部を圧迫するように構成される、請求項16に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項18】
前記第1の側部部材は、前記第1の側部部材の上端部に隣接して配置される第1の取り囲みポケットを備え、前記第2の側部部材は、前記第2の側部部材の上端部に隣接して配置される第2の取り囲みポケットを備え、前記弾力性部材は、前記第1の取り囲みポケットを通って及び前記第2の取り囲みポケットを通って延びる、請求項16に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項19】
前記第1の側部部材は、前記第1及び第2の側部部材の底端部に沿って前記第2の側部部材に結合される、請求項16に記載の車両室内収納ポケット。
【請求項20】
前記弾力性部材は、前記第1及び第2の側部部材の上端部から前記第1及び第2の側部部材の前記底端部に延びる、請求項16に記載の車両室内収納ポケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に車両室内収納ポケットに関連する。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本願は、2011年3月15日に提出され、「VEHICLE INTERIOR STORAGE POCKET」と題された米国仮出願第61/452,949号からの優先権及び利益を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
車両室内には至る所に柔軟性収納ポケットが配置される場合がある。例えば、所定の車両座席には刊行物、地図及び/又は他の小さな物品の収納を容易にするために背もたれパネルに配置された収納ポケットが含まれている場合がる。一般的な収納ポケットには、背もたれパネルの底部と側面に固定された柔軟な部材を含むことで、小さな物品の収容に適したポケットが形成される。所定の収納ポケットには、ポケットの上端部に縫合された又は結合された弾力性ストリップが含まれる。弾力性ストリップは、ポケットの上端部を背もたれパネルに向かって付勢するように機能する。この構成では、物品は上端部を把持して背もたれパネルから離れるように上端部を引っ張ることによって収納ポケットに収められる場合がある。物品が収納ポケットに収められた後で、上端部が開放されることによって、弾力性ストリップがポケットの上端部を背もたれパネルに向かわせることができる。
【0004】
理解されるように、上端部の長さは、ポケットが完全な開放位置に容易に拡張するように選択される。結果として、上端部の長さは、一般にポケットの幅よりも大きくなる。結果的に、収納ポケットの上端部が背もたれパネルと接触する場合(例えば、ポケットが閉鎖位置にある場合)、上端部に隣接してしわ又はひだができるので、望ましくない外観がもたらされる。更に、より大きな開口を設けるように構成されるポケットは、しわの数及び/又は大きさを増加させるので、収納ポケットの外観を更に損ねることが理解されるべきである。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、第1の側部部材、第2の側部部材、及び第1の側部部材と第2の側部部材との間に延びる弾力性部材を有する保持シートを含む車両室内収納ポケットに関する。弾力性部材は、第1及び第2の側部部材を互いに向かって付勢するように構成される。また、車両室内収納ポケットは、保持シートの周囲に配置されて、弾力性部材を隠すように構成されるスリーブを含む。
【0006】
また、本発明は、車両室内トリム要素に固定される外側端部、及び前記車両室内トリム要素に固定される底端部を有する第1の側部部材を含む車両室内収納ポケットに関する。また、車両室内収納ポケットは、車両室内トリム要素に固定される外側端部、及び前記車両室内トリム要素に固定される底端部を有する第2の側部部材を含む。更に、車両室内収納ポケットは、第1の側部部材と第2の側部部材との間に延びる弾力性部材を含む。第1の側部部材、第2の側部部材、及び第1の側部部材と前記第2の側部部材との間に延びる弾力性部材は、第1及び第2の側部部材を互いに向かって付勢するように構成される。更に、車両室内収納ポケットは、保持シートの周囲に配置されるスリーブを含む。スリーブは、車両室内トリム要素に固定される底端部を有する。また、スリーブは、弾力性部材を隠すように構成される。
【0007】
更に、本発明は、保持シートを形成するために第1の側部部材と第2の側部部材との間に弾力性部材を固定することを含む、車両室内収納ポケットを製造する方法に関する。また、方法は、弾力性部材を隠すために保持シートの周囲にスリーブを配置することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】各収納ポケットを有する1つ以上の室内トリム要素を含む例示的な車両の斜視図である。
図2】座席のバックパネルに結合される収納ポケットを含む、図1に示された座席の斜視図である。
図3図2に示された収納ポケットの例示的な実施形態の前方斜視図である。
図4図3に示された収納ポケットの後方斜視図である。
図5】保持シートの実施形態を含む、図3に示された収納ポケットの展開図である。
図6】保持シートの別の実施形態の斜視図である。
図7】保持シートの更なる実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、各収納ポケットを有する1つ以上の室内トリム要素を含む自動車10の斜視図である。例示のように、車両10は、座席14を有する室内12を含む。以下で詳細に検討されるように、収納ポケットは、座席14のバックパネルに結合されることによって、後部座席乗員に収納空間を提供する。収納ポケットは、第1の側部部材を第2の側部部材に接続する弾力性材料を有する保持シートを含む。また、収納ポケットは、弾力性部材を隠すために保持シートの周囲に配置されるスリーブを含む。この構成では、弾力性部材が2つの部材を互いに向かって付勢することにより、収納ポケットは閉鎖位置に動かされる。乗員が背もたれパネルから離れるようにポケットの上端部を引っ張ると、弾力性部材が拡張することにより、収納ポケットの内部へのアクセスが提供される。スリーブが弾力性部材を隠すので、収納ポケットは開放及び閉鎖位置の両方で所望の外観を維持する。更に、スリーブが保持シートの展示面とスリーブの後面との間に貯蔵部を形成することによって、追加の収納空間がもたらされる。
【0010】
図2は、座席のバックパネルに結合される収納ポケットを含む、図1に示された座席の斜視図である。例示のように、車両14は、座席基部16及び背もたれ18を含む。所定の実施形態では、座席基部16は、座席基部シャシー、1つ以上のクッション、及び織物カバーを含む。座席基部シャシーは、通常の車両動作時及び高重力加速イベント時(例えば、急加速又は減速等)に乗員の重量を支持する役割を果たす。座席基部シャシーは、車両10の床に座席基部16を固定して、背もたれ18に対する取り付け面を提供する。乗員に快適性をもたらすために1つ以上のクッションが座席基部シャシーに結合されてもよい。また、所望の外観を提供し及び/又は座席基部16の室内構成要素を保護するために織物カバーがアセンブリの周囲に配置されてもよい。背もたれ18は、同様に、即ち剛性シャシーに固定された1つ以上のクッションから構築されて、織物カバーで覆われてもよい。
【0011】
例示の実施形態では、背もたれ18は、座席14のバックパネル22に結合される収納ポケット20を含む。本実施形態では、バックパネル22は、硬質プラスチック等の実質的に剛性の材料から形成される。更に、バックパネル22は、所望の外観及び/又はテクスチャを有する展示面を形成するために実質的に剛性の材料に結合されるカバーストック(coverstock)を含んでもよい。以下で詳細に検討されるように、収納ポケット20は、第1の側部部材、第2の側部部材、及び第1の側部部材と第2の側部部材との間に延びる弾力性部材を有する保持シートを含む。弾力性部材は第1及び第2の側部部材を互いに向かって付勢することによって、収納ポケットを閉鎖位置(例えば、保持シートの上端部がバックパネル22に接触する場所)に向かわせるように構成される。また、車両室内収納ポケットは、弾力性部材を隠すために保持シートの周囲に配置されるスリーブを含む。このような収納ポケットの構成は、従来の収納ポケットよりも望ましい外観を提供し得る。
【0012】
例えば、所定の収納ポケットには、連続的な保持シートの上端部に縫合された又は結合された弾力性ストリップが含まれる。このような収納ポケットでは、上端部の長さは、ポケットが閉鎖位置から完全な開放位置に容易に拡張するように選択される。結果として、保持シートの上端部の長さは、一般にポケットの幅よりも大きくなる。結果的に、上端部が背もたれパネルと接触する場合(例えば、ポケットが閉鎖位置にある場合)、上端部に隣接してしわ又はひだができるので、望ましくない外観がもたらされる。対照的に、例示の収納ポケット20は、上端部において互いに結合されない側部部材を設けることによって、しわ及びひだの形成を実質的に減らし又はなくす。結果として、ポケットの上端部の長さは、保持シートの第1及び第2の側部部材の上端部にしわ又はひだの形成を引き起こすことなく(即ち、接続する弾力性部材の拡張及び収縮によって)変化し得る。更に、スリーブが弾力性部材を隠すので、収納ポケットは開放及び閉鎖位置の両方で所望の外観を維持する。収納ポケットは車両座席を参照して以下に記載されているが、弾力性部材を隠すために保持シートの周囲に配置されるスリーブを有する収納ポケットは車両室内12のいたるところに配置されてもよいことが理解されるべきである。例えば、収納ポケットは、ドアパネル、計器パネル、肘掛け及び/又は車両10の他のトリム要素に結合されてもよい。
【0013】
図3は、図2に示された収納ポケットの例示的な実施形態の前方斜視図である。例示のように、収納ポケット20は、保持シート24及びスリーブ26を含む。以下で詳細に検討されるように、保持シート24は、第1の側部部材、第2の側部部材、並びに第1及び第2の側部部材の間に延びる弾力性部材を含む。スリーブ26は、弾力性部材を隠すために保持シート24の周囲に配置される。この構成では、弾力性部材は、例示した閉鎖位置に向かってポケット20を付勢する。乗員は、ポケットの上端部を把持して方向28にバックパネル22から離れるように引くことによって開放位置に向かって収納ポケット20を移行してもよい。結果として、弾力性部材は拡張し、それによってポケット20の上端部の長さが拡張される。2つの側部部材が上端部に沿って互いに結合されないので、連続的な保持シートを有するポケットの上端部に沿って形成され得るしわ又はひだの形成が実質的に減らされ又はなくなる。更に、スリーブ26が保持シートの展示面とスリーブの後面との間に貯蔵部30を形成することによって、追加の収納空間がもたらされる。
【0014】
保持シート24及びスリーブ26は任意の適切な柔軟性材料から形成されてもよいことが理解されるべきである。例えば、所定の実施形態では、シート24及びスリーブ26は織物又は不織布から形成されてもよい。代替的に、シート24及びスリーブ26は、皮革、合成材料、又は任意の適切な材料の組み合わせから形成されてもよい。所定の実施形態では、スリーブ26の色彩及びテクスチャは、特に保持シート24の色彩及びテクスチャに適合するように選択されてもよい。代替的な実施形態では、スリーブ26及びシート24は、対照的な色彩又はテクスチャを有する材料を含んでもよい。例えば、一実施形態では、保持シートは織物から形成されてもよく、スリーブは皮革から形成されてもよい。更に、様々な装飾的及び/又は構造的な縫い目がポケット20のいたるところに用いられることによって、所望の強度及び/又は外観をもたらすことが理解されるべきである。
【0015】
図4は、図3に示された収納ポケットの後方斜視図である。例示のように、保持シート24は、第1の側端部32に沿って、第2の側端部34に沿って、及び底端部36に沿って固定される。特に、保持シートを座席14のバックパネルに結合するために、複数のファスナ38が端部32、34及び36に沿って配置される。この構成は、上端部を介してポケット20へアクセスするのを容易にする一方で、保持シート24とバックパネル22との間の剛性接続をもたらす。同様に、スリーブ26の底端部40がファスナ38によりバックパネル22に結合され、それによってスリーブ26が座席14に固定されて、保持シート24に対するスリーブ26の横方向の動きが阻止される。例示の実施形態では、ファスナは、保持シート24及びスリーブ26を通って延びて、プッシュナットでバックパネル22に固定される鋲を含む。しかしながら、代替的な実施形態では代替的な結合方法(例えば、接着剤、縫合等)が利用されてもよいことが理解されるべきである。
【0016】
図5は、保持シート24の実施形態を含む、図3に示された収納ポケット20の展開図である。例示のように、保持シート24は、保持シート24の反対の側方部に配置された第1の側部部材42及び第2の側部部材44を含む。例示された伸縮性バンド等の弾力性部材46が第1の側部部材42と第2の側部部材44との間に延びて、第1及び第2の側部部材42及び44を横方向内側48に互いに向かって付勢する。例示の実施形態では、第1の側部部材42は、第1の側部部材42の上端部52に隣接して配置される取り囲みポケット50を含む。同様に、第2の側部部材44は、第2の側部部材44の上端部56に隣接して配置される第2の取り囲みポケット54を含む。弾力性部材46は、第1及び第2の取り囲みポケット50及び54を通って延びることにより、側部部材同士を弾性的に接続する。
【0017】
また、例示の収納ポケット20は、第1の側部部材42の外側端部32及び底端部36に沿って延びる凹所32内に配置されるように構成される第1の補強ベゼル58を含む。また、収納ポケット20は、第2の側部部材44の外側端部34及び底端部36に沿って延びる凹所64内に配置されるように構成される第2の補強ベゼル62を含む。ベゼル58及び62は、収納ポケット20の端部に更なる構造的支持をもたらすように構成される。例示のように、第1のベゼル58及び第2のベゼル62は、保持シート24内の開口68と揃うように構成される開口66を含む。開口66及び68は、ファスナ38のバックパネル22への通過を容易にするように構成される。例えば、開口66及び68は、バックパネル22内の対応する開口と揃えられてもよい。次に、鋲の頭部が補強ベゼルに接触するように鋲が各開口に挿入されてもよい。プッシュナットが各鋲に固定されることにより、ベゼルとバックパネルの間に保持シートの端部が押し付けられてもよい。このような構成によって、第1の側部部材42の外側端部32及び底端部36並びに第2の側部部材44の外側端部34及び底端部36が背もたれ18のバックパネル22に効果的に結合される。別個のベゼル58及び62が例示の実施形態では利用されているが、代替的な実施形態では各側部部材の底部及び側端部に沿って延びるように構成される単一のベゼルが利用され得ることが理解されるべきである。
【0018】
同様に、スリーブ26は、スリーブ26の底端部40をバックパネル22に固定するのを容易にするように構成される開口70を含む。例示の実施形態では、開口70は、保持シート24における対応する開口68並びにベゼル58及び62内の開口66と揃うように構成される。例えば、スリーブ26の底端部40は、保持シート24の底端部36とバックパネル22の間に配置されてもよい。この構成では、鋲の頭部が補強ベゼルに接触するように鋲が各開口に挿入されてもよい。プッシュナットが鋲に固定されることにより、ベゼルとバックパネルの間に保持シートの底端部及びスリーブの底端部が押し付けられてもよい。このような構成によりスリーブ26の底端部40がバックパネル22に効果的に結合されることにより、保持シート24に対するスリーブ26の横方向の動きがブロックされる。
【0019】
スリーブ26が保持シート24の周囲に配置されて、弾力性材料46が隠されることにより、開放及び閉鎖位置の両方で収納ポケット20の外観が向上する。例示の実施形態では、スリーブ26は車両10の室内12に面する第1の材料72、及び座席14のバックパネル22に面する第1の材料とは異なる第2の材料74を含む。例えば、第1の材料72は、第1及び第2の側部部材32及び34(例えば、皮革、織布、不織布等)を形成する同じ材料であってもよい。更に、第1の材料72の色彩及び/又はテクスチャは、所望の外観をもたらすために側部部材の材料の色彩及び/又はテクスチャと実質的に一致してもよい。代替的に、第1の材料72の色彩及び/又はテクスチャは、側部部材の材料と対比をなすように特に選択されることにより、収納ポケット20にアクセントをつけてもよい。第2の材料74は車両乗員には見えないので、スリーブ26の残りの部分を形成するためにより安価な及び/又は軽量な材料が提供されてもよい。第1の材料72及び第2の材料74は、スリーブの上端部に隣接する第1の縫い目76、及びスリーブの底端部に隣接する第2の縫い目によって固定されてもよい。
【0020】
図6は、保持シートの別の実施形態の斜視図である。例示のように、第1の側部部材42は、保持シート24の底端部36に沿って第2の側部部材44に結合される。特に、材料のストリップ80が保持シート24の底端部に沿って延びることにより、側部部材が互いに結合される。この構成により保持シート24の底端部36の強度が向上するため、ポケット20が更なる荷重を支持することが可能になる。理解されるように、ストリップ80の高さは所望の強度をもたらしつつもポケットが開くと上端部52及び54が容易に拡張するように特に選択されてもよい。
【0021】
図7は、保持シートの更なる実施形態の斜視図である。例示の実施形態では、弾力性部材46は、第1及び第2の側部部材42及び44の上端部52及び56から側部部材の底端部36にまで延びる。特に、弾力性部材は、第1の側部部材42の内側端部82の垂直範囲に沿って、及び第2の側部部材44の内側端部84の垂直範囲に沿って延びる。例示の実施形態では弾力性部材は複数のより糸から形成されるが、代替的な実施形態では弾力性部材の連続的な部材が利用されてもよいことが理解されるべきである。弾力性部材46が側部部材間の隙間の垂直範囲全体を埋めるので、貯蔵部30内の物品が収納ポケットの内部に入る可能性又はその逆の可能性が実質的に減らされ又はなくなる。結果として、ポケットの収納領域及び貯蔵部の収納領域は実質的に独立したままになる。
【0022】
本発明の所定の特徴及び実施形態のみが例示及び記載されているが、請求項に記載された主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、当業者にとっては、多くの修正及び変更(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び比率、パラメータの値(例えば、温度、圧力等)、取り付け配置、材料の使用、色彩、方向等の変更)が行われてもよい。任意の処理又は方法のステップの順番又は順序が、代替的な実施形態に従って変更され又は再順序付けされてもよい。従って、添付の請求項は、本発明の真の精神に当てはまるこのような全ての修正及び変更を含むことが理解されるべきである。更に、例示的な実施形態の簡潔な記載を与えるために、実際の実装の全ての特徴は記載されていない(即ち、本発明の実施の現在考えられるベストモードとは関係のないもの、又は請求項に記載の発明の実行に関係のないもの)。任意のエンジニアリング又は設計プロジェクト等における、任意のこのような実際の実装の開発において、多数の実装固有の決定が行われてもよいことが理解されるべきである。このような開発努力は、複雑で時間がかかるかもしれないが、過度の実験を用いなくても、本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作及び製造の日常的な業務であろう。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7