(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部において、前記接触座標および前記第2の階層のアイコンの各配置座標が、前記表示部上で凸型の「1+(前記第2の階層のアイコンの数)」角形を形成する各点の座標となるように決定される、請求項1記載の携帯端末。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これより
図2以降を参照して、本発明の実施形態による、アイコン展開のための携帯端末、コンピュータ・プログラムおよび方法に関する動作について説明する。図中、同一の構成要素には同一の符号を付してある。
【0015】
図2を参照して、本発明の実施形態による携帯端末の基本構成について説明する。
図2は、携帯端末の基本的な構成要素のみを示した概略ブロック図である。なお、携帯端末は、サーバや他の端末と通信が可能なスマートフォン、タブレット端末、ゲーム用コンソール、ノートPC等とすることができるものの、これらに限定されない。
図2に示すとおり、携帯端末100は、タッチ・ディスプレイ10、制御部40および記憶部50を有し、タッチ・ディスプレイ10および記憶部50に対して制御部40が接続される。
【0016】
タッチ・ディスプレイ10は、記憶部50に格納された各種データを表示するための表示部(ディスプレイ)20、および人の指やスタイラスなどの物体の接触を検知する検知部(タッチパネル)30を備える。なお、タッチパネル30はタッチ・ディスプレイの構造上、液晶パネル、有機EL、プラズマディスプレイ等のようなディスプレイ20の上層に配置される。タッチ・ディスプレイ10は、圧力検出方式、抵抗膜方式、静電容量方式や電磁誘導方式等を採用することができる。タッチパネル30上で指やスタイラス等での接触による入力を受けた際に、その位置において押圧、電気抵抗、電気容量や弾性波のエネルギー等の変化量を検知し、ディスプレイ20上の対応する接触座標が特定される。
【0017】
記憶部50は、メモリやハードディスク等の記憶媒体とし、該記憶媒体に対してデータの読み出し/書き込みを行う。記憶部50では、表示部20に表示するための複数のアイコン情報が、階層構造データとして階層毎に分類されて格納される。また、アイコン情報には、アイコンの「フォルダ」/「ファイル」形式等の種別を示すアイコン種別、ディスプレイ20に表示される際のディスプレイ上の位置座標情報、およびアイコンが選択される際に実行されるアプリケーション・プログラム情報のような各種情報が含まれる。
【0018】
制御部40は、処理装置を備えるように構成され、物体により接触され、タッチパネル30で検知したディスプレイ20上の接触座標を決定する処理を実行する。また、接触座標の位置に何らかのアイコンが配置されているかを判断し、そのアイコンに関連付けらえる上位または下位階層のアイコンを特定して展開する命令を実行し、および/またはそのアイコン自体に関連付けられた機能を実行する。
【0019】
図3に、階層毎に分類されて記憶部50に格納された複数のアイコンについての階層構造を示す。
図3の階層構造は例示に過ぎず、アイコンの種類、形状や個数に限定されないことは言うまでもない。また、アイコンは、画像イメージ、テキスト説明文やこれらの組み合わせのような任意のデータとすることができる。更に、各アイコンは、上位または下位に別のアイコンを関連付けるような「フォルダ」形式、および/または所定の機能に関連付けられ、何らかのアプリケーションで実行される「ファイル」形式等とすることができる。
【0020】
図3の例では、第1階層のアイコン1から第4階層のアイコン4nまで合計13個のアイコンが存在する。第1階層は最上位階層であり、1つのアイコン1が階層構造に関連付けられる。図示のとおり、アイコン1には下位の第2階層に3つのアイコン2a〜2cが関連付けられる。同様に、アイコン2aには更に下位の第3階層に3つのアイコン3a〜3cが関連付けられ、アイコン2bには更に下位の第3階層に2つのアイコン3d〜3eが関連付けられる。加えて、アイコン3dには更に下位の第3階層に4つのアイコン4k〜4nが関連付けられる。ディスプレイ上であるアイコンが選択されると、関連付けられた下位の第2階層のアイコンが展開される。なお、本明細書で展開とは、ディスプレイ上の所定位置にアイコンが配置され且つ表示されることを意味する。
【0021】
図3のアイコン1,2a,2b等は、下位階層に少なくとも1つのアイコンが関連付けられるものである。即ち「フォルダ」形式のものである。これに対し、アイコン2c,3c等は、下位階層にアイコンが関連付けられておらず、即ち「ファイル」形式である。「ファイル」形式の場合、何らかの機能が関連付けられ、ディスプレイ上でアイコンが選択されると、何らのアプリケーションを用いて当該機能を実行可能とする。
【0022】
次に、
図4および
図5を参照して、
図3の階層構造に基づいて、本発明の実施形態により、ディスプレイ上で下位階層のアイコンを適切に展開する処理の動作例を示す。
図4(a)〜(c)では各々、ユーザが表示部上の任意の位置で接触することにより、第1階層のアイコン1から第2階層のアイコン2a〜2cを展開する例を示す。図示のとおり、アイコン1およびアイコン2a〜2cは正方形の各頂点に展開される。ユーザの指先の接触位置が、
図4(a)では画面左下部、
図4(b)では画面中央下部、そして
図4(c)では画面右上部であり異なっている。図示のとおり、物体が接触され、接触座標に対応するアイコン1が表示されると、接触位置を基準にして正方形が向きを動的に調整されて形成・配置され、アイコン1に関連付けられる第2階層のアイコン2a〜2cが各頂点に展開される。なお、正方形状は実際に表示部に表示しても表示しなくてもいい。
【0023】
本実施形態では、タッチパネル20の任意の位置において物体の接触を検知し、最上位(第1)階層のアイコンを表示した場合でも、ディスプレイ上の接触位置に応じて、下位の第2階層のアイコンを適切な位置に配置および表示することができる。即ち、従来技術のように、予め決められた位置に対してユーザが物体を接触させる(タッチ、タップ)必要がないため、画面動作がスムーズになる。
【0024】
図4が最上位(第1)階層から下位(第2)階層へのアイコン展開を複数例示するのに対し、
図5(a)〜(c)では、これに加えて、
図3の階層構造に基づいて第2階層から第3階層への更なるアイコン展開を伴った連続的な展開動作例について示す。なお、
図5(a)は、第1階層から第2階層のアイコン展開を示し、
図4(a)に対応する。
【0025】
図5(a)において、ユーザのスライド動作に従って指先がアイコン2bまで移動し、アイコン2b上で指先が接触された場合(即ちアイコン2bが選択された場合)に、
図5(b)に移行し、今度はアイコン2bに階層上更に関連付けられるアイコン3d,3cがディスプレイの上方向に展開される。即ち、アイコン2bの位置を基準にして、正三角形がその向きを動的に調整されて配置され、アイコン2bおよびこれに関連付けられる下位の第3階層のアイコン3d,3cが正三角形の各頂点に配置され表示される。
【0026】
引き続き
図5(b)において、ユーザが指先をタッチパネルから離すことなくスライド動作させることにより、指先がアイコン3dまで移動し、アイコン3d上で指先が接触された場合(即ちアイコン3dが選択された場合)に、
図5(c)に移行し、今度はアイコン3dに階層上更に関連付けられるアイコン4k〜4nがディスプレイの下方向に展開される。即ち、アイコン3dの位置を基準にして、正五角形がその向きを動的に調整されて配置され、アイコン3dおよびこれに関連付けられる下位の第4階層のアイコン4k〜4nが各頂点に配置され表示される。
【0027】
図5の例は、第1階層から第4階層までの順次のアイコン展開動作について示したが、第5階層以降のアイコン展開についても同様である。また、
図5の例では、指先が接触したアイコン1,2b,3dはいずれも「フォルダ」形式のアイコンを想定し、各アイコン上に指先を移動させると下位階層のアイコンを更に展開する。他方、例えば第4階層のアイコン4kが「ファイル」形式のアイコンである場合には、ユーザがアイコン4kまでスライド動作で物体を移動された後、アイコン4kの位置において物体を表示部(タッチパネル)から物理的に離したような場合に、当該「ファイル」は所与のアプリケーションによって実行することができる。
【0028】
図6および
図7は、それぞれ
図4および
図5に対応した、下位階層のアイコンを展開するための処理についてのフローチャートである。
図6は、最上位(第1)階層から下位(第2)階層へのアイコン展開処理についてのフローチャートであり、
図7は、
図6に引き続いて、第2階層から第3階層へのアイコン展開処理についてのフローチャートである。なお、
図7のアイコン展開処理は、第n階層から第(n+1)階層へのアイコン展開処理(nは2以上の整数)として一般化できることが理解される。
【0029】
図6のとおり、まずステップS11で、ユーザの指先やスタイラスのような物体の接触をタッチパネル30で検知することで開始される。以降の処理は主に制御部40において実施される。ステップS12では、タッチパネルは物体の接触が一定時間以上継続したかを判定する。一定時間以上継続した場合(即ち、ユーザが長押しした場合)、制御部はフォルダ展開命令を実行し、次いでステップS13以降に進み、第2階層以降のフォルダ展開処理を実施する。一定時間以上継続しなかった場合は、ステップS14でそのまま終了する。
【0030】
ステップS13では、ディスプレイ20上の物体の接触座標を決定し、当該接触座標上に最上位の第1階層の1つのアイコンを表示する。なお、最上位アイコンは一意に特定可能なため必ずしも表示部に表示する必要はない。次いでステップS15では、記憶部50に格納された階層構造データを参照して最上位アイコンに関連付けられる第2階層のアイコンをアイコン数と共に特定する。
【0031】
ステップS16では、上記接触座標が円周上の点となるような、表示部の表示領域に全部または一部が包含される円領域を決定する。より具体的には、円領域の半径、および円領域の中心座標を決定する(詳細は
図8および
図9に関して後記)。なお、円領域は、円周上に第2階層の各アイコンをその円周上に配置するために決定される。また、円領域に関するデータは記憶部50において最上位アイコン・データと関連付けて格納される。なお、円形状は例示に過ぎず、如何なる形状にもできることが理解される。
【0032】
ステップS17では、上記円領域の円周上に配置される第2階層のアイコンの配置座標を、接触座標および第2階層のアイコンの数に基づいて決定する。つまり、接触座標および第2階層のアイコンの各配置座標が、ディスプレイ上で凸型の「1+(第2階層のアイコンの数)」角形を形成する各点の座標となるように決定するが、更に特定すれば、凸型の正「1+(第2階層のアイコンの数)」角形を形成するように決定することができる(詳細は
図10および
図11に関して後記)。第2階層のアイコンの配置座標は、記憶部50において第2階層アイコン・データと関連付けて格納される。
【0033】
次いで、ステップS18では、
図4および
図5(a)のとおり、ディスプレイにおいて、第1階層のアイコン1が表示された状態で更に第2階層のアイコン2a〜2cを表示する。その後、ユーザは、ステップS19でスライド動作により、物体の接触を第2階層のアイコンのいずれか1つにスライドさせる。
【0034】
引き続き
図7に移り、ステップS20では、スライド動作において第2階層のアイコン上の付近に物体を接触させる。すると、ステップS21では、タッチパネルが物体の接触を検出し、ディスプレイ20における物体の接触座標を決定し、更に、ステップS22で、記憶部50に格納されたアイコン・データを参照して、接触座標に関連付けられる第2階層のアイコンを特定する。
図5(a)の例では、アイコン2bを特定する。
【0035】
ステップS23では、記憶部50に格納されたアイコン・データを参照して、特定された第2階層アイコンのアイコン種別が「フォルダ」形式かどうかを判定する。「フォルダ」形式である場合には、ステップS24以降を実施してアイコン展開処理を実施する。他方、「フォルダ」形式ではなく、例えば「ファイル」形式である場合は、ステップS25において物体のタッチパネルへの接触を解除したときに、所定のアプリケーションを用いて当該ファイルの実行処理を実施する。
【0036】
ステップS24では、記憶部50に格納された階層構造データを参照して、接触座標に関連付けられる第2階層のアイコンに対し更に関連付けられる下位の第3階層のアイコンを特定する。
図5(b)の例では、アイコン2bに関連付けられる2つのアイコン3d,3eを特定する。
【0037】
ステップS26では、上記接触座標が円周上の点となるような、ディスプレイの表示領域に全部または一部が包含される円領域を決定する。より具体的には、円領域の半径、および円領域の中心座標を決定する(詳細は
図8および
図9に関して後記)。なお、円領域は、上記ステップS16と同様、円周上に第3階層の各アイコンを配置するために決定する。また、当該円領域に関するデータは、記憶部50において、特定された第2階層のアイコンのアイコン・データと関連付けて格納される。
【0038】
ステップS27では、上記円領域の円周上における第3階層のアイコンの配置座標を、上記接触座標および第3階層のアイコンの数に基づいて決定する。つまり、接触座標および第3階層のアイコンの各配置座標が、ディスプレイ上で凸型の「1+(第3階層のアイコンの数)」角形を形成する各点の座標となるように決定する。更に特定すれば、凸型の正「1+(第3階層のアイコンの数)」角形を形成するように決定することができる(詳細は
図10および
図11に関して後記)。第3階層のアイコンの配置座標は、記憶部50において第3階層アイコン・データと関連付けて格納される。
【0039】
次いで、ステップS28では、
図5(b)のように、ディスプレイにおいて、第2階層のアイコン2bが表示された状態で更に上記各配置座標に第3階層3d,3eのアイコンを表示する。その後、ユーザは更なるスライド動作を開始して、物体の接触を第3階層のアイコンの1つにスライドさせる。
図5(b)の例では、アイコン2bに関連付けられる2つのアイコン3dを特定する。以降、アイコンの階層を下位方向に展開する処理については、ステップS20からステップS29の一連の処理を繰り返し実施することで実現される。つまり、
図7のアイコン展開処理は、第n階層から第(n+1)階層へのアイコン展開処理(nは2以上の整数)として一般化できることが理解される。
【0040】
これより、
図8および
図9を参照して、
図6のステップS16および
図7のステップ26における円領域の決定処理について説明する。ここでは
図5(b)の例を用いて第2階層のアイコン2bに対して関連付けられる第3階層のアイコン3d,3eを配置するための円領域Cを決定する処理、即ち半径rおよび中心座標P
cを決定する処理ついて説明する。
図8では、
図8(a)および
図8(b)の2つについて例示し、また
図9では円領域Cを決定する処理のフローチャートを示す。
【0041】
図9のステップS31では、円領域Cの半径rは、第3階層のアイコンの数に基づいて決定するのがよい。
図8のように第3階層のアイコン数が「2」のように小さいときは半径を小さくするのがよい。これは、ユーザの指の移動を考慮した場合、距離を短くした方がユーザビリティの点で有利だからである。一方、アイコン数が大きい場合にも半径rを小さくすると、アイコンの配置間隔が非常に狭くなってしまうため、ユーザビリティの点では不利となる。よって、アイコン数が大きくなるほど、円領域の半径rを大きくするように設定するのがよい。勿論、円領域の半径rを予め決められた固定値としてもよいし、ランダムに設定するようにしてもよい。
【0042】
ステップS31で円領域Cの半径rを決定すると、ステップS32では、当該半径rを用いて、ディスプレイの表示領域の内、接触座標P
2bを中心とした円C’を決定する。円C’の円周部分(
図8のC’の点線部分)が円領域Cの中心座標P
cの候補集合とすることができる。
【0043】
次のステップS33において円領域Cの中心座標P
cを決定するに際し、表示領域が有する少なくとも1つの基準点を定義する。基準点とは、
図8(a)の例ではディスプレイの表示領域の中心点STD1と定義され、また
図8(b)の例では、表示部の表示領域の四角の点STD2〜STD5と定義される。そして、円領域Cの中心座標P
cは、接触座標P
2bと基準点の1つに基づいて決定される。
【0044】
具体的には、ステップS33では、接触座標P
2bから基準点の1つに伸ばした直線と半径rの円周の交点を、円領域Cの中心座標P
cとして決定する。
図8(a)の例では、接触座標P
2bから基準点STD1に向けて延びる直線と円C’の円周の交点を円領域Cの中心座標P
cとして決定する。同様に、
図8(b)の例では、接触座標P
2bから基準点STD2〜STD5に向けて各々直線を伸ばし、線分の距離d2〜d5の内、一番距離が長いd2に対応する基準点STD2を1つの基準点として選択して、接触座標P
2bから基準点STD2に伸ばした直線と円C’の円周との交点を円領域Cの中心座標P
cとして決定する。
【0045】
最後のステップS34では、決定した半径rおよび中心座標P
cから円領域Cを決定する。円領域Cの円周上には、下位階層のアイコンP
3d,P
3eが配置されることになり、これによって、凸型の「1+(下位階層のアイコンの数)」角形を形成することが可能になる。
【0046】
図8(a)の例のように1つの基準点STD1を表示領域の中心点と定義して、円領域Cを表示領域の中心点方向に決定することにより、下位階層のアイコンの展開がディスプレイの表示領域の中心方向に向かって実施されることになる。このことは、ユーザが常にディスプレイの表示領域の中心部周辺で物体のスライド動作を行うことができるために、ユーザ動作を安定的なものとすることができる。一方、
図8(b)の例のように基準点STD2〜STD5の内、接触座標P
2bから一番離れたものを都度選択して定義することにより、下位階層のアイコンの展開の都度、それらアイコンが、ディスプレイの表示領域内の離れた位置に配置され表示されることになる。このことは、ユーザがディスプレイの表示領域の内、空いているスペースが大きい部分で常に物体のスライド動作を行うことができるために、ユーザ動作をよりダイナミックなものとすることができる。なお、上記のように基準点を設け、基準点に基づいて中心座標P
cを決定するのではなく、ランダムに円C’の円弧部分から円領域Cの中心座標P
cを選択して決定するようにしてもよい。
【0047】
次に、
図9および
図10を参照して、
図6のステップS17および
図7のステップ27において、下位階層のアイコンについて円周上の各配置座標の決定について説明する。
図10(a)〜(c)は各々、
図5(a)〜(c)に対応する。
図11のステップS41では、θを「θ=2π/(階層のアイコン数)」の計算式で決定する。
図10(a)の例では第2階層のアイコン数が「3」のためθ=2π/4であり、同様に、
図10(b)の例では、θ=2π/3、
図10(c)の例では、θ=2π/5となる。
【0048】
そしてステップS42において、接触座標を起点にして角度θずつ回転させた円領域Cの円周上の点を下位階層のアイコン配置位置として決定する。即ち、下位階層のアイコン配置座標は、接触座標を起点にして円周上に沿って距離rθずつ等間隔に離れた点となるように決定する。
【0049】
図9および
図10のようにして、階層のアイコンの各配置座標を決定することにより、接触座標および下位階層の配置座標で形成される凸型の「1+(下位階層のアイコンの数)」角形が、正「1+(下位階層のアイコンの数)」角形として正確に形成することができる。
【0050】
最後に、本発明の実施形態によるアイコン展開動作について、若干の変形例を説明する。
図12は、
図5(b)に例示した第3階層のアイコン展開に際し、更に表示部の表示領域上に「戻る」アイコンを追加したものに相当する。図示のとおり「戻る」アイコンを追加して表示することにより、本発明の実施形態によるアイコン展開動作の変形例は、下位階層に向けたアイコン展開のみならず、上記階層に向けたアイコン展開も同時に実施可能とする。
【0051】
より具体的には、
図12(a)では、「戻る」アイコンを表示部の表示領域の下部に固定的に配置して表示している。「戻る」アイコンが固定位置にあるため、ユーザはアイコン配置を特段気にすることなく上位階層に向けたアイコン展開を実施できる。
図12(b)では、「戻る」アイコンを第1階層の接触位置に配置して表示している。第1階層の接触位置には、第1階層のアイコンが、以前(アイコン展開前)に配置および表示されていたことから、ユーザは物体の動きに従って「戻る」動作を実感しながら操作可能となる。同様に、
図12(c)では、「戻る」アイコンは、円領域Cの中心座標P
cの位置に常に配置して表示される。
図12(d)では、「戻る」アイコンは、円周上において第2階層のアイコン2bおよび第3階層のアイコン3d,3eと共に配置および表示される。
図12(d)の場合は、アイコン展開が
図12(a)〜(c)の正三角形ではなく、正四角形になる。即ち、正「2+(下位階層のアイコンの数)」角形が形成される。ユーザビリティの点では、
図12(c),(d)の構成が物体近くに「戻る」ボタンが常に配置されるため有利となろう。
【0052】
ディスプレイへの他の表示態様として、例えばアイコン情報にテキストによる説明が付加されるような場合には、ユーザが視認できるように、例えば吹き出し表示の形態として各アイコンの近傍にテキスト情報を併せて表示してもよい。また、「フォルダ」または「ファイル」形式等、表示されるアイコンの種別を視覚上区別できるように、例えば「ファイル」形式のアイコンには視覚的なエフェクトを設けるように表示してもよい。
【課題】携帯端末を用いて、階層構造を有するアイコン選択を行う場合に、ユーザの都度の接触操作を要することなく、1オペレーションで操作可能なスライド動作を提供すること。
本発明の携帯端末は、階層毎に分類された複数のアイコンが格納される記憶部、記憶部に格納された少なくとも1つのアイコンを表示する表示部、表示部と共に設けられ物体の接触を検知する検知部、そして、検知部への接触に基づいて表示部上の接触座標を決定し、該接触座標に対応する第1の階層のアイコンに関連付けられる第2の階層のアイコンを表示部に表示する制御部であって、表示部上の第2の階層のアイコンの配置座標を、接触座標および第2の階層のアイコンの数に基づいて決定する、制御部を備える。