特許第5911970号(P5911970)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5911970ユーザコンフィギュレーション機能を伴う適応的温度スロットリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5911970
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】ユーザコンフィギュレーション機能を伴う適応的温度スロットリング
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20160414BHJP
   G01K 1/02 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   G06F1/20 D
   G06F1/20 B
   G01K1/02 Z
【請求項の数】34
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-547179(P2014-547179)
(86)(22)【出願日】2011年12月29日
(65)【公表番号】特表2015-507786(P2015-507786A)
(43)【公表日】2015年3月12日
(86)【国際出願番号】US2011067949
(87)【国際公開番号】WO2013101116
(87)【国際公開日】20130704
【審査請求日】2014年6月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】プールナチャンドラン,ラジェシュ
(72)【発明者】
【氏名】アイッシ,セリム
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−158787(JP,A)
【文献】 特開2010−39655(JP,A)
【文献】 特開2009−80780(JP,A)
【文献】 特開2009−20748(JP,A)
【文献】 特開2003−195981(JP,A)
【文献】 特開2002−175131(JP,A)
【文献】 特開2006−163459(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0139326(US,A1)
【文献】 特開2007−66073(JP,A)
【文献】 特開2000−214245(JP,A)
【文献】 特開2008−235696(JP,A)
【文献】 特開2010−108324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
G06F 1/26
G06F 1/32
G01K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスの温度管理のための装置であって、
温度管理ポリシを記憶するよう構成されたセキュアメモリと、
前記デバイスの1以上のセンササブシステムに関連付けられた温度状態をモニタするよう構成された温度モニタリング回路と、
温度閾値に違反する前記モニタされている温度状態に応じて、前記記憶されている温度管理ポリシを実施するよう構成されたポリシ実行回路と、
ユーザ入力に基づく前記温度閾値を受け取るとともにユーザ入力に基づく前記温度管理ポリシを受け取るよう構成されたユーザインターフェースと、
を備えた、装置。
【請求項2】
前記ユーザインターフェースは、前記温度閾値に違反する前記モニタされている温度状態の通知を提供するようさらに構成されている、請求項記載の装置。
【請求項3】
前記ユーザインターフェースは、前記装置に対するリモートアクセスをさらに提供する、請求項又は記載の装置。
【請求項4】
前記リモートアクセスを介したユーザを認証するよう構成されたセキュリティモジュール
をさらに備えた、請求項記載の装置。
【請求項5】
プロセッサ
をさらに備え、
前記記憶されている温度管理ポリシは、前記プロセッサに関連付けられたクロック周波数を調整することを含む、請求項1乃至いずれか一項記載の装置。
【請求項6】
冷却ファン
をさらに備え、
前記記憶されている温度管理ポリシは、前記冷却ファンのスピードを調整することを含む、請求項1乃至いずれか一項記載の装置。
【請求項7】
前記デバイスの前記センササブシステムは、GPS、ジャイロスコープ、近接センサ、コンパス、加速度計、温度センサ、ファンセンサ、電流センサ、又は周辺光センサのうちの1つを含む、請求項1乃至いずれか一項記載の装置。
【請求項8】
前記記憶されている温度管理ポリシは、前記デバイスのハードウェア制限を超えていないことを提供する、請求項1乃至いずれか一項記載の装置。
【請求項9】
前記デバイスは、ラップトップ、タブレット、又はスマートフォンのうちの1つである、請求項1乃至いずれか一項記載の装置。
【請求項10】
デバイスの1以上のサブシステムに関連付けられた複数の温度閾値を設定するよう構成されたコンフィギュレーションモジュールと
前記デバイスの前記1以上のサブシステムに関連付けられた複数の温度状態をモニタするよう構成されたモニタリングモジュールと、
前記モニタされている複数の温度状態の1つによる前記複数の温度閾値の1つの違反に関連付けられた記憶されているポリシを実施するよう構成されたポリシ実行モジュールと、
ユーザ入力に基づく前記温度閾値を受け取るとともにユーザ入力に基づく前記ポリシを受け取るよう構成されたユーザインターフェースと、
を備えた、温度管理システム。
【請求項11】
前記記憶されているポリシは、前記デバイスの動作モードに関連付けられている、請求項10記載の温度管理システム。
【請求項12】
前記動作モードは、グローバルポジショニングセンサ(GPS)モード、ウェブブラウジングモード、又は通話モードのうちの1つである、請求項11記載の温度管理システム。
【請求項13】
前記記憶されているポリシは、クロック周波数を調整することを含む、請求項10乃至12いずれか一項記載の温度管理システム。
【請求項14】
前記記憶されているポリシは、冷却ファンのスピードを調整することを含む、請求項10乃至13いずれか一項記載の温度管理システム。
【請求項15】
前記デバイスの前記サブシステムは、GPS、ジャイロスコープ、近接センサ、コンパス、加速度計、温度センサ、ファンセンサ、電流センサ、又は周辺光センサのうちの1つを含む、請求項10乃至14いずれか一項記載の温度管理システム。
【請求項16】
前記記憶されているポリシは、前記デバイスのハードウェア制限を超えていないことを提供する、請求項10乃至15いずれか一項記載の温度管理システム。
【請求項17】
記ユーザインターフェースは、前記モニタリングモジュールが前記複数の温度閾値の1つに違反する前記複数の温度状態の1つを検出したという通知を提供する、請求項10乃至16いずれか一項記載の温度管理システム。
【請求項18】
前記ユーザインターフェースは、前記温度管理システムに対するリモートアクセスをさらに提供する、請求項10乃至17いずれか一項記載の温度管理システム。
【請求項19】
前記リモートアクセスを介したユーザを認証し、前記記憶されているポリシのためのセキュアメモリを提供するよう構成されたセキュリティモジュール
をさらに備えた、請求項18記載の温度管理システム。
【請求項20】
前記記憶されているポリシの1以上は、1以上のユーザ又は前記デバイスの1以上に関連付けられている、請求項10乃至19いずれか一項記載の温度管理システム。
【請求項21】
前記記憶されているポリシは、リモートサーバに記憶されている、請求項10乃至20いずれか一項記載の温度管理システム。
【請求項22】
前記デバイスは、ラップトップ、タブレット、又はスマートフォンのうちの1つである、請求項10乃至21いずれか一項記載の温度管理システム。
【請求項23】
デバイスの温度管理のための方法であって、
前記デバイスの1以上のサブシステムに関連付けられた複数の温度閾値を設定するステップと
前記デバイスの前記1以上のサブシステムに関連付けられた複数の温度状態をモニタするステップと、
前記モニタされている複数の温度状態の1つによる前記複数の温度閾値の1つの違反に関連付けられた記憶されているポリシを実施するステップと、
を含
前記温度閾値及び前記ポリシは、ユーザインターフェースを介したユーザ入力に基づく、方法。
【請求項24】
前記記憶されているポリシを前記デバイスの動作モードに関連付けるステップ
をさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記動作モードは、グローバルポジショニングセンサ(GPS)モード、ウェブブラウジングモード、又は通話モードのうちの1つである、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記記憶されているポリシに従って、クロック周波数を調整するステップ
をさらに含む、請求項23乃至25いずれか一項記載の方法。
【請求項27】
前記記憶されているポリシに従って、冷却ファンのスピードを調整するステップ
をさらに含む、請求項23乃至26いずれか一項記載の方法。
【請求項28】
前記デバイスの前記サブシステムは、GPS、ジャイロスコープ、近接センサ、コンパス、加速度計、温度センサ、ファンセンサ、電流センサ、又は周辺光センサのうちの1つを含む、請求項23乃至27いずれか一項記載の方法。
【請求項29】
前記記憶されているポリシは、前記デバイスのハードウェア制限を超えていないことを提供する、請求項23乃至28いずれか一項記載の方法。
【請求項30】
前記モニタされている複数の温度状態の1つによる前記複数の温度閾値の1つの違反の通知をユーザに提供するステップ
をさらに含む、請求項23乃至29いずれか一項記載の方法。
【請求項31】
前記デバイスに対するリモートアクセスを提供し、前記リモートアクセスを介したユーザを認証するステップ
をさらに含む、請求項23乃至30いずれか一項記載の方法。
【請求項32】
前記記憶されているポリシのためのセキュアストレージを提供するステップ
をさらに含む、請求項23乃至31いずれか一項記載の方法。
【請求項33】
前記記憶されているポリシの1以上は、1以上のユーザ又は前記デバイスの1以上に関連付けられている、請求項23乃至32いずれか一項記載の方法。
【請求項34】
命令を記憶したコンピュータアクセス可能な記憶媒体であって、前記命令がマシンにより実行される場合において、前記命令は前記マシンに請求項23乃至33いずれか一項記載の方法を実行させる、コンピュータアクセス可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、適応的温度スロットリング(adaptive thermal throttling)に関し、より詳細には、ユーザコンフィギュレーションのための機能を伴う適応的温度スロットリングに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザは、より大型の電子機器から、例えば、スマートフォン、タブレット、及びラップトップ用の極薄プラットフォームなどの小型の形状因子(form factor)を有するデバイスに変えているので、温度管理問題がますます重要になっている。より高いパフォーマンスレベルで動作するより小型のデバイスは、より多くの熱を生成して消費する。場合によっては、熱を防ぐために、デバイスのユーザによる冷却パッドの使用が必要になっている。デバイスのための温度閾値及び制限は、通常、デバイスの製造業者により設定される。デバイスに対するユーザ体験を向上させるとともにバッテリ寿命及びデバイスプラットフォームの寿命を増大させるためにユーザが熱消費に関してデバイスを設定することができる利用可能なメカニズムは、一般に存在しない。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】本開示と整合する例示的な一実施形態のトップレベルシステム図。
図2】本開示と整合する例示的な一実施形態のシステムブロック図。
図3】本開示と整合する例示的な一実施形態のブロック図の詳細。
図4】本開示と整合する例示的な一実施形態の別のブロック図の詳細。
図5】本開示と整合する例示的な一実施形態の動作のフローチャート。
図6】本開示と整合する別の例示的な一実施形態の動作のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0004】
請求される主題の実施形態の特徴及び効果は、図面を参照する以下の詳細な説明が進むにつれ、明らかになるであろう。図面において、同様の符号は、同様の部分を示す。
【0005】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を参照して進むが、多くのその代替例、変更例、及び変形例が、当業者には明らかであろう。
【0006】
一般に、本開示は、温度管理のユーザコンフィギュレーションのための機能を有する、例えば、スマートフォン、タブレット、及びラップトップなどの電子デバイスの適応的温度スロットリングのためのシステム及び方法を提供する。ユーザコンフィギュレーションは、ローカルで提供されてもよいし、例えばインターネットを介するなどリモートで提供されてもよい。温度管理は、デバイスのサブシステムに関連付けられた温度状態のモニタリングと、温度状態が特定の閾値を超えたことの検出に応じた記憶されているポリシの実施とにより、達成され得る。このポリシ及び閾値は、ユーザ固有のコンフィギュレーションに含めることができる。いくつかの実施形態では、温度管理システムへのユーザアクセスは、特にリモートアクセスの場合、セキュリティメカニズムにより認証することができ、温度管理ポリシは、安全なメモリに記憶することができる。
【0007】
図1は、本開示と整合する例示的な一実施形態のトップレベルシステム図100を示している。ラップトップ、タブレット、スマートフォン、又は任意の他のタイプの電子デバイスとすることができるデバイス102は、ユーザがコンフィギュレーション可能な適応的温度スロットリング(UCAT)モジュール104、及び、UCATユーザインターフェース(UI)モジュール106を含む。UCAT UIモジュール106は、デバイス102のユーザに、温度閾値を設定し温度管理ポリシ及びパフォーマンスプリファレンス(performance preference)を規定することによりデバイス102の温度管理を設定するための機能を提供する。UCATモジュール104は、デバイス102に関連付けられた様々なサブシステム及び/又はセンサの温度状態をモニタし、サブシステムの温度状態が閾値に違反する場合に適切な温度管理ポリシを実施する。いくつかの実施形態では、ユーザは、UCAT UIモジュール106を介して、直接的にローカルコントロール108を使用することができるのに対し、他の実施形態では、ユーザは、インターネット112を介し、そして、UCAT UIモジュール106を介して、リモートコントロール110を使用することができる。リモートコントロール110は、例えば、リモートサーバ、又は別のラップトップ若しくはスマートフォンであってよい。インターネット接続は、例えば、WiFi接続若しくは3G接続、又はクラウド接続など、任意の適切なタイプの有線接続又は無線接続であってよい。
【0008】
図2は、本開示と整合する例示的な一実施形態のシステムブロック図200を示している。デバイス102内には、UCATモジュール104及びそのサブコンポーネント、UCAT UIモジュール106、デバイスオペレーティングシステム(O/S)210、並びに、以下で説明される様々なデバイスハードウェアコンポーネントが示されている。UCATモジュール104は、セキュリティ処理モジュール202、温度管理モジュール204、ロギングモジュール206、及び通信処理モジュール208を含むことができる。デバイスハードウェアコンポーネントは、ディスプレイコントローラ212、CPU/グラフィックスエンジン220、メモリ214、セキュリティエンジン222、セキュアメモリ224、通信モジュール216、及びセンサハブ218を含むことができる。
【0009】
温度管理モジュール204は、以下でより詳細に説明される、コンフィギュレーション機能、モニタリング機能、及びポリシ実行機能を提供することができる。温度管理モジュール204は、セキュアメモリ224へのポリシ及び閾値の記憶と、セキュアメモリ224からのポリシ及び閾値の取得とを実行することもできる。セキュリティ処理モジュール202は、UCATモジュール104にアクセスしようとしているユーザを認証するために使用され得る。これは、リモートアクセスの場合、特に有用であり得る。セキュリティ処理モジュール202は、セキュリティエンジン222と協働して、認証を実行することができる。ロギングモジュール206は、ユーザコンフィギュレーションアクティビティに関連付けられたトランザクションのログをとるために使用され得る。通信処理モジュール208は、デバイス102から、リモートコントロール110に関連付けられたサーバなどのリモートサーバへのセキュア通信を提供するために使用され得る。
【0010】
デバイスO/S210は、コンピュータオペレーティングシステム、又はデバイス及び/又はデバイスのコンポーネントに一般的制御及びサービスを提供するモバイルデバイスオペレーティングシステムなどのソフトウェアモジュールとすることができる。デバイスO/S210は、CPU/グラフィックスエンジン220上で実行され得、UCATモジュール202、204、206、208と、デバイスハードウェアコンポーネント212、214、216、218、220、222、224との間のインターフェースサービスを提供する。デバイスO/S210は、既存のプラットフォーム電力・パフォーマンスマネージャ(platform power and performance manager)も含み得る。このプラットフォーム電力・パフォーマンスマネージャは、ハードウェアの電力制限及び/又は温度制限を超えないことを確実にするために、パフォーマンス制約をデバイスサブシステム及び/又はセンサに課すことができる。
【0011】
UCAT UIモジュール106は、特にローカルコントロール中にディスプレイ機能を提供するディスプレイコントローラ212の制御の下、ディスプレイを介して、ユーザとインターフェースをとることができる。
【0012】
セキュアメモリ224は、温度管理ポリシのためのセキュアストレージ(改ざん防止ストレージ)を提供することができる。いくつかの実施形態では、セキュアメモリ224は、eMMC NANDベースフラッシュメモリとすることができる。セキュリティエンジン222は、改ざん防止実行環境のために、必要とされる暗号化動作を提供するハードウェアコンポーネントとすることができる。
【0013】
図3は、本開示と整合する例示的な一実施形態のブロック図の詳細300を示している。温度管理モジュール204は、コンフィギュレーションモジュール302、モニタリングモジュール304、及びポリシ実行モジュール306を含む。コンフィギュレーションモジュール302は、デバイス102のサブシステム及び/又はセンサに関連付けられた複数の温度閾値を設定する機能を提供することができる。これらの閾値は、例えば、UCAT UIモジュール106により提供されるユーザ入力などのユーザ入力に基づくものであり得る。モニタリングモジュール304は、前述のサブシステム及び/又はセンサに関連付けられた複数の温度状態をモニタするよう構成される。ポリシ実行モジュール306は、モニタされている複数の温度状態の1つによる複数の温度閾値の1つの違反に関連付けられた記憶されている温度管理ポリシを実施することができる。温度管理ポリシには、プロセッサ又は他のハードウェアコンポーネントのクロック周波数を低減すること(あるいは、別の方法で調整すること)や、冷却ファンのスピードを速めること(あるいは、別の方法で調整すること)などのアクションをとることを含めることができる。ポリシは、例えば、ウェブブラウジング、GPS位置サービシング、又は通話中など、デバイス102の現在の動作モードに応じて、カスタマイズされ得る。ポリシはまた、デバイス102の現在のユーザのアイデンティティ(identity)に応じて、又は、特定のデバイス102に応じて、カスタマイズされ得る。いくつかの実施形態では、ポリシは、ローカルに記憶することもできるし、例えば、ダウンロード可能で1以上のユーザデバイスからアクセス可能なクラウドサーバなどのリモートに記憶することもできる。
【0014】
UCATモジュール104は、デバイスO/Sのプラットフォーム電力・パフォーマンスマネージャと協働して、記憶されているポリシ又は別のものに基づく温度管理コンフィギュレーション設定がプラットフォーム電力・パフォーマンス制約又は他のハードウェア制限に違反しないことを確実にすることができる。潜在的な違反が発生した場合、ポリシに対する推奨される変更が策定され得、ユーザに提供され得る。こうした推奨は、ユーザプリファレンスに基づくものであってよい。
【0015】
図4は、本開示と整合する例示的な一実施形態の別のブロック図の詳細400を示している。センサハブ218は、デバイス102に関連付けられ得る、又はデバイス102内に一体化され得る様々なセンサとインターフェースをとることができる。こうしたセンサは、GPS402、ジャイロスコープ404、近接センサ406、コンパス408、加速度計410、及び周辺光センサ412を含み得る。図示せぬさらなるセンサは、温度センサ、ファンセンサ、電流センサ、及び/又は、デバイス102とともに使用されるのに適した他の任意のセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、温度閾値設定及びモニタリングが、センサハブ218を介して実現されてもよい。他の実施形態では、温度閾値設定及びモニタリングが、センサに対して直接実行されてもよい。
【0016】
図5は、本開示と整合する例示的な一実施形態の動作500のフローチャートを示している。動作504において、UCATが呼び出されたかどうかが判定される。UCATが呼び出された場合、動作506において、UCATは、セキュアメモリ又はリモートストレージから、現在記憶されているポリシをロードする。動作508において、UCATユーザインターフェースは、ユーザコンフィギュレーション機能を提供する。このコンフィギュレーション機能は、温度閾値の動作モードに対する関連付け、温度閾値の適用の頻度の設定(例えば、UCAT適応レート)、及び、温度閾値を満たしている、又は超えている場合に呼び出されるフォールバックメカニズム(fallback mechanism)の規定を含み得る。動作510において、新たなコンフィギュレーションが、プラットフォーム電力・パフォーマンス制約又はデバイス制限に違反しているかどうかが判定される。そのような違反が存在する場合、動作512において、UCATは、デバイスO/Sの一部とすることができるプラットフォーム電力・パフォーマンスマネージャと協働して、ユーザプリファレンスに基づき得る代替コンフィギュレーションを策定する。動作514において、UCATは、新たな閾値をもって、センサハブ及び/又は個々のセンサをプログラムし、新たなポリシ設定をセキュアメモリ又はリモートストレージに保存する。ユーザプリファレンスも、セキュアメモリ又はリモートストレージに保存されてよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、UCATは、パフォーマンスを増大させるためのオプション、又は現在のデバイス利用に基づく改善された体験を提供するためのオプションをユーザに提供することができる。例えば、UCAT UIは、CPU及び/又はGPUの利用可能な動作周波数、対応する温度要件、及びこれがデバイス表面温度(device skin temperature)にどのように影響を与え得るかに関する詳細をユーザに提供することができる。次いで、ユーザは、この情報に基づいて、高パフォーマンス動作モード又は低パフォーマンス動作モードを選択することができる。いくつかのケースでは、ユーザは、デバイスがユーザから離れて存在する場合、デバイスが最大パフォーマンスモードで動作することを選択することがある。デバイスがユーザから離れて存在する場合としては、例えば、テーブル又はスタンド上のデバイスを用いて映画を見る場合があり、そのような場合、デバイス表面温度は、パフォーマンスよりも重要ではない。
【0018】
図6は、本開示と整合する別の例示的な一実施形態の動作600のフローチャートを示している。動作610において、デバイスの1以上のサブシステムに関連付けられた温度閾値が、ユーザ入力に基づいて設定される。いくつかの実施形態では、ユーザ入力は、UCATユーザインターフェースを介して、ローカルで又はリモートで取得され得る。動作620において、デバイスのサブシステムに関連付けられた温度状態がモニタされる。いくつかの実施形態では、サブシステムは、GPS、ジャイロスコープ、近接センサ、加速度計、コンパス、周辺光センサ、又は他の適切なセンサなどのセンサを含み得る。動作630において、モニタされている温度状態の1つによる温度閾値の違反に関連付けられた記憶されているポリシが実施される。いくつかの実施形態では、記憶されているポリシもまた、UCATユーザインターフェースを介して、ローカルで又はリモートで取得され得、実施される特定のポリシの選択は、現在のユーザ及びデバイスの現在の動作モードに依存し得る。いくつかの実施形態では、モニタされている温度状態の1つによる温度閾値の違反が生じた場合に、ユーザに通知を提供することができる。この通知もまた、UCATユーザインターフェースを介して実行され得る。
【0019】
本明細書で説明した方法の実施形態は、個別に又は組み合わせて命令を記憶した1以上の記憶媒体を含むシステムにおいて実現され得る。このような命令は、1以上のプロセッサにより実行される場合において、本方法を実行する。ここで、プロセッサは、例えば、システムCPU(例えば、コアプロセッサ)、及び/又はプログラマブル回路を含み得る。したがって、本明細書で説明した方法に従った動作は、様々な物理的位置における処理構造などの、複数の物理デバイスにわたって分散されてもよいことが意図されている。また、本方法の動作は、当業者により理解されるように、個別に、又は、副組合せをもって実行されてもよいことが意図されている。したがって、各フローチャートの全ての動作が実行される必要はなく、本開示は、そのような動作の全ての副組合せが、当業者により理解されるように、可能であることを特に意図するものである。
【0020】
記憶媒体は、任意のタイプの有形媒体を含み得る。このような有形媒体の例として、フロッピディスク、光ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク書き換え可能(CD−RW)、デジタル多用途ディスク(DVD)、及び光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、動的および静的ランダムアクセスメモリ(RAM)といったRAM、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどの半導体デバイス、磁気または光カード、又は、電子的命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体がある。
【0021】
本明細書の任意の実施形態において使用される「回路」は、例えば、配線回路、プログラマブル回路、状態マシン回路、及び/又は、プログラマブル回路により実行される命令を記憶するファームウェアを、単独で又は任意の組合せで含み得る。
【0022】
本明細書で使用された用語及び表現は、限定することなく説明のために使用され、このような用語及び表現の使用では、図示及び記載された特徴の任意の等価物(又は、その部分)を排除することを意図したものでなく、様々な変更が請求項の範囲内で可能であることが認識されよう。したがって、請求項は、このような全ての等価物をカバーするよう意図されている。様々な特徴、態様、及び実施形態を本明細書で説明した。このような特徴、態様、及び実施形態は、当業者により理解されるように、互いに対する組合せとともに、変更及び変形を受け入れる。したがって、本開示は、そのような組合せ、変更、及び変形を包含するものと考えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6